スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

クリスマス&お正月にぴったり! 日陰に福をためる、スキミアの寄せ植えと花壇
スキミアが“福をためる”理由とは? スキミアが縁起のよい植物として親しまれる理由は、植物としての生育特徴にあります。 1 冬に赤いつぼみを宿すこと スキミアは、秋から冬にかけて赤いつぼみ(または実)をつけ、そのまま寒い季節を越します。赤は日本の暮らしの中で、厄を遠ざけ、生命力を象徴する色。ナンテン(南天)やセンリョウ(千両)などと同じく、冬に赤を宿す植物は、古くから縁起木として親しまれてきました。 2 すぐに咲かず、春まで力をためること スキミアのつぼみは、冬の間に一気に開花することはありません。寒さの中でじっと力を蓄え、春になってから、ようやく小さな花房となって開花します。この「待つ時間」こそが、「福をためる」「運気が熟す」と重ねられてきた理由です。 赤いつぼみは春に白い花となってふんわり咲く。Victoria Sharratt/Shutterstock.com 3 常緑で、姿を大きく変えないこと 1年を通して葉を落とさず、急激に成長しないスキミアは、庭の中で常に安定した存在。家運安定や、変わらぬ日常を象徴する植物としても、縁起を彷彿とさせるのです。 スキミアの基本情報と園芸的なメリット スキミアは、見た目の可憐さに反して、とても実用的な低木です。 分類:ミカン科スキミア属 樹形:常緑低木 樹高:30〜80cm(品種・環境による) 生育スピード:年間5〜10cmと非常にゆっくり 日照:半日陰〜明るい日陰を好む 耐寒性:強い(寒冷地でも冬越ししやすい) 管理:剪定ほぼ不要、病害虫も少なめ ゆっくり育って、ローメンテナンス スキミアは生育が非常に緩やかな低木で、年間5〜10cmしか大きくなりません。つまり、植えた姿がほぼそのまま、何年も維持され、剪定は基本的に必要ありません。「気づいたら大きくなりすぎていた」という失敗が起こりにくく、忙しい方や、手が届きにくい花壇の奥には理想的です。 日陰の花壇「後方」を支える優秀な背景植物 花壇の後方は、日照が少なく、手入れに入りにくいため、空間が間のびしがちという難点があります。スキミアは日陰適性が高く、常緑で大きくなりすぎないので、「動かない緑の背景」として最適。前景の草花が入れ替わっても、奥の景色は崩れません。 寄せ植え → 地面へ。ずっと使えるサステナブルな庭づくり 日陰になりがちな庭のエリアにスキミアの彩りを。 スキミアの大きな魅力は、寄せ植えで楽しんだあと、地面に下ろして“庭の一部”としても使い続けられること。 冬:寄せ植えで季節演出 春以降:花後に花壇へ定植 翌年以降:常緑低木として背景づくりに活躍 というように、ワンシーズンで終わらず買い替え不要なので、コスパがよく、サステナブル。“消費する寄せ植え”ではなく、「育て続ける庭づくり」に自然につながります。 病害虫の心配いらず スキミアはミカン科ですが、葉は厚くて硬めで、香り成分が強いので、虫にとっては「おいしくない」植物。また、生育が遅く柔らかい新芽も少ないので、他の昆虫もつきにくいのです。極端な過湿や蒸れがない限り、病気になることもほとんどなく、薬剤に頼らず育てられます。 冬の庭に福を招く。スキミアの寄せ植え&花壇 実例5選 冬の庭やアプローチは、どうしても緑の量感が少なく寂しくなりがちです。そんな中で常緑低木のスキミアは、艶やかな緑の葉と赤いつぼみで景色と気持ちの両方を明るくしてくれる存在です。ここでは鉢植え・寄せ植え・花壇での具体的な使い方を実例でご紹介します。 実例1|赤を主役にしたクリスマスの寄せ植え スキミアを深みのある赤いパンジーやシクラメン、チェッカーベリーと組み合わせた、華やかな冬の寄せ植え。どの植物も春まで長もちするため、クリスマスシーズンはもちろん、お正月を越しても安定感があります。春になるとスキミアが花を開き、やさしいピンク色の花房が寄せ植えの間をふわふわと埋めてくれます。 冬の装飾として完成度が高い 赤=厄除けの意味合いを演出 花が少ない時期でも「間」が持つ 実例2|落ち着いた色合わせで和洋どちらにもなじむ寄せ植え スキミアの魅力は、主張しすぎない端正さ。肉厚でツヤのある葉と、小さく密なつぼみの姿は、和にも洋にもなじんでくれます。ですから、組み合わせる植物次第で和洋どちらの表情も引き出すことができるのもスキミアならでは。この寄せ植えではパープル系のビオラやマツと合わせることで、洋風の中にもほのかな和の空気を添えています。クリスマスから、そのまま迎春用のしつらえとしても重宝する寄せ植えです。 正月飾りを添えても違和感なし 行事が終わっても、そのまま育て続けられる 実例3|白花と合わせて日陰を明るく 左は冬の赤いつぼみ。右は春の開花姿。 日陰に強いスキミアは、庭の北側や壁際を彩るのに最適。暗くなりがちな場所なので、イベリスやパンジーなど白い花を合わせると空間が明るくなり、さらにスキミアとの紅白コントラストでパッと華やかに。庭の隅々まで福を運んでくれそうです。 日陰でも色が沈まない 冬でも清潔感のある印象 春の開花期へと自然につながる構成 実例4|スキミアを背景にした1マス花壇 小さな植栽スペースでも、生育がゆっくりなスキミアは心強い存在です。常緑のスキミアを後方に配し、つぼみと同系色の宿根草のヒューケラと組み合わせて、庭の骨格を構成。その間に季節の一年草で彩りを添えることで、四季を通して表情の変化を楽しめます。壁や構造物を背景にした門袖前など、日陰になりやすく、メンテナンスに入りにくい場所にもおすすめの植栽例です。 小スペースで背景骨格として活躍 前景に一年草で季節感 実例5|寄せ植えから花壇へ。サステナブルな使い方 冬の寄せ植えで楽しんだスキミアは、春以降に花壇や庭の地植えでも再利用できます。一度きりで終わらず、庭の重要な構成要素として定住させられるのも大きな魅力。日陰になりがちでなかなか植物が育たない所や、手入れのしにくい花壇の後方でスキミアは大活躍。常緑でゆっくり育ってくれるので、ほとんど手入れの必要がありません。 庭の北側でもスキミアが活躍。クリスマスローズとも相性抜群。 毎年買い替えない=コスパがよい 植え替えの失敗が少ない 環境にもやさしい庭づくりにつながる スキミアを長く楽しむためのQ&A Debu55y/Shutterstock.com Q1|水やりはどのくらい必要ですか? A|乾きすぎないように、でも与えすぎないほうに気をつけて。 鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりが基本。冬は生育がゆっくりなので、水やりの頻度も自然と少なめになります。地植えでは、根づいてしまえば特別な水やりは基本的に不要。極端に雨が少ない時期だけ、様子を見て補います。生育が非常にゆっくりで、日陰になりがちな場所に植えられているため、乾きよりも湿った状態が長く続くことのほうが不調につながりやすいです。常に湿った状態にならないよう、水のやりすぎには注意しましょう。 Q2|どんな日照環境が適していますか? A|半日陰〜明るい日陰が最適です。 直射日光が強すぎる場所では、葉焼けや乾燥の原因になることがあります。 建物の北側 門袖前 落葉樹の下 など、夏は日陰、冬はやわらかい光が入る場所が理想的です。 Q3|花が終わったあとは、どうすればいい? A|基本的に切らなくてOK。気になる場合だけ花がらを整理します。 春に咲いた花が終わったあと、そのままにしていても生育には大きな問題はありません。見た目が気になる場合は、花房の付け根から軽く切り取る程度で十分です。枝元から切るような強剪定は不要で、むしろ切りすぎないほうが自然な樹形を保てます。 Q4|肥料は必要ですか? A|与えすぎないことが大切。控えめで十分です。 スキミアは、もともと生育がゆっくりな植物。肥料を多く与えると、かえってバランスを崩すことがあります。 鉢植え:春に緩効性肥料を少量 地植え:基本的に不要(生育が悪い場合のみ少量) 「育てようとしすぎない」のが、上手に育てるコツです。 Q5|ミカン科ですが、アゲハの幼虫はつきませんか? A|ほとんど心配はいりません。 スキミアはミカン科の植物ですが、アゲハチョウが好んで産卵するミカン属(レモンやユズ、キンカンなど)とは異なるスキミア属です。また、葉が厚くて硬く、香り成分も強いため、アゲハの幼虫にとっては食べにくい植物です。 そのため、園芸の現場ではスキミアにアゲハの幼虫がついたという例は非常に少なく、基本的には特別な対策をする必要はありません。虫が苦手な方でも、安心して庭や鉢植えに取り入れられる植物といえるでしょう。
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樹木

正月飾りにも使われるヒメユズリハとは? ユズリハとの見分け方・ユズリハとの違い・縁起の理由・育て方まで完全ガイド
ヒメユズリハの基本情報 smtd4/Shutterstock.com 植物名:ヒメユズリハ学名:Daphniphyllum teijsmannii英名:False daphne和名:ヒメユズリハ(姫譲葉、姫楪)その他の名前:オヤコグサ(親子草)科名:ユズリハ科属名:ユズリハ属原産地:日本(本州中南部・四国・九州・沖縄)、台湾形態:常緑性高木 ヒメユズリハの学名はDaphniphyllum teijsmanniiです。ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木で、冬もみずみずしい葉姿を保ちます。原産地は主に日本、台湾。国内では本州中南部、四国、九州、沖縄に分布し、温暖な気候を好みます。放任してもよく育ち、街路樹や公園などにも多く植栽されています。 ヒメユズリハの花や葉の特徴 High Mountain/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜6月 樹高:3〜10m 耐寒性:やや弱い 耐暑性:強い ヒメユズリハは自然樹高が約10mにも達する高木ですが、毎年の剪定によってほどよい高さにコントロールすることが可能です。開花期は5〜6月、雌雄異株で雄木に雄花が、雌木に雌花が咲きます。前年に伸びた枝の葉の付け根に開花しますが、雄花も雌花も花弁がないため花らしくはなく、あまり目立ちません。枝先にまとまってつく葉は長さ6~12cmで互生し、ユズリハのようには垂れ下がらないため、より爽やかな雰囲気です。花後に楕円形の果実がつき、晩秋には黒紫色に熟します。ただし、果実には毒性があるため、間違っても口にしないように注意しましょう。 smtd4/Shutterstock.com ヒメユズリハはシンボルツリーに人気! 【人気の理由➀】常緑で縁起がよいのでシンボルツリーや記念樹に向く scott mirror/Shutterstock.com ユズリハやヒメユズリハは新葉が揃うと古い葉が落ちていくことから、親が成長した子どもに跡を譲る姿にたとえられ、家が絶え間なく続くことを象徴する縁起木として、古くから好まれてきました。1年を通してみずみずしい葉を保つエバーグリーンであること、生育がゆっくりで管理もしやすいことなどから、シンボルツリーとして、また人通りが多い場所では目隠しとしても利用されています。 【人気の理由➁】正月飾りにも利用される yoshi0511/Shutterstock.com 特に西日本では、ヒメユズリハはユズリハの代用としてしめ飾りや鏡餅など、正月飾りに用いるほか、神事や豊作祈願などにも利用されてきました。そのため庭に植栽されていることが多いようです。 ヒメユズリハの名前の由来と花言葉 HoyaEuny/Shutterstock.com ヒメユズリハは漢字で「姫譲葉」または「姫楪」と書き、これはユズリハ(譲葉、楪)よりも葉が小さいことに由来します。ユズリハという名前は、春に新葉が出ると、前年の古い葉が落葉して場を譲るように見えることから名付けられました。 ヒメユズリハの花言葉は「新生」「若返り」「世代交代」で、古い葉と新しい葉の世代交代がはっきりと分かりやすいことが由来となっているようです。また、1月3日の誕生樹とされています。 ヒメユズリハとユズリハの違い ユズリハ。Hank Asia/Shutterstock.com ヒメユズリハとユズリハはユズリハ科ユズリハ属の常緑高木の仲間で、よく似ていますが、葉姿などに違いがあります。ユズリハの葉が長さ10~20cm、幅3~7cmなのに対し、ヒメユズリハは小さく、長さ6~12cm、幅3~5cm。ユズリハは葉裏が粉を吹いたように青白いのに対し、ヒメユズリハは黄緑色という違いもあります。また、ユズリハの葉は垂れ下がるようにつくのに対し、ヒメユズリハは垂れ下がらないのも特徴です。 ヒメユズリハの代表的な種類と仲間 tamu1500/Shutterstock.com ここでは、ヒメユズリハの仲間や園芸品種についてご紹介します。 ユズリハ Hank Asia/Shutterstock.com ヒメユズリハはユズリハの仲間です。ユズリハは葉が大きめで垂れ下がり、枝の出方も大ぶりで、ヒメユズリハよりもやや野生みのある印象になります。 エゾユズリハ iPlantsman/Shutterstock.com エゾユズリハは北海道や東北、北陸などに分布しており、寒さに強い性質を持っています。雪の重みに耐えるため横に広がるように伸び、高さ1~3mにまとまるのが特徴です。「エゾ」は漢字で「蝦夷」と書き、北海道に由来する名前がつきました。 スルガヒメユズリハ 昔は静岡県付近を「駿河」と呼び、この地域で多く見られることから「スルガ」の名がつきました。葉の厚みが薄く、果実がやや垂れ下がるのが特徴です。 斑入りヒメユズリハ 葉に白やクリーム色の斑が入る園芸品種で、流通量はあまり多くありません。ヒメユズリハより生育スピードが緩やかで、まとまりやすいのが特徴です。 ヒメユズリハの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜6月植え付け・植え替え:3〜5月、9~10月肥料:2〜3月剪定:6月下旬〜7月中旬、11月中旬〜12月種まき:3〜4月 ヒメユズリハの栽培環境 traction/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも生育しますが、日照が不足すると間のびしやすく、生育が悪くなります。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】やや水もちがよく、腐植質に富んだふかふかとした土壌を好みます。 耐寒性・耐暑性 ヒメユズリハは寒さにはやや弱く、耐寒温度は0~マイナス3℃前後とされているため、栽培適地は中部地方以西の暖地です。関東以北では、ユズリハやエゾユズリハなどより耐寒性のある種類を選ぶとよいでしょう。耐暑性はあるため、夏越し対策は特に必要ありません。 ヒメユズリハの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土、堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。真夏は気温が高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、枝葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、必要に応じて朝夕2回の水やりを行います。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 2〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 病気の心配はほとんどありませんが、まれに褐斑病やすす病が発生することがあります。 褐斑病は、カビによる伝染性の病気で、主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。病葉を見つけたらすぐに切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を葉の表と裏に散布して防除します。 すす病は、1年を通して葉や枝などに発生します。葉に発生すると表面につやがなくなり、進行すると黒いすすが全体を覆って光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因となるので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込み合った枝葉は剪定し、日当たり・風通しよく管理します。 【害虫】 発生しやすい害虫は、カイガラムシやカミキリムシなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすく、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に薬剤を注入するなどして駆除してください。 ヒメユズリハの詳しい育て方 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com ヒメユズリハの植え付け・植え替えの適期は3~5月、または9~10月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 栽培適地で地植えした場合、健全に育っていれば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで十分に水を与えます。 成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を整理して小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 ヒメユズリハの剪定適期は6月下旬〜7月中旬、11月中旬〜12月です。 一般家庭では、樹高2〜3mまでに抑える剪定を行うとよいでしょう。ヒメユズリハは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく長く伸びている「徒長枝」なども分岐部まで遡って切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ヒメユズリハは、種まき、挿し木で増やすことができます。 【種まき】 ヒメユズリハは開花後に果実をつけ、11月頃に黒紫色に熟します。そのタイミングで果実を採取し、種子を取り出して流水でよく洗い流しておきましょう。さらに湿らせた砂と種子を混ぜて密閉袋に入れ、春まで冷暗所で保管します。 種まきの適期は3〜4月です。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。晩秋に採取しておいた種子を密閉袋から取り出してきれいに洗い流し、黒ポットに数粒播きます。軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ヒメユズリハは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、7月頃です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10〜15cmの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所で育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えます。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ヒメユズリハは樹皮・葉の毒性に注意 Kazu Inoue/Shutterstock.com ヒメユズリハには多種類のアルカロイドが含まれ、木全体に毒性があります。特に樹皮や枝葉、果実には有毒成分が含まれているので、庭作業の際にはガーデングローブを着用するなど、取り扱いに注意しましょう。また、ペットや幼児が誤って口にすることがないように管理してください。 縁起がよくてお手入れも簡単! シンボルツリーとして育ててみよう High Mountain/Shutterstock.com ヒメユズリハは新芽が出揃うと古い葉を落とすことから、代替わりと家の繁栄を象徴する縁起植物として愛されてきました。お正月飾りにも重宝するので、シンボルツリーとして庭に植栽してはいかがでしょうか。
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冬のプチ贅沢 “おうち焚き火”入門|準備も片づけもラクラクな便利グッズ5選
