スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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樹木

暑さ寒さに強い! タイサンボクの魅力と育て方|失敗しない! 剪定・病害虫対策から品種選びまで徹底解説
タイサンボクの基本情報 AJSTUDIO PHOTOGRAPHY/Shutterstock.com 植物名:タイサンボク学名:Magnolia grandiflora英名:southern magnolia、bull bay和名:タイサンボク(泰山木・大山木・大盞木)その他の名前:ハクレンボク、ギョクラン(玉蘭)、トキワハクレンなど科名:モクレン科属名:モクレン属原産地:北米南東部形態:常緑性中高木 タイサンボクは、モクレン科モクレン属の花木です。モクレンやコブシと同じ仲間で、学名はMagnolia grandiflora(マグノリア・グランディフローラ)。漢字では「泰山木」などと書きます。 原産地は北米南東部で、暑さや寒さに強く一年を通して戸外で栽培できます。樹高は自然樹高で20mに達しますが、毎年の剪定でコントロールすることは可能です。主に庭木として栽培されていますが、‘リトルジェム’などの矮性種を選べば、鉢での栽培も楽しめます。常緑性で、冬でもみずみずしい葉姿を保つのも魅力の1つです。 日本には明治時代に伝わり、新宿御苑に植栽されたといわれています。日本の気候によく馴染んで育てやすいために全国に広がりましたが、その多くはホソバタイサンボクです。 タイサンボクの花や葉、実の特徴 zzz555zzz/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜7月樹高:10〜30m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 タイサンボクの開花期は5〜7月で、花色は白。純白の花は肉厚な花弁が特徴で、基本は6枚つきますが、まれに9〜12枚になることもあるようです。花の形はハクモクレンによく似ていますが、サイズは10〜25cmと大きく、枝先で上向きに咲いて1〜2日ほどで散ります。また、この木の魅力を一段と引き上げるのが、芳醇な香りです。タイサンボクの精油は一般にはあまり流通していませんが、香水に配合されることもあり、有名なものではゲラン社の「ランスタン・ド・ゲラン」などが知られています。 光沢のある濃緑の葉と花とのコントラストが美しい Pavel105/Shutterstock.com タイサンボクの葉は長さ10〜25cm、幅5〜10cmほどの楕円形です。肉厚で表面には艶があり、葉の裏には褐色の産毛が密生します。潮風やスモッグに強く、都市の公園でもよく植栽されている花木です。 タイサンボクの実は食べられる? Kathy Clark/Shutterstock.com タイサンボクは開花が終わると、果実をつけます。10〜15cmほどの袋の集合体で、10〜11月に熟し、中から鮮やかな赤い種子が出てきます。種子は5〜6mmの楕円形で、鳥が好んで食べるので「人間も食べられるのかな?」と思うかもしれませんが、苦いので口にしないようにしましょう。 タイサンボクの名前の由来と花言葉 Jakob Berg/Shutterstock.com タイサンボクは漢字では「泰山木」や「大盞木」などと書き、大きく立派な葉や花を中国の名山である「泰山(たいさん)」に例えたとする説や、花を大きな盞(さかずき)「大盞」に見立てたとする説があります。 タイサンボクの花言葉は「前途洋々」「威厳」など。樹高が高くなり、枝葉を大きく広げる姿や花姿の美しさが由来といわれています。 タイサンボクの品種 MILA PARH/Shutterstock.com タイサンボクはモクレン科モクレン属のマグノリアの1種です。日本で出回っている種や園芸品種についてご紹介します。 ホソバタイサンボク Nikolay Kurzenko/Shutterstock.com 葉が細く、花もやや大きいのが特徴です。通常、基本種のタイサンボクと同一品種として扱われます。葉裏には産毛がありますが、時間が経つとなくなります。花は若木のうちから開花します。日本で普及しているのもこのタイプが多いです。 ‘リトルジェム’ Margaret.Wiktor/Shutterstock.com タイサンボクの園芸品種。矮性種で、樹高は2〜4mとコンパクトにまとまるので扱いやすく、鉢栽培も可能。葉の表は艶がありますが、裏はビロード状で美しいのが特徴です。開花期は5〜11月で四季咲き。寒冷地には不向きで、地植えできるのは東北南部以南です。 斑入りタイサンボク 葉にクリーム色の斑がランダムに入ります。葉が軽やかに見え、カラーリーフプランツとしても活躍しそうです。 ヒメタイサンボク Dennis W Donohue/Shutterstock.com タイサンボクとは別種ですが、同じくモクレン属の花木で、よく似た花を咲かせます。名前に「姫」がつくとおり、タイサンボクより花のサイズは小さく、花数も少なめ。葉はタイサンボクより薄く、裏は白い産毛が密生してビロード状になるので、ウラジロタイサンボクという別名もあります。北関東以北では、冬に落葉しやすくなるようです。 タイサンボクの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:3月中旬〜4月肥料:1~2月、9月頃剪定:7月頃種まき:5月頃 タイサンボクの栽培環境 Nick Pecker/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。ただし、寒冷地では冬は室内に取り込んで日当たりのよい場所で管理するほうがよいでしょう。 【置き場所】水はけ・水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。タイサンボクは樹高が高くなるので、枝葉を伸ばした時に邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきましょう。根が粗くて細根が少なく、成木になると移植を嫌うため、植える場所には吟味が必要です。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。ただし寒冷地では屋外での越冬が難しいときがあるため、鉢植えの場合は、冬場は暖かい室内や温室に取り込んだほうが安心です。地植えの場合は株元にマルチングをしたり、不織布などで株を覆うなどの防寒対策をするとよいでしょう。 タイサンボクの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さ約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 株が蒸れないよう、枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根付いたら、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。タイサンボクはやせ地でも育ちますが、木を充実させたい場合は1〜2月と5月、9月頃に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土になじませます。 越年後は、毎年1〜2月と9月に緩効性肥料を与えましょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 タイサンボクに発生しやすい病気は、白絹病、黒斑病などです。 白絹病はカビが原因の伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。進行すると株元の土に白いカビがはびこり、やがて株は枯れてしまうので注意。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに株ごと抜き取り、土も併せて処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 黒斑病は春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で、最初は葉に黒または褐色の3〜15mmの病斑が現れ、下葉からだんだん上の葉へと広がっていきます。進行すると葉が縮れて黄色または褐色になり、やがて枯死します。肥料の与えすぎに注意するほか、適切な株間をとり、茂りすぎた茎葉を間引いて風通しよく管理してください。病葉はただちに切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して様子を見ます。 【害虫】 タイサンボクに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、カミキリムシなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しましょう。また、株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤などを散布して駆除してください。 タイサンボクの詳しい育て方 苗の選び方 葉の色艶がよく、主幹がまっすぐ伸びて、樹形が整ったものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com タイサンボクの植え付けの適期は、3月中旬〜4月です。ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。ただし、真夏と真冬は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎます。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えの場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してあまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 タイサンボクの剪定適期は、花後すぐの7月頃です。自然樹形では20mを超えて大きくなるので、一般家庭では樹高3〜4mまでに抑える剪定を行うとよいでしょう。タイサンボクは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく長く伸びている「徒長枝」なども分岐部まで遡って切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com タイサンボクは、挿し木で増やします。挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、タイサンボクは挿し木で増やすことが可能です。 挿し木の適期は、7月頃です。タイサンボクは活着率が悪いため、生育のよいものを選抜することを前提に、多めに挿しておくとよいでしょう。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して表土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に移して育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 スペースに合わせて! 庭でタイサンボクの花と香りを楽しもう photographer DmitryStrong/Shutterstock.com 優美な白い花から馥郁とした香りが漂うタイサンボクは、寒さや暑さに強く、ビギナーでも育てやすい庭木の1つです。基本種は枝葉を大きく広げるのでスペースの確保が必要ですが、矮性品種を選べば扱いやすく、限られたスペースでも育てられます。ぜひタイサンボクの栽培にチャレンジしてみてください。
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育て方

今がチャンス! 梅雨に楽しむ紫陽花やアナベルの挿し木|初心者も成功しやすい手順と注意点を解説
