スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

【完全保存版】シクラメンの育て方ガイド|冬から春まで楽しむ3つのコツと夏越しテクニック
シクラメンとはどういう花が咲く植物? LeonP/Shutterstock.com シクラメン(Cyclamen)は、サクラソウ科シクラメン属の多年生球根植物。原産地は、北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸にかけて。いずれも、夏に高温になっても湿度が低く、冬も比較的温暖な地域です。そんな環境のもと、野生のシクラメンは、低木の下や岩場などで群生しています。原種には、春に葉が出て開花する“春咲きタイプ”と、秋に花が咲いてから葉を出す“秋咲きタイプ”がありますが、現在出回っている園芸品種のほとんどが春咲きの「シクラメン・ペルシカム」から作出されたものです。 Sarit Richerson/Shutterstock.com ヨーロッパでは、その球根を豚が食べることから「豚のパン(Sowbread)」と呼ばれていたため、明治時代に日本に入ってきたときには、「豚の饅頭」という和名に。その後、植物学者の牧野富太郎氏により、「カガリビバナ」という名前がつけられました。花びらが反り返って咲く様が見事に表現された美しい名前ですね。 Shulevskyy Volodymyr/Shutterstock.com 日本では冬の鉢花の代表ともいえるシクラメン。華やかな姿でクリスマスや年末のギフトとしても人気です。その反面、「花が終わったらおしまい」のイメージを持つ人も多いようですが、シクラメンは球根を持つ宿根性植物。きちんと管理してあげれば、何年も楽しめますよ。 Aygul Bulte/Shutterstock.com 毎年新品種が登場して、突出した特徴があるものを除けば、一目では見分けがつかないほど多くの品種が出回っています。赤やピンク、白という従来からの花色に加えて、ブルー系やクリーム・黄色系など、今までなかったような色の品種も登場。さらに、覆輪や花弁がフリル状になるフリンジ咲き、花弁にウェーブがかかったロココ咲き(パピリオ咲き)、八重咲き、上向に咲くものなど個性的な花形も人気です。加えて、葉の美しさが注目されることも。ハート形(卵形や腎形のものも)が特徴的な葉は、緑色系と銀色系に大別できますが、光沢や斑の入り方など千差万別。花色とのコントラストにこだわってみてはいかがでしょう。 長く花を楽しめる! シクラメンを上手に咲かせる管理方法 シクラメンは上手に管理すれば5月頃まで長く花を楽しめるのも魅力です。長く咲かせるための3つのポイントをご紹介します。 ① 気温に応じて置き場所を変える Sarycheva Olesia/shutterstock.com シクラメンを購入したりプレゼントされた場合、どこに置いて育てますか? 日当たりのよい場所?それとも、室内の暖かい場所? もしくは、玄関付近でしょうか。 シクラメンを5月まで咲かせるには、11月から5月までの約半年の期間があります。 この期間の温度変化を私たちの生活に当てはめてみると、服装は薄手の長袖からコートやダウンジャケットを羽織るようになり、連休が過ぎれば日中は半袖が快適というように約半年の間で気温が大きく変化します。でも、シクラメンは人間のように服を脱ぎ着できないので、人の手で最適な場所に移動してあげる必要があります。 シクラメンが一番快適に過ごせる温度は、10~15℃。 この温度を目安に置き場所を変えてあげるのがコツです。 ② 次の花を咲かせやすくする「花がら摘み&葉組み」 シクラメンの花がらは、花茎の根本の近くを摘んで捻って引き抜きます。 シクラメンは次々と花が咲く植物ですが、咲き終わった花はそのままにしておくと種子をつけるために栄養を使ってしまいます。ですから、花がらをそのまま放置していると次の花が咲きにくくなってしまいます。 花びらが傷んできたり、花が茎から落ちてしまった花茎は早めに摘み取りましょう。 シクラメンの花がら摘みのコツは、花茎をつまんで花茎を捻るだけ。ハサミなどで茎の途中から切ってしまうと、切り口が腐って灰色カビ病の原因になる恐れがあるので、必ず手で捻って付け根からきれいに取り除きましょう。 根本を見ると葉柄と花茎は株の中心から出ているのが分かります。 また、シクラメンの花芽は「葉一枚につき一芽つく」と言われています。そのため、葉の数を増やすことはとても大事なことです、葉組みとはシクラメンの葉を組み替えることで、葉っぱの数を増やす大切な作業のことです。 シクラメンは球根植物で葉や花は球根の中心部分から出てきます。 シクラメンを葉組みせずにそのまま育てていると中心部分に葉が集まってしまい、球根の光を感じる部分が影になることで新しい葉や花芽をつけることができなくなってしまいます。 中心に集まった葉を外側へ組み直して上げることで球根に光が当たり、次の葉や花芽が出やすくなり、また常に葉の位置が変わることで葉と葉が重なって、重なった部分が黄色く変色したりするのを防いだり、株の中心の風通しをよくして灰色カビ病が出にくくなったりと、さまざまなよい効果があるので、こまめに葉組みをしてあげましょう。 ③ 水やり シクラメンの鉢物は、ほとんどが植木鉢が二重構造で底面に溜まった水を土中に吸い上げる形式の「底面給水鉢」に仕立ててあります。 水を鉢底に溜めておけば、シクラメンが自ら水を吸い上げるため、うっかり水をやり忘れてしまい水切れする心配がないのがメリットですが、その反面、水を溜めすぎると根腐れすることも。水やりに自信がない場合は、スティック状のガーデングッズ「サスティ」を土中に挿しておけば、水やりのタイミングが一目で分かります。 翌年も花を咲かせる夏越しの方法 2年目以降も楽しむためには、上手な夏越しがポイント。夏を越させるには、葉をつけたまま管理する「非休眠法」と、葉を枯らして球根だけにする「休眠法」の2つがあります。 シクラメンの原生地は雨季と乾季がはっきりと分かれている地域で、野生のシクラメンは雨季に生育が旺盛になり、乾季には生育せずに休眠する性質を持っています。原産地での開花期は「涼しい雨季」。そして、日本では冬が開花期になります。一方、「暖かい乾季」は日本では「夏」にあたりますが、高温に加えて湿度も高くなるため、シクラメンにとってはより過酷な環境といえます。ここでは、日本の夏を上手に乗り切るコツをご紹介します。 1.非休眠法 natali_ploskaya/Shutterstock.com 冬に購入した株の場合、4月近くになると、花数は極端に少なくなってきます。そして、5月に入り気温が高くなると、葉だけになります。枯れた花や色の悪くなった葉を取り除きつつ、普通に水をやりながら、雨がかからない日当たりのよい屋外に出して株を充実させましょう(ただし、強い直射日光に当てると葉焼けをおこすので注意)。 気温が25℃を上回る日が続くと、新葉は出なくなり、古い葉は黄変し、枯れていきます。6月に入り、葉が10枚以上残っていれば、生育させながら夏を越させる「非休眠法」が可能です。「控えめに水やりを続ける」「病害虫や根腐れに気をつける」といった手間はかかりますが、成長を止めないので株が大きくなり、10~3月までと半年近くも花が楽しめるメリットがあります。 屋外の風通しのよい場所に鉢を移動させて、水やりと薄めの肥料を与えながら育てます。蒸し暑くなる季節は、根からの給水が悪くなるので、与えすぎは根腐れの原因に。底面給水型の鉢では受け皿の水が減らず、藻が発生したり水が腐ったりするので、数日に一度は新しい水に取り換えましょう。また、普通の植木鉢では、鉢土の表面が乾くまで待ち、水を与えるときには鉢穴から流れ出るまでたっぷりとやります。 8月下旬になると、葉柄の付け根に、新しいつぼみを持った花芽が出てくるので、9月中旬頃までに植え替えを行います。 2.休眠法 Furiarossa/Shutterstock.com 葉が急激に枯れてしまい、10枚以下になってしまった株でも、球根が傷んでいなければ休眠法で夏越しできます。まずは元気な球根かを見極めます。「指で押してみて柔らかい」「カビが生えて腐っている部分がある」「一部分の葉が次々枯れていく(萎凋病などの可能性あり)」「土は湿っているのに葉が萎れたまま(根腐れしている)」といった症状があれば、残念ながら夏は越せません。 休眠させるためには、6月に入ったら意図的に水やりを止め、鉢土を乾燥させます。葉をすべて枯らして、球根だけを残すのです。球根植物の性質を利用しての夏越し法なので、球根を腐らせるリスクは低いのですが、非休眠法に比べ開花期が1カ月ほど遅くなるため、花を楽しめる期間は短くなります。 一度水を切ったら、8月中旬を過ぎて新芽が動き出すまで一切水は与えません。完全に葉が枯れたら、北側の軒下など涼しい場所に置きましょう。断水中に水がかかると球根が腐ってしまうので、雨はもちろん、ほかの鉢植えへの水やり時にも注意しましょう。 8月下旬になり花芽がつきはじめたら、植え替えのタイミングです。球根が堅いことを確認したら、古い土を全て落とし、古い根の2/3程度を切り落として新しい培養土で植え付けます。 シクラメンのおすすめ品種20選 赤系のイメージが強いシクラメンですが、近年では、パステルカラーや青味がかった紫など、新鮮な表情を持つ品種が毎年のように発表されています。花の姿や葉の色もじつにさまざま。育てやすい品種から、ニューフェイスまで、おすすめをご紹介します。 1.カール Photo/3and garden 細い花弁がクルッとカールした、これまでにないユニークな花形のシクラメン。草丈15cmほどのミニサイズですが、個性的な花姿で存在感抜群です。「麻野間園芸」のオリジナル品種で、突然変異で現れた1株を何年も地道に種子を取り交配を続け、品種の固定に成功しました。ガーデンシクラメンほど寒さに強くはありませんが、軽い霜程度なら問題ありません。雨を避けられる軒下や室内の明るく涼しい場所が適しています。 2.ジックス Photo/3and garden 白いガクと艶やかな赤い花弁のコントラストが個性的で、バイカラーになるつぼみもおしゃれ。寒さにも比較的強いので室内でも屋外でも楽しめ、ガーデンシクラメンとして地植えも可能です。連続開花性に優れ、たくさんの花が咲き、花もちもよいため、観賞期間が長いのも魅力。鉢植えにして、上から眺めるのもおすすめ。 3.フェアリーピコダブル Photo/3and garden 八重咲きのシクラメンで、バイカラーの丸い花が愛らしく、葉っぱの模様も美しい品種。「はら園芸」の育種で、花粉が出ないため花の寿命がとても長く、非常に丈夫。花は小中輪ですが、生育旺盛で夏にも冬にも強いので、鉢増ししながら育てると年々花数が増え、見事な大株になります。 4.天使の羽 Photo/3and garden 花弁がウェーブしながらうつむいて咲く姿がとても美しく、花もちが抜群。原種と園芸品種を掛け合わせて世界で初めて種間交雑に成功した品種で、30年の年月を経て生み出された奇跡のシクラメンです。耐寒性が強く屋外でも育ちますが、霜や雪には当てないほうが生育がよいようです。 5.ビクトリア Gurcharan Singh/Shutterstock.com 先端がフリルのように縮れ、白と赤のコントラストが可憐な品種。覆輪種の代表的な品種として根強い人気があります。品種改良が進み、フリンジ咲きや八重咲きなど多くの品種が誕生。たくさんつぼみがつき、長い期間楽しめるので、初心者にもおすすめです。 6.ヴェスタ 「ビクトリア」を改良して誕生した晩生品種で、白花の中心と縁に赤が入る典型的な覆輪花。高温に強いので、夏越しさせやすい品種です。 7.ピアス 白の花弁に先端から淡くピンクのグラデーションがかかる色合いが特徴。色の変化を楽しめることで、一大センセーションを巻き起こした品種です。花びらの先がうねる“ウェーブ咲き”や花弁に切れ込みの入る“ギザシリーズ”など種類も豊富に。高温になるとピンクが入りにくくなるので、やや涼しい場所に置いてあげましょう。 8.プラチナリーフ 茨城県の長谷川園芸が作出した品種「プラチナリーフ」は、光沢のある銀色の葉が特徴。光を当てるとピカピカと輝く葉は、カラーリーフとして寄せ植えにも重宝しそう。開花時期が12月からと長いので、クリスマスの装飾にも適しています。花形もよく、色はピンクとパープル、赤、ライトピンク、白、バイオレットの6色。 9.