庭先が“冬のプチ贅沢ラウンジ”に変わる、おうち焚き火の魅力 ぱちぱちと薪のはぜる音とオレンジ色のゆらぎだけに意識を傾けるひとときは、スマホから少し離れて「何もしない贅沢」を味わえる、冬ならではのプチご褒美。 しかも舞台は、遠くのキャンプ場ではなく自分の庭やデッキ。朝は焚き火を囲んで温かいスープやコーヒーと一緒に朝食を、昼は子どもとマシュマロを焼きながら外遊びを、日が傾く時間には読書やおしゃべりを楽しむなど、1日を通して自由なタイミングで火を楽しめるのが「おうち焚き火」のいいところ。思い立ったときにすぐ火をおこせる距離感が、日常の中に炎の時間を取り入れやすくしてくれます。 ファイヤーピット(焚き火台)を中心に、お気に入りのチェアとブランケット、温かい飲み物を用意すれば、そこはもう“冬の焚き火ラウンジ”。重たい荷物を運ぶ必要もなく、キッチンやトイレもすぐそばで、小さな子どもが疲れたらそのまま家の中へ。無理に人里離れた場所へ出かけなくても、庭やテラスがあれば、日常のすぐ横に「火のある時間」をつくることができます。 直火禁止の場所でも楽しめる「ファイヤーピット(焚き火台)」 台座付きの浅いボウル状のファイヤーピット(焚き火台)は、地面から浮いた構造になっているので、熱が下に伝わりにくいのが特徴です。芝生やデッキなど直火が心配な場所でも、耐熱マットやコンクリート平板などを併用すれば使いやすく、庭の景観を守りながら焚き火を楽しめます。 ※芝生や床材の種類によっては、ファイヤーピットを直置きせず、耐熱マットやコンクリート平板など耐熱性の高い下地を敷いてからお使いください。 【ポイント】 火床が高いので地面に焦げ跡がつきにくい ボウル状で灰が飛び散りにくく、後片づけも簡単 シンプルなデザインで、庭の景色になじみやすい 薪を三角に組めば、炎がまっすぐ立ち上がり、寒い夜でも顔まわりまでしっかり温か。マシュマロを炙ったり、ホットワインを片手に炎を眺めたり――冬の庭時間がぐっと豊かになります。 ※床材によっては、耐熱マットやコンクリート平板など耐熱性の高い下地を敷いてからお使いください。 薪もインテリアの一部になる「ウッドストレージ」 焚き火を楽しむなら、薪をどう置いておくかも大切です。そこで役立つのが「ウッドストレージ」。写真のような布製のログキャリータイプなら、薪をまとめて運べるうえ、そのまま玄関脇やデッキに置くだけで、ちょっとしたアウトドアの雰囲気に。 薪が転がらず、足元がすっきり安全 使いたいときにサッと取り出せる 片づけるときは折りたたんでコンパクトに 「薪をストックする」という必需品が、そのまま冬の庭のアクセントにもなります。 火おこしが驚くほどスムーズに「チャコールスターター&ベローズ」 焚き火のハードルになりがちなのが、「火おこしに時間がかかる」こと。でも、チャコールスターター(火おこし器)とベローズ(手動送風機)を組み合わせれば、この悩みが一気に解決します。 チャコールスターターの使い方 1. スターターの中に炭または小割りの薪を入れる。 2. 底部に着火剤や新聞紙をセットして火をつける。 3. ベローズでピンポイントに送風。 4. 煙突効果で上下に空気が流れ、内部が一気に高温に。 5. 炭全体が真っ赤になったら、ファイヤーピットにざっと移す。 チャコールスターターは穴があいた筒状の構造で、どんどん空気が入り、短時間でしっかり火がつくのがポイントです。ベローズはハンドルを開閉するたびに空気が送り込まれ、弱い火やくすぶった炭もみるみる勢いを増します。離れた場所から風を送れるので、火に近づきすぎず安全。 この2つがあれば、「なかなか火がつかない」「うちわであおぎ疲れた…」というストレスとはお別れ。冬の貴重な時間を、待ち時間ではなく“焚き火を楽しむ時間”に使えます。 火の後始末まできちんと「灰入れバケツ&シャベル」 最後に忘れてはいけないのが、灰の処理。燃え残った炭は、見た目では消えていても、内部が赤くくすぶっていることがあります。そこで活躍するのが「灰入れバケツ&シャベル」です。 耐熱性のあるスチールバケツで、熱を持った灰も安心して回収 付属シャベルで、焚き火台の隅に残った灰もきれいにすくえる フタ付きなので、風で灰が舞い上がらず、そのまま一時保管が可能 完全に冷めたのを確認してから、自治体のルールに沿って処分すれば、後片づけもスマート。「片づけが大変だから焚き火はちょっと…」という方にもおすすめです。 焚き火の遠赤外線でじんわりおいしく! 簡単“おうち焚き火料理” デンマークの伝統的な焚き火パン。棒にパン生地を巻きつけ、遠火であぶって焼き上げる。mahc/Shutterstock.com 焚き火の魅力は、炎を眺めるだけでなく、遠赤外線の熱で食べ物がおいしくなることにもあります。炭火と同じように、表面はこんがり、中はふっくらジューシーに火が入るので、ソーセージや串に刺したパン生地など、シンプルな食材でもごちそうに。 ファイヤーピットにしっかりと熾火(おきび)をつくったら、火から少し離した位置でゆっくり回しながら焼くのがコツです。 【レシピ1】朝ごはんにも◎ カリッと香ばしい焚き火ホットドッグ Jordan Feeg/Shutterstock.com 焚き火の遠赤外線は、ソーセージをパリッとジューシーに焼き上げるのが得意。朝ごはんやランチにぴったりの簡単ホットドッグです。 <材料(2人分)> ソーセージ…4本 ロールパン or コッペパン…2個 ケチャップ、マスタード…適量 <作り方> ファイヤーピットで薪を燃やし、炎が落ち着いて熾火になった状態をつくる。 ソーセージを焚き火用の串に刺し、熾火の上でゆっくり回しながら焼く。表面がこんがり色づいたらOK。 パンも軽くあぶって、外側を香ばしく温める。 焼きたてのソーセージをパンに挟み、ケチャップとマスタードをかけていただきます。 ※熾火でも近くは焦げやすいので、薪から少し離れた位置でじっくり焼くのがコツです。 【レシピ2】甘い香りがたまらない シナモンりんごの包み焼き Viktoria Hodos/shutterstock.com デザートにもおやつにもなる、冬にうれしいホットスイーツ。アルミホイルで包んでファイヤーピットの端に置くだけなので、ほかの料理をしながら同時進行で作れます。 <材料(1人分)> りんご…1個 バター…10g 砂糖またははちみつ…大さじ1〜2 シナモン…少々 <作り方> りんごは上部を横にカットし、芯を取ります。 アルミホイルを二重に重ねて広げ、りんごを並べる。砂糖(またははちみつ)、シナモン、バターをのせ、しっかり包む。 ファイヤーピットの炎が弱い端のほうに置き、10〜15分ほど蒸し焼きにする。 りんごが透き通ってトロッとしてきたら出来上がり。器に盛り、あればバニラアイスを添えても。 アルミホイルを開けた瞬間に立ちのぼる、シナモンとりんごの甘い香りもごちそうです。 【レシピ3】体の芯から温まる 焚き火ミルクココア Sunny Forest/Shutterstock.com 焚き火のそばで飲むホットドリンクは格別。市販のココアパウダーを使えば、あっという間に“焚き火カフェ”の気分が味わえます。 <材料(1人分)> 牛乳…200ml ココアパウダー(加糖タイプでもOK)…大さじ2ほど お好みでマシュマロ…数個 <作り方> 耐熱(直火可)のマグカップか小鍋に牛乳とココアパウダーを入れ、よく混ぜておく。 ファイヤーピットの上に耐熱スタンドや網を置き、その上でココアを温める。ふつふつと湯気が立ってきたら火から下ろす。 マグに注ぎ、お好みでマシュマロを浮かべてどうぞ。 ※焚き火で温めるときは、直火で使用できる容器かどうかを必ず確認し、軍手や耐熱グローブを使って火傷に注意しましょう。 庭先で焚き火を楽しむための安全ポイント 冬の焚き火を長く楽しむために、最低限、次の点は守りましょう。 近隣の条例や集合住宅の規約を事前に確認する 強風の日は焚き火をしない ファイヤーピットの周囲に、燃えやすいものを置かない 水の入ったバケツや消火用ホースを必ず用意する 炎が完全に消え、灰が冷めたことを確認してからその場を離れる 庭先を“冬の焚き火ラウンジ”に 山奥へ出かけなくても、自分の庭で安全に楽しむ焚き火時間は、心も体もじんわり温めてくれます。山のキャンプの安全面が気になったり、物価高で遠出を控えたり――。そんな今だからこそ、自分の庭やデッキを“冬のリビング”として育ててみませんか。 直火禁止の場所でも楽しめる「ファイヤーピット(焚き火台)」 薪をセンスよくストックできる「ウッドストレージ」 超スピーディーに火おこしできる「チャコールスターター(火おこし器)」と「ベローズ(手動送風機)」 後始末まで安心な「灰入れバケツ&シャベル」 この5アイテムがあれば、準備から片づけまでスムーズ。この冬は、焚き火アイテムを揃えて、“冬の焚き火ラウンジ”を始めてみませんか。マフラーを巻いて外に出れば、そこには炎のぬくもりと、ゆったり流れる時間が待っています。お気に入りのチェアとブランケットも用意すれば、庭先が冬だけの特等席になりますよ。 使用上のご注意 室内やガレージ内、テント内、タープの下では絶対に使用しない。 着火剤や燃料の代わりにガソリン、灯油、ガス、アルコールなどを使用しない。 火力が大きくなりすぎないよう燃料を載せすぎない(炎が高く上がったり、本体の変形・変色のおそれ)。 起伏や傾斜がない所に設置し、必ず安定した状態で使用する。 着火後は目を離さない。燃焼中は絶対にその場を離れない。
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宿根草・多年草

【12月の花】植えっぱなしで毎年咲く「原種シクラメン」の育て方とおすすめ品種ガイド
原種シクラメンとは? 魅力と園芸品種との違い 私はガーデニングをするとき、シクラメンを「室内用シクラメン」「鉢植え用ガーデンシクラメン」「庭植え用原種シクラメン」というように3つに分類して用途ごとに使い分けています。 室内用シクラメン 古くから贈答用の鉢花として親しまれている園芸品種のシクラメンです。5〜6号鉢(直径15〜18cm)に植わった状態で販売されていることが多く、豪華に仕立てられています。寒さには弱いので、室内の窓辺に飾って楽しむのに最適。夏にしっかり休ませて秋からまた育てれば、翌年も咲きます。ただし、外で夏越しできる環境が必要です。 鉢植え用ガーデンシクラメン 園芸品種のシクラメンの中から、比較的寒さに強い小型種を育成した品種群をガーデンシクラメンと呼びます。庭植えにできますが、霜や雪に当たると花が傷んで復活が難しいので、軒下など屋根がある場所で鉢植えや寄せ植えにするのに向きます。一般的に一年草扱いです。 庭植え用原種シクラメン 原種シクラメンは地中海沿岸の野山に自生する小型種です。霜にも強く、庭に植えっぱなしで毎年花を咲かせます。場所さえ合えば、球根がどんどん太って花数が増えていきます。もちろん、鉢植えでも育てることができます。その魅力は、 小さく素朴な花が愛らしい 葉の模様が美しい 夏に休眠する省エネ植物 手間をかけずに毎年咲く など。 特に、落葉樹の下で他の草花が休んでいる季節に主役になれるのが大きな魅力。庭の冬景色に“静かなドラマ”を生み出してくれます。 鉢植えで複数の原種シクラメンを寄せ植え。 原種シクラメンの育て方のキホン 丈夫でよく増える冬咲きの原種シクラメン・コウム。Alex Manders/Shutterstock.com 原種シクラメンは丈夫で栽培しやすい球根植物ですが、生育サイクルが他の多くの植物と異なるので、まずは生育サイクルを知ることから始めましょう。 【原種シクラメンの生育サイクル】 原種シクラメンは種類によって開花期が異なりますが、夏に休眠して秋に芽吹き、冬〜春に葉で球根を太らせるというサイクルは共通です。 秋に丸い球根の中央からつぼみが出始めた原種シクラメン・ヘデリフォリウム。 【原種シクラメンの季節ごとのお手入れ】 原種シクラメンは「少ない資源で生き延びる」性質が強いため、地植えは基本肥料不要。鉢植えは秋に少量の置き肥だけで十分。肥料のやりすぎは球根のトラブルにつながります。 ■鉢植えのコツ(初心者におすすめ) 水やり:秋〜冬は控えめに、鉢土の表面が乾いたら 置き場所:明るい日陰(北向きの玄関先など) 肥料:緩効性の置き肥を秋に少量 鉢:やや浅いタイプが理想(球根が蒸れにくい) 10年以上鉢植えで育っている原種シクラメンの巨大な球根。 浅い鉢で新しい用土に植え替え。 ■庭植えのコツ 場所:落葉樹の株元(夏は木陰、冬は光が入る理想環境) 土:水はけのよい土。腐葉土をたっぷり混ぜる 植え込み時期:秋(根が動き出すタイミング) 夏は:周りの落葉で自然に覆われ、放任でOK 肥料:基本不要。痩せ地を好み、肥料が多いと葉ばかり茂って花をつけにくい。養分過多は球根腐りのリスク 秋の初めには新芽やつぼみに光が当たるよう、雑草や落ち葉を整理して開花を促す。 【押さえたい3原則】 失敗しないためのポイント理由夏は断水して休ませる休眠期は水が多いと球根腐りの原因に水はけ・風通しのよい半日陰蒸れと直射日光を避けて健全に育つ浅植えにする球根は地表近くで光を感じて成長する 水はけと風通しをよくするために、庭では小高く土を盛った落葉樹の下に植えています。ガーデニングの最中に足を踏み入れると、土が踏み固められて、いつの間にか水はけが悪くなってきてしまうので、ところどころ石を置いてロックガーデン風にし、あまり足を踏み入れないようにも工夫しています。 おすすめ品種5選 葉の模様の美しさ、丈夫さ、冬の庭での活躍度から厳選しました。 1|コウム(Cyclamen coum) 強健で初心者向き。 丸い葉×ピンクや白の花が愛らしい 真冬〜早春に開花 2|ヘデリフォリウム(C. hederifolium) 強健で成長旺盛・群生しやすい 花後に展開する葉模様が美しい 秋に開花 3|グラエカム(C. graecum) Michalis Koulieris/Shutterstock.com 花後に展開する葉模様が芸術的 暑さ・乾燥に強いタイプ 主に秋に開花しヘデリフォリウムよりやや遅い 4|プルプラセンス(C. purpurascens) 17Aleksandr Naumenko/Shutterstock.com 夏も葉が残りやすく、日陰に強い 花色が濃く、特に香りがよい 夏から秋に開花 5|ペルシカム(C. persicum) Plamen Peev/Shutterstock.com 強権で生育が早い 乾燥に強い 真冬から春に開花 原種シクラメンのよくある失敗と対処法 ❌ 夏に水をやる → 球根腐り→ 地上部が枯れたら、完全断水で休眠。 ❌ 深植え → 花つき悪化→ 球根は地表から上部が見えるくらいに浅植え。 ❌ 風通し不足 → 病気→ 周りの植物が混み合いすぎないように。また盛り土で高めに。 ❌ 冬に室内へ取り込む→ 室内は暖かすぎて徒長の原因。寒さには強いので基本屋外で。 原種シクラメンが映える庭デザイン例 秋冬に空くスペースをおしゃれに埋めるという発想で取り入れると、庭が一段と美しくなります。落葉樹の株元にシクラメン・ヘデリフォリウムをかたまりで植えます。開花期は地面から湧き上がるような躍動感が庭に演出できます。 落葉期は光が差し込み、春〜夏は木陰ができるため、夏の休眠を守り、冬に見どころを作る理想の植栽位置です。冬の庭が「沈黙」ではなく「静かな賑わい」を感じられるエリアに。 八重咲きクリスマスローズの株元に、かわいいピンクの原種シクラメン・コウムを寄り添うように配置。冬の主役、クリスマスローズと、地面を彩るシクラメン、それぞれが役割をこなし立体的な景観を生み出しています。“背の高い植物の足元にポイントカラーを置くこと”で、冬〜早春の地際の寂しさをなくすテクニック。 テラコッタ鉢に植えた原種シクラメンを、地植えの庭に置いてなじませるスタイル。鉢の縁に近い位置で花を咲かせる性質と相性がよく、庭のどの角度からでも存在感があります。鉢なら季節に合わせて移動ができるので、日照条件の調整もしやすく初心者向き。また、花期を迎える場所に“旬の色”を連れて来られるのも利点です。 原種シクラメン栽培まとめ & チェックリスト 夏は断水で休眠させる 風通しのよい半日陰 浅植えで球根を呼吸させる 庭植えは落葉樹の下が理想 原種シクラメンは、放任でも毎年かわいい花を咲かせてくれる、頼もしい存在です。ぜひ冬の庭に迎えてみませんか?
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ベランダガーデニング

【ベランダ&室内編】1鉢あれば真似できるクリスマス・ガーデンデコ10選
1鉢から始めるクリスマス・ガーデンデコの楽しみ方 Galina Grebenyuk/Shutterstock.com クリスマスの飾りというと大きなツリーを思い浮かべがちですが、じつは鉢植えが1つあれば十分。お気に入りの植物を主役に、松ぼっくりや木の枝、オーナメント、小さなキャンドル(またはLEDキャンドル)を添えるだけで、ベランダや室内の一角が“私だけのクリスマスガーデン”になります。 植物選びは、寒さに強く、冬も長く楽しめるものが基本。屋外ならミニコニファー、エリカ、チェッカーベリー、クリスマスローズなど。室内に置く場合は、短期間の観賞を前提にシクラメンやヒヤシンスなどを選び、暖房の風が直接当たらない涼しめの場所に置いてあげましょう。 作り方はとてもシンプルです。 まず「どこに置きたいか」(玄関・ベランダのテーブル・窓辺など)を決める。 置き場所の雰囲気に合う鉢植えを1つ選ぶ。 鉢のまわりに、色や素材を揃えた雑貨を“3点前後”までに絞って添える。 この「1鉢+雑貨少し」のルールを守ると、ごちゃつかずに大人っぽい雰囲気に仕上がります。次の章からは、実際の写真をもとに、真似しやすい10のアイデアをご紹介します。 室内で楽しむ1鉢クリスマス・デコ実例 白いシクラメンとキャンドルで楽しむホワイトクリスマス Galina Grebenyuk/Shutterstock.com 器とポットを用意する 3.5号くらいまでの大きさのシクラメンのビニールポットを1つ用意。買ったときのビニールポットのまま使います。 シクラメンのポットが入るサイズの写真のようなスープチューリン(ボウル)を用意します。→ 直接植え込まず、「鉢カバー」として器を使うのがポイントです。 底に“水抜きゾーン”を作る 器の底に鉢底石(軽石) またはハイドロボール(発泡した園芸用の石)を2〜3cmの高さで入れます。→ ここが“水のたまり場+空気の層”になり、根腐れ防止クッションになります。 ポットをセットし、隙間を飾る シクラメンのポットを、そのまま器の中央にそっと入れます。 ポットと器のあいだの隙間をミニ松ぼっくりで埋めて、ポットの縁や土が見えないように隠します。→ 写真のように鉢の表面をぐるりと松ぼっくりで囲むと、ぐっとクラシカルな雰囲気に。 水やりのコツ 土の表面を指で触って、カラッと乾いたら水やりします。 できれば一度ポットを器から出し、シンクなどで底穴から少し流れ出る程度に水を与えるのが理想。 しっかり水が切れてから器に戻します。→ 器の底に水がたまったままにしないことが、長もちのいちばんのポイントです。 置き場所と育て方の注意 明るく涼しい場所(10〜15℃)がベスト。 暖房の風が直接当たる場所は避けると、花が長くもちます。 室内でじっくり楽しんだあとは、器からポットを取り出して、軒下やベランダなど明るい戸外に移すと、春まで花が続きやすくなります。 周囲にミニキャンドルを添えれば、その一角がクリスマスディスプレイに変身します。キャンドルは炎が葉に触れないよう、十分な距離を取りましょう。 香りも楽しめるヒヤシンスのクリスマス室内ミニ花壇 Galina Grebenyuk/Shutterstock.com 鉢を用意する 直径約9cmの3号テラコッタ鉢を用意し、1鉢につきヒヤシンスの球根を1球ずつ使います。 球根をセットする 鉢に土を入れ、ヒヤシンスの球根をのせます。 球根の上部が1/3〜1/2見える高さまで土を足し、ぐらつかないよう周囲の土をしっかり寄せます。→ ヒヤシンスは過湿が苦手なので、球根を少し露出させておくと腐りにくくなります。 水やりのコツ 水を与えるときは、球根に直接かけず、鉢の縁から土にめがけて静かに注ぎます。 鉢底から水が少し流れ出る程度でOK。受け皿に溜まった水は捨てましょう。 トレイにまとめて飾る 植えた鉢を数個、トレイや大皿の上に並べると、小さな花壇のような雰囲気に。 鉢のまわりにミニ松ぼっくりや星のオーナメントなどを散らすと、一気にクリスマスムードが高まります。 開花期の楽しみ方 つぼみがほころんで香りが立ってきたら、ダイニングやリビングの棚の上へ。 数日間だけ室内に飾って香りを楽しみ、その後は涼しい場所に戻すと花が長もちします。 ベランダ&玄関先で楽しむ1鉢クリスマス・デコ実例 エリカのバスケットで作る“冬のカフェコーナー” Svetlana Gorbacheva/Shutterstock.com ふんわりとしたエリカ(orカルーナ)の1鉢を、ざっくり編みのバスケットにセット。オーナメントを飾って、小さなLEDライトを絡ませれば、夕暮れどきもほのかにきらめいておすすめです。 エリカは冬の寒さの中でも小さな花を長く咲かせてくれる、ヨーロッパ原産の常緑低木です。細い葉が密に茂り、ふわふわとした穂のような花姿が特徴。寒さや乾燥に強く、晩秋〜冬にかけてのガーデンをやさしく彩ってくれる貴重な存在です。湿気に弱いので、根鉢を乾かし気味に保つと長もちします。 ベランダを“自分だけの冬カフェ”空間にして楽しんで。 真っ赤なシクラメンとランタンで、王道クリスマスカラー Natalia Greeske/Shutterstock.com ビビッドな赤いガーデンシクラメンを赤い鉢に合わせ、同じトーンのランタンや小物を並べるだけで、王道のクリスマスコーナーに。リンゴや木の実、ヒバの枝を足すと、ぐっと華やかさが増します。玄関内側や出窓など、人目につきやすい場所に1鉢ドンと置くのが効果的です。 ガーデンシクラメンは寒さに強いものが多いですが、霜や雪に当たると復活しにくいので、屋根のある場所でのディスプレイがおすすめ。しおれてきた花は株元からねじるようにして取り除きましょう。 赤い実のチェッカーベリーやコニファーと一緒に飾っても。Natalia Greeske/Shutterstock.com クリスマスローズと白い家のオブジェで“冬の小さな街角”を演出 寒さに強いクリスマスローズの鉢を主役に、白い家の形のキャンドルホルダーやミニランタンを添えると、まるで雪国の街角のような情景に。シルバーがかったコニファーや松ぼっくりで足もとを彩れば、落ち着いた北欧テイストにまとまります。屋根付きのベランダや明るい玄関ホールにぴったり。 じつは「クリスマスローズ」という名前でも、ほとんどの品種は春(2〜3月)咲き。本当に“クリスマスの頃に咲く”のは、ニゲルとニゲル交配種。写真のような白い大きな一重咲きで、上向き〜やや横向きで咲きます。 白花を集めて“雪積もる森”をベランダに演出 Natalia Greeske/Shutterstock.com 大ぶりのバスケットにクリスマスローズを1鉢すっぽり入れると、それだけで存在感たっぷりの主役鉢に。余裕があれば、ミニコニファーやシクラメン、白実のペルネッティアなど小さめの鉢を横に並べると、“森の入り口”のような雰囲気になります。ガーデンテーブルの上に飾れば、室内からも眺めやすく、クリスマスムードが高まります。 ミニコニファーの素焼き鉢+赤いランタンでベランダデコ Natalia Greeske/Shutterstock.com ミニコニファーを素焼き鉢のまま並べ、1鉢に1つずつ麻ひもと星のオーナメントを結ぶだけの簡単デコ。真ん中に赤いランタンを置けば、雪景色にも映える北欧風のベランダコーナーになります。基本はお好みのコニファー1鉢からスタートし、増やしたくなったら少しずつ鉢を足して“小さな森”に育てていきましょう。 夕暮れが楽しみになる氷と木の実のアイス・ランタン Natalia Greeske/Shutterstock.com お気に入りの鉢植えの横に、木の実や常緑樹の葉を閉じ込めた氷のランタンをそっと置いてみましょう。中央に穴があいたケーキ型に、水と赤い実や葉などを入れて凍らせます。夕暮れどき、中央にLEDキャンドルを入れれば、ゆらめく灯りが氷越しににじんで、ベランダや玄関先が一気にロマンチックな冬のガーデンに変わります。 Oksana_Schmidt/Shutterstock.com 浅い容器で紐と一緒に凍らせれば、オーナメントとしても楽しめます。寒い日限定の“消えてしまう飾り”だからこそ、写真に残して楽しみたくなります。 “1鉢のガーデンデコ”で心温かなクリスマスシーズンを Svetlana Gorbacheva/Shutterstock.com 寒い季節こそ、植物がもたらしてくれる小さな灯りや彩りが、日々を温かくしてくれます。大きなツリーや本格的なデコレーションがなくても、鉢植えが1つあれば、ベランダもお部屋もクリスマス仕様に早変わり。 気に入った植物を迎えて、ほんの少し飾りを添えるだけで、そこに冬の物語が生まれます。今年のクリスマスは、あなたの暮らしに寄り添う“1鉢のガーデンデコ”を楽しんでみませんか? 小さな植物たちが、きっと心をほっと明るく照らしてくれるはずです。
