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家庭でも育てられる! おすすめのトロピカルフルーツ5選&育て方

家庭でも育てられる! おすすめのトロピカルフルーツ5選&育て方

アセロラやスターフルーツ、ジャボチカバなど、スーパーでは手に入らない珍しいトロピカルフルーツを自宅で育てて、味わってみませんか? どれも温暖な地域で育つ果樹ですが、鉢植えでも果実が実り、冬は室内に取り込めば、冬越しさせることも容易です。常緑の葉が茂るので、観葉植物として育てながら、ちょっとレアな果実も味わえるのは自家栽培ならではの特権。家庭での栽培におすすめの種類とその特徴、育て方などを園芸のプロが解説します。

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熱帯果樹の育て方の基本

トロピカルフルーツ
Photoongraphy/Shutterstock.com

春から秋の成長期は、できるだけ戸外の直射日光が当たる場所で育てるようにしてください。ただし気温が35℃以上に上昇する暑さが厳しい夏は、午前中だけ日光が当たる場所に置くか、軽く遮光したほうがよいでしょう。

強風に当たると枝葉が傷んだり、株がグラつくなどの被害を受けます。特に実がついている時期は深刻な被害になりやすいので、注意してください。

熱帯果樹の冬越しの方法

地域によって差はありますが、紅葉が始まったら鉢植えのまま室内へ移動し、春まで室内で乾かし気味に管理します。小さな株は寒さに弱いので、室内の暖かい場所に置くようにしてください。窓のすぐ近くは、外気と同じくらい温度が下がることがあります。厚手のカーテンを間に引くか、部屋の中央付近に夜間だけ移動すると安心です。また暖房機器の近くや、風が直接当たる場所には置かないようにしてください。

寒さに強い種類を戸外で越冬させる場合は、建物近くの南側に置くとよいでしょう。冬の冷たい北風が当たらず、冬越しが成功しやすくなります。

以下にご紹介する各品種は、耐寒温度がそれぞれ異なり、お住まいの地域によっては地植えで越冬するものもあります。

家庭で育てるトロピカルフルーツおすすめ5選

トロピカルフルーツにはいろいろな種類がありますが、鉢植えでコンパクトに育てられるうえ、比較的耐寒性もあり、家庭でも果実が収穫できる育てやすい種類を5種ご紹介します。

ビタミンCが豊富な果実「アセロラ」

アセロラ
NIKCOA/Shutterstock.com

キントラノオ科ヒイラギトラノオ属の常緑低木 
学名 Malpighia glabra
原産地 熱帯アメリカ

特徴と魅力

ビタミンCが豊富で、各種ジュースなどによく利用されています。生の果実は一般にはほとんど流通していないので、栽培している人だけが味わうことができます。

春から秋に数回開花し、1カ月程度で収穫できます。樹勢が強く、水と肥料を多く与えると旺盛に成長しますが、花が咲きにくくなります。

育て方

アセロラ
Huy Thoai/Shutterstock.com

日当たりのよい場所に置き、水は鉢土が乾いてから与えます。ただし結実中は水切れに注意してください。肥料は春と秋に3要素が等量程度の有機肥料をやや控えめに与えます。冬は室内に入れれば容易に越冬します。水を控えれば0℃近くまで耐えますが、葉を落とさせずに越冬させるには、10℃以上を保つようにしてください。

栽培作業・管理のコツ

肥料と水を多く与えすぎると枝葉ばかり茂って花が咲きにくくなります。また花が咲いても結実しないことが多いので、トマトトーンやジベレリンを花全体に吹き付けるように散布するとよいでしょう。

枝先を切ると花がつきやすくなります。

伸びすぎた枝は随時剪定し、枝が混みすぎている部分は根元から切って間引きます。作業の際に肌を露出しているとかゆくなる場合があるので、手袋や長袖の着用をおすすめします。

収穫と利用

アセロラ
NIKCOA/Shutterstock.com

生の果実は、赤くなると2~3日で変色するので注意してください。収穫した果実は冷凍保存できるので、ある程度たまったらジュースやジャムなどに利用するのもおすすめです。