パピヨン 丸みを帯びた花弁が飛んでいる蝶を思わせる花姿。濃い桃色の縁に、刷毛で入れたような白い斑が特徴的。 10.ファルバラローズ Photo/3and garden シクラメンは香りが感じられない花ですが、フランスのモレル社が開発した「ファルバラローズ」は香りが楽しめる珍しいシクラメンです。花の縁には細かいフリンジが入り、淡いピンク色の可憐な花姿。咲き方はラッフル咲きまたはロココ咲きになります。満開になるとバラのような上品な香りとともに、優雅な雰囲気を醸し出し、お部屋を華やかに彩ってくれます。 11.森の妖精 Photo/3and garden 「森の妖精」は、日本の生産者により、耐寒性の強い原種とミニシクラメンなどを交配して作出された、寒さに強い小型の品種です。フリンジの花弁と、縁にかけてクリーム色からライトグリーンにグラデーションする色合いが特徴です。耐寒性が強いため、ガーデンシクラメンとして、また寄せ植えにも適しています。ただし、霜に当たると株が弱るので、地植えの場合は霜に当たらないように注意しましょう。 12.クレヨン Photo/3and garden 「クレヨン」は、花弁を彩る少し色がかすれたストライプ模様が、クレヨンで描かれたように見えることから、この花名が付けられました。花弁に模様があるシクラメンはとても珍しく、種類によってさまざまな色のグラデーションやコントラストが楽しめます。薄いピンク色に紫の紋がある「バイオレット」、薄いピンク色にワインレッドの紋がある「ワインレッド」、薄いピンク色にピンク色の模様がある「ネオンピンク」、薄いピンク色に濃いピンク色の模様がある「サーモン」などがあります。草丈は10~15cmとコンパクトで、ミニシクラメンの一種です。 13.ファンタジア 花弁の白い縁取りと、内側に向かって赤、ピンク、紫、マゼンタなどのグラデーションになるコントラストが特徴的な、フランス生まれの「ファンタジア」。花弁が厚く、花が長もちするうえに、花の形がハート形に見えることもあり、贈り物としても人気が高い品種です。耐寒性、耐暑性ともに強く、育てやすいのも特長です。「ファンタジア ローズ」「ファンタジア ブライトフクシア」「ファンタジア ディープパープル」「ファンタジア ディープマゼンタ」などの花色バリエーションがあります。 14.リリベル 花弁の縁がひらひらとしたフリンジ咲きのビクトリアタイプと、花弁の周囲に白い縁取りが入るファンタジアタイプの特徴を併せ持つ、ハイブリッドタイプのミニシクラメン「リリベル」。紫色の地に白の縁取りがシャープに見える「パープル」、フリンジの可愛らしさが際立つ「マゼンダ」などの種類があります。開花が早いうえに短期間で咲き揃うメティス種です。また、開花期も10月から翌年5月頃までと長く、1株あたりの花数が非常に多いので、花壇や鉢植えで華麗な存在感を醸し出します。 15.フュージョン 花弁の上下で花色が異なり、ストライプ模様が入ることもある「咲き分け」が特長の「フュージョン」。花色により「ネオンピンク」や「バイオレット」などの種類があります。オランダのスクネベルト社が開発した品種で、大輪系から中輪系までサイズも多様です。通常のミニシクラメンより花が大きく、鮮やかな花色と咲き分けの美しさから贈答用としても人気が高い品種です。やや耐寒性、耐暑性に弱いため室内での温度管理に注意が必要ですが、比較的育てやすいでしょう。 16.イリュージア Edimoh/Shutterstock.com 「イリュージア」は、下向きに咲く花というシクラメンの常識を覆し、上向きに花を咲かせた画期的な品種です。上向きに咲いた姿が魔法のようだったため、「幻想的」を意味するillusion(イリュージョン)から花名が付けられました。上向きに咲くだけでなく、花弁が外側に広がる形状のため、花自体が大きく見えます。大輪の花が株を覆うように咲き、鉢植えはブーケのような見た目になります。さらに、1輪の花が2カ月近くも咲き続けるため、贈答品としても人気です。オランダのスクネベルト社で作出され、世界に先駆けて日本で先行限定販売されました。フラワートライアルアワード2023植物部門Gold賞受賞。 17.黄色系品種 珍しい黄色系のシクラメンも登場しています。黄色みがかかったアイボリーの花の「ネオゴールデンボーイ」と、中心部分に口紅をさしたような「ネオゴールデンガール」などがあります。 18.ブルーシクラメン 赤やピンク色が多いシクラメンの中で、青いシクラメンはひと際異彩を放ちます。オランダのスクネベルド社が作出に成功し、フラワートライアルジャパン2024にて世界初公開、2025年に販売開始となった「ドラゴン」は、「ベラノ種」由来の青色シクラメン。安定した品質の種子系シクラメンで、自宅でも手軽に楽しめるようになりました。神秘的な深みのあるブルーが特長の「ドラゴンディープブルー」、淡いブルーが優美な「ドラゴンライトブルー」、「大栄花園」のオリジナル品種「SAMURAI(サムライ)」や「江戸の青」などの品種があります。 19.コウム Peter Turner Photography/Shutterstock.com コウム(Cyclamen coum (Eastern Sowbread))は、一般的な園芸店などでも入手しやすい原種のシクラメン。花色は白から濃いピンク、紫までと幅広く、丸みを帯びた葉が特徴です。耐寒性があるので、屋外での越冬が可能。夏場は地上部が枯れて休眠します。 20.ヘデリフォリウム Alex Manders/Shutterstock.com ヘデリフォリウムは、コウムと同じく原種のシクラメンで、フランス、ギリシャ、イタリア、バルカン半島、トルコなど地中海沿岸地域の石灰岩土壌、岩場、潅木地等で自生する品種です。原種のため花が小さめですが、強健で寿命が長く、地植えも可能です。葉の形や色には個体差があり、美しい模様が入るものやシルバーリーフもあります。地表面を覆うように葉を広げていくため、グランドカバーとしても利用できます。秋の早い時期から咲き始め、花色は白、ピンク、紫がメインです。 シクラメンの栽培トラブルQ&A 葉が黄色くなる ChrisGreenTea/Shutterstock.com シクラメンの葉が黄色くなる原因はいくつかありますが、その一つが温度管理の問題です。シクラメンは、5~15℃くらいの温度を好み、20℃以上、5℃以下になると葉が黄変してきます。温度管理には十分な注意が必要です。また、日光不足や肥料不足でも株が弱って、葉が変色します。シクラメンは、暖房を入れない日当たりの良い室内に置き、購入後1~2カ月経ったら肥料をやりましょう。 萎凋病などの病気に感染した場合も、葉が黄変します。萎凋病は水のやり過ぎなどが原因です。初期であれば消毒によって回復する場合もありますが、処置が遅れると廃棄するしかないので、水のやりすぎには注意しましょう。 葉がしおれて倒れる LaineN/Shutterstock.com シクラメンの葉がしおれる原因は水不足、水のやりすぎによる根腐れ、温度などです。シクラメンは水が足りなくても、多すぎても弱ってしまいます。風通しのよい場所に置き、土が乾ききる前に水やりをしましょう。また、5℃以下の低温に晒されたり、寒風に当たったりしても葉がしおれてしまいます。温度管理には注意しましょう。 株のバランスが崩れる 窓辺などの一方向から光が当たる環境に一定期間置いておくと、偏って成長してしまい、株のバランスが崩れます。窓辺などに置く場合は、時々鉢を回しながら育てるとバランスよく成長します。 育てやすい品種からシクラメン栽培を始めよう Natalia Greeske/Shutterstock.com 色鮮やかな花が少なくなる季節に、次から次へと花を咲かせるシクラメン。白、赤、ピンク、ブルー系に黄色系と花色だけでなく、フリンジ咲きや八重咲きなど、花姿や見た目の印象もバラエティーに富んでいます。一鉢あるだけで、冬の部屋も明るくしてくれることでしょう。まずは、育てやすい品種からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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寄せ植え・花壇

育種家パンジー&ビオラの“にじむ色”を美しく見せる寄せ植え術―シルバーリーフという引き算
育種家パンジー&ビオラの色は、なぜ“にじんで見える”のか フリル咲き小輪パンジー‘ペルクレア’。花日和作出。 花の色、模様、咲き方、草姿までを意図して掛け合わせ、時間をかけて選び抜かれた育種家のパンジー&ビオラ。1輪ごとの色の重なりや光の当たり方で変わる表情など、その魅力は近くで見てこそ分かる繊細さにあります。 ビオラ‘万葉菫 おぼろ月’。桂風園作出。 色と色の境界がはっきり区切られていないため、視線を向けたときに「ぱっと目に飛び込んでくる」というより、じわっと染み込むように印象的。この繊細な色合いは、寄せ植えで他の色や質感を重ねすぎると、簡単に埋もれてしまいます。だからこそ、花そのものを“主役”として扱う構成が求められます。 シルバーリーフは花色を濁らせない“名脇役” ビオラ‘アイクルール’の透き通るような花色が際立つ小さな寄せ植え。オレアリア‘リトルスモーキー’、コクリュウを合わせて。 そんな育種家パンジー&ビオラに武島さんが合わせるのは、シルバーリーフ。そこには「おしゃれだから」というだけでなく、きちんとした理由があります。 シルバーリーフは 無彩色に近い 明度が高く、光をやわらかく反射する だからこそ繊細な花の色を濁らせず、静かに引き立ててくれるのです。白やグレーに近い葉が背景になることで、パンジー&ビオラのにじむような紫、ブルー、ピンク、イエローは、より澄んで見えます。 「シルバーリーフは主役にはなりませんが、工芸品のような繊細な花色を持つ主役の花を一段引き上げるために、寄せ植えには欠かせない名脇役です」(武島さん) 初心者でもすぐ真似できる2種の寄せ植え 育種家パンジー&ビオラの繊細な色を楽しむなら、植物はあえて2種類だけという選択も、とても有効です。この寄せ植えで組み合わせているのは、主役のビオラ‘パスフリ ブルー’と、引き立て役のオレアリア‘リトルスモーキー’のみ。 主役の花を手前中央に配置し、後方にも2株、鉢の中で三角形になるように配置します。その三角形の間を埋めるように、シルバーリーフを逆三角形に配置すると、ナチュラルに仕上がります。植物の数を増やさないことで、ビオラの紫や青みがより澄んで、育種家ビオラの魅惑の色合いが際立ちます。 4種のシルバーリーフがつくる、静かな奥行き この寄せ植えでは、シルバーリーフを4種類、組み合わせています。それでも雑多な印象にならず、むしろ静かで上品に見えるのは、それぞれのシルバーリーフが「色」ではなく「質感の違い」として使われているからです。 中心的な存在になっているのが、この冬、武島さんお気に入りのシルバーリーフのカルーナ。葉の美しさとともに、ごく淡いピンクの八重咲きの花が連なる姿は、花木と草花の中間のような、落ち着いた佇まいを見せてくれます。 そこに合わせているほかのシルバーリーフは、 葉が細かいもの 線的に立ち上がるもの ふわっと広がるもの と、形や動きがそれぞれ異なります。4種使っているのに「多い」と感じさせないのは、色数を増やさず、質感だけで変化をつけているからです。 花をたくさん咲かせなくても、色を重ねなくても、静かに整えられた寄せ植えは、冬の光の中でこそ、その品格をあらわにします。 ビオラ、カルーナ、クッションブッシュの3種でつくったリース寄せ植え。 武島さんの寄せ植えに学ぶ「色を引き立てる配置」 育種家パンジー&ビオラを引き立たせるには、色だけでなく配置にもコツがあります。 パンジー‘シエルブリエ’を中心に据え、エレモフィラやシロタエギクなどのシルバーリーフで囲んだコンテナ。 パンジー&ビオラは、視線が集まる中央やや前方に シルバーリーフは、縁や背景、流れを作る位置に 立体感は、葉の高さや細さで表現する シルバーリーフは、こんもりまとめるのではなく、流す・揺らす・抜けをつくるように配置することで、主役の花が浮かび上がるように見えます。色数を抑えながらも、単調にならない理由は、葉の形と質感の違いにあります。 シルバーリーフ、何を選ぶ? オレアリア‘リトルスモーキー’。 今回の寄せ植えで選ばれているシルバーリーフには、いくつかの共通点があります。 葉が細かい、または線的である 白すぎず、ややグレーがかる 冬の低温でも傷みにくい 左/エレモフィラ‘ホイップクリーム’ 中/ディコンドラ‘シルバーサーファー’ 右/クッションブッシュ‘プラチーナ’ いずれも「色で主張しないけれど、存在感はある」植物です。大切なのは、花より前に出ないこと。あくまで背景、あくまで土台として選びます。 ご紹介したシルバーリーフはいずれも常緑性の低木・半低木で、次のシーズンの寄せ植えにも再利用することができます。ただし日本の夏の高温多湿は苦手なものも多いので、春以降は置き場所を見直すことで、状態よく育てやすくなります。 冬の寄せ植えは「色数を減らす」と美しくなる 育種家パンジー&ビオラを主役にするなら、寄せ植え全体の色数は思い切って減らすと成功しやすいでしょう。足し算をやめることで、繊細な花の一色一色がきちんと“見える”ようになります。 色を盛らない。飾りすぎない。シルバーリーフという静かな存在だけで、花はいっそう澄み、深く、心に残ります。 冬の光の下で、色を引き算した寄せ植えを、ぜひ楽しんでみてください。
