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【初心者必見】イソトマの育て方を徹底解説! 可憐な星形の花を長く楽しむ秘訣

【初心者必見】イソトマの育て方を徹底解説! 可憐な星形の花を長く楽しむ秘訣

Trialist/Shutterstock.com

愛らしい星形の小さな花をたくさん咲かせるイソトマは、初夏から秋まで長く楽しめる人気の草花です。梅雨頃に切り戻せば、再び盛り返して秋にも開花するので、長く楽しめるのも魅力の一つ。この記事では、イソトマの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、主な品種、栽培方法などについて、詳しく解説します。

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イソトマの基本情報

イソトマ
Daria Kho/Shutterstock.com

植物名:イソトマ
学名:Isotoma
英名:rock isotome、showy isotome、blue star、star flower、laurentia
和名:ホシアザミ(星薊)
その他の名前:ローレンティア、ブルースター
科名:キキョウ科
属名:イソトマ属(ローレンティア属)
原産地:地中海沿岸、アフリカ、オーストラリア、アメリカ
形態:宿根草(多年草)・一年草

イソトマの学名はIsotoma で学名がそのままの流通名になっており、ローレンティアの別名もあります。原産地では多年草ですが、日本の寒さに弱くて冬越しが難しく、2年目以降は花数も少なくなるので、日本では一年草として扱われています。原産地は地中海沿岸、アフリカ、オーストラリア、アメリカ。高温多湿が苦手で、冬の寒さに弱いのが特徴です。 

イソトマの花や葉の特徴

イソトマ
zzz555zzz/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:5〜10月
草丈:20〜40cm
耐寒性:弱い
耐暑性:やや弱い
花色:紫、青、ピンク、白

イソトマの主な開花期は5〜7月で、梅雨頃に切り戻すと9月中旬〜10月中旬にも開花します。葉の付け根から花柄を伸ばし、花径3~4cmの花を咲かせます。花色は紫、青、ピンク、白で、小さな星形の花が特徴。一見すると花弁が5枚あるように見えますが、じつは基部がつながり、先端が深く5裂した筒状花です。ギザギザと切れ込みが入る葉は繊細で涼しげな印象。草丈は20〜40cmほどで、地植えにしても鉢植えにしても楽しめます。

イソトマの名前の由来と花言葉

イソトマ
Vincite/Shutterstock.com

イソトマという名前は学名のIsotomaから。ギリシア語の「isos」(等しい)と「tome(分割)」が語源で、筒状の花が放射状に5つに裂ける様子から名付けられたと考えられています。別名のローレンティアは旧属名に由来します。また、星形の花とアザミに似たギザギザの葉を持つことから、ホシアザミ(星薊)という和名もあります。 

花言葉は「優しい知らせ」「強烈な誘惑」「猛毒」などです。

イソトマの代表的な品種

イソトマ
ChWeiss/Shutterstock.com

イソトマはさまざまな品種が揃います。代表的な種類をいくつかご紹介します。 

イソトマ・アクシラリス

イソトマ
KUMA-MON/Shutterstock.com

最もよく流通する種類の1つで、一般的にイソトマというとこのアクシラリス種を指すことが多いです。その中でも最もよく植栽される品種が‘ブルースター’で、青紫色の星形の花を株いっぱいに咲かせます。 

フィズアンドポップ系

フィズアンドポップ系のイソトマ
Lee ArtPhotos/Shutterstock.com

交雑種で、普通種に比べ花弁がやや幅広いのが特徴。花色はいくつかあり、暑さに強く夏も花つきが落ちにくいほか、寒さにも強く冬越ししやすい傾向があります。

イソトマ・フルビアティリス

イソトマ・フルビアティリス
knelson20/Shutterstock.com

丸みを帯びた楕円形の葉に、花も丸みがある星形で可愛らしい印象。匍匐(ほふく)性で茎が立ち上がらず、這うように広がることから、グラウンドカバープランツとしてよく利用されます。スワンプ・イソトマとも。

イソトマ・ロンギフローラ

イソトマ・ロンギフローラ
Asrina Henna/Shutterstock.com

日本ではあまり見られませんが、熱帯各地に帰化して広がっています。長い花筒が特徴で、有毒ですが、薬草としても広く活用されています。イソトマの和名ホシアザミは、狭義にはこの花を指します。 

これらのほか、咲き始めるのがやや早くて開花期が長いF1アバンギャルド系もポピュラーに出回っています。

ガーデニングのさまざまなシーンで活躍するイソトマ

イソトマ
Ole Schoener/Shutterstock.com

イソトマは開花期が長く、盛夏は花の開花が止まりがちなものの涼しげな姿で花つきがよいので、初夏〜秋のガーデンシーンで活躍します。草丈が低くふんわりと生育するため、花壇の前面に植栽するのがおすすめ。株が広がるように生育する草姿を生かし、コンテナやハンギングバスケットにあしらっても素敵です。