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樹木

【開運ガーデニング】庭に植えるだけで運気が上がる⁉ 一年中緑が美しい“常緑の縁起木”7選
一生ものの庭木で運気を向上! 「縁起木」とは Danita Delimont/Shutterstock.com 「縁起木」とは、古くから縁起がよいとされ、魔よけや邪気払いをはじめ、金運アップや幸運を運んできてくれるなどと信じられてきた樹木の俗称のこと。日本には「縁起を担ぐ」という言葉もありますが、植物も「縁起を担ぐ」ために幅広く利用されてきました。「縁起がよい」とされる理由は、神話や伝説にまつわるものや、語呂合わせ、姿や性質に由来するものなどさまざまです。また、日本だけでなく、海外でも同様に縁起がよいと考えられている樹種などもあります。 今回は、日本で縁起がよいとされる樹木の中から、庭木にもおすすめの常緑のものを7種ご紹介します。 1. 難を転じて福となす! ナンテン(南天) Marie Shark/Shutterstock.com 植物名:ナンテン学名:Nandina domestica英名:nandina、heavenly bamboo、sacred bamboo和名:ナンテン(南天)その他の名前:ナンテンショク(南天燭)、ナツテン、ナルテンなど科名:メギ科属名:ナンテン属原産地:日本、中国、東南アジア形態:常緑性低木開花時期:6〜7月樹高:2〜3m耐寒性:普通耐暑性:普通花色:白 Wako Megumi/Shutterstock.com 秋には葉が赤く色づき、晩秋には真っ赤な実をつけて、お正月の飾りにも欠かせないナンテン。名前が「難を転ずる」に通じることから、古くから縁起のよい庭木として愛されてきました。「植えると幸せになる」「茂ると家が栄える」「実がたくさんなると豊かになる」など、ナンテンにはいろいろな言い伝えがあります。また、のど飴でもおなじみですね。防腐の目的でナンテンの葉をお弁当などに添えることもありますが、ナンテンの実や葉には微量ながら有毒成分が含まれるため、口にはしないように注意しましょう。 ナンテンは特に玄関脇など門まわりに植える庭木として人気があります。半日陰を好むため、日当たりが悪い庭の彩りとしてもおすすめ。ただし、日当たりが悪すぎると実付きが悪くなることがあります。土質を選ばずよく育ち、地植えであれば植えっぱなしでほとんど手をかけなくても育ってくれますが、強い西日の差す場所は避けましょう。 縁起の意味:厄よけ・魔よけ 植える場所:玄関先/門まわり/鬼門/半日陰 庭木に向く理由: 日向〜半日陰でよく育ち、環境適応力が高い 放任でも形がまとまりやすい 秋は紅葉、冬は赤い実が美しく、観賞価値も高い 2. 金運アップに⁉ 香りのよいキンモクセイ(金木犀) Toru Kimura/Shutterstock.com 植物名:キンモクセイ学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus英名:Fragrant olive、Sweet olive、Japanese orange Osmanthusなど和名:キンモクセイ(金木犀)その他の名前:センリコウ(千里香)、モクセイ、タンケイ(丹桂)など科名:モクセイ科属名:モクセイ属原産地:中国形態:常緑性高木開花時期:9月下旬〜10月中旬樹高:5〜6m耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:オレンジ tamu1500/Shutterstock.com 秋に香り豊かな花が咲き、離れたところからでも分かるほどの芳香を漂わせるキンモクセイ。その強い香りが邪気を祓ってよい気を呼び、また黄金色の花が咲くことから金運を引き寄せるともされています。白い花が咲くギンモクセイの変種で、観賞用として古くから親しまれています。ちなみに、日本に伝わったのものはほとんどが雄株のため、果実はあまり見ることがありません。 キンモクセイは公園や街路樹などの公共空間にもよく植栽されるように、丈夫で土質を選ばずよく育ちます。花数を多く楽しむためには、日当たりのよい場所での栽培がおすすめ。高木ですが、成長は遅めなので生け垣にも向きます。乾燥や寒さにはやや弱く、関東北部や東北南部など、霜が降りるような寒冷地ではうまく生育しないことがあります。 縁起の意味: 金運・良縁 植える場所:生け垣/玄関先/門まわり/シンボルツリー 庭木に向く理由: 成長が穏やかで剪定しやすい 病害虫に強く丈夫 強い香りが魔除けとされ、庭木として人気 3. 節分の魔よけにも使われるヒイラギ(柊) Romix Image/Shutterstock.com 植物名:ヒイラギ学名:Osmanthus heterophyllus英名:holly osmanthus、holly olive、false hollyなど和名:ヒイラギ(柊)その他の名前:ヒラギ、オニオドシ、オニノメツキなど科名:モクセイ科属名:モクセイ属原産地:日本、東アジア形態:常緑性小高木開花時期:11〜12月樹高:3〜8m耐寒性:普通耐暑性:普通花色:白 Luca love photo/Shutterstock.com 葉に鋭いトゲを持つ日本原産の常緑樹、ヒイラギ。このトゲトゲの葉が、鬼の目を刺すと信じられてきたことから、魔よけになる縁起のいい木とされ、特に鬼門よけとしても親しまれています。イワシの頭とあわせて節分の飾りにも利用されていますね。このトゲは動物の食害から身を守るためと考えられており、若木のほうがトゲが鋭く、成長した老木ではトゲのない楕円形の葉になることも多いです。ちなみに西洋でも、ヒイラギとよく似たセイヨウヒイラギ(ホーリー)が、クリスマスの飾りなどに利用される聖なる木として親しまれていますが、こちらはモチノキ科の樹木なので別種。ヒイラギが黒紫の実をつけるのに対し、セイヨウヒイラギは赤い実をつけるなどの違いもあります。 ヒイラギは丈夫で育てやすく、半日陰や大気汚染にも耐え、成長がゆっくりで刈り込みにも強いため、庭木としてよく利用されます。葉にトゲがあることから、害獣よけの生け垣としても人気ですが、刺さると痛いので手入れの際などには注意が必要です。 縁起の意味: 魔よけ 植える場所:玄関先/門まわり/生け垣/鬼門/半日陰 庭木に向く理由: 常緑で日陰にも比較的耐える 葉のトゲが害獣よけや防犯にも役立つ コンパクトに仕立てやすく、塀際にも向く 4. 特に女性に向く縁起木! 観賞価値も高い常緑ヤマボウシ F_studio/Shutterstock.com 植物名:常緑ヤマボウシ学名:Cornus hongkongensis英名:Hong Kong dogwood和名:トキワヤマボウシ(常盤山法師)その他の名前:ホンコンエンシス科名:ミズキ科属名:ミズキ属原産地:中国南部~インドシナ半島形態:常緑性小高木開花時期:6〜8月樹高:3〜5m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:白、ピンク F_studio/Shutterstock.com 夏に美しい白い花をたくさん咲かせる常緑ヤマボウシ。ヤマボウシは白い花が邪気を払い、また花言葉の「友情」「感謝」「永続性」などには人と人との結びつきを大切にする意味が込められていることから、家族や友人との絆を深める縁起のよい木として扱われています。特に風水では、女性の繁栄や成長、女性との縁を結ぶ期待ができるのだとか。一般のヤマボウシは落葉しますが、常緑ヤマボウシは1年を通してみずみずしい姿が観賞でき、花も美しいので、シンボルツリーにおすすめ。和風の庭にも洋風の庭にもよく似合いますが、冬の寒さはやや苦手。マイナス8℃以下になる寒い地域では、鉢栽培にして季節によって移動できるようにするとよいでしょう。 縁起の意味: 縁結び・家運隆盛 植える場所:シンボルツリー 庭木に向く理由: 常緑で1年中きれい、シンボルツリーに最適 耐病性が高く、害虫も少ない 寒風が強すぎなければ丈夫で管理しやすい 5. 赤い実がなる金運アップの常緑樹 クロガネモチ Romix Image/Shutterstock.com 植物名:クロガネモチ学名:Ilex rotunda英名:Kurogane holly和名:クロガネモチ(黒鉄黐)その他の名前:フクラシバ、フクラモチなど科名:モチノキ科属名:モチノキ属原産地:日本(本州中部〜沖縄)、朝鮮半島南部、台湾、中国中南部、ベトナム形態:常緑性高木開花時期:5〜6月樹高:10~20m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:淡紫~クリーム Romix Image/Shutterstock.com 一年中濃い緑を保つ艶のある葉と、晩秋の真っ赤な実が美しいクロガネモチ。名前が「黒金持ち」や「苦労がなく金持ち」など語呂合わせできることから、商売繁盛や金運アップの縁起植物として重宝されてきました。東アジア各国でも縁起のいい樹木として愛されています。 半日陰の場所でも生育し、あまり手がかからず放任してもよく生育するため、寺院や公園などの樹木としてもよく利用されます。ただし、温暖な気候を好むため寒さにはやや弱く、栽培適地は関東以西です。 縁起の意味: 金運・商売繁盛 植える場所:玄関先/門まわり/シンボルツリー/半日陰 庭木に向く理由: 温暖な地域では公園でも多く使われるほど丈夫 成長がゆっくりで管理しやすい 赤い実が美しく、寂しくなりがちな冬の庭の彩りになる 6. 金運アップの黄色い実がなるキンカン(金柑) Valentyn Volkov/Shutterstock.com 植物名:キンカン学名:Citrus japonica英名:Kumquat和名:キンカン(金柑)その他の名前:キンキツ(金橘)、マルミキンカン科名:ミカン科属名:キンカン属原産地:中国形態:常緑性低木開花時期:5~9月樹高:1~2m耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:白 TAMER YILMAZ/Shutterstock.com 柑橘類は、常緑で、邪気を遠ざける爽やかな香りに、金運に通じる金色の実、また名前の「橘」が「吉」に通じることなどから、縁起のよい樹木とされています。家運隆盛の象徴として正月飾りに欠かせないダイダイ(橙)も柑橘類ですね。そんな柑橘類の中でも金運アップの樹木として知られるのが、名前に「金」の字を持ち、たくさん実るキンカン(金柑)で、風水では西に植えるとよいとされています。食用できる実が収穫できるのも魅力。キンカン属にはさまざまな種類がありますが、食用として人気があるのがネイハキンカン(ニンポウキンカン)です。 日当たりと風通しのよい場所を好み、コンパクトで育てやすい庭木です。寒さにはやや弱く、冬場の気温がマイナス5℃を下回ると生育が難しいため、関東以西での栽培に向きます。 縁起の意味: 金運 植える場所:玄関先/門まわり/シンボルツリー 庭木に向く理由: 常緑で花も咲き、観賞価値が高い 実が収穫できる 丈夫でコンパクトなので、育てやすい 7. 艶やかな葉と実が福を呼ぶセンリョウ(千両) Shepherdsatellite/Shutterstock.com 植物名:センリョウ学名:Sarcandra glabra(Chloranthus glaber)英名:herba sarcandrae、nine-knotted flower、Chloranthusなど和名:センリョウ(千両)その他の名前:クササンゴ(草珊瑚)、ミセンリョウ(実千両)など科名:センリョウ科属名:センリョウ属原産地:日本、朝鮮半島、中国、マレーシアなど東アジアの温帯から熱帯形態:常緑性低木開花時期:6月樹高:0.5~1m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:黄緑 KPG-Payless/Shutterstock.com 緑の葉に艶やかな実が目立つセンリョウは、お正月の縁起物にも欠かせません。めでたい名前を持ち、葉の形が小判に似ていること、また美しい実をたくさんつけることから、子孫繁栄や商売繁盛、金運アップなどにつながるとして人気があります。別種ですが、同じく常緑で赤い実がなるマンリョウ(万両)も同様に縁起物とされ、さらに縁起を担いでアリドオシを加えた「千両、万両、有り通し(=いつも大金がある)」という言葉もあります。 林縁に自生しているため、直射日光は苦手で明るい日陰を好みます。手がかからない植物ですが、極端に乾燥すると実付きに影響することがあります。古い枝や細い枝は花付きが悪いので剪定するとよいでしょう。 縁起の意味: 金運・子孫繁栄 植える場所:玄関先/門まわり/日陰/小スペース 庭木に向く理由: 常緑で冬に鮮やかな実が楽しめる 日陰の庭や北側の植栽にも向く コンパクトなので小さな庭にもおすすめ まとめ Wako Megumi/Shutterstock.com 今回は縁起がよいとされる常緑の庭木を7種ご紹介しました。魔よけ、家内安全、金運——縁起木には、古くから人々がさまざまな願いを託してきた歴史があります。そんな意味を知ると、いつもの庭木も少し特別に見えてきますね。ここで取り上げられなかった樹木の中にも、縁起がよいとされるものはまだまだあります。庭木選びに迷っているなら、縁起のよい木という視点で見ても面白いかもしれません。 ただし、大切なのは“縁起そのもの”よりも、四季を通して植物と向き合い、生活に緑を迎える楽しさ。「運気」や「縁起」にこだわりすぎず、好みや環境に合った相性のよい樹木を選び、育てていくことこそが、結果的に心のゆとりや幸せな暮らしにつながっていきます。 ぜひお気に入りの庭木を迎えて、毎日の風景を豊かにする“自分だけの開運ガーデン”を楽しんでください。
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花と緑

身近な季節の花3択クイズ! キンセンカ(カレンデュラ)は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.25
身近な花!「キンセンカ」は次の3つのどれ? Fumeezz/Shutterstock.com 花が少なくなる冬~早春の花壇の貴重な彩りとして人気のキンセンカ。暖色の鮮やかな花は、寒い季節に明るく温かな印象を与えてくれ、初夏まで咲き続ける観賞期間の長さも魅力です。品種も多く、花形や草丈のバリエーションも豊富。また古くから薬草としても利用されてきた歴史があり、現代でも肌や粘膜のケアをはじめ、さまざまな薬効が期待できるハーブとして活用されています。 さて、そんなキンセンカには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいキンセンカの写真を選ぶ3択クイズ! キンセンカは、次のA~Cのどれでしょう? A Robert Buchel /Shutterstock.com B vveronka/Shutterstock.com C Fotoles /Shutterstock.com ヒント いずれもキク科の身近な植物。花姿はよく似ていますが、見分けやすいポイントは葉の形。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ A Robert Buchel /Shutterstock.com キンセンカ(カレンデュラ)の基本データ 学名:Calendula科名:キク科属名:カレンデュラ属(キンセンカ属)原産地:地中海沿岸地域和名:キンセンカ(金盞花)別名:カレンデュラ、カレンジュラ、ポット・マリーゴールド、トウキンセンカ(唐金盞花)など英名:Mary's gold、pot marigold、Calendulaなど開花期:12~5月花色:黄、オレンジ、クリーム、複色形態:一年草、多年草草丈:30~90cm 12月頃から翌年の初夏まで、明るい色彩の花が長く花壇を彩るキンセンカ(カレンデュラ)。日本では主に一年草として流通しています。まっすぐ伸びた茎の先に、放射状に花弁を伸ばす、一重咲きや八重咲きの花を咲かせます。花弁の先にはギザギザと小さく切れ込みが入ります。根元から伸びる根生葉はへら状、茎葉は楕円形です。 ハーブとして利用される際は、「ポット・マリーゴールド」と呼ばれることが多いですが、マリーゴールドとは別種なので注意が必要。この「ポット」は植木鉢ではなく鍋の意味で、食用のハーブを「Pot herb」と呼んでいたことに由来するそうです。ちなみに、現在は主にハーブとして利用され、ガーデンにもよく利用されるカレンデュラ・オフィシナリスが一般に「キンセンカ」と呼ばれていますが、キンセンカはもともとカレンデュラ・アルウェンシス(Calendula arvensis)に付けられた和名。漢字では「金盞花」と書き、花姿を金の盃に見立てて名付けられました。 カレンデュラ・アルウェンシス。Furiarossa/Shutterstock.com キンセンカは丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめ。寒さに比較的強く、暑さにやや弱いので、夏には枯れる一年草として扱われます。花は明るいと開き、暗いと閉じるので、日当たりのよい場所で育てるとよいでしょう。品種も多く、近年はニュアンスカラーの‘コーヒークリーム’なども人気です。種類によっては、ハーブやエディブルフラワーとしても利用できます。 Alex Manders/Shutterstock.com 残りの選択肢の花は… B マリーゴールド vveronka/Shutterstock.com キク科の一年草(一部多年草)。開花期は4~12月で、黄やオレンジの鮮やかな花が長期間楽しめます。花壇や鉢植えのほか、コンパニオンプランツとして家庭菜園でも人気です。葉は葉軸の左右に小葉が並ぶ羽状複葉で、軽やかな印象です。じつは、マリーゴールドという名前はもともとキンセンカを指していましたが、その後、キンセンカに似た花の植物にマリーゴールドの名が付けられるようになったのだそうです。 C マーガレット Fotoles /Shutterstock.com キク科の低木。白花がよく知られていますが、ピンクや赤、黄、クリームなど、幅広い花色があります。開花期は11月~翌年5月。葉には深く切れ込みが入り、シュンギクに似ていることから、モクシュンギク(木春菊)という和名もあります。 クイズ一覧はこちら!