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花と緑

「藪柑子」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.29
縁起のよい植物!「藪柑子」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てていても、漢字で書かれると案外分からない植物が多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字が使われていたり、植物の漢字名も面白いものです。 そんな漢字名の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題! 今回のお題は「藪柑子」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント 古くから日本人に愛されてきた植物。金運や福を招く縁起物としてお正月の飾りでもおなじみの存在です。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ヤブコウジ Hank Asia /Shutterstock.com ヤブコウジの基本データ 学名:Ardisia japonica科名:サクラソウ科属名:ヤブコウジ属原産地:日本、朝鮮半島、中国、台湾和名:ヤブコウジ(藪柑子、薮柑子、紫金牛)別名:ジュウリョウ(十両)、ヤマタチバナ(山橘)英名: Japanese Ardisia開花期:7~8月花色:白、ピンク形態:常緑性小低木樹高:10~30cm 10~11月に熟す赤い実と常緑の葉のコントラストが美しく、お正月の飾りとしてもおなじみのヤブコウジ。10~30cmとコンパクトに生育し、地下茎で増えるため下草のように利用されますが、サクラソウ科の小低木です。小さな花は白またはピンクがかった白で下向きに咲き、あまり目立ちません。『万葉集』にも山橘(ヤマタチバナ)の名で詠まれるなど、日本で古くから愛されてきました。葉の色や模様などの違いを楽しむ愛好家が多く、江戸時代には斑入りのヤブコウジが人気を集めて多くの品種が作出されたほか、明治期にもブームによって投機の対象となり、高値で取り引きされたこともあります。 赤い実がなるヤブコウジは、別名ジュウリョウ(十両)とも呼ばれ、センリョウ(千両)、マンリョウ(万両)、カラタチバナ(百両)などとともに金運や福をもたらす縁起のよい植物として親しまれています。乾燥は苦手とするものの、半日陰など日当たりの悪い場所でも生育し、日本の環境に適合して育てやすいので、初心者の方にもおすすめです。斑入り品種は軽やかな印象で、洋風の庭にもよく似合います。 「藪柑子」の由来とは? HoyaEuny /Shutterstock.com ヤブコウジは漢字では「藪柑子」と書きます。この柑子(こうじ)とは在来のミカンの1種で、ミカンの異名として使われることもあります。ヤブコウジという名前は、葉や果実の様子が柑子に似ていること、藪の中に生育することが由来とされています。また、生薬名は漢名の「紫金牛(しきんぎゅう)」を用いることから、「紫金牛」と書いてヤブコウジと読ませることもあります。 ヤブコウジの別名である「十両」という名前は、実をたくさんつけ、樹高1m程度にまで育つマンリョウ(万両)に対し、1株に付ける実が少ないこと、コンパクトに生育することから定着したとされています。 クイズ一覧はこちら!
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おすすめ植物(その他)

新年に迎えたい、運を整える縁起植物5選
【千両・万両】名前そのものが縁起。冬の庭を支える実もの低木 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:センリョウ学名:Sarcandra glabra英名:Japanese spurge和名:千両(センリョウ)科名:センリョウ科属名:センリョウ属原産地:日本、中国、東南アジア形態:常緑小低木 Bigc Studio/Shutterstock.com 植物名:マンリョウ学名:Ardisia crenata英名:Coral berry / Ardisia和名:万両(マンリョウ)科名:サクラソウ科属名:ヤブコウジ属原産地:日本、中国、台湾形態:常緑低木 千両・万両は、その名のとおり古くから金運や繁栄の象徴として扱われてきた植物です。正月飾りや冬の庭の定番なので、見かけたことのある方も多いでしょう。 じつはこれらは半日陰を好み、冬の弱い日差しでも育ちやすいのが特徴。常緑で葉を落とさず、寒い季節も景色を支えてくれます。 鳥に実を食べられにくい品種を選べば、春先まで赤い実を楽しめるのも嬉しいポイント。庭木としても、鉢植えとしても、扱いやすい縁起植物です。 千両と万両の違いと、簡単な見分け方 「千両」と「万両」は名前も見た目もよく似ていますが、いちばんの違いは「赤い実がどこに付くか」にあります。 これはどちらでしょうか? Taromon/Shutterstock.com 千両(センリョウ)→赤い実が「葉の上」にのる 千両は、赤い実が葉の上に持ち上げられるように付くのが特徴です。葉の付け根から実が立ち上がるため、上から見たときに実がよく目立ちます。 この姿から・お金を差し出す・福を掲げる といったイメージが重なり、縁起物としてお正月の生け花でもよく使われてきました。また、半日陰でも育ちやすく、庭の下草や鉢植えにも向く扱いやすさも魅力です。 万両(マンリョウ)→赤い実が「葉の下」にぶら下がる 万両は、赤い実が葉の下に房状に付いて垂れ下がるのが特徴。一見すると実が見えにくく、よく見ると葉の陰に赤がのぞきます。 この控えめな姿が・内に蓄える・静かに満ちる といった意味合いと結びつき、縁起木として扱われてきました。庭木としての存在感があり、冬の庭に奥行きを与えてくれる植物です。 【南天】「難を転じる」名前が生んだ、守りの縁起木 Yashkin Ilya/Shutterstock.com 植物名:ナンテン学名:Nandina domestica英名:Sacred bamboo / Heavenly bamboo和名:南天(ナンテン)科名:メギ科属名:ナンテン属原産地:中国形態:常緑低木 南天は「難を転じる」という語呂合わせから、古くより厄除けや魔除けの象徴として親しまれてきました。赤い実をつける姿は、冬の庭や玄関先でひときわ存在感を放ちます。 植物としても丈夫で、寒さに強く、一度根づけば手間がかからないのが魅力。冬の間も実を落としにくく、“変わらずそこにある”姿が安心感を与えてくれます。ちなみに、竹に似た姿から英名では「bamboo」と呼ばれますが、実際は竹の仲間ではありません。 Andriy Blokhin/Shutterstock.com 玄関脇や庭の背景木として取り入れるほか、鉢植えならマンションのエントランスにもおすすめ。一枝切って飾るだけでも風流です。 【スキミア】和洋を問わずなじむ、常緑×赤の安心感 植物名:スキミア学名:Skimmia japonica英名:Skimmia和名:深山樒(ミヤマシキミ)科名:ミカン科属名:スキミア属原産地:日本、中国、ヒマラヤ地域形態:常緑低木 スキミアの魅力のひとつが、冬に見せる赤い表情。じつはこの「赤」には、2つのタイプがあります。 ① 実が赤く色づくタイプ ヨーロッパではクリスマスの花材としても用いられるスキミア。Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com これは、雌株にできる果実です。受粉がうまくいくと、秋から冬にかけて赤く色づき、春先までその姿を保ちます。 果実は古くから・実る・蓄える・守る といった意味と結びつき、縁起物として扱われてきました。冬の間も落ちにくいスキミアの実は、「1年を通して安定している」「変わらず続く」そんなイメージを暮らしに添えてくれます。 ② つぼみが赤くふくらむタイプ Konstantinos Livadas/Shutterstock.com 一方で、赤い実のように見えるスキミアもあります。これは春に白い花を咲かせる前段階として、冬の間につぼみが赤く色づいて待機しているのです。 この姿は・これから咲く・これから動き出す・兆しがすでに見えている という状態。新年のはじまりにふさわしい、「準備が整いつつある」「芽吹きの前触れ」そんな前向きな象徴として捉えることができます。 どちらも鉢植えにすれば玄関先やベランダで楽しめます。赤い実を楽しむか、赤いつぼみに春を待つか。そのどちらを選んでも、スキミアは新しい年の暮らしに静かな前向きさをもたらしてくれることでしょう。 【葉牡丹】重なる葉に込められた「福を重ねる」という願い 植物名:ハボタン学名:Brassica oleracea var. acephala英名:Ornamental kale / Flowering kale和名:葉牡丹(ハボタン)科名:アブラナ科属名:アブラナ属原産地:ヨーロッパ沿岸部形態:一年草(または二年草扱い) 葉牡丹は、冬の寄せ植えや門まわりに欠かせない存在。幾重にも同心円状に広がる葉の姿に「福を重ねる」「めでたさが重なる」といった願いが重ねられてきました。 寒さに強く、真冬でも美しい姿を保つのが最大の魅力。春に向かってとう立ちしていく姿もまた、季節の移ろいを感じさせてくれます。 武島由美子さんの庭を彩るハボタンとパンジーのリース寄せ植え。 寄せ植えなら配置替えもしやすく、玄関まわりなどを華やかに演出できます。 【柑橘類】実る姿が教えてくれる「満ちる」という感覚 キンカンは鉢植えでも育てやすくベランダにもおすすめ。DimaBerlin/Shutterstock.com 植物名:柑橘類学名:Citrus spp.英名:Citrus和名:柑橘類科名:ミカン科属名:ミカン属原産地:東南アジア形態:常緑低木 代表例・レモン(Citrus limon)・ユズ(Citrus junos)・キンカン(Citrus japonica) 柑橘類は、実をつける姿そのものが「満ちる」「実る」という前向きなイメージにつながります。冬に色づく果実は、庭やベランダに明るさを添えてくれます。 鉢植えなら場所を選ばず育てやすく、収穫して味わえるという実用性も魅力。観賞と食の両方を楽しめる点で、暮らしとの距離が近い縁起植物といえるでしょう。 おわりに AnnaNel/Shutterstock.com 縁起や開運は、未来を約束するものではありません。けれど、植物を迎え、手をかけ、季節を感じながら暮らしを整えることは、不安な時代にあっても確かな「自分の行為」でもあります。 信じすぎず、期待しすぎず。それでも、少し前向きな気持ちになれるなら——縁起植物は、今の暮らしにちょうどいい存在なのかもしれません。 皆さまに、うれしいことがたくさんある年になりますように。
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花と緑

お正月に欠かせない花の3択クイズ! 元旦草の別名もあるフクジュソウ(福寿草)は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.28
