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秋のレア果実「アケビ」美肌に風邪予防に嬉しい栄養素と失敗しない育て方を全解説

秋のレア果実「アケビ」美肌に風邪予防に嬉しい栄養素と失敗しない育て方を全解説

kazoka/Shutterstock.com

秋のレア食材「アケビ」は、イチゴ並みのビタミンCを含み、美肌効果や風邪予防が期待できる栄養満点の果実です。 果皮にもカリウムが多く含まれ、皮まで美味しく食べられる魅力があります。本記事では、アケビの栄養やおすすめの食べ方に加え、「異品種を2株以上植える」といった失敗しない栽培のコツまで詳しく解説します。

アケビの基本情報

アケビ
DB Media/Shutterstock.com

植物名:アケビ
学名:Akebia
英名:Five leaf akebia, Chocolate vine
和名:アケビ、木通、通草
その他の名前:山女(ヤマヒメ)アケビカズラ、ハダカズラ
科名:アケビ科
属名:アケビ属
原産地:日本
形態:つる植物

アケビというと「昔はよく食べていた」と言われることの多い食材ですよね。今でも地方の地場産野菜を販売するスペースなどでは時期になると見かけることがあります。しかし、やはり目にする機会は少なく、「アケビって何?」と思う人も多いはず。ここではまずアケビとは何なのか、どんな種類があるのかについて解説したいと思います。

「アケビ」は果物!

アケビ
DB Media/Shutterstock.com

アケビは、アケビ科のつる性落葉低木の一種です。学名をAkebia quinateといい、日本各地の低山地の日向に自生しています。

アケビの食用部分はどこでしょう。アケビは木になることから、果実です。熟すと果皮が割れて、黒い種子がたくさん入っていることが分かります。それら種子を覆う白いゼリー状の果肉が可食部です。種子ごと一緒に食べることになりますが、種子は硬いので吐き出しましょう。可食部はほんのり甘く、滋養強壮にも効果があるといわれています。また果皮も炒め物や揚げ物などに利用できます。ほろ苦い大人の味で、利尿や腎臓炎の予防などにも効果があるとされています。

どこで手に入る? 産地と旬は?

アケビ
Purino/Shutterstock.com

アケビ自体は本州以南の低山地に自生しています。特に東北地方や山形の山中などに多く、商業栽培も盛んです。山歩きなどで、つるにぶら下がっているアケビの実を目にする機会もあります。取りたくなるかもしれませんが、私有地や植物採取の禁止区域の可能性もあるためよく確認しましょう。近年は旬である9月頃、栽培されたものが生鮮食品販売店などで売られることも増えました。旬が短いので、食べてみたい場合は直接お店などに問い合わせることをおすすめします。

アケビの花や葉、実の特徴

アケビ
David Hanlon/Shutterstock.com

園芸分類:果樹,庭木・花木
開花時期:4〜5月
樹高:1〜10m
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:紫色、白色、クリーム色

アケビの花は総状で下垂し、先の方に雄花、基部に雌花をつけ、雄花と雌花で形状が異なります。花には花弁がなく、花のように見えるのは3枚のがく片です。葉は、5小葉の掌状複葉で長さ0.5〜3cm、長楕円形もしくは長倒卵形です。果実は、長さ5〜10cm、直径3〜4cmの楕円形で、熟すと紫色になり、縦に割けます。果肉は白色でたくさんの黒い種子があります。

アケビの名前の由来や花言葉     

アケビの名前の由来には諸説ありますが、実が熟したときにぱっくりと縦に割ける様子から「開け実(あけみ)」とされたものが転じて「あけび」になったという説が有力です。ほかに、実が割けて中身をのぞかせている様子が「あくび」している様子に似ていることや、実が赤いため「赤実(あかみ)」と呼ばれたことに由来している、という説などがあります。

アケビの花言葉は、「才能」「唯一の恋」です。「才能」は、実が食用になるだけでなく、蔓は生薬や籠などの工芸品に用いられるなど、アケビが有用な植物であることに由来しています。「唯一の恋」は、一般的な植物は雄花と雌花が一緒に咲くのに対し、アケビはそれぞれ離れて咲くことに由来しています。

