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フィカス・アルテシマは人気の観葉植物! 育て方や自分で仕立てる方法を解説

フィカス・アルテシマは人気の観葉植物! 育て方や自分で仕立てる方法を解説

RealAleem、Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com 

リビングに置くとモダンな雰囲気をプラスしてくれる観葉植物として、とても人気があるフィカス・アルテシマ。育ててみたいと考えている人は多いのではないでしょうか。この記事では、フィカス・アルテシマの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、育て方のポイント、仕立て方など、幅広くご紹介します。

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フィカス・アルテシマの基本情報

フィカス・アルテシマ
Oat_Natchawal/Shutterstock.com

植物名:フィカス・アルテシマ
学名:Ficus altissima
英名:Ficus altissima、council tree、lofty fig
和名:フィカス・アルテシマ
その他の名前:フィカス・アルティシマ
科名:クワ科
属名:フィカス属(イチジク属)
原産地:インド、東南アジア
分類:常緑性高木 

フィカス・アルテシマの学名はFicus altissimaで、学名がそのまま流通名になっています。クワ科フィカス属の常緑高木で、昔から観葉植物として人気の高いゴムノキの仲間です。原産地はインド、東南アジア。暑さには強いものの、寒さには弱くて耐寒温度は5〜8℃。冬は暖かい場所で越冬させる必要があるので、庭に地植えするのは避け、鉢栽培を基本としましょう。冬は必ず室内や温室に入れて冬越しさせる必要がありますが、春から秋までの生育期はベランダやテラスなどの屋外に置いてもOK。季節に応じて適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。

フィカス・アルテシマは、自生地では30mほどに達することもあるほどの高木です。しかし、日本では気候が異なるので樹高はそれほど大きくはなりません。基本的に室内に置きたいという場合は、定期的な剪定で樹高をコントロールするとよいでしょう。生育期であればどこで切ってもよいので、手に負えなくなるような心配はほとんどありません。

フィカス・アルテシマの葉や幹の特徴

フィカス・アルテシマ
InfoFlowersPlants/Shutterstock.com

園芸分類:観葉植物
開花時期:ほとんど咲かない
樹高:30m
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:黄

ゴムノキの仲間のフィカス・アルテシマは、大きな楕円形の葉を展開します。表面には光沢があり、明るいグリーンで軽やかな印象。また黄色い斑が入るのが特徴です。品種改良によって園芸品種が多数生まれており、斑の入り方などは品種によってさまざま。インテリアの雰囲気に合うものを選ぶとよいでしょう。幹や枝は、自然な状態では上に向かって伸びていきますが、幹がやわらかいのであえて曲がった樹形に仕立てることもできます。少しくねらせて、インテリアに映える樹形にできることも、人気の理由の1つです。

フィカス・アルテシマの名前の由来や花言葉

フィカス・アルテシマ
pisitpong2017/Shutterstock.com

「アルテシマ」はラテン語で「最も背が高い」という意味。前述のように、自生地では樹高が30mにも達することが名前の由来です。

フィカス・アルテシマの花言葉は、「永遠の幸福」。縁起がよいことから、新築や引っ越し、開店などのギフトにもよく選ばれています。

フィカス属の代表的な仲間

フィカス属(ゴムノキ)の仲間は、枝を傷つけると白い樹液が出てくるのが特徴。トロピカルな雰囲気で、観葉植物として人気が高いものが数多く含まれます。ここでは、観葉植物としてよく利用される代表的なフィカスの仲間をいくつかご紹介します。

インドゴムノキ

インドゴムノキ
Mid Photographer/Shutterstock.com

観葉植物として人気の高いゴムノキの中でも代表的な種類で、単に「ゴムの木」として販売されているものの多くは、このインドゴムノキです。本来は高木になる種ですが、ミニ観葉から大鉢まで広く流通しています。葉は楕円形で厚く光沢があり、大きくて存在感抜群。斑入りの品種も多くあります。観葉植物の中では比較的寒さに強いので、育てやすく初心者にもおすすめの種類です。

フィカス・ベンジャミナ

ベンジャミン
Olga Miltsova/Shutterstock.com

光沢のある葉は長さ10cmの卵形楕円形で、インドゴムノキに比べて小さいのが特徴。枝が柔らかく、いろいろな形に仕立てて楽しむこともできます。爽やかな斑入り品種も多く、樹姿も美しい観葉植物です。単にベンジャミンと呼ばれることもあります。

フィカス・ウンベラータ

ウンベラータ
Sayuri I/Shutterstock.com

大きな葉が優雅な印象を与え、インテリアグリーンの代表ともいえるフィカス・ウンベラータ。白っぽい幹とハート形の葉が特徴で、葉は他のゴムノキの仲間に比べると大きくて薄く、艶がありません。この葉を日傘(ラテン語でウンベラ)見立てたのが名前の由来です。