身近な花!「フクジュソウ」は次の3つのどれ? Fumeezz/Shutterstock.com お正月を彩る鉢花として人気の高いフクジュソウ。縁起のよい植物として古くから栽培され、江戸時代から多くの園芸品種も作られています。本来は2~4月に咲きますが、年末には開花調整された株が出回ります。日本には4種類のフクジュソウが自生しています。 さて、そんなフクジュソウには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいフクジュソウの写真を選ぶ3択クイズ! フクジュソウは、次のA~Cのどれでしょう? A doroninanatalie4/Shutterstock.com B YUMIK/Shutterstock.com C Yukikazu/Shutterstock.com ヒント いずれもキンポウゲ科の植物で、早春に開花し、夏~秋には休眠するため、短い期間だけ地上に現れるスプリングエフェメラルです。花姿は似ていますが、葉の形などに違いがあります。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ B YUMIK/Shutterstock.com フクジュソウの基本データ 学名:Adonis ramosa科名:キンポウゲ科属名:フクジュソウ属原産地:日本(北海道~本州)和名:フクジュソウ(福寿草)別名:ガンジツソウ(元日草)、ガンタンソウ(元旦草)、ツイタチソウ(朔日草)、エダウチフクジュソウなど英名:Far East Amur adonis、Amur adonis、Pheasant’s eyeなど開花期:2~4月花色:黄、クリーム形態:宿根草(多年草)草丈:20~30cm 早春に鮮やかな明るい黄色の花を咲かせるフクジュソウ。花色は黄色が基本ですが赤や緑の品種もあり、地面から花茎を伸ばした頂部に、3cmほどの花を咲かせます。葉は細かく切れ込んだ羽状複葉。花や葉などは太陽の動きに合わせて向きを変え、夜や曇りの日は花弁を閉じるという性質があります。早春に、ほかの花に先駆けて開花した後は、夏前に地上部を枯らして休眠するスプリングエフェメラルの1つです。 フクジュソウという名前は、春を告げるという「フクツグソウ(福告ぐ草)」が、語呂の悪さからフクジュソウ(福寿草)になったのが由来とされています。別名のガンジツソウ(元日草)やツイタチソウ(朔日草)は、旧暦のお正月頃に咲くことに由来します。日本に自生しているフクジュソウは、フクジュソウ、キタミフクジュソウ、ミチノクフクジュソウ、シコクフクジュソウの4種類で、ほかに多くの園芸品種があります。 croquette/Shutterstock.com フクジュソウは落葉樹の下のような、開花時期は日当たりがよく、その後は半日陰になるような場所を好みます。寒さに強く、マイナス10℃程度であれば地植えでも越冬し、特に防寒対策も必要ありません。ただし、乾燥や凍結には弱いので注意しましょう。休眠期である夏は涼しい場所で管理します。ただし、全草に有毒成分を含むため、口にしないよう注意が必要です。特に、芽がフキノトウと似ているため、誤食しないように気をつけましょう。 orihashi photo/Shutterstock.com 残りの選択肢の花は… A キバナセツブンソウ doroninanatalie4/Shutterstock.com キンポウゲ科の多年草。開花期は2~3月で、光沢のある鮮やかな黄色の花を上向きに咲かせます。開花時は花を取り囲むようにすぐ下に葉がつき、花後に伸びる葉は掌状で光沢があります。ちなみに、花弁のように見える部分はじつは萼(ガク)です。南ヨーロッパ原産で、ヨウシュセツブンソウやエランティスなどとも呼ばれます。 C セツブンソウ Yukikazu/Shutterstock.com キンポウゲ科の多年草。2~3月の節分の頃に開花し、花弁のような白い萼(ガク)を開きます。葉は灰緑色で深く切れ込みます。関東地方以西に自生する日本固有の品種ですが、近年は乱獲や生息地の開発などにより激減していることから、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されています。 クイズ一覧はこちら!
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寄せ植え・花壇

ハレの日を庭に迎える、1鉢の祝福――やさしい色でつくる、特別な日の寄せ植え
ハレの日の寄せ植えに求めたいのは「華やかさ」と「品」 ハレの日の寄せ植えというと、どうしても派手さに目が向きがちですが、ハレの日に本当に必要なのは目立つ装飾ではなく、場の空気を整える存在。この寄せ植えは穏やかな華やかさと品を兼ね備え、主役が“寄せ植え”になりすぎないのがポイント。 ピンク、ベージュ、乳白色、淡紫など、見る人の目に「刺激」として入らないやさしい色を重ね合わせ、安心感のある華やぎを演出しています。これらの花色は直射日光でも、曇りの日でも、光をやさしく受け止めてくれます。だから記念撮影などで人が近くに立ったときも、肌の色を自然に見せ、寄せ植えそのものが、そっと光を添える“レフ板”のような存在に。 華美ではないけれど、確かに特別。それが、この寄せ植えの“ハレ”の形です。 主役は小型ストック‘ベイビー’。お祝いの場に似合う理由 中心に据えたのは、小型で扱いやすいストック‘ベイビー’。通常のストックよりもコンパクトで、寄せ植えにすると全体のバランスが取りやすいのが魅力です。 八重から半八重咲きのふんわりと重なる花びらは、どこかブーケのよう。その立ち姿は、鉢全体を引き締めながら、祝福の象徴としてしっかり存在感を放ちます。 また、香りが穏やかに漂うのもポイント。人が集まるハレの日に、強すぎず、心地よく空間を満たしてくれます。 名脇役たちが生む、奥行きとリズム この1鉢の完成度を支えているのは、主役のストックを引き立てる植物たち。組み合わせのポイントは、前述の色に加え、以下の3つがあります。 ① 形の違い|「立つ・揺れる・広がる」を重ねている まず注目したいのは、花や草姿の形の違いです。 やさしいピンクベージュのキンギョソウ‘トゥイニー’。 ストック‘ベイビー’、キンギョソウ‘トゥイニー’→ 花穂がまとまった“直立型”。ブーケの芯のような役割 左/エリカ‘Lフラワーレインドロップ’、右/エリカ‘アワユキ プリティレッド’ エリカ類、カルーナ、ビデンス‘ハニーピーチ’→ 細い花茎が立ち上がる“線の植物”。軽やかさと動きを演出 パンジー‘きもの’、アリッサム→ 横に広がる“面の植物”。株元を安定させる この寄せ植えは、「芯」となるストック‘ベイビー’を中心に、縦のリズムを生む花と、足元をまとめる花を重ねることで、1鉢の中に奥行きと立体感のある構成にしています。 ② 草丈の違い|自然な“段差”があるから美しい 高さのバランスも、この寄せ植えの完成度を高めています。 高さを出す:ストック‘ベイビー’、エリカ類、カルーナ 中間をつなぐ:キンギョソウ‘トゥイニー’、ビデンス 低く抑える:パンジー、アリッサム 極端な高低差ではなく、なだらかな段差にしているのがポイント。これにより、見た目が穏やかながら、祝いの席にふさわしい“品”が生まれ、どの角度から見ても美しいのです。 ③ 生育特性|「同じリズムで育つ」植物だけを選んでいる この組み合わせが優れている理由の1つが、生育スピードと好む環境がほぼ同じという点です。 共通点は、 日当たり~明るい半日陰を好む 冬〜春に調子が出る 極端な乾燥や過湿を嫌う 生育が比較的おだやか どれか1つだけが暴れる、弱る、ということが起きにくく、寄せ植え初心者にも向いている、安定感のある組み合わせです。 大鉢が冬に効果的な理由&小鉢にリサイズする方法 この寄せ植えの鉢サイズは、直径75×高さ70cm。 この寄せ植えは、大鉢ならではのスケール感を活かした作品ですが、考え方はそのまま、小さな鉢にも応用できます。もしスペースがあるなら、大鉢には以下のようなメリットがあります。 ① 冬の庭に“高さのある華やかさ”を出せる 冬はどうしても、草丈が低く、視線が下がりがちになります。そこに高さのある鉢を使うことで、花が目線に近づき、冬でも立体的な景色が生まれ、遠くからでも存在感が出ます。冬の庭にこそ、大鉢は効きます。 ② 記念撮影で、人と花の距離が自然に近づく この高さの鉢は、人が立ったとき、花が腰〜胸の高さに来るのが大きな利点。ハレの日・記念日との相性がとてもいい理由です。 しゃがまなくても花と一緒に写る 顔の近くに花が来ることで、写真が華やぐ 寄せ植えが“背景”ではなく“共演者”になる ③ 土量が多く、管理が安定する 見た目だけでなく、管理面でも以下のメリットが挙げられます。 水切れしにくい 温度変化を受けにくい 生育がゆっくりで、形が崩れにくい 「こんな大鉢、置けない…」という人へ 安心してください。考え方はそのまま、小さい鉢でも可能です。鉢台やテーブルを使えば、視線の高さは玄関やベランダでも再現可能です。目線に近く、写真映えもバッチリ。 ✔ おすすめサイズ 直径30〜40cm程度の鉢+鉢台(テーブルなど)の組み合わせ <リサイズするときの考え方> 使う花苗の数を減らします。ただし「役割」を減らさないのがポイントです。前述のように「芯・線・面」の構造を残せば、小さいサイズでもハレの日に相応しい寄せ植えが作れます。 例えば: 芯(ストック):1〜2株 縦のリズム(エリカ or キンギョソウ):2〜3株 面(パンジー+アリッサム):3〜4株 植え込みの基本順序 ① まず「芯(柱)」を決める ストック‘ベイビー’、キンギョソウ‘トゥイニー’ 鉢の中央〜やや奥に配置 真上から見たとき、円の中心を意識 この時点で「この鉢はどこを正面にするか」も同時に決めています。 ② 次に「縦のリズム」をつくる エリカ類、カルーナ ストックの周囲に、放射状に配置 高さはバラけさせ、同じ高さに揃えない 大鉢はスペースがある分、高さを出す植物を“まとめて植えない”のがコツです。 ③ 最後に「面」でまとめる パンジー‘きもの’、アリッサム、ビデンス‘ハニーピーチ’ 鉢縁に沿って、リズムよく配置 色が固まらないよう、交互に入れる 株元が埋まることで、一気に「完成形」に近づきます。 「その日だけ」で終わらない、時間を楽しむ寄せ植え この寄せ植えは、12月頃に作り、冬を越えて春まで、約4〜5カ月楽しめる設計です。ストックやキンギョソウは厳寒期にいったん花がお休みするものの、分枝力に優れているため、寒さが緩むと同時に再び咲き進んできます。その間にもエリカやカルーナは長く彩りを保ち、パンジーやアリッサムが寒さの中で表情を深めていきます。 ハレの日の余韻を長く庭に残すためのお手入れのポイントをご紹介します。 お手入れのポイント|ハレの日の美しさを長く保つために 水やり 表土が乾いたら、鉢底から水が流れるまでたっぷり 冬は夕方を避け、午前中の水やりがおすすめ 花がら摘み ストック、キンギョソウ、パンジーは花が終わったら早めに摘む アリッサムは軽く切り戻すと、再び咲き揃う 伸びすぎたら キンギョソウやビデンスは、伸びた分だけ軽く切り戻してOK エリカやカルーナは基本的に切り戻さず観賞が基本 肥料 植え付け時に元肥が入っていれば、2〜3週間後から薄めの液肥を月2回ほど 肥料過多は草姿が乱れるので控えめに ハレの日を迎えるための、舞台づくりをその手で ハレの日を祝うために、花を選び、鉢を置き、そこに人が集まる余白をつくる——それだけで、日常の中に「幸せの場所」は生まれます。 この寄せ植えは、花そのものを楽しむためだけのものではありません。写真を撮り、笑顔が重なり、その時間が記憶として残っていく——そんな瞬間を迎えるための舞台装置です。 ガーデニングの本当の魅力は、植物を育てることだけではなく、幸せな時間が生まれる空間を、自分でつくれること。 ハレの日の気持ちを、これからも何度でも迎えられるように。この1鉢が、そのきっかけになれば幸いです。
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公共ガーデン

“ロングライフ・ローメンテナンス”で都立公園を豊かに彩るコンテスト「第4回東京パークガーデンアワード 夢の島公園」全国から選ばれた5人のガーデンコンセプト