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ガーデン&ショップ

「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」1年の取り組み
毎日見学者が訪れる第3回コンテスト会場は「都立砧公園」みんなのひろば前 コンテスト会場となった砧公園‘みんなのひろば’前に設けられたコンテストエリアの1年間の景色の移り変わり(右上/4月 左下/7月 右下/11月)。公園の正門や駐車場からコンテストガーデンに向かうと見えてくる「東京パークガーデンアワード」の開催を示す2カ所の看板が目印。 2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園に続き、3回目となる今回は、成城学園、二子玉川など閑静な住宅街からほど近い場所にある都立砧公園(東京都世田谷区)が舞台です。芝生の広場と樹林で構成されたファミリーパークのほか、運動施設や遊具などが設置された広場が整備され、区民みんなに親しまれている公園でコンテストが繰り広げられました。 東京都立砧公園は、芝生が青々とした「みんなのひろば」をはじめ、バラ園、サイクリングコース、‘子供の森’など多数のエリアがあり、秋にはイチョウなどの紅葉・黄葉が楽しめます。 第3回のテーマは「みんなのガーデン」 今回のコンテストエリアは、‘みんなのひろば’前に広がるスペース。5つのガーデンは公園を訪れる多くの人の目を楽しませました。 天気のよい休日には、家族連れがお弁当を広げる光景もあちこちで見られ、地域の住民をはじめ、多くの人々に親しまれている砧公園。‘みんなのひろば’前で開催された「第3回 東京パークガーデンアワード」のコンテストテーマは『みんなのガーデン』です。「東京パークガーデンアワード」の目指す“持続可能なロングライフ・ローメンテナンス”であることはもちろん、訪れる人々の五感を刺激し、誰もが見ていて楽しいと感じる要素を取り入れたガーデンであることが求められました。植栽のメインとなる宿根草は、丈夫で長生きすることから、季節ごとの植え替えは行わず、四季ごとに花の彩りがあることも期待されました。 第3回のコンテストガーデン コンテストガーデンが設けられた敷地の平面図。A〜Eの各面積は約40㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2024年10月に抽選により決定しました。 各コンテストガーデンは、高さ40cmの枠に囲まれた区画内に作られました。子どもたちの目線にも近い高さで、かがまずに植物を間近で観賞できるのも今回の特徴です。4月の様子。 今回のガーデンでは、通路を挟んで対に設けられた2つ1組の花壇が5つ連なっています。隣接する‘みんなのひろば’や‘ねむのき広場’からコンテストエリア全体を眺めたり、花壇に挟まれた通路を歩きながら、左右に育つ植物を観賞したりするなど、さまざまな角度からガーデンを堪能することができました。 写真手前の北から奥の南に向けて、A・B・C・D・Eの順に花壇が並ぶ。7月の様子。 2024年12月に行われた第1回作庭。5つのガーデン制作に関わった皆さん。 【第3回 東京パークガーデンアワード in 砧公園 最終審査までのスケジュール】 コンテストに挑戦する5名の入賞者が1年を通してガーデン制作に挑む「東京パークガーデンアワード」。2024年12月中旬に、それぞれの区画で1回目の作庭が完了し、2025年2月下旬に2回目の作庭日が設けられました。その後、4月は春の見頃を迎えた観賞性を審査する『ショーアップ審査』、7月は梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査する『サステナブル審査』、11月は秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査する『ファイナル審査』が行われ、グランプリが決定しました。 2025年11月に行われた授賞式後、審査員と授賞者を囲んで、コンテストガーデンエリアに集まった東京パークガーデンアワードに関わった皆さんと記念撮影。 「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」すべての審査が終了しました! 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 4月、7月、11月の3回の審査は、5名の審査委員による採点と協議により行われました。【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) /メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス)/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われました。 「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」授賞式 2024年12月のガーデンの施工から約1年が経過し、3回目の審査となる『ファイナル審査』が2025年11月6日に行われ、入賞5作品の中より「グランプリ」、「準グランプリ」、「審査員特別賞」が決定。晴天の2025年11月22日、東京都世田谷区にある上用賀アートセンターにて授賞式が行われました。式典では、賞状とクリスタルメダルの贈呈、4名の審査員による講評、授賞者5名による喜びのコメントが発表され、参列者より大きな拍手が贈られました。 「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」の受賞者と審査員。 審査員の講評 審査員 吉谷桂子さん(ガーデンデザイナー) 東京パークガーデンアワード・砧公園のコンテストに入賞されたみなさん、本当におめでとうございます。そして、過去に神代植物園や代々木公園でのコンテストに参加してくださった方々にも、心から感謝申し上げます。 このコンテストでは、造園や園芸といった枠を越え、これからの地球に必要なことを、小さな一歩から取り組み始めていると感じています。21世紀の今、新しい局面に立ち、幅広い視野で重要なテーマを探し続けているのではないでしょうか。 33年前、私はイギリスの庭に出会いました。イギリスでは100年以上前から自然主義の思想があり、庭や造園の世界で多くの草花が使われてきました。産業革命による自然破壊が進んだ1800年代末、自然保護運動が始まった国でもあります。 日本とイギリスの園芸・造園には違いがあります。 イギリスでは園芸と造園が密接で、ランドスケープデザイナーは宿根草の生態や育ち方を深く理解しています。私はそれをいつも素晴らしいと感じてきましたが、日本はまだ追いつけていない状況でした。しかし、このコンテストでは、それを覆すような躍進的な取り組みが見られたと感じています。 今回の5組のみなさんは、それぞれに素晴らしく、グランプリを決めるのは非常に難しいものでした。実際、全員がグランプリだと思っています。その中で、私が重視したのは「レジリエンスガーデン」、つまり「9月のダメージをどのように11月に乗り越えたか」という視点です。宿根草だけが生き残る庭が最良とは思いませんし、一年草を装飾的に取り入れるのもよいと思います。 私が尊敬するガーデンデザイナー、トム・スチュアート・スミスも、自宅の庭で宿根草に一年草のコスモスを取り入れています。そもそも、なぜ庭をつくるのか。それは、美しく育つ草花やその風景に、私たちが喜びを感じるからです。花が咲いている庭、咲いていない庭、どちらにも価値があります。 ちなみに、多くの人は花を見て喜びますが、私は最近、葉だけの世界が好きです。心が「気持ちよい」「癒やされる」と感じることが重要なのです。 今回のテーマ「みんなのガーデン」では、公園に訪れる小さなお子さんから幅広い世代の方々が楽しめることが最も重要でした。しかし、コンテストを重ねる中で、目に見えない部分まで審査する段階に来たと感じています。 私は土中環境を感覚的には理解していますが、数値的な詳細は分かりません。それでも、今回グランプリを獲得したガーデンは、光や風の通り方が素晴らしく、眺めているだけで生物としての喜びが広がるのを感じました。花の有無ではなく、光と風が宿根草の庭をいかに心地よく通るかが最大の焦点でした。 心と体の健康は大切です。ガーデンから「気持ちよい」と感じることは心や体の栄養になり、さらに「ここから離れたくない」と思えることが重要です。 今回のコンテストでは、5組すべてがその点で素晴らしかったと思います。順位をつけることになり、最後に「ごめんなさい!」とお伝えしたいです。 みなさん、ご参加いただき、本当にありがとうございました! 5名の授賞ガーデンと審査員講評 グランプリ コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 ●コンテストガーデンCの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員講評 「てんとう虫たちの食卓」というテーマがよく表現された庭でした。アブラムシを増やす植物をあえて入れてテントウムシを誘い、剪定した枝葉を作業通路に置いてナメクジなどを引き寄せ植物たちを守るなど、生態系を豊かにすることで庭も美しくするプランが成功しているようでした。プランツタグのQRコードで植物や虫たちを紹介する発信も素晴らしい取り組みです。広めに確保された作業通路が風の道となり植物が蒸れにくく、景観的にも奥行きや抜け感を生み、植物の表情をより豊かに演出していました。グラスの穂が風に揺れる姿は野原で遊んでいるような気持ちにさせ、多彩な植物たちが混み合うことなく絶妙に風を通しながら公園の風景に溶け込む様は、見るほどに引き込まれる美しい眺めでした。予測の難しい酷暑を越えた先に秋の自然な美しさが際立つことこそが、宿根草ガーデンの真骨頂だと気づかせてくれるガーデンでした。 小野雄大さん コンテストを終えた受賞者のコメント 今回、大切にして目指したのは、季節とともにガーデンの表情が変わって、植物と小さな生き物たちの営みが共存する庭です。原生地の群落を意識し、春から初夏に向けて景色が大きく変わるように植栽を工夫しました。テントウムシなどの益虫が増えるように、越冬場所を作ったりアブラムシがつくようバンカープランツを植えたりと工夫しました。また、近年の気候変動に強いレジリエントガーデン(回復力を備えた庭)というものにチャレンジし、水の流れを作ったり、土中の保水性を高めるなどして夏場の暑さに耐えられるようにしました。 印象に残ったことは、子どもたちがまわりで網を振って虫捕りをしていたこと。それがすごく微笑ましくて、虫かごに蝶々をいっぱい入れて見せあったりして楽しんでいました。たまにその網で花首が取れたり、植栽の奥まで足を踏み入れたり、ということもありましたが、それは本当に子どもたちにとっても心に残ったのではないかなと思います。この庭ができて、自然と遊ぶことができるようになったのではないかなと思っています。 準グランプリ コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 ●コンテストガーデンAの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員講評 タイトル通り、花束のような素敵なガーデンでした。公園に溶け込んだ遠景は絵画的で美しく、近づいてみると、植物どうしが響き合って作る美しいシーンが随所に見られました。バイオネストはサステナブルな機能だけでなく、庭を特徴づける造形物としても効果的に働いていました。花壇の場所的に一部が松の木陰になってしまうハンディがありましたが、植物選択やメンテナンスの工夫でうまく対処されていました。厳しい夏を越えられなかった植物も見受けられましたが、春の華やかな景色は今なお強く印象に残っており、都会的で洗練された美しさが秋に至るまで展開されていました。多くの人々に楽しさや幸福感、季節の移ろいの喜びを与えてくれるガーデンでした。 保坂悠平さん コンテストを終えた受賞者のコメント 私自身、宿根草ガーデンを作る機会はこれまで非常に少なく、普段はマンションや商業施設の植栽計画を計画段階から携わっています。そうした現場では、周辺環境への配慮や在来種の使用を求められることが多いのですが、今回特に印象的だったのは、子どもたちや近隣の皆様から多くのお声掛けをいただいたことです。これまで携わった植栽計画では、なかなか直接お声掛けをいただく機会はなかったので、今回、「花の力」を強く感じました。 私は第1回の代々木公園から応募に挑戦してきましたが、当時は宿根草のことが本当に分かりませんでした。ですが、今回に至るまで、日本各地のいろいろな素敵なガーデンを訪れたり、先輩から教わったりして宿根草について学んできました。今回、私自身で剪定ばさみを持って、休日公園に通い、仲間に教わりながら剪定を行いました。こうした経験を通じ、今後は緑を通して人と人をつなぐ仕事をしていきたいと思っています。 審査員特別賞 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ ●コンテストガーデンEの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員講評 個性が際立つ植物を巧みに組み合わせ、まるでジャングルの中に入り込んだような感覚を味わえるガーデンでした。多種多様な植物を数多く使い、植物の可能性をとことん追及したカラフルでダイナミックな植栽デザインが特徴的で、その圧倒的な色彩の豊かさが多くの来園者の目を惹きつけていました。花壇の多角形を生かし、見る角度によって、構築的で造形的におもしろい植物、質感のバラエティ豊かな組み合わせ、多彩に変化する色合いなどを楽しめる点が印象的でした。遠くから見ても植物たちの存在感が力強く、厳しかった今夏を乗り越えた姿には感動を覚えます。写真を撮りたくなるシーンが随所に散りばめられ、見る人を自然と滞留させる魅力に富んだガーデンでした。 太田敦雄さん コンテストを終えた受賞者のコメント このガーデンは、写真や映像に映らないかもしれない「愛や他者への思いやり」という抽象的な概念を、SNSでつながった花好きなボランティアのみなさんと共に表現するという、私にとっても大きな挑戦でした。絶え間なく変化する開花のリレーを引き継ぎながら、人と植物と虫たち、人と人、そして人と環境が繋がる、美しくて尊い共存の風景を、この庭とその創作活動を通じて表現することができました。サステナビリティやメンテナンスという概念に挑戦する中で感じたのは、植物が苦しいとき、人間が愛や思いやりの手を差し伸べることで、植物は幸せに生きながらえることができるということです。園芸をする方なら分かることと思いますが、愛情を受けている植物は表情が違うのです。私たちのチームは、毎週その日に来られる人が、自分が楽しいと思える範囲で植物の手入れをしました。負担にならなければ、メンテという労働作業ではなく、仲間と会える趣味の活動になるんですよね。何かを「好き」と思う気持ちで行うことは、現代において、最もエコで尽きることのないクリーンエネルギーであり、かつ合理的なシステムだと考えています。それを、1年間かけてチームのみんなと一緒にこの庭で実践し、示すことができました。 私は、庭づくりは時間軸を伴う文脈を持った「劇」のような時間芸術であり、心から生まれ、人の心に届くものでなければならないと思っています。コンテストには順位がありますが、庭は勝負ではありません。移り行く時間や季節の中で、どれだけの感動や意義や問いを人や社会に投げかけることができるか。それが大切だと思っています。春に私のガーデンを見るために車椅子で来られたお客様が、車椅子から立ち上がって歩いて見てくださったという奇跡の瞬間。無数の蝶や虫たちが花と戯れる中で花壇の手入れする人の姿も楽園のように美しく渾然一体となった夏の日の光景。最終審査前のメンテの後、ボランティアの方がかけてくださった「青春のような1年でした」というひと言。庭とはここまで人や世界を幸せにする力があるのだ、と。この庭を通して、多くの方が愛や思いやりを受けとってくださったこと、それこそが私にとって一番の尊い賞でした。 入賞 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 ●コンテストガーデンBの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員講評 イチゴやイチジクなど、自分の庭に取り入れたくなるカジュアルな提案がたくさん詰まった庭でした。見ているうちに「美味しそう!」と感じ、ガーデンの先にある家族の物語まで想像させてくれます。剪定枝で作った可愛いサークルネストなど、子どもと一緒に楽しめそうな工夫も魅力的です。植栽デザインは年間を通して全体の色合いが美しく、コーナーごとに設けられたテーマカラーをぐるりと一周しながら眺める楽しみがありました。特に秋には、黄・オレンジなど暖色系の構成から、目を転じるとアスターなどの寒色系へと色調が変化する眺めが絵画のようでした。季節ごとに多彩なシーンを提供してくれ、幅広い世代の来園者が訪れる砧公園という場所にふさわしい、元気をもらえるガーデンでした。 石野夕華さん、有瀧佳実さん コンテストを終えた受賞者のコメント 私たちは、公園から自転車で 10分くらいのところに住んでいるママ友です。第3回の開催地が砧公園だと知ったとき、ぜひ地元のメンバーで応募したいと相方の有瀧を誘い、お世話になっているbajicoの母体であるNPO法人子育て支援グループamigoさんにも挑戦をしたいと伝え、これまでたくさんのフォローをしていただきました。仕入れやガーデン製作、そしてメンテナンスまで、日々仕事でお世話になっている職人さんやガーデナーの皆さんに、たくさん助けていただきました。また、砧公園入賞者皆さんの植物への思いも、たくさん知ることができ、とても勉強になりました。地元の方々にもたくさん見ていただき、ガーデンを愛してもらい、そして私たち自身も、楽しんでコンテストに参加できたこと、それだけで優勝だなと思いました。私がいま身につけているピンクのピアスやバッグは、じつは冬にカラス除けでカーデン内に張っていたピンクの水糸なんです。これを有瀧が編んで仕上げてくれました!(石野) ママ友の2人なので、夜遅くまで植え込みをした後、自転車にまたがり「今日の夕飯、何にしようか」「この後夕飯作って子どもをお風呂に入れて寝かせなきゃね」と、毎日同じような会話を繰り返しながら、メンテナンスを楽しみました。作業が終わればまた“お母さん”に戻るという繰り返しでしたが、私たちらしいコミュニケーションの取り方で、楽しんで取り組むことができ、本当に感謝しています。(有瀧) 入賞 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden ●コンテストガーデンDの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員講評 微生物など土の中のことまでよく考えられたガーデンで、土壌改良のため取り入れた菌糸平板からツヤツヤのキノコが生えてきた様は、まるでアート作品のようにも感じられました。「土壌環境が豊かになることで植物本来の力が発揮され、豊かな景観や生態系に繋がる」という自身のコンセプトに真正面から取り組み、生物多様性の面では、実際に虫たちを多く呼び寄せることに成功していました。景観的に植物の高さのバランスに欠ける面もありましたが、できるだけ自然に任せたおおらかな景色とも言えます。メンテナンスの回数も少なく、持続可能な公園の庭づくりという点でも、今後のパフォーマンスに注目していきたいガーデンです。 高橋祐眞さん、齋藤集平さん コンテストを終えた受賞者のコメント 私たちは「ローメンテナンス・ロングライフなガーデン」をどう実現できるか、真剣に取り組んできました。メンテナンスの回数は圧倒的に少なかったと思います。そこもすごくこだわったところです。土の中に微生物をいっぱい入れた結果、勢いよく育って正直驚きましたが、私たちが目指したのは、この 1年で勝つ、 1年目がすごくよい、ということではなく、2年、3年、そして10年先まで続いていくガーデンです。じつは私たち、1回しか自分たちで散水していないんです。砧公園では、夏に雨はほとんど降らなかったと思うのですが、ほとんどの植物が枯れなかったというのは、私たちの取り組みの成果かなと思っています。(齋藤) 「みんなのガーデン」というのが何かということを考えたときに、人や植物、微性物、虫、すべて含めて、みんなを癒やすということで、One Healthという考えにたどり着きました。僕はランドスケープデザインに携わっており、いつも広い視点で見ているため、思った以上に植物が大きく育ってしまうこともありました。ほかのガーデンを見ると、そこが自分には足りていないなと思いました。ただ、僕たちの中では、微生物であったり、生態系であったり、植栽であったり、コミュニティであったりと、生態系を主軸にしながら「みんなのガーデン」を考えられたことは、とても有意義なことでした。今後、ランドスケープデザインの世界でもっと議論され、もっとみんなが考えていくべきテーマだと思います。植物に携わる人間が、先ほど太田さんが植物に対する愛ということをおっしゃっていましたように、そうしたことを、もっと真剣に考えていくべきなのではないかなと思いました。(高橋) Pick up 月々の植物の様子 11月の植物の様子 シュウメイギク‘パミナ’(Aエリア)、アスター‘パープルドーム’(Aエリア)、シュウメイギク‘雪ウサギ’(Bエリア)、アロニア(Cエリア) アスター‘シロクジャク’(Cエリア)、アメジストセージ(Dエリア)、アマランサス‘ホピレッドダイ’(Eエリア)、ダリア‘ブラックナイト’(Eエリア) 10月の植物の様子 サルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’(Aエリア)、アガスターシェ‘モレロ’(Aエリア)、ヒガンバナ(Bエリア)、ルエリア(Bエリア) アスター・アンベラータ(Cエリア)、シュウメイギク‘ハドスペン アバンダンス’(Cエリア)、ハギ(Dエリア)、アスター ‘ジンダイ’(Eエリア) 9月の植物の様子 アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’(Aエリア)、ユーパトリウム・コエレスティナム(Bエリア)、オジギソウ(Bエリア)、リアトリス・スカリオサ‘アルバ’(Cエリア) アロニア‘メラノカルバ’(Dエリア)、ヒルベリー(Dエリア)、ヒビスクス・コッキネウス(モミジアオイ)(Eエリア)、 オキシペタルム・カエルレウム(Eエリア) 8月の植物の様子 ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’(Aエリア)、カラミンサ‘ブルークラウド’(Aエリア)、コレオプシス‘ガーネット’(Bエリア)、ヘレニウム‘シエスタ’(Cエリア) エキナセア‘メローイエロー’(Cエリア)、モナルダ(Dエリア)、カンナ‘ベンガルタイガー’(Eエリア)、ルドベキア‘リトルヘンリー’(Eエリア) 7月の植物の様子 ユーパトリウム‘ベビージョー’(Aエリア)、ゲラニウム‘アズールラッシュ’(Aエリア)、ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’(Bエリア)、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’(Bエリア) ヘメロカリス‘クリムゾンパイレーツ’(Cエリア)、オミナエシ(Dエリア)、ネリウム(=キョウチクトウ)’ペティットサーモン’(Eエリア)、エリンジウム・ユッキフォリウム(Eエリア) 6月の植物の様子 ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’(Aエリア)、ムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’(Bエリア)、リシマキア‘ミッドナイトサン’(Bエリア)、ブリザ・メディア(Cエリア) ユリ‘リーガルリリー’(Cエリア)、ウスベニアオイ(Dエリア)、アザミ(Dエリア)、ベロニカ・ロンギフォリア‘マリエッタ’(Eエリア) 5月の植物の様子 シラー‘ブルーアロー’(Aエリア)、オーニソガラム・アラビカム(Aエリア)、チャイブ(Bエリア)、ギリア・レプタンサ(Bエリア) カマッシア・クシッキー(Cエリア)、ビバーナム・ハリアナム(Dエリア)、パパベル・コムタツム‘レディーバード’(Eエリア)、エスコルチア ピンク(Eエリア) 4月の植物の様子 スイセン‘タリア’(Aエリア)、フロックス・ディバリカタ‘メイブリーズ’( Aエリア)、アジュガ‘ディキシーチップ’(Bエリア)、チューリップ‘エデュアルトペルガー’(Bエリア) 原種チューリップ・ヒルデ(Cエリア)、フリチラリア・インぺリアス‘オレンジビューティー’(Cエリア)、ベニバナマンサク(Dエリア)、ユーフォルビア・ウルフェニー(Eエリア) 3月の植物の様子 スイセン‘テータテート’(Aエリア)、ブラックローズリーフレタス(Bエリア)、原種系チューリップ‘アルバ コエルレア オクラータ’(Cエリア)、プルモナリア‘ダイアナ クレア’(Cエリア) ユーフォルビア・リギダ(ガーデンD)、アザレアツバキ(ガーデンD)、ナルキッスス ‘ペーパーホワイト’(ガーデンE)、クロッカス ‘アードジェンク’(ガーデンE) 2月の植物の様子 シラー・シベリカ‘アルバ’(Aエリア)、シラー・ミシュチェンコアナ(Aエリア)、日本スイセン(Bエリア)、イタリアンパセリ(Cエリア) ローズマリー(Dエリア)、カレックス・オメンシス‘エヴァリロ’(Dエリア)、ナルキッスス カンタブリクス モノフィルス(Eエリア)、コルヌス ‘ケッセルリンギィ’(Eエリア) 1月の植物の様子 左から/ロータス ‘ブリムストーン・ライムゴールド’(Aエリア)、ワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’(Bエリア)、コトネアスター(Bエリア)、エリンジウム パンダニフォリウム ‘フィジックパープル’(Cエリア) 左から/庭人さんのビオラ(Cエリア)、モンタナハイマツ(Dエリア)、アロエ ストリアツラ(Eエリア)、ユッカ ‘ゴールデンスウォード’ (Eエリア) 全国から選ばれた入賞者5名のガーデンコンセプトと月々の様子 コンテストのテーマとルールをふまえて制作される5つのガーデン。