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【プロ一推し】黄色やピンクに甘い香りも⁉︎ 定番だけじゃない「ムスカリ」の進化とおすすめ10選

【プロ一推し】黄色やピンクに甘い香りも⁉︎ 定番だけじゃない「ムスカリ」の進化とおすすめ10選

球根を購入し、春の庭づくりに想いを馳せる秋のガーデニングシーズン。春咲きの小球根「ムスカリ」は“青紫”というイメージがありますが、じつは、鮮やかな黄色や柔らかなピンク、甘い香りをまとった品種や、ユニークな八重咲きなど、進化系のムスカリが登場して注目を集めています。ボタニカルショップのオーナーで園芸家の太田敦雄さんが選ぶおすすめ10品種の魅力と、春の庭を彩る植え方のコツをご紹介します。

植えっぱなしで春を彩る! 定番から個性派まで、ムスカリおすすめ10選

春の庭を彩る球根植物の中でも、ひときわ親しみやすい存在のムスカリ。

小さなブドウの房を思わせる青紫色の花は、チューリップやスイセンなどと並んで、春のガーデニングに欠かせない定番の花ですよね。

ムスカリ
Konoplytska/Shutterstock.com

ところが、ムスカリの魅力は、おなじみの青紫色の花だけではありません。

澄んだ空色や淡いピンク、白緑色、さらには黄色の花を咲かせるものもあり、花の表面に艶やかな光沢があったり、八重咲きの小花がカリフラワーのように密集したり、羽毛のような不思議な花序を形成したりと、そのバリエーションは実に多彩です。

ムスカリ‘ゴールデンフレグランス’ 
ムスカリ‘ゴールデンフレグランス’ Alex Manders/Shutterstock.com

また、ムスカリは単独で花を楽しむだけでなく、宿根草やオーナメンタルグラス、ほかの春咲き球根植物と組み合わせることで、庭の景色をより豊かにしてくれる植物でもあります。

ムスカリ‘ピンクサンライズ’
ムスカリ‘ピンクサンライズ’ Kletr/Shutterstock.com

今回は、原種ならではの野趣を感じさせるものから、個性的な園芸品種まで、私がおすすめしたいムスカリ10種類をご紹介します。

それぞれの花色や造形の魅力に加えて、植えっぱなしで毎年楽しむための育て方や、春の庭を美しく見せる植栽デザインのコツについても解説していきましょう。

春の庭に欠かせない小球根植物、ムスカリの魅力

ムスカリはキジカクシ科ムスカリ属(Muscari)に分類される球根植物で、主に地中海沿岸からヨーロッパ南部、西アジアなどにかけて分布しています。

ムスカリ
VleugjeNatuur/Shutterstock.com

多くの種類は、秋から冬にかけて葉を伸ばし、早春から春に開花。

その後、初夏にかけて地上部を枯らし、夏は球根の状態で休眠するという生育サイクルを持っています。

ムスカリの特徴といえば、やはり小さな壺形や鐘形の花が集まって形成される、ブドウの房のような花序でしょう。

英語で「Grape Hyacinth(グレープヒヤシンス)」と呼ばれるのも、この独特の花姿に由来します。

日本では青紫色の花を咲かせるムスカリ・アルメニアクム(Muscari armeniacum)が広く普及していますが、ムスカリ属にはさまざまな原種があり、花色だけでなく葉の幅や花序の形、開花時期などにも違いがあります。

