スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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一年草

春に群生して咲く青い花! ワスレナグサ(勿忘草)の特徴や種類・育て方などを徹底解説
ワスレナグサってどんな花? ワスレナグサは春を代表する花の一つで、昔からガーデナーに愛されてきました。ここでは、ワスレナグサの性質や基本情報、品種、名前にまつわる悲しいストーリーなど、幅広くご紹介していきます。 ワスレナグサの特徴 dowraik/Shutterstock.com ワスレナグサは、ムラサキ科ワスレナグサ属の植物です。原産地は世界中の温帯地域で、本来は多年草ですが、日本の高温多湿の気候に弱く夏越しできずに枯死してしまうので、日本では一年草として分類されています。やや湿り気のある環境を好み、極端に乾燥すると葉が黄色く枯れ込んだり、しおれたりすることもあります。 ワスレナグサのライフサイクルは、以下の通りです。秋にタネを播いて育苗し、越冬して翌春の3月下旬頃から開花。夏前には枯死してしまうので抜き取って処分します。このように、種まきから枯死するまでが半年ほどで、ライフサイクルの短い植物です。 ワスレナグサの草丈は10〜50cmほど。一般に出回っている種類は10〜20cmほどですが、中には40〜50cmにまで成長する高性種もあります。開花期は3月下旬〜5月頃で、小さな5弁花がまとまって咲く可憐な姿が人気。花は小さいながらもたくさんの花茎を立ち上げてたっぷりと咲き、色の塊となるので、庭で存在感を放ちます。花色はパステルブルーが最もポピュラーですが、ピンク、白、紫なども揃います。 ワスレナグサの品種 Lijuan Guo/Shutterstock.com ワスレナグサの学名はMyosotis (ミオソティス)で、約50種が確認されています。ガーデニングで流通しているのは、以下の2種とその園芸品種です。 ミオソティス・シルヴァチカ(Myosotis sylvatica)ヨーロッパ〜アジアが原産地。和名はエゾムラサキといい、日本でも自生する姿が見られるようです。多くの品種の中でも草丈は高いほうで、50cmほどになります。ミオソティス・アルペストリス(Myosotis alpestris)ヨーロッパのアルプス山脈やピレネー山脈、バルカン半島などが原産地。山地や高冷地の草原や林の中で自生しているのが見られます。草丈は10〜20cmくらい。日本ではノハラワスレナグサと呼ばれています。 園芸品種では、草丈20cmほどで従来種に比べて大きな花が咲く‘ミオマルク’が人気。‘ドワーフブルー’は草丈15cmほどの小ぶりなサイズで、花つきがよくたっぷり咲くのが特徴です。‘ブルームッツ’は、花も葉も大きく、草丈が40cmにもなる高性種。「ビクトリア」シリーズは、インディゴブルー、ピンク、ホワイト、ライトブルーの4色が揃う品種群です。 ワスレナグサの悲しい伝説 Szymon Bartosz/Shutterstock.com ワスレナグサの花名の由来となっている、悲恋物語をご存じでしょうか。 中世時代のドイツでのお話です。騎士のドルフは、恋人のベルタとドナウ川を散策していました。美しい青い花が咲いているのを見て、ベルタのために摘み取ろうとした彼は、あろうことか足をすべらせ、そのまま川に落ちてしまったのです。川の流れにさからい、岸辺にたどり着こうともがくも虚しく、最期を悟ったドルフ。力を振り絞って摘み取ったその花を岸辺へ投げて「私を忘れないで!」とベルタに呼びかけたのち、その姿は見えなくなりました。残された恋人のベルタは、彼が残した最期の言葉をこの花に名付け、ドルフの墓前に捧げたといいます。この悲恋物語から、英名も「forget me not」と名付けられ、日本にも「勿忘草(わすれなぐさ)」と伝わりました。 このようなストーリーがあることから、ワスレナグサの花言葉には、「私を忘れないで」「真実の愛」「思い出」などがあります。 ワスレナグサの育て方は? ここまで、ワスレナグサの性質や基本情報、品種、名前の由来などについて触れてきました。さて、ここからはガーデニングの実践編として、ワスレナグサの育て方について詳しく解説していきます。 ワスレナグサの育て方1. 種まき Kazakov Maksim/Shutterstock.com ワスレナグサの種まきの適期は、10月頃です。タネを播くと、たくさんの苗をつくることができるので、花壇へたっぷりと群植させてみましょう。楚々とした風情の花ですが、群植させると迫力が出ますよ! 苗を入手するよりも安価になるのもメリットです。また、ワスレナグサは前年に植えていた花がタネをつけ、周囲にこぼれたタネから発芽して増えるほど、丈夫な植物。成功体験を得やすいので、ビギナーにもおすすめです。 【直まき】 ポットなどで育苗せずに、花壇に直接タネを播くことを「直まき」といいます。日当たりや風通しのよい場所を選び、種まきの1〜2週間前に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで、ふかふかの土壌づくりをしておきましょう。タネを播く前日に、一晩水に浸けて吸水させておきます。花壇にタネをばらまきし、軽く土をかぶせて手で押さえます。発芽したら、苗が重なっているところや、込み合っている部分を間引いて調整します。間引く際は、ヒョロヒョロと伸びたか弱い苗や、傷がついている苗など、生育が悪いものを選ぶとよいでしょう。最終的に株の間隔は20〜30cmほどになるようにしましょう。 【ポットまき】 ビニール製の黒ポットにタネを播いて育苗することを「ポットまき」といいます。培養土は、赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせた配合土を準備しましょう。市販の種まき用にブレンドされた培養土を用いてもかまいません。タネを播く前日に、一晩水に浸けて吸水させておきましょう。黒ポットに用土を入れ、2〜3粒ずつタネを播き、軽く土をかぶせて手で押さえます。発芽後、弱々しい苗は間引いて、最終的に1本残します。日当たりがよく暖かい場所で、適切に水やりをして管理しましょう。 ワスレナグサの育て方2. 苗の植え付け OlegDoroshin/Shutterstock.com 植え付けの適期は、10月中旬〜11月上旬か、翌年の3月頃です。ポットに種まきして育てた苗、または花苗店で入手した苗を植え付けます。ワスレナグサは春の定番の花として人気があり、安価で手に入れやすい草花の一つです。 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。こんもりと茂るので、複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、5〜6号鉢に1〜3株を目安にします。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ワスレナグサの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 ワスレナグサの育て方3. 日常管理 wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やり 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。その際は、株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、ジョウロのハス口を外して、株元の地面を狙って与えてください。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、ジョウロのハス口を外して、株元の土を狙って与えてください。 花がら摘み ワスレナグサは次から次へと咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 ワスレナグサの育て方4. 肥料 New Africa/Shutterstock.com 元肥 苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥を施すことで苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。 【地植え】 植え付ける前に、腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合、市販の培養土には肥料が含まれていることが多いので、元肥を施す必要があるかどうか確認し、必要な場合は緩効性化成肥料を施しておきます。 追肥 植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。 【地植え】 秋に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分。あまり与えすぎると茎葉ばかりが旺盛に茂って、かえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合は、水やりとともに肥料成分が流失しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになるので、月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性のある液肥を与えてもよいでしょう。開花期は開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。 ワスレナグサの病害虫対策は? Marcel Jancovic/Shutterstock.com 害虫 ワスレナグサにつきやすい害虫はアブラムシで、3月頃から発生しやすくなります。2~4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせると共にウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。 病気 ワスレナグサに発生しやすい病気は、灰色カビ病です。やや気温が低くて湿気が多い時期に多く、花やつぼみ、葉などに灰色のカビが現れます。茎葉がまだら模様になり、ひどくなると枯死してしまうので注意。病気を防ぐためにも、終わった花がらや枯れ葉はまめに摘み取り、株周りを清潔に保っておきましょう。発生したら冒されている部分を切り取り、適応する殺菌剤を散布します。 ワスレナグサは寄せ植えに向いている? YvonneH/Shutterstock.com 一般に流通しているワスレナグサは草丈が20cm前後とやや低いので、鉢植えにして扱いやすい植物です。ただし、40〜50cmにまで成長する種類もあります。高性種は花壇向きなので、寄せ植えを目的にタネや苗を購入する際は、草丈のチェックを忘れずに。 ワスレナグサは一つひとつの花は小さいですが、開花期にはたっぷりと咲くので、主役としても脇役としても活躍してくれます。また、春の花の中でもワスレナグサのようなブルーの花色は少ないため、存在感を強く放ってくれます。調和しやすいパステルカラーなのでバランスが取りやすく、反対色にあたるオレンジ色のナスタチウムなどと組み合わせれば、メリハリの効いたカラーコーディネートにも利用できます。 ワスレナグサは丈夫で鉢栽培もしやすく、寄せ植えの相手を特に選びません。ビオラやパンジー、デージー、プリムラ、ネモフィラ、スイートアリッサムなど、開花期の合う植物と相性よくまとまります。 主役でも脇役でも活躍! ワスレナグサを育てよう Oksana Shufrych/Shutterstock.com ワスレナグサは春先に咲くパステルブルーの花で、つい足を止めて見とれてしまうほど美しい花色が魅力です。花をたくさん咲かせる性質を生かして花の絨毯を演出してもいいですし、他の春の草花と寄せ植えして脇役としても活躍します。比較的丈夫で育てやすいワスレナグサを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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野菜

初心者にもおすすめ! 菜の花を育てて食べて観賞して、春を満喫