紫陽花の「挿し木」ってなに? 挿し木とは、植物の枝を切り取って土や水に挿し、根を出させて新しい株を作る方法です。タネから育てるよりも早く、元の株と同じ性質の植物を増やせるのが魅力。紫陽花は特に挿し木との相性がよく、梅雨時期は自然の湿度で根づきやすくなります。 【準備編】必要な道具と材料 挿し木は、特別な道具がなくても始められます。以下を揃えておきましょう。 清潔なハサミ(アルコールスプレーなどで消毒しておく) 清潔なカッターナイフ 水を入れた器 小さめの駄温鉢(5〜7号程度) 清潔な土(挿し木用土、赤玉土小粒、鹿沼土、ピートモスなど、水はけがよく保水性のあるもの) 水さしor 霧吹き(こまめな水やり用) 【手順編】初心者でもできる! 紫陽花の挿し木の方法 1. 適した枝を選ぶ(つまずきポイントその①) 今年伸びた緑がかった柔らかい枝(=新梢)を使うのが基本。 花が咲いた枝ではなく、咲いていない枝を選びます。 茎が太くて節間がつまった元気な枝を選びます。 ※失敗しやすい例:「花が咲いていて綺麗だから」と花つきの枝を挿してしまうことがよくあります。しかし、花つきの枝は栄養が花に使われて、根が出にくいので、咲いていないものを選びましょう。 2. 枝を10~15cmに切る(葉を2~3枚残す) ハサミで切った枝の切り口をカッターで斜めにカットします。 上の葉2枚を残し、それ以外はすべて取り除きます。 大きな葉は半分にカットします。 切り口を水に30分~1時間程度浸します。 左の枝のように切り口が斜めだと、断面積が大きくなるので水あげがよくなります。 ※豆知識:ハサミは押し切る道具なので細胞が潰れる可能性があります。カッターなどの引き切る道具を使うと細胞が潰れないので、成功率が上がります。 3. 切った枝(挿し穂)を土に挿す 土を水で湿らせておきます。 挿し穂を土に挿し、周囲の土をしっかり押さえて安定させます。 挿し木用の土に肥料は入れません。 挿し木用の土に肥料を入れない理由 ■根がまだない → 肥料を吸えない 挿し木は、まだ根が出ていない状態から始まるため、肥料分があっても植物はそれを利用できません。 ■肥料があると腐りやすくなる 肥料に含まれる栄養成分(特に窒素)は、土中の菌の繁殖を促し、切り口から雑菌が入って腐りやすくなります。 ■肥料入りの培養土はNG 市販の「草花用培養土」などには元肥が入っていることが多いため、挿し木には適しません。 4. 湿度と水分を保つ(つまずきポイントその②) プランツタグに、挿した日と植物名を書いておきます。 置き場所は明るい日陰。直射日光はNG! 土が乾きすぎないよう、毎日、水差しか霧吹きで保湿します。 挿し穂は動かさないように注意します。 ※失敗しやすい例:「毎日お日様に当てないと…」と日なたに置くと、葉がしおれ、乾いて失敗しがちです。また、根が出たか確認するために土から抜くと、せっかく出た根が千切れてしまうので絶対ダメです。 5. 発根を待つ(約3~4週間) 約3週間〜1カ月で発根します。 成功のサインは、新芽が動き出す・葉がピンとしていること。 発根が確認できたら、鉢上げして育てましょう。 【コツ編】挿し木成功のためのワンポイントアドバイス 何度挑戦してもうまくいかない、大切な植物だから少しでも成功率を上げたい。そんな方は、植物活力素メネデールを使ってみてはいかがでしょうか? 植物活力素メネデールは、発売から70年以上経つロングセラーの活力剤です。植物を植える時や弱った時などに使うと、生育をサポートしてくれる働きがあり、挿し木や株分けの時には、新しい根の発生や水分・養分の吸収を助けてくれます。 その使い方は簡単。 挿し木の時は、挿し穂を水に浸ける際、100倍希釈になるよう水にメネデールを加えます。 また、挿し床に挿した直後と、その後の管理でも週に1回程度、水やり代わりにメネデール100倍希釈液を与えると、さらに効果的です。植え付け後も同様の与え方で、1カ月を目安に継続使用するのがおすすめです。 株分けの場合にも、切り分けた後にメネデール100倍液に1~2時間浸けてから植え付けます。その後も、週に1回程度の頻度で3~4回継続的に与えると、より効果的です。 活力剤は植物の根の修復や活性化に効果的な資材なので、新芽が動き始めるまではこちらを。新芽が動き出したら栄養補給のために液肥へ切り替えると生育力アップ。 【コラム】人気の「アナベル」もこの方法で増やせます! tamu1500/Shutterstock.com ふわふわの白い花が人気のアナベルも、今回ご紹介した挿し木の手順で増やせます。アナベルは特に発根しやすい品種として知られており、初心者の練習にもぴったり。ただし、花が咲いた枝は避け、若くて元気な枝を選ぶのが成功のカギです。 【基本的な手順は同じ】 梅雨時期(6〜7月)がベストタイミング 今年伸びた花のついていない枝を選ぶ 10~15cmでカットし、葉を2枚残して他は取り除く 挿し木用の土に挿す(肥料なし・湿度管理が重要) 明るい日陰で管理し、3~4週間ほどで発根 【アナベルの挿し木での注意点】 ① 花後の枝は避ける 咲いた後の枝はエネルギーを使い果たしているので、花後すぐの枝は避けましょう。まだつぼみのついていない、もしくは脇芽が伸びた元気な枝が最適です。 ② 茎が折れやすいことがある アナベルの若い枝は意外と繊細で、節の部分でポキっと折れやすいです。挿すときに力を入れすぎないよう、あらかじめ穴をあけてから、そっと挿すのがコツ。 ③ 活力剤との相性も良好 特にメネデールを水に混ぜて切り口を浸すと、アナベルは反応がよく、発根しやすくなります。 【注意】挿し木で増やした紫陽花を他人に譲ってはいけないケースがあります なぜダメなの? → 育成者権(知的財産権)の問題 登録品種の‘ひな祭りルナ’(左)と‘ダンスパーティー’(右)。 紫陽花の中には、品種登録されているもの(登録品種)があり、それらには「育成者権(開発した人の権利)」が認められています。これは、いわば植物の「著作権」のようなもので、無断で増やして配布・販売することは法律違反(種苗法違反)になります。 違反になる行為とは? 育成者権がある品種を… 挿し木で増やして他人に「譲る」「あげる」「売る」 海外に持ち出す これらは、すべてNG。営利・非営利にかかわらず禁止されています。他人にあげたり、SNSやフリマで配布するのも、もちろんNG。知らなかった場合でも逮捕・書類送検の前例があるので気をつけましょう。 どう見分ける? 登録品種かどうか 大手園芸店やナーセリーで購入したものは、ほぼ登録品種だと思っておいたほうがよいでしょう。アジサイはここ10〜20年で人気が高まり、各ナーセリーが競って改良品種を開発しています。園芸店は「売れる」「育てやすい」品種を選定して仕入れていますので、ほとんど全て登録されています。 また、以下の特徴がある鉢も登録品種です。 品種登録されている‘旭日昇天’。 商品名にカタカナ名やブランド名がついている。 ラベルに「登録品種」「PVP(Plant Variety Protection)」と記載されている。 これらは、生産・販売に育成者の許可が必要な品種です。挿し木で植物を増やすのはガーデニングの醍醐味ですが、登録品種は育成者の長年の研究と工夫、熱意によって開発されたもので、経費もかかっています。素敵な花を生み出してくれた育成者への敬意を忘れずに、増やしたい場合は「自宅で育てるだけ」にとどめましょう。 もし友人に分けたい場合は、登録されていない在来品種や自分で育種したものに限る、という点を覚えておいてください。 【まとめ】紫陽花の挿し木は「今」がチャンス! 紫陽花の挿し木は、梅雨の自然な湿気を味方につけることで、初心者でも成功しやすくなります。花が終わった後の今こそが絶好のタイミング。お気に入りの紫陽花やアナベルを増やして、来年の庭をもっと華やかに育てましょう。
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宿根草・多年草

【夏花】エキザカムの育て方|初心者でも失敗しない栽培・冬越しガイド
エキザカムの基本情報 Henrik Larsson/Shutterstock.com 植物名:エキザカム学名:Exacum affine英名:Persian violet和名:ベニヒメリンドウ(紅姫竜胆)その他の名前:ペルシャンバイオレット科名:リンドウ科属名:ベニヒメリンドウ属(エキザカム属)原産地:インド洋ソコトラ島形態:多年草(宿根草) エキザカムの学名はExacum affine(エキザカム・アフィネ)。日本語では通称ベニヒメリンドウと呼ばれ、漢字で「紅姫竜胆」と書きます。リンドウ科ベニヒメリンドウ属の多年草ですが、日本の気候のもとでは越年が難しく、一年草として扱われています。ベニヒメリンドウ属は東南アジア、アフリカの熱帯地域に分布していますが、一般にエキザカムとして栽培されるエキザカム・アフィネはインド洋ソコトラ島が原産地で、熱帯地方の各地に生息しています。冬の寒さには大変弱く、耐寒温度は7℃くらい。越年させるなら、冬は日当たりのよい室内で管理することが必須です。 エキザカムの花や葉の特徴 komkrit Preechachanwate/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:6〜10月草丈:20〜50cm耐寒性:弱い耐暑性:やや強い花色:青紫、白、ピンク エキザカムの草丈は20〜50cm、開花期は6〜10月で、花色は青紫、白、ピンクなどがあります。径1〜2cmの小さな花で、花弁は4〜6枚。黄色い花心とのコントラストが目を引く花を株一面に咲かせ、開花時には香りも楽しめます。一重咲きのほか八重咲きも出回っています。艶のある肉厚な葉は硬く、丸みのある楕円形。斑入り葉の品種もあります。よく分枝して茎葉が旺盛に茂り、鉢植えのほか夏花壇の植栽にもよく使われます。 エキザカムの名前の由来と花言葉 Mchin/Shutterstock.com エキザカムという名前は、ギリシア語の「ex(外)」と「ago(追い出す)」が語源で、エキザカムに解毒作用があると考えられていたことに由来します。 花言葉は「あなたの夢は美しい」「あなたを愛します」など。5月17日、5月30日、10月20日の誕生花です。 エキザカムの代表的な種類 Yuphayao Pooh's/Shutterstock.com エキザカム属は約25種が確認されています。国内で流通しているのは主にエキザカム・アフィネで、交配によってさまざまな品種が生まれています。 八重咲きの品種も。zzz555zzz/Shutterstock.com ‘ドワーフ・ミゼット・ブルー’ 一重咲きのエキザカムで、最もポピュラーな品種です。草丈が低く横に広がるので、ハンギングバスケットにも向いています。 ‘ブルー・ロココ’ 花弁が幾重にも重なる八重咲きで、バラのような咲き姿を見せます。大変花つきがよいのも魅力です。 ‘ホワイト・ロココ’ ブルー・ロココと同様に八重咲きで、まるでミニバラのよう。花色は白で清楚な雰囲気を持っています。 ‘エキサイトシルバー’ 花色は青紫で、一重咲きです。葉に斑が入る品種で、花が咲かない時期はカラーリーフとして活躍します。 エキザカムの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜10月植え付け:5月中旬〜6月植え替え:9月頃肥料:5〜7月上旬、9月頃種まき:4月下旬~5月 エキザカムの栽培環境 touristgirl/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので注意してください。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、越年させる場合は室内や温室などに取り込み、日当たりのよい場所で管理しましょう。 【置き場所】水はけと水もちのバランスがよく、有機質に富んだふかふかの土壌を好みます。乾燥には強いですが極端な暑さに弱く、夏は涼しい半日陰に移動したほうがよく生育します。 耐寒性・耐暑性 エキザカムの生育適温は15~25℃。寒さや極端な暑さに弱く、本来は多年草ですが日本の気候に耐えられずに枯死してしまうことが多く、国内では一年草扱いされています。耐寒温度は5~7℃で、越年させる場合は約7℃以上の場所で管理する必要があります。耐暑性はややありますが、高温になると生育が止まり、花つきも悪くなるので、夏は半日陰で管理するとよいでしょう。 エキザカムの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり ITP Media/Shutterstock.com 多肉質な茎葉を持つエキザカムは乾燥には強いほうですが、鉢植えの場合は夏場の水切れに注意が必要です。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 5〜7月上旬、9月頃に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土になじませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1回を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので注意してください。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 エキザカムに発生しやすい病気は、灰色かび病、立ち枯れ病などです。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。終わった花や枯れ葉を放置せず、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。種まきした後の幼い苗に発生しやすいので、用土は使い回さずに、新しい培養土を利用するとよいでしょう。進行すると生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適用のある殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。 【害虫】 エキザカムに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 エキザカムの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉の色艶がよく、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。 