アケビの代表的な種類 

日本に自生するアケビはアケビを含め2種、その交雑種と思われるものが1種あります。ここではアケビの種類と、その特徴や食べ方について解説したいと思います。

ミツバアケビ(三つ葉あけび)

ミツバアケビ
Camilla Simonsen/Shutterstock.com

アケビの中では耐寒性が強く、北海道でも栽培可能なつる性の落葉木本です。名前の通り葉が鋸歯のある3つの小葉に分かれています。他のアケビに比べ果実部が大きく、甘みも強いため、食用としては一番よく用いられている種です。花期は4~5月で紫色の花を咲かせます。雌雄同株ですが、花は雄花と雌花に分かれた雌雄異花です。         

ゴヨウアケビ(五葉あけび)

ゴヨウアケビ
Anna Krzywania/Shutterstock.com

アケビとミツバアケビの自然交雑種です。名前の通り、5つのわずかな鋸歯のある小葉に分かれた葉を持ちます。アケビも5つの小葉に分かれていますが、葉には鋸歯がない点で見分けられます。また花もアケビと比べると紫色が強く出ます。花期は4~5月で紫色の花を咲かせます。雌雄同株ですが、花は雄花と雌花に分かれた雌雄異花です。

白アケビ

白アケビ
Tami Ann Wilcox/Shutterstock.com

バナナアケビともいい、アケビの変種で白い花を咲かせ、果実も色付きません。食用としてはもちろんですが、涼やかな白い花は園芸的にも観賞価値が高いため人気があります。

sotopiko/shutterstock.com

ムベ(トキワアケビ)    

ムベ(トキワアケビ)
iPlantsman/Shutterstock.com

アケビの仲間であり、実も食用になります。ただし、ムベはアケビと異なり常緑で、実は熟しても割けることはありません。ムベの名前の由来として、天智天皇が近江国の蒲生郡奥島庄に立ち寄った際に、健康で長寿の老夫婦に出会った際の逸話が伝えられています。天皇に長寿の秘訣を聞かれた夫婦は、アケビに似た果物を差し出し「これを食べているお陰です」と答えました。その果物を口にした天皇は「むべなるかな(なるほどね)」と納得され、それ以降、その果物は「ムベ」という名になったそうです。

美味しいアケビの選び方

アケビ
Norikazu/Shutterstock.com

アケビの実は、熟すと果皮が緑色から紫色に変わり膨らんできます。さらに完熟すると実が縦にぱっくりと割れ、中の果実が見えるようになります。購入する場合は、果皮の表面がよく色付き、みずみずしくハリのあるものを選びましょう。全体的にふっくらとした形で、持ったときに重みがあるもののほうが実の詰まりもよく美味しいです。

アケビはどこを食べるの?

アケビ
DB Media/Shutterstock.com

果実部分はもちろん、果皮や新芽も美味しく食べることができます。ここでは各部分の美味しい食べ方について解説します。

実の食べ方 

アケビ
kazoka/Shutterstock.com

そのまま食べてももちろん美味しいのですが、皮を取り除いたアケビを氷砂糖と焼酎で漬け込み「アケビ酒」とすることもあります。美肌効果や疲労回復、免疫力の向上といった作用が期待できます。また種子を取り除き、冷凍してシャーベットやアイスクリーム、ムースなどに加工しても美味しいです。

果皮の食べ方

炒め物
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果皮は生食では苦みが強すぎるのですが、細切りにしたあとアク抜き処理をすると、苦みが抑えられて食べやすくなります。またきんぴらなどの炒め物やてんぷらなどの揚げ物にすると、ほのかな苦みがアクセントとなり美味しく食べることができます。     

新芽の食べ方

お浸し
yoshi0511/Shutterstock.com

4月頃、芽吹きの時期のミツバアケビの新芽はほのかな苦みがありますが、お浸しや炒め物などにして食べることができます。日本海側の地域では春の味として人気のある食材です。

栄養はあるの? ビタミンとカリウムが含まれている!