菜の花の基本情報 kai keisuke/Shutterstock.com 植物名の総称:菜の花学名:Brassica英名:Rape blossom、Turnip rape、Chinese colza和名:菜花(なばな)その他の名前:花菜(はなな)、油菜(あぶらな)科名:アブラナ科属名:アブラナ属原産地:東アジア、ヨーロッパ分類:一・二年草 菜の花といえば、早春から景色を彩る黄色い花として誰もが知る存在ではないでしょうか。しかし、これが特定の植物の名前ではなく、アブラナ科に属する植物の総称だということは意外に知られていないかもしれません。一年草または二年草で、草丈は40〜50cm。秋に種まきをすると、翌年の春に開花します。 和種アブラナと西洋アブラナ 和種アブラナ。yoshi0511/Shutterstock.com 食べると甘みとほろ苦さがバランスよく口に広がる菜の花は、和種アブラナと西洋アブラナに分けることができます。青果店やスーパーに並んでいる菜の花をじっくり見てみましょう。和種アブラナは、長さの揃った花芽が束になっているもので、淡い黄緑色で柔らかいのが特徴です。西洋アブラナは若い茎葉が束になっており、より緑が濃く葉も厚みがあります。 菜の花は栄養も満点 studio presence/Shutterstock.com 菜の花に多く含まれる栄養素はβカロテンです。ほかにビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、鉄、カルシウム、カリウム、食物繊維、マグネシウム、リン、鉄などを含みます。 花を楽しむ菜の花 aleori/Shutterstock.com 園芸分類:草花・野菜開花時期:2〜4月草丈:40〜50cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:黄、白 菜の花は、花の美しさを観賞する目的で栽培する方も多いことでしょう。ほとんどの菜の花は、「食用」と「観賞用」が明確に区別されてはいませんが、‘黒川寒咲きちりめん’や‘春雷’など、観賞用として出回っている品種もあります。また、切り花用として販売されているのは、ちりめん白菜を改良した品種が多く、葉がやわらかく明るい黄緑色で、縁が縮れているのが特徴です。育てる際には、株間を広く取るとよく分枝して、野菜としての収穫量が多くなります。逆に株間を狭めにすると分枝が少なくなって、観賞用として大きく見応えのある花を楽しめます。 菜の花の名前の由来や花言葉 taka1022/Shutterstock.com 「菜」という漢字には、食用にする草という意味があります。菜の花は、さしずめ食用できる草の花ということになるでしょうか。花言葉は「快活な愛」「競争」「小さな幸せ」「快活」「活発」「元気いっぱい」「豊かさ、財産」などです。 菜の花の栽培12カ月カレンダー 開花時期:2〜4月肥料:10月頃種まき:8月下旬〜10月中旬 菜の花の栽培環境 Honki Kumanyan/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい環境を好みます。 【日当たり/屋内】屋外で栽培します。 【置き場所】風通しのよい環境を好み、密植すると蒸れて病気が発生しやすくなり、側枝が発生しにくくなるので注意しましょう。 耐寒性・耐暑性 菜の花の生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。暑さと乾燥が苦手で、寒さには強いのが特徴です。したがって、ビギナーでも作りやすいのは、秋に種を播いて育てる「秋まき」です。 菜の花の育て方のポイント 用土 Sleepyhobbit/Shutterstock.com 水はけ・水もちのよいふかふかとした土壌を好みます。多湿を苦手とするので、水はけの悪い土壌では堆肥や腐葉土などを多めに施し、畝を高めにしておくとよいでしょう。適した土壌酸度 (pH) は6.0〜6.5で、酸性に傾いた土壌を苦手とするため、土づくりの際には、苦土石灰を散布しておきます。 【地植え】 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2〜3ℓ、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。 【鉢植え】 野菜用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真冬は、気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になることもあるので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 発芽後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて過度に乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもじめじめと湿った状態にするのは禁物。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 種まきから1カ月後を目安に、追肥と土寄せを行います 。菜園では化成肥料を1㎡当たり30g、コンテナでは約10gを周囲にばらまき、土によくなじませます。 このとき、苗の周囲を軽く耕す「中耕」の作業を行っておきましょう。土は降雨や水やりが繰り返されると、かたく締まった状態になります。周囲を軽く耕すことで、土中に空気が送り込まれて根の生育がよくなります。また、土寄せをして株元をしっかりと支えましょう。その際、雑草が生えていれば抜いておきます。 注意すべき病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 菜の花に発生しやすい病気は、白さび病、立ち枯れ病などです。 白さび病は、カビによる伝染病で、葉の裏に白く小さな楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。梅雨や秋の長雨の時期に発生しやすくなります。茎葉が茂りすぎたら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。だんだん生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適用のある殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。 【害虫】 菜の花に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。食用ではなく観賞用として育てる場合は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書くとおり、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を見つけたら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして捕殺を。観賞用として育てる場合は適用のある薬剤を散布して防除します。 菜の花の詳しい育て方 種まきのコツ AmyLv/Shutterstock.com 菜の花の種まき適期は、8月下旬〜10月中旬です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、幅約50cm、高さ約20cmの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。この畝の中央に、15〜20cm間隔で種まき用の穴をあけます。直径3〜4cm、深さ約1cmのこの穴に、種子を4〜5粒ずつ播きます。ごく薄く土をかぶせ、軽く手のひらで押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水やりをしましょう。 【鉢植え】 標準サイズのプランターを準備。底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用の培養土を入れます。水やりの際にあふれ出すことのないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。表土に約15cmの間隔で種まき用の穴をあけます。直径3〜4cm、深さ約1cmのこの穴に、種子を4〜5粒ずつ播き、土をかぶせ、軽く表土を手で押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流で鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。 間引きをして1本立ちにする S.O.E/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 菜の花は、種まきから3〜4日ほどで発芽します。本葉が2〜3枚ついたら、2本残してほかは間引きましょう。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取ります。 本葉が4〜5枚ついたら、1本のみ残して間引きます。がっしりと締まって勢いのある苗を残しましょう。このとき、軽く周囲の土を耕して苗に寄せ、倒伏しないようにしておきます。 収穫 HikoPhotography/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 菜の花の収穫適期は、年内採りする場合は11月頃、越年する場合は3月上旬〜中旬です。 苗が順調に生育し、つぼみが見えてふくらみ始めたら収穫します。花の先端から10〜15cmくらいのところをハサミで切り取りましょう。切った部分からは、またわき芽が出て花芽が上がり収穫量が増えるので、まめに収穫を繰り返すとよいでしょう。 観賞用としての育て方のポイント やや密に植える。aleori/Shutterstock.com 日当たりと風通しのよい場所で育てるなど、基本的なことは収穫を目的とした育て方と同じです。 「気軽に始めたいから」と苗を購入してスタートする方もいるかもしれませんね。その場合は、ポットから苗を抜き出して植え付ける際には、絶対に根鉢をくずさずに作業することがポイントです。菜の花は「直根性」という性質で、根菜類のように太くて長い根を持っています。この太い根を傷つけてしまうと、その後の生育が大変悪くなってしまうので、注意しましょう。「直根性」の植物は、基本的に種まきをして間引きながら育苗するのがベターです。 また、観賞用として育てるなら、苗と苗の間隔は6〜7cmくらいにしてもかまいません。菜園よりも株間を狭めにするほうが、群植したときに迫力のあるシーンをつくることができます。収穫を目的としないならば、病害虫防除の薬剤散布も行えます。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するタイプの粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 収穫した菜の花をおいしく食べよう yoshi0511/Shutterstock.com 自身で育てて収穫した菜の花は、できるだけ美味しく食べたいですよね。収穫後の保存方法から下ごしらえ、おすすめの食べ方まで、押さえておきたいコツについてご紹介します。 おいしく保存する方法 収穫した菜の花は、水で湿らせたキッチンペーパーに包み、密閉袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。2〜3日のうちに食べ切りましょう。 一度にたくさん収穫できて食べきれない場合は、流水で洗った後に大鍋に湯を沸かしてゆでます。水を切ってキッチンペーパーで余分な水気を拭き取り、小分けにして冷凍保存を。使う際は、自然解凍してください。 菜の花の持ち味を最大限に生かすゆで方 菜の花に含まれる栄養素を失わずに調理するには、以下の方法がおすすめです。 菜の花は、水洗いした後に茎の太い部分とつぼみがついた先端のほうとを切り分けます。塩をひとつまみ入れた湯に茎の太いほうを先に入れて1分前後を目安にゆで、次につぼみがついた先端のほうを入れて30秒ほど待ってからざるに上げます。冷水にさらして、しっかり絞りましょう。 菜の花をおいしく食べる方法 菜の花独特のほろ苦さを味わうなら、おひたしや和え物が最適。ゆでた後に、みじん切りしたニンニクと一緒に、オリーブオイルまたはバターで炒めても美味です。パスタやスープの具材にするのもおすすめ。天ぷらにする場合は下ゆでせずに、そのまま衣にくぐらせて揚げましょう。 菜の花を飾って春を楽しもう ykokamoto/Shutterstock.com 菜の花を収穫用として栽培した場合も、最後には花を咲かせてインテリアに飾ってはいかがでしょう。黄色い菜の花は、ピンクや白との相性が抜群。特にひな祭りの時期には、桃と一緒に飾ると素敵です。水が濁らないように、水に浸かる葉は切り取っておきましょう。水をよく吸い上げるので、毎日替えてください。菜の花は切り花にしても少しずつ成長するので、水を替える際に切り口を少し切り戻すとよいでしょう。 育てて、食べて、飾って楽しめる菜の花で春を満喫しよう tamu1500/Shutterstock.com 秋に種まきし、寒い冬を乗り越えて早春に花を咲かせる菜の花。つぼみがふくらみ始めた頃に収穫して、栄養満点の野菜として美味しくいただくこともできます。眺めて美しく、食べて美味しい菜の花を、ぜひベランダや菜園で育ててみてはいかがでしょうか。丈夫な性質で放任してもよく育つので、ビギナーの方にもおすすめです。
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家庭菜園

愛するニャンコに新鮮な猫草を! 窓辺で簡単に育つ猫草自家栽培
