わずか2カ月で収穫! スーパーで買えないオブジェみたいな野菜「コールラビ」の失敗しない栽培テク
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まるでオブジェのようなユニークな姿が目を惹く野菜「コールラビ」。スーパーで見かけることは稀ですが、じつは家庭菜園ならわずか2カ月で収穫できる、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。本記事では、キャベツの仲間で栄養豊富なコールラビを自宅で美味しく育てるために、病気や害虫を防ぐ失敗しない栽培のコツを分かりやすく解説します!
目次
コールラビの基本情報

植物名:コールラビ
学名:Brassica oleracea var. gongylodes
英名:Kohlrabi、German turnip、turnip cabbageなど
和名:カブカンラン(蕪甘藍)
その他の名前:カブタマナ(蕪玉菜)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)など
科名:アブラナ科
属名:アブラナ属
原産地:地中海沿岸
形態:二年草
コールラビの学名はBrassica oleracea var. gongylodes (ブラッシカ・オレラセア・ゴンギロデス)、和名は蕪甘藍(かぶかんらん)。アブラナ科アブラナ属の葉菜類です。原産地は地中海沿岸で、冷涼な気候を好み、暑さが苦手です。生育適温は15〜23℃ほどで、家庭菜園で栽培する場合は夏まきにするのが一般的です。地際の茎が肥大し、一見カブのように見えますが、キャベツやブロッコリーなどに近い仲間です。連作を嫌うので家庭菜園では数年は同じアブラナ科の植物(ハクサイ、ミズナ、コマツナ、ケール、カリフラワーなど)を植えていない場所で栽培するようにしましょう。コールラビで主に食用にするのは、茎が肥大した球状の部分です。種まきから収穫まで2カ月ほどと短く、ビギナーでもチャレンジしやすい野菜といえます。コールラビの皮を剥くと中は真っ白で、生食するとブロッコリーの茎やキャベツの芯に似たシャキシャキとした歯触りが特徴的。火を通すとカブのような食感になります。また、若い葉も炒め物や味噌汁などで美味しく食べられます。
レイズドベッドで育てたコールラビの収穫。Flystock/Shutterstock.com
コールラビの葉や花の特徴

園芸分類:野菜
開花時期:4〜5月
草丈:30〜45cm
耐寒性:強い
耐暑性:普通
花色:黄
コールラビの特徴は、なんといっても地際部分の茎がカブのように丸く膨らむこと。肥大した茎からは葉が何枚も伸びます。塊根植物(コーデックス)にも似たオブジェのような雰囲気で、観賞用としてキッチンガーデンや鉢に植えられることもあります。茎の表皮は緑白色と紫色の2つのタイプがありますが、どちらも内部は白。収穫の適期を過ぎると硬くなったり、スが入ったりして食味が落ちるので注意しましょう。収穫をせずそのままにしておくと、花茎を伸ばし、アブラナ科らしい4枚の花弁を持つ十字形の黄色い花を咲かせます。

コールラビの名前の由来

コールラビという名前はドイツ語に由来。「コール(Kohl)」はキャベツ、「ラビ(Rabi)」はカブを意味します。英名では「German turnip(ドイツのカブ)」と呼ばれることもあります。和名はカブカンラン(蕪甘藍)、カブタマナ(蕪玉菜)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)などで、甘藍や玉菜はキャベツのこと。いずれもKohlrabiを直訳したものが由来となっています。
コールラビの栄養

コールラビは株元の茎が球のように膨らんだ部分を利用します。ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、カリウムを多く含む野菜の1つです。一般的にビタミンCは加熱すると壊れてしまいがちですが、コールラビに含まれるビタミンCは加熱してもあまり流出しせず、栄養分が損なわれにくいことが分かっています。
コールラビの代表的な品種

コールラビの球の色はグリーンとパープルの2色があり、主な品種はグリーンが‘グランドデューク’、‘セーヌ’、‘ノリコ’、パープルが ‘コラビレッド’、‘わかむらさき’などです。
コールラビの食べ方とおすすめレシピ

コールラビの球の部分は、皮をむいてから利用します。皮はかたいので厚めにむくとよく、特に底部はかたくて繊維質なのできれいにむいておきましょう。あく抜きは不要で、サラダや蒸し野菜に利用するほか、炒め物やグラタン、スープなどの具材として利用できます。
生のままサラダで