フィカス・プミラ

フィカス・プミラ
DimaBerlin/Shutterstock.com

小さくて丸い葉が愛らしいフィカス・プミラは、つるを伸ばして這うように枝葉を広げる匍匐(ほふく)性低木。暖地では戸外でも越冬でき、観葉植物としてはもちろん、ハンギングバスケットや鉢物、寄せ植えのアクセントなどにもよく利用されています。

ガジュマル

ガジュマル
Olga Miltsova/Shutterstock.com

日本では屋久島・種子島以南に生息するガジュマルも、ゴムノキの仲間です。太い幹が特徴で、自生地では高さ30m程度まで成長する高木ですが、流通しているのは根が見える「根上がり」の形に仕立てられた小型の鉢植えがほとんど。複雑に絡み合う独特の姿を楽しむ人が多い観葉植物です。

フィカス・アルテシマの栽培12カ月カレンダー

開花時期:ほとんど開花しない
植え付け・植え替え:5〜8月(真夏を除く)
肥料:4〜10月
剪定:5~10月

フィカス・アルテシマの栽培環境

フィカス・アルテシマ
nlinnlin/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】基本的には日当たり・風通しのよい場所を好みます。耐陰性があるため半日陰や明るい室内でも生育しますが、極端に日当たりが悪いと、葉色が冴えずに樹勢が衰えてくるので注意しましょう。直射日光にも強いですが、強い真夏の直射日光に当たると葉焼けすることもあります。その場合は遮光するか半日陰に移動するとよいでしょう。寒さに弱いため、冬は室内に取り込んで管理します。

【日当たり/屋内】耐陰性があるため明るい室内でも育てられます。あまりに日当たりが悪いと生育に影響が出るので、暗い場所を避け、光が差し込む窓辺などに置きましょう。

【置き場所】風通しがよく、エアコンの風が直接当たらない窓辺などで管理しましょう。

耐寒性・耐暑性

暑さに強い一方で寒さには弱く、耐寒温度は5〜8℃です。庭やベランダに鉢を置いている場合は、10℃を下回る時期になったら、室内の窓辺や温室などに移して冬越しさせましょう。暖かくなって室内から外へ出す際に、強い日差しをいきなり浴びると葉が傷むことがありますが、徐々に慣らしていくとうまく順応します。

フィカス・アルテシマの育て方のポイント

フィカス・アルテシマは、寒さに弱いので地植えにはせず、鉢植えにして栽培するのが基本です。季節に応じて適した場所に移動しながら管理しましょう。ここでは、鉢植えのフィカス・アルテシマの育て方を解説します。

用土

土
Wstockstudio/Shutterstock.com

水はけ、水もちのよいフカフカの用土を好みます。観葉植物の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
Ivanko80/Shutterstock.com

日頃の水やりを忘れずに管理します。乾燥しやすい真夏は水を欲しがるので、水切れには注意しましょう。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の表土を狙って与えましょう。

肥料

肥料
sasimoto/Shutterstock.com

4〜10月の生育期間に、2カ月に1度を目安に、緩効性肥料を株の周囲に施し、軽く耕して土に馴染ませます。

注意する病害虫

カイガラムシ
Decha Thapanya/Shutterstock.com

【病気】

発生しやすい病気は、炭疽病、すす病などです。

炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密生すると発生しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発生しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。

すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなり、病状が進むと黒いすす状のものが全体を覆っていき、見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなって樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せつけないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定して、日当たり・風通しよく管理します。

【害虫】

発生しやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシなどです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

フィカス・アルテシマの詳しい育て方

苗の選び方

苗を購入する際は、葉色が濃く鮮やかで、幹が太く全体にがっしりしたものを。また、好みの姿のものを選ぶことも大切です。

植え付け・植え替え

ガーデニング
laenon/Shutterstock.com

植え付け適期は、5〜8月です。ただし、猛暑日になりやすい7月下旬〜8月下旬は避けたほうが無難です。

入手した苗木よりも1〜2回り大きいサイズの鉢を準備します。

鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きして高さを決めたらポットから出し、根鉢を軽くくずして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えの場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直しましょう。

日常のお手入れ

フィカス・アルテシマ
Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com

【葉の手入れ】

フィカス・アルテシマは湿度が高い地域に自生する植物なので、年間を通して霧吹きで葉に水をかける葉水をしてやると機嫌よく生育し、ハダニの予防にもつながります。上からシャワーをかけてもよいでしょう。生育が鈍る冬は水やりを控えますが、空気が乾燥するため、忘れずに葉水は行います。