ビタミン、ミネラル豊富なイネ科の植物 AllaSaa/Shutterstock.com 愛猫家の間ではよく知られている「猫草」。実は猫草という草があるわけではなく、猫が好んで食べるイネ科の若葉のことを総称してそう呼んでいます。猫がなぜこの草を好んで食べるのかには諸説あるようですが、一般的にはグルーミングした際の毛玉を吐き出すために、また便秘解消、栄養補給のためといわれています。 イネ科の植物にはイネ(米)はもちろん、小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエなどがあります。これらは人類が主食としている穀類です。猫は本来、肉食動物なので穀類の炭水化物を必要としませんが、イネ科の植物にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が多く含まれているため、それらの栄養素が必要な場合に猫草を食べると考えられています。ですから、猫草を食べないからといって心配することもありません。ちなみに道端の雑草にもイネ科の植物が多いので、犬も同様の理由で散歩の際に食べることがあります。 猫草を育ててみよう! ホームセンターや園芸店では猫草の苗も販売されていますが、タネから育てればコンスタントに新鮮な猫草を与えることができます。タネ播きから収穫までの10日間の経過を追ってみました。 <使ったタネ>イタリア原産の小麦のオーガニック種子。 オーガニック種子は、化学農薬・化学肥料を使用せず、遺伝子組み換えなしで栽培・採種されたオーガニックのタネのことで、採取後のタネにも消毒を施していません。 ねこ草(小麦)有機種子・固定種30g(約580粒)339円/グリーンフィールドプロジェクト <使った道具>水耕栽培用のプラスチック容器。タネを播く上段と水を入れる下段に容器が分離できるので、水替えの管理が楽にできます。 キッチンファーム 0.45L 330円(参考価格)/大和プラスチック ホームセンターやネット通販で入手可能。 <準備>タネを容器の下に入れて、一晩水につけておきます。水を切って、上段にタネ同士が重ならないように並べ、下段に上段の底ギリギリくらいまで水を張ります。スプラウト類と異なり、イネの発芽には光の明暗は関係しないので、そのまま日当たりのよい窓辺に置きます。穂を形成するまでは育てないので、10℃以上あれば発芽し、若葉までは十分育てられます。5℃以下では発芽しないので、冬場の置き場所には配慮しましょう。 <3日目>芽が1cmほど、水中に根も1cmほど伸びてきました。毎日水を替えます。 <6日目>よく日の当たる窓辺で、緑の若葉がスクスク伸びています。上段を外して水を替えるだけなので、管理はとても楽。 <7日目>前日と比較しても伸びているのが分かります。すごい成長力です。もう十分収穫できます。 <10日目>モヒカンのように伸びた小麦若葉。根がいっぱいになっているので、この器で育てるにはもう限界です。ペットが食べてくれない場合には、自分でいただいてしまいましょう。じつは、小麦若葉はスーパーモデルも注目する美容フードです。詳しくは『ミランダ・カーも愛飲! ウィートグラスジュースのつくり方』をご参照ください。 水耕栽培でなくても、鉢植えでも育てられます。猫だけでなく、モルモットさんもよく食べます。
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ガーデン&ショップ

「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園 」ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
彩り豊かな庭をつくるためにガーデナーが踏まえておく条件とは 2023年、画期的な試みとして大注目を浴びた「第1回 東京パークガーデンアワード」。2回目となる今回は、神代植物公園のプロムナード両脇の植栽エリアを活用して、コンテストガーデンが設けられました。以前ここはツツジや笹が列植する緑一色だったという場所だけに、花でどんな彩りがプラスされるのか期待が高まります。 北側に並ぶ日向の花壇(写真左)と、南側に並ぶ日陰の花壇。どちらの背後にもシラカシが列植されている。 コンテストガーデン区画(花壇)は、事務局にて既存地盤の上に盛土(厚さ40cm)を行い、土留め用の木材で囲った状態で引き渡しされました。基礎土壌は(上層20㎝が多孔質人工軽量土壌/下層10cmが黒土)が用いられていますが、ガーデナーは自身が表現したい植栽が健全に育つために、ガーデン制作時に土壌改良・施肥などをすることは可能です。 【ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと】 ◼️ガーデンのテーマは「武蔵野の“くさはら”」とし、多年生植物をメインとしたガーデンを制作すること。◼️国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は使用できません)。◼️主たる植物は多年生植物を使用。容易に制御が可能な、草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。◼️構造物やガーデンオーナメント等の設置は不可。植物のみで構成すること。 「第2回 東京パークガーデンアワード」【12月】第1回作庭 各ガーデナーの植え込みの様子をチェック。ガーデナーの経験値が頼りになる5者5様の土壌づくりにも注目を! コンテストガーデンAGrasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜 古橋 麻美さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:完熟堆肥(ガーデンプレミアムコンポ)、バーク堆肥排水確保:燻炭(ピノス)マルチング:杉皮バーク堆肥(ガーデンモス)元肥:有機肥料バットグアノ ◆土壌を整える◆ 土壌中の有機物を増やし微生物を活性化するために、バーク堆肥と完熟堆肥(ガーデンプレミアムコンポ)の2種類を混ぜながら耕す。 日向・日陰それぞれの花壇に水抜き穴を15カ所あけ、燻炭を入れる。 デザインに基づいて、溝や起伏を作る。 ◆植え付け◆ 苗を配置確認してから植える。 カマッシアやダッチアイリス、シラー、クロッカス、スイセンなどの球根を植え、グラス類以外の宿根草を植える場所に、有機元肥としてバットグアノを軽く混ぜ込む。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/杉皮バーク堆肥で全体にマルチングをする。右/植えつけた場所にそれぞれの植物名を書いたネームプレートを挿す。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 左/日向・日陰とも花壇の後方に剪定枝で形作ったバイオネストを設置。右/雑草や切り戻した植物は、溝部分にも混ぜ込んでいく予定。 切戻しなどで出た病気にかかっていない枝葉は、なるべく細かくしてマルチングとして利用します。もしくは後方にバイオネストを作り、夏の間堆積し発酵を促した後、土壌に漉き込みを行う予定です。雑草も同様で、一年草は後方へ堆積。宿根性の雑草(ヤブガラシ、ドクダミ、ササなど)が出てきた場合、根は処分したいと考えています。 コンテストガーデンB花鳥風月 命巡る草はら メイガーデンズ、柵山 直之さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:腐葉土、もみ殻燻炭、バーミキュライト、ピートモスマルチング材:腐葉土、一部に剪定生チップ溝に入れ込むもの:鉢底石元肥:発酵腐葉土ぼかし、一部に有機肥料バイオゴールド ◆土壌を整える◆ 左/トラックから荷物を降ろして、自身の区画に運ぶ。右/デザインに基づいてラインを引き、位置確認をする。 左/保水性・通気性を高めるための資材(腐葉土:微生物の餌でありミネラルの元となる、もみ殻燻炭:アルカリ性ミネラルで微生物の住処になる、ピートモス:酸性ミネラルを補う、バーミキュライト:保肥力を高める)を投入する。右/水を注いで排水状態を確認。 左/1㎡単位水糸を張り、デザインに基づいて溝や起伏をつける。右/土壌全体に発酵腐葉土ぼかしを混ぜる。 ◆植え付け◆ 左/苗を置いて全体のバランスを確認してから苗を植える。右/水はけのために、溝の端部を深く掘り、鉢底石を敷きこんだ。 植えた苗の間に、スイセン、原種チューリップ、ダッチアイリス、カマッシアなどの球根を植える。 ◆マルチング◆ 花壇全体の表面を腐葉土で覆う。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・雑草や剪定残渣は粉砕し、マルチング材として花壇に使用する。 ・簡易なインセクトホテルを制作し、今後刈り取ったイネ科の茎を詰め込んだテントウムシの冬越し場所を設けたい。 コンテストガーデンC草原は、やがて森へ還る。 吉野 ひろきさん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:真砂土、バーク堆肥(炭入りコンパ)、竹炭、燻炭、もみがら、パーライト(ネニサンソ、ホワイトローム)マルチング材: バーク堆肥、落ち葉、杉皮樹皮バーク(しらさぎ難燃マルチバーク)溝に入れ込むもの:剪定枝葉竹、落ち葉、竹、稲藁、元肥:牛ふん、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)、バークその他:プランツタグ、草花固定誘引ワイヤー ◆土壌を整える◆ 左/デザイン図に基づいて線を引いてから、起伏をつける。右/パサパサしている土壌の質を変えるため、関西で使われることが多くてやや重みのある真砂土、排水効果を高めるパーライト、団粒構造を作りながら維持するバーク堆肥、保水性や通気性を高めるもみ殻や燻炭を混ぜ込む。 左/溝に、空壁があって微生物が住み着きやすい竹炭を敷いてから樹木の枝を入れ込む。枝はモミジやカナメモチ、マキ、ウメなどで、これらを敷きつめることで空気や水が通りやすくなる。太さ・長さ・落葉性・常緑性にさまざまなタイプを投入することで腐食時間がまちまちになり、さまざまなバクテリアが発生しやすくなる。また、こうすることでこの溝に向かってまわりの植物の根が動き、土中環境を活性化させる。右/植え付ける場所に、肥料分として汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ)、牛糞、バーク堆肥を混ぜる。 ◆植え付け◆ 配置図を確認しながら苗を配置し、1ポットずつ順に植え付ける。 原種チューリップやクロッカス、スイセンなどの小球根や大きめのアリウムの球根を、苗の合間に植える。 ◆マルチング◆ バークを敷きならしたのち、落ち葉、杉皮樹皮バーク(しらさぎ難燃マルチバーク)でカバーする。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・ガーデン内の草花の各群落の間、地形の緩やかな起伏に合わせて、その間を縫うように深さ10~20cm、幅は10cm程度の溝を張り巡らせ、水や空気が通る道を作った。溝や穴には、主に有機物植物の枝葉が絡みつくように寝かせ、そこに落ち葉や竹炭、燻炭、微生物活性汚泥、バーク堆肥などを混ぜておく。こうすることで、ガーデン内の土壌の保水性・通気性・透水性を高め、土壌微生物の増殖をも促すので、植物の根系の成長が活性化されるものと考えている(作庭当初はこの溝が多少目立つが、やがて草花が覆い隠すので、気にならなくなる)。 ・メンテナンス時に発生した花がらや枯草、剪定枝、除草した草などは溝に漉き込むほか、落ち葉などとともにマルチング材としても再利用する。森の地面が落ち葉で深く覆われているように、表層を自然の野山と同じ状態にする。 ・発生有機物をすべてガーデン内で循環利用し、やがて土へ還り植物たちの栄養へと再び還元されるゼロエミッションな計画を考えている。 コンテストガーデンDfeeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~ 藤井宏海さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:腐葉土マルチング材:腐葉土元肥: 食品リサイクル有機質堆肥(ミラクルバイオ肥料FDS)、鶏糞有機発酵堆肥(アミノ有機)その他:樹名板(間伐材を加工した花名板を設置予定) ◆土壌を整える◆ 既存の土が肥性に優れた黒土と透水、通気性に優れた改良土(エコロベースソイルCAプラス)だったため、腐葉土を混ぜ込んで耕運機で耕うんして微生物の働きで団粒構造のあるフカフカな土にする。 黒土はリン酸が欠乏しやすそうなので、鶏糞を発酵させた有機発酵堆肥(アミノ有機)を耕運機でまんべんなく混ぜ込む。 水糸を張ってグリッドを作り、デザインに基づいて溝や盛り上がりを作る。グラス系の植物を植えこむ場所を盛り上げ通気性、排水性をよくする。花を植える部分には食品リサイクル有機質堆肥(ミラクルバイオ肥料FDS)を混ぜ込む。 ◆植え付け◆ 左/グリッドを生かして苗を配置し、植えていく。右/アリウム、チューリップ、オーニソガラムなどの球根を植え込む。 ◆マルチング◆ 武蔵野の黒土の色をイメージして、溝も含めて全体的に腐葉土で覆う。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ガーデン管理で出た剪定くずは、堆肥ヤードで堆肥化しマルチング材として活用し、ガーデン内で資源の循環を図る。微生物がより活発に活動がしやすい環境を作るために、枝や葉をヤード内に混合させる。 コンテストガーデンE武蔵野の“これから”の原風景 清水一史さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:完熟落ち葉堆肥(五段農園/岐阜県)、鹿沼土(刀川平和農園/栃木県)マルチング材:バーク堆肥(上田林業/滋賀県)、腐葉土(岡部産業/東京都) ◆土壌を整える◆ 左/既存の人工土壌と黒土の層が混ざり合うように、耕運機で念入りに耕してから均す。右/人工土壌がややアルカリ性なので、在来の野草がよく育つ弱酸性に傾けるために鹿沼土を一面に投入し、粒がつぶれないように軽く耕うん。 左/完熟落ち葉堆肥を最後に投入し、軽く攪拌、築山を造成していく。右/完熟した落ち葉堆肥(五段農園)。パッケージは培養土化した商品のもので中身は異なる。 ◆植え付け◆ 水糸を張ってグリットを作り、デザインに基づいて苗を植える。植物1種あたり0.5〜1.5㎡ほどをまとめて植えるブロックプランティングを採用。レイアウトを決めるマーキングにはスプレーなどを使わず、完熟落ち葉堆肥を線上に撒いて行った。 ◆マルチング◆ 目の細かなバーク堆肥を2cm、葉の形がやや残った腐葉土を2cm敷いた。土と植物の本来の姿を見届けるべく施肥は予定していない。 【植え付け完了】 ■日向(北側) ■日陰(南側) 【メンテナンス時の発生材について】 ・植物ゴミ等の現場発生資材を集めて、堆肥とするため“バイオネスト”を設置する。剪定した植物ゴミを投入、巡回時に天地返し。マルチング材として使用する”刈草堆肥”を作成する。 ・バイオネストに資材を投入し、巡回時に天地返しするだけでは“完熟”せずに雑菌や雑草種子、病原菌などの混入が懸念されるため、土壌への鋤きこみには使用せず、マルチングとして活用することを想定している。 ・将来的には、現場発生資材と神代植物公園内で発生する落ち葉を利用し、“完熟”落ち葉堆肥にするコンポストプログラムなども妄想し、ガーデンと公園で資源循環を実現できないかと考えている。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 東京都・神代植物公園を舞台に行われている「第2回 東京パークガーデンアワード」。5人のガーデンデザイナーが日向と日陰のガーデンづくりにチャレンジし、趣の異なる10のガーデンを鑑賞することができます。いつでも自由に見学可能。日々表情を変えていくプロによる植栽を見に、ぜひ訪れてください。 都立神代植物公園(正門手前プロムナード[無料区域])所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30~17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。