生で食べるとシャキシャキとした食感で、クセのない味わいを楽しめます。千切りにしてキュウリやトマト、水菜などとミックスしてドレッシングをかけていただくのもおすすめ。薄切りにして生ハムやツナフレークを載せても美味しくいただけます。
浅漬けでさっぱりと
浅漬けやピクルスにすると、あっさりとしてみずみずしい食感を楽しめます。好みの大きさに切って塩もみし、ごま油と鶏ガラスープの元を混ぜて和えても美味しく、ほかに梅酢やポン酢などもおすすめです。
シンプルな炒め物
コールラビは油で炒めるとよりコクが出て風味が増します。バター醤油で炒めると相性がよく、ベーコンやキノコを加えるのもおすすめです。また、素揚げにしてもホクホクとして、おいしくいただけます。
スープや煮物に

コールラビは火が通りやすいので、スープの具材にしてもやわらかくほくほくとした食感を楽しめます。あまり煮崩れすることがないので、カレーやシチュー、グラタンなどにもおすすめです。
コールラビの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜5月
種まき:3~4月(春まき)、8月中旬~9月上旬(秋まき)
植え付け:4月中旬~5月(春まき)、8月下旬〜10月上旬(秋まき)
肥料:20~30日おき
収穫:5月下旬~6月(春まき)、10月下旬~12月(秋まき)
寒冷地や暖地など、地域によっては適期が異なるため、種袋の裏などの栽培カレンダーも参照しましょう。
コールラビの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所に置きます。
【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。
【置き場所】腐植質に富むふかふかの土壌を好みます。コールラビは酸性土壌にやや弱いので、土づくりの際に苦土石灰を散布して調整するとよいでしょう。
コールラビは連作(同じ科の植物を同じ場所で栽培すること)を嫌うので、前作に同じアブラナ科のキャベツやカリフラワー、ハクサイ、コマツナ、ミズナ、ダイコン、カブなどを植えていた場所は避けましょう。2〜3年はアブラナ科の植物を育てていない場所を選ぶことが大切です。
耐寒性・耐暑性
コールラビの生育適温は15〜23℃と冷涼な気候を好みます。ある程度耐暑性はありますが、猛暑期を避けて栽培しましょう。耐寒性もありますが、強い霜や凍結で傷むことがあるため、不織布やビニールトンネルなどで保温するとよいでしょう。
コールラビの育て方のポイント
種まきと育苗

コールラビはビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。
ただし、コールラビは苗の植え付けからも栽培できるので、「1〜2株あれば十分」という方は、苗の植え付けからスタートするのもおすすめです。
【地植え・鉢植えともに】
コールラビの発芽適温は15〜30℃。種まきの適期は春まきの場合は3~4月、秋まきの場合は8月中旬~9月上旬です。黒ポットに野菜用にブレンドされた市販の培養土を入れ、ジョウロで水を流して十分に湿らせておきます。4〜5粒ずつ種子を播き、種が隠れる程度に土を軽くかぶせて手で押さえます。日当たり、風通しがよく涼しい場所に置き、乾いたら適宜水やりしてください。発芽して本葉が1〜2枚ついたら葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取り、2〜3苗残します。さらに本葉が3〜4枚ついた頃に再び間引いて1本のみ残しましょう。水やりしながら育苗し、本葉が5〜6枚ついたら鉢または菜園に定植します。
用土

【地植え】
苗を植え付ける2〜3週間以上前に、畝を作る場所に苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに、苗の植え付けの1〜2週間前に、畝幅(60〜70cm)の中央に深さ約15cmの溝を掘り、1㎡当たり堆肥2kg、緩効性化成肥料100〜150gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで分解が進んで土が熟成し、根張りがよくなります。
【鉢植え】
6〜7号鉢、鉢底網、鉢底石、野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を準備します。
鉢の底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。
植え付け