また、観葉植物として室内で栽培している場合、大きな葉にホコリがたまりやすくなります。葉が汚れていたら、適宜拭き取り、みずみずしい姿を保つとよいでしょう。

剪定

剪定
Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com

剪定適期は、5〜10月です。ただし、7月下旬〜8月下旬の猛暑期は木に負担がかかることがあるので避けたほうが無難です。

フィカス・アルテシマは枝を切ると樹液が出てきます。この樹液に触れるとかぶれることがあるので、ゴム手袋を着用して作業しましょう。皮膚についた場合は、流水でよく洗い流してください。切り口から樹液がたくさん出て床を汚すことがあるので、切り口にキッチンペーパーをかぶせておくのをおすすめします。

剪定の際は、生育期であればどこで切ってもかまいません。込み合って風通しが悪くなっている場所があれば、内側に向かって伸びている枝や交差している枝、弱々しくなっている枝などを選び、分岐している部分まで遡って切り取ります。大きくなりすぎて持て余すようであれば、思いきって小さくしたい高さまで切り戻してもOKです。剪定した枝は挿し木に利用できます。

冬越し

フィカス・アルテシマ
Katrina Era/Shutterstock.com

フィカス・アルテシマは寒さに弱いので、ベランダやテラスなどの屋外に置いている場合は、気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込みましょう。日が差し込む窓辺などに置いて管理します。越冬して生育期に入ったら、再び外に出してもかまいませんが、いきなり直射日光にさらすと葉焼けすることがあるので、徐々に光に慣らすようにしてください。

増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

フィカス・アルテシマは、挿し木で増やすことができます。ここでは、その方法について詳しくガイドします。

【挿し木】

挿し木とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、フィカス・アルテシマは挿し木で増やせます。

挿し木の適期は、5月中旬〜9月です。新しく伸びた枝を10cmほど、切り口が斜めになるように切り取ります(挿し穂)。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために挿し穂の下葉を半分くらい切り取りましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

フィカス・アルテシマを好みの形に仕立てる方法

フィカス・アルテシマ
RealAleem/Shutterstock.com

フィカス・アルテシマは、幹をうねらせてスタイリッシュに仕立てたものに人気があります。幹がやわらかく、曲げやすい特性があるため、自身でくねらすように仕立てることも可能です。ここでは、準備するものや仕立て方についてご紹介します。

準備するもの

フィカス・アルテシマを好みの形に仕立てるのに必要なものは、支柱、紐かビニールタイ、剪定バサミなどです。幹を仕立てる前に、どのような形にするか前もって明確にしておくことも大切です。螺旋状に曲げるスタイルや、ゆるくS字に曲げるスタイルなどがあります。

曲げ方

まず、植木鉢の左右に支柱を1本ずつ立てます。上部で支柱同士を交差させ、ビニールタイや紐で結び、山形にしてください。幹をゆっくりと曲げて、ビニールタイや紐で支柱に固定し、螺旋にするなら支柱の外側に巻きつけ、S字にするなら内側でカーブをつけて曲げます。そのまま日当たりのよい場所で1年ほど管理しましょう。その後はビニールタイや紐と支柱を外してもOK。曲げているときに折れても、生命力が強いためまた芽が出て伸びてくるので、ほとんど心配は不要です。

フィカス・アルテシマの幹を太くする方法

フィカス・アルテシマ
banyan tree in a pot green common fig leaf scientific name “ficus altissima”

フィカス・アルテシマの幹を太くするには、生育期に日当たりと風通しのよい戸外に置くのがポイントです。戸外に置けない場合は、なるべく明るい窓際に置き、生育期は窓を開けて風通しをよくしましょう。また、生育期には定期的に肥料を与えて木の充実をはかります。根詰まりすると生育が悪くなるので、1~2年に1度は植え替えましょう。幹が太くなるまでには、ある程度の年数がかかることも知っておいてください。

フィカス・アルテシマは樹液に注意

フィカス・アルテシマ
Myname irwansyah/Shutterstock.com

フィカス・アルテシマの樹液に触れると、皮膚炎や蕁麻疹を起こすことがあります。剪定をする際はゴム手袋をはめ、樹液を触らないようにしましょう。特に敏感肌の方は注意が必要です。もし皮膚に触れたときは、すぐに流水できれいに洗い流してください。

フィカス・アルテシマをインテリアのアイテムとして部屋で育てよう

フィカス・アルテシマ
ANUCHA PALAMA/Shutterstock.com

フィカス・アルテシマは、特に広いリビングに映えるとして人気があります。一般的なゴムノキより葉が色鮮やかなので、お部屋を明るくしてくれますよ。寒さにだけ気をつけてあげれば、特に手がかかることもありません。ぜひリビングやテラス、ベランダなどに迎え入れてはいかがでしょうか。

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