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暮らし

啓蟄(けいちつ)は時季を指す言葉! 旬の食べ物や見頃の花も解説
啓蟄の意味や二十四節気・七十二候について candy candy/Shutterstock.com 啓蟄という言葉は、もともとは陰暦で用いられるもので、二十四節気の一つ。まずは啓蟄という言葉の意味や、二十四節気、七十二候について解説します。 啓蟄の意味とは Konstanttin/Shutterstock.com 啓蟄の「啓」には「ひらく」「開放する」「夜が明ける」という意味が、「蟄」には「冬ごもりの虫が土の下にこもる」という意味があります。この漢字が示すとおり、啓蟄とは、冬ごもりしていた虫が外に這い出してくる頃をいい、二十四節気ではその日を指します。ただし虫だけでなく、ヘビやトカゲ、カエルなど、冬眠から覚めるすべての生き物が含まれます。 二十四節気とは Kwangmoozaa/Shutterstock.com 二十四節気とは、1年を24等分し、季節を表したもので、太陽の黄道上の動きを15度ずつに分けて決められています。1年を4つの季節に分け、その4つの季節をさらにそれぞれ6つに分けて、「節または節気」と「気(中または中気とも)」が交互にくるようになっています。 二十四節季では、春は「立春」から始まり、3番目に「啓蟄」がきます。啓蟄は太陽暦の3月の、5日か6日頃にあたります。5日か6日頃とあいまいになる理由は、二十四節気は、年によって1日程度前後することがあるためです。また、特定の日ではなく次にくる「春分」までの期間を指すこともあり、その場合は3月5日頃~3月20日頃にあたります。 七十二候とは Nitr/Shutterstock.com 七十二候(しちじゅうにこう)とは、1年を72等分したもので、二十四節気をさらに3分割したものです。それぞれの二十四節気には初候・次候・末候の3つの候があり、それぞれ草花や鳥、虫の様子などで表しています。 例えば、啓蟄も以下のように初候・次候・末候に分けられます。 初候は「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」で、すごもりしていた虫たちが外に出てくる時期です。次候は「桃始笑(ももはじめてさく)」で、桃がその年はじめて咲く時期です。末候は「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」で、冬を越した蝶の蛹が羽化してはばたく時期です。 啓蟄の頃の気候 rainsoop/Shutterstock.com 啓蟄の頃は雨が多く、この時期の雨を「菜種梅雨」や「催花雨」と呼びます。「菜種梅雨」は菜の花が咲く頃の雨で、「催花雨」は開花を促すような雨という意味です。 また、春の雷は「春雷」といい、特に啓蟄の頃の雷を「虫出しの雷」といいます。季節の変わり目で、気象の変化が激しく、風が吹く日もあります。この頃の穏やかな風を「春風」といい、強い風や激しい風を「春疾風」といいます。 啓蟄の頃を旬とする食べ物 Luca Santilli/Shutterstock.com 季節の変化に目を向けるなら、同時に季節の恵みを目いっぱい味わいたいものですね。それでは、啓蟄の頃に旬を迎える食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか。野菜や魚介類について、種類ごとにご紹介します。 うど YUMIK/Shutterstock.com 啓蟄の頃になると、スーパーなどで山ウドが出回り始めます。 ウドは部位別に調理すると、1本まるごと使いきることができます。穂先は炊き込みご飯の具材にしたり、天ぷら、すまし汁などに。茎は生のまま和え物やサラダにするほか、煮物や炒め物にも。皮は厚めにむいて千切りにし、きんぴらなどにするのもおすすめです。 山菜 sakura r/Shutterstock.com わらびはシダ植物の仲間で、葉が広がる前の、くるくると巻いている新芽を食べます。ちょっとした山や野でもたくさん採れる身近な山菜です。 ぜんまいもシダ植物で、時計のゼンマイのように渦巻き状に先が丸まった状態で発芽します。食べられる部分は丸く巻いた若い葉の茎です。 たけのこ Aomas/Shutterstock.com たけのこは、竹の新芽の部分です。竹には70種類ほどありますが、そのうち芽が食べられるのは数種類です。竹の成長は非常に早いため、収穫できる期間はわずかです。 天ぷらやたけのこご飯などにして美味しく頂けます。 菜の花 karins/Shutterstock.com 菜の花は特定の種ではなく、アブラナ科アブラナ属の花やつぼみの総称です。店頭で菜の花として販売されているものの多くは、食用に開発された菜花(なばな)の花芽ですが、ハクサイやダイコンの花芽も同じように食べることができます。 ゆでて辛し和えやかき揚げ、菜の花ごはんなどにするのがおすすめです。 さより Taro_since2017/Shutterstock.com 魚介類では、さよりが旬を迎えます。啓蟄頃は産卵前のため、脂がのって味のよいものが流通します。 うま味があるため、お刺身や塩焼きなどにすると美味です。 はまぐり HikoPhotography/Shutterstock.com はまぐりの旬は2~4月です。はまぐりは2枚の殻がぴたりと重なることから、「夫婦和合」の意味で結婚などの祝い事の食材としても用いられてきました。また、ひな祭りの膳として定番のはまぐりのお吸い物は、食べると良縁を招くとされます。 お吸い物や酒蒸し、網焼きなど、いろいろな調理法で楽しめます。 啓蟄の頃の花 LFO62/Shutterstock.com ここからは、啓蟄の頃に見頃を迎える花についてご紹介します。 ジンチョウゲ Brookgardener/Shutterstock.com ジンチョウゲは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で、原産地は中国です。 早春に小さな花が毬状になって枝先に咲き、よい香りを放ちます。 モモ Moni.ka/Shutterstock.com モモは、バラ科モモ属の落葉高木です。春に花を咲かせ、夏に果実を実らせます。たくさんの品種があり、花の美しい品種は特にハナモモと呼ばれ、観賞用として愛されています。 ひな祭りにはモモの花を飾りますが、飾る理由はいくつかあります。まずは、ちょうどこの時期に咲く花であること。また、モモは中国では霊力のある木とされていたこと。さらに、実がお尻の形に似ていることから、安産や多産の象徴とされたことなどです。 スミレ zikko2020/Shutterstock.com スミレは、スミレ科スミレ属の多年草の総称で、春先に紫色の小さな花を咲かせます。日本にも数多くの種類が自生しており、野山や街中でも見かけます。 カタバミ Natalka De/Shutterstock.com カタバミは、カタバミ科カタバミ属の植物の総称で、ハート形の葉に黄色い小さな花を咲かせます。晴れた日の午前中に花が開き、夕方には花弁を閉じ、葉も折りたたみます。日本でも道端や畑などあちこちに自生しています。 啓蟄は生き物たちが動き出す季節 oliver magritzer/Shutterstock.com 啓蟄は寒い冬から少しずつ暖かくなって、冬眠していた生き物たちが動き出す頃を指します。この時季に旬を迎える食べ物や花もたくさんありますので、ぜひ季節の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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展示会

よりかわいく! 育てやすく! 楽しくなった「クリスマスローズの世界展2024」
2月23日(金)〜24日(土)開催「クリスマスローズの世界展2024」 新品種を紹介する「新花コンテスト」入賞・出品作品展示や日本クリスマスローズ協会会員が育てた美しい花々など、クリスマスローズの魅力が堪能できます。イベントの目玉であるクリスマスローズマーケットには人気の生産者や園芸店、園芸資材のお店が勢揃い。今年出展するクリスマスローズナーセリーの中から「横山園芸」と「クリスマスローズ ふみ屋」に、今年の一押し品種について伺いました。 愛らしさが進化した‘プチドール®︎’をご覧ください! 今や日本のクリスマスローズは精緻な美しさと圧倒的なバリエーションで世界を驚嘆させるほど。そんなクリスマスローズの育種の第一人者が、横山園芸の横山直樹さんです。 横山さんが作出した花弁数が247枚もある‘プリマドレス®︎ ルナソラ’(非売品)。 横山さんは、英国アシュウッドナーセリーで育種のノウハウを学び、これまでクリスマスローズにはなかった小輪で多花性、コンパクトな株姿に小さい葉っぱが特徴の‘プチドール®︎’や、花弁数が40枚以上になる大輪で華やかな‘プリマドレス®︎’、H.チベタヌス交配の‘ヨシノ’など、数々の名花を誕生させてきました。 横山園芸の代表品種の一つで希少種の‘ヨシノ’。 「100年後にも残る花を作りたいと思って、日々育種に取り組んでいます。整った形、品のある美しさ、可愛らしさだけでなく、丈夫に成長してくれる引き締まった株づくりをすることを大事にしています」と語る横山さん。なかでも今回のクリスマスローズ展で注目してほしいのは、‘プチドール®︎’だといいます。 小花がたわわに咲きコンパクトな株姿にまとまる‘プチドール®︎’。 「‘プチドール®︎’は日本の栽培環境に合わせて、狭いスペースでも楽しめることや育てやすさを課題にし、2001年に育種に取り組んで以降、今に至るまでどんどん進化させてきました。その結果、非常に可愛らしい花になってきました。花の色も明るくクリアーになり、花の大きさもより小ぶりな子たちが増えてきました。そしてダブル八重咲きタイプも少しずつお目見えしています。‘プチドール®︎’を使った寄せ植えのワークショップもありますので、ぜひ会場で新しい魅力に触れて、皆様で早春の花の楽しみを共有していただけたらと思います」。 左/‘プチドール®︎ ラウンドブーケ’、右/‘プチドール®︎ ライスシャワー’(ともに非売品)。 幻の花、チベタヌス交配の多彩なカラーバリエ ベインと呼ばれる赤色の筋が美しいチベタヌス交配品種。 幻のクリスマスローズ、チベタヌスの交配ナーセリーとして知られる「クリスマスローズ ふみ屋」で注目なのは、やはりチベタヌス交配の最新品種。 チベタヌスとはクリスマスローズの原種の一つで、ほとんどの原種が欧州に分布するのに対し、中国の四川省〜甘粛省の山奥に隔離分布します。幻といわれる所以は、1869年にフランス人宣教師のダヴィッド神父が発見して以降、100年以上も行方知れずとなったことから。その後、日本人の荻巣樹徳氏が神父の日記を頼りに中国の山奥へ分け入り、標高2,100m地点でチベタヌスを再発見。1世紀ぶりの空白を埋めたこの大発見は、日本のみならず欧州にも一大センセーションを巻き起こしました。さらにチベタヌスとの交配により数々の美しい園芸品種を生み出し、クリスマスローズの世界をより多様にしました。 チベタヌスは比較的早く芽を出し、冷たい空気の中で透き通るように薄い和紙のような質感の淡桃色の花を咲かせます。植生豊かなアジアでただ一種生き残ったチベタヌスは、ほかにはない美しさが魅力。「クリスマスローズ ふみ屋」では、そのチベタヌスを花粉親にほかのクリスマスローズを交配し、赤花や黒花など、新しいタイプのチベタヌス交配クリスマスローズを作出。個性豊かな花が会場に多数お目見えします。 こうした希少品種をゲットしたいなら、1時間早く入れるアーリーチケットがおすすめです。さらに、15時以降から入場できるお得なレイトチケットもありますので、ランチやお買い物の後に寄って、新しいお花をぜひ楽しんでください! クリスマスローズの世界展2024〜魅惑の花・新たなステージへ〜 開期:2月23日(金)〜24日(土)時間:10時〜19時(*アーリーチケットは9時〜)会場:東京池袋・サンシャインシティ文化会館ビル2F 展示ホールDHP:https://crsekai.com
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家庭菜園

じゃがいも入門! 自分でじゃがいもを育ててみよう!