苗の植え付け適期は、春まきの場合は4月中旬~5月、秋まきの場合は8月下旬〜10月上旬です。苗を購入する場合は双葉がついており、茎葉ががっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。ひょろひょろと茎葉が伸びて徒長しているもの、下葉が黄色くなっているもの、虫食いの跡があるものなどは、避けたほうが無難です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、幅約70cm、高さ約10cmの畝を作り、表土を平らにならします。畝の長さは、育てたい苗の数によって調整してください。畝の中央に約20cmの株間をとって、苗を植え付けましょう。植え付け後は、たっぷりと水やりをしておきます。
植え付け初期は病害虫が発生しやすいので、防虫ネットを張ったトンネル栽培にすると対策できます。数本の園芸用支柱を深く差し込み、畝に渡してトンネル状にし、防虫ネットを張って手前と奥を結んでとめます。防虫ネットの四方の裾を土で埋めて固定し、物理的に虫が侵入できないようにしておきましょう。苗が育ってトンネルにつかえるようになったら、トンネル支柱と防虫ネットを撤去します。
【鉢栽培】
土を入れておいた鉢に苗を1株植え付けて株元をしっかり押さえ、最後に鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。植え付け後は、日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉には水をかけず、株元の土を狙って与えましょう。真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになってしまいます。すると株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
【地植え】
地植えの場合は、根付いた後は天候にまかせてもよく育ちます。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
鉢栽培する場合は、地植えに比べて乾きやすいので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
追肥・土寄せ

本葉が10枚くらい(定植後約20日)になったタイミングで追肥と土寄せを行います。その後も20~30日おきに追肥と土寄せをするとよいでしょう。
【地植え】
本葉が10枚ほどつき、株元が肥大し始めたら追肥として有機配合肥料を1㎡当たり30〜40 gほどを株元にばらまき、軽く耕して株元に土寄せしておきます。
【鉢植え】
株元が肥大してきたら、追肥として化成肥料を1つまみほど株の周りに施し、軽く耕して株元に土を寄せておきます。
収穫

【地植え・鉢植えともに】
順調に育てば、種まき後60〜70日で収穫ができます。早生や中晩生など、品種によって栽培日数に差があるので、栽培した品種に合わせて収穫しましょう。基本的に株元の球の直径が5cmほどの大きさに育ったら収穫のタイミング。葉と球の下の根はハサミで切り取っておきましょう。収穫が遅れるとかたくなってしまうので、適したタイミングを逃さないことが大切です。
保存

コールラビは根菜類のようにも見えますが、肥大した球の部分は茎が肥大したものなので、葉菜として保存します。乾燥を嫌うため、新聞紙などに包んで密閉袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。葉や根がついていると養分が失われるので、必ず葉や根は落としておきましょう。冷蔵は3〜4日ほどを目安にし、早めに利用します。
注意する病害虫

【病気】
コールラビの栽培で発生しやすい病気は、軟腐病や黒斑病などです。
軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすく、特に梅雨明けから真夏が要注意。肥大した茎や根が腐って悪臭を放つので、異変に気づいたら周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けること)を避け、水はけをよくしていつもジメジメとした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントです。
黒斑病は春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に発生しやすく、最初は黒または褐色の小さな斑点が発生。病斑は3〜15mmくらいで、下葉からだんだん上の葉へと広がっていきます。症状が進むと葉が縮れて黄色または褐色になり、やがて枯死します。肥料の与えすぎに注意し、株と株同士の間が狭い場合や、茎葉が茂りすぎて鬱蒼とした状態などで発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。
【害虫】
コールラビの栽培で発生しやすい害虫は、アオムシやヨトウムシなどです。
アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。葉裏などに卵を産み、孵化した幼虫は旺盛に葉を食害します。葉に穴があいているのを見つけたら、葉を裏返すなどして幼虫がついていないか確認し、見つけ次第捕殺します。大きくなるとギョッとするほどのサイズになり、葉脈のみを残して食べ尽くすほどの害を与えるので、早めの対処が大切です。
ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩に株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の跡が認められたら夜にパトロールして補殺しましょう。
コールラビを栽培してさまざまな料理で楽しもう

コールラビは青果店やスーパーではあまり出回らない食材で、家庭で栽培するからこそ味わえる野菜でもあります。種まきから2カ月ほどで収穫でき、栽培期間が短いのでビギナーにもおすすめです。適したタイミングを逃さずに収穫し、サラダにスープ、炒め物、揚げ物などにして料理の幅を広げてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『わが家の片隅でおいしい野菜を作る』監修/藤田 智 発行/日本放送出版協会 2008年2月10日第5刷
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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