近年、全国のバラ園や庭で発生が増えている「ベト病(べと病)」。葉に褐色の斑点が現れ、やがて落葉してしまう、バラにとって厄介な病気です。特に湿度が高まる梅雨時期は注意が必要。病気の連鎖を防ぐには、日々のケアに加えて“土から整える”視点も大切です。そんな中、プロや愛好家の間でひそかに注目されているのが、バラの根を支える“土壌資材”。土づくりの重要性が改めて見直される今、バラの美しさと健康を守るための新しい選択肢を、実例とともにご紹介します。
目次
全国で増えているバラの「ベト病」とは?

近年、全国のバラ園やバラ愛好家の庭で「ベト病」の発生が増えています。この病気は、葉に不規則な褐色の斑点が現れ、やがて全体的に変色して落葉するのが特徴です。感染が広がると葉がほとんど落ちてしまい、株の光合成が制限され、花付きや株の健康を大きく損なう厄介な存在なのです。

特に梅雨時期のように湿度が高く、朝晩の気温差が激しい環境では発生リスクが高まり、気づかないうちに広がってしまうことも。近年の気候変動により、長雨や高湿、極端な寒暖差といったストレス要因が重なることで、ベト病にかかりやすい状態が各地で常態化してきました。
ベト病の発生しやすい条件
- 気温が15〜22℃前後/春〜初夏、秋などの中間季に多く発生
- 湿度が高い状態が続く/梅雨・長雨・曇天が多い時期は特に注意
- 朝晩の寒暖差が大きい/10℃以上の気温差があると、葉が結露しやすく病原菌が繁殖しやすい
- 夜露やもやで葉が濡れたままになることが多い/晴れない日や風通しが悪い場所で特にリスクが高い
- 日照不足/光合成が十分にできず、株が弱って病気にかかりやすくなる
- 下葉に泥はねが起きやすい環境(雨や水やり)/病原菌が土壌から葉に付着しやすくなる
ベト病が厄介なのは、一度感染すると株全体が弱り、うどんこ病や黒星病など他の病害にもかかりやすくなる点。ですから、予防と早期の対策がますます重要になっています。
気候はコントロールできない…ではベト病にどう対応するか?
こうしたベト病の予防において、近年見直されつつあるのが“土壌環境”の整備です。湿度や気温といった外的要因を完全に防ぐことは難しいからこそ、根の周囲を健やかに保ち、植物の基礎体力を高めることが有効だと注目されています。中でも、保水性と通気性のバランスがよく、根の呼吸を妨げず、病原菌の繁殖を抑えるような“土の質”は、バラの健康に直結します。
そうした背景のもと、プロの現場や愛好家の間で採用が進んでいるのが、活力剤で知られるメネデール社が開発した土壌資材「バイオマイスター」です。
バイオマイスターとは?——土の環境を整える“処方箋”

バイオマイスターは、植物の根圏環境を整えることを目的に開発された資材で、保水性・排水性・通気性のバランスに優れた土壌を形成するのが特徴。具体的には、配合素材の組み合わせと含有微生物の働きによって根腐れや病害のリスクを抑えたり、過酷な気象条件にも対応しやすい環境を作ることができます。また、有機物を多く含むため、環境への配慮が求められる近年のガーデニングにも適しており、バラ、宿根草、果樹、家庭菜園など幅広い植物に応用できます。
バラの名園でも「バイオマイスター」を土壌改良に活用

その性能はプロのガーデナーからも高く評価され、全国のバラ園でも導入が進められています。その一つが新潟県長岡市にある国営越後丘陵公園の「ながおか香りのばら園」。800品種・2,400株以上のバラが咲き誇り、春と秋に開催される「香りのばらまつり」では、全国から多くの来園者が訪れる花の名所です。

園内はバラの歴史に沿ったガーデンや香りのテーマで構成されたエリアなど華やかな彩りと芳香にあふれた空間が広がっています。また、バラだけでなく、宿根草や低木、四季折々の草花も植栽され、庭づくりのアイデアをもらえる場所としても愛されています。