じゃがいもとは じゃがいものレシピは多岐にわたっており、おかずにおつまみ、おやつにと、食卓に頻繁に登場する人気の野菜です。でも、その出身地や性質については、意外と知られていないもの。ここでは、じゃがいものプロフィールや栄養価、食べ方・保存法など、多岐にわたって取り上げます。 根菜類に分類されるじゃがいも OlegDoroshin/Shutterstock.com じゃがいもは、ナス科ナス属の植物。普段食べているじゃがいもは丸い形に肥大した地下茎の先端部分で、根菜類として分類されています。じゃがいもは種イモの植え付けからスタートしますが、これには必ず花苗店やホームセンターで入手できる、検査に合格したウイルスフリーの種イモを使うことが大切です。菜園で自家採取したものや、青果店で購入したじゃがいもは、ウイルス病を広げる原因にもなるので、使用できません。 じゃがいもの原産地 Vadim Zignaigo/Shutterstock.com じゃがいもの原産地は、南米アンデス山脈地方。スペイン人によって16世紀にヨーロッパへ渡り、日本には1600年頃に、インドネシアのジャワ島を経て長崎に持ち込まれたとされています。じゃがいもは南米の高冷地が原産のため、冷涼な気候を好みます。北海道での栽培が盛んで、最大の生産地になっているのもうなずけますね。生育適温は15〜20℃で、温暖な地域では、春と秋の2回作ることができます。痩せ地でも栽培しやすい野菜の一つで、収穫量は、なんと種イモの10倍以上! 栽培効率のよい野菜です。 じゃがいもは栄養たっぷり! Anna Kucherova/Shutterstock.com じゃがいもは、穀物に迫るほどデンプンの含有量が多く、栄養価の高い野菜です。また、ビタミンCを多く含むため、フランスでは「大地のリンゴ」と呼ばれています。加熱によるビタミンCの損失が少ないのも特徴です。体内の塩分を排出するカリウムも豊富に含み、利尿作用があるとされています。 一方で、意外にカロリーは低く、100gで約70キロカロリー。これはお茶碗1杯のご飯の半分のカロリーに値します。 じゃがいもの調理と保存法 Matthew J Thomas/Shutterstock.com じゃがいもは、調理の幅が広いのも魅力ですね。シンプルにじゃがバターにして素材そのものの味を楽しむほか、煮物やスープの具材にも重宝。炒め物やポテトサラダ、コロッケなどにも利用できます。素揚げしたフライドポテトは、おやつやおつまみに大人気ですね。 また、じゃがいもは長期保存ができるのもメリットの一つ。ただし、保存中に光線が当たると皮が緑化してえぐみが発生するので、できるだけ光を通さない冷暗所で保存しましょう。新聞紙などでしっかり包んで冷蔵庫などに入れてもかまいません。また、イモの芽には有毒物質のソラニンが含まれ、食べると食中毒を起こすことがあるので、芽が出ている場合は深くまでえぐり取ってから調理に使うようにします。 じゃがいもの品種 Mink Supawatee/Shutterstock.com じゃがいもは品種が多く、それぞれに形や色、食感などが異なるので、いろいろな品種を栽培して食べ比べをしてみるのも楽しいもの。ここでは、家庭菜園に向く品種を取り上げてご紹介します。 男爵薯 ふっくらと丸く、表面はややゴツゴツとした形をしています。早生種で収穫量が多いのも特徴で、果肉は白く、ほくほくとした食感。デンプンを多く含み、粉質で、じゃがバターや粉ふきいもに向いています。煮込むとくずれやすいタイプです。 メークイン 長めの楕円形で、ゴツゴツ感は少なく、すべすべとした手触り。果肉はやや黄みがかった白色で、肉質はねっとりとして緻密です。やや甘みがあり、低温貯蔵すると甘みが増します。粘質で、コトコト弱火だと煮くずれしにくく、煮込み料理に向いています。 キタアカリ 北海道生まれで、早生種のため家庭菜園でも栽培しやすい品種です。丸みのある形で表面は少しゴツゴツしています。果肉はやや黄色みが強く、ほくほくとした食感です。粉質で火の通りが早く、粉ふきいもやじゃがバター向き。強火だと煮くずれしやすいので、調理は弱火で。 デジマ 暖地での栽培に向き、名前は長崎の出島にちなんでいます。楕円球形で芽が浅くつき、皮はなめらかな質感。果肉は黄みがかった白色で、やや粉質のほくほく感が楽しめます。強火だと煮くずれしやすいので、弱火にかけてほどよい煮くずれ感を楽しむカレーや肉じゃがに。 ニシユタカ 長崎で生まれた品種です。西南の暖地でよく育ち、収穫量も多いことが名前の由来。新ジャガとして春に出回ることが多いようです。楕円球形で、表皮はやや荒いのが特徴。果肉は淡い黄色で、やや粘質の食感です。煮くずれしにくいので、おでんなどの煮込み料理向き。 アンデス赤(アンデスレッド) なんといっても表皮が赤いのが、最大の特徴です。休眠期間が短いため、春と秋の二期作ができますが、長期保存には向かず、芽が出やすい特性があります。ふっくらとした球形で、表皮はややなめらか。果肉の明るい黄色は、βカロテンを多く含む証拠です。ほくほくとした食感を楽しめ、煮くずれしやすいので、マッシュポテトやコロッケなどに向いています。 じゃがいもの植え付け時期 Photos box/Shutterstock.com じゃがいもは、暖地なら春植えと秋植えの、年に2回の栽培ができる野菜です。 春植えでは2月下旬〜3月中旬に植え付けて、梅雨明け頃に収穫。秋植えでは9月に植えて11〜12月に収穫するのが一般的です(関東基準)。 春植えと秋植えでは、植え付けに適した品種が異なるので、品種の選定がポイントになります。春植えに向くのは、男爵薯、メークイン、キタアカリなどで、秋植えに向くのは、デジマやニシユタカなどです。アンデス赤は、春・秋両方に向いています。 春植え、秋植えに向く品種のキーポイントは、休眠の深さ(長さ)が関わっています。秋に植える種イモは、春植えして収穫したイモを使うので、休眠から早く目覚める品種を使う必要があるのです。そのため、秋植えでは休眠の浅い(短い)品種を選ぶのがポイントになります。 ただし、縦に長い日本では気候が多少異なるため、二期作に向かない地域もあります。東北・北海道などの寒冷地では、夏に植え付けて秋に収穫するのがよく、九州・沖縄地方では、冬の終わりに植え付けて梅雨入り前に収穫するのがおすすめ。土地の気候に合った栽培をするとよいでしょう。 育てるための事前準備と注意点 プランターで栽培する場合と、菜園で栽培する場合とに分けて、事前に準備しておくことを解説します。菜園の場合は特に、植え付けの2〜3週間前に土づくりをし、分解が進んで土が熟した頃に植え付けるように、あらかじめ準備をしておくことが大切です。 プランター nkula/Shutterstock.com じゃがいもは根菜類で、太らせた地下茎を収穫します。そのため、プランターで栽培する場合は、深めの大型容器を準備します。深さは30cmほど、容量では25ℓ以上あるとよいでしょう。じゃがいもの栽培に適した土壌酸度はpH5.0〜6.0の弱酸性なので、市販のじゃがいも用の培養土を準備します。 畑の土づくり Stivog/Shutterstock.com まず、植え付け場所の選定について。じゃがいもは連作を嫌うので、前作にナス、トマト、ピーマンなど、ナス科の植物を植えていた場所は避けましょう。日本は雨が多く、土壌が酸性に傾きがちなため、野菜用の土づくりの際に苦土石灰を散布するイメージがありますが、じゃがいもの場合は必要ありません。なぜなら、じゃがいもの栽培に適した土壌酸度はpH5.0〜6.0で、弱酸性の状態を好むからです。 植え付け場所が決まったら、種イモを植える2〜3週間前のタイミングを見はからって、土づくりを行います。そうか病の予防のために、米ぬかを1㎡当たり約30gを目安に、全体に散布。クワでよく耕して土全体に行き渡るように混ぜ込んでおきます。 じゃがいもの栽培管理のポイント では、いよいよじゃがいもの栽培管理のポイントを解説していきます。植え付けから収穫まで、約3カ月という短い期間なので、ビギナーに向く野菜といえるでしょう。 植え付け rodimov/Shutterstock.com 植え付けの2〜3日前に、種イモの準備をします。芽の数が均等につくように、1片50〜60gに切り分け、風通しのよい場所に置いて、切り口を乾かしておきましょう。 プランターで栽培する場合は、深型プランターに鉢底石を底が隠れる程度に敷き詰め、培養土を半分くらいまで入れます。プランターに入れた土を5cmほど掘って、種イモの芽を上にして植え付け、軽く覆土しましょう。最後に、水を鉢底から流れ出すまでたっぷりと与えます。 