第4回会場となる「夢の島公園」 「東京パークガーデンアワード」は、公益財団法人東京都公園協会が主催するコンテストです。気候変動が激しい現代において、“持続可能でロングライフ・ローメンテナンス”なガーデンづくりを目指しています。デザインはもとより、植物や土壌の高度な知識が求められ、今までのものとは一線を画すコンテスト。このアワードを通じて、サステナブルガーデンの制作、普及を後押しします。 今回の舞台となる『夢の島公園』は、東京都江東区にある海辺の都立公園で、運河に囲まれた人工島の中に位置しています。「夢の島」といえば、かつてはゴミの埋め立て地として知られていましたが、その負のイメージを払拭するため、1978年に『夢の島公園』が開園しました。その後、整備が進められ、現在ではユーカリやデイゴ、ヤシなどの熱帯・亜熱帯植物が植えられた緑豊かな海辺の公園に生まれ変わりました。園内には熱帯植物館やスポーツ施設、マリーナ、広大な芝生広場があり、都心からアクセスしやすい人気スポットとなっています。 コンテストのテーマは「海辺のサステナブルガーデン」 今回ガーデンが設けられるエリアは、『夢の島熱帯植物館』西側のグリーンパークの一画で、公園のシンボルであるユーカリの樹林地に面しています。広がる波をイメージした2本のウェーブガーデン(約24㎡)に、海辺の環境に適した宿根草を植栽。背景のユーカリとも調和する、ロングライフ・ローメンテナンスなガーデンが制作されます。2025年12月、土壌改良から作庭が行われ、11月の最終審査を迎えるまで、必要に応じてメンテナンスを実施。近年の激しい気候変動、とくに厳しい酷暑への対応も重要な課題です。3回の審査を経てグランプリが決定するまで、さまざまな予測を立てながら庭と向き合っていくことになります。 「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」であることに加え、審査で見る重要なポイント 2025年に行われた「第3回東京パークガーデンアワード」の審査の様子。今回の審査員は、福岡孝則さん(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚さん(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子さん(ガーデンデザイナー)、本木一彦さん(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子さん(公益財団法人東京都公園協会 常務理事)。 第4回も“持続可能なロングライフ・ローメンテナンス”であることが欠かせないルールです。丈夫で長生きする宿根草・球根植物(=多年草)を中心に、季節ごとの植え替えをせず、季節の花が順繰りに咲くようデザインすることが求められています。 ●公園の景観と調和していること ●公園利用者の関心が得られる工夫があること●公園利用者が心地よく感じられること●植物が会場の環境に適応していること ●造園技術が高いこと●四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること●「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること●メンテナンスがしやすいこと●テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること ●総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 第3回開催の砧公園で見られた“ロングライフ・ローメンテナンス”を実現しながら豊かに彩るための工夫 ここ数年、猛烈な酷暑が続いています。この異常な気候変動を乗り切るためには、耐暑性や耐乾性のある植物の選定、そして強くても爆発的に繁茂する種類は避けるなどの知識が必要です。またメンテナンスも欠かせない要素で、手入れのテクニックも審査の対象となります。メンテナンスはガーデナーの申請によって行うことが条件ですが、手入れの頻度(回数)も評価の参考になります。 そこで、「ロングライフ・ローメンテナンス」を実践するために、前回開催のコンテストガーデンで取り入れられた工夫をいくつか紹介します。 1. メンテナンス時の発生材(剪定枝など)をガーデン内で循環するためのバイオネストの設置 ガーデンの中央で大きなオブジェのような存在感を放っていた、印象的なバイオネスト(エリアA)。 2. ガーデンの土中に空気を送り込むための通気口の設置 直径20cmほどの穴に枝を組んで作った通気口。入り口部分にグラスの穂をあしらい、鳥の巣のような愛らしさを演出(エリアB)。 3. テントウムシを呼ぶための、バンカープランツを植栽 テントウムシがエサとして好むアブラムシが早春に集まるように植え込んだ原種のチューリップ(エリアC)。 4. 土中の微生物を活性化させるための、菌糸のステップを配置 キノコの菌床を円盤形に固めたステップ。植物の根の伸長を促すのに効果的(エリアD)。 5. シードヘッドになる植物を積極的に使う カールドン、アリウム、バーバスカム、バーベナのシードヘッドを巧み組み合わせ、秋~冬の景色に深みを与える(エリアE)。 全国から選ばれた5人のガーデンコンセプト どのエリアでガーデンを制作するかを決めるため2025年10月中旬に集合した5名のガーデナー。 コンテストのテーマとルールをふまえて制作するそれぞれのガーデンのコンセプトをご紹介します。 コンテストガーデンA花の巡り、風と大地の詩 【作品のテーマ・制作意図】 海辺という特有の環境に調和しながら、自然の力を活かした設計によって、サステナブルな公共空間のあり方を提案します。風が通り抜け、植物が揺れ、大地がそれを支える——この空間では、自然の要素が互いに響き合いながら機能します。植栽には、乾燥や高温に強く、施肥を行わずとも育つ植物を選定。水やりやメンテナンスを最小限に抑えることで、環境負荷を軽減しながら、美しさと生態系の豊かさを両立する構成としました。また、宿根草とグラス類を中心に、こぼれ種によって自発的に広がる植物を組み合わせることで、季節や年月の変化に応じて風景が移ろい、訪れるたびに異なる表情を見せるよう工夫しています。風に反応する草姿や色彩の変化は、来訪者の感覚に静かに働きかけ、風・植物・大地の関係性を通じて、自然との関わりを見つめ直す場となることを目指しています。 【植栽計画について】 海辺の環境に適応する植物を中心に構成し、自然の力を活かしながら持続的に育つガーデンを目指しました。潮風や強い日差し、乾燥といった海辺特有の条件に耐える宿根草やオーナメンタルグラスを主体とし、無施肥・最小限の水やりで維持できる植物を選定しています。これにより、環境負荷を抑えつつ、自然のリズムに寄り添う植栽管理を実現しています。 また、春から秋まで花が咲き継ぐ「開花リレー」を軸に、季節の移ろいが視覚的にも感じられるよう、色彩の重なりや草姿の変化を丁寧に計画しました。風に揺れるグラス類は海辺の風景に軽やかな動きを与え、球根植物は季節のアクセントとして景観に深みをもたらします。こぼれ種で広がる植物を組み合わせることで、植栽が自ら更新され、年月とともに自然に成熟していく仕組みも取り入れています。さらに、宿根草の間に一年草を適宜加えることで、季節ごとの彩りや変化を柔軟に補い、訪れるたびに異なる表情が楽しめる風景をつくります。こうした構成により、自然の動き・時間の流れ・生態系の豊かさが重なり合う、持続可能な植栽を目指しました。 【主な植物リスト】 宿根草:フロックス ムーディーブルー/ゲラニウム サバニブルー/アスフォデリネ ルテア/ダイアンサス カルスシアノルム/ゴリオリモン コリナム シースプレイ/エキナセア テネシーエンシス/ユーコミス ビッグボーイ/エリンジューム パリフォリウム/バーノニア レターマニー/スクテラリア インカナ/アスター アンレイズグラス類:フェスツカ エリアブルー/ブリザ メディア ラッセルズ/スティパ イチュー/エラグロスティス トリコデス/ペニセタム マクロウルム/アンドロポゴン テルナリウス/ミューレンベルギア カピラリス アルバ球根:スイセン ペーパーホワイト/ミニアイリス ペインテッドレディ/クロッカス ロマンス/ミニチューリップ ヒルデ/ダッチアイリス シンフォニー/カマシア クシッキー/アリウム シルバースプリング/アリウム ピンボールウィザード/ガルトニア カンディカンス/リコリス サンギネア コンテストガーデンB潮風に揺れるプレイフルガーデン-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 【作品のテーマ・制作意図】 ■ユーカリ樹林や公園風景を主役にする庭 ―夢の島公園の景観と調和した植物選び― ・公園の象徴であるユーカリ林を主役に、遠くからは樹林の前景として眺める花壇、入り込めばユーカリの壁を借景に、緑に包まれる植栽空間を創出。背後の樹林と庭の植栽がつながるよう視線の抜けや緑の連続感を意識し、園全体との一体感を演出します。 ・バンクシア、カリステモン、ハマゴウやメリアンサスなど、海辺の環境に耐えながら、豪州庭園を有する公園の既存植生や景観、海風の雰囲気に馴染む庭景を演出します。 ・冬季に訪れる来園者にも配慮し、花後も景観を彩るグラスや常緑樹、カラーリーフ類を混植し、季節ごとに表情が変わり、秋冬も映えるガーデンとします。 ■公園遊具・風景のきっかけとしての庭―利用者の関心を引き、居心地を生む仕掛け― ・子ども用遊具が少ない園内に、アスレチックや回遊ごっこを誘発する植栽空間を提案します。地面のウェーブ(アンジュレーション)と植栽の高低差で、歩くたびに景色が見え隠れする立体的な庭を演出し、眺めても歩いても楽しめる空間とします。 ・大人の見守りの視線は通しつつ、子どもにとっては草花のトンネルのように感じられる空間体験を演出します。園路沿いベンチを起点に、子どもの好奇心を植物へ導き、自然への関心を育む場とし、二列花壇の適所に通り抜けポイントを設けることで、アクセス性と回遊性を高めます。 【植栽計画について】 ■潮風に揺れる宿根草の庭 ―海岸環境に寄り添い、四季の移ろいを感じる庭―・バンクシア、カリステモン、ハマゴウ、シーラベンダーやコースタルローズマリーなど、耐風・耐塩・耐乾性に優れた海岸性の樹種をポイント的に配置し、庭全体に変化と海浜の雰囲気を映します。 ・海風に耐え支柱を必要としない樹種と、装飾性が高くもやや繊細な樹種を試験的に混植し、コースタルガーデンの新しい組み合わせを探ります。 ・もたれやすい草姿は、繁りやすい植栽やグラス類のそばに置き、互いに補完し合うよう計画。歩くことで植栽の色や草姿の変化を楽しめる配置とし、訪問者に発見や驚きを与えます。 ・強健種中心で単調になりやすい海辺の環境にも対応し、植栽の組み合わせや色・草姿のコントラストで多様な景観を実現し、季節や光の変化による表情も楽しめる庭を目指します。 ■微地形による環境の多様化と骨格植物の採用 ―気候変動下での持続性を生む工夫・ローメンテナンス―・アンジュレーション(微地形)を設けて排水性を確保し、乾燥に強いグラス類や低木を尾根部分に配置するなど、適所適植で植栽の安定性を高めます。 ・高低差や樹木ボリュームで異なる微気候(採光・通風・排水性の多様化)をつくり、異常気象による植物の全滅リスクを軽減。今後の気候変動(猛暑・豪雨・乾燥)を前提に、グラス類や強健種を一定割合植え込み、庭の骨格を安定化。 ・管理も容易なアガパンサス、エキナセア、グラス類や強剪定も可能な南半球由来の低木を視認性の高い要所(起伏の尾根やコーナー)に配置。マルチングやグランドカバーで乾燥防止と雑草抑制を図ります。 ・赤土を主として燻蒸したそば殻、有機物をすきこんで完熟発酵させた特製客土を用い、持込み雑草を最小化。団粒構造形成による排水性の向上とリン過多にならず、根付きもよい土づくり。あえて無肥料とすることで華美になりすぎない海辺らしい風景づくりと、オージープランツのリン酸やけに配慮。 【主な植物リスト】 宿根草:ユーフォルビア ウルフェニー/ユーフォルビア セギリアナ/トリトマ グリーンシェイド/モナルダ フィッツローザ/エキナセア ミニベル/エキナセア パリダ/シシリンチウム ストリアタム/スターチス ラティフォリウム/ホソバチョウジソウ/オレガノ マルゲリータ/アキレア マシュマログラス類:パンクスグラス プミラロゼア/ミューレンベルギア リンドハイメリ/ペニセタム アロペクロイデス/カレックス フェニックスグリーン/カレックス フラッカ低木:カリステモン ドーソンリバー/コースト バンクシア/グレビレア プーリンダ イルミナ/グレビレア ジョン エバンス/グレビレア ドーン パープル/メラレウカ タイムハニーマータル/ハマゴウ プルプレア/ギョリュウバイ ナニューム ルブルム球根: チューリップ トルケスタニカ/チューリップ シルビア/チューリップ ヒルデ/チューリップ タルダ インタラクション/チューリップ クレティカ パニア/チューリップ マーラ/チューリップ ビオレッタ/カマッシア カエルレア/カマッシア アルバ コンテストガーデンCStewardship Garden:The Way 【作品のテーマ・制作意図】 この庭は、まるで人の一生を映し出すかのような場所。