それぞれのガーデナーが目指す庭を、作者の制作意図や図面、植物リストの一部を紹介しながら、月々の様子を撮影した写真とともにお伝えします。 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【作品のテーマ・制作意図】 皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。 【主な植物リスト】 宿根草:エキナセア‘マグナススーペリア’/ペンステモン‘ストリクタス’/アガパンサス‘ピッチュンホワイト’/クラスペディア‘ゴールドスティック’/オルレア・グランディフローラ‘ホワイトレース’ などグラス類:ペニセタム・ビロサム‘銀狐’/メリニス‘サバンナ’/ホルデューム・ジュバタム/カラマグロスティス・ブラキトリカ など低木:コルヌス・ステラピンク/ビルベリー‘ローザスブラッシュ’/ニシキギ・コンパクター/コバノズイナ など球根:チューリップ‘フレーミングピューリシマ’/レウコジャム‘スノーフレーク’/アリウム‘グレイスフルビューティ’ など コンテストガーデンA 月々の変化 11月の様子 たくさんのグラス類と季節の草花が織りなすトーンに渋みが加わり、中央に配されたバイオネストと相まって、全体にワイルドな雰囲気が漂います。シュウメイギクやアガスターシェ、オミナエシといった秋の花々が、控えめながらも確かな彩りを添えています。カラミンサやロータスのふんわりと広がる草姿が、爽やかで軽やかな印象を演出しています。 上左/夏からずっと咲き続けているアガスターシェ‘ブルーフォーチュン’と9月中旬から開花し始めたシュウメイギク‘パミナ’。午後には日陰になる場所でこっくりとした花色を見せている。上右/黄葉のホスタ‘サムアンドサブスタンス’と光沢のあるケイトウの輝きが、シーンの明るいアクセントに。下左/オミナエシやエリンジウム‘ホワイトグリッター’のシードヘッドが野趣あふれるシーンを引き立てている。下右/繊細なグラス類やカラミンサ、ロータスが、爽やかな空気を感じさせている。 10月の様子 一時は花数が減ったガーデンも、秋の訪れとともに再びたくさんの花が咲き始めました。なかでも目を引くのは、ピンクや赤、オレンジなど鮮やかな色合いのケイトウの穂。そのつややかな光沢は、シュウメイギク、ホトトギス、アガスターシェなどの花々を一層あでやかに引き立て、ペニセタムやミューレンベルギアなどのグラスの穂とともに、秋のガーデンをにぎやかに彩っています。 上左/アガスターシェ‘モレロ’やサルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’などの草花の合間で、ピンクやアイボリーのケイトウが目を引くアクセントに。上右/オミナエシの群生が、コルヌス‘ステラピンク’の株元でひっそりと野趣を感じさせている。下左/直立する赤褐色のワレモコウとカーブを描くイトシマススキ、ふんわりやわらかい印象のカラミンサなど、バラエティに富んだフォルムで自然な風景を織り成して。下右/ミューレンベルギア・カピラリスやペニセタム・ビロサム‘銀狐’などのグラス類や、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、ケイトウなど、彩り豊かな秋風を感じるワンシーン。 9月の様子 花壇のそばに植わるマツの木が、やわらかな木陰を落とすこのガーデンには、ほかのエリアよりもひと足早く、秋の気配が訪れています。花数はかなり減ったものの、アジサイ‘アナベル’の花がらやグラス類、さまざまなシードヘッドが、ダイナミックな造作のバイオネストに寄り添いながら、季節の移ろいを感じさせています。 上左/アジサイ‘アナベル’の丸い花がらや細いイトススキ、幅が広く長い葉のシランなど、さまざまなフォルムの植物が組み合わさって、花が無くても表情は豊か。一角では、アネモネ‘パミナ’のピンクのつぼみが膨らんできている。上右/夏に伸びきった枝葉がすっきりと剪定され、バイオネストがよく見えるようになった。一定方向に組まれた枝が、植栽に規則的な流れを生み出している。 下左/グラス類が風になびくさまが、秋を感じさせる。下右/ルドベキア‘リトルヘンリー’の控えめな花が、落ち着きを見せ始めたいまの季節にピッタリ。 8月の様子 7月に主役的存在だった淡い黄花のルドベキア‘フラメンコ・バニラ’は影を潜め始めました。 代わりに鮮やかな黄花のルドベキア‘ゴールドスターム’が咲き始め、先月から咲き続けているオレンジ花の‘フラメンコ・ブライトオレンジ’やアガスターシェ‘モレロ’とともに、鮮やかさと深みのある色彩を織り成しています。また、中央のバイオネストの傍らでは、小型の西洋フジバカマや、ユーパトリウム‘ベビージョー’が、グラス類とともにワイルドな趣を演出。ホトトギスやシュウメイギクなどの秋の植物も成長し始めています。 上左/盛夏もバイオネストがオーナメンタルな存在感を発揮。上右/ユーパトリウム‘ベビージョー’の群植が印象的。中左/赤(アガスターシェ‘モレロ’)×青(サルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’)×黄(ルドベキア‘ゴールドスターム’)のカラフルな花色の連なりが、夏らしさを強めている。中右/カラミンサのふんわりとした草姿が植栽に涼をもたらしている。下左/ルドベキア‘ゴールドスターム’やアガスターシェ‘ブルーフォーチューン’、グラスの爽やかなシーン。下右/アジサイ‘アナベル’やエキナセア‘サンシーカーズ レインボー’の花が色褪せ始め、ミスカンサスの穂がほんのりと秋の訪れを感じさせている。 7月の様子 ルドベキアにエキナセア、アガスターシェ、アスターなどの素朴な中に、華のある草花がメインとなり、この時季の彩りとなっています。その中で、アガパンサスとアジサイ‘アナベル’の白花が清涼感をプラス。ディスカンプシアやミスカンサス、ペニセタムなどのグラス類が花の間をつなぎ、この時季ならではの風景に一体感をもたらしています。 上左/ルドベキア ‘フラメンコ・バニラ’とアガパンサス‘エバーホワイト’の涼やかな組み合わせ。コンパクトなルドベキアを選んでいるので、抜群のまとまりに。上右/アガスターシェ‘モレロ’とアスター‘ロイヤルルビー’、ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’の濃厚な花色の取り合わせが印象的なシーンを描いている。中左/素朴な雰囲気のエキナセア・マグナススーペリアとディスカンプシア‘ゴールドタウ’のフォルムのコントラストの妙が味わいを出している。中右/コルヌス‘ステラピンク’の白斑の葉とアジサイ‘アナベル’の白花が離れたところで呼応し、まとまり感をアップ。下左/バイオネストのダークカラーにアジサイ‘アナベル’の白さが際立ち、他の植物も美しく映える。下右/カレックス・エラータ‘オーレア’とヒューケラの葉の明るさがアクセントに。 6月の様子 この時季は、全体的にボリュームがありながらも、デザイン的に抑制が感じられる大人っぽい雰囲気の風景となりました。数種のグラス類に、少量の赤やオレンジ、青の花の存在感が見事に引き立てられています。ふわふわとした植物群の中で、アリウムの丸いつぼみやエリンジウム・プラナム‘ホワイトグリッター’の青花が描くドットが、心地よいアクセントとなっています。 上左/植物の茂みの奥で、鮮やかなオレンジ花のルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’が目を引き、視線を植栽の奥へと誘っている。上右/コルヌス‘ステラピンク’の斑入り葉やエリンジウム・プラナム‘ホワイトグリッター’の青みがかった株が見せる、幻想的なワンシーン。中左/花が少ないエリアで、赤花が落ち着いた彩りを添えているアガスターシェ‘モレロ’。中右/アガパンサス‘エバーサファイア’の濃いブルーの花が、風景に深みを与えて。下左/デスカンプシア・セスピトーサ ‘ゴールドタウ’が伸ばす繊細な穂が光を透過し、軽やかさときらめきをプラス。下右/アリウム・シュベルティのシードヘッドが、オブジェのような存在感を発揮。 5月の様子 たくさんの繊細な植物が風に揺られるさまは、花に満たされた野原のよう。全体的に白・ピンク・黄・青にまとめられた花色が、この時季ならではの軽やかでやさしい雰囲気を生み出しています。ナチュラルな景色の中に大小さまざまなアリウムが球状の花穂を上げ、特にアリウム・シュベルティが造形的なデザインを添えています。 上左/ホルデューム・ジュバタムのツヤのある穂がアクセントとなりながら、シーンの切り替えにも一役買っている。上右/オーニソガラム・アラビカムやダッチアイリス、アリウム‘シルバースプリング’などの球根類を、レースのような白花のオルラヤや紫のクナウティアがふわりと優しく繋いでいる。中左/ダッチアイリス ‘ブルーマジック’ の重量感とクナウティア・アルベンシスの浮遊感が対照的。中右/そばに植わるマツの木で日陰となるエリアは、ダッチアイリス ‘ブルーマジック’がキリッとしたアクセントに。下左/バプティシア・アウストラリスの量感が、シーンの見応えを高めている。下右/つぼみを下げるコバノズイナが野趣を漂わせて。 4月の様子 数種類のチューリップが、ピンク色を軸とした色合いで一斉に咲き始めました。黄色が混ざった小ぶりの花‘ガボタ’がピリリとスパイスを効かせています。周りにはオルラヤやグラス類がふわふわとした草姿で合間を埋めつくし、まさに『ギャザリング=花束』の雰囲気が表現され始めました。 上左/前面を彩っているチューリップ‘パープルエレガンス’と‘ガボタ’。圧倒するようなボリュームで訪れた人を出迎えている。上右/チューリップ‘ガボタ’に寄り添い咲くのは、ナチュラルな雰囲気のブーケに近年よく使われているナズナ(タラスピ・オファリム)。中左/松の枝でやや日陰気味になるコーナーはオルラヤがメイン。中右/後方は明るいピンクのチューリップ‘フレーミングピューリシマ’が賑やかさをアップ。下左/アリウムの隆々とした葉が植栽に立体感をもたらして。下右/下方を軽やかに埋めているフロックス・ディバリカタ‘メイブリーズ’。チューリップ‘ガボタ’とのコントラストが素敵。 3月の様子 2月から東側のガーデンの一角で咲き始めたシラー・ミシュチェンコアナが、黄色いスイセン‘テータテート’とともに、ガーデンのあちらこちらで咲き始めました。また、対の花壇それぞれに一株ずつ植わるユキヤナギが咲き始め、植栽に立体感が出始めています。 左上/林の中の一角を切り取ったような、自然味あふれるシーン。右上/早い時点から勢いよく葉を伸ばす、瑞々しいアリウムが植栽にインパクトを与えている。左下/奔放に枝を広げるユキヤナギがデザインに動きを出している。右下/あちらこちらから顔を出すシラー・ミシュチェンコアナ。先月より花穂が伸びて存在感が増している。 2月の様子 全体的に楚々とした植物で構成されているナチュラルなガーデン。枯れた花茎を残し、頭上から落ちるたくさんのマツの葉を味方につけることで、優しい野の趣が見事に表現されています。白花の2種の球根植物が、いち早く咲き始めました。 左上/クジャクアスターなどの株間で、ひっそりと白い花を咲かせているシラー・ミシュチェンコアナ。草丈2cmにも満たない極小の球根植物。 右上/清楚な彩りを添えるシラー・シベリカ‘アルバ’。原種ならではの繊細さが、ここにはよく似合う。 左下/マツ葉の布団の下から、いくつもの球根が一斉に芽吹き始めて。 右下/1月まで咲いていたアガスターシェ‘モレロ’の立ち枯れの姿が、野趣あふれるシーンを描いている。 1月の様子 2つの花壇の中央に据えられたバイオネストは、線の細い枝で組まれているので、まだ小さく幼い植物ともよく馴染み、オブジェのような存在感を放っています。昨年からちらほらと咲いている名残の花が、高さ20cm程に芽を成長させた球根とともに冬の庭に明るさをプラス。ガーデンの上に伸びるマツから落ちる影ともよく似合い、植栽をより自然な風景に見せています。 左上/クジャクアスターやアガスターシェ‘モレロ’の残花の彩りが、冷たい空気を温めているよう。 右上/ロゼット状に広がるアキレア‘カシス’の株の合間に、球根の芽がひょっこりと顔を出して。 左下/ビルベリー‘ローザスブラッシュ’の赤褐色の照り葉が、冬の光をきらきらと反射。 右下/成長を牽引するかのように球根類の芽が勢いよく伸びて、リズミカルで楽しげ。 12月の様子 コンテストガーデンA Gathering of Bouquet 〜庭の花束〜 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【作品のテーマ・制作意図】 季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。 【主な植物リスト】 宿根草:バプティシア‘ブルーベリーサンデー’/アガスターシェ‘ゴールデンジュビリー’ /糸葉丁子草/スタキス・オフィシナリス などグラス類:カレックス‘プレーリーファイア’/メリニス‘サバンナ’/ぺニセタム・オリエンターレ など低木:ブルーベリー/イチジク/紫式部 など球根:アリウム各種/チューリップ各種 など コンテストガーデンB 月々の変化 11月の様子 多種多様な秋の花々とグラス類が自由に広がり、混ざり合いながら一体となって、この季節ならではの庭の表情を生み出しています。高低差を活かした植栽は、いまもなおガーデンに豊かな表情を与えています。4つに色分けされたガーデンでは、そのテーマカラーに沿った花々が咲き続け、訪れるたびに新たな発見がある、飽きのこない風景が楽しめます。 上左/爽やかな青花のアスター‘リトルカーロウ’と斑入りのムラサキシキブが交じり合う、見応えのあるコーナー。上右/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’のオレンジ花と糸ススキ‘モーニングライト’の華奢な穂が秋のぬくもりを感じさせる。下左/茂みの隙間の向こうで、陽の光を透過したグラス類が輝いて見える。下右/銅葉×シルバーリーフが広がるシックなエリアに、シュウメイギク‘雪ウサギ’と白花細弁のクジャクアスターが加わり、透明感と明るさを添えている。 10月の様子 にぎやかだったガーデンは、葉の色が少しずつ落ち着きを見せ始め、ナチュラルで愛らしい雰囲気と、シックで大人っぽい趣が混在する秋らしい風景へと変化しています。ひときわ目を引くのは、種子から育ったオジギソウの花と、静かな存在感を放つ白花のヒガンバナ。趣の異なるさまざまな草花が見事に共存し、多種多様なリーフ類とともに豊かな表情を見せています。 上左/パトリニア・プンクティフローラのライムグリーンの花後の穂がダイナミックに広がり、斑入りのニューサイランやヘリアンサス‘ブリーディングハーツ’とともに見応えのあるコーナーを演出。上右/ピンクのポンポン型の小花が愛らしいオジギソウと、ロータス‘ブリムストーン’のやわらかな緑が、ガーデンの縁をふんわりカバー。下左/ヒガンバナ(白花)とシュウメイギク‘雪ウサギ’が清楚で上品な印象。傍らでルエリアの紫色の花がほどよいアクセントに。下右/銅葉のニューサイランのまわりを、濃ピンクのケイトウやユーパトリウム’マスク‘の立ち枯れが囲み、シックな色彩に。 9月の様子 真夏の勢いを多分に残しながらも秋の気配を感じさせる、生命力あふれるガーデンです。オレンジや黄色のビタミンカラーの花々が、白い穂を出すグラス類とともに、初秋の日差しをまぶしく反射しています。春に種まきされたオジギソウの株が、花壇の縁で勢いよく生育中。 上左/ルドベキアやバーベナ、パトリニア・プンクティフローラの群生からユニークに飛び出すペニセタム・マクロウルム‘テールフェザーズ’が、植栽に躍動感をもたらして。上右/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’やルドベキア‘ブラックジャックゴールド’のホットな色彩が、秋の陽光に照らされたカレックスとともに、落ち着きと温かみを演出。下左/ムラサキシキブの斑入り葉が植栽のトーンを抑え、メリハリを与えている。下右/ユーパトリウム‘マスク’が、アメリカテマリシモツケ‘サマーワイン’とともに勢いよく伸びている。ペニセタム・オリエンターレの白い穂とのコントラストも面白い。 8月の様子 親しみを感じさせてきたナチュラルなガーデンは、濃厚な色彩の大人っぽい雰囲気に変わり始めました。ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’とルドベキア‘ゴールドスターム’の赤花×黄花がつくる波が、この時期のガーデンの印象を強めています。また、ニンジンについたキアゲハの幼虫が旺盛に葉を食べており、数週間後にはたくさんのアゲハ蝶がここから旅立ちそうです。 上左/ホットな印象を与えるヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’やルドベキア‘ゴールドスターム’が、淡く素朴な花を咲かせるパトリニア・プンクティフローラと対比的な風景を創り出す。上右/ムラサキシキブの斑入り葉とコトネアスターのシルバーリーフが植栽にアクセントを添えている。中左/先月に引き続き咲き群れる白花の群れに、メリニス‘サバンナ’の白い穂が加わり、移りゆく季節を感じさせる。中右/アキレア‘ラブパレード’やコレオプシス‘ガーネット’の奥にもペニセタム・オリエンターレが加わり、装飾的な雰囲気を醸し出す。下左/ワインレッドの深みがぐっと増しているレッドコーナー。下右/ペニセタム・マクロウルム‘テールフェザーズ’の直立した細長い穂が、ガーデンの中心でユニークに揺れている。 7月の様子 強烈な存在感で人目を引いているのは、大輪の純白のユリ、オリエンタルリリー・プロポーザル。2つのガーデンの中央部でたくさんの花を咲かる姿は圧巻です。続けて印象的なのが、オリエンタルリリー・プロポーザルの手前に広がるシャスタデージーとムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’が広がるホワイトエリア。ユリとともに、周囲の赤やピンク、黄色の花の鮮やかさを引き立てています。 上左/ユーパトリウム‘マスク’やアンジェリカ・ギガス、エキナセア・テネシーエンシス、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’で魅せるレッドエリア。上右/シャスタデージーとムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’が広がるホワイトエリア。中左/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’の赤花とアキレア‘テラコッタ’の黄花、ブロッコリーのブルーグレーの葉、ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’の組み合わせが印象的。中右/スタキス・オフィシナリスとアリウム‘ミレニアム’、バーベナ‘バンプトン’のピンクの花に、ペニセタム・ビロサムがやさしく寄り添って。下左/オリエンタルリリー・プロポーザルの周りにバーベナ・ボナリエンシスやバレリアナ・オフィシナリスがワイルドに丈を伸ばしている。下右/ブルーベリーの実がおいしそうに色づいてきた。 6月の様子 色分けした各ゾーンがいずれもボリュームが出て、見応え満点の風景となりました。春はオレンジや黄、ピンクの花で、カラフルで楽しげな雰囲気でしたが、初夏になると黄×銅葉、白花と黒花など、シックで大人っぽい色合わせに変化しています。一角では、種子から育ったブロッコリーやニンジンが発芽して育ち、傍らではネジバナも咲くなど、のどかなシーンを展開。ガーデン内にはカナヘビも棲みついているようです。 上左/アリウム‘パープルセンセーション‘や斑入りのムラサキシキブのシックな植栽に、アキレア・クリペオラータがピリリとスパイスを効かせている。上右/ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’の黄緑葉とヘリオプシス’ブリーティングハーツ’の銅葉、ブロッコリー‘スティックセニョール’のブルーグレーがかった葉で魅せる、重厚な雰囲気が漂うコーナー。中左/ピンク花のスタキス・オフィシナリスと終わりかけのアリウム‘クリストフィー’の造形的な対比がユニーク。中右/シャスタデイジーやホタルブクロの白花と、アジュガ‘バニラチップ’やムラサキシキブの斑入り葉を組み合わせた、涼やかなエリア。下左/白花のサンギソルバテヌイフォリアアルバ、黒花のスカビオサ‘エースオブスペード’など草丈のあるもので構成された、シックでワイルドなエリア。下右/ニューサイランとサニーレタスの銅葉がガーデンの印象を引き締めている。 5月の様子 2月末に植えたサニーレタスがこんもりと茂り、種子を筋まきした一角ではニンジンが芽を出し、イチゴも赤く育ち始め、実りある景色が楽しめるようになりました、この庭のコンセプトである‘命の育み’が強く表現されはじめています。一方、アリウムが咲き群れるエリアには、シックで大人っぽい雰囲気が漂うなど、眺める角度によって楽しめるシーンが大きく異なっています。 上左・上右/ギリア・レプタンサ×アリウム‘パープルセンセーション’の花が宙を浮いているように咲いていて幻想的な雰囲気。中左/2種のアリウム、スティビタツム‘ホワイトジャンアントとクリストフィー。異なる色形・高さでリズミカルに競演。中右/アキレア‘テラコッタ’の銀葉とリシマキア‘ファイヤークラッカー’の銅葉の組み合わせが、シックなアクセントを添えている。下左/サニーレタスを軸に赤褐色がにじむ植物でまとめられたエリア。下右/チャイブや実をつけるワイルドストロベリーがのどかな時間を演出。 4月の様子 西側のガーデンではピンクのチューリップの開花の盛りが過ぎ、東側のガーデンのオレンジ×黄のチューリップにバトンタッチしました。温かみのある色鮮やかな組み合わせが遠くからでも目を引き、心浮き立つ風景が広がっています。