菜園に植え付ける場合は、畝幅は60〜70cm取って、よく耕します。畝の中央に、クワで深さ15cmの溝を掘り、株間を約30cm取って、切り口を下にして種イモを配していきます。種イモ同士の間に、堆肥300〜400gと化成肥料(N-P-K=8-8-8、以下同)を約30g置き、土を埋め戻して、周囲より5cmほど高い畝に整えましょう。 芽かき Nikolay Antonov/Shutterstock.com 発芽して、草丈が20〜30cmになったら、元気のいい芽を2〜3本残し、ほかの芽は取り除く「芽かき」を行います。芽をたくさん残すと、養分が分散されて小さなイモばかりになってしまいますが、芽かきをすると、数は絞られるものの、大きくてどっしりとしたイモを収穫することができるのです。芽かきの際は、勢いがあって丈夫な芽を残し、ほかは付け根からかき取ります。この時、種イモが一緒に上がってこないように、根元をしっかりと押さえておきましょう。最後に、1㎡当たり約30gの化成肥料を株元にまき、軽く耕して土に混ぜ込んで株元に寄せておきます。 追肥と土寄せ FotoDuets/Shutterstock.com 開花前後からイモが太り始めます。開花しそうになったら、1㎡当たり約30gの化成肥料を株の周囲にまいて追肥をします。軽くクワで耕して混ぜ込み、株元にしっかり土を寄せておきましょう。収穫するイモは、種イモよりも浅いところにできます。そのため、土寄せが足りないと、イモが地表に出てきてしまうので注意しましょう。じゃがいもが太陽に当たると緑化して有毒なソラニンが発生し、食べると食中毒を起こしてしまいます。以後は1〜2週間おきに株の状態をチェックして、必要であれば土寄せをして、イモが地表に出るのを防ぎましょう。 プランター栽培の場合は、同様に追肥のタイミングで鉢の縁までたっぷりと培養土を足し、増し土をします。 病気・害虫 MU Studio/Shutterstock.com じゃがいもにつきやすい害虫は、アブラムシやテントウムシダマシなど。見つけ次第捕殺して、発生初期に対処することが大切です。 じゃがいもの土壌酸度はpH5.0〜6.0が適しており、弱酸性の環境を好みます。土壌がアルカリに傾いている場合、そうか病にかかりやすくなるので、土づくりの際に注意しましょう。また、ナス科の植物を連作すると生理障害が発生しやすくなるので、必ず輪作することが大切です。 収穫 FotograFFF /Shutterstock.com 春植えでは5月下旬〜梅雨明け前、秋植えでは11月下旬〜12月が収穫のタイミングです。葉や茎が枯れて黄ばんできたのを目安に収穫します。雨の日に収穫すると、掘り上げたじゃがいもが腐りやすくなるので、晴れた日が2〜3日続いた頃に行うとよいでしょう。 収穫の際は、地中のじゃがいもを傷つけないように、株元から20〜30cm離れたところからスコップの刃をさします。周囲の土をゆるめてから、株元を手で持って引き上げます。地中にじゃがいもが残っていないか手で探り、残さずに収穫しましょう。 土を落として表面が乾いたら、遮光ネットをかぶせた冷暗所で保存を。10〜14日ほど追熟させると糖分が増して甘くなります。日光はもちろん、蛍光灯の光でも緑化してしまうので、保存時の管理には注意しましょう。 収穫後の畑は、枯れた葉や根を処分し、クワで表土をならして整地しておきます。 台所に欠かせないじゃがいも Val_R /Shutterstock.com 青果店やスーパーでは、一年中手に入る常備野菜のじゃがいも。調理法がさまざまで毎日の食卓を彩ってくれるうえ、保存もきくという、台所には欠かせない存在です。そんなじゃがいもが、じつは初心者でも簡単に育てられる野菜だということをご紹介しました。ぜひ家庭菜園やプランターで育ててみてはいかがでしょうか。
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レシピ・料理

食べられる春の野草を摘みに行こう
意外とたくさん 食べられる野草 普段は雑草として気にもとめないような身近な草花の中にも、食べられるものはたくさんあります。栽培品種ではない野草は、アクや癖の強いものが多いのですが、アク抜きなどの下処理をすると、野の香りと野趣あふれる風味が楽しめ、普段の野菜とはまた違うおいしさが味わえますよ。 ここでは、身近な場所でもよく見かける、代表的な食べられる野草を5種類ご紹介します。 ツクシ 春の野の楽しみといえば、代表的なものがツクシ。春の一時しか見られない姿なので、土手などにツンツンと伸びる可愛らしい光景を見て、春の訪れを実感する人も多いのではないでしょうか。ツクシはスギナの胞子茎で、両者の姿は全く違いますが、地中で根はつながっています。 美味しいツクシは胞子が飛ぶ前の、穂先が締まった状態のもの。収穫したら、まずは「はかま」を取り除きましょう。茎の周囲についている「はかま」は葉が退化したもので、かたくて食べられません。下茹でして炒め物や卵とじ、つくだ煮、ツクシご飯などにして、春の味覚を楽しみましょう。 ナズナ ナズナという名前より、ぺんぺん草という別名のほうが通りがよいかもしれません。茎の周囲に小さなハート形の実がたくさん並び、実を少し引っ張ってから茎をくるくると回すと音が鳴るので、子どもの頃に遊んだ人も多いはず。春になると、道端や野原などのあちらこちらで白い小花を咲かせている姿が目に留まります。春の七草の一つでもあり、とても身近な野草です。 ナズナを食用にする時は、冬から早春にかけての柔らかい若葉を摘みましょう。ナズナは癖やアクが少なく、ほろ苦くて美味しい野草です。さっと茹でてお浸しや卵とじに、また味噌汁の実などにもよく合います。 タンポポ Photo/Spdy/Shutterstock.com 明るい黄色の丸い花が、元気をくれるタンポポ。子どもから大人まで誰もが知っている、代表的な春の花の一つですが、都会で見かけるタンポポは外来種のセイヨウタンポポやその交雑種が多く、カントウタンポポなどの在来種を見かけることは少なくなりました。よく似た両者ですが、花が咲いている時期にガクが外側に反り返っているのがセイヨウタンポポの特徴です。 漢方では「蒲公英」として活用されていることが知られていますが、ヨーロッパでは食用の品種が栽培されているほど一般的な香味野菜として扱われています。苦みが強いので、下茹でした後に水にさらしてしっかりとアクを抜き、和え物やソテーなどに。天ぷらにしてもほろ苦さと香りがあり、春らしい味わいが楽しめます。 ヨモギ 濃い緑色と豊かな香りが、草餅や草団子などの春の和菓子に欠かせないヨモギ。切れ込みが深く入るひらひらとした葉は、裏面は綿毛で覆われて銀白色なのが特徴です。日本だけでなく、世界各地でも古くから薬草として使われており、ヨモギ属の学名Artemisiaは、ギリシア神話の狩猟と月の女神アルテミスにちなんだものだそうです。 ヨモギは、出始めたばかりの新芽や、柔らかい先端部分を収穫して食用とします。下茹でしてしっかりアク抜きをしたのち、フードプロセッサーやすり鉢などで細かくしたものを、団子やパンの生地に加えれば、香り豊かな春の味わいに。アクが強い場合は、下茹での際に重曹を加えるとよいでしょう。 ヨメナ Photo/F_studio/Shutterstock.com 野菊の一種であるヨメナは、秋には薄紫や白の花を咲かせる可愛らしい野草で、ノコンギクとよく似た姿をしています。ノコンギクには葉に細かい産毛が生えているのに対し、ヨメナはほとんど産毛がなく、ツルツルした手触りが特徴です。古くから若菜を摘んで食用としていたようで、万葉集にもヨメナの古名「ウハギ」が登場します。 食用にするのは春先に出る柔らかな若芽。ヨメナはアクが強いので、下茹でしてアク抜きをしてから調理します。香りがよく、和え物や味噌汁の実、菜飯などにすると季節の味と香りを美味しくいただけます。 *野草を食べるにあたって野草は食用として栽培されたものではありませんので、安全性の確保されたものを採取するようにしましょう。道端の草花は排気ガスや動物の糞尿で汚れていたり、食用に認可されていない農薬などがかかっている恐れがあるので、十分注意してください。また、毒性の強い植物もあるので、食べられる確信のないものは口にしないこと。野草にはアクの強いものが多く、食べすぎにも注意が必要です。
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育て方

ウメ(梅)を剪定するには? 最適な時期を知り必要な道具を揃えてウメを正しく剪定しよう!