最初は何も育たない砂地が、植物や小さな生き物たちのチカラ、そしてそこに暮らす人々の手によって、ゆっくりと豊かな土壌へと育っていく。それはまるで、子供が成長して大人になり、やがて成熟世代へと人生を重ねていく時間の流れと、重なり合っているかのよう。子供たちは砂のような柔らかな心で庭と遊び、自然からたくさんのことを学ぶ。大人になれば、その庭は家族や友人と収穫や語らいを楽しむ場所になり、成熟世代になれば、その成長した庭を眺めながら穏やかな、心豊かな時を過ごす。この庭は自然と人が共に成長し、砂が子供、豊かな土壌が大人へと成熟していくように、自然の再生と成熟への時、人生の旅路を映す『道』を示している。 【植栽計画について】 砂地を豊かな土壌へと育ててくれるのは植物、微生物、細菌、虫たち、そして少しの人の手。はじめに漉き込む堆肥は、その土地の土壌で作られたもの。なぜなら微生物や細菌は地域性があるからです。どこか遠くから良い資材を持ってきたとしても永続的な自然の循環は行われません。その土地だけの‘自然循環の在り方’を作り出すことが重要です。植える植物たちは潮風や乾燥に強い宿根草、そして環境に溶け込むような亜熱帯の宿根草を主軸とします。植栽は観る人々が‘思わず触りたくなるような’仕掛けを施します。それは、私が日々庭づくりで行っている‘参加型の庭づくり’に基づいています。驚きと興味は参加を促し、よき体験を生み出す。その‘関心’と’体験’こそ、サステナブルを巻き起こすものだと信じています。 【主な植物リスト】 宿根草:ユーパトリウム/トリトマ/ヘリオプシス/オミナエシ/オトコエシ/ペンテスモン/エキナセア/ベロニカなどグラス類:カールフォスター/ミスカンサス/ディプカンシア/カレックス/モリニア/コメガヤなど球根:アリウム/スイセン/ダッチアイリス/フリチラリア/カマシア/オダマキ/ラナンキュラス ラックス/ゲイソリザ/ツベロサム/シラーなど コンテストガーデンDSurFIVE Garden 【作品のテーマ・制作意図】 夏の猛暑や乾燥といった「過酷な環境を生き延びる力強さ(Survive)」×「海の波や生命のうねりを感じさせる (Surf)」を掛け、その植物のパワーが波のように広がり未来へとつながっていくイメージと、五感を刺激する植物の組み合わせを『SurFIVE』という言葉で表現しています。またガーデンのテーマカラーとしてオレンジの花色の植物を多く取り入れ、親しみやすさや太陽のもとで元気に咲く植物の生命力をアピールします。 【植栽計画について】 熱帯を思わせる個性的な形の植物をメインにして、一年を通してはっきりとしたシルエットを保つように計画しています。いくつかの同じ植物を違う場所にもリピートして植えることで、前後の花壇のつながりと、歩きながらガーデンのリズムを感じてもらえるように植物を配置しています。植え付け後は、剪定や水やりなどの手入れを最小限に抑え、人にも植物にとってもサステナブルで美しいガーデンを維持します。 【主な植物リスト】 宿根草: カンナ/クニフォフィア ルーペリ/メリアンサス マヨール/エキノプス /ロシアンセージ/アキレア/バーベナ ボナリエンシスグラス類:カラマグロスティス カールフォスター/カラマグロスティス ブラキトリカ/パニカム シェナンドア/エラグロスティス スペクタビリス球根: アリウム マジック/ミニチューリップ ショーグン/イフェイオン ウィズレーブルー/スイセン タリア コンテストガーデンE「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭 【作品のテーマ・制作意図】 かつて廃棄物で埋め立てられたこの島には、現在ユーカリの森を中心とした強健な植生が根づき、都市にありながら原始的で異国的な景観を生み出しています。今回、植栽地となるこの森の縁に広がる強い日射と潮風にさらされた芝生を目にしたとき、「ここは都市の果てに現れたアーバン・サバンナだ!」と直感しました。 植物を単なる装飾に限らず、この地固有の「環境を翻訳する存在」と捉え、来園者が海風・光・湿度・熱といった目に見えない環境を感覚・知覚できる場をつくります。「東京サバンナ」は景観的なサバンナの模倣ではなく、夢の島の歴史と環境条件から必然的に現れた都市の新しい風景です。都市と自然の狭間に生まれたこの庭を通じて、来園者が環境や植物との関わりを見つめ直し、都市園芸の新たな可能性を感じ取るきっかけとなることを願います。そしてこのガーデンが、見た目の美しさと維持のしやすさを兼ね備えた、持続可能な宿根草ガーデンの新しいスタンダードとして育まれれば幸いです。 【植栽計画について】 土地の過酷な条件を読み解き、徹底したローメンテナンス性、持続可能性を踏まえながら、美しく景観が維持できる計画としました。植栽計画は、強光、潮風、乾燥に耐える大型グラスをメインとした外皮構造を先に築き、その内側に小型宿根草を群植する二層構造としました。外層が強い環境要因を受け止めて微気候を生み、内層ではナース植物の効果により小型植物が守られながら安定して育ちます。 植物は侵略性が低く、かつ姿が乱れにくく支柱や過度な手入れを必要としない丈夫な種を厳選しました。内層の植栽は配置の自由度が高く、どこに植えても風景が破綻せず、誰もが維持・再現可能です。また低層種を入れ替えるだけで新たな景観を生み出せる柔軟性も持ち、さらに密植により除草の労力を軽減します。 そして、四季を通じて花や実を供給し、チョウや他の昆虫類に生息の場を与えることで都市に自然のリズムを呼び戻し、この地域の生物多様性に寄与します。「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」は、美観・管理性・生態系の循環を兼ね備えた、海辺にふさわしい真のサステナブルガーデンの姿を示します。 【主な植物リスト】 宿根草:ビゲロウィア・ヌッタリー/エゾノヨロイグサ/ハマボウフウ/ヒューケラ・シャムロックなどグラス類:カラマグロスティス・カールフォスター/パニカム・ヘビーメタル/セスレリア・オータムナリス/フェスツカ・アメジスティナなど コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立夢の島公園「グリーンパーク」内所在地: 東京都江東区夢の島2-1電話: 03-3522-0281https://www.yumenoshima.jp/park開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料(一部有料施設あり)アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分駐車場:有料
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観葉・インドアグリーン

クリスマス後が肝心!ポインセチアを枯らさないために“今すぐチェックしたい”3つのこと
まず知っておきたい|ポインセチアは「冬の花」ではありません ポインセチアはメキシコ原産。クリスマスの時期に色づくことから祝福の印とされ、教会や祭壇を飾る花として親しまれてきました。花言葉も国によって少し異なりますが、共通するのは「祝福」「成功」「喜び」など。そんな幸せな季節を告げるポインセチアですが、原産地は霜が降りることのない温暖な地域。ポインセチアは、そこで低木(庭木)として屋外で育っています。 原産地でのポインセチア 原産地のメキシコでは、ポインセチアは鉢花ではなく、庭に植える低木として育ちます。Marcel Hamonic/Shutterstock.com 年間を通して温暖 日差しが強く、乾季と雨季がある 地植えで、のびのびと枝を広げて育つ つまり本来は、寒さに当たる前提で進化してはいない植物なのです。 ポインセチアの生育適温は20〜30℃ ポインセチアが最も快適に過ごせるのは、20〜30℃前後。 10℃を下回るとダメージが出やすい 5℃以下では致命的になることも 逆に真夏の直射日光や高温多湿も苦手 冬も夏も、じつは気をつける必要がある植物。これが「育てるのが難しい」と感じられる理由です。 「葉が落ち始めてしまった!」でもそれ、失敗ではありません 1月以降になると、ポインセチアの赤い色(苞)は徐々にあせ始め、落ちることがあります。「具合が悪いのかな」「枯らしてしまったのかな」などと心配する人が多いですが、これはポインセチアの正常な生育サイクルです。というのも、ポインセチアは1月以降は生育をいったん休止します。ポインセチアの生育サイクルを見てみましょう。 New Africa/Shutterstock.com 初冬(11〜12月)|観賞のピーク 赤い苞が完成 成長はほぼ止まっている 体力を消耗していく 真冬(1〜3月)|休止期 生育はほぼストップ 赤い苞が役目を終える 葉が落ちることもある 春以降の生育期のポインセチア。Svetlana111/Shutterstock.com 春(4〜5月)|生育スタート 気温が安定してくる 新芽が動き出す 本当の意味での「生育期」 夏(6〜8月)|成長のピーク 葉を増やす 枝を伸ばす 体力を蓄える 秋(9〜10月)|色づきの準備 日照時間が短くなる 夜の長さを感知 花芽分化 → 苞が色づき始める ポインセチアは「一番目立つ時期」と「成長する時期」がズレている 「赤くなる=元気に育っている」ではなく、それはポインセチアが“季節を感じ取った結果”です。赤く色づくクリスマスの頃には、見た目は華やかでも植物としては体力の限界。その後、1月には生育が止まり、春を待つ待機モードに入ります。 ポインセチアの赤い色を楽しむコツ Pixel-Shot/Shutterstock.com 上記の生育サイクルを踏まえたうえで、ポインセチアの赤い葉を最大限に楽しむコツをご紹介します。お店から買ってきたポインセチアは、どれも生き生きとして華やか。それなのに家に迎えると、なぜか調子を崩してしまう。 その原因の多くは、 置き場所 水やり 冬の扱い方 この3点に集中しています。まずは「特別なことをしなくていい」という前提から、気持ちをラクにしていきましょう。 コツ①|置き場所は「明るさ」と「寒さ」を同時に考える ポインセチアが弱る一番の原因は、置き場所のミスマッチです。前述のようにポインセチアは寒さが苦手。「昼は明るく、夜は冷やしすぎない」。この意識だけで、ポインセチアの状態は大きく変わります。 日照が足りない 夜間、窓辺で冷え込みすぎている エアコンや暖房の風が直接当たっている これらはすべて、葉落ちや色あせの引き金になります。 おすすめの置き場所 Pixel-Shot/Shutterstock.com 日中はレース越しでもいいので明るい場所 夜は窓から少し離す 暖房の風が直接当たらない位置 コツ②|水やりは「控えめ」が正解。与えすぎない勇気を ポインセチアで最も多い失敗が水の与えすぎです。クリスマス以降、ポインセチアは1月に向かって、「お休みモード」に移行しています。ですから、水を吸い上げるのもゆっくりモード。根が水を吸い上げないと、鉢の中には水が残りがちになり、過湿による低酸素や冷えで傷むことがあります。 Pixel-Shot/Shutterstock.com 鉢土が中までしっかり乾いてから、鉢底から水が流れるまで与える。鉢土が中まで乾いたかどうかのチェックは、竹串を鉢底まで挿してそのまま10秒ストップ。引き抜いて串が湿っていたり、土がついてきたら、水やりはまだ。ほぼ乾いている状態なら、水やりしてOKです。 受け皿にたまった水は必ず捨てる。 朝晩の冷え込む時間帯は避け、日中に水やりをする。 「乾いたらたっぷり、乾かないうちは我慢」。このメリハリが、根を健康に保つ最大のポイントです。 【コラム】ポインセチアは多肉質なユーフォルビア科の植物 多肉質な茎を持つポインセチア。そのため乾燥には強い。