中央に植わるブルーベリーの開花がピークを迎え、収穫期の楽しい風景が待ち遠しいガーデンです。 上左/チューリップ‘バレリーナ’とスイセン‘フォーチューン’の元気が出る色合わせ。上右/こんもりと茂るギリア‘レプタンサブルー’の群生の中にチューリップ‘エデュアルトペルガー’が大人っぽいアクセントを加えている。中左/アジュガ‘ブロックスカップ’が広がる傍らで、ポツンポツンと咲くムスカリ・ラティフォリウム。中右/ピンクのチューリップ‘フレーミングピューリシマ’の株元でワレモコウのやわらかい新葉が無数に上がっている。下左/コーナーを彩る矮性のチューリップ‘ポップコーン’。 訪れた人を華やかに出迎えているよう。下右/イチゴと原種のチューリップ・ヒルデの素朴な愛らしさを漂わせるワンシーン。 3月の様子 モコモコとしたバークのマルチングの中からさまざまな小球根が芽を出し、ちらほらと花を咲かせ始めました。先月から開花し始めたニホンスイセンは花数が増え、植栽にやさしい華やぎをもたらしています。ガーデンの手前の方では、シラー・シベリカ‘アルバ’やピンクやブルーのムスカリの愛らしい姿が見られるようになりました。 左上/素朴な風情あふれる植栽にニホンスイセンがよく似合っている。右上/2月下旬に植えられたダークカラーのレタス。茶色いカレックスをクッションにして、ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’との色の対比を効かせている。左下/花壇の縁でひょっこり顔を出すムスカリ‘ピンクサンライズ’。右下/イチゴの株の中から花を上げるムスカリ・アズレウム。 2月の様子 やわらかい新葉を芽吹かせる宿根草のグリーンが、冬の日差しにまぶしく輝き、春の訪れを感じさせています。一番乗りでスイセンが咲き始めましたが、その他にもたくさんの球根類が芽を出し始め、のどかな風景が広がっています。 左上/大株のユンカス・ブルーアローがまだ寂しい植栽にボリューム感を与えている。 右上/日本スイセンが開花し始め、ほんのりと華やぎ始めた。 左下/繊細な細葉を上げるアリウム・レッドモヒカンなどの球根類の芽吹き。 右下/青みがかったルー(ヘンルーダ)の葉が、イエロートーンの植栽のアクセントになっている。 1月の様子 ふかふかとした明るい色のマルチングの中に、瑞々しくやわらかい草花の株が点在する様子は、まさに春遠からじといった風景。やわらかい葉のグラス類が風を受けて花壇に動きを感じさせています。グリーンを残すギリア ‘レプタンサブルー’やシシリンチウム ‘ストリアタム’や黄葉のワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’が表土に明るさをもたらしています。S字状の溝部分に入れたトチノキの実やその殻が愛らしく、花壇の中にストーリーを感じさせます。 左上/ギリア‘レプタンサブルー’やシシリンチウム ‘ストリアタム’の明るいグリーンが、花壇に瑞々しい景観を作り出している。 右上/数カ所に設けたサークルネストが、愛らしい鳥の巣を思わせる。左下/冬の陽光に黄金色に輝く、黄葉のワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’とブラウンがかったカレックス ‘プレイリーファイアー’の取り合わせが美しい。 右下/赤い実をつけるコトネアスターのシルエットがユニーク。 12月の様子 コンテストガーデンB Circle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【作品のテーマ・制作意図】 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて住みやすいように生態系を意識した植栽のデザインをしています。植栽は、見る場所や角度によって印象が変わるように、カマキリなどの天敵が身を潜められるような複雑さが出るよう工夫しました。植物は、てんとう虫やカマキリの食料となるアブラムシなどが好む「バンカープランツ」や蝶やミツバチたちの蜜源となる植物を植えています。「小さな住人(虫たち)」の生活をそっとのぞき見ることができる場所を目指しています。ここでの小さな体験が、自分の身近な自然環境を考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。 【主な植物リスト】 バンカープランツ:へメロカリス/ユウスゲ/イタリアンパセリ など宿根草:モナルダ‘ブラドブリアナ’/エキナセア‘メローイエロー’/アスター‘オクトーバースカイ’ などグラス類:スキザキリウム‘ハハトンカ’/ぺニセタム・カシアン/パニカム‘シェナンドア’ など低木:キンカン/アロニア/コバノズイナ など球根:ダッチアイリス‘ブルーマジック’/カマシア/カノコユリ‘ブラックビューティー’ など コンテストガーデンC 月々の変化 11月の様子 中央部ではスキザキリウムが一面に穂を立ち上げ、どこまでも続くような荒涼とした風景を思わせます。視線を移すと、アスターの花が豊かに咲き群れ、景色の趣が一変するのも見どころ。グラス類やシードヘッド、名残の花々が織りなす絶妙なバランスが、秋ならではのしみじみとした情趣を美しく表現しています。 上左/スギザキリウム‘ハハトンカ’の細長い穂の赤みが増し、ガイラルディア‘グレープセンセーション’やシュウメイギク‘ハドスペンアバンダンス’とともに、ピンクがかった柔らかな風景を見せて。上右/赤い実をつけるアロニアや花後のリアトリス・エレガンス、アスター・アンベラータスが野趣に富んだシーンを織りなしている。下左/アスター‘シロクジャク’やペニセタム‘カシアン’がのびやかに広がりワイルド。下右/アスター‘オクトーバースカイズ’が花壇の縁からあふれ出るように咲く姿は、遠目からも楽しめる。 10月の様子 多様なグラス類が一面に花穂を伸ばし、吹き渡る秋風と競演するように、情趣あふれるガーデンが広がっています。自然の風景を切り取ってそのまま据えたような佇まいは、この時季も健在。先月から咲いているガイラルディア‘グレープセンセーション’に加え、シュウメイギクやリアトリス‘エレガント’のピンクの花も咲き始め、ふわりふわりとグラスに寄り添いながら、落ち着いた彩りを添えています。植栽のあちらこちらでは、カマキリの姿も楽しめます。 上左/ガイラルディア‘グレープセンセーション’、シュウメイギク‘ハドスペンアバンダンス’が静かな風景にやさしい彩りをプラス。上右/草丈の低いアシズリノジギクのシルバーリーフとフウチソウの明るい緑葉が美しく広がる、安定感抜群のエリア。下左/アジサイ‘アナベル’のドライの花がつなぐ、ぺニセタム‘カシアン’×パニカム‘シェナンドラ’のたわむれ。下右/春にチューリップが咲いていたエリアには、赤みを帯びたスキザキリウム‘スタンディングオベーション’が静かに群生。 9月の様子 先月に続き、自然の風合いや趣が楽しめるガーデンです。この時期ひときわ目を引くのは、ぺニセタムやカラマグロスティスのグラス類。どこまでも広がる草原の風景を思わせるような群生が、残暑の厳しいこの季節に、爽やかな空気を運んでくれています。 上左/先月から花壇の中央付近に広がるスキザキリウム‘ハハトンカ’が一段と草丈を伸ばし、ワイルドな魅力が増してきた。上右/カノコユリのタネが大きく膨らみ、にぎやかだった夏の風景を思い出させるような、ノスタルジックな雰囲気を漂わせている。下左/花壇全体を高台から見守るように丈を伸ばしているのは、キンカンやカラマグロスティス‘カールフォスター’。下右/花穂が乾いたユーパトリウム‘マスク’の株元で、にぎやかな黄花を咲かせているのはルドベキア‘ゴールドスターム’。 8月の様子 花数が減り、リーフで魅せる時期となりました。さまざまな色形のグラスが穂を上げ、花後の株とともに、葉の魅力を生き生きと見せています。キンカンの奥にあたる西側エリアは、開花するルドベキア‘ゴールドスターム’とヘレニウム‘シエスタ’の群生が広がり、にぎやかな雰囲気が楽しめる一角になっています。 上左/ガーデンの縁から溢れんばかりのぺニセタム‘カシアン’のダイナミックな穂が、訪れる人々を出迎える。上右/先月、モナルダやアリウムが咲き群れた花壇の中心部では、スキザキリウム‘ハハトンカ’のブルーグリーンの細い葉が風に揺れる美しい姿を見せている。中左/ペニセタム‘カシアン’と反対側の角に植わるモリニア‘エディスダッチェス’の繊細な穂が、キンカンと宿根草をうまくつなぎながら、野趣のあるエリアを作っている。中右/ホスタ‘オーガストムーン’の花後の花茎が、ライムグリーンの葉とともに、さりげないアクセントになっている。下左/ユーパトリウム‘ベビージョー’やカラマグロスティス‘カールフォスター’、ペニセタム‘カシアン’が風に揺れる野趣あふれるワンシーン。下右/キンカンとカラマグロスティス‘カールフォスター’の向こうに広がるエキナセア‘メローイエロー’やルドベキア‘ゴールドスターム’、ヘレニウム‘シエスタ’がにぎやかに花色を添えている。 7月の様子 中央に横たわる谷筋の両側に生き生きと広がる植栽は、どこか高原のワンシーンを想起させる野性味あふれる雰囲気。小川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてくるよう。ガーデン内に植わる2種類のヘメロカリス。通常アブラムシだらけになりがちな花のつぼみに、まったく姿が見られないのは、テントウムシが食べてくれたから。植物が力強く育っている健康的なガーデンです。 上左/ぺニセタム‘カシアン’の白緑に輝く穂や紫ピンクのモナルダの群生が爽やかな風を感じさせている。上右/アジサイ‘アナベル ピンク’やホスタ、アスチルベ・タゲッティ‘スペルマ’のピンクがやさしい雰囲気。中左/ユーパトリウム・マスクとユーパトリウム‘ベイビージョー’やカラマグロスティス‘カールフォスター’、カマツカがワイルドに広がる谷間に咲くのは、ヘメロカリス‘クリムゾンパイレーツ’の朱色の花。ひっそりとした佇まいが目にとまる。中右/アリウム‘ミレニアム’とエキナセア‘メローイエロー’の丈の低い群植とエリンジウム・ユッキフォリウムやカラマグロスティス‘カールフォスター’の草丈の差がメリハリを生んで。下左/カシワバアジサイ‘ルビースリッパー’の赤みが差した花がナチュラルな彩りを加えている。下右/明るいアクセントをもたらすホスタ‘オーガストムーン’を軸にした、野趣にあふれるエリア。カンパニュラ‘アメリカーナ’の青い花穂が爽やか。 6月の様子 先月まで咲き誇っていたアリウム‘マイアミ’の花が終わり、茶色い枯れ穂がユニークな風景を描いています。ナチュラルなガーデンだけに、カシワバアジサイやユリ‘リーガルリリー’の白い花の豪華さが際立ち、アクセントになっています。また、庭のあちらこちらで、テントウムシの幼虫がたくさん見られるようになりました。これは、冬の内にテントウムシが棲みやすい状態に整えていたことと、バンカープランツとしての原種系チューリップやイタリアンパセリを植えたからこそ。まさにこのガーデンは、テントウムシたちの食卓となっています。 上左/アリウム’マイアミ‘の株元を、モナルダ‘ブラドブリアナ’やピンクのモナルダがカバー。上右/コバノズイナ‘ヘンリーズガーネット’が白花を咲かせる穂を下げ、ホスタ‘ファーストブラッシュ’などと共に、瑞々しいシーンを描いている。中左/カシワバアジサイ‘ルビースリッパーズ’の大きな穂が目を引き、植栽の見応えをアップ。 中右/ユリ‘リーガルリリー’が堂々と咲いて華やかな雰囲気。下左/サルビア・カラドンナの群生と数本のアロニアで作る野趣の漂うワンシーン。下右/ホスタ‘オーガストーム’や原種のジギタリス・ルテアなどがグリーンの美しいグラデーションを見せている。 5月の様子 先月開花したフリチラリア‘オレンジビューティー’の株元で静かに待機していたアリウム‘マイアミ’が一斉に開花。落ち着いた色形の品種が選ばれていることで、デザイン的な風景にまとまっています。東側のガーデンでは先月末まで咲いていたカマッシアが終わり、ダッチアイリス‘ブルーマジック’にバトンタッチ。西側のガーデンでは主役が原種チューリップからアリウム‘カメレオン’に移り変わりました。無数にあがる花後のカマッシアが、野趣を強く漂わせています。 上左/太くしっかり伸びた花茎に小さめな花が咲くアリウム‘マイアミ’。無数の花が整然と並ぶ風景は、まるでインスタレーション作品のよう。上右/ダッチアイリス‘ブルーマジック’の背後に伸びるカマッシア・ライトヒトリニ‘カエルレア’の花後の姿にも風情が。中左/谷筋にカマッシア‘クシッキー’やソテツ、ユリがワイルドに広がる。中右/原種チューリップの花後の莢のまわりに広がるのは、コンパクトな草丈のアリウム‘カメレオン’。下左/肉厚で赤い葉脈を持つホスタ‘ファーストブラッシュ’の葉が地際に広がりデザインを引き締めている。下右/プルモナリア‘ダイアナクレア’×ツワブキ×メリカ・ヌタンスと、異なる色形のリーフを組み合わせているエリア。 4月の様子 ビオラ中心の素朴だった風景に、オレンジのフリチラリアや純白のスイセンが開花し、華やかさとボリュームが加わりました。静かに眠っていたガーデンの‘目覚め’が強く感じられます。花壇の縁や通路沿いでは小さなスミレや原種のチューリップ、プルモナリアが開花。コンパクトな株姿が斜面に植わる様子はまるでヨーロッパの自生地のようです。 上左/フリチラリア・インぺリアス‘オレンジビューティー’×アリウムの葉が、動きのあるユニークな風景を創り出す。上右/プルモナリア‘ダイアナクレア’とスイセン‘タリア’の色合わせが上品な雰囲気の一角。中左/小さなビオラ・ラブラドリカとグラスのメリカ・ヌタンスの華奢な組み合わせが、眺める人の視点をぐっと寄せつけている。中右/春の日差しを愛らしく反射する、原種のチューリップ・トルケスタニカとヒルデの群落エリア。下左/エピデディウム‘ピンクエルフ’とビオラが描く、野趣に富んだ風景。下右/アシズリノジギクの上にゲラニウム・ツベロサムが咲くまでは、スイセン‘タリア’が華やぎをもたらしているエリア。 3月の様子 2月下旬の作業でビオラと数種類の苗が加わったことで、宿根草や球根の花が咲くまでのガーデンは、よりにぎやかになりました。ビオラは楚々としながらもニュアンスのある品種を用いているので、デザインに深みを感じさせます。植栽の中をよく見ると、チューリップやアイリスが広がる中で、勢いよくフリチラリア‘オレンジビューティー’の新芽が上がり始めました。 左上/パープルのビオラが広がるエリアで、フリチラリア‘オレンジビューティー’がニョキリと芽を伸ばし始めた。右上/東側のガーデンの一角でひっそりと咲くプルモナリア‘ダイアナ クレア’。左下/ダッチアイリスの群植がユニークな景色を作る。右下/原生地を思わせる咲き姿の原種系チューリップ‘アルバ コエルレア オクラータ’。 2月の様子 なだらかな丘に咲くビオラの株が少しずつ大きく育ってきました。全体的には大きな変化はありませんが、よく見ると球根類の小さな芽があちらこちらに芽吹き始め、これから先の時期への期待が高まります。 左上/ビオラの花色やモナルダ・ブラドブリアナの紫葉、グラスの赤みが、このエリアのメインカラーとなっている。 右上/腐葉土をかぶり、葉をつけたまま越冬したアシズリノジギクが、ひっそりと顔をのぞかせて。 左下/愛らしい綿毛が、晩冬の風情を高めているツワブキ。 右下/枯木立のアロニアやコバノズイナの合間に芽を出しているのは、ダッチアイリス‘ブルーマジック’。 1月の様子 花壇の中は盛土された場所や溝が掘られた場所があることで全体に起伏があり、いくつもの丘が広がるような風景を思わせます。斜面に植わる落葉した数本の灌木と冬枯れの宿根草が沢沿いのようなシーンを連想させたり、ビオラが群植する様子がのびやかに広がる丘のようなシーンを感じさせたりするなど、さまざまな素朴な風景が展開。全体にのどかな雰囲気が漂っています。 左上/落葉したアロニアやノリウツギの数本の幹が、野趣のあるシーンを演出。 右上/長い花茎の先に残るツワブキの花が、侘びと力強さを感じさせる。 左下/丘の斜面に咲き群れるように広がるビオラたち。 右下/まだ厳しい寒さを物語るほかのエリアとは異なり、青々としたイタリアンパセリとエリンジウム パンダニフォリウム ‘フィジックパープル’が明るい透明感を添えている。 12月の様子 コンテストガーデンC Ladybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 【作品のテーマ・制作意図】 ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、それら3つの主体が密接に関わり合う「ワンヘルスガーデン」をつくります。土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫などの地域の生きものを呼び込む。ガーデンの香りや触れ合いを通し、ヒトの健康と安らぎを生み出すガーデンをつくり、いろいろな生きものがやってくる「みんなのガーデン」を実現します。 【主な植物リスト】 宿根草(蜜源植物):ルドベキア/オミナエシ/モルダナ/アザミ/ガウラ/スミレ/チェリーセージ など宿根草(四季の移ろい):グラス類のフェスツカ/カレックス/イトススキ/フウチソウ/チカラシバ/レモングラス/ミューレンベルギア・カピラリスなど低木類(鳥類・昆虫類来訪):スモークツリー‘グレース’/ガマズミ/アロニア‘メラノカルパ’カラーリーフ:カラスバセンリョウ/カリステモン‘リトルジョン’/イリシウム‘フロリダサンシャイン’その他(季節の果実や葉):ビルベリー/コバノギンバイカ/レモンマートル コンテストガーデンD 月々の変化 11月の様子 中央に寄せられた木々が落葉しはじめ、旬を迎えた草花の生き生きとした姿を際立たせています。ピンクや紫の花を咲かせながら自由に枝を伸ばすアメジストセージやハギがふんわりと広がるグラス類とつながり、常緑のリーフ類が彩るエリアとともに、見応えのある風景を作り出しています。 上左/常緑のテンジクスゲやモンタナマツとともに、ハマギクが落ち着いた佇まいで白花を開花。上右/落葉したガマズミのまわりで思いのままにハギが咲き乱れるさまは、愛らしくありながらもワイルド。下左/ボリューム感のあるロマンドラ・ロンギフォリアや明るい葉のカレックス‘エヴァリロ’の勢いある姿がひと際目を引く。アメジストセージのあでやかさが際立つシーン。下右/ミューレンベルギア・カピラリスの赤く透ける繊細な穂が印象的。 10月の様子 勢いに満ちた若々しい植栽は、季節の移ろいとともに落ち着きを見せ始め、樹木と草丈のある宿根草がガーデンに穏やかな雰囲気をもたらしています。植栽に立体感を与えているのは、フサアカシアとユーパトリウム‘グリーンフェザー’。その合間には、紫の花が爽やかなアメジストセージやサンジャクバーベナがふんわりと咲き群れ、ドライになったアジサイやアーティチョークの風合いを引き立てています。 上左/軽やかな植栽にアジサイ‘アナベル’の枯れ色が落ち着きをプラス。上右/ライトピンクのブッドレアとダークトーンのアーティチョークの相反するバランスが絶妙。下左/イリシウム‘フロリダサンシャイン’の黄緑の葉が、シードヘッドや優しいピンク色のシュウメイギクを背後から明るく照らしている。下右/カレックス‘エヴァリロ’、ラムズイヤー、ローズマリー、ペニセタム・アロペクロイデスなどの彩り豊かなリーフ類の植栽を、紅一点のチェリーセージの花でキリリと引き締めて。 9月の様子 若々しく成長していたガーデンも、少しずつ落ち着いたトーンに変わってきました。初夏から独特なオーラを放っていたアーティチョークの花がらは褐色に変わり、ユーパトリウム‘グリーンフェザー’を背景に、より一層の存在感を示しています。 上左/ブッドレアやバーベナ・ボナリエンシスが重なる茂みが、秋の陽光に照らされ、初秋のきらめきを放っている。上右/枯れ色を帯びたアーティチョークの大きな花がらが、ワイルドな植栽の中で宙に浮かび上がり、ガーデンの表情を豊かにしている。下左/アジサイ‘アナベル’の枯れた花穂が秋の訪れを感じさせる。下右/初夏から咲き続けるバーベナ・ボナリエンシスが、いまもなお植栽にナチュラルな彩りを添えている。 8月の様子 盛夏らしく全体的にググっと大きく成長し、見上げて楽しむ風景となりました。春よりもシンプルな植栽ですが、それぞれにボリュームが増して、見応えのある植栽となっています。なかでも特に目を引くのは、ルドベキア‘ゴールドスターム’。旺盛に茂るグリーンを背景に、濃厚な黄色が効果的に映えています。 上左/シンボリックな存在感を放っていたアーティチョークの花が終わり、開花時以上に彫刻的な姿を見せている。上右/花色が少ないエリアでは、アジサイ‘アナベル’の褪せはじめた花が上品な雰囲気を漂わせている。中左/ルドベキア‘ゴールドスターム’のにぎやかな群植が、植栽のインパクトを強めて。中右/ビルベリーの実が色づき始め、風景の小さなスパイスに。下左/花を終えたウスベニアオイがさらに成長を続け、大人の背丈をはるかに超える高さに。よく見ると花茎が帯化(たいか:植物の茎や根などが帯状に平らになる現象)した姿がおもしろい。下右/思わず触わって香を確かめたくなるハーブ類もイキイキと成長。 7月の様子 宿根草が灌木類に寄り添うように大きく育ち、インパクトのある植栽となりました。とくに力強くアピールしているのは、初夏からぐんぐんとつぼみを膨らませてきたアーティチョークの紫色の花。シルバーがかった切れ込みの深いリーフとともに、彫刻的な存在感を放っています。そのほかモナルダ(赤)やルドベキア‘ゴールドストラム’などの赤や黄色の花が、若々しい夏のシーンを描き始めました。また、アロニアやビルベリーの実が色づき始めた様子も楽しめます。 上左/春の終わりから咲き続けているクナウティア・マケドニカが、まだまだ元気に咲き続けている。 上右/発色のよいモナルダ(赤)が、カレックス‘エヴァリロ’やラムズイヤーのカラーリーフに映え、鮮やかさがさらにアップ。中左/ユーパトリウム‘グリーンフェザー’が2mほどに成長し、アーティチョークとバランスを取りながら、植栽にボリューム感を与えている。中右/アーティチョークの紫花とイリシウム‘フロリダサンシャイン’の色のコントラストや、スモークツリーのふわふわとした花が印象的。下左/ルドベキア‘ゴールドストラム’が咲き始め、オミナエシとともに黄色い花が瑞々しい風景に。下右/アジサイ’アナベル‘の豊かな花房と対比して、背景ではアロニア‘メラノカルバ’が小さな紫の実をつけている。 6月の様子 6月に入り植物たちは爆発的な成長を見せ始め、爽やかな初夏を謳歌しています。4月から咲いているクナウティアに加え、ゼニアオイの紫がかった濃いピンク色の花が加わりました。そのシックな雰囲気の中でアジサイ‘アナベル’が明るさを、モナルダやブラシの木の赤花がアクセントを添えています。ところどころに置いた菌糸のステップは、朽ちて崩れ、菌糸たちは土の中の微生物とともに植物の旺盛な成長を促しています。 上左/2種のクナウティアとゼニアオイの濃いピンクの花が、瑞々しい背景につややかに映えている。上右/この時季、遠くからでも目を引く2株のアーティチョーク。間の茂みに、イリシウム‘フロリダサンシャイン’の黄金葉とアジサイ‘アナベル’の白花が、明るさを添えている。中左/向かい合うエリア同士は軽重のバランスを変え、飽きの来ない風景をデザインしているのが分かる。中右/バイオネストが顔をのぞかせ、まるでオブジェのよう。下左/植栽手前側は、カレックス‘エヴァリロ’やラムズイヤーなどのカラーリーフで色彩豊かに。下右/バーベナ・ボナリエンシス(サンジャクバーベナ)が幻想的な風景を作り出す。 5月の様子 植物の成長が全体的に進み、こんもりと茂って生命力が感じられるガーデンに。特にウスベニアオイの旺盛な成長からは、健やかな土中の状態が伝わってきます。そんな重量感のある風景に軽やかさと彩りを添えているのは、2種のクナウティア・マケドニカやアルベンシス。スモークツリーやカリステモン‘リトルジョン’、ビバーナムなどの花も咲き始め、カラーリーフが主体の庭も変化に富んだ表情を見せています。 上左/濃いピンクのクナウティア・マケドニカと紫花のクナウティア・アルベンシスが風になびく姿が、見る人の心和ませる。上右/銅葉のツツジとガウラの新芽が、シーンに深みを与えて。