ムスカリ・コモスム
ムスカリの珍しい原種、コモスム。Anastasiia Sapozhnikova/Shutterstock.com

ムスカリを植栽素材として考えたとき、特に面白いのは、その小さな花がつくり出す色彩の効果です。

チューリップやスイセンのような比較的大きな花が庭の中で視線を集める存在だとすれば、ムスカリは地表近くに色彩の層をつくり、植栽全体をつなぐ役割を果たしてくれます。

ムスカリの庭
Viktoriia Kolosova/Shutterstock.com

一輪一輪は小さくても、ある程度まとまった数が咲くことで、春の庭に青や紫の色彩がリズミカルに現れるんですよね。

また、宿根草主体の庭では、冬に地上部が枯れた植物が多いため、4月頃はまだ地面が見える部分が多くなりがちです。

そんな時期に、宿根草の株間からムスカリが咲き上がってくると、庭の景色が一気に春らしくなります。

やがて宿根草が成長して葉を広げる頃には、ムスカリは花を終え、徐々に休眠へと向かいます。

つまり、ムスカリのような春咲き球根と宿根草は、生育のピークがずれているため、同じ植栽空間を季節ごとに使い分けることができるのです。

これは、限られた面積で長い期間にわたって見どころをつくるうえで、とても合理的な植栽手法といえるでしょう。

ムスカリを植えっぱなしで楽しむための育て方

ムスカリは基本的に日当たりと水はけのよい場所を好み、適した環境であれば、球根を植えっぱなしにして毎年花を楽しめるものが多い植物です。

球根の植え付けは、一般的に10〜11月が適期。深さは球根の大きさに応じて調整しますが、球根の高さの2〜3倍程度を目安にするとよいでしょう。

ムスカリの植え方

地中海沿岸など、夏に乾燥する地域を原産とする種類が多いため、日本で長く育てる際には、夏の休眠期に過湿にならないことが重要です。

特に、水はけの悪い粘土質の土壌では球根が傷みやすくなるため、必要に応じて軽石や砂利などを混ぜ込み、排水性を改善しておきましょう。

また、植えっぱなしで楽しむうえで知っておきたいのが、品種による葉の出方の違いです。

一般的なムスカリ・アルメニアクムは秋から葉を伸ばし、冬の間に細長い葉が地面に倒れ込むほど長くなることがあります。

アルメニアクム系の品種は放っておくとどんどん葉が伸びて乱雑な感じになりやすいので、伸びすぎた葉は10cm程度に切り戻してあげると、見た目が整います。

一方、ラティフォリウムなど比較的葉が短くまとまる種類もあり、花のない時期の景観には意外と大きな違いが生まれます。

ムスカリ・ラティフォリウム
葉が長く伸びないムスカリ・ラティフォリウム。Helen Pitt/Shutterstock.com

整然とした植栽では葉姿がコンパクトな種類が使いやすく、宿根草やグラスが自然に混ざり合う植栽では、多少葉が長く伸びても周囲の植物となじみやすいでしょう。

開花後の葉は、自然に黄色く枯れるまで残しておくことも大切です。

花が終わってすぐに葉を切り取ると、光合成によって球根に養分を蓄える機会が減り、翌年の花付きに影響することがあります。

ムスカリは全般的に日本の気候に合って育てやすいものも多いですが、アルメニアクムに代表されるような一般的な青花ムスカリに比べて、山岳地帯に自生する原種や、温暖で乾燥した地域を好む種類では、夏の高温多湿や冬の寒さに注意が必要な場合もあります。

