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花束にしても素敵なカサブランカ! 育て方のコツや注意点をご紹介

花束にしても素敵なカサブランカ! 育て方のコツや注意点をご紹介

PAUL ATKINSON/Shutterstock.com

真っ白な花が美しい‘カサブランカ’。庭に取り入れてみたいけれど、どのように育てればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、‘カサブランカ’の育て方や種類について、具体的にご紹介します。意外と栽培は難しくないので、この記事を読めば、きっと育てるのが楽しみになるはずです!

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‘カサブランカ’の特徴

カサブランカ
Frank L Junior/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は、ユリの品種の一つです。大きく真っ白な美しい花は存在感があり、芳しい香りも魅力です。花は茎に対して横向きにつき、少し下を向いて開花するので、うつむいているような、どこか儚い美しさも兼ね備えています。1970年代にオランダで品種改良により生まれ、その美しさに多くの人々が心を奪われ、一時は世界的なブームとなりました。

花言葉は「祝福」「雄大な愛」「純粋」「無垢」など。プレゼントフラワーやブライダルブーケとして、非常に人気の高い花です。

‘カサブランカ’とは直接関係ありませんが、ピンクや黄色のユリに「カサブランカ」という名前がつけられることもあります。それほどまでに、「カサブランカ」という名前は、大輪のユリの代名詞となっています。

‘カサブランカ’の楽しみ方

カサブランカ
YG PhotoArtWorks/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は白い花なので、花束などにアレンジする際に、どんな色の花とも合わせやすいのが嬉しいところ。豪華でありながら上品な佇まいから、老若男女問わず喜ばれる花で、母の日のギフトや結婚記念日などのお祝いごとにはもちろん、お供えの仏花などとしても人気です。

‘カサブランカ’の種類

カサブランカ
HalinaPalina/Shutterstock.com

「カサブランカ」というと、一般的には白色のものを指しますが、白い大輪のユリであっても‘カサブランカ’ではないものもあります。ピンクや赤、紫などのユリも、花姿は似ていますが、厳密には‘カサブランカ’ではありません。ただし、お店によっては白色以外の大輪のユリをカサブランカとして販売している場合もあります。

また、カサブランカの名前がついた‘ダブルカサブランカ’という八重咲きの品種もあります。通常の‘カサブランカ’よりもさらにボリュームがあり、非常に豪華な印象です。

‘カサブランカ’の生育サイクル

カサブランカ
ranmaru/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は、夏の6〜8月に開花します。植え付けは10〜11月が最も適した時期ですが、冷蔵して花芽ができるように処理した球根であれば、1〜3月までは植え付け可能です。切り花の‘カサブランカ’は、花嫁のブーケなど需要が高いことから、温室での栽培もされて一年中流通しており、いつでも購入することができます。

球根の選び方

球根
ranmaru/Shutterstock.com

‘カサブランカ’の栽培において、球根選びは最初の大切なステップ。よい球根を選ぶことが、優美なカサブランカをより長く楽しめることに繋がります。

球根を選ぶ際は、大きくて見た目よりもずっしり重いものを。球根の大きさは花の大きさや数に直結します。また傷や斑点、しおれた部分がないもの、鱗片に隙間がなく身が締まっているものを選ぶとよいでしょう。下根がついているものは問題ありませんが、芽がたくさん出ているものは避け、1つだけのものにします。

‘カサブランカ’の育て方のポイント

カサブランカ
KPG-Payless2/Shutterstock.com

ここからは‘カサブランカ’の育て方について、植え方や水やり方法など、項目別に詳しくご紹介していきます。

置き場所

ユリ
Paul Maguire/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は直射日光や強い西日に当たると傷んでしまうため、明るい日陰や建物の東側など、夏に午後からの強い日差しを避けられる場所で管理します。鉢植えの場合は、季節ごとに適した場所に移動して育てるとよいでしょう。地植えの場合は、建物や木の陰など木漏れ日が差す程度の明るさの場所に植え付けます。

温度

カサブランカ
Ole Schoener/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は暑さには強いですが、直射日光や西日には弱いため、特に夏場は日除け対策が必要。上手な夏越しのためには、明るい日陰か半日陰で育てるのがポイントです。特に、午後から植え場所や鉢に日が当たる環境は避けましょう。