植え付け Nataly Studio/Shutterstock.com 植え付けの適期は、5月中旬〜6月です。植え替えは9月頃に行うとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。苗が複数の場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 エキザカムは冬が寒い日本では一年草として扱われており、寒くなると枯れてしまうので植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。越年させたい場合は、鉢に植え替えて暖かい室内や温室の日当たりのよい場所で管理します。 【鉢植え】 入手した苗よりも2回りほど大きい鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。ポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 エキザカムは冬が寒い日本では一年草として扱われており、寒くなると枯れてしまうので植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。 ただし、本来は多年草なので、暖かい場所に移動して越冬することもできます。その場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 日常のお手入れ mihalec/Shutterstock.com 【花がら摘み】 エキザカムは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し LM.photo/Shutterstock.com 夏に草姿が乱れてきたら切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 夏越し・冬越し Sodel Vladyslav/Shutterstock.com 【夏越し】 高温になると生育が止まり、花つきも悪くなるので、鉢植えは半日陰に移動するとよいでしょう。地植えの場合は、鉢上げして涼しい場所に移動するのも一案です。蒸れると株が弱ることがあるので、込み合っているようなら、適宜茎葉を間引いて風通しよく管理しましょう。彼岸を過ぎて暑さがおさまったら、再び日当たりのよい場所に移動します。 【冬越し】 越年させる場合は、7℃以上の場所で管理する必要があります。鉢植えは室内や温室などに入れて、日当たりのよい場所に置きましょう。地植えの場合は、10℃を下回る前に鉢に植え替えて、室内や温室に移動します。冬越しできたら、遅霜の心配がなくなる5月頃に再び屋外に出すとよいでしょう。 増やし方 Taras Garkusha/Shutterstock.com エキザカムは種まき、挿し芽で増やすことができます。 【種まき】 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 エキザカムの発芽適温は20〜25℃。種まきの適期は、4月下旬〜5月です。種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種まきをします。エキザカムは「好光性種子」で、発芽の際に光が必要なので、種子に覆土はせず、軽く押さえる程度にしましょう。種子が流れ出すことがないように、トレイより1回り大きな容器に浅く水を張り、トレイをのせて底面から吸水させます。乾燥しないように管理すると、2週間ほどで発芽します。 発芽したら日当たり・風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。本葉が5〜6枚つき、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 春まきの場合、真夏は半日陰の場所に置くか、遮光して夏越しさせます。秋まきの場合、冬は暖かい室内か温室で冬越しさせましょう。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、エキザカムは挿し芽で増やせます。 エキザカムの挿し芽は、生育期ならいつでも可能です。新しく伸びた茎葉を、2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 夏の庭を彩るエキザカムを育ててみよう! Pacharawan/Shutterstock.com 青や白、ピンクなどの小さな花が長期間たくさん咲き、夏の花壇や鉢植えで活躍するエキザカム。国内では一年草として扱われていますが、冬越しに成功できれば越年して毎年開花を楽しませてくれます。愛らしい咲き姿のエキザカムを、寄せ植えやハンギングバスケットに利用して、庭やベランダを華やかに彩ってはいかがでしょうか。
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ドライフラワーにも! レモンの香りも楽しめるエルサレムセージ|育て方・剪定・増やし方まで徹底解説
エルサレムセージの基本情報 Esin Deniz/Shutterstock.com 植物名:エルサレムセージ学名:Phlomis fruticosa英名:Jerusalem Sage和名:エルサレムセージその他の名前:フロミス・フルティコサ科名:シソ科属名:フロミス属原産地:地中海沿岸地域形態:常緑性低木 エルサレムセージは、シソ科フロミス属の低木です。日本では多年草として扱われることもありますが、ローズマリーやラベンダーのように何年も育てていると茎が木質化します。学名はPhlomis fruticosa (フロミス・フルティコサ)。和名や英名には「セージ」が入っていますが、シソ科アキギリ属のセージとは別属です。葉姿が似ていることから、エルサレムセージと呼ばれるようになりました。 原産地は地中海沿岸。乾燥した気候を好み、暑さには強いのですが、日本の高温多湿の環境下では株が弱ることがあります。蒸れないように切り戻したり、枝をすかしたりして、風通しよく管理するのがポイントです。寒さには強く、マイナス5℃くらいまで耐えるので、温暖地では戸外で越冬できます。一度植え付ければ毎年開花し、常緑性のため冬もみずみずしい葉姿を保ちます。 乾燥した環境を好み、ロックガーデンにも向きます。Gestiafoto/Shutterstock.com エルサレムセージの花や葉の特徴 James Nature Pics/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜9月樹高:90〜150cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:黄 エルサレムセージの開花期は5〜9月で、花は明るい黄色です。花茎を伸ばした先に多数の花がまとまって咲き、さらに茎を伸ばしてまた花がついて段咲きになるのが特徴。全草に香りがあり、花は甘いレモンのような香りを放ちます。乾燥しても花色が褪せにくく、花茎を切り取って風通しのよい場所に逆さに吊しておくとドライフラワーになるので、飾ったりクラフトに利用したりするのもおすすめ。花弁が落ちた後に現れる星形の萼(がく)も美しく、観賞価値があります。 草丈は90~150cm。大株になると株幅のボリュームが増すので、ある程度大きくなることを前提にスペースを確保するとよいでしょう。葉は細長い楕円形で、全体に白い産毛に覆われ、触り心地がいいのが特徴です。産毛のためにシルバーグリーンに見え、カラーリーフプランツとしても活躍します。 エルサレムセージの名前の由来と花言葉 IRCDPT/Shutterstock.com エルサレムセージはシソ科で名前にセージとついていますが、アキギリ属のセージ類とは属が異なります。原産地が同じで香りがあることや、葉の形がセージに似ていることからこの名がつけられたようです。 エルサレムセージの花言葉は「前向きな心」「記憶」「清楚」などです。 エルサレムセージの仲間 tamu1500/Shutterstock.com エルサレムセージを含むフロミス属は、約60種が確認されています。ここでは、いくつかの種類をご紹介します。 ツベロサ Emilio100/shutterstock.com 学名はPhlomis tuberosa。チューベローサとも呼ばれています。原産地はトルコ。初夏に花茎を長く伸ばし、ピンクの花を段状につけます。草丈は80〜100cmの多年草。耐寒性があり、冬は落葉します。 パープルエルサレムセージ Diego Grandi/Shutterstock.com 学名はPhlomis purpurea(フロミス・パープレア)。原産地はスペイン。草姿はエルサレムセージに似ており、淡いピンクの花が咲きます。草丈は80〜100cmの常緑低木で、多年草として扱われることもあります。 フロミス・サミア Bremar/Shutterstock.com 学名はPhlomis samia。原産地はヨーロッパ。落ち着いたモーブピンクの花が段状に咲きます。かなりの寒さに耐え、寒冷地でも庭植え可能。草丈は120〜150cmの多年草で、冬は葉を落とします。 フロミス・ルッセリアナ LianeM/Shutterstock.com 学名はPhlomis russelianaで、別名ラージエルサレムセージ。原産地はトルコです。パステルイエローの花が段咲きになります。寒さに強いので、寒冷地でも戸外で越冬可能。地下茎で増えるので、群生すると見応えがあります。草丈は80〜100cmの多年草で、冬は落葉します。 エルサレムセージの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜9月植え付け・植え替え:4〜6月肥料:特になし種まき:4月下旬~6月中旬、9月下旬~10月上旬 エルサレムセージの栽培環境 tamu1500/shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびするので注意。ただし、西日が強く当たる場所は避けたほうが無難です。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】産毛に覆われているせいで蒸れやすく、日本の夏の高温多湿の環境は苦手です。鉢植えの場合、夏は風通しのよい半日陰など、涼しい場所で管理し、長雨が続く時期は軒下など雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 寒さには比較的強くマイナス5℃くらいまで耐えるので、温暖地なら戸外で越冬できます。株元にバークチップなどを敷き詰めて霜よけをしておくとよいでしょう。冬は落葉することもありますが、根が生きていれば越年して生育期に入ると再び新芽を出すので、すぐに枯れたと判じて処分せずに様子を見守ってください。暑さには強いですが、高温多湿に弱いので、夏は風通しよく管理しましょう。 エルサレムセージの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの1〜2週間前に、堆肥や腐葉土などを施してふかふかの土づくりをしておきます。また、水はけのよい土壌を好むので、斜面に植える場合は高い位置に。または土を盛って周囲より少し高くした場所に植えるとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com エルサレムセージは細かな産毛をまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので注意。株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えるようにしましょう。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後に茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 土づくりの際に、有機質肥料を十分にすき込んであれば、植え付けた年の追肥は不要です。越年して再び生育が盛んになり始めた頃に、緩効性化成肥料を周囲にばらまいて軽く耕し、土寄せしておきましょう。 【鉢植え】 3月中旬〜6月と9〜10月に、月に1〜2回を目安に液体肥料を与えて、株の勢いを保ちます。真夏と真冬は不要です。 注意すべき病害虫 tamu1500/Shutterstock.com エルサレムセージは病気や害虫が発生しにくく、管理しやすい植物です。 エルサレムセージの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が間のびしていなくて、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com 植え付けの適期は、4〜6月です。ほかの時期に苗を購入したら、入手次第植え付けてかまいません。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。