「植えっぱなしで楽しめる」という魅力を生かすためにも、それぞれの種類が本来どのような環境に生育しているのかを知っておくことが大切です。

定番から個性派まで! ムスカリおすすめ10選

① ムスカリ・ラティフォリウム Muscari latifolium

トルコ原産の原種ムスカリで、一般的なムスカリの細長い葉とは異なる、チューリップを思わせる幅広の葉が特徴です。

ムスカリ・ラティフォリウム
Henk Colijn/Shutterstock.com

濃紺に近い青紫色の花序の上部に、明るい青紫色の小花が咲く、印象的なツートンカラーの花姿も大きな魅力。

下部の濃色花と上部の淡色花がつくる色彩のグラデーションは、単色のムスカリにはない複雑さと装飾性を感じさせます。

幅広の葉と端正な花序が組み合わさることで、草丈は低くても存在感があり、原種ならではの野趣と造形的な美しさを兼ね備えた種類です。

細かな葉を持つ宿根草やグラスの間に織り交ぜると、葉の形状の対比も楽しめます。

② ムスカリ・アズレウム Muscari azureum

トルコの山岳地帯などに自生する原種ムスカリで、透明感のある澄んだ空色の花が魅力です。

ムスカリ・アズレウム
FotoHelin/Shutterstock.com

一般的なムスカリの壺形の花とは異なり、小花の先端が開いた鐘形になり、花弁には繊細な筋模様が入ります。

草丈も低く、早春の地表近くに咲く姿は、いかにも山野草的な趣があります。

鮮やかな青紫色のムスカリとは違った、軽やかで清々しい印象を楽しめる種類ですね。

高山性の原種らしい繊細な魅力を生かし、水はけのよいロックガーデンやレイズドベッドなど、花を間近で観察できる場所に植えたいムスカリです。

③ ムスカリ・ネグレクタム Muscari neglectum

黒紫色に近い、非常に濃い青紫色の花が魅力の原種ムスカリです。

ムスカリ・ネグレクタム
venars.original/Shutterstock.com

花序の上部には比較的明るい青紫色の花が付き、下部の黒みを帯びた花との濃淡が印象的。小花の先端には白い縁取りが入り、暗い花色の中に繊細な表情を生み出しています。

ヨーロッパ南部から地中海沿岸、西アジアなどに広く分布し、野趣のある自然な草姿も魅力です。

春の庭では明るい花色が多くなりがちですが、こうした黒みの強い花色を取り入れると、植栽全体がぐっと引き締まります。

黄色い原種スイセンやクリーム色のチューリップなど、明るい花色との対比も美しい種類です。

④ ムスカリ‘ブリンブリン’ Muscari ‘Bling Bling’

ムスカリというと、どちらかといえばマットな質感の青紫色の花を思い浮かべますが、本品種は花の表面に独特の照り感があるのが特徴です。

ムスカリ‘ブリンブリン’
Joe Kuis/Shutterstock.com

ダークな青紫色の小花が密集し、光を受けるとピカピカと輝くような、つややかな花のテクスチャーを楽しめます。

小型の植物ですが、とてもこのピカピカのテクスチャーがとても目を引く品種です。

「ブリンブリン」というユニークな名前も、キラキラと輝く宝飾品などを連想させますね。

深みのある花色と光沢が組み合わさることで、素朴なイメージの強いムスカリに、少しシックで洗練された雰囲気を加えた品種です。

朝夕の斜光が差し込む場所では、光の角度によって変化する花の表情も見どころになります。

⑤ ムスカリ‘ピンクサンライズ’ Muscari ‘Pink Sunrise’

青紫色のイメージが強いムスカリの中では珍しい、淡いピンク色の花を咲かせる品種です。

ムスカリ‘ピンクサンライズ’ 
Walter Erhardt/Shutterstock.com

柔らかなパステルピンクの花色は、一般的なムスカリとはひと味違う、優しくロマンティックな雰囲気を感じさせます。

小さな壺形の花が集まった、ムスカリらしい可愛らしい花序の造形はそのままに、花色が変わるだけで印象が大きく異なるのが面白いところ。

クリーム色やアプリコット色あるいは黒紫色のチューリップなどと組み合わせれば、花形の組み合わせだけでなくカラーコーディネートも効いた植栽を楽しめます。

繊細な花色を生かして、小径沿いやテラスの近くなど、間近で観賞できる場所に植えるのもおすすめです。

⑥ ムスカリ‘レディマドンナ’ Muscari ‘Lady Madonna’

一般的な白花ムスカリとは少し異なる、白色にグリーンのニュアンスが加わった、珍しい白緑色の花を咲かせる品種です。

ムスカリ‘レディマドンナ’

春の芽吹きを思わせる清々しい花色は、青紫色のムスカリとはまた違った魅力があります。

白緑色の花は、庭の中で強く主張しすぎず、周囲の植物の葉色や花色を自然につなぐ役割も果たしてくれます。

特に、ライムグリーンや黄金葉の植物と組み合わせたときの、明るく透明感のある色彩の調和は魅力的。

春の庭に爽やかな印象を加えたいときや、白とグリーンを基調とした植栽に取り入れたい品種です。

⑦ ムスカリ・コモスム‘プルモスム’ Muscari comosum ‘Plumosum’

一般的なムスカリのイメージを大きく覆す、非常にユニークな花姿が魅力の品種です。

ムスカリ・コモスム‘プルモスム’