丘陵地帯の深い緑が背景になっており、鮮やかな花々がいっそう際立つのもこのバラ園の魅力ですが、その環境条件は一方で課題ももたらします。庭園のデザインや管理にあたるガーデナーの越智文朗さんは「ここは春から初夏にかけては、朝晩の寒暖差が大きいことがあり、園内にはモヤがかかることもよくあります。こうした気候条件は、ベト病の発生要因となる湿度の停滞や葉の濡れが起きやすいんです」と話します。

そこで、バラ園では2024年春からバイオマイスターを活用してみることになりました。業務用バイオマイスター40Lを160袋(計6,400L)使用し、腐葉土と混ぜてバラの株元へのマルチング材として利用しています。
バイオマイスターの多彩な活用法

この「マルチング」という使用方法もバイオマイスターがバラのプロや愛好家から支持される理由の一つです。「バラ園には大株に育って植え替えができない古い株もあるので、マルチングで土壌改良ができるのも導入のポイントになりました」(越智さん)。
表土をバイオマイスターで覆うことで、土壌表面にある有害菌の下葉への跳ね返りや活性化を抑えることにも繋がります。マルチングの他、バイオマイスターは下記のように植物の特性や生育環境に応じて柔軟に使えます。
◾️マルチ資材として:花木や果樹のマルチ資材として最適です。肥料と有効微生物類が混入されているので寒肥・追肥としても使えます。
◾️培養土の素として:植物が健全に育つための基本資材に使用できます。植物の特性に合わせて、配合量を変えることで、オリジナルの専用培養土が作れます。
◾️追肥や元肥として:植え替え時の元肥や追肥のように使用できます。バーク堆肥やピートモスを含む有機質資材と肥料が混合されているため、有機物と栄養分を同時に与えることができます。有機物主体の安全性の高い素材を使用しています。
これらの特性により、バイオマイスターはプロの農家や生産者、造園業者などからも信頼の厚い土壌改良資材として評価されています。
近年の気候変動と土壌環境の見直し

近年は、夏の猛暑や集中豪雨の影響で、植物の生育環境が過酷さを増しています。根の呼吸が阻害されるほどの長雨や、地表がカラカラに乾く猛暑の中で植物を守るためには、単に水やりや日陰対策だけでは不十分です。土壌の質を根本から見直し、ストレスを減らす環境を整えることが、これからのガーデニングには欠かせません。
その点、バイオマイスターによるマルチングは、強い日差しから根を守りつつ、土壌環境を整えて植物の生育をサポートしてくれるので、夏場の利用も効果絶大です。実際、春先から梅雨に施したマルチングの効果が夏場にも継続し、猛暑の中でもバラの葉がしおれることなく、しっかりと立ち上がっていたという報告もメネデール社に届いています。
あなたの庭にも、プロ仕様の土壌環境を

バイオマイスターを導入した国営越後丘陵公園の「ながおか香りのばら園」は、2025年5月に広島県福山市で開催された第20回世界バラ会議において、世界バラ会連合から「優秀庭園賞」を受賞しました。この賞は庭園の美しさ、土壌環境を含めた管理の質、学術的観点からの評価に基づいて選定されるもので、世界的に認められたバラ園の一つとして、その名声を高めています。

園芸のプロフェッショナルが信頼し、バラの名園でも使用される「バイオマイスター」。土づくりに悩む方、バラや草花がうまく育たない方には、ぜひ一度試していただきたい資材です。大切なのは、植物を取り巻く“土の環境”を整えること。根が健康であれば、植物は応えてくれます。

あなたの庭でも、バイオマイスターの力を取り入れて、花も緑も元気な空間づくりを始めてみませんか?土が変われば、庭が変わる。その一歩として、プロが選ぶ資材を、あなたの手でぜひ体験してみてください。
メネデール社のホームページ https://www.menedael.co.jp
国営越後丘陵公園
住所 新潟県長岡市宮本東方町字三ツ又1950-1
「香りのばらまつり」5月24日(土)〜6月15日(日)まで開催中。
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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