ウメの特徴を知ろう! 「梅雨」や「塩梅」などの言葉があるように、古くから日本人の生活に密着して親しまれてきたウメ。花も美しく、実も楽しめるうえ、日本の気候風土にも適した庭でも栽培しやすい果樹です。ところで、ウメ、と一口にいっても、さまざまな品種があります。上手に育てるには、まず、ウメの種類や特徴を知ることが大切。ウメにはどんな種類があるのか、また、ウメを育てるうえで適している環境をご紹介しましょう。 ウメの種類 一説には、世界に1,000種以上あるとされるウメの品種ですが、大きく分けて次の2種類があります。 ・花梅花を観賞する目的で作られた品種。花の色は赤、ピンク、白など多彩で、花形も一重咲きから八重咲きまで幅広くあります。開花時期にも幅があり、1~3月頃に開花しますが、果実は小さく、実付きもあまりよくありません。日本には約400種類あるといわれています。代表的な品種としては、‘思いのまま’や‘鹿児島紅’など。 ruiruito/Shutterstock.com ・実梅実を食用として収穫する品種。花の色はピンクと白があり、花形も基本的にシンプルな一重咲き。花後に大きな実や品質のよい実を付けます。開花時期は2~3月。日本には約100種類あるといわれています。‘南高’、‘白加賀’、‘豊後’などの品種が有名。 KPG_Payless/Shutterstock.com 花梅は花色が幅広く、絞りや覆輪が入るものや二色咲きのもの、華やかな八重咲きのものなど、美しく魅力的な花が楽しめるさまざまな品種があります。一方の実梅もシンプルながら可愛らしい花が楽しめます。花梅は実の収穫は期待できないので、もしウメの実の収穫を楽しみたいのであれば、実梅の品種を選んで栽培しましょう。 ウメの栽培に最適な環境 LunarTank/Shutterstock.com ウメは寒さや暑さに強く、国内の広い地域で栽培することができます。また、品種にかかわらず、庭植え、鉢植えのどちらでも育てることができ、管理のポイントをいくつか押さえれば、初心者でも栽培しやすく、たくさんの収穫が楽しめる果樹です。ウメを育てる際に最適な環境として、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。 ・日当たりがよく、水はけがよい場所を好みます。枝葉や果実が雨に当たると黒星病(黒点病)が発生することがあるので、鉢植えの場合は、雨のかからない軒下に置くのもよいでしょう。 ・年の平均気温が7℃以上になるような場所でよく育ちます。 ・−15℃程度まで耐えられるとされるように耐寒性が高く、極端な寒冷地を除いて屋外でも栽培することができます。ただし、-4℃を下回ると、低温障害をおこし、実が付かなくなることがあります。室内などに取り込む場合、常に7℃以上あるような場所に置くと休眠せず、翌年に花が咲かないことがあるので注意しましょう。 ウメの苗木の植え付け期は、成長が緩慢なために根を傷めにくい、11月中旬~12月頃。ウメは自家不結実性が強いため、実の収穫を目的としている場合は、1本だけ育てるよりも、品種の異なる2本以上を一緒に栽培すると実付きがよくなります。また、根が浅めに広がるため、乾燥にはやや弱い傾向にあります。庭植えにした場合は、水やりはほとんど不要ですが、夏場に乾燥が続く時はたっぷりと水を与えましょう。鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。 ウメは庭植えにした場合、水やりなどの手間がかからず、丈夫に育って実や花付きもよくなる一方で、大木に成長するので注意が必要。鉢植えにすると、管理の手間は少しかかりますが、コンパクトに生育するので省スペースでも栽培できます。庭の環境や目的に合わせて栽培方法を選びましょう。鉢植えにした場合は、根詰まりしないよう、生育に応じて1~3年に一度植え替えをしましょう。 ウメの剪定時期はいつ? ueuaphoto/Shutterstock.com ウメは切られることによく耐え、ガーデニング初心者でも剪定にチャレンジしやすい樹木です。切ることによって枝が自由につくれて整枝がしやすく、また短い枝によく実を付けるので、適切な剪定を行うのがウメの栽培では大切。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」なんて言葉もありますね。 ウメの剪定を行うのに適した時期は、基本的に冬と夏の2回。一般的に剪定といわれるのは冬の剪定ですが、芽かきや摘心など、夏にも剪定が必要です。また、花梅の場合は、冬剪定を行って枝の数を減らすと早春に咲く花の数も減ってしまうので、12~1月頃は大まかな剪定にとどめ、花後に本格的な剪定をするなど、冬剪定も2回に分けて行うとよいでしょう。 剪定は、それぞれの時期ごとに目的が異なり、それに応じた方法が必要です。それぞれの時期の剪定の目的と方法を確認しましょう。 ウメの冬剪定 ウメの冬剪定を行う時期は、11月中旬~1月頃。冬剪定の目的には、ウメの樹形をコントロールすることや、枝を整理して日当たりや風通しよく育てること、樹形を整えて見た目をよくすること、実付きをよくすること、古くなった枝を更新することなどがあります。周囲の環境を確認して、木の大きさや樹形を考え、さらに全体の枝ぶりを整え、細部を剪定します。ウメの冬剪定の方法をご紹介する前に、いくつか押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。 剪定のポイント 剪定の際には、成長した姿をイメージしながら切ることが大切です。そのためにも、まず花芽と葉芽の違いを見分けられるようにしておきましょう。冬のウメの枝には2種類の冬芽が付いています。大きくぷっくりとした芽は花芽といって、一つの花芽が一輪の花になります。小さな芽は葉芽で、今後新梢となって枝葉を茂らせていきます。この違いを見分けられると、剪定後、どのように花が咲いて成長していくかをイメージしやすくなります。 ウメの実の収穫を期待したい場合は、枝の長さにも注意しましょう。ウメは花が咲いてもその全てが果実になるわけではありません。一般に30cm以上の太くて長い枝(長果枝)には実がなりにくく、10cm以下の短い枝(短果枝)や、その中間程度の長さの枝(中果枝)にはよくなるとされています。短果枝にはよい花も付くため、ウメの剪定の際には、短果枝や中果枝を多く発生させるように切り、剪定時には短果枝や中果枝を切らずに残すのがポイントになります。 枝を切るときの注意点 ウメの枝を切るときに注意しておきたいのが、基本的に外側に向かって付いた芽(外芽)のやや上で切るということ。内側に向かって付いた芽の上で切ると、伸びるにつれて枝が込み合ってしまうので、外側に向かって伸びていけるように外芽の上で切るようにしましょう。枝垂れ梅の場合は、上向きの芽の上で切ります。 ウメの樹形を整える際は、光がよく当たるよう、上部の枝を短く、下部の枝を長めにしてピラミッド形になるようにするのが一般的です。日当たりや風通しをよくするため、同方向に伸びて重なった枝や、交差した枝をつくらないように剪定しましょう。1カ所から3本以上の枝が伸びているものは車枝と呼ばれ、枝が裂けやすくなるなどの問題があるため、こちらもつくらないように気を付けます。 太い枝を切る際は、あまり長く枝を残さないよう枝元から切り取ります。切り口には癒合剤を塗って保護し、枯れ込みや病原菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの冬剪定の方法 Kozub Vasyl/Shutterstock.com 冬剪定では、まずウメの大きさを考えましょう。ウメを大きくしたい場合は、先端付近の長果枝を生かし、1本に間引くとよいでしょう。生かした長果枝は先端を1/5~1/4程度切り詰め、短果枝や中果枝の発生を促します。その際、外芽の上で切るようにしましょう。一方、ウメをコンパクトにしたい場合は、剪定ノコギリを使って枝の分岐部まで切り戻します。切り戻す枝の長さは、庭植えなら50cm、鉢植えなら30cm程度にとどめましょう。切り戻した分岐部から発生している長果枝は、大きくしたい場合同様に先端を切り詰めて短果枝の発生を促します。 ウメの大きさが決まったら、徒長枝を間引き、衰弱した枝や枯れ枝、強い枝など不要な枝も剪定しましょう。夏に芽かきや摘心を行っていれば徒長枝は出にくいですが、夏剪定を行っていない場合や樹勢が強い場合には徒長枝が発生します。枝が多いと日当たりや風通しが悪くなり、また養分が枝に取られてしまうので、適切な量に減らすことが大切です。幹や太い枝から直接伸びた徒長枝を中心に間引き、不要な枝は枝元から切ります。太い枝は勢いが強く、短果枝や中果枝が発生しにくいので、枝の先端についたものを除いて枝元から切り取ります。また、幹や太い枝から伸びた徒長枝であっても、それを利用して枝をつくりたい場合は残しましょう。残した枝は、先端を1/5~1/4程度切り詰めます。 ウメの枝は古くなってくると、花や実の付きが悪くなります。品種や木の状態によっても異なりますが、3~6年ぐらいを目安に、枝を更新させるとよいでしょう。枝を更新させる時は、将来を見越して事前の準備が必要。更新したい枝の周囲に発生する長果枝を間引かずに残し、先端を切り詰めて養生しておきます。枝が充実して結実し始めたら、古い枝を枝元から切り取って更新しましょう。 ウメの夏剪定 夏剪定の目的は、樹形を整えて、日当たり、風通しよく育てること。徒長枝を中心に、込み合った枝を軽く間引き、樹形を乱すような長い枝があれば多少切り返します。ウメは成長が早く、新梢の発生も多いため、適切な冬剪定を行っていても、夏には枝葉が茂りすぎて、風通しが悪くなったり、アブラムシなどの害虫が発生することがあるので、夏剪定も忘れずに行いましょう。 ウメの夏剪定は、7~8月頃に行う剪定のことを指しますが、広くは4月以降に適宜行う芽かきや摘心を指すこともあります。芽かきは幹から出た芽を中心に不要な芽をかき取ること、摘心は必要な芽の先端を摘むことで、どちらも樹形を整えるのに効果的な作業ですが、これらの作業ができなかった場合にも夏剪定で補うことができますので、あまり神経質にならなくても大丈夫。逆に、芽かきや摘心を適宜行い、枝がよく整理されていれば、夏剪定を行う必要はありません。摘心を行った場合、摘心をしたところから芽が出る二度伸びが起こりやすく、二度伸びした枝は花芽が付きにくいため、余分な養分を使わせないようこまめに芽をかき取ることが大切です。 剪定の目的に応じて、剪定の方法も変わってきます。ウメを健全に育てるためにも、それぞれの季節に応じた方法で剪定しましょう。 ウメの剪定方法は、ウメの年数によって異なる! graphbottles/Shutterstock.com ウメの剪定と一口にいっても、木の状態によって剪定の方法は異なります。また、剪定方法はウメの樹齢によっても異なるため、注意が必要。例えば、枝を切り詰める切り返し剪定は、剪定後に新梢が強く伸びやすく、樹勢が強くなりすぎることがあるので、株が若いうちは、枝元から切る間引き剪定を中心に行いましょう。老木の場合は切り返し剪定を中心に行います。 ここでは、植え付けた後の樹齢に応じた剪定の方法をご紹介します。 1年目 一般的にウメの苗木としてよく流通しているのが、1~2年生の苗です。1年生の苗は、まっすぐな枝が1本伸びた棒苗の状態。ウメは初結実までに3年ほどがかかるため、このような苗の場合は実を付けるまでに少し時間がかかりますが、自分の思う樹形に仕立てやすいというメリットもあります。1年生の苗の剪定は、9~12月頃に行います。植え付けの際に、目標とする仕立ての姿に合わせ、30~80cmほどの高さに切り詰めましょう。これによって苗木の成長を促す効果もあります。 2年目 2年生の苗木は、幹の先端付近から枝が数本伸びた状態。2年目の剪定は12~1月頃に行い、幹から伸びる枝のうち、上に伸びている枝の中から状態のよい枝を3本ほど選び、他の枝を枝元から切り落とします。残した枝からさらに何本も枝が伸びている場合は、1枝に3本ほどを残して整理しましょう。 3年目 3年目の剪定は、基本的に一般の剪定と同じような作業を行いますが、行うのは冬剪定のみでOK。12~1月頃に行います。伸びた枝の中から、交差している枝や下向きに生えている枝が出てくるので、伸びすぎている場合は枝元から切り落とします。枝全体が上向きに生えていくように樹形を整えましょう。 4年目以降 4年目以降の剪定は、通常の剪定として先に解説した要領で行います。剪定を行うのは冬と夏。7~8月頃に行う夏剪定では小枝を軽く切り落とし、内側に伸びている枝を根元からきれいに切り落とすなど、樹形を整える軽い剪定にとどめます。1年間で1m以上伸びた枝は、翌年に実を付けないので枝元から切り落としましょう。一般的に剪定と呼ばれる冬剪定は、樹形を整え、花や実の付きをよくするための剪定。複雑に込み合っている枝は枝元から切り落とし、花芽を確認しながら切り戻します。剪定の際に太い枝を切り落とした場合は、切り口に癒合剤を塗り、雑菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの剪定に必要な道具は? JustinVa/Shutterstock.com ウメを実際に剪定するにあたっては、次のような道具を用意するとよいでしょう。 剪定バサミ Yganko/Shutterstock.com 剪定の際には剪定バサミが必要です。梅の木は硬いので、普通のハサミや生け花で使用するハサミで切るのは危険。必ず樹木用の剪定バサミを使いましょう。剪定バサミには、主に180mm、200mm、225mmの3種類のサイズがありますが、手が大きい人は225 mm、普通または小さめの人は180 mmなど、それぞれの手の大きさに応じて扱いやすいサイズのものを選んでください。目安として、自分の手の平の大きさと同じくらいのものを選ぶとよいでしょう。 また、剪定バサミは切れ味のよいものを使用しましょう。切れ味が悪いものだと、切り口がつぶれて樹木がダメージを受けることも。また、無理な力を加えて切らなければならないため、思わぬケガの原因にもなりかねません。ただし、切れ味のよいハサミで手などを切ることもありますので、取り扱いにはご注意ください。使用後は適切な手入れをしてから片付け、切れ味を保ちましょう。 剪定ノコギリ Ocskay Mark/Shutterstock.com 剪定バサミでは切れないような硬い枝や太い枝は、剪定ノコギリを使います。目の細かいものだと奥まで切り込みが入れられないので、普通の目のノコギリがよいでしょう。 脚立 高い場所の枝を切り落とすときは、脚立があると便利です。脚立の上で作業をするため、安定して倒れにくい三脚タイプの脚立がよいでしょう。