Ruri Trisasri/Shutterstock.com ポインセチアはユーフォルビア属の植物で、多肉質の茎を持ち、原産地では乾期を経験します。そのため冬の管理では、塊根植物ほど極端ではありませんが、過湿を避けてやや乾かし気味に育てるほうが株を傷めにくいという特徴があります。 コツ③|今は“育てない”。元気を保つことを目標にする 葉が落ちてきたりすると、元気がなくなってしまったと勘違いして「肥料をあげたほうがいい?」「植え替えたほうがいい?」と何かとかまいたくなるものですが、この時期は何もしないのが正解です。1月へ向かって“お休みモード”に入ろうとするポインセチアに私たちがしてあげられることは、ゆっくり寝かせてあげること。ここで何かをしようとすると、かえって調子を崩します。 肥料は与えない 植え替えもしない 形を整える剪定もしない クリスマス以降のポインセチアのケア 華やかな赤色で楽しませてくれたポインセチアは、お休みモードに入ると赤い苞は落ちます。赤い役目を終えたら、無理をさせず“緑の観葉植物”として春まで楽しみながら休ませてあげましょう。 1月初旬まで楽しんだあとのベストな選択肢 【基本方針】 赤い苞が落ちても、失敗ではない 「もう一度色づかせる」ことは考えない 株を生かすことだけを目標にする ここからは“観賞” → “維持”に切り替えます。 STEP①|置き場所を少し落ち着かせる 年末までは「見せる場所」だったポインセチアを、1月以降は“安定する場所”へ。 明るい室内(直射日光は不要) 夜でも10℃以上 暖房の風が直接当たらない場所 窓辺に置いていた場合は、室内側へ移動するのがおすすめ。Pixel-Shot/Shutterstock.com STEP②|水やりはさらに控えめに 1月以降は生育がほぼ止まります。葉が少なくなってきたら、土の乾きはより遅くなるので、「乾いても、もう1日待つ」くらいでちょうどいいです。 STEP③|肥料・剪定・植え替えはしない 肥料・剪定・植え替えは、この時期にやらないことが、いちばん大事。 STEP④|見た目が変わっても、慌てない 1月以降に起こりやすい変化は、赤い苞が落ち、緑の葉が減り、全体が少し間の抜けた姿になります。でもこれは、全部「正常」です。葉が数枚でも残っていれば、株はちゃんと生きています。 「ここで処分」も、立派な正解 年末まで楽しめたなら、ポインセチアはその役目を十分果たしたといえます。管理に自信がない場合には、ここで感謝して手放すのも、悪い選択ではありません。無理に維持して弱らせるより、きれいな記憶で終えるのも、1つの楽しみ方です。 もし、春まで株を維持できたら、そこからは「チャレンジ路線の入り口」です。 来年もポインセチアを楽しむためのチャレンジ方法 結論から言うと、来年もポインセチアを赤く色づかせるのは、なかなか難易度高めです。夏を元気に越せただけでも立派な成功。もし再び赤く色づかせることができたなら、あなたは素晴らしい「グリーンフィンガー(園芸上手の指)」の持ち主です。 来年も赤く色づかせるのは「秋が本番」、でも勝負は“夏越し”でほぼ決まります。ポインセチアを来年も赤くするには、1年を4つのフェーズで考えると分かりやすいです。 時期目的冬(1〜3月)株を生かす春(4〜5月)仕立て直す夏(6〜8月)体力をつける(最重要)秋(9月下旬〜)色づかせる(短日処理) 【STEP1】冬〜早春(1〜3月)|とにかく枯らさない ここは準備期間です。赤い苞が落ちてもOK。緑の葉が残っていれば大成功。 室内管理 10℃以上をキープ 水やりは控えめ(鉢土が中まで乾いたら) この時期は肥料・植え替え・強い剪定すべて不要。 【STEP2】春(4〜5月)|切り戻し&植え替え 切り戻し(4月目安) 草丈を半分〜2/3にカット 節の上で切る 思い切りが大事 剪定の際、切ったら枯れるんじゃないか、とビクビクしがちですが、ここで思い切らないとあとが辛くなります。浅く切ると上のほうだけ伸びて間のびした貧弱な姿になり、あとあと支えが必要になり、夏越しの体力もつかず、管理が難しくなります。だから、勇気を出して剪定を。剪定で脇芽を出させて、こんもりした株姿にすることが大事。 植え替え(5月) 1回り大きな鉢へ 水はけのよい培養土 元肥は少なめでOK この時点で「観葉植物として元気に育てる」フェーズへ。Farion_O/Shutterstock.com 【STEP3】夏越し(6〜8月)|最大の山場 ここがいちばん重要です。ここで成功が7割決まります。 夏越しの正解環境 屋外の半日陰 直射日光は避ける 風通しのよい場所 夏は成長期。ISmiths/Shutterstock.com 水やりと肥料 表土が乾いたらしっかり水やり 成長期なので肥料は与えてOK(2週に1回程度) 葉がよく茂り、「観葉植物として元気」なら成功です。 夏越しでよくある失敗 日なたに置きっぱなし → 葉焼け 室内に閉じ込める → 蒸れる 水を控えすぎる → 体力不足 【STEP4】秋(9月下旬〜)|いよいよ短日処理 ポインセチアは夜の長さを感知して色づく「短日植物」です。秋分を境に、昼より夜の時間が長くなります。するとポインセチアは「あ、季節が変わった」と判断し、色づく条件が整い始めます。ですから、9月下旬〜10月初旬を目安に「短日処理」をします。 短日処理とは? 毎日、12〜14時間“完全に暗く”する これを8週間以上連続させる 例:18時〜翌8時まで段ボールをかぶせ、夜は絶対に光を当てない(部屋の照明NG) 室内の照明やテレビ、外灯、カーテン越しにもれる光などがあると、ポインセチアは「夜が中断された」と判断し、そこまで進んでいた色づきステップをリセットしてしまいます。重要なのは、完全に暗い状態を毎日連続させること。これが、短日処理は難しい、面倒といわれる所以です。 ポインセチアは10℃を下回るとダメージを受けやすいため、夜間の冷え込みがある地域では、短日処理中でも屋外に置きっぱなしにしないほうが安心です。 暗さと温度を同時に確保できる室内で管理するほうが、色づきの成功率は高くなります。 成功するとどうなる? 色づき始めたポインセチアの苞。MD Sadi123/shutterstock.com 11月頃から苞が色づき始める 12月には赤く色づいたポインセチアに ここまで来たら感動モノ。自慢しましょう。 無理せず、楽しみながらお付き合いを。 ポインセチアは、少し誤解されやすい植物です。「冬の花」「寒さに強い」というイメージとは裏腹に、実際は温暖な地域で育つ、繊細な性質を持っています。だからこそ、日本の冬の室内では無理をさせず、その時期に合った付き合い方を選ぶことが大切です。 年末まで美しい赤を楽しみ、1月以降は静かに休ませてあげる。それだけでも、ポインセチアにとっては十分に幸せな時間。もし春まで株を保てたら、それは次の季節への小さな一歩です。 「今年はここまで」「来年はチャレンジしてみる」。どちらも正解。この冬、あなたの家で過ごしたポインセチアが、また1つ、心に残る季節の記憶になりますように。
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樹木

「サカキは庭に植えてはいけない」は誤解だった⁉ 縁起がよいとされる理由と正しい育て方
サカキの基本情報 NMTD MEDIA/Shutterstock.com 植物名:サカキ学名:Cleyera japonica英名:Japanese cleyera、sakaki和名:サカキ(榊)その他の名前:ホンサカキ(本榊)、マサカキ(真榊)科名:サカキ科属名:サカキ属原産地:日本、朝鮮半島、台湾、中国形態:常緑性小高木 サカキはサカキ科サカキ属の庭木です。学名はCleyera japonica(クレイエラ・ジャポニカ)で、マサカキ、ホンサカキという別名もあります。原産地は日本(本州〜九州)、朝鮮半島、台湾、中国で、暑さに強い一方、寒さにやや弱い性質です。冬もみずみずしい葉を保つ常緑樹で、古くから庭木として愛されてきました。樹高は10mほどと大きくなりますが、毎年の剪定によって程よい高さにコントロールすることができ、生け垣として仕立てることも可能です。また、祭壇や神棚、神事に供える植物としてもよく知られています。 サカキの花や葉の特徴 tamu1500/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:6〜8月樹高:3~12m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:白 サカキの開花期は6〜8月で、花色は白。1cmほどの小さな5弁花がうつむくように咲くのが特徴です。開花後は4〜8mmの丸い緑色の果実がつき、11〜12月に黒く熟します。 サカキの葉は7cm前後の長い楕円形で、枝に互生につき、水平に広がります。常緑の葉は革質で厚く、濃い緑色で光沢があり、葉裏は淡い緑色です。 サカキは生け垣や日当たりの悪い場所にも NMTD MEDIA/Shutterstock.com サカキは萌芽力があって刈り込みによく耐えるので、生け垣や仕立てものなどにも利用できます。また、もともと山野の高木の足元などに自生してきたように日陰に耐えるので、半日陰などにも植栽可能です。 サカキの名前の由来と花言葉 Agung Pebriana/Shutterstock.com サカキという名前の語源は、神と人との境を表す木である「境木(さかき)」の意からという説が一般的です。また、常緑樹で葉が1年中青々としていることから「栄える木」が転じてサカキとなったという説もあります。もともとは、神に捧げる常緑樹全般を「サカキ」と呼んでいましたが、次第に特定の植物を指すようになり、現在のサカキがこの名前を得たとされています。 サカキの花言葉は「神聖」「調和」「不変」「神を尊ぶ」「控えめな美点」などです。 神聖な存在としてのサカキ Rammy_Rammy/Shutterstock.com サカキは漢字では「榊」。「木へん」に「神」と書き、前述のとおり神にまつわる神聖な木として古くから大切にされてきました。艶やかな葉のついたサカキの枝を「玉串」として供えるなど神道の儀式には欠かせません。神棚にも「榊立て」という専用の花器があり、自宅でお供えをされている方も多いのではないでしょうか。冬も枯れることなく、1年中変わらずに青々とした姿を保つ常緑樹であることから、神事に多く使われるようになりました。 サカキとヒサカキの違い ヒサカキ。tamu1500/Shutterstock.com 一般に「榊」と呼ばれる植物には、主にサカキ(ホンサカキ、マサカキ)とヒサカキがあります。 ヒサカキはサカキ科ヒサカキ属の常緑樹で、サカキと同様に縁起のよい木とされ、神に供えるほか、仏事にも利用されます。サカキよりも耐寒性があることから、庭木としてはヒサカキのほうがよく利用され、サカキの少ない関東地方以北ではヒサカキをサカキと称し、サカキの代用とすることも多いです。ヒサカキという名前の由来には諸説ありますが、サカキよりも小ぶりなことから小型のサカキを意味する「姫サカキ」に由来するという説と、サカキに似るがサカキではないことから「非サカキ」に由来するという説がよく知られています。 サカキとヒサカキにはいくつかの違いがあります。サカキの葉は長さ7~10cmなのに対し、ヒサカキの葉は3~7cmと少し小さいこと。また、サカキの葉は縁が滑らかなのに対し、ヒサカキの葉は縁に細かなギザギザとした鋸歯があります。ヒサカキのほうが枝葉が密生して茂るため、生け垣などに利用しやすいです。ほかに、ヒサカキのほうが花付き・実付きがよい、サカキの実には長い柄があり、ヒサカキの実にはないなどという違いもあります。 サカキの代表的な種類 Karinisme/Shutterstock.com ノコギリバサカキ 名前のとおり、葉の縁にギザギザとした鋸歯があるのが特徴です。 フクリンサカキ 葉に白やクリーム色の斑が入る品種。主に葉の縁に覆輪状に斑が入りますが、不規則に入ることもよくあります。軽やかな雰囲気で洋風の庭にもよく似合います。葉に模様が入る品種はいくつかあり、フイリサカキとも呼ばれます。 庭でサカキを育ててはいけないといわれる理由 Spndpatty/Shutterstock.com 「サカキは庭に植えてはいけない」といわれることがあります。これは迷信で、庭に植えても問題ないのですが、ここではサカキを庭に植えてはいけないとされる理由を探っていきます。 