冬場は15℃以下になると球根が休眠しようとしはじめます。葉が枯れたら株元から茎をカットして、土に植えたまま冬越しさせましょう。球根は乾燥に弱いので、冬場の休眠中も水やりが必要です。土が完全に乾かないように注意しましょう。

球根
Damian Lugowski/Shutterstock.com

水はけのよい弱アルカリ性に傾いた土壌を好むので、鉢植えの場合は、赤玉土に腐葉土と適量の苦土石灰を混ぜたものか、園芸用の培養土を使います。7〜10号(直径約20〜30cm)の底の深い鉢に球根を2つ程度植え付けます。鉢底石を入れたら1/3程度まで用土を入れ、球根を置きます。さらに上から用土を鉢縁の下3cmくらいまで入れ、水やりをしたら植え付けは完了です。

地植えの場合は、植える場所の土を深さ30cmほど掘り返して腐葉土と苦土石灰を混ぜ込み、球根4個分の深さに植え付けます。

水やり

水やり
Irene_A/Shutterstock.com

‘カサブランカ’は乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら朝と夕方にたっぷりと水を与えます。夏の日中に水やりをしてしまうと、土の中で水の温度が上がり、根が傷んでしまうので注意しましょう。開花の時期には特にたくさんの水を必要とするので、水切れを起こさないようにするのが綺麗な花を咲かせるポイントです。

肥料

肥料
FotoDuets/Shutterstock.com

肥料は新芽が出てきたら株元に与えます。市販の球根用の肥料が適していますが、土の上にばらまくタイプの緩効性化成肥料でもかまいません。さらに、花の咲き始めと花の終わりかけにも追肥をします。花が咲き終わり、茎だけになった時にお礼肥を与えると、夏に咲いて消耗した株への栄養補給になり、翌年も咲く球根になります。

増やし方

ユリの球根
Damian Lugowski/Shutterstock.com

‘カサブランカ’の増やし方には、分球、鱗片挿し、木子(きご)、種まきの4つがあります。

分球は、大きく育った球根が2つ以上に分かれている場合にできる方法です。分かれた球根を切り分けて植え、数を増やします。

鱗片挿しは球根の鱗片を1枚ずつ剥がして土に植えることで数を増やす方法です。球根は鱗片が集合したものなので、外側から丁寧に剥がすことができます。

木子は球根と茎(上根)の間についている小さな球根のことです。木子がついているのが確認できたら、木子と球根を手で切り離して土に植えます。

種まきは一般的な植物の種まき方法と同じようにできますが、元の株と同じ花が咲くとは限りません。

病気や害虫

病害虫
AVIcon/Shutterstock.com

‘カサブランカ’はウイルス性の病気にかかりやすい植物です。根腐れや球根についた傷からウイルスが侵入したり、成長期にアブラムシが葉に寄ってきてウイルスに感染したりしてしまうので、症状が出てしまった株は見つけ次第焼却処分します。

また、梅雨時は高温多湿で根腐れが起きやすくなります。土の上にバークチップなどでマルチングを施すと予防になります。地植えの場合は、雨が降った後は毎回防除剤を散布するとよいでしょう。

アブラムシなどの防虫には、薬剤をしっかり葉の裏表に散布します。市販の置き型タイプの防虫剤もおすすめです。

‘カサブランカ’を育てる際の注意点

猫とユリ
Oleksandr Lytvynenko/Shutterstock.com

‘カサブランカ’などユリ科の植物は、猫にとって猛毒です。猫がいる家庭では、‘カサブランカ’の近くに猫が近づかないよう、置き場所には注意が必要です。

また‘カサブランカ’は、雄しべからたくさんの花粉が落ちます。美しい花びらを汚さないためにも、つぼみが開き始めたら雄しべの先端はすぐに取っておくのがおすすめです。こぼれた花粉が花びらや衣服についてしまったら、さらに取りにくくならないうちに、すぐに対処します。もし洋服に花粉がついてしまった場合は、ガムテープなどでポンポンとたたいて取りましょう。手ではたいてしまうと余計に取りにくくなってしまうので注意が必要です。

ゴージャスな‘カサブランカ’を育てよう!

ユリ
New Africa/Shutterstock.com

白く高貴な花が美しい‘カサブランカ’は、ポイントを押さえれば育てるのは難しくありません。この記事を参考に、ぜひゴージャスなカサブランカをお家で楽しんでみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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