幹に直接実がなる⁉︎ 巨峰に似た「ジャボチカバ」

ジャボチカバ
Marco Tulio/Shutterstock.com

フトモモ科プリニア属の常緑低木
学名 Plinia cauliflora
英名 Brazilian grapetree
原産地 南アメリカ中部

特徴と魅力

ジャボチカバ
Leonidas Santana/Shutterstock.com

実は幹に直接つき、大きさは2~3cmです。ブドウの巨峰にそっくりで、味もブドウのようですが、種子は大きいです。実は日もちが悪いので、一般には流通していません。成長は遅いですが、幹が太くなるに従って収穫量が増え、原産地では一度植えれば孫の代まで収穫できるといわれています。 

ビタミンCとカリウムのほか、高血圧と脳卒中に効果が期待できるタンニンや、抗炎症・毛細血管強化などに効果があるといわれるシアニンを多く含みます。

幹から直接咲く白い花は春と秋に数回開花し、1カ月程度で収穫できます。成株の耐寒性は強く、-3℃くらいまでなら耐えます。霜がほとんど降りない地域では、戸外でも越冬します。

ジャボチカバの種類

実の大きさが2~3cmで四季成りの大葉系タイプと、寒さに強く年1~2回収穫できる葉と実が小さいタイプの苗が流通します。ほかに実の大きさが3~3.5cmの中葉系の‘アッスー’や‘アッスーワン’がありますが、こちらはやや酸味が強いです。

育て方

ジャボチカバ
litchima/Shutterstock.com

日光がよく当たる場所を好みます。ただし、夏に株の調子が悪い場合は、午前中だけ日光が当たる半日陰に移動してください。乾燥を嫌うので、春から秋の成長期には晴れた日は毎日水やりし、夏に高温乾燥の日が続くときは、夕方も与えるとよいでしょう。

肥料を与えすぎると調子が悪くなることが多いので、成長期に薄めの液体肥料などを1カ月に2回程度施せばよいでしょう。

寒さには強く、関東南部では戸外でもよく越冬します。寒さが厳しい冬は、やや乾かし気味に管理します。

栽培作業・管理のコツ

用土は、水はけがよく清潔なものが適します。充実した枝に実がつくので、細い枝が密生しすぎたら適宜切るとよいでしょう。

実が密集しすぎるとアブラムシやカイガラムシがつくことがあるので、発生が見られたら実を間引き、水やりの際に果実に勢いよく当てて、害虫類をはじき飛ばすとよいでしょう。

収穫と利用

収穫した果実は短時間で味が変わってまずくなってしまうので、収穫したらすぐに食べるのがおすすめです。収穫してすぐ冷凍すれば、1カ月程度保存できます。

皮にしわが寄っているのは熟しすぎで、発酵したような味になります。

イチゴのような芳香の果実「イエローストロベリーグアバ」

ストロベリー・グアバ
ChameleonsEye/Shutterstock.com

フトモモ科バンジロウ属の常緑低木
和名 キミノバンジロウ
学名 Psidium cattleianum var. lucidum 
原産地 ブラジル

特徴と魅力

グアバの仲間で、名前はイチゴのような芳香があることに由来します。果実はタネが多く小さいですが、風味はよく、熱帯では周年開花して実をつけます。日本では4~5月に開花し、8~10月に収穫できます。寒さには比較的強く、海沿いの霜がほとんど降りない地域では、戸外でも越冬します。

その他の種類

ストロベリー・グアバ
Pikchy/Shutterstock.com

果実が赤く熟す系統に、ストロベリーグアバ(テリハバンジロウ)があります。イエローストロベリーグアバより、実は少し小さいです。

育て方

日当たりのよい場所に置き、水は鉢土が乾いてから与えます。用土は排水性がよく清潔なものが適します。肥料は、春から秋にリン酸がやや多めの有機肥料を適量与えてください。冬は室内に入れれば容易に越冬しますが、できるだけ暖かい場所に置いたほうが多く結実しやすくなります。関東地方南部の海沿いの地域では、戸外でもよく越冬します。

栽培作業・管理のコツ

寒さには比較的強いですが、温度を高く保ったほうがよく結実します。果実が熟してくると、虫や鳥による被害を受けることがあるので、注意してください。

収穫と利用

黄色くなり、果肉が少し柔らかくなってきたら食べ頃です。果肉の中には小さくて硬いたくさんのタネがありますが、生食するときは気にせず食べてかまいません。もし気になる場合は、ジューサーなどで濾してジュースにすると風味がよく、おすすめです。