苗が複数の場合は、40〜50cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 株が順調に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 8〜10号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をくずして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢栽培の場合は、根詰まりを防ぐために毎年植え替えましょう。植え替えの際は、しばらく水やりを控えて土を乾かし、作業しやすいようにしておきます。鉢から株を取り出して根がびっしりと詰まっていたら、根鉢を少しずつくずして古い根や土を取り除きます。株分けして数鉢に植え直して増やしてもいいですし、根をくずして1/2〜1/3まで小さくし、1回り大きな鉢に植え替えてもかまいません。 日常のお手入れ Martin Hibberd/Shutterstock.com 【花がらの除去】 終わった花は、早めに取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。 剪定・切り戻し Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 旺盛に生育して一通り咲き、草姿が乱れてきたら剪定を。込み合うと株が蒸れて枯れ上がってしまいます。草丈の半分〜1/3を目安に全体を刈り込む「切り戻し」をすると、再び株が勢いを取り戻して生育し始めます。蒸れに弱いエルサレムセージは真夏の高温多湿を嫌うので、暑くなる前に切り戻して風通しよく管理することがポイントです。また、寒くなる前に草丈の半分くらいまで刈り込んで冬越しに備えます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com エルサレムセージは種まき、挿し木で増やすことができます。 【種まき】 種まきは4月下旬〜6月中旬か9月下旬〜10月上旬が適期です。種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子同士が重ならないようにばらまきします。種が隠れる程度に土を薄くかけましょう。種が流れ出すことがないように、トレイより1回り大きな容器に浅く水を張り、トレイをのせて底面から吸水させます。明るい半日陰の場所で乾燥しないように管理し、発芽を待ちます。 発芽したら、日当たり・風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1回を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。春に種まきした場合は、翌年に開花します。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、エルサレムセージは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、6月〜7月上旬です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきます。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいのポットを用意して鉢底にゴロ土を入れ、さらに新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理し、その後は日当たりのよい場所に移して育苗します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ドライフラワーやポプリとしても人気! エルサレムセージを育ててみよう tamu1500/Shutterstock.com 輝くような黄色い花を咲かせるエルサレムセージは、ドライフラワーにしても鮮やかな色が残りやすく、香りがよいのでポプリを作るのもおすすめです。ダイナミックな花姿を楽しめるエルサレムセージの栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。
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ガーデニング

ナメクジ対策の決定版|匂いの好み・嫌いな植物・自然な駆除方法まで解説
ナメクジが発生しやすい条件とは? ◾️気温と湿度/ナメクジが好む気温は15〜25℃。高湿度・低光量を好み、梅雨どきや秋雨などの長雨の時期、朝晩の涼しい時間帯によく活動します。 ◾️出やすい場所/雨のあとの湿った土や落ち葉の下・石の裏や鉢底など、日陰で湿った場所・水はけが悪い場所や密植された花壇 ナメクジは匂いで植物を選ぶ?その習性とは ナメクジは植物の匂い(揮発性有機化合物:VOCs)に反応し、過去に美味しかった匂いを覚えて行動することが分かっています。一度食べて「美味しい!」と学習した植物には、次回以降、匂いだけで一直線に向かっていくというわけです。味よりも匂いがポイントです。 ナメクジに食べられボロボロになったペチュニアの花。 <ナメクジの好む匂いの傾向> 好きな匂いの植物嫌いな匂いの植物レタス、ナズナ、ペチュニア、イチゴなどサルビア類、ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、フェンネルやわらかい新芽や若い茎葉、傷んだ葉・花・果実、湿った有機物精油成分が多く含まれ、なおかつ葉が硬いもの 一方で、匂いが強く、精油成分が多く含まれ、なおかつ葉が硬いものは避けられる傾向にあります。 例:サルビア類、ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、フェンネル 同じ環境下でもナメクジの被害にあいにくいサルビア。 庭にナメクジを寄せつけない方法 上記の生態を踏まえた対策のポイントをご紹介します。その前に知っておきたいのは、ナメクジを庭から一掃する必要はないということ。ナメクジには落ち葉や枯れ葉、傷んだ植物を分解する「分解者」としての大事な役割があり、健全な土壌の生態系の一部です。ですから、完全に排除するのではなく「寄せつけない環境づくり」と「被害を防ぐ植物配置」を意識すると、ガーデナーにもナメクジにも平和な庭になります。 嫌いな植物を活用する(ゼラニウム、ラベンダーなど) 匂いの強いゼラニウムとペチュニアの寄せ植え。寄せ植え/面谷ひとみさん ナメクジに好まれやすいペチュニアなどの植物を植えるときは、ハーブ類と混植すると被害が防げます。例えば、上の写真のように匂いの強いゼラニウムと混植したり、花壇の縁にラベンダーやタイムなどを植栽しておくのも有効です。 鉢縁をクリーピングタイムで囲ったペチュニアの寄せ植え。面谷内科・循環器内科クリニックの庭より。 銅テープや忌避剤を使う ナメクジは粘液を介して銅に触れると、微弱な電気的刺激(ガルバニック反応)を感じます。これは人間には無害ですが、ナメクジにとっては不快な感覚となり、物理的に「近づけないバリア」になります。銅テープや銅製の鉢底網が園芸コーナーに並んでいるので、それらを活用すると防げます。また、ナメクジ専用の忌避剤も有効です。 ナメクジよけの銅テープをキッチンガーデンに張り巡らせて。Mulevich/Shutterstock.com 餌トラップで捕獲 ビールはナメクジを強く誘引することで知られています。これは前述した通り、ビールの麦芽や酵母由来の発酵した匂いをナメクジが好むからです。匂いで引き寄せられたナメクジが、容器に落ちて溺死するという捕獲方法です。 ただし、効果範囲は半径1m程度とごく狭く、捕まるのは「活動的な個体」だけで、さらに毎晩取り換える必要がある(発酵臭が弱まると誘引力が落ちる)のであまり効率的ではありません。 環境整備で防ぐ 対策解説通気性・日当たりの確保草丈の高い植物を密植しすぎない。風通しのよいレイアウトで乾燥しやすく朝に水やり夜間の湿度上昇を避け、ナメクジの活動時間を乾燥状態に敷き藁やマルチの見直し有機マルチはナメクジの隠れ家になりがち。砕石などで代用可能落ち葉や枯れ草の清掃見落としがちなプランターの下や裏も清掃する銅テープの導入物理的に寄せ付けない防御ラインを設置 ナメクジの駆除で注意すべきこと ①メタアルデヒドを含むナメクジ駆除剤は使用注意 一部のナメクジ駆除剤にはメタアルデヒドという成分が含まれています。これは犬・猫などペットや小さな子どもにとっては中毒リスクが高く、万が一食べてしまうと命に関わるため、ペット・お子さんがいるご家庭では使用を避ける or 用法を厳守。 ②塩は植物の近くで使わない ナメクジ退治にしばしば塩を使うことがありますが、植物が「塩害」で枯れてしまうリスクがあるので、ガーデンでの使用はやめましょう。 ③ 駆除の“場所”に注意(食用植物の近くはNG) レタス・イチゴ・ハーブなどの食用植物の近くで薬剤を撒くのは避けましょう。特に粒状タイプや液剤タイプは土に吸収され、植物体に影響を与える可能性があります。 ④ “湿った時間帯”を狙う(乾燥時は効果が落ちる) ナメクジは夜間・雨上がり・早朝など湿度が高い時間に活動します。乾いている時間帯に薬剤をまいても、ナメクジが出てこず無駄になることも。 雨の翌朝 or 夕方〜夜に仕掛けるのが効率的です。 ⑤ 物理トラップや忌避法でも油断しない ビールトラップや銅テープなどの防除は、完全に駆除できるわけではなく、“予防的な効果”が中心です。すでに発生している場合は別の駆除法と併用が必要です。 ⑥素手で触らない ナメクジの体表や粘液には、以下のような人に有害な微生物や寄生虫が付着していることがあります。一部地域(沖縄・九州)で確認されている寄生虫が広東住血線虫(こうとうじゅうけつせんちゅう)。体内に取り込むと好酸球性髄膜炎を起こす可能性があり、ナメクジやカタツムリが中間宿主になっています。また、ナメクジがはい回った場所には、糞便や腐敗物からの細菌が付着していることもあるので、素手で触らずにピンセットや割り箸、園芸用手袋などを使い、触れた器具は洗うか、使い捨てにしましょう。 Q&A|ナメクジ対策に関するよくある質問 ナメクジは夜だけ活動する? ナメクジは主に夜間や湿度の高い時間帯に活動します。特に夕方から夜、明け方の早朝に活発になり、日中は乾燥を避けて落ち葉の下や石の裏などに潜んでいます。ただし、雨の日や梅雨時は日中でも活動することがあるため、油断は禁物です。駆除や対策を行う場合は、湿っている時間帯に仕掛けるのが効果的です。 室内に入ることはある? はい、ナメクジは住宅の中にも侵入することがあります。特に古い家や隙間のある窓枠・玄関のドア下・水回りなどから入ってくるケースがあります。室内で見かけた場合、排水口や洗濯機の裏、観葉植物の鉢が潜伏場所になっている可能性があります。対策としては、隙間を塞ぐ・出入り口に銅テープを貼る・湿気を取り除くといった方法が効果的です。 ナメクジの卵はどうする? 土の下に産みつけられたナメクジの卵。Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com ナメクジの卵は直径1〜2mm程度の白くて半透明のゼリー状の粒で、落ち葉の裏や鉢の底、プランターの隙間などに密かに産みつけられます。駆除の際に成体だけでなく卵も見つけて取り除かないと、数週間後に再発する原因になります。見つけた卵は袋に入れて密閉し、可燃ごみとして廃棄するのが安全です。また、用土や鉢底石の乾燥・交換を行うことで卵の定着を防ぐことができます。 まとめ|匂い・環境・植物の工夫で、ナメクジと上手に付き合う ナメクジは庭や家庭菜園でよく見かける害虫ですが、匂いや湿度、植物の種類に敏感な性質を持つため、習性を理解すれば被害を減らすことは十分に可能です。 たとえば、 匂いを嫌う植物(ゼラニウム、ラベンダーなど)を植える 銅テープやビールトラップで侵入・発生を防ぐ 湿度管理や卵の除去など、環境面からの対策を行う といった方法で、化学薬剤に頼らずにナメクジを抑えることもできます。 大切な植物を守るためにも、駆除だけでなく“ナメクジの発生しづらい庭づくり”を意識することが、長期的な対策につながります。
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育て方

梅雨の庭がピンチ! 植物を守るために今すぐやるべきガーデニング対策10選
