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初心者にもおすすめ! 菜の花を育てて食べて観賞して、春を満喫

初心者にもおすすめ! 菜の花を育てて食べて観賞して、春を満喫

mm140/Shutterstock.com

春の到来を告げる存在となっている菜の花。春の野原を黄色く彩る景色は美しく、一方で春の旬としておひたしなどにして美味しくいただける一面も持っています。今回は、丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめの菜の花にスポットを当て、基本情報や育て方、美味しく食べる方法など、幅広くご紹介します。

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菜の花の基本情報

菜の花
kai keisuke/Shutterstock.com

植物名の総称:菜の花
学名:Brassica
英名:Rape blossom、Turnip rape、Chinese colza
和名:菜花
その他の名前:花菜、アブラナ(油菜)
科名:アブラナ科
属名:アブラナ属
原産地:東アジア、ヨーロッパ
分類:一・二年草

菜の花といえば、早春から黄色い花を咲かせる春の花として誰もが知る存在ではないでしょうか。しかし、菜の花とは特定の植物ではなく、アブラナ科の総称だということは意外に知られていないかもしれません。一年草または二年草で、草丈は40〜50cmほど。秋に種まきをすると、翌年の春に開花します。

和種アブラナと西洋アブラナ

菜の花
和種アブラナ。yoshi0511/Shutterstock.com

食べると甘みとほろ苦さがバランスよく口に広がる菜の花は、和種アブラナと西洋アブラナに分けることができます。青果店やスーパーに並んでいる菜の花をじっくり見てみましょう。和種アブラナは、長さの揃った花芽が束になっている状態で売られているもので、淡い黄緑色で柔らかいのが特徴です。西洋アブラナは若い茎葉が束になっており、より緑が濃く葉も厚みがあります。

菜の花は栄養も満点

菜の花
studio presence/Shutterstock.com

菜の花に多く含まれる栄養素はβカロテンです。ほかにビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、鉄、カルシウム、カリウム、食物繊維、マグネシウム、リン、鉄などを含みます。

花を楽しむ菜の花

菜の花
aleori/Shutterstock.com

園芸分類:草花・野菜
開花時期:2〜4月
草丈:40〜50cm
耐寒性:強い
耐暑性:弱い
花色:黄、白

菜の花は花の美しさを観賞する目的で栽培する方も多いことでしょう。ほとんどの菜の花は、「食用」、「観賞用」と明確に区別されてはいませんが、‘黒川寒咲きちりめん’や‘春雷’など、観賞用として出回っている品種もあります。また、切り花用として販売されているのは、ちりめん白菜を改良した品種が多く、葉がやわらかく明るい黄緑色で、縁がちぢれるのが特徴です。食用、観賞用の種類にかかわらず、育てる際に株間を広く取るとよく分枝して、野菜として収穫量が多くなります。逆に株間を狭めにすると分枝が少なくなって、観賞用として大きく見応えのある花を楽しめます。

菜の花の名前の由来や花言葉

菜の花
taka1022/Shutterstock.com

菜の花の「菜」は食用を表し、菜の花は食用できる花という意味です。菜の花の花言葉は、「快活な愛」「競争」「小さな幸せ」「快活」「活発」「元気いっぱい」「豊かさ、財産」などです。

菜の花の栽培12カ月カレンダー

開花時期:2〜4月
肥料:10月頃
種まき:8月下旬〜10月中旬

菜の花の栽培環境

菜の花
Honki Kumanyan/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい環境を好みます。

【日当たり/屋内】屋外で栽培します。

【置き場所】風通しのよい環境を好み、密植すると蒸れて病気が発生しやすくなり、側枝が発生しにくくなるので注意しましょう。

耐寒性・耐暑性

菜の花の生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。暑さと乾燥が苦手で、寒さには強いのが特徴です。したがって、ビギナーでも作りやすいのは、秋に種を播いて育てる「秋まき」です。

菜の花の育て方のポイント

用土

土づくり
Sleepyhobbit/Shutterstock.com

水はけ、水もちのよいふかふかとした土壌を好みます。多湿を苦手とするので、水はけの悪い土壌では堆肥や腐葉土などを多めに施し、畝を高めにしておくとよいでしょう。適した土壌酸度 (pH) は6.0〜6.5で、酸性に傾いた土壌を苦手とするため、土づくりの際には、苦土石灰を散布しておきます。

【地植え】

種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2〜3ℓ、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。

【鉢植え】

野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。

水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真冬は、気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になることもあるので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

発芽後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもじめじめと湿った状態にするのは禁物。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
Pawel Beres/Shutterstock.com

種まきから1カ月後を目安に、追肥と土寄せを行います 。菜園では化成肥料を1㎡当たり30g、コンテナでは約10gを周囲にばらまき、土によくなじませます。

この時、苗の周囲を軽く耕す「中耕」の作業を行っておきましょう。土は降雨や水やりが繰り返されると、かたく締まった状態になります。周囲を軽く耕すことで、土中に空気が送り込まれて根の生育がよくなります。また、株元に土寄せをして株元をしっかりと支えましょう。その際、雑草が生えていれば抜いておきます。

注意すべき病害虫

アブラムシ
nechaevkon/Shutterstock.com

【病気】

菜の花が発症しやすい病気は、白さび病、立枯病などです。

白さび病は、かびによる伝染性の病気です。葉の裏に白く小さな楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。発症すると株が弱り、枯死することもあるので注意。梅雨や秋の長雨の時期に発生しやすくなります。茎葉が茂りすぎたら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用する薬剤を散布して防除します。

立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。だんだん生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適用する殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。