通常のムスカリのようなブドウの房状の花序ではなく、細かく枝分かれした紫色の花序が羽毛のようにふんわりと広がり、まるで繊細なレース細工のような造形を楽しめます。

原種のコモスムは地中海沿岸地域などに分布し、比較的乾燥した環境にも適応する植物です。

一般的なムスカリよりも草丈が高くなるため、宿根草ボーダーの中景に織り交ぜても面白い存在感があります。

整った花形の球根植物が多い春の庭に、少し意外性のある造形を加えてくれる、個性的なムスカリです。

※現在の植物分類では、Leopoldia comosa ‘Plumosum’ と表記されることもあります。

⑧ ムスカリ‘ネイチャービューティ’ Muscari ‘Nature Beauty’

淡い青紫色の八重咲き花が密集して、まるで小さなカリフラワーのような花序を形成する、非常にユニークな品種です。

 ムスカリ‘ネイチャービューティ’ 

一般的なムスカリのすっきりとしたブドウの房状の花序とは異なり、小花が幾重にも重なった、ふっくらとした立体的な造形が魅力。

淡い青紫色の花は柔らかな雰囲気があり、八重咲きのボリューム感がありながらも、繊細で優しい印象を与えてくれます。

花序そのものの造形が面白いので、少し離れた場所から群生を眺めるだけでなく、近くで一つひとつの花を観察してみたくなる品種ですね。

⑨ ムスカリ‘ファンタジークリエーション’ Muscari‘Fantasy Creation’

前述の‘ネイチャービューティ’と同様に、八重咲きの小花が密集して咲く、個性的な花序が魅力の品種です。

ムスカリ‘ファンタジークリエーション’
PhotoCreative10/Shutterstock.com

花色は‘ネイチャービューティ’よりも濃く、一般的なムスカリを思わせる鮮やかな青紫色。

小さなカリフラワーのように見える独特の造形はそのままに、より明快な青紫色の花を楽しめるのが特徴です。

同じ八重咲きでも、淡い花色の‘ネイチャービューティ’が柔らかな印象なのに対し、本品種は青紫色の鮮やかさによって、より力強い存在感があります。

八重咲きならではの密度感と、ムスカリらしい青紫色の両方を楽しみたい方におすすめの品種です。

⑩ ムスカリ‘ゴールデンフレグランス’ Muscari macrocarpum ‘Golden Fragrance’

青紫色の花というムスカリの一般的なイメージを覆す、鮮やかな黄色系の花を咲かせる珍しい品種です。

ムスカリ‘ゴールデンフレグランス’ 
Alex Manders/Shutterstock.com

ムスカリ・マクロカルプムを由来とする園芸品種で、咲き始めには紫色を帯びた花が、開花が進むにつれて黄色へと変化していく独特の花色が魅力。

さらに、名前のとおり甘い芳香があるのも特徴です。

地中海東部の比較的温暖で乾燥した地域に自生する原種を由来とするため、一般的な青花ムスカリとは少し異なり、冬の厳しい寒さや夏の過湿には注意したいところ。

水はけのよいレイズドベッドやロックガーデン、鉢植えなどで、その珍しい花色と芳香を楽しみたい品種です。

ムスカリを使った植栽デザインの楽しみ

春咲き球根を重ねて、花色のリズムをつくる

ムスカリを植栽に取り入れる際、まずおすすめしたいのが、チューリップやスイセンなど、開花時期の重なる春咲き球根植物との組み合わせです。

ムスカリは草丈が低く、花も小さいため、背の高い球根植物の株元を彩るのに適しています。

ムスカリとチューリップ

例えば、青紫色のムスカリにクリームイエローやアプリコット色のチューリップを合わせると、補色に近い色彩の対比によって、お互いの花色が引き立ちます。

一方、ムスカリ・アズレウムのような淡い空色の品種に、鮮黄花のチューリップ・シルベストリスや白花のスイセン‘タリア’などを組み合わせれば、繊細で自然な春の景色になります。

ムスカリとチューリップ

ポイントは、植物の高さだけでなく、花の大きさや密度にも変化をつけること。

大きな花のチューリップ、その株元に咲く小さなムスカリ、さらに地表を覆う低い草花というように、異なる高さの植物を重ねることで、平面的になりがちな春の球根植栽に奥行きが生まれます。