① 過湿による根腐れに注意! 移動できる鉢は軒下へ 移動できる鉢は軒下へ。 長雨で土の中が常に湿っていると、根腐れやカビの原因になります。鉢植えは軒下やベランダの内側など、直接雨が当たらない場所に避難させましょう。 一方、地植えの庭では植物は移動できませんが、長雨や強い雨が続くと土の表面が固まって、根が窒息気味になります。この窒息気味の状態が、根腐れの原因となります。 植物にとってよい土は、大小さまざまな粒(砂、シルト、粘土)が団粒構造(イラスト①)を作り、そこに空気や水の通り道を持っている状態です。 ところが雨が続くと、雨粒が激しく当たり、その団粒構造が壊れて土がバラけてしまいます(イラスト②)。 すると微細な土の粒子が表土近くに浮き上がって集まり、地表付近が「水が抜けない泥パック」状態になります(イラスト③)。 結果として、水はけが悪くなり、表面が乾くとガチガチに硬くなって、植物の根が呼吸しにくくなり(=酸欠)、根腐れを引き起こしてしまうのです。 梅雨どきの土壌改善対策 地植えの庭の場合は、表面を軽く耕す(深く掘らずに3〜5cmをふわっと)。 完熟堆肥などの有機物を混ぜ込んで、団粒構造を再生させる。 マルチングで雨粒の直撃を防ぐ。 ② プランターや鉢の「水はけチェック」 土がずっと濡れていたり、鉢底から水が出にくい場合は要注意。上記と同様の団粒構造が壊れている状態にある可能性が高いです。鉢底石の追加や古い土の入れ替え、鉢替えによって通気性を改善しましょう。また、鉢の下に台やトレー、スタンドを置くのも排水性や通気性を改善するのに有効です。 ③ 風通しの悪い場所の植物は「剪定」で蒸れ対策 枝葉を間引くように剪定。 混み合った枝葉は湿気がこもりやすく、病気の発生源に。枝葉を間引いて風の通り道を作ることで、蒸れを防ぎ、病気のリスクを減らします。 ④ 多湿で発生しやすい「べと病・黒星病」に注意 葉に黒い斑点が現れる黒星病(黒点病)に罹患したつるバラ。症状が進んで黄変し、落葉が始まっている。 梅雨どきは病害が多く発生する時期。葉に黒い斑点、茶色のシミ、黄変などが出たら要注意。梅雨の間は、予防薬の散布は雨で流れて非効率なので、落葉に備えて株の回復にシフトしたほうが現実的。病気で弱った株には液肥や肥料を与えるより、「活力剤」のほうが適しています。 ⑤ 病気になった葉や花がらはこまめに取り除く 黄変したり落ちた葉は速やかに除去。 落ちた花や古い葉、病気で落ちた葉をそのままにしておくと、湿気で菌が繁殖しやすくなります。雨の合間に軽く掃除する習慣を。 ⑥ ナメクジ被害を早期発見&対処 ペチュニアの花はナメクジの大好物。 ジメジメした環境になりがちなこの季節、ナメクジに注意が必要です。忌避剤を用いる際は、全体にまくより、ナメクジが好む植物の周りにまくのが効率的。ナメクジにも食の好みがあり、水分を多く含んだ柔らかい葉が好物です。ペチュニアやレタスなどは特にナメクジの大好物なので、これらの周辺で対策を。 ⑦ 雑草は早めに除草。蒸れや病害虫の温床に 梅雨に入ると雑草の成長が一気に加速します。雑草が繁茂していると通気が悪くなり、病気の発生を誘発したり、害虫のすみかにもなります。雨の合間にこまめな除草が効果的です。 ⑧ 肥料は控えめに or 活力剤に切り替える 「活力材」と「液肥」を使い分けるのが大事。 雨で肥料が溶けやすくなる梅雨どきは、固形肥料の与えすぎに注意。根が湿気で呼吸しにくいこの時期は、肥料成分も吸いにくい状態にあります。梅雨どきは無理に育てようとせずに“整える”ことを優先。 特に葉が黄色くなっているときなどは、肥料ではなく「活力剤」を与えましょう。活力剤は根の修復や活性化に特化しており、回復をサポートする資材です。新葉が展開し、株が復活し始めたら、生育をサポートしてくれる「液肥」に切り替えを。 ⑨ 多湿に強い植物を“前景”に活用 湿度に比較的強いヒューケラ。 花壇や植栽帯では、「背面(奥)=高い、前面=低い」という構造になっていることが多いため、水が前に集まりやすくなります(特に壁沿いの花壇など)。そのため、水はけを好むサルビアやラベンダーなどは奥(高い場所)へ、前面にはアジュガやヒューケラなど比較的湿度に強いものを配置するのがおすすめです。 ⑩ 雨の日も庭を見る習慣を 多彩なバリエーションのアジサイを庭に。左)ピラミッドアジサイ(ノリウツギ)‘ノウム’、右上)‘ひなまつりルナ’、 右下)‘ポップコーン’。 梅雨どきは庭に出にくくなりますが、室内からの観察でも十分効果があります。葉の色、姿、虫の有無などをチェックする癖をつけましょう。窓から眺められる場所にアジサイを植えておくと、庭へ目をやる楽しみと習慣ができますよ。 あなたの庭も、梅雨のダメージを防いで元気に乗り切りましょう!
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樹木

【完全ガイド】ウツギ(空木)の育て方|初心者も安心!剪定・水やり・種類まで徹底解説
ウツギの基本情報 krolya25/Shutterstock.com 植物名:ウツギ学名:Deutzia crenata英名:Deutzia crenata、Japanese snow flower和名:ウツギ(空木)その他の名前:ウノハナ(卯の花)、ウノハナウツギ、ウツロギ、カキミグサなど科名:アジサイ科属名:ウツギ属原産地:日本、中国形態:落葉性低木 ウツギは、アジサイ科ウツギ属の低木です。原産地は日本、中国で、日本では5〜6種の自生種が確認されています。昔から日本の野山に自生してきたため暑さや寒さに耐え、育てやすい花木の1つで、北海道から沖縄まで栽培可能です。昔は畑などの耕作地に、境界の目印としてよく植えられていました。 樹高は1〜2mで、地際から枝が放射状に出る株立ちの樹形が特徴です。放任すると株幅が大きくなって場所を取りがちになりますが、毎年の剪定によって程よい株幅にコントロールすることができます。 落葉性なので、冬前にすべての葉を落としますが、春の生育期に入ると新芽を出して初夏に開花。花後についた果実は、秋に種が熟して近くに散ります。晩秋には紅葉して休眠する……という繰り返しで、四季の移ろいを強く感じることができるのも魅力です。 ウツギの花や葉の特徴 High Mountain/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5月中旬〜6月上旬樹高:1〜2m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白、ピンク ウツギの開花期は5月中旬〜6月上旬で、花色は白、ピンク。一重咲きと八重咲きがあります。個々の花は1cmほどと小さいのですが、釣鐘形の花を多数連ねて咲くので、満開時には大変見応えがあります。 葉は先端が尖った卵形で、若葉の表面には細かな産毛があり、ザラザラとした触感です。 ウツギの名前の由来と花言葉 weha/Shutterstock.com ウツギは、漢字で「空木」と書きます。これは幹や枝を切ってみると、中が空洞になっていることから。また、「卯木」とも書き、これは旧暦の卯月(四月)頃に咲くことに由来します。「ウノハナ」という別名もあります。 ウツギの花言葉は「秘密」「古風」「風情「乙女の香り」などです。 ウツギの代表的な種類と品種 ウツギの花。tamu1500/Shutterstock.com ウツギは、さまざまな種類や園芸品種が出回っています。そのいくつかをご紹介します。 ヒメウツギ MacBen/Shutterstock.com ヒメウツギは、ウツギよりもコンパクトにまとまるので「姫」が名前につきました。あまりスペースを取らないので、家庭での栽培に向いています。ヒメウツギの園芸品種‘ライムシャンデリア’は、明るいライムイエローの葉が特徴で、晩秋には赤く紅葉し、カラーリーフプランツとして活躍します。 シロバナヤエウツギ APugach/Shutterstock.com シロバナヤエウツギは、白い八重の花を咲かせ、華やかな雰囲気が魅力です。 サラサウツギ acchity/Shutterstock.com サラサウツギは、外側の花弁にほんのりとピンクがのる八重咲きで、優美な雰囲気を持っています。 ‘バリエガータ’ ‘バリエガータ’は、葉に白い散り斑が入り、カラーリーフプランツとしても活躍する品種です。 ピンクの花を咲かせる交配種も。Kabar/Shutterstock.com ちなみに、「ウツギ」という名前がつく樹木はたくさんありますが、その中にはバイカウツギやタニウツギなどのように、分類上では関係のないものが多くあります。 ウツギの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5月中旬〜6月上旬植え付け・植え替え:11月〜12月上旬、2月下旬〜3月肥料:12月〜翌年2月、6月頃剪定:12月〜翌年2月、6月頃種まき:5月頃 ウツギの栽培環境 Ihor Hvozdetskyi/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しがよい場所を選びます。半日陰の環境でも育ちますが、日照が不足すると花つきが悪くなり、枝葉が間のびするので注意。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水もちがよく腐植質に富んだ土壌を好みます。ウツギは低木ではありますが、株立ちタイプで横に広がりやすいので、広めの場所を確保しておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候になじみやすく、暑さ寒さに耐えるので、1年を通して戸外で管理でき、夏越し・冬越し対策などは特に必要ありません。乾燥する時期は、株元にバークチップなどでマルチングをしておくとよいでしょう。 ウツギの育て方のポイント Apugach/Shutterstock.com 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 まず1年を通して日当たり・風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が上がっている日中に行うと、すぐに水の温度が上がって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただしウツギは乾燥を苦手とするので、真夏に晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 12月〜翌年2月に1度肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 また、開花後の6月頃に緩効性肥料を与えます。これは開花のために力を消耗した木をねぎらう意味もこめたもので、お礼肥といいます。忘れずに与えて、体力回復を促してあげましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com ウツギは生命力が強く、あまり枯死することはありませんが、まれに病害虫が発生することがあります。ここでは、比較的発生しやすい病害虫について取り上げます。 【病気】 ・うどんこ病 カビによる伝染性の病気で、葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がり、光合成ができなくなって枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると感染しやすくなります。発見したら病害部を摘み取って処分し、適応する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 ・さび病 カビによる伝染性の病気で、葉にくすんだオレンジ色の斑点が現れます。この斑点は楕円形でイボ状に突起するのが特徴です。進行すると病斑が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。株が弱り、枯死することもあるので注意。病葉は見つけ次第切り取って処分し、適応する薬剤を散布して防除します。 【害虫】 ・アブラムシ アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込むアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ウツギの詳しい育て方 苗の選び方 葉がみずみずしく、変色したりしおれたりしていないもの、幹が太くしっかりしているものを選びましょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け適期は11月〜12月上旬か、2月下旬〜3月です。ただし、ほかの時期にも苗木が出回っていることがあります。入手したら、真夏や真冬を除き、植えたい場所へ早めに定植しましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って、根を傷めないように植え付けます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 環境に合って順調に育っているようであれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して根鉢をくずさないように鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝ほど下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、古い根はカットして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com ウツギは樹形が乱れやすいので、定期的に剪定をしてコンパクトな姿を保ちましょう。生命力が強く枝をどんどん伸ばすので、強めに剪定してもかまいません。ここでは、剪定の仕方について解説します。 剪定は年に2回 ウツギは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に伸ばして枝垂れさせる樹形が特徴なので、「すかし剪定」を基本とします。適期は休眠期の12月〜翌年2月。