【プロが伝授】「黒い器」でおしゃれに映える! 身近なマグや缶で楽しむ秋のフラワーアレンジ術&バリエ
秋が深まると、赤や紫、こっくりとしたオレンジなど、植物たちもこの季節らしい豊かな色彩を見せてくれます。そんな秋の花々を引き立ててくれるのが、普段はちょっと出番の少ない“黒い器”。「黒い器は花を活けるのが難しそう」「重たく見えそう」と思われがちですが、じつは花の色をきゅっと引き締め、植物の魅力を一番引き立ててくれる優秀なカラーです。
今回は、フラワー&フォトスタイリストの海野美紀さんが、黒い器を使った秋のアレンジバリエをご紹介。マグカップや紅茶缶など身近な黒いアイテムを使ったアレンジなので、専用の花器がなくても大丈夫! 黒が映える秋の花飾りを始めてみませんか?
目次
じつは万能! 秋の花を引き立てる「黒い器」

秋が深まると、植物の色合いも少しずつ変化していきます。深みのある赤や紫、こっくりとしたオレンジ、落ち着いたブラウン。実ものや色づいた葉も加わり、秋ならではの豊かな表情を楽しめる季節です。
そんな秋の植物に合わせて、花を生ける器も衣替えしてみませんか。

春から夏にかけては、透明感のあるガラスの花器や、爽やかな白いフラワーベースが活躍しました。けれど、秋の花には、少し重厚感のある器や、落ち着いた色合いの器もよく似合います。
そこで今月は、普段はちょっと出番の少ない「黒い器」に注目。黒いフラワーベースを使ったアレンジメントと、身近な器を活用するアイデアをご紹介します。

黒い器というと、「花を生けるには難しそう」「暗い印象になりそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、黒は花の色を引き締め、植物の輪郭や質感を際立たせてくれる色。選ぶ花や合わせ方によって、シックにも、華やかにも、カジュアルにも楽しめます。

じつは、私自身も普段は黒い器をあまり使いません。
黒は存在感があるだけに、花よりも器が目立ってしまうのではないか、全体が重たい雰囲気になってしまうのではないか、と考えてしまうことがあります。また、器のデザインによっては、あらたまった印象になり、日常の花飾りには少し使いにくいと感じることも。
けれど、黒い器も、ちょっとした工夫で印象を変えることができます。
マグカップや紙カップ、紅茶の缶も花器に! アレンジ実例集

花器として販売されているものだけでなく、身の回りを見渡してみると、花を活けるのに使えそうな黒い器が意外と見つかります。黒いマグカップや、デザイン性のある紙カップ、紅茶の缶などもその候補。フラワーベース以外でも、素敵なデザインのものがたくさんありますね。小さな花を数本活けるだけでも、気軽に花飾りを楽しめます。

こうした器に水を入れる場合は、まず水が漏れない素材かどうかを確認しましょう。紙カップなどを使うときは、水を入れた小さな容器(落とし)を中に収める方法もあります。

いつも使っている花器にこだわらず、ぜひ身近なものを取り入れて、黒い器のアレンジを楽しんでください。

<使った花>

- ニチニチソウ
- ジニア
- アルテラナンテラ
- ペチュニア
- サンキライ
プランターで育てている花も、秋冬バージョンに植え替えどき。そろそろ終わりのニチニチソウ、ジニア 、ペチュニアなどを使うことにしました。ここに秋らしい植物を加えると、今の季節感が演出できます。

ストライプリボンで、黒い器を軽やかに変身させる

「器をアレンジしてみよう」と思ったときに、手軽に試せるのが、器にリボンを巻く方法です。
例えば、黒い器にストライプ柄のリボンを巻けば、シンプルな器に動きが生まれ、少し軽やかな印象に。チェック柄や細いサテンリボン、麻ひもなど、素材や柄を変えるだけでも雰囲気が変わります。秋らしさを演出したいなら、ブラウンやボルドー、深いグリーンなどのリボンを合わせるのもおすすめです。
<使った花>

- ユーカリ・ポポラス:丸みのある葉がやわらかな動きを生み、アレンジ全体の骨格を作ります。
- ユーカリ:葉の形や枝ぶりを生かして、自然な広がりを演出します。
- バラ:華やかさを添える主役の花。黒い器と組み合わせることで、花色がいっそう引き立ちます。
- ローゼル:実物が入ると、雰囲気が変わります。
- オミナエシ:細かな花がふんわりと広がり、アレンジに軽やかさを添えます。
黒い器に合わせるときは、花の色だけでなく、葉の形や実の質感にも目を向けてみましょう。大きな花、小さな花、丸みのある実、細かな花の集まり。異なる形や質感を組み合わせることで、黒い器の存在感に負けない、奥行きのあるアレンジに仕上がります。

<アレンジ手順>
1. 黒い器の周りにストライプ柄のリボンを巻きます。ずれないようにクリップなどで固定するとよいでしょう。リボンの幅や柄によって印象が変わるので、器の大きさとのバランスを見ながら選びます。
2. 器に水を入れ、切り花の水に浸かる部分の葉を取り除きます。花を活ける前に余分な下葉を取り除いておくと、水が汚れにくくなり、また器の中がごちゃごちゃになりません。
3. ユーカリでアレンジ全体の骨格を作ります。

まずはユーカリ・ポポラスやユーカリを活け、アレンジ全体の大きさと輪郭を決めます。枝を少しずつ違う方向へ向けると、自然な広がりが生まれます。最初からきっちり形を整えようとせず、植物の枝ぶりを見ながら配置していきましょう。
4. ローゼルを加え、秋らしいアクセントを添えます。

すべてを同じ高さにそろえず、少し高低差をつけると自然な表情になります。
5. バラとオミナエシで、華やかさと軽やかさをプラス。

最後にバラとオミナエシを入れ、花の向きや高さを調整します。主役となるバラがきれいに見える位置を探しながら、周囲の植物とのバランスを整えましょう。オミナエシは、細かな花がふんわりと広がるように加えます。花と花の間を埋め尽くすのではなく、適度な空間を残すと、軽やかな仕上がりになります。
少し離れたところから眺め、器と植物のバランスを確認したら完成です。
黒い器に秋の植物を合わせることで、落ち着きのある、季節感豊かなアレンジメントになりました。
10月1日はブラックドッグデー!

黒い犬に感謝し、黒い犬たちを守ろうとアメリカで制定された「National Black Dog Day(黒い犬の日)」。“黒い”というだけで、根拠のない迷信やイメージから敬遠される動物たちがいます。欧米では黒い犬は譲渡先が見つかりにくく、保護施設に取り残されやすいことが問題視されてきました。この状況は「ブラックドッグ・シンドローム(黒い犬症候群)」と呼ばれています。
そこで黒い犬にも新しい家族との出会いを増やそうと、ドッグトレーナーで犬のライフスタイル専門家でもあるコリーン・ペイジさんが、10月1日を“ブラックドッグデー”と制定しました。
きっかけは、コリーンさんが保護施設で出会った黒い犬セーラー。セーラーはコリーンさんの愛情を受けて、幸せな家庭犬として暮らしました。10月1日はセーラーの命日。コリーンさんは、セーラーが教えてくれた愛を、世界中の黒い犬たちにつなげたいと願いを込めて、この日を通じて黒い犬を家族に迎えることを呼びかけています。
我が家の黒い犬。年齢を重ねて、白い毛が増えてきました。そんな姿もまた、愛おしく思う今日この頃です。
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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