【害虫】

菜の花に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも不愉快なので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。食用ではなく観賞用として育てる場合は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩に株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の跡が認められたら夜にパトロールして捕殺を。観賞用として育てる場合は適用する薬剤を散布して防除します。

菜の花の詳しい育て方

種まきのコツ

菜の花の種子
AmyLv/Shutterstock.com

菜の花の種まき適期は、8月下旬〜10月中旬です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、幅約50cm、高さ約20cmの畝をつくります。畝の長さはつくりたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。この畝の中央に、15〜20cm間隔で種まき用の穴として直径3〜4センチ、深さ約1cmの穴をあけて、種を4〜5粒ずつ播きます。ごく薄く土をかぶせ、軽く手のひらで押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水やりをしましょう。

【鉢植え】

標準サイズのプランターを準備。底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際に水があふれ出ずに済むように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。表土に約15cmの間隔で種まき用の穴として直径3〜4cm、深さ約1cmの穴を開けて、種を4〜5粒ずつ播きます。軽く土をかぶせ、軽く表土を手で押さえ、最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流で鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。

間引きをして一本立ちにする

菜の花
S.O.E/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

菜の花は、種まきから3〜4日ほどで発芽します。本葉が2〜3枚ついたら、2本残してほかは間引きましょう。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取ります。

本葉が4〜5枚ついたら、1本のみ残して間引きます。がっしりと締まって勢いのある苗を残しましょう。この時、軽く周囲の土を中耕して苗に寄せておき、倒伏しないようにしておきます。

収穫

菜の花
HikoPhotography/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

菜の花の収穫適期は、年内採りする場合は11月頃、越年する場合は3月上〜中旬頃です。

苗が順調に生育し、つぼみが見えてふくらみ始めたら収穫します。花の先端から10〜15cmくらいのところをハサミで切り取りましょう。切った部分からは、またわき芽がついて花芽が上がって収穫量が増えるので、まめに収穫を繰り返すとよいでしょう。

観賞用としての育て方のポイント

菜の花
やや密に植える。aleori/Shutterstock.com

日当たり、風通しのよい場所で育てることなど、基本的なことは収穫を目的とした育て方と同じです。

「気軽に始めたいから」と苗を購入してスタートする方もいるかもしれませんね。その場合は、ポットから苗を抜き出して植え付ける際には、絶対に根鉢を崩さずに作業することがポイントです。菜の花は「直根性」という性質を持っており、根菜類のように太くて長い根をもっています。この太い根を傷つけてしまうと、その後の生育が大変悪くなってしまうので、注意しましょう。この「直根性」の性質をもつ植物は、基本的に種まきをして間引きながら育苗するのがベターです。

また、観賞用として育てるなら、苗と苗の間隔は6〜7cmくらいにしてもかまいません。菜園よりも株間を狭めにする方が、群植した時に迫力のあるシーンをつくることができます。収穫を目的としないならば、病害虫防除の薬剤散布も行えます。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するタイプの粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

収穫した菜の花をおいしく食べよう

菜の花
yoshi0511/Shutterstock.com

自身で育てて収穫した菜の花は、できるだけ美味しく食べたいですよね。収穫後の保存方法から下ごしらえ、おすすめの食べ方まで、押さえておきたいコツについてご紹介します。

おいしく保存する方法

収穫した菜の花は、水で湿らせたキッチンペーパーに包み、密閉袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。2〜3日のうちに食べ切りましょう。

一度にたくさん収穫できて食べきれない場合は、流水で洗った後に大鍋に湯を沸かしてゆでます。水を切ってキッチンペーパーで余分な水気を拭き取り、小分けにして冷凍保存を。使う際は、自然解凍してください。

菜の花の持ち味を最大限に生かすゆで方

菜の花に含まれる栄養素を失わずに調理するには、以下の方法がおすすめです。

菜の花は、水洗いした後に茎の太い部分とつぼみがついた先端の方とを切り分けます。塩をひとつまみほど入れた湯に茎の太いほうを先に入れて1分前後を目安にゆで、次につぼみがついた先端の方を入れて30秒ほど待ってからざるにあげます。冷水にさらした後にしっかり絞ったらできあがりです。

菜の花をおいしく食べる方法

菜の花独特のほろ苦さを味わうなら、おひたしや和え物が最適。茹でた後にみじん切りしたニンニクと一緒に、オリーブオイルまたはバターで炒めても美味です。パスタやスープの具材にするのもおすすめ。天ぷらにする場合は下茹でせずに、そのまま天ぷら生地にくぐらせて揚げましょう。

菜の花を飾って春を楽しもう

菜の花
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菜の花を収穫用として栽培した場合も、最後に花を咲かせてインテリアに飾ってはいかがでしょう。黄色い花を咲かせる菜の花は、ピンクや白との相性が抜群。特にひな祭りの時期には、桃と一緒に飾ると素敵です。水が濁らないように、水に浸かる葉は切り取っておきましょう。水をよく吸い上げるので、水は毎日替えてください。菜の花は切り花にしても少しずつ成長するので、水を替える際に切り口を少し切り戻すとよいでしょう。

育てて食べて飾って楽しめる菜の花で春を満喫しよう

菜の花
tamu1500/Shutterstock.com

秋に種まきし、寒い冬を乗り越えて早春に花を咲かせる菜の花。つぼみがふくらみ始めた頃に収穫して、栄養満点の野菜として美味しくいただくこともできます。眺めて美しく、食べて美味しい菜の花をぜひベランダや菜園で育ててみてはいかがでしょうか。丈夫な性質で放任してもよく育つので、ビギナーの方にもおすすめです。

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