栄養素
Riddhisoni123/Shutterstock.com

アケビはさまざまな栄養素を含んだ健康食材です。栄養成分はビタミンC、葉酸、カリウムなど。果実部分にはイチゴと同じくらいのビタミンCが含まれ、風邪の予防や美肌効果が期待できます。また果皮部分には高血圧を予防するカリウムが多く含まれています。

アケビの保存方法           

保存方法は、アケビの実の状態によって変えましょう。実が固い場合は、涼しい場所に置いて追熟させます。その際に、乾燥しないように紙で包むかポリ袋などに入れておきましょう。実が割れたものや、触ってみて柔らかくなっているものは熟しているので、冷蔵保存して早めに消費しましょう。果肉と果皮は冷凍することもできます。それぞれ分けてラップで密封し、保存用袋に入れて冷凍しましょう。

アケビはつるも利用できる!

アケビ
tamu1500/Shutterstock.com

アケビのつるは籠やバスケット、バッグなどの工芸品の材料にもなります。アケビのつるには「根蔓」と「枝蔓」がありますが、蔓細工に使うのは根蔓です。ただし、アケビは産地が限定されているうえに、細工に適した細くて真っすぐなつるは少ないため、自然の中で材料を集めるのは難しいかもしれません。また、アケビのつるには消炎、利尿、清熱、通経などの薬効があり、漢方薬として膀胱炎、排尿障害、浮腫、尿道炎、月経不順などに用いられます。

アケビの栽培12カ月カレンダー

開花時期:4〜5月
植え替え適期:1~2月、11〜12月(鉢植えの場合)
肥料: 2月、5月、10月(鉢植え)
    2月、10月(庭植え)
植え付け:1~2月、11〜12月
種まき:9~10月

アケビの栽培環境

ガーデニング
MEE KO DONG/Shutterstock.com

日当たり・置き場所                

【日当たり/屋外】

日当たりがよい場所や、明るい半日陰を好みます。真夏の直射日光が当たる場所は避けましょう。

【日当たり/屋内】

屋外での栽培が基本です。

【置き場所】

西日が当たらず、風通しがよい場所を選びましょう。

耐寒性・耐暑性    

アケビは耐寒性、耐暑性ともに強い植物です。ただし、若木が霜に当たると株が弱って枯れる場合もあるため、寒冷地などでは株本にマルチングを施すなどの防寒対策をしましょう。

アケビの育て方のポイント

用土

土
Sorapop Udomsri/Shutterstock.com

用土は水はけと水もちのよい配合にしましょう。地植えの場合は植え付け面積より1回りほど広い部分に赤玉土と腐葉土をすき込みましょう。鉢植えの場合は7号鉢以上に植え付けます。鉢底石を敷き、用土は小粒の赤玉土と腐葉土7:3程度で配合するとよいでしょう。

水やり

水やり
Irene_A/Shutterstock.com

成長期のアケビは乾燥にやや弱い面があるため、こまめに水やりをしましょう。地植えの場合でも植え付け後しばらくは水やりを1日1回は行いましょう。夏など特に土壌の乾燥が気になる場合は1日2~3回行うようにしましょう。冬は葉を落とし休眠期に入るため、地植えの場合、水やりは控えましょう。鉢植えの場合は1週間に1回程度で大丈夫です。用土が乾ききる前に与えてください。

肥料   

肥料は春と秋の収穫後に与えます。果樹用の有機配合肥料や化成肥料がよいでしょう。ただし6~7月の施肥は果実の品質に影響するので控えましょう。

注意する病害虫 

注意すべき病気には、果実や葉に病斑が発生する、うどんこ病やそうか病などがあります。病気を予防するには、強剪定を施し枝梢の過繁茂を防ぎ、風通しを良くすることと、多肥を控えることです。感染した葉や果実は、感染を広げないように除去しましょう。

アブラムシ、カイガラムシ、アケビコノハなどの害虫にも注意が必要です。防虫ネットなどで予防し、害虫は見つけ次第駆除しましょう。

アケビの詳しい育て方 

苗の選び方 

苗を選ぶ際は、茎がしっかりとしていて葉が萎れていないもの、根がしっかり張っているものを選びましょう。なお、アケビは雌雄同株ですが、自家受粉はしないため、果実を収穫したい場合は異なる種類の株を2株以上選び、並べて植える必要があります。