身分が高い人が植える木だったため サカキは、神様のいる世界と人間が住む世界の境界にある木という意味があり、神が宿る「依り代」の神木としても尊く扱われてきました。そのため昔は位の高い貴族の邸宅に植えられており、庶民の家にはふさわしくないとされていたとか。その言い伝えが残り、サカキを庭に植えてはいけないと広まったとされています。 害虫がつきやすいため サカキはチャドクガの幼虫に食害されやすい植物です。チャドクガは毒を持ち、毛に触れるとかぶれるため避けられることも理由の1つのようです。また、カイガラムシやコガネムシなどがつきやすいことでも知られています。 サカキは縁起がよくない? サカキは神事などでお供えされる、神聖で縁起のよい植物です。庭に植栽すれば土地を清め、室内で育てれば悪い気をはらってくれるとも考えられてきました。ただし、神社の庭などによく植えられることから、世俗な場所である家庭の庭に植えるのを遠慮して控えたことが「縁起が悪い」と転じて広まったとする説もあります。常緑で1年を通してみずみずしい葉を保つ美しい木なので、栽培するのに問題はありません。 風水的にサカキを植えるとよい場所や方角 サカキは邪気をはらうとされ、玄関や寝室に近い場所に植えるのがおすすめ。悪い運気を家の中に持ち込ませないこと、人の出入りが多く邪気が溜まりやすいことが玄関に向く理由です。地域によっては清浄な場所に植えることがよいとされ、鬼門や裏鬼門は避けたほうがよいとする場合もあります。 サカキの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜8月植え付け・植え替え:3月中旬〜4月、9月中旬〜10月上旬肥料:2月頃剪定:6~9月、10月(生け垣)種まき:12月頃 サカキの栽培環境 Aryan Tomar/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりのよい場所から日陰まで、あまり場所を選ばずに栽培できますが、日照が不足すると枝葉が間のびしやすく、日差しが強すぎると葉色がきれいになりにくい傾向があります。日陰の場合はなるべく明るい場所を選び、日なたの場合は西日の当たらない場所に植えるとよいでしょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけがよく腐植質に富んだふかふかとした土壌を好みます。西日が強く照りつける場所は避けたほうが無難です。 耐寒性・耐暑性 暑さには強く、夏越し対策は特に必要ありません。耐寒性もある程度ありますが、栽培適地は関東以西。寒風が吹き付ける場所は避け、マイナス5℃近くになる地域では鉢植えにして冬は取り込むなど防寒対策をするとよいでしょう。 サカキの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期に入る少し前の2月頃、生育を促すために緩効性化成肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土になじませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意してください。 注意する病害虫 traction/Shutterstock.com サカキの栽培で発生しやすい病害虫についてご紹介していきます。特にカイガラムシが発生するとすす病を招きやすいので、注意が必要です。 【病気】 発生しやすい病気は、炭疽病やすす病などです。 炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすい、カビが原因の伝染性の病気です。葉に円形の褐色の斑点ができるのが特徴で、その後葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら枝葉を間引いて風通しよく管理します。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 すす病は、1年を通して葉や枝などに発生します。葉に発生すると表面につやがなくなり、信仰すると黒いすすが全体を覆って光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因となるので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込み合っている枝葉は剪定して、日当たり・風通しよく管理します。 【害虫】 発生しやすい害虫は、カイガラムシやチャドクガなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすく、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われ、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 チャドクガは蛾の幼虫で、多数の細かい毛に覆われた毛虫です。体長は20〜30mmで、ツバキ科の植物によく発生します。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目もよくないので見つけ次第駆除しましょう。チャドクガは毒を持ち、毛に触れるとかぶれて皮膚炎を起こすので、駆除の際には注意が必要です。毛が皮膚につかないように長袖、長ズボン、手袋を着用して作業し、枝ごと切ってビニール袋などに入れて処分してください。 サカキの詳しい育て方 苗木の選び方 Md. Nadir Hasan/Shutterstock.com がっしりと締まって勢いがある苗木を選びましょう。枝がヒョロヒョロと間のびしているものや葉色が冴えないもの、虫食い痕のあるものは避けたほうが無難です。 植え付け wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、3月中旬〜4月、または9月中旬〜10月上旬です。 ほかの時期にも苗木は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。ただし、真夏と真冬は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えで育てる場合は、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は新しい培養土を使って植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取り、1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 【自然樹形を生かした剪定の場合】 自然樹形を生かして剪定する場合は、真冬と真夏を除けばいつでもかまいません。花や実を楽しみたい場合は、芽吹く前の3月頃に行うとよいでしょう。 サカキは自然に樹形が整うので、若木のうちはあまり刈り込んだり強く切り戻したりする必要はありません。木が大きくなって枝葉が込み合ってきたら、不要な枝を付け根で切り取って風通しをよくします。不要な枝とは、古くなった枝、勢いよく伸びすぎている枝、ほかの枝に絡んでいる枝、内側に向かって伸びる枝、下に向かって伸びる枝、ひこばえ(株元から勢いよく伸びる枝)などです。 【生け垣を刈り込む場合】 生け垣にしている場合、形が乱れやすくなるので、年に2回ほど刈り込みます。適期は6月と9〜10月です。刈り込む際は、だいたいのアウトラインを決めて、はみ出している枝を刈り込みバサミで切り揃えていくとよいでしょう。 増やし方 サカキは挿し木、種まきで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、サカキは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、6月下旬〜7月上旬です。その年に伸びた新しい枝を10〜15cmの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替え、成長とともに鉢増ししながら管理し、苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 サカキは12月頃に果実が熟します。果実を採取して2mmほどの小さな種を果肉の中から取り出し、流水できれいに洗い流してそのまま種まきしましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせ、種子を数粒播いて軽く土をかぶせたら、明るい日陰で管理します。カラカラに乾燥しないように水の管理に注意し、発芽後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさに育ったら植えたい場所に定植しましょう。 サカキの育て方や特徴を知り庭木として楽しもう Honki Kumanyan/Shutterstock.com 神事に用いられるイメージが強いサカキですが、常緑で冬もみずみずしい姿を保ち、日陰にも強いので、生け垣や庭木としても魅力ある樹木です。邪気を払う神聖なサカキを、ぜひ庭に植栽してみてください。
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花と緑

「都道府県の花」3択クイズ! 岩手県の花は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.27
魅力あふれる歴史と自然に彩られた岩手県 「岩手県の花」は次の3つのどれ? yspbqh14/Shutterstock.com 世界遺産に登録された平泉や、渓谷美が楽しめる厳美渓、透明度の高い地底湖で名高い龍泉洞などの美しい景勝地があり、また宮沢賢治の故郷としても知られる岩手県。南部鉄器などの伝統工芸品も有名で、わんこそばや盛岡冷麺などのご当地グルメも多彩と、自然から文化まで幅広い魅力で訪れる人を虜にする人気の県です。 そんな岩手県を象徴する「木」はナンブアカマツ、「鳥」はキジ、「魚」は南部さけ。それでは、岩手県の花は、次のA~Cのどれでしょう? A ハナショウブ yspbqh14/Shutterstock.com B キリ Dina Rogatnykh/Shutterstock.com C リンドウ yoshi0511/Shutterstock.com ヒント 初夏に香りのある花を咲かせ、格式高い家紋の植物としても知られています。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ Bキリ Dina Rogatnykh/Shutterstock.com キリの基本データ 学名:Paulownia tomentosa科名:キリ科属名:キリ属原産地:中国中部和名:キリ(桐)別名:キリノキ、ハナギリなど英名:princess tree、empress tree、foxglove-treeなど開花期:4~6月花色:紫形態:落葉性高木樹高:8~15m 古くから庭木として植栽されてきたキリ。日本の樹木では最も軽く、柔らかい材質で知られ、成長が早くて材に狂いが少ない、断熱性や調湿性に優れるという特徴から、タンスや下駄などさまざまな用途に利用されてきました。また「桐紋」は「菊紋」と並んで皇室紋として利用される格式ある家紋で、日本政府の紋章にも採用され、500円硬貨の模様にも使われています。岩手県産のキリは「南部の紫桐」と呼ばれ、品質の高さに定評があり、昭和30年に公募により県の花として決定されました。 キリの開花期は4~6月で、淡い紫色の釣鐘形の花が房状になり新葉の展開に先立つかほぼ同時に開花を始めます。大きな葉もあり、高い位置で開花するため観賞しにくいですが、満開時には全体が薄紫に染まるような美しい景色になります。 Zoran zoo-vrt /Shutterstock.com キリは成長が早く、キリという名前も、切ってもすぐに芽を出すことに由来するというのが定説。15~25年で成木となることから、江戸時代には女の子が生まれたらキリを植えて、結婚するときにはその木で箪笥を作って持たせるという風習もありました。 大木になるのが早いため、近年は庭木としてはあまり使われませんが、広い公園など公共空間の緑化に利用されることがあります。 tamu1500 /Shutterstock.com クイズ一覧はこちら!





















