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【夏の電気代節約】アサリナで作る! おしゃれな緑のカーテンの育て方&メリット徹底解説

【夏の電気代節約】アサリナで作る! おしゃれな緑のカーテンの育て方&メリット徹底解説

Walter Erhardt/Shutterstock.com

夏の厳しい暑さ、そして気になる電気代…。そんなお悩みには、窓辺に作る「緑のカーテン」が効果的です! 特につる性植物のアサリナは、初夏から秋にかけて旺盛に生育し、暑い夏に天然の日除けとなる「グリーンカーテン(緑のカーテン)」作りに好適。かわいらしいベル形の花を長く咲かせ、窓辺をおしゃれに彩りながら、日差しを遮ってくれる優れものです。この記事では、アサリナを使った緑のカーテンで電気代を節約しつつ、花も楽しむメリットと、詳しい育て方を徹底解説。ぜひ、あなたのお家もアサリナで快適&エコな夏を過ごしてみませんか?

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アサリナの基本情報

アサリナ
AKI’s Palette/Shutterstock.com

植物名:アサリナ
学名:Asarina
英名:Asarina、trailing snapdragon、climbing snapdragon
和名:ツタバキリカズラ(蔦葉桐葛)
その他の名前:ツルキンギョソウ(蔓金魚草)
科名:オオバコ科
属名:アサリナ属(キリカズラ属)、マウランディア属
原産地:北アメリカ、ヨーロッパ
形態:宿根草(多年草)

アサリナの学名はAsarina で、学名がそのままの流通名になっています。オオバコ科アサリナ属(キリカズラ属)に分類されていましたが、代表種であるアサリナ・バークレイアナを含め、分類変更によりマウランディア属に移動されたものもあります。多年草ですが、冬の寒さに弱く冬越しが難しいために、日本では一年草として扱われることも多いです。原産地は北アメリカ、ヨーロッパなど。冬の耐寒温度は0℃ほどで、凍結する地域では冬の寒さ対策が必要です。つるを旺盛に伸ばして生育するつる性植物で、2〜5mほどにまで範囲を広げます。環境に合えば、こぼれ種で増えることもあります。

アサリナの花や葉の特徴

アサリナ
Walter Erhardt/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:6月下旬〜11月中旬
草丈:2〜5m
耐寒性:やや弱い
耐暑性:普通
花色:青、紫、ピンク、黄色、白など

アサリナの開花期は6月下旬〜11月中旬で、夏から秋まで長く楽しめます。花色は青、紫、ピンク、黄色、白など。花のサイズは4cmほどで、ゴマノハグサ科らしい、先が開いた釣り鐘形です。細くてもしっかりしたつるは長く伸び、緑のカーテン作りにも。葉はハート形で、互生につきます。

緑のカーテンとして活躍

つる性植物で生育旺盛なアサリナは、自由に伸ばした場合はトレリスやフェンスに絡ませながら育てます。葉をよく茂らせて秋まで生育するので、緑のカーテンとして利用することも可能です。ゴーヤやアサガオほど広がらないので、やや小さめのスペースにおすすめ。リビングや個室前に仕立てれば、日差しを遮ってくれるとともに、夏の間愛らしい開花も楽しめます。

また、摘心しながら育てれば、枝を垂れ下がるように仕立てるハンギングなどにも向きます。

アサリナの名前の由来や花言葉

アサリナ
Walter Erhardt/Shutterstock.com

アサリナの旧属名のAsarinaはスペイン語でキンギョソウ属を意味するAsuramに由来し、草姿がキンギョソウに似ることにちなみます。また、和名のツタバキリカズラの由来は、花がキリの花に、葉がツタの葉に似ていることからとされています。

アサリナの花言葉は「信じる心」「飾らぬ美」です。

アサリナの代表的な種類

アサリナにはいくつかの種類があります。主なものをご紹介します。

アサリナ・バークレイアナ

アサリナ
James Nature Pics/Shutterstock.com

日本で一般的に流通している種で、学名はAsarina barclaiana。アイビーに似た葉を付け、ツタバキリカズラの和名はこの種を指します。原産地はメキシコです。葉や花がやや小さめで、つるが細く華奢な印象があります。葉は無毛なのが特徴。

