オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で25年間、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主、遠藤昭さんが、庭で育てがいのあるオージープランツをご紹介します。今回は、葉にはミントのような香りがあり、初夏に紫色の花が咲く、庭木にオススメの低木、ミントブッシュの魅力と育て方のポイントを解説します。
目次
ガーデニングブームで注目されたオージープランツの一つ

ミントブッシュという名前を覚えておられるだろうか? 今から15年ほど前、日本のガーデニングブームが最盛期の頃、新しい植物がオーストラリアから盛んに日本に入り始め、園芸店でも「初恋草」や「ハナカンザシ」が販売されるようになるなど、オーストラリアの草花がちょっとしたブームになった時代があった。その当時に人気だったのが、ミントブッシュだ。しかしオージープランツの常として、残念ながら多くは2〜3年で市場から消えるようだ。

このミントブッシュ、最近はあまり見かけなくなったが、耐寒性があり、コンパクトで関東以西では庭木にオススメだ。ちょうど15年ほど前に近所に開発された住宅街で見かけたこともあり、庭木の流行の変化というのは面白いものだ。
葉と花と、それぞれ香るミントブッシュ

ミントブッシュという名の通り、葉はミントのようなスゥーッとする香りで、初夏に紫色の花が咲く。かなり芳醇なクチナシのような香りを放つ低木だ。花は決してミントの爽やかな香りではない。どちらかというと妖艶な香りだ。1cm程度の小さなかわいい花が初めて開花した時、朝、庭に出て「何の香りだろう? 銀座のマダムかな?」と思った。香りの発生源が庭の隅のミントブッシュであることが分かった時、その意外性に驚いたのを覚えている。

学名がProstanthera rotundifoliaで、園芸店でもプロスタンテラとして売られていることがある。シソ科の植物は、だいたい香りがよいが、このミントブッシュもシソ科の植物だ。ミントとはいうが、葉は食用にはならないので注意。

原産地から探る日本での上手な育て方

原産地はオーストラリアの南東部だ。たびたび書いてきたが、オーストラリアは広大な国なので、一口にオーストラリア原産といっても、東と西、北と南では大きく気候が異なる。ミントブッシュの原産地は南東部で、地中海式気候だ。したがって、日本の蒸し暑い夏は苦手で、鉢植えの場合は、梅雨時は雨に当てないように、また冬も霜に当てないようにいずれも軒下に置くとよい。地植えにする場合は、北風の当たりにくい建物の南側で、水はけと風通しがともによい場所を選び、できれば植え付けの時に、植え穴の底面に軽石を敷き込んでおくとよい。
のびのびと育てたら高さ2m、幅150cm程度まで育つ。常緑で、葉の緑は比較的濃く、花のない時期も美しい。

剪定は花後に軽く行い、低木の樹形を保つと翌年の開花を促進することができる。強剪定には弱いようだ。挿し木で増えるので、剪定枝を土に挿しておくと、比較的簡単に増やせる。シソ科で香りがあるせいか、病害虫はあまり見かけないのも魅力。
切り花として部屋に飾るのもオススメ

ミントブッシュは花の香りも楽しめるので、切り花にしてガーデンテーブルやリビングに飾ると素敵だ。
同じ時期に咲くウエストリンギアと一緒に活けた。

こちらのアレンジメントは、花器の色に調和するよう、根元をドドナエアの銅葉で引き締めた。
併せて読みたい
・ オージーガーデニングのすすめ「造形的でアートな花フランネルフラワー」
・【ウエストリンギア】庭木として丈夫に育つ!オーストラリアン・マリーローズ
・オージーガーデニングのすすめ オージープランツの越冬テクニック
Credit
写真&文 / 遠藤 昭 - 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー -

えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
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