植え付け・植え替え     

植え付け
Zigzag Mountain Art/Shutterstock.com

アケビの植え付けの適期は11~3月。地植えにする際は、あらかじめ土作りをしておいた場所に植え付けましょう。

地植えであれば、植え替えの必要はほとんどありません。移植を必要とする場合は、休眠期の11~2月に行いましょう。鉢植えの場合、成長に合わせて鉢のサイズを大きくする鉢増しを行います。若木であれば1年に2回、成熟した株の場合は生育も緩やかになるため、2~3年に1回程度で問題ありません。

剪定

剪定
Drendan/Shutterstock.com

アケビはつる性のため樹形が乱れやすく、年2回程度の剪定をする必要があります。まずは夏の成長期に伸びすぎたつるを整理しましょう。枝透かしといって、全体に日光が当たり、つるが他の木に絡んでしまうのを防いだり、風通しをよくして病害虫を予防できます。注意点として、この時期は花芽が付いているので、切りすぎないようにしましょう。2度目は冬の休眠期に行います。この時期はすでに翌年の花芽がで

きているので、その芽よりも先のつるの部分を整理しましょう。花芽は葉芽よりもふくらんでいて、摘まんだときに中身が詰まっている感じがあることから判別することができます。

受粉と摘果

アケビの花
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アケビは雌雄異花ですが、1株では結実しない自家不和合性のため、収穫を目的とする場合は2株以上植えましょう。同一種ではないほうが実付きがよく、多くの収穫が期待できます。また人工受粉させるほうが確実で、成功すると1つの雌花の房あたり4~5個の果実が付きます。しかしそのままでは一つひとつの果実は小さくなってしまうため、大きくなる前に2~3個を残して残りは摘み取ります。その後、果実の成熟具合を見ながら、最終的に大きいものを1~2個程度残すようにしましょう。

増やし方    

アケビを増やす方法としては、挿し木が一般的です。6~7月に伸びてきたつるを10cmほど切り、切り口を数時間水につけたうえで土に挿します。その際、切り口の葉は落としておきます。必ずしもすべての挿し木が根を出すとは限らないため、何本か用意した方がよいでしょう。

種から育てることもできます。種まきの時期は9~10月、もしくは翌年の春がよいでしょう。実から取り出した種は、乾燥させないようにすぐに土に埋めるか、冷蔵庫で乾燥しない状態で低温保存し、春になったらまきます。種をまいた後も乾燥させないよう注意し、日陰で管理します。発芽までは時間がかかる場合もあり、実がなるまでは数年かかる場合があります。

アケビに実がつかない理由 

アケビに実がつかない理由としては、次のようなものが考えられます。

自家結実しない

アケビは自家結実しにくいため、1株では実がなりません。異なる品種の株を近くに植えることで実が付きやすくなります。また、より確実に実らせるには、人口受粉を行うと効果的です。

日照・日照不足

アケビ
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アケビは日光を好むので、日照不足になると実が付きにくくなります。つるが伸びたことで日当たりが悪くなっているようであれば、様子を見ながら6~7月につるや葉を摘むようにしましょう。なお、肥料不足が原因で実を付けない場合もあります。雌花が少ない場合は肥料不足に陥っているため、施肥をしましょう。

摘果が必要 

実が付きすぎると、養分不足に陥ってしまい翌年の結実が悪くなる場合があります。1つの雌花に1~2個の実を目安として、それ以上の実は5月中旬辺りを目途に摘果しましょう。

レアなフルーツ、アケビ! 自宅で育てて食べよう

アケビ
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以前は自生しているものを取ってきて食べることがほとんどだったアケビですが、近年は商業栽培も増えつつあり、品質も向上しています。スーパーなどでも購入できるようになりつつありますが、まだまだ見かけることの少ない果物ですよね。自宅で栽培できれば旬を逃さず味わうことができ、何より収穫までのアケビの果実の成長を楽しむことができます。大株に仕立てれば実りも多く、食べ方のさまざまな工夫もできることでしょう。みなさんもアケビの美味しさを体験してみてくださいね。

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