樹形が乱れやすく、放任していると次々に新しい枝が地際から伸びて込み合い、風通しが悪くなってしまいます。そこで、徒長枝や細くて弱々しい枝、他の枝に絡んで生育の邪魔になっている枝を選び、分岐部まで遡るか、地際で切り取りましょう。 また樹形をコンパクトに保ちたい場合は、花後の6月頃に古い枝を選んで地際近くで切り取るとよいでしょう。8月には花芽ができるので、花後すぐに行うことがポイントです。 切り戻し ウツギの枝が四方八方に伸びて、どうにも手がつけられないくらいに大きくなってしまった場合、2月頃に思い切って全ての枝を地際で切り取ってリセットする方法があります。ただし開花前に行うので、その年の開花はあきらめる必要があります。毎年行ってよいものではなく、切り戻しをする場合は4〜5年に1回をめどに行うとよいでしょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ウツギは、挿し木で増やすことが可能です。挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ウツギは挿し木で増やせます。 ●枝を15cmほどの長さで切る ウツギの挿し木の適期は、6〜7月です。新しく伸びた枝を切り口が斜めになるように15cmほど切り取ります。 ●1時間ほど水につける 採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。 ●育苗ポットに挿す 3号の黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。挿し穂についた葉は1〜2枚残してほかは取り除き、水の吸い上げと葉からの蒸散のバランスをとります。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は、日当たり・風通しのよい場所に移動しましょう。 ●1カ月半で植え替え 十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 育てやすいウツギは庭の彩りや生け垣におすすめ PFMphotostock/Shutterstock.com 初夏に白やピンクの花を密につけて、息を呑むように美しい咲き姿を見せてくれるウツギ。暑さや寒さに強くて、放任してもよく育ちます。萌芽力が強く強めに剪定してもかまわないので、管理がしやすい花木です。庭に植栽して、毎年の開花を愛でてはいかがでしょうか。
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樹木

【おしゃれな庭木】アメリカテマリシモツケの魅力とは?人気品種と失敗しない育て方
アメリカテマリシモツケの基本情報 Cristina Ionescu/Shutterstock.com 植物名:アメリカテマリシモツケ学名:Physocarpus opulifolius英名:common ninebark和名:アメリカテマリシモツケ(亜米利加手鞠下野)その他の名前:ナインバーク、キンバコデマリ、キンヨウシモツケ科名:バラ科属名:テマリシモツケ属原産地:北アメリカ東部形態:落葉性低木 アメリカテマリシモツケの学名は、Physocarpus opulifolius(フィソカルプス・オプリフォリウス)。バラ科テマリシモツケ属の落葉樹です。原産地は北アメリカ東部。暑さや寒さに耐え、育てやすい花木の1つです。愛らしい花を咲かせ、黄色やライムグリーン、ブロンズ色の葉を持つ品種もあることから、カラーリーフとしても人気です。 アメリカテマリシモツケの花や葉の特徴 Marinodenisenko/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5月中旬~6月樹高:1.5〜2m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 アメリカテマリシモツケは樹高1.5〜2mの低木で、地際から枝が多数出る株立ちの樹形が特徴です。放任すると株幅が大きくなって場所を取りがちですが、毎年の剪定によって程よくコントロールすることができます。 開花期は5月中旬〜6月で、花色は白。径1cmほどの5弁花で、個々の花は小さいのですが、花茎の頂部に集まって咲くため手毬のように見えます。満開の頃には、その手毬状の花をたくさんつけるので大変華やかです。葉は浅めに切れ込みの入る3〜5裂葉で、葉色はグリーンのほか黄、ブロンズなど、カラーリーフとして楽しめる品種もあります。晩秋になると葉を落として休眠します。 アメリカテマリシモツケの名前の由来や花言葉 ElenVik/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケという名前は、アメリカを原産として日本に伝わったことと、シモツケに似た手毬のような丸い花を咲かせることから。英名のナインバークは、幹の樹皮(バーク)がはがれることに由来します。 アメリカテマリシモツケの花言葉は「努力」です。 アメリカテマリシモツケの代表的な種類 人気の高い花木として注目を集めているアメリカテマリシモツケには、園芸種もあります。中でもポピュラーな品種をご紹介しましょう。 ‘ルテウス’ delobol/Shutterstock.com 明るい黄金葉を持つ品種。芽吹いた頃が特に発色がよく、まるで花が咲いたかのように見えます。花つきもよく、花、葉ともに楽しめます。 ‘ディアボロ’ KanphotoSS/Shutterstock.com 特に人気の高い品種で、黒みがかったブロンズ色の葉を持つことで知られています。白い花とのコントラストも美しく、ガーデンで目を引く存在に。 ‘タイニーワイン’ Maria Evseyeva/Shutterstock.com 従来の品種よりもコンパクトにまとまるため、限られたスペースなどに向いています。明るいブロンズ色の葉が特徴ですが、黄金葉の‘タイニーワインゴールド’もあります。 ‘サマーワイン’ photowind/Shutterstock.com 黒みがかったブロンズの‘ディアボロ’と矮性種の‘ナナ’を親に持つ品種。優秀な両親の血を引き継いで、コンパクトにまとまります。葉色は黒みがかった深いブロンズ、花色は白に淡いピンクがのります。 ‘ダーツ・ゴールド’ Dave Harrison-Ward/Shutterstock.com 芽吹いた頃は黄色の葉を展開し、季節が進むと明るいライムグリーンになります。樹形もやや小さめにまとまり、扱いやすい品種です。 アメリカテマリシモツケの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5月中旬〜6月植え付け・植え替え:3〜4月、10~11月肥料:1〜3月、6月~7月上旬剪定:6月~7月中旬 アメリカテマリシモツケの栽培環境 Cristina Ionescu/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しがよい場所で管理します。ただし、夏の強い日差しを浴び続けると葉焼けすることがあるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけ・水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌を好みます。アメリカテマリシモツケは低木ではありますが、株立ちタイプで横に広がりやすいので、広めの場所を確保しておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、耐寒性はマイナス15~25℃。暑さ・寒さに耐えるので、一年を通して戸外で管理でき、夏越し・冬越し対策などは特に必要ありません。 アメリカテマリシモツケの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 1〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 また、開花後の6月〜7月上旬に緩効性肥料を与えます。これは開花によって消耗した木に感謝する意味も込めて「お礼肥」といいます。忘れずに与えて、体力回復を促してあげましょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 アメリカテマリシモツケに発生しやすい病気は、うどんこ病、黒星病などです。 うどんこ病はカビによるもので、葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 黒星病は、カビによるもので、雨が多い18〜20℃の環境を好むため5〜7月に発生しやすく、葉、枝、果実に被害が現れます。黒っぽくて丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり・風通しをよくし、込み合っている枝などはすかすように剪定して予防しましょう。感染した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用のある殺菌剤を散布して防除します。 【害虫】 アメリカテマリシモツケに発生しやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アメリカテマリシモツケの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉色が鮮やかで病害虫の痕がなく、茎がしっかりとしたものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケの植え付け適期は3〜4月か、10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗木が出回っていることがあるので、入手したら早めに定植します(ただし真夏・真冬を除く)。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って、根を傷めないように植え付けます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後に、たっぷりと水を与えます。 環境に合って順調に育っているようであれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 8〜10号鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して、根鉢をくずさずに鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に伸ばす樹形が特徴なので、剪定は、「すかし剪定」を基本とします。樹形は自然に整うのですが、放任していると次々に新しい枝が地際から伸びて込み合い、風通しが悪くなってしまいます。そこで、古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、枝の途中で切らずに地際から切り取りましょう。 剪定の適期は開花後の6月〜7月中旬。伸びた枝に翌年花が咲くため、花をたくさん楽しみたい場合は花芽を落とさないよう花後すぐに剪定を行い、晩夏~秋冬の剪定は避けましょう。花よりも葉を楽しみたい場合は、随時切り戻しをすることで、整った姿で葉をこんもりと茂らせることができます。 夏越し・冬越し MariMarkina/Shutterstock.com ●夏越し 【地植え】 夏の暑さには強いのですが、強い日差しを浴び続けると葉焼けすることがあります。美しい葉姿を保つなら、遮光ネットを張って対策しておくとよいでしょう。植え付ける際に西日が当たる場所を避け、朝のみ日が差す東側や高木の株元などを選ぶのも一案です。 【鉢植え】 暑さには強いのですが、強い日差しが当たり続けると葉焼けすることがあります。真夏は直射日光が当たらない、半日陰の場所に移動して葉焼けを防ぎましょう。 ●冬越し 【地植え・鉢植えともに】 寒さに大変強いので、寒冷地でも戸外での越冬が可能で、特に対策の必要はありません。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケは、挿し木、株分けで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、アメリカテマリシモツケは挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、6〜7月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、蒸散のバランスを取るために下葉を取り、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動して鉢上げしながら育成し、十分な大きさになったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 【株分け】 株分けの適期は、4〜6月か10月〜11月上旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株を掘り上げて株分けをします。地際から出ている枝が4〜5本ずつ付くように、スコップなどを根に差し込んで切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 アメリカテマリシモツケが咲かない原因 M. Schuppich/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケの花が咲かない場合、主な原因として次の2つが考えられます。 剪定時期 日照不足 よくあるケースが、剪定の時期が遅れて花芽を落としてしまっていること。翌年の花を楽しみたい場合は、花後すぐの6月~7月中旬に剪定を済ませましょう。秋以降に深く剪定すると花芽を落としてしまい、翌年の開花が減ってしまいます。 また、日照不足も花付きが悪くなる要因の1つです。光が足りないと葉色も悪くなりやすいため、日当たりのよい場所で育てるのが美しい花や葉を楽しむポイントです。花が咲きにくいと感じたら、生育環境を見直してみましょう。 ガーデニングビギナーにもおすすめの低木! 季節の移ろいを楽しもう Anna Gratys/Shutterstock.com アメリカテマリシモツケは、近年とても人気が高まっている庭木です。初夏に愛らしい花を咲かせるだけでなく、ブロンズ色やライム色など、カラーリーフとしても魅力的な品種が豊富で、ガーデンの骨格づくりやカラーコーディネートに活躍します。庭やベランダのアクセントとして、取り入れてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