春咲き球根の開花期のズレを生かしていくつもシーンを切り替える

ムスカリの主な開花期は4月ですが、春咲きの球根植物は種類によって開花期が異なるので、開花期の差を生かして、次々にシーンが入れ替わるような植え方をすると、長い期間、飽きずにいろいろな花を楽しむことができます。

ムスカリの咲く春の庭

2月頃のスノードロップや早咲きのスイセン、原種シクラメンから始まり、3月のミニアイリスやクロッカス、小型の原種チューリップ、4月の上旬は早咲き種のチューリップ、4月の中下旬はムスカリとチューリップの共演、4月下旬にはカマッシアやアリウムなども徐々に加わり、5月からは宿根草に主役をバトンタッチしていく。そんなイメージです。

宿根草の株間に織り交ぜて、季節をつなぐ

植えっぱなしで育てられるムスカリの特性の生かし方として私が特におすすめしたいのは、ムスカリを宿根草主体の植栽に織り交ぜる使い方です。

ムスカリと宿根草

春咲き球根植物と宿根草は、生育のピークが異なるため、同じ場所に植えても比較的共存させやすい組み合わせです。

例えば、落葉性のゲラニウムやエキナセア、サルビア・ネモローサなどの株間にムスカリを植えておくと、宿根草が本格的に芽吹く前の4月には、地表近くで春の花を楽しめます。

やがて宿根草の葉が茂る頃にはムスカリの花は終わり、黄変していく葉も周囲の植物によって目立ちにくくなります。

ただし、常緑で密生するグラウンドカバーや、春先から急速に葉を広げる宿根草の直下では、ムスカリが光を得にくくなることもあります。

球根を植える位置は、春の地表の明るさや、周囲の植物が葉を広げる時期まで考えて決めるとよいでしょう。

自然に増え広がったような群生をつくる

ムスカリを美しく見せるためには、植える数と配置にも工夫したいところです。

真面目な性格な人ほど球根を同じ間隔で植えてしまいがちですが、そのように植えると開花時に花が等間隔に揃いすぎてどうしても人工的な印象が強くなります。

またムスカリは、少なく植えるよりは、群生美で魅せるタイプの植物です。

ムスカリの庭

自然な群生を演出するなら、5〜10球程度の小さなグループをいくつかつくり、ときどき20〜30球程度の大きな群落を交える方法がおすすめです。

それぞれの群落は等間隔に配置せず、ところどころで重なり合うように植えると、自然に増え広がったような景色になります。

球根の間隔も、適当に地面にばら撒いて落ちた位置に植えるようなランダムさを加えた方が開花時の雰囲気が自然になじみます。

また、同じ品種を庭の手前だけでなく、中景や奥にも繰り返し配置すると、視線がその花色を追うように移動し、植栽全体に一体感と奥行きが生まれます。

青紫色のムスカリを広い範囲に繰り返すのも美しいですし、淡い空色や白緑色の品種を部分的に加えて、色彩に変化をつけるのも面白いでしょう。

小さなムスカリが、春の庭の景色を変える

ムスカリは、チューリップやスイセンのような華やかな春咲き球根植物に比べると、どちらかといえば控えめな存在かもしれません。

けれども、その小さな花には、地表を彩り、異なる植物をつなぎ、庭の奥行きや季節感を豊かにする力があります。

そして、今回ご紹介したように、原種の野趣、繊細な花色、艶やかな質感、八重咲きの造形、芳香など、ムスカリの魅力は実に多彩です。

春の庭に少しだけ新しい景色を加えたいとき、ぜひお気に入りのムスカリを選んで、宿根草やほかの球根植物の間に植えてみてはいかがでしょうか。

小さな球根から始まる春の景色が、毎年少しずつ豊かになっていく。そんな時間の積み重ねも、庭づくりの大きな楽しみですね。

ムスカリのある庭

「春には、ほかのどの季節にも存在しない、特別な光がある。」

(エミリー・ディキンソンEmily Dickinson 詩人 1830〜1886)

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