イソトマの花壇
アゲラタムとともに植栽の手前を彩るイソトマ。photoPOU/Shutterstock.com

イソトマの栽培12カ月カレンダー

開花時期:5〜10月
植え付け・植え替え:4〜5月
肥料:5〜6月、9月下旬〜10月
種まき:4月頃

イソトマの栽培環境

イソトマ
JIANG TIANMU/Shutterstock.com

日当たり・置き場所 

【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 

【日当たり/屋内】基本的に屋外で管理しますが、冬越しに挑戦する場合、冬は室内の日当たりのよい場所で管理します。 

【置き場所】土壌は水はけ、水もちのよい環境を好みます。日本の高温多湿の環境を嫌うので、水はけのよい土壌づくりをしておくことがポイントです。

耐寒性・耐暑性 

イソトマは多年草ですが、暑さや寒さの厳しい日本の気候を乗り越えることは難しく、枯れて当たり前、生き残ったらラッキーぐらいに捉えておくとよいでしょう。地植えにしている場合は暑さ対策として梅雨前に鉢に植え替えて、雨の当たらない涼しい場所で管理するのも一案です。また、耐寒温度は5℃くらいまでなので、冬越しさせる場合は鉢に植え替えて室内や温室の日当たりのよい場所で管理しましょう。

イソトマの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】 

イソトマは水はけと通気性のよい土壌を好みます。苗を植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性肥料を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 

【鉢植え】 

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 

水やり

水やり
Osetrik/Shutterstock.com

イソトマは過湿の環境を嫌うため、水やりはやや控えめにし、乾燥気味に管理すると調子よく育ちます。水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 

また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 

【地植え】 

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 

【鉢植え】 

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、イソトマは乾燥気味の環境を好むので、いつもじめじめとした状態になると根腐れすることがあるので注意しましょう。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
Pawel Beres/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。また、生育期である5〜6月と9月下旬〜10月に、2週間に1度を目安に、液肥を与えて株の充実を図ります。

注意する病害虫

アブラムシ
nechaevkon/Shutterstock.com

【病気】 

イソトマに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉やつぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 

【害虫】 

イソトマに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アザミウマなどです。 

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 

アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmほどで大変小さく、緑や茶色、黒の姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がつき、かすり状になる異変が見られるのでよく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 

イソトマの詳しい育て方

苗の選び方

花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 

植え付け・植え替え

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

イソトマの植え付け適期は4〜5月です。 

【地植え】 

土づくりをしておいた場所に苗よりもひと回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜40cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 

【鉢植え】 

鉢の大きさは、5〜7号鉢を準備します。 

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くくずして植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 

鉢植えにして越年できた場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。

日常のお手入れ

イソトマ
zzz555zzz/Shutterstock.com

【花がら摘み】 

イソトマは多数の花が咲くので、終わった花は花茎の元から摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

剪定・切り戻し

剪定
Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com

ひと通り開花が終わり、草姿が乱れてきたら梅雨前を目処に、切り戻して株の若返りをはかります。新芽がついている部分は残し、地際から草丈の半分くらいの高さを目安にカットしましょう。株が込み合いすぎているようなら、数本の茎を地際から切り取って間引き、風通しをよくします。また冬越しする場合は、晩秋に切り戻して鉢上げしましょう。

暑さ対策

イソトマ
Hellebo Photography/Shutterstock.com

【地植え】 

イソトマは暑さに強いほうですが、植える場所は西日が強く照りつける場所を避けましょう。真夏は鉢に植え替えて、風通しがよく涼しい場所で夏越しするのも一案です。 

【鉢植え】 

西日が照りつけ続ける暑い環境にさらされると弱ることがあるので、風通しのよい涼しい場所に移動して管理しましょう。

増やし方

種まき
Montana Isabella/Shutterstock.com

イソトマは種まき、挿し芽で増やすことができます。 

【種まき】 

イソトマは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 

イソトマの種まき適期は一般地で4月頃。発芽適温は15〜20℃ほどです。まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、イソトマの種子を播いてごく薄く覆土します。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から水を給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると水流によって種が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは雨の当たらない明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に底から給水しましょう。発芽までは2週間ほどかかります。 

発芽後は日当たりのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚ついたら苗を取り出し、黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて根を傷めないように植え付けます。育苗を続け、十分に育ったら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。 

【挿し芽】 

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、イソトマは挿し芽で増やせます。 

イソトマの挿し芽の適期は、6月頃です。新しく伸びた茎を6〜8cmほど、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 

イソトマを育てる際の注意点

イソトマ
Magnesik/Shutterstock.com

イソトマの栽培では次のような点に注意が必要です。 

手入れをする際は手袋をする

イソトマを切ると、切り口から白い液体が出てきます。これが肌に触れると皮膚炎を起こしてしまうことがあるので注意。植え替えや花がら摘みなど、手入れをする際は、必ずゴム手袋を着用しましょう。特に敏感肌の方は要注意です。また、この白い液は目に入ると失明の恐れもあるので注意しましょう。 

冬越しは不可能ではないがおすすめしない

イソトマは寒さに弱いので、冬越しに挑戦する場合は晩秋には鉢に植え替え、日当たりのよい室内か温室で冬越しさせるとよいでしょう。ただし、成功率は低く、成功しても花つきが悪くなることがあるので、一年草扱いにしたほうが管理が簡単で気楽に楽しめます。自家製で毎年育てたい場合は、種まきをして更新するとよいでしょう。

イソトマを育ててみよう

イソトマ
zzz555zzz/Shutterstock.com

紫やブルー、ピンク、白など、優しい色調の花色が揃うイソトマ。次々に花を上げて長く咲き、病気や害虫に強くて育てやすいのでビギナーにもおすすめです。ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてください。 

 

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