ウメの木の高さに合ったものを選びます。脚立を使用する際は、しっかりと安定していることを確かめ、安全をよく確認して作業しましょう。 高枝切りバサミ 手の届きにくい場所の枝を切る時には、高枝切りバサミがあると便利です。高い枝を切る場合や、足場が悪い場所にあるウメの木は、高枝切りバサミで剪定しましょう。持ち上げて使うので、なるべく軽く扱いやすいものがオススメです。これも剪定バサミと同じように、自分に合った大きさのものを選びます。 手袋 剪定の際は、切った枝やハサミの刃などでけがをしないよう、手袋をして行うとよいでしょう。しっかりと手を保護できるよう、厚みのあるものや頑丈なものなど、作業に適した手袋を選びます。手袋に滑り止めがついているものだと、道具を持つときも滑りづらくなるので安全に作業ができます。ただし、細かな作業をする際には、薄手の手袋のほうが手先の自由がきいて作業がしやすいので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。 ウメの剪定をする際の注意点は? ウメの剪定をする際には、次のようなことに注意して行いましょう。 ケガをしにくい服装で作業する ウメの枝は硬く、剪定には力が必要です。剪定の際は、刃物を扱うことに加え、枝の切り口が鋭く尖った枝が地面に落ちている場合があり、注意をしないとケガをする危険があります。ケガをしないように長袖、長ズボン、底が厚い靴を履くようにしましょう。また、必ず手袋を着用して剪定しましょう。 ウメは定期的な剪定が必要 TOMO/Shutterstock.com ウメの木は成長が早いこともあり、剪定せずに放置していると枝や葉が伸び放題になってしまい、樹形が乱れて見た目に悪いだけでなく、日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなる可能性もあります。花付きのよいきれいな姿を楽しむためにも、毎年定期的に剪定するとよいでしょう。少し失敗してもすぐに枝が伸びてくれるので、あまり神経質にならなくても大丈夫。ちょっと失敗したかな、と思っても、翌年にまたチャレンジしてみましょう。 正しく安全にウメの剪定を行い、美しい梅を育てよう! ウメの剪定方法は時期によって異なるため、その時々に応じた剪定方法を確認して行いましょう。剪定の際には、ケガをしないような服装を心掛け、自分に合った道具を使うことが安全のためにも大切です。正しいウメの剪定方法や注意点を理解し、美しいウメを育てましょう!
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早春に咲くコブシは美しい花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
コブシの基本情報 Judith Lienert/Shutterstock.com 植物名:コブシ学名:Magnolia kobus(Magnolia praecocissima)英名:Magnolia kobus和名:コブシ(辛夷)その他の名前:田打桜、種蒔桜、田植桜科名:モクレン科属名:モクレン属原産地:日本、韓国(済州島)分類:落葉性高木 コブシの学名は、Magnolia Kobus(マグノリア・コブス)。モクレン科モクレン属の落葉樹です。原産地は日本、韓国。昔から日本の山野に自生していることから分かるように暑さや寒さに強く、育てやすい花木の一つです。放任してもよく育つことから、公園や街路などにもよく植栽されています。樹高は8〜10mで高木に分類されますが、毎年の剪定によって樹高をコントロールすることが可能です。 コブシは葉を展開する前に、大きな花が爛漫と咲き、早春を告げるシンボルツリーとして人気が高い花木です。また、花が咲くと、爽やかな甘い香りを楽しめます。花は香料の素材として、つぼみは漢方薬、樹皮は油に利用され、古くから人々の暮らしの傍にあった樹木です。 コブシの花や葉の特徴 tamu1500/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4月上旬樹高:8〜10m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 コブシの開花期は4月上旬で、花径10cmほどの白い6弁花を咲かせます。開花時に1枚だけ葉をつけますが、目立たないので、満開になると木が雪をかぶったような姿を楽しめます。また、香料にも利用される甘やかな香りも魅力です。 開花後は、長さ5〜10cmの集合果をつけます。白い果実はだんだんピンクになり、さらに熟すと中から種子が出てきます。 コブシの葉は卵形で、10cm前後の大きさ。枝に互生につきます。 コブシの名前の由来や花言葉 Drop of Light/Shutterstock.com コブシの名前の由来は、果実が握りこぶしのような姿をしていることから。漢字で書くと「辛夷」ですが、これは中国の漢方からきています。開花によって農作を始める時期を告げる花木として、「田打桜」「種蒔桜」「田植桜」などの和名も持っています。 コブシの花言葉は「信頼」「愛らしさ」「友愛」「友情」「歓迎」など。 コブシと似た花とその見分け方 コブシには、似た花を咲かせる花木がいくつかあります。ここでは、特によく間違えられるハクモクレンとタムシバを取り上げ、見分け方についてご紹介します。 ハクモクレン Atiger/Shutterstock.com ハクモクレンは、コブシと同じモクレン科モクレン属の花木で、花姿が似ています。見分けるポイントは、花のサイズが10〜15cmほどと大きく、上向きに咲くことです。また、花弁はガクを含めて9枚で厚みがあり、チューリップのようにぽってりとした咲き姿を見せます。コブシの花弁は6枚でやや薄く、ぱっくりと開ききること、開花時に花の下に小さな葉が1枚つくことが相違点です。 タムシバ(ニオイコブシ) fotorince/Shutterstock.com タムシバもコブシと同じモクレン科モクレン属の花木です。コブシよりやや開花期が遅く、白い花弁が6枚つき、花姿はコブシによく似ています。しかし、コブシは開花するときに葉が1枚つきますが、タムシバにはつきません。また、葉もコブシが卵形なのに対して、タムシバはもっと細長く先端が尖っているのが見分けるポイントです。 コブシの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4月上旬植え付け・植え替え:1月〜3月上旬肥料:1月、5月種まき:9~10月 コブシの栽培環境 SnowMannn/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。あまり日当たりがよくない場所では、花つきが悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で栽培します。 【置き場所】コブシは水はけ・水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。樹高が高くなるので、枝葉を伸ばしたときに邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきます。根が粗くて細根が少ないため、成木になると移植を嫌うので、植える場所はよく考えてから選びましょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 コブシの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さともに約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また真冬は、気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付けてしっかり根付いたら、その後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。木がまだ若いうちは5月と9月中旬〜下旬、1月に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。 木が十分に大きく育ったら、毎年1〜2月と5月に緩効性肥料を追肥します。 注意すべき病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 コブシに発生しやすい病気は、うどんこ病、すす病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、樹勢が衰えます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなります。病状が進み。黒いすすが全体を覆っていくと見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定し、日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 カイガラムコブシに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、カミキリムシの幼虫などです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物からすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しておきましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤散布をして駆除してください。 コブシの詳しい育て方 苗の選び方 苗木を選ぶ際は、虫食いや病気の痕がなく、幹ががっしりとして株元がぐらついていないものを選びましょう。葉がしおれたり変色しているものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付けの適期は1月〜3月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根を切らないように根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 コブシを鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。コブシの苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根を切らないように根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。コブシの植え替え適期は開花が終わった頃の4月下旬〜5月上旬です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、あまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com 剪定適期は花後すぐで、新葉が出る前に行います。一般家庭では、樹高3〜4mまでに抑える剪定を行いましょう。コブシは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」なども元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり、風通しがよくなるように、透かし剪定をします。勢いよく長く伸びている徒長枝は、下から3〜4節残して切ると、花芽をつける短枝が出やすくなります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com コブシは、種まきで増やすことができます。 コブシは開花後に果実をつけ、熟すと中から種子が出てきます。種子が出てくる前に切り取って陰干しし、数日後に果実が裂けて出てきた種子を採取します。果肉を取り除いて流水できれいに洗い流し、そのまま種まきしましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。コブシの種子を黒ポットに数粒まいて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。春に発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 コブシは花や実が食用になる tamu1500/Shutterstock.com コブシのつぼみや花は、酢のものや揚げもの、サラダなどにして食べることができます。開花直前のつぼみを採って、陰干しした後にティーにしてもOK。つぼみまたは果実を、氷砂糖を入れたホワイトリカーにつけた後に取り出し、熟成させると花酒・果実酒が楽しめます。食用にする場合は、農薬の散布に注意しましょう。 コブシの花が咲かないときの原因と対処法 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com コブシの花がうまく咲かないというケースもあるようです。ここでは、その原因と対処方法についてご紹介します。 隔年開花が起こったから 隔年開花とは、満開になった次の年はほとんど花が見られなくなり、開花する年と開花しない年が交互にやってくる現象をいいます。これは、花の咲きすぎが原因。過剰な開花によって木が消耗し、エネルギー不足になって翌年は咲かなくなってしまうのです。隔年開花の傾向がある場合は、秋から冬にかけて花芽を確認し、多すぎるようであれば花芽を摘んで減らしておくとよいでしょう。 剪定時期が悪かったから コブシは4月上旬に開花した後に枝葉をぐんぐん伸ばし、7月頃には翌年に咲かせる花芽を形成します。そのため、7月以降に剪定するとせっかくついた花芽を切ってしまうことになり、開花が少なくなるので注意します。したがって、剪定は開花後すぐに行うのがよいのです。もしくは、11月〜翌年3月には花芽がはっきり分かるようになるので、その時期に花芽を落としすぎないような剪定をするとよいでしょう。 コブシを植えて春に花を楽しもう tamu1500/Shutterstock.com 白い花を爛漫と咲かせて春を告げるコブシは、高木になるため庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。もともと日本に自生してきた樹木なので、放任してもよく育ち、手間いらずでビギナーにもおすすめです。ぜひ庭に植栽して、見応えのあるシーンを演出してはいかがでしょうか。




