【夏の電気代節約】アサリナで作る! おしゃれな緑のカーテンの育て方&メリット徹底解説
アサリナの基本情報 AKI's Palette/Shutterstock.com 植物名:アサリナ学名:Asarina英名:Asarina、trailing snapdragon、climbing snapdragon和名:ツタバキリカズラ(蔦葉桐葛)その他の名前:ツルキンギョソウ(蔓金魚草)科名:オオバコ科属名:アサリナ属(キリカズラ属)、マウランディア属原産地:北アメリカ、ヨーロッパ形態:多年草(宿根草) アサリナは、学名Asarinaがそのままの流通名になっています。オオバコ科アサリナ属(キリカズラ属)に分類されていましたが、代表種であるアサリナ・バークレイアナを含め、分類変更によりマウランディア属に移動したものもあります。多年草ですが、冬の寒さに弱く冬越しが難しいために、日本では一年草として扱われることも多いです。原産地は北アメリカ、ヨーロッパなど。耐寒温度は0℃ほどで、凍結する地域では寒さ対策が必要です。つるを旺盛に伸ばして生育するつる性植物で、2〜5mにまで範囲を広げます。環境に合えば、こぼれ種で増えることもあります。 アサリナの花や葉の特徴 Walter Erhardt/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:6月下旬〜11月中旬草丈:2〜5m耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:青、紫、ピンク、黄、白など アサリナの開花期は6月下旬〜11月中旬で、夏から秋まで長く楽しめます。花色は青、紫、ピンク、黄、白など。花は径4cmほどで、オオバコ科らしい、先が開いた釣り鐘形です。細くてもしっかりしたつるは長く伸び、緑のカーテン作りにも。葉はハート形で、互生につきます。 緑のカーテンとして活躍 つる性植物で生育旺盛なアサリナは、自由に伸ばしたい場合はトレリスやフェンスに絡ませながら育てます。葉をよく茂らせて秋まで生育するので、緑のカーテンとして利用することも可能です。ゴーヤやアサガオほど広がらないので、やや小さめのスペースにおすすめ。リビングや個室前に仕立てれば、日差しを遮ってくれるとともに、夏の間、愛らしい開花も楽しめます。 また、摘心しながら垂れ下がるように育てれば、ハンギングにも活用できます。 アサリナの名前の由来や花言葉 Walter Erhardt/Shutterstock.com アサリナの旧属名のAsarinaはスペイン語でキンギョソウ属を意味するAsuramに由来し、草姿がキンギョソウに似ていることにちなみます。また、和名のツタバキリカズラの由来は、花がキリの花に、葉がツタの葉に似ていることからとされています。 アサリナの花言葉は「信じる心」「飾らぬ美」です。 アサリナの代表的な種類 アサリナにはいくつかの種類があります。主なものをご紹介します。 アサリナ・バークレイアナ James Nature Pics/Shutterstock.com 日本で一般的に流通している種で、学名はAsarina barclaiana。アイビーに似た葉を付け、ツタバキリカズラの和名はこの種を指します。原産地はメキシコです。葉や花がやや小さめで、つるが細く華奢な印象があります。葉は無毛なのが特徴。 アサリナ・スカンデンス Walter Erhardt/Shutterstock.com 学名はAsarina scandens。一般的なバークレイアナに比べてややつる性が弱く、こんもり育ちます。 アサリナ・プロクンベンス iPlantsman/Shutterstock.com 学名はAsarina procumbens。現在では唯一アサリナ属に分類されています。原産地はフランス南部、スペイン西北部です。開花期は5〜7月で、花色は白〜クリーム、葉はシルバーがかります。草丈は10cmほどで、這うように広がるのが特徴。水はけのよい場所を好み、ロックガーデンにも向きます。他の品種に比べると寒さに強く、冬越しさせやすい種類です。 アサリナの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6月下旬〜11月中旬植え付け・植え替え:5〜6月肥料:6〜10月種まき:5月頃 アサリナの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になります。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、冬越しに挑戦する場合は冬は室内に取り込むとよいでしょう。 【置き場所】水はけがよく、有機質に富んだふかふかの土壌を好みます。真夏の西日に当たると葉焼けを起こすことがあるので、夏は西日が強く当たらない場所で管理するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 寒さにはやや弱く、耐寒温度は0℃程度。最低気温が0℃を下回る地域で地植えにしている場合は、一年草として利用したほうがよいでしょう。寒くなる前に鉢上げし、凍結しない場所で越冬させるのも一案です。 アサリナの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れても、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 6〜10月に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性の肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1回を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので注意してください。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 アサリナに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。放置すると光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪いと、発病しやすくなります。感染したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。花がらや枯れ葉を放置せず、込み合っている茎葉は間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 アサリナに発生しやすい害虫は、アブラムシ、コナジラミなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 コナジラミは、植物の葉裏について吸汁します。体長は1mmほどと大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時は、スプレータイプの適用のある薬剤を散布して対処してください。 アサリナの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が短く、茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え laenon/Shutterstock.com アサリナの植え付け・植え替えの適期は5〜6月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。苗が複数の場合は、25〜30cm間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくのが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 アサリナは環境に合って順調に育っているようであれば、毎年植え替える必要はありません。 【鉢植え】 やや深めの8〜10号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢栽培の場合は、根詰まりを防ぐために毎年植え替えましょう。植え替えの際は、しばらく水やりを控えて土を乾かし、作業しやすいようにしておきます。鉢から株を取り出して根がびっしりと詰まっていたら、根鉢を少しずつくずして古い根や土を取り除き、再び植え直します。 アサリナの日常のお手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【支柱やフェンスに誘引】 アサリナは、つるを伸ばして他者に絡みながら生育するので、「他者」となるものを用意する必要があります。地植えの場合はフェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラ、ポールなど。鉢栽培では、あんどん仕立て用の支柱セットを使うのもよいでしょう。 仕立て方は特に決まりごとはなく、つるが重なったり絡みあったりしないように、バランスよく整理しながら構造物に誘引していきます。込み合ってしまう場合は、生育期でもカットしてかまいません。全体に日がよく当たり、風通しがよい環境をつくることが大切です。 【摘心】 幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、分枝してつるをたくさん出すようになります。まず、本葉が3枚ついた頃に、茎の先端をカット。カットした部分の下からわき芽が出て、2〜3枚本葉がついた頃に先端をカット。この作業を繰り返すと、つるが増えて生育範囲を広げることができます。あまり範囲を広げたくない場合は省いてもよい作業です。 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次々に花がつき、長く咲き続けてくれます。 増やし方 Taras Garkusha/Shutterstock.com アサリナは、種まき、挿し芽で増やすことができます。 【種まき】 アサリナは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 発芽適温は20〜25℃。種まきの適期は、気温が十分に上がって遅霜の心配がなくなる4~5月です。種まき用のトレイに市販の草花用培養土を入れて種子を播き、ごく薄く覆土してください。種子が流れ出すことがないように、トレイより1回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。発芽までは乾燥しないように管理しましょう。発芽したら日当たりがよく、風通しのよい場所に移します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、アサリナは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、5〜6月です。新しく伸びた茎葉を10〜15cm、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。順調に生育し、根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 アサリナで緑のカーテンを育ててみよう galsand/Shutterstock.com 初夏から秋までの長い期間にわたって、素朴なベル形の花を咲かせるアサリナ。夏は天然の日除けとしてグリーンカーテンにするのもおすすめです。リビング前や個室前に、アサリナのつるを仕立てて夏を涼しく過ごしてはいかがでしょうか。
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【梅雨対策】雨で増えるバラの病気。プロも使う“土の処方箋”って?