中左/この時季は花が少ないものの、青々と茂るウスベニアオイや黒ずんだ葉のカラスバセンリョウ、陽に透ける美しい葉のスモークツリー‘ロイヤルパープル’など、リーフのバリエーションで楽しめる。中右/ピンクの小花をつけ始めたラムズイヤーのシルバーリーフは、思わず触れたくなる質感。下左/白い粒々とした花を咲かせるビバーナム・ハリアナム。下右/大きな葉を広げるアーティチョークのつぼみが膨らんできた。 4月の様子 先月までは主に灌木が存在感を放っていましたが、4月になると数種の球根が咲き、ほんのり華やぎが加わり始めました。この時季の主役はあちらこちらに点在するピンクのチューリップ。濃緑の葉や銅葉の灌木を背景に、つややかさを際立たせています。2月末に据えた菌糸を固めたステップにオオヒラタケが生え始め、地中の活発な様子がうかがえます。 上左/カラーリーフの中でチューリップ‘メンフィス’の華やぎが際立っている。上右/冬の間からふっくら生成り色のつぼみをつけていたベニバナマンサクがようやく開花。中左/カリステモン‘リトルジョン’のホットな赤花が、他とは異なる異国情緒を漂わせて。中右/まだ銅葉のような葉色をしたヒメハマヒサカキが、植栽に陰影をプラス。下左/手前側を軽やかに埋めているのは、ユーフォルビア・リギダとフェスツカ・グラウカ。下右/ひらひらとしたオオヒラダケのキノコが、菌糸ステップからヒョコリと現れている。こんな風景もこのガーデンならでは。 3月の様子 冬の景色として残していたアスターやススキなどのシードヘッドを2月末の作業で切り戻し、すっきりとした風景となりました。ガーデン手前側のラムズイヤーやクリーピングタイムは茶色い葉が整理され、芽を出した球根類と共に、植栽の瑞々しさをアップ。茶~黄の色彩だった風景は、徐々に緑色の風景へと移ろいつつあります。 左上/つややかな緑が映えるチューリップの芽出し。右上/アザレアツバキが開花。褐色の葉がカラーリーフとして活躍し、イリシウムの黄葉やアカシアの銀葉との色の対比が楽しめる。左下/ラムズイヤー、クリーピングタイムが青々と成長し、ガーデンの色合いをグリーンに牽引。右下/ニョキリと伸びる茎の先に花をつけるユーフォルビア・リギダ。株元では新しい芽をたくさん確認。 2月の様子 冬の装いをした低木の下で、成長の早い宿根草や球根類が成長を始めています。ふわふわとした枯れ姿のノコンギクの株元には、新たな葉がびっしりと広がっています。マルチングに用いたナシのチップがキノコの菌糸と絡み合い、朽ちて土に馴染み始めました。 左上/ベルベット調の質感を持つベニバナミツマタのつぼみが日に日に膨らんでいる。 右上/まわりとの取り合わせで、朽ちた姿にも風情があるアメジストセージやフェスツカ・グラウカ。 左下/ひと足早く青々と成長しているバーベナ・ボナリエンシス。 右下/ラムズイヤーの傍らで芽吹く、赤い新芽のガウラ。奥には球根類がたくさん芽を出している。 1月の様子 落葉した灌木類と冬枯れしたススキやノコンギクなどの宿根草とのコンビネーションが、冬の日差しに反射し、きらめきのある風景を描いています。一方、常緑樹のモンタナハイマツやローズマリーの瑞々しくどっしりとした重量感が、花がないこの時期にも豊かな表情を見せてくれます。所々に配された菌糸を固めて作った平板をめくると、接地面から菌糸が広がっており、土中の微生物たちがぐんぐんと成長しているのが分かります。 左上/アーティチョークのギザギザとした葉で、空間に造形的な面白さをプラス。 右上/枯れ姿のノコンギクが風情たっぷり。フサアカシアなどの灌木同士を、ふんわりとつないでいる。 左下/赤みを帯びたユーフォルビアのユニークなフォルムが、植栽のデザインに動きをもたらしている。 右下/冬の間も楽しめる、モンタナハイマツ×テンジクスゲ×ツワブキの造形の異なる常緑植物の組み合わせ。 12月の様子 コンテストガーデンD KINUTA “One Health” Garden 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【作品のテーマ・制作意図】 私は「みんなのガーデン」を、来園者だけでなく、花を訪れる虫、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」をつなげる庭と捉えました。温暖化する東京の気候に合った植物を差別なく組み合わせ、虫や菌たちによる循環系の形成、見るだけでなく庭づくりに参加もできる「みんなのガーデン」。「みんな」が共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい。この想いが、この庭から未来へ・社会へ・地球へと広がっていけば、と考えています。 【主な植物リスト】 宿根草:マンガベ ‘マッチョモカ’/アムソニア ‘ストームクラウド’/アガパンサス ‘ブラックマジック’ /アネモネ トメントーサ/ジンジバー(ミョウガ)斑入り/イリス・エンサタ(ハナショウブ)‘バリエガータ’/パトリニア プンクティフローラ/タリクトラム ‘エリン’ /ユーフォルビア ‘ファイアーグロー’/ユーパトリウム ‘リトルレッド’ などグラス類:カラマグロスティス ‘カールフォースター’/モリニア ‘トランスペアレント’ /アンドロポゴン ‘ブラックホークス’ /スキザキリウム ‘ハハトンカ’ /コルタデリア ‘ミニパンパス’/メリニス ‘サバンナ’/ムーレンベルギア/スティパ/ホルデウム など低木:ネリウム(キョウチクトウ)‘ペティットサーモン’/コルヌス(サンゴミズキ)‘ケッセルリンギィ’/ロロペタルム (トキワマンサク) ‘黒雲’ /ブッドレア・ グロボサ など球根:ナルキッスス(スイセン)タリアなど数種/チューリップ(原種、園芸種含めて多品種)/アリウム (開花期をずらして数種)/イキシア・バビアナ・ワトソニアなどの南アフリカ原産種 など コンテストガーデンE 月々の変化 11月の様子 のびのびと広がる多種多様な植物たちは、それぞれ個性を保ちながらも、深まる秋の寂の趣を漂わせるようになってきました。オクラやヒモゲイトウなど昔ながらの植物が植えられた一画は、民家の庭先を思わせるような秋の風情を感じさせます。アスターやシュウメイギク、アスクレピアスなどの花々がひと際艶やかに咲き誇り、情趣豊かな世界を織りなしています。 上左/カリオプテリスやミューレンベルギア・カピラリスがふんわりと広がるその傍らで、アガスターシェ‘ゴールデンジュビリー’のシードヘッドとシュウメイギク‘パミナ’、アスター‘ジンダイ’が存在感を放ち、対比の妙を演出。上右/今にも綿毛を飛ばしそうなカルドンやバーベナ‘ブルースパイヤ—’などのシードヘッドとパニカム’ダラスブルース’の組み合わせが、デザイン的でありながらのどかな雰囲気を醸している。下左/ユッカ’ゴールデンスウォード’ の直線的で硬い質感と、線が細く柔らかいグラスのスティパの質感の対比が印象的。下右/ミューレンベルギア・カピラリスから透かしてみるルドベキア‘リトルヘンリー’が秋の味わい。 10月の様子 開花のピークがひと段落したガーデンでは、花やリーフが落ち着いた色合いへと変化し、味わいを増し始めています。さまざまなシードヘッドやグラス、リーフの魅力が際立つ季節の到来です。ルドベキア・マキシマやエリンジウム・ユッキフォリウム、カールドン、バーバスカムのシードヘッドのシルエットが爽やかな秋空に浮かび上がり、彫刻のような美しさを堪能できます。たくさんのトンボたちが羽を休めている姿が楽しめるのも、この時季ならではの光景。 上左/カールドンやバーバスカムの黒褐色になったシードへッドと、アスクレピアス・チュベロサの鮮やかなオレンジの花との対比が抜群。上右/エリンジウム・ユッキフォリウムとルドベキア・マキシマのシードヘッドが、空に向かってリズミカルにシルエットを描いている。下左/カンナ‘ベンガルタイガー’の存在感ある立ち姿が、まわりの植物の秋の趣を一層際立たせて。下右/アロエ・ストリアツラ、ベスコルネリア・セプテントリオナリス × デコステリアナ、カレックス‘エバリロ’、セトクレアセア‘プルプレア’の個性的な組み合わせは、秋に入ってもつややかさを維持。茶色になり始めたグラス類との対比が、コーナーを豊かな表情に。 9月の様子 彩り豊かな植栽は、少しずつ深みのある色調に変化しながらも、まだまだたくさんの花々でにぎやかです。マンガベやユッカなど、繊細な植栽のなかで重量感のある植物、乾き始めて軽やかさが増しているグラス類、ダリアやアマランサス‘ホピレッドダイ’など植栽を引き締めている赤葉や銅葉など、それぞれの役割をもった植物が必然性のある配置で、輝きを放っています。赤いオクラや綿の花も見頃。 上左/酷暑を乗り越え、なお元気に育つ多様な草花の中で、カンナ‘ベンガルタイガー’の明るい葉が、圧倒的な存在感で花壇全体をまとめている。上右/どっしりと葉を広げるマンガベ‘マッチョモカ’と、バーベナ‘バンプトン’の霞のような株姿の重量感のコントラストが、組み合わせの妙を感じさせる。下左/パトリニア・プンクティフォリアの花後の白緑色の種穂が輝く重層的な植栽。下右/ユッカ‘ゴールデンスウォード’のまわりで開花を迎えた、ビゲロウィア・ヌッタリィとアリウム‘メデューサズヘア’。スティパ・テヌイッシマも合わせた、このガーデンの晩夏のシンボリックなエリアの一つ。 8月の様子 酷暑の真夏も引き続き多種多様な花が咲き続けています。個性的な色彩とフォルムの対比をさまざまなグラス類が巧みに繋ぎ、混沌しているようでありながら、植物と人、虫たちまでもが見事に一体化された生命の空間を感じられます。グラス類や線の細い植物に対し、カルドンやエリンジウムなどのシードヘッドの彫刻的フォルムが対照的で魅力的。 上左/中央部分では大人の背丈を超える高さにまで植物が生育。アリウム‘サマードラマー’やルドベキア・マキシマのシードヘッドの間で、ヒビクス・コッキウス(モミジアオイ)が赤い花を咲かせている。上右/赤紫葉のアマランサス‘ホピレッドダイ’を引き立てるように、煙のような穂をつけているのはグラス、エラグロスティス・スペクタビリス。中左/線の細い植物を支えるように、ピクナンセマム・ムティクム(広葉マウンテンミント)の白い苞葉が広がっている。中右/日本で古くから育てられていて懐かしさを感じるムラサキゴテン(セトクレアセア・パリダ)と細かい穂のグラス、エラグロスティス・スペクタビリスの組み合わせや、エリンジウム・ユッキフォリウムの丸いシードヘッドが、幻想的な風景を描く。下左/ダウクス‘ブラックナイト’やルドベキア・マキシマのシードヘッドと黒葉のダリア‘ブラックナイト’のシルエットが個性的な風景を演出。下右/強烈な印象を放つカンナ‘ベンガルタイガー’とソフトな草姿のシルフィウム・モーリーや斑入りのグラス、ミスカンサス‘モーニングライト’との取り合わせが好対照。 7月の様子 花壇の中央部の草花は人の背丈を超え、見上げる景色になりました。この時季でも多種多様な花が咲き続けて、日々大きく変化する絵画的シーンとの一期一会の場になっています。あえて無造作に見せるカッティングと目立たないよう支柱を添えることで、整いすぎない植栽の野生みを楽しみながら、植物の生命力まで感じることができます。 上左/にぎやかに咲くコレオプシス’ガーネット’の濃いピンクや、その背後から顔を出すエキナセア’マーマレード’、赤紫葉のアマランサス’ホピレッドダイ’などのこっくりとしたカラーを、スティパのエアリーな褪せた穂がひと際あでやかに引き立てている。上右/エリンジウム’ブルーグリッター‘やアキレア’ヘラ・グラショフ‘などさまざまな色形の植物が、一幅のタペストリーのようなシーンを描いて。中左/リリウム・ライヒトリニィ(=コオニユリ)やフロックス‘ハーレクイン’、モナルダ’ファイアーボール‘のビビッドな花色が、強烈なインパクトを放つ。中右/リアトリス‘コボルト’とダリア‘ブラックナイト’など比較的コンパクトな品種で安定感を出したエリア。下左/ニューサイランの縦ラインを中核に、ブロンズフェンネルやダウクス‘ブラックナイト’などセリ科の花特有の水平感を対比させ、そこにアリウム‘サマードラマー’の球状のシードヘッドがふわりと浮かぶシーンはどこか幻想的。下右/ヘレニウム‘モーハイムビューティー’の花に、ニュアンスある銅葉のクロコスミア‘ソルファタラ’ が寄り添う。その黄〜濃オレンジ花の色彩と、奥に咲くバーベナ・ボナリエンシスやサルビア・グアラニチカなどの青紫花との補植対比が風景にリズムを加えて。 6月の様子 春に引き続き、初夏の花がにぎやかに開花しています。パレットのように豊かな色彩が展開し、花姿・草姿もじつに多種多様。グラス類のメインはホルデウム・ユバツムからスティパに移行しています。中でも繊細でいて堂々とした存在感を放つのは、大型種のスティパ・ギガンテア。ニューサイランやカールドン、エルムルスとともに、造形的でありながら野趣のある風景を織り成し、観る人の関心をぐっと引き寄せています。 上左/ダイアンサス・カルスシアノルムの濃いピンクの花とペルシカリア‘ゴールデンアロー’の黄金葉のコントラストが、シーンの印象をぐっと高めて。上右/さまざまな草姿・花姿の植物が美しいレイヤーをつくり、重層的な風景を紡ぎ出している。中左/ダリア‘ブラックナイト’やバーバスカムなどの多様なリーフの中で、アキレア’アプリコットディライト’、シシリンチウム・ストリアツムが効果的に彩りを添えている。中右/ニューサイランやスティパ・ギガンテア、カラマグロスティス‘カールフォースター’で魅せる、独創的なシーン。すらりと伸びるアリウム‘サマードラマー’のつぼみがユニーク。下左/アロエ・ストリアツラの手前側に合わせられたピンク花のマツバギクと黄葉のカレックス‘エヴァリロ’。ガーデンの入り口にふさわしいウェルカムコーナーとして存在感を放っている。下右/アルストロメリア‘サマーブリーズ’ のオレンジ×黄の花が、灰紫色の葉とともに植栽の表情を豊かに演出。 5月の様子 4月まで個々の形が際立っていた植栽もすくすくと成長し、様々な花が風に揺れる野原のようなナチュラルな風景に様変わりしました。主役はチューリップから、バリエーションもさまざまなアリウムにバトンタッチ。ガーデンのあちらこちらでユニークな花姿が楽しめます。色形のバラエティ豊かな植栽のなかで、特に目を引くのは、ピンクのエスコルチアやパパベル’レディーバード’の花とホルデウム・ユバツムのキラキラした穂。風に揺れる花がビビッドなスパイスとなりつつ、牧歌的・幻想的な光景を演出しています。 上左/目にも鮮やかなピンクのエスコルチアとトラディスカンティア‘スイートケート’、ロロペタルム’黒雲’の配色取り合わせ。アリウム・シューベルティがシーンに形のリズムも添えて。 上右/パパベル’レディーバード’の真っ赤とネペタ’ウォーカーズロウ’の青紫の花色対比が遠目からでも色鮮やかに映える。 中左/ホルデウム・ユバツムの穂が陽光に輝いて描き出す幻想的な野の風景。 中右/花壇中央、ボリュームのあるバプティシア’キャロライナムーンライト’のクリーム色の花穂とアリウム’グラディエーター’と紫色の球形花序で色形のコントラストを表現。 下左/サルビア‘カラドンナ’の深みのある暗紫花がシーンの色彩をぐっと引き締めてより印象を強化。 下右/やわらかく軽やかな色・質感の植物の中、個性の強いアロエ・ストリアツラやベスコルネリアが、優しい表情に溶け合いつつ同時に重量感のあるフォーカルポイントに。 4月の様子 グラベルガーデンのような趣から一転! スイセンやチューリップ、フリチラリアなどの球根に加えてラナンキュラス・ラックスも満開を迎え、一気に華やぎのある風景となりました。 花色の美しさに加え、楽しませてくれるのが個性豊かな春咲き球根の開花リレーやリーフの鮮やかな芽吹き。独創的、かつ景色の移ろいと生命の歓喜を堪能できる季節です。 上左/コーナーで満開を迎えたロロペタルム’黒雲’の濃厚な銅葉と濃赤花が目を引く。黄金葉のトラデスカンティア‘スイートケイト’、青紫花のシラー・シベリカとのコントラストが挑発的。中央のアンティーク調の一輪はチューリップ‘ラ・ベルエポック’、その左、細い外弁に緑色がのる咲き方がユニークな白半八重チューリップは‘ホワイトバレイ’。 上右/ピンク花で黒軸のチューリップ‘ライトアンドドリーミー’やスイセン‘タリア’、銅葉のアスチルベ‘ダークサイドオブザムーン’の濃厚な対比がやわらかい葉群の中で際立っている。中左/ペルシカリア‘ゴールデンアロー’の黄金葉とチューリップ‘ハッピーフィート’の明暗の対比が鮮やか。 中右/大型で彫刻的な姿・不穏な花色のフリチラリア・ペルシカがシーンをぐっと劇的に引き締めて。下左/ユッカ‘ゴールデンスウォード’の株元を軽やかに彩るアスフォデリネ・ルテアの細葉とベロニカ‘ジョージアンブルー’の紫花。下右/原種系のチューリップ ‘ジャイアントオレンジサンライズ’。独特な葉模様と巨大花が個性的なフォーカルポイントに。 3月の様子 グラベル仕上げの地面で個性を放つ植物たち。それら一つひとつにフォーカスして楽しめるのは、地上部が少なく隙間があるこの時季ならではの見どころです。さまざまな芽が小さな景色を織り成す中、今春の一番手で花をつけているのはスイセンとクロッカスの2種。このガーデンでは真っ白い花が見られるのは春の初めだけで、これからカラフルに色づく植栽の静かなイントロダクションとして、清楚な彩りを添えています。 左上/世界の多種多様な植物が、健やかに成長できるよう配慮して植えられたガーデン。右上/ベタっと広がるアリウム ‘マイアミ’。アリウムだけでも大小・姿形さまざまに展開する多様な種類が用いられている。左下/透明感あふれるナルキッスス パピラケウス。右下/白花の外側の花弁が紫色のクロッカス ‘プリンスクラウス’。自然界で見られる“コロニー(群生)”のように、ぎゅっとまとめて植えている。 2月の様子 中央のニューサイランを軸にして渦を描くように設けられた花壇に、早くも植物たちが色形の異なる個性を見せ始めました。現在は、造形的なフォルムのアロエやエリンジウム ‘フィジックパープル’、黒葉のベルゲニア ‘レッドスタート’、ペンステモン ‘ダークタワーズ’などの植物が、他にリードして存在感を放っています。その間では小さな宿根草や球根が愛らしく芽を伸ばして。 左上/芽出しから独特な姿を見せるチューリップ ‘ジャイアントオレンジサンライズ’。 右上/葉の縁が赤く色づくチューリップ シルベストリスと黒みがかる繊細なダイアンサス カルスシアノルム、そしてベタっと大きめの葉を広げるフロミスなどが植わるエリア。どこを切り取っても組み合わせの妙が感じられる。 左下/ユッカの傍らに植わる、クルクルと渦を描く姿がユニークなアスフォデリネ ルテア。個性的だがブルーがかるやわらかい質感が、ユッカの強烈な雰囲気を和らげている。 右下/マットな革質の黒葉ならではの質感で存在感を放っているのはベルゲニア‘レッドスタート’。 1月の様子 化粧砂利のような明るい表土とアールを描く通路のデザインは、植物が小さなこの時期の大きな見せ場の一つとなっています。見下ろした風景はまるでノットガーデンのよう。常緑性のニューサイランやアロエなどのほかは、冬季落葉性の宿根草や低木類で、地上部がとても小さかったり枝のみだったりしますが、冬越しのロゼット葉の造形やカラーステムがとてもユニーク。それだけに、これからの成長と風景の変化も大きな見どころです。 左上/幹立ちして展開するアロエ ストリアツラと、カレックス ‘エヴァリロ’のライムイエローの葉が、植えたてのため不織布を被せて防寒養生中のベスコルネリアをやんわりと目隠し。右上/鹿沼土と軽石をブレンドした明るい表土をトキワマンサク ‘黒雲’の照りのある黒葉で引き締めている。左下/細い葉をふんわりと広げるルッセリア エキセティフォルミスやカレックス ‘プレイリーファイアー’、ロドコマ カペンシスに矮性のネリウム (キョウチクトウ) 、ネリウム ‘ペティットサーモン’を組み合わせた、植物の多様な面白さが感じられるシーン。右下/多くの植物が冬季落葉中のなか、放射状に葉を広げるエリンジウム ‘フィジックパープル’が、目を引くアクセントとして活躍しながら空間を埋めている。 12月の様子 コンテストガーデンE 「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 12月下旬、作庭後の様子。 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」の参加者募集! ※締め切りました 2022年にスタートしたガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」が、代々木公園・神代植物公園・砧公園での開催を経て、2025年、夢の島公園で始まります。第4回のコンテストの舞台は、夢の島公園「グリーンパーク」内(東京都江東区)。コンテストのテーマは、「海辺のサステナブルガーデン」です。応募の締め切りは、2025年8月31日(日)18時必着。応募方法など詳細は、以下のバナーをクリック! 5月25日(日)「入賞者イベント」開催! ※終了しました 第3回東京パークガーデンアワードの入賞ガーデナー5組によるガーデンイベントを5月25日(日)に開催しました。入賞ガーデナーが案内する「ガーデンツアー」や「たねダンゴづくり」、「微生物観察ワークショップ」など、子どもから大人まで楽しめるガーデンイベントで当日は賑わいました。 ■日 時:2025年5月25日(日)10:00~15:10(雨天中止)■会 場:都立砧公園(東京都世田谷区)コンテストガーデンエリア(みんなのひろば前)■参加費用:無料 第3回 東京パークガーデンアワードの入賞者によるオンライン座談会イベント 都立砧公園にて開催中の第3回コンテストガーデン入賞者5名によるオンライン座談会を2025年8月1日(金)15:30~17:00に開催しました。座談会では、入賞者それぞれの応募書類の紹介、植物の調達から造園、メンテナンスまで、参加したからこそ分かる”ナマ”の声をお届けしました。 11月9日(日) 「ガーデンフェスティバル@砧公園」開催!※終了しました 「東京パークガーデンアワード」のコンテストをより深く知ってもらうためのイベント「ガーデンフェスティバル@砧公園」を11月9日(日)に開催しました。入賞ガーデナーが案内する「ガーデンツアー」や「生き物クイズ」、「ミニブーケづくり」など、秋の花咲く庭を眺めながら過ごす特別な1日。人気のキッチンカーもやってきて、大人も子どもも楽しめるイベントとなりました。 ■日 時:2025年11月9日(日)10:00~16:00(雨天中止)■会 場:都立砧公園(東京都世田谷区)コンテストガーデンエリア(みんなのひろば前)■参加費用:無料 5つの花壇のコンセプト・作庭・審査様子の詳しいレポートはこちらをチェック! コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせください。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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バラも果樹も鉢植えでこんなに実る! 全国ガーデナーが選ぶ土の活力素『バイオマイスター』