星形の映え果実「スターフルーツ」

スターフルーツ
vasanty/Shutterstock.com

カタバミ科ゴレンシ属の常緑低木
学名 Averrhoa carambola
原産地 マレー半島

特徴と魅力

果実は枝に直接つき、名前のように輪切りにした断面は星形になります。果実も花も美しく、観賞価値が高いです。酸味の強いものと酸味が少なく甘みのある品種に大きく分けられ、一般に販売されている果実は酸味の少ない品種が多いです。果肉はサクサクとした歯切れのよい食感で、サラダなどの料理にも合います。接ぎ木苗を育てれば、6~7号鉢程度の大きさでも実がなります。寒さに比較的強く、成木は最低温度ー3℃くらいまで耐えます。

育て方

スターフルーツ
Tanya_Terekhina/Shutterstock.com

日向から半日陰の場所で、やや湿り気のある土壌が適します。水やりは、鉢土の表面が白っぽく乾いてから与えるのが基本ですが、夏の晴天が続くときは毎日与えてください。肥料は3要素が等量か、リン酸がやや多い化成肥料や骨粉入り油かすなどを規定量与えます。接ぎ木された小株は弱いので、冬は室内のできるだけ暖かい場所に置くようにしてください。

栽培作業・管理のコツ

横方向、または下垂した枝に実が付きやすいです。好みの高さまで成長したら、上方向に伸びる枝は根元から切るとよいでしょう。

収穫と利用

スターフルーツ
Guy’ s Art/Shutterstock.com

果実は黄色くなってから収穫しても、1~2週間冷蔵庫で保存できます。果実が黄色から少しオレンジ色を帯びてきたら食べ頃です。ジュースにするのもおすすめです。

味覚が変わる⁉︎ 不思議な果実「ミラクルフルーツ」

ミラクルフルーツ
successo images/Shutterstock.com

アカテツ科シンセパルム属の常緑低木
学名 Synsepalum dulcificum
原産地 西アフリカの赤道直下

特徴と魅力

実を食べた後、酸っぱいものを食べると甘く感じさせる不思議なフルーツです。2cmくらいの赤い果実には、「ミラクリン」という成分が含まれています。この成分が、舌の味覚に作用し、レモンのような酸っぱいものを甘く感じさせる効果があります。これをダイエットなどに利用してもよいでしょう。

高温多湿を好み、夏を中心に年に数回結実しますが、大株になると年中よく結実します。結実したら、1カ月程度で収穫できます。大株になれば最低5℃近くの温度まで耐えますが、小株は10℃以上を保つようにしてください。

生育がやや遅く、小苗を購入すると結実まで年数がかかります。できるだけ大きな苗を購入したほうが早く結実が見られます。

育て方

ミラクルフルーツ
SIJO88871/Shutterstock.com

日光がよく当たる場所を好みますが、暑さが厳しく葉の傷みがひどい場合は半日陰のほうがよいです。
水やりは、春から秋の成長期は鉢土が乾いてから与えます。

肥料はリン酸が多めのものを規定量与えてください。

有機物の多い肥沃な用土を好みますが、排水性のよいものを使うようにしてください。

冬越しは小株の場合、温度不足が原因で枯れることが多いので、15℃以上を保ったほうが安全です。また水も控え気味に管理してください。

栽培作業・管理のコツ

結実率はよいほうですが、開花時に木をゆすると結実率が上がります。

自然に形が整うので、剪定の必要性はあまりないでしょう。枝が混みすぎたら、根元から枝を切って間引くようにしてください。

収穫と利用のポイント

ミラクルフルーツ
Ahmad Adnan/Shutterstock.com

食べる際は、口の中でタネを噛み砕かないように軽く果肉を噛み、2~3分間舌の上にのせたままにしてからレモンなどの酸っぱいものを食べてください。効果は数時間持続します。たくさん収穫した場合は、冷凍すれば数カ月保存できます。

トロピカルフルーツが身近に実る楽しみに挑戦しよう!

トロピカルフルーツ
Marcia Cobar/Shutterstock.com

ご紹介した熱帯果樹は、定番の観葉植物と同じくらい寒さに強く、丈夫で育てやすいものです。果実は一般に入手が難しいものばかりで、樹上で完熟させた果実は、育てた人のみが味わうことができます。うまく栽培すれば年に何度も実がなり、一味違った観葉植物としても楽しいことでしょう。栽培は難しくないので、ぜひ挑戦してみてください。

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