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カラフルで個性的! 観賞用トウガラシ(唐辛子)の手入れや増やし方を解説

カラフルで個性的! 観賞用トウガラシ(唐辛子)の手入れや増やし方を解説

Passakorn Umpornmaha/shutterstock.com

庭やプランターに、ちょっとアクセントになる植物で彩りをプラスしたい、という方におすすめなのが、観賞用トウガラシ。赤、オレンジ、黄色などの元気でカラフルな実が目を引いて、寄せ植えのポイントにもなります。この記事では、そんな観賞用トウガラシのおすすめの品種や育て方について詳しくご紹介します。

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観賞用トウガラシの基礎知識を知っておこう!

観賞用トウガラシ
Olga Mazo/Shutterstock.com

観賞用トウガラシはナス科トウガラシ属に分類される植物で、植物としては食用のトウガラシと同じものです。野菜などの食用にする作物には、安全性が確認されている農薬を使うことが法律で決められていますが、観賞用の植物はそうした基準をクリアしていない農薬が使われていることがあります。そのため、食べることは避けましょう。秋の終わりになると観賞部位である果実が熟し、種子を取ることができますが、これを採種して翌年の春に播くと、色とりどりの食べられるトウガラシを作ることができます。ただし、味は食用のものに比べると劣ることが多いです。

熱帯アメリカ原産で、暑さには強いですが耐寒性はあまり高くありません。原産地では多年生のものもありますが、日本では冬越しが難しいため一年草として扱われています。冬場に暖かい場所で管理すれば、冬越しすることは可能です。

人気の高い観賞用トウガラシの品種

観賞用トウガラシ
s8/Shutterstock.com

観賞用トウガラシには品種のバリエーションが豊富です。ここでは人気の品種をいくつかご紹介します。

コンガ

観賞用トウガラシ コンガ
Kit Leong/Shutterstock.com

‘コンガ’は短めで丸みのある実が可愛らしい品種です。実の色が紫からオレンジ、赤へとだんだん変化していくのが特徴で、変化のスピードが実ごとに違うので、一株でもカラフルな色を楽しめます。株のサイズが小さめなので、寄せ植えにもおすすめの品種です。

メデューサ

観賞用トウガラシ メデューサ
Roberto Dani/Shutterstock.com

ねじれた形の細い実が特徴で、その形がギリシア神話に登場するメデューサに例えられました。実の色も緑、黄、オレンジ、赤と変化が楽しめます。乾燥させてクリスマスのオーナメントなどにも使われる人気の品種です。

パープルレイン

観賞用トウガラシ パープルレイン
Yui Yuize/Shutterstock.com

‘パープルレイン’は細長く濃い紫色の実がエレガントな品種です。葉も、緑の地色に紫がかった葉脈と白色の斑が入って、涼やかな雰囲気があります。寄せ植えをシックな印象にするのにも向く品種です。

観賞用トウガラシの栽培方法を解説

ガーデニング
S_Photo/Shutterstock.com

さまざまな品種がある観賞用トウガラシですが、ここからは栽培方法について、項目ごとに詳しく解説します。

土づくりと肥料のポイント

土
Piyaset/Shutterstock.com

観賞用トウガラシには、水はけと水もちがよい用土を準備しましょう。

用土は市販の観葉植物用の培養土や、赤玉土と腐葉土を6:4で混合したものを使います。もしくは赤玉土と腐葉土に酸度調整済みのピートモスを混ぜるのもおすすめです。

肥料を与える際は、元肥には完熟堆肥や緩効性の化成肥料を使いましょう。追肥は5〜9月の成長期に、定期的に緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を使用します。

植え付け時のポイント

観賞用トウガラシ
larisa Stefanjuk/Shutterstock.com

観賞用トウガラシは寒さに弱いので、植え付けは暖かくなってから行います。植え付けの適期は5〜8月ですが、遅くなると実を観賞できる期間と量が少なくなるので、早めに植え付けるのがおすすめです。庭植えの場合は、株同士の間隔を20cmほどあけて植えるようにします。

ナス科の植物のため、同じ土での連作は難しいです。鉢植えの場合は、新しい土を用意して植え付けましょう。庭植えの場合も、土づくりをしてから植えるようにします。

観賞用トウガラシに適した場所

観賞用トウガラシ
Yui Yuize/Shutterstock.com

観賞用トウガラシは日当たりと風通しのよい場所を好みます。湿度が高い場所では根腐れが起きやすいため、風通しのよい場所で育てるのも重要です。日照不足では実が十分に成長しません。しかし、真夏などに日差しが強すぎてすぐに土が乾燥してしまう際には、明るい日陰や、午後から日陰になる場所に移して育ててもよいでしょう。

水のやり方のポイント

水やり
Miriam Doerr Martin Frommherz/Shutterstock.com

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。庭植えの場合は自然の雨のみで育ちますが、真夏など日差しが強く乾燥しすぎる時期には、適宜水やりをします。

観賞用トウガラシは根が浅く張っているため乾燥に弱い植物です。乾かしすぎないように注意しましょう。乾燥する時期には株元を腐葉土で覆い、保水性を高めるとよいでしょう。

観賞用トウガラシに見られる病害虫

病害虫
Kazakova Maryia/Shutterstock.com

注意が必要な病気は、うどんこ病です。梅雨時や秋の長雨の時期に特にかかりやすいため、病気の葉を見つけ次第、殺菌剤で対処が必要です。

害虫では、アブラムシやハダニに注意が必要です。気温が高くなる4〜10月につきやすくなります。アブラムシは見つけ次第手などで取り除き、ハダニはこまめに葉水をかけて取り除きます。野菜用の殺虫剤を使用して対処することも可能です。食用にしないので、株元にオルトランなどの薬剤をまいて対処するのもよいでしょう。

観賞用トウガラシの増やし方

トウガラシ栽培
Marsan/Shutterstock.com

観賞用トウガラシは、主に種まきで増やします。

種まきの適期は、気温がおよそ20〜25℃になる5〜6月です。育苗箱に3〜4cm間隔で、すじまき、もしくは点まきします。本葉が出てきたら育苗ポットに植え替えましょう。その後、根が十分に回ったら鉢へ移します。

また、挿し木で増やすのも簡単です。9月下旬になったら挿し木をして苗を作り、小さい株にして室内で冬越しをすることもできます。

観賞用トウガラシの種子の取り方

トウガラシの種
Maryia_K/Shutterstock.com

観賞用トウガラシの実がしおれたら種子が取れます。しおれた実を縦に切って種子を取り出しますが、種子に触れた手で目などを触らないように注意しましょう。作業時にはゴム手袋で保護するのがおすすめです。

取った種子は十分に乾燥させた後、翌年の暖かくなる時期まで冷蔵庫で保管します。発芽率が落ちるため、翌年には播きましょう。

観賞期間が長い! カラフルなトウガラシを楽しもう

観賞用トウガラシ
Federico Magonio/Shutterstock.com

色鮮やかで、姿も個性的な観賞用トウガラシは、夏前から秋の終わりまで長く楽しめることも魅力の一つです。品種も多く、色合いや形もさまざまなので、ぜひ好みの品種を探してみてください。お気に入りの観賞用トウガラシでガーデニングに彩りをプラスしてみてはいかがでしょうか?

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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