バラが咲きこぼれる“秘密の花園”と、鉢植えジューンベリーのある暮らし フォトコン受賞の庭、つるバラ ‘芽衣’ が彩るコテージガーデン 牧さんの庭が注目を集めるきっかけになったのは、ガーデンストーリー主催の「Instagram バラのフォトコンテスト2019」。つるバラ ‘芽衣’ がピンクの雲のように咲き広がる1枚が編集長賞を受賞し、「こんな庭にしてみたい!」という憧れの声が多数寄せられました。 受賞写真に写っている建物は、築50年の納屋をリフォームしたという小さなコテージ。お客さまをお迎えしたり、レッスンをしたりと、牧さんにとって“庭のリビング”ともいえる場所です。以前は建物の周りがアスファルトで覆われ、地植えができない環境だったため、「せめて壁だけでも華やかに」と、コンクリート用のメッシュフェンスを取り付け、その足元に ‘芽衣’ を植栽。ご主人手づくりのフェンスに丁寧に誘引を重ね、数年で壁二面を覆うほどの見事な景色になりました。 宿根草や一年草が風に揺れる株元も、牧さんならではの優しい植栽。バラを主役にしつつ、季節の草花が表情を添える、物語のような庭が広がっています。 花の庭の片隅で育つ、鉢植えジューンベリー 春の花、初夏の実り、秋は紅葉と楽しみが多いジューンベリー。写真/牧勝美さん そんな「花の庭」のもう1つの楽しみが、鉢植えで育てているジューンベリーです。「実がなる木を育ててみたいけれど、地植えのスペースが限られている」「樹高をコンパクトに保ちたい」という方にとって、鉢植え果樹は気軽にチャレンジできる存在。牧さんも、季節の変化を身近に感じられるよう、ジューンベリーを鉢で育てています。 春には白い小花がふわりと咲き、初夏には房状に連なる赤い実がたわわに色づきます。秋には紅葉を楽しみ、冬は落葉した枝にオーナメントを飾ってクリスマスの演出を楽しんでいるという牧さん。鉢植えなら、見せたい季節に一番きれいな場所へ移動できるのも魅力。ジューンベリーの鉢も、バラや宿根草の合間にそっと置かれ、庭全体のストーリーの一部になっています。 年々減っていく収穫量…鉢植えジューンベリーの悩み 「鉢が窮屈になってきた?」収穫量が少しずつ減少 鉢植え果樹を長く育てていると、多くの人が一度は経験するのが「最初の数年はよく実ったのに、最近なんとなく収穫が減ってきた」という悩み。牧さんのジューンベリーも、まさにその状態でした。 「鉢が窮屈になってきたのか、年々少しずつ収穫量が減ってきていました」 鉢の中は、年数が経つにつれて根が回り、土も固く締まりがち。水やりや追肥はしていても、根の周りの環境が窮屈になると、枝葉の勢いが落ち、花や実の数にも影響してしまいます。 「植え替えをすればいいのは分かっているけれど、大きな鉢を毎年やり直すのはなかなか大変」。そんなふうに感じている読者の方も多いのではないでしょうか。 植え替えだけに頼らず、“土の力”を見直したい そこで牧さんが注目したのが、「土の活力素」として開発されたメネデール社の『バイオマイスター』でした。 バイオマイスターは、根が育つ周りの環境(根圏)に、空気と水分をしっかり確保しつつ、肥料分や微量要素、有効微生物をバランスよく補うことで、根が健康に育ちやすいよう土壌を整えてくれる資材です。 鉢を大きくしたり植え替えたりすることも大切ですが、毎回それをするのはなかなか大変です。できれば鉢はそのままにして、表面の土を整えることで、改善を図りたい。そんな思いから、牧さんは寒肥のタイミングで、ジューンベリーの鉢の表土にバイオマイスターをのせてみることにしました。 「植え替えを頻繁にしなくても、表面から土をリフレッシュしてあげるようなイメージで使い始めました」 3年以上の愛用で実感! 牧さんの『バイオマイスター』DATA ここで、牧さんのバイオマイスター使用状況を、分かりやすく整理しておきましょう。 【牧勝美さんの『バイオマイスター』DATA】 使用歴:3年以上 使用シーン:鉢・プランター、バラ 使用方法: 追肥・寒肥のタイミングで、鉢や株元の表土にふんわりとのせる(表層マルチ) 実感していること: 「実付き・花付きがよくなったと感じています」 「鉢植えジューンベリーは、収穫量が昔のように増えて、ジャムをたくさん作れるようになりました」 「地植えではなく鉢植えでも、開花や収穫をしっかり楽しめるのが嬉しいです」 寒肥のタイミングで、土の表面にそっとのせるだけ 牧さんが心がけているのは、「難しいことはせず、続けられる方法で使う」こと。ジューンベリーやバラの株元の土の上に、追肥や寒肥のタイミングでバイオマイスターを数センチ厚みにふんわりとのせ、軽くならすだけで、特別な作業はしていません。 「鉢を全部ひっくり返して植え替えるのは腰が重いけれど、表面にのせるだけなら毎年続けられるんです」と牧さん。手軽さも、3年以上続けられている理由の1つです。 ジューンベリーの収穫量が「昔のように」戻った 庭から摘んだジューンベリーで自家製のジャムを。写真/牧勝美さん 使い始めてしばらくすると、少しずつ嬉しい変化が見えてきました。 「バイオマイスターを与えるようになってからは、収穫量も昔のように増えて、ジャムをたくさん作ることができています」 かつては「今年はちょっと実が少ないな」と感じていた鉢植えジューンベリーが、再びたわわに実るようになり、キッチンで大鍋いっぱいのジャムを煮る時間が戻ってきました。 「地植えではなく鉢植えでも開花や収穫を楽しめるのは、とても嬉しいです」 バラの花付きも安定し、「庭全体のボリュームが出てきた」と感じている牧さん。特別なテクニックではなく、“土の力”を底上げすることで、植物が本来の力を発揮しやすくなった──それが、バイオマイスターを使い続けて一番実感していることだと話してくれました。 全国のガーデナーが実感!『バイオマイスター』愛用者の声 バイオマイスターを使っているのは、牧さんだけではありません。バラの愛好家から家庭菜園派、寄せ植え作家さんまで、さまざまなガーデナーから「咲き方・実り方が変わった」という声が寄せられました。ここでは、その一部をご紹介します。 【バラ&果樹】花数が増え、実付きもアップ まず目立ったのが、「バラや果樹の花付き・実付きが明らかによくなった」という声です。 バラやクレマチスなどの鉢栽培にバイオマイスターをマルチング。写真/ちぃぽぽさん ◾️岡山県・ちぃぽぽさん(使用歴:1〜2年)は、バラの鉢・プランターにマルチングとしてバイオマイスターを使用。モニターとして試したところ、バラがよく咲いた実感があり、それ以来バラの株元には欠かせない存在になっているそうです。 美しく開花した鉢植えのバラ。写真/ちぃぽぽさん 腐葉土とバイオマイスターをブレンドして株元にマルチング。写真/hanaさん ◾️岡山県・hanaさん(使用歴:3年以上)は、鉢・地植え・花壇のバラやブラックベリーに、冬の寒肥やマルチング代わりとして活用しています。寒い季節でも作業が簡単で続けやすく、「花数が増え、実付きもよくなった」とのこと。さらにマルチング効果で土の乾きがゆっくりになり、水やりも楽になったと話します。 プランター栽培のバラも見事な花付きを見せる春の庭。写真/hanaさん デルフィニウムとバラのシックなモーブカラーコーデ。写真/hanaさん 鮮やかな花色が庭で目を引く真紅のつるバラ。写真/ktcさん ◾️東京都・ktcさん(使用歴:3年以上)は、鉢植えと地植えのバラに、主に追肥としてバイオマイスターを使用。つるバラの花後に与えたところ、翌年も無事にしっかりと開花した経験から、「花後のリセットと、次のシーズンにつなぐケア」に手応えを感じているそうです。 花も果樹もたわわに咲き、実り、季節ごとに楽しみがたくさんの庭。写真/あんさん ◾️埼玉県・あんさん(使用歴:3年以上)は、鉢・地植え・家庭菜園・花壇・バラと、庭中でバイオマイスターをフル活用しているヘビーユーザー。バーク堆肥と混ぜて株元にマルチングしたり、赤玉土や腐葉土に混ぜてオリジナル培養土を作ったり、果樹やバラには肥料と一緒に穴を掘って与えています。忙しくて庭仕事が後回しになった期間があったにもかかわらず、多くの植物が変わらず花を咲かせ、果樹も甘くおいしい実をつけてくれたといいます。バラは病気が少なく、花数も多かったそうで、「根が元気に張っているからかも」と感じているそうです。プレゼント企画でお試しして以来、「業務用の大袋を通販で購入して使い続けている」というコメントからも、信頼度の高さが伝わってきます。 【寄せ植え&コンテスト】“見せる鉢”でも根張りと色つやに差 華やかな寄せ植えを数多く手がける人たちからも、「短期間でしっかり仕上がる」という感想が寄せられました。 ケイトウやコスモス、コレオプシスなどがやさしい色で混じり合い、秋の風を感じるような春香さんの寄せ植え作品。写真/春香さん ◾️宮城県・春香さん(使用歴:1〜2年)は、寄せ植えコンテストの出品作品を作る際、必ず自作培養土の1〜3割にバイオマイスターをブレンドしているそうです。コンテスト作品は短期間で開花をピークにもっていく必要があるため、元肥は少なめ、あるいは入れずに、バイオマイスターと液肥で調整。慎重に管理するなかで、「以前よりも根付きがよく、花付きも安定し、葉の緑が濃くなった」「新しい葉やつぼみが次々と上がってくる」といった変化を感じているとのことです。 写真/春香さん “短期決戦”の寄せ植えは、根のコンディションと葉の色つやが勝負どころ。そこにバイオマイスターを「土の素」として組み込むことで、根張りと花色・葉色の両方を底上げするパートナーとして頼りにされていることが分かります。 【家庭菜園&実もの】ナス・ピーマンが10月末まで、カボチャも大きく美味しく 家庭菜園や実もの栽培にバイオマイスターを取り入れている方からは、「収穫期が伸びた」「実がしっかり太った」といったコメントが届きました。 つややかな実をつけるピーマン。写真/Hanatonさん ◾️北海道・Hanatonさん(使用歴:今年初めて)は、鉢・地植え・家庭菜園・バラに、主に追肥としてバイオマイスターを使用。家庭菜園では、ナスとピーマンの苗が青々と力強く育ち、10月末まで収穫が続いたそうです。一方で、枝豆は茎葉ばかりが伸びて豆の入りが悪かったとのことで、「肥料バランスや日当たりが合わないと、すべての作物に同じように効くわけではない」という気づきもあったそう。適切なタイミングや施肥量を心がけることの大切さが伝わるエピソードです。 土の力で“咲く力・実る力”を引き出す。『バイオマイスター』ってどんな資材? 根が育つ“環境”を整える、土の活力素&培養土の素 メネデール社の『バイオマイスター』は、植物の根が生きている「根圏」と呼ばれるエリアの環境を整えるために開発された、土の活力素です。メーカーでは、培養土づくりの基本資材として使える“培養土の素”という位置づけもされています。 配合している有機・鉱物素材と、有効微生物、各種栄養素の働きによって、 根の周りに新鮮な空気と水分を確保する 根が健康に伸びるための物理的・化学的・生物的環境を整える 窒素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウムなどの養分と、鉄・マンガン・ホウ素といった必須微量要素をバランスよく補う といった働きがあります。 さらに、土壌中の有害菌の増殖を抑えるバチルス菌や乳酸菌、植物と共生して生育を支える菌根菌など、“善玉菌”といわれる有効微生物が豊富に含まれているのも特徴。これらが有害菌のはね返りや活性化を抑え、根を病気から守ってくれます。 その結果として、弱った庭木やバラ、鉢植えの花や果樹が本来の力を発揮しやすい状態に整う──それが、バイオマイスターの根本的な役割です。 1袋あればここまで使える! バイオマイスターの主な用途 バイオマイスターは、1つの目的だけに特化した資材ではなく、「土をよくしたい」場面で幅広く使える万能タイプ。メーカーや各種解説記事では、次のような用途が紹介されています。 培養土づくりの基本資材として赤玉土や腐葉土などと混ぜて、オリジナル培養土のベースに。 古土の再生に日光消毒した古土に対し、2〜3割を目安に混ぜると、ふかふかの培養土に再生。 花木・果樹・バラのマルチ資材として良質な腐葉土と等量で混ぜ、株元の表面に2〜3cmほど敷き詰めることで、 寒肥・追肥としての養分補給 土壌改良 有害菌のはね返り防止を同時に行えるマルチング材として活躍します。 追肥・元肥(有機配合栄養)として植え替え時の元肥、または追肥のように使うこともでき、有機物と栄養分をいっしょに施せます。 腐葉土づくりのスターターとして落ち葉や雑草を堆肥化する際に混ぜることで、微生物の働きを助け、発酵を促進します。 今回ご紹介した牧さんをはじめ愛用者の方々も、 バラや果樹の株元マルチ 寄せ植え用のブレンド用土 家庭菜園の追肥・土壌改良 など、複数の用途を組み合わせて使い、「花付き・実付きがよくなった」「根張りが違う」と実感していました。 “こんなあなた”におすすめです 最後に、この記事を読んでいるガーデナーの中で、特にバイオマイスターが力になってくれそうな“お悩みタイプ”をまとめておきます。 鉢植え果樹の収穫量が落ちてきたと感じている人ジューンベリーやブルーベリー、レモンなど、鉢植えで実ものを育てていて、「昔より実が少ない」「樹が疲れてきた気がする」という方に。 バラの花付き・株の勢いに物足りなさを感じる人寒肥や追肥をしているのに、花数が少ない・枝が細い・病気が出やすい…という場合、根の周りの“土の環境”を整える一手として。 寄せ植えやコンテスト用の“見せる鉢”を、短期間でしっかり仕上げたい人限られた期間で花数と色つやを出したい寄せ植えに、ブレンド用土の一部として取り入れたい方に。 家庭菜園で、ナス・ピーマン・トマトなどを長くたくさん収穫したい人夏野菜の根張りをよくし、秋まで息長く実らせたいときの土づくりに。 古い土も活かしながら、なるべく捨てずに再利用したい人ベランダや小さな庭で土の置き場に困っている場合、古土再生+マルチング+培養土づくりを1袋でまかなえるのは大きなメリットです。 たくさんの資材を買い足すのは大変。まずは1つ“軸”になるものが欲しい人培養土の素・マルチ材・追肥・古土再生と、幅広く使えるので、「とりあえずバイオマイスターを1つ置いておく」という使い方にも向いています。牧さんの鉢植えジューンベリーのように、「前より花が増えた」「実がたわわになった」「弱っていた株が元気を取り戻した」という小さな変化は、庭の景色とガーデニングの楽しさを大きく変えてくれます。 次に鉢を植え替えるとき、寒肥を入れるとき、古土をどうしようか迷ったとき──“土の力”を少し底上げする選択肢として、『バイオマイスター』を加えてみてはいかがでしょうか。
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【庭木に最適】赤い実と紅葉が秋を彩るカンボク! 四季の移ろいを楽しむ栽培ガイド
カンボクの基本情報 Edita Medeina/Shutterstock.com 植物名:カンボク学名:Viburnum opulus var. sargentii英名:Sargent Viburnum、Japanese water elder和名:カンボク(肝木)その他の名前:ケナシカンボク(毛無肝木)科名:レンプクソウ科属名:ガマズミ属(ビバーナム属)原産地:日本(主に中部以北)、朝鮮半島、中国など東北アジア形態:落葉性低木~小高木 カンボクの学名は、Viburnum opulus var. sargentii 。レンプクソウ科ガマズミ属(ビバーナム属)の落葉樹です。原産地は日本、朝鮮半島、中国。沖縄を除いて日本各地に分布していますが、冷涼な気候を好み、やや暑さを苦手とします。自然樹高は7mほどに達しますが、毎年の剪定によって程よい樹高にコントロールすることが可能です。初夏に白い花を咲かせるほか、秋にはかわいらしい赤い実をつけるとともに紅葉も美しく、四季の移ろいによって表情の変化を楽しめる花木です。 カンボクの花や葉の特徴 LS92/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜7月樹高:2〜7m耐寒性:強い耐暑性:普通花色:白 カンボクの開花は5〜7月。花茎を伸ばした頂部に、たくさんの白い小さな花が密集して咲き、見応えがあります。ガクアジサイのように装飾花と両性花がつくのが特徴です。秋になると1cm弱の赤い実をびっしりとつけ、美しい実姿にも観賞価値があります。果実は一見おいしそうに見えますが、実際は苦くて食べられず、野生動物にも不人気なのか長く枝に残ることがあります。10cm前後の葉は変異があるものの通常は3裂し、縁には不揃いな切れ込みが入って対生につきます。 赤く鮮やかなカンボクの実。LS92/Shutterstock.com カンボクの歴史と文化 Edita Medeina/Shutterstock.com カンボクは古くから中国や日本で庭木として愛されてきました。花が美しい上に赤い果実をたくさんつけていつまでも木に残るため、縁起植物としても人気があったようです。強健な性質で放任してもよく育つことから、公園などに植栽されるほか、生け垣としても利用されています。 カンボクの名前の由来と花言葉 Robert Buchel/Shutterstock.com カンボクは漢字で「肝木」と書き、「肝」は「肝心」という意味です。これには諸説ありますが、枝葉を煎じて止血や打撲の薬として用いてきたことから、「人間にとって肝心な木」であることが由来とされています。 カンボクの花言葉は「年老いた」です。 カンボクの代表的な種類 セイヨウカンボク(ヨウシュカンボク、ゲルダーローズ) Wirestock Creators/Shutterstock.com イギリスからヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどに広く分布していますが、日本には自然分布していません。自然樹高は2〜5mになります。開花期は5〜6月で花色は白。カンボク同様に初夏に両性花と装飾花からなる花序を頂部につけ、晩秋に赤い果実を多数つけます。 セイヨウテマリカンボク APugach/Shutterstock.com セイヨウカンボクの園芸種で、自然樹高は3〜5mです。開花期は5〜6月で、花色は白。オオデマリの花姿に似ており、花序の花がすべて装飾花になった手毬状に開花します。装飾花のみ咲くので、ほとんど結実しません。 ‘スノーボール’ krolya25/Shutterstock.com セイヨウカンボクの中でも特に人気のある園芸品種。ビバーナム・スノーボールとも呼ばれます。多くの装飾花が集まったたっぷりとした手毬状の花序をたくさんつけ、満開時は豪華な姿に。咲き始めは緑色で、開花が進むにつれて純白になり、ホワイトガーデンに欠かせない花木です。 ‘オノンダガ’ Peter Turner Photography/Shutterstock.com カンボクの園芸品種で、中央につく両性花のつぼみが赤みがかるのが特徴。装飾花は白で、両性花も開くと白色になります。 カンボクの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:12月〜翌年3月(真冬を除く)肥料:2〜3月、6~7月剪定:12月〜翌年3月上旬挿し木:6月中旬〜7月中旬 カンボクの栽培環境 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所を選びます。半日陰でも育ちますが、日照不足では花つきや実つきが著しく悪くなるので注意。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけ・水もちがよく腐植質に富んだ土壌を好みます。乾燥する時期は、根元にバークチップなどを施して、マルチングをしておくとよいでしょう。鉢植えでの栽培も可能ですが、根詰まりしやすいので2〜3年に1度は植え替えが必要です。 耐寒性・耐暑性 比較的涼しい環境を好み、暑さや乾燥はやや苦手です。日本の気候に馴染みやすく、1年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 カンボクの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質など水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、過度に乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 開花後にお礼肥として、リン酸・カリ成分を多く含んだ緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。また、2〜3月に緩効性肥料を与えます。生育期を迎える前に肥料を与えることで新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 カンボクに発生しやすい病気は、うどんこ病、褐斑病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみなどの表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすいので注意。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 褐斑病は、カビによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。周囲に蔓延するのを防ぐため、病葉を見つけたらすぐに切り取って処分し、適用のある薬剤を散布します。 【害虫】 カンボクに発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、枝葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10㎜。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カンボクの詳しい育て方 苗木の選び方 葉色がよく、ヒョロヒョロと伸びていないがっしりした苗木を選びましょう。鉢底から根が出すぎているものは、根詰まりを起こしている可能性があります。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com カンボクの植え付け・植え替え適期は、休眠期の12月〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 苗木の根鉢よりも1〜2回りくらい大きい鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておくとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。1年を通して日当たり・風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 剪定適期は、休眠中の12月〜翌年3月上旬です。 旺盛に生育し、比較的枝葉をよく伸ばすほうですが、自然に樹形が整います。そのため刈り込んだり、大きく切り戻したりというよりは、込み合っている部分を切り取って風通しをよくすることを目的とした透かし剪定を基本にするとよいでしょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ていたら、間引いて枝を透かすとよいでしょう。 これ以上大きくしたくない場合は、大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。 夏越し カンボクは夏の高温乾燥がやや苦手で、高温地域では注意が必要です。乾燥しないよう地植えでも必要に応じて水やりを行い、暑さが厳しい地域では半日陰に移動するのも一案です。 冬越し Anton Starikov/Shutterstock.com カンボクは寒さに強いので、それほど気にする必要はありませんが、寒さが厳しい地域ではバークチップなどを施してマルチングしておくとよいでしょう。鉢植えは寒風が吹き付けない軒下などに移動しておくと安心です。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com カンボクは一般に挿し木で増やしますが、種まきも可能です。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、カンボクは挿し木で増やすことができます。 カンボクの挿し木の適期は、6月中旬〜7月中旬です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10㎝ほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさに育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 種まきで増やす場合は熟した果実を採取し、種子の周りの果肉をよく洗い流してから播きます。種まきの成功率は高くなく、また発芽まで1~2年かかることもあります。 庭を彩るカンボクを育ててみませんか Hank Asia/Shutterstock.com カンボクは春に新芽を出し、初夏に白い花をたっぷりと咲かせ、秋には赤い実姿と紅葉を楽しめ、四季の移ろいを強く感じることができる花木です。強健な性質で放任してもよく育つので、ビギナーにもおすすめ。人気の高いカンボクを庭木として迎え入れてはいかがでしょうか。





