アサリナ・スカンデンス

アサリナ
Walter Erhardt/Shutterstock.com

学名はAsarina scandens。一般的なバークレイアナに比べてややつる性が弱く、こんもり育ちます。

アサリナ・プロクンベンス

アサリナ
iPlantsman/Shutterstock.com

学名はAsarina procumbens。現在では唯一アサリナ属に分類されています。原産地はフランス南部、スペイン西北部です。開花期は5〜7月で、花色は白〜クリーム色、葉はシルバーがかります。草丈は10cmほどで、這うように広がるのが特徴。水はけのよい場所を好み、ロックガーデンにも向きます。他の品種に比べると寒さに強く、冬越しさせやすい種類です。

アサリナの栽培12カ月カレンダー

開花時期:6月下旬〜11月中旬
植え付け:5〜6月
肥料:6〜10月
種まき:5月頃

アサリナの栽培環境

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】アサリナは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので、日光不足に注意してください。ただし、夏場に西日が強く当たる環境では葉焼けすることがあるので注意します。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、冬越しに挑戦する場合は冬は室内に取り込むとよいでしょう。

【置き場所】水はけがよく、有機質に富んだふかふかの土壌を好みます。真夏の西日に当たると葉焼けを起こすことがあるので、夏は西日が強く当たらない場所で管理するとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

寒さにはやや弱く、耐寒温度は0℃程度。地植えにしている場合は、最低気温が0℃を下回る地域では、一年草として利用したほうがよいでしょう。寒くなる前に鉢上げして凍結しない場所で越冬させるのも一案です。

アサリナの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
topseller/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れても、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

肥料

肥料
Pawel Beres/Shutterstock.com

【地植え】

元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない時などがあれば、液肥を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

6〜10月に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性の肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので、与える際には注意してください。

注意する病害虫

アブラムシ
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【病気】

アサリナに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

【害虫】

アサリナに発生しやすい害虫は、アブラムシ、コナジラミなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜んで春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。

アサリナの詳しい育て方

苗の選び方

苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
laenon/Shutterstock.com

アサリナの植え付け・植え替えの適期は5〜6月です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、25〜30cm間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくのが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。

アサリナは環境に合って順調に育っているようであれば、毎年植え替える必要はありません。

【鉢植え】

鉢の大きさは、やや深めの8〜10号鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢栽培している場合は、根詰まりを防ぐために毎年植え替えましょう。植え替えの際は、しばらく水やりを控えて土を乾かしておき、作業しやすいようにしておきます。鉢から株を取り出して根がびっしりと詰まっていたら、根鉢を少しずつ崩して古い根や土を取り除きましょう。根鉢を崩して小さくし、再び植え直します。

アサリナの日常のお手入れ

剪定
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【支柱やフェンスに誘引】

アサリナは、つるを伸ばして他者に絡みながら生育する植物なので、「他者」となるものを用意する必要があります。例えばフェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラ、ポールなどです。鉢栽培ではあんどん仕立て用の支柱セットを準備しておくとよいでしょう。

仕立て方は特に決まりごとはなく、枝同士が重なったり絡みあったりしないように、バランスよく整理しながら構造物に誘引していきます。ほかの枝と込み合いすぎてしまう場合は、生育期でも込んでいる部分をカットしてもかまいません。各枝に日がよく当たり、風通しがよい環境をつくることが大切です。

【摘心】

アサリナは、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、分枝してつるをたくさん出すようになります。まず、本葉が3枚ついた頃に、茎の先端をカット。カットした部分の下からわき芽が出て2〜3枚本葉がついた頃に先端をカット。この作業を繰り返すと、つるが増えて生育範囲を広げることができます。あまり範囲を広げたくない場合は省いてもよい作業です。

【花がら摘み】

アサリナは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

増やし方

種まき
Taras Garkusha/Shutterstock.com

アサリナは、種まき、挿し芽で増やすことができます。

【種まき】

アサリナは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

アサリナの発芽適温は20〜25℃くらい。種まきの適期は、気温が十分に上がって遅霜の心配がなくなる5月頃です。種まき用のトレイに市販の草花用培養土を入れて種子をまき、ごく薄く覆土してください。種子が流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。発芽までは乾燥しないように管理しましょう。発芽したら日当たりがよく、風通しのよい場所に移します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、アサリナは挿し芽で増やせます。

アサリナの挿し芽の適期は、5〜6月です。新しく伸びた茎葉を10〜15cmほど、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。順調に生育し、根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

アサリナで緑のカーテンを育ててみよう

アサリナ
galsand/Shutterstock.com

初夏から秋までの長い期間にわたって、素朴なベル形の花を咲かせるアサリナ。夏は天然の日除けとしてグリーンカーテンにするのもおすすめです。リビング前や個室前に、アサリナのつるを仕立てて夏を涼しく過ごしてはいかがでしょうか。

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