全国で増えているバラの「べと病」とは? べと病の初期症状。不規則な褐色の斑点が特徴。 近年、全国のバラ園やバラ愛好家の庭で「べと病」の発生が増えています。この病気は、葉に不規則な褐色の斑点が現れ、やがて全体的に変色して落葉するのが特徴です。感染が広がると葉がほとんど落ちてしまうので光合成が制限され、花付きや株の健康を大きく損なう厄介な病気なのです。 黒星病で黄変が進んだ株。べと病は黒星病も誘発する。 特に梅雨時期のように湿度が高く、朝晩の気温差が激しい環境では発生リスクが高まり、気づかないうちに広がってしまうことも。近年の気候変動により、長雨や高湿、極端な寒暖差といったストレス要因が重なることで、べと病にかかりやすい状態が各地で常態化してきました。 べと病の発生しやすい条件 気温が15〜22℃前後/春〜初夏、秋などの中間季に多く発生 湿度が高い状態が続く/梅雨・長雨・曇天が多い時期は特に注意 朝晩の寒暖差が大きい/10℃以上の気温差があると、葉が結露しやすく病原菌が繁殖しやすい 夜露やもやで葉が濡れたままになることが多い/晴れない日や風通しが悪い場所で特にリスクが高い 日照不足/光合成が十分にできず、株が弱って病気にかかりやすくなる 下葉に泥はねが起きやすい環境(雨や水やり)/土壌の病原菌が葉に付着しやすくなる べと病が厄介なのは、一度感染すると株全体が弱り、うどんこ病や黒星病など他の病害にもかかりやすくなる点。ですから、予防と早期の対策がますます重要になっています。 気候はコントロールできない…ではべと病にどう対応するか? こうしたべと病の予防において、近年見直されつつあるのが“土壌環境”の整備です。湿度や気温といった外的要因を完全に防ぐことは難しいからこそ、根の周囲を健やかに保ち、植物の基礎体力を高めることが有効だと注目されています。中でも、保水性と通気性のバランスがよく、根の呼吸を妨げず、病原菌の繁殖を抑えるような“土の質”は、バラの健康に直結します。 そうした背景のもと、プロの現場や愛好家の間で採用が進んでいるのが、活力剤で知られるメネデール社が開発した土壌資材「バイオマイスター」です。 バイオマイスターとは?——土の環境を整える“処方箋” バラにも草花にも使えるバイオマイスター。見事な花つきのピンクのバラは‘クイーンズ・ロンドン・チャイルド’。 バイオマイスターは、植物の根圏環境を整えることを目的に開発された資材で、保水性・排水性・通気性のバランスに優れた土壌を形成するのが特徴。具体的には、配合素材の組み合わせと含有微生物の働きによって根腐れや病害のリスクを抑えたり、過酷な気象条件にも対応しやすい環境を作ることができます。また、有機物を多く含むため、環境への配慮が求められる近年のガーデニングにも適しており、バラ、宿根草、果樹、家庭菜園など幅広い植物に応用できます。 バラの名園でも「バイオマイスター」を土壌改良に活用 今まさに見頃を迎えている国営越後丘陵公園の「ながおか香りのばら園」。園内は甘い香りに包まれている。 その性能はプロのガーデナーからも高く評価され、全国のバラ園でも導入が進められています。その1つが新潟県長岡市にある国営越後丘陵公園の「ながおか香りのばら園」。800品種・2,400株以上のバラが咲き誇り、春と秋に開催される「香りのばらまつり」では、全国から多くの来園者が訪れる花の名所です。 バラと宿根草が美しいハーモニーを奏でる「ばらと草花のエリア」。雪国の環境に合う宿根草が選ばれている。 園内は、バラの歴史に沿ったガーデンや香りのテーマで構成されたエリアなど、華やかな彩りと芳香にあふれた空間が広がっています。また、バラだけでなく、宿根草や低木、四季折々の草花も植栽され、庭づくりのアイデアをもらえる場所としても愛されています。 緑を背景に、‘セプタード・アイル’や‘コンスタンス・スプライ’などピンクのバラが絡むアーチが見事。フォトスポットとしても人気。 丘陵地帯の深い緑が背景になっており、鮮やかな花々がいっそう際立つのもこのバラ園の魅力ですが、その環境条件は一方で課題ももたらします。庭園のデザインや管理にあたるガーデナーの越智文朗さんは「ここは春から初夏にかけては、朝晩の寒暖差が大きく、園内にモヤがかかることもよくあります。こうした気候条件は、べと病の発生要因となる湿度の停滞や葉の濡れが起きやすいんです」と話します。 バイオマイスターをマルチングして栽培した‘カクテル’。見事な花つきの扇状の仕立て。 そこで、バラ園では2024年春からバイオマイスターを活用してみることになりました。業務用バイオマイスター40Lを160袋(計6,400L)使用し、腐葉土と混ぜてバラの株元へのマルチング材として利用しています。 バイオマイスターの多彩な活用法 鉢の底を抜いて根が地中に広がっているユニークな仕立ての‘アイスバーグ’。鉢の表土にバイオマイスターをマルチングしてある。 この「マルチング」という使用方法も、バイオマイスターがバラのプロや愛好家から支持される理由の1つです。「バラ園には大株に育って植え替えができない古い株もあるので、マルチングで土壌改良ができるのも導入のポイントになりました」(越智さん)。 表土をバイオマイスターで覆うことで、土壌表面にある有害菌の下葉への跳ね返りや活性化を抑えることにも繋がります。マルチングのほか、バイオマイスターは下記のように植物の特性や生育環境に応じて柔軟に使えます。 ◾️マルチ資材として:花木や果樹のマルチ資材として最適です。肥料と有効微生物類が混入されているので、寒肥・追肥としても使えます。 ◾️培養土の素として:植物が健全に育つための基本資材に使用できます。植物の特性に合わせて配合量を変えることで、オリジナルの専用培養土が作れます。 ◾️追肥や元肥として:植え替え時の元肥や追肥のように使用できます。バーク堆肥やピートモスを含む有機質資材と肥料が混合されているため、有機物と栄養分を同時に与えることができます。肥料分には、有機物主体の安全性の高い素材を使用しています。 これらの特性により、バイオマイスターはプロの農家や生産者、造園業者などからも信頼の厚い土壌改良資材として評価されています。 近年の気候変動と土壌環境の見直し 四季咲き性や繰り返し咲き性のバラは夏場対策も必須。左は2025年殿堂入りを果たしたバラ‘ガートルード・ジェキル’、右は‘ルデュテ’。 近年は、夏の猛暑や集中豪雨の影響で、植物の生育環境が過酷さを増しています。根の呼吸が阻害されるほどの長雨や、地表がカラカラに乾く猛暑の中で植物を守るためには、単に水やりや日陰対策だけでは不十分です。土壌の質を根本から見直し、ストレスを減らす環境を整えることが、これからのガーデニングには欠かせません。 その点、バイオマイスターによるマルチングは、強い日差しから根を守りつつ、土壌環境を整えて植物の生育をサポートしてくれるので、夏場の利用も効果絶大です。実際、春先から梅雨に施したマルチングの効果が夏場にも継続し、猛暑の中でもバラの葉がしおれることなく、しっかりと立ち上がっていたという報告もメネデール社に届いています。 あなたの庭にも、プロ仕様の土壌環境を 一重の大輪バラ‘シュロップシャー・ラス’の周りをジギタリスやスカビオサなどの草花がやさしく彩る。 バイオマイスターを導入した国営越後丘陵公園の「ながおか香りのばら園」は、2025年5月に広島県福山市で開催された第20回世界バラ会議において、世界バラ会連合から「優秀庭園賞」を受賞しました。この賞は庭園の美しさ、土壌環境を含めた管理の質、学術的観点からの評価に基づいて選定されるもので、世界的に認められたバラ園の1つとして、その名声を高めています。 美しいバラを堪能しながらバラの進化の歩みを知ることができるモダンローズの歴史エリア。 園芸のプロフェッショナルが信頼し、バラの名園でも使用される「バイオマイスター」。土づくりに悩む方、バラや草花がうまく育たない方には、ぜひ一度試していただきたい資材です。大切なのは、植物を取り巻く“土の環境”を整えること。根が健康であれば、植物は応えてくれます。 あなたの庭でも、バイオマイスターの力を取り入れて、花も緑も元気な空間づくりを始めてみませんか?土が変われば、庭が変わる。その一歩として、プロが選ぶ資材を、あなたの手でぜひ体験してみてください。



















