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水やり・誘引・品種選びがカギ! 屋上テラスでのバラ栽培1年半で分かった「失敗しない」管理術
住み替えを機に、屋上のテラスガーデンづくりをスタートして1年半を迎えた、神奈川県在住で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさん。バラを育てて約35年の経験を生かして挑む屋上という環境でのバラの庭づくり。2度目の春を迎え、酷暑を経験した今、屋上ならではの課題を克服して、理想のバラ園を実現しました。初夏のガーデンの様子や管理術をご紹介します
目次
屋上という新しい環境でのバラ栽培

住み替えを機に、屋上テラスガーデンをつくって今年の夏で1年半が経ちました。
今まで地植えの庭で35年以上にわたってガーデニングを続けてきましたが、自宅のある地域の街づくりが行政によって作り替えられたのを機に、新しくマンションに建て替えたため、1年半前から11階の屋上テラスでのガーデニングに切り替えることになりました。
この1年半の間、私にとって屋上テラスガーデンという初めての空間や環境でのガーデニングとの取り組みとなり、バラや植物がうまく育ってくれるか、とても心配でした。ですが、なんとか今年はどのバラや植物も成長した姿を見ることが叶って安堵しています。
写真で比較 1年半前と今年の5月

屋上テラスガーデンの入り口となる扉付近からの様子です。パーゴラにバラが絡み、手前の花壇部分でもバラが咲き、ジギタリスも立派な咲きっぷり。花壇の枠からこぼれるように茂っているのは、ワイヤープランツです。

装飾プレートのメダリオンが添えられた北側の壁付近では、アプリコット色のジギタリスとつるバラ‘フィリスバイド’(Cl)が満開になり、花々のスクリーンができました。

南側から、正面にメダリオンを望むパーゴラの風景も華やかに変わりました。パーゴラを支える柱に伝うよう植えた2株の‘トレジャー・トローヴ’(R)が天井に届くまで伸び、降るように花が咲きました。

西側からの景色は、花壇の彩りとパーゴラが一緒に見られる角度です。手前の花壇には、アプリコットやオレンジ~黄色やクリームピンクの木立ち性のバラを植栽して、花色が優しくつながるように品種をセレクト。

パーゴラをぐるりと囲む南側の花壇には、ピンクや赤などのバラを植栽して、鮮やかな景色となりました。

テラスを囲む内壁には、バラの誘引が行えるように、また、暴風雨時にバラが吹き飛ばされないよう結束できるようにと、あらかじめワイヤーをぐるりと張り、自動灌水のホースも配線しました。バラ全体にまんべんなく日が当たり、下草のワイヤープランツが高さ70cmの花壇の縁を隠してくれたことで、ナチュラルな印象になりました。

上でご紹介の角度とは反対側のパーゴラ側から見た南側花壇。右奥には水道を備えたことで、部屋と外を頻繁に行き来する必要がなく、重宝しました。
屋上テラスガーデンでのガーデニングで特に気を配った点
① 構造物とバラの品種について
屋上に設けた構造物は、今後移動することができないため、設計段階から構造物とバラの品種や植物のイメージをよく考える必要がありました。

パーゴラには、大きく枝を広げる伸長力のあるランブラーローズの‘トレジャートローヴ’を合わせようと思っていたので、バラの性質に合わせて大きめのパーゴラをデザインし、優しいアプリコットイエローの花色に合うよう、柱のタイルの色などを決めました。

② 暑さに強い品種選び

陽差しが強い屋上では、暑さに強いバラや植物を選んで植栽しました。
例えば、南側花壇には、クライミング・ティー・ローズの‘スーヴニール・ドゥ・マダム・レオニー・ヴィエンノ’やイングリッシュローズの‘プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント’、そして、暑さと乾燥に強いジャーマンアイリス‘バニティ’などを植栽。無事にすべて開花し、生育も順調です。
③ 屋上の特殊な環境に合わせた誘引

風も強く吹く屋上テラスガーデンでは、壁にワイヤーを張り、枝が折れたり、飛ばないよう、枝を誘引し結束しました。
④ 自動灌水+手灌水で水切れ防止

乾燥しやすい屋上テラスガーデンでは、水切れ防止にあらかじめ自動潅水装置を設置していました。ですが、夏場の猛暑の時期には、自動灌水装置から出る水量では足りないと判断して、手動でも水やりを行いました。
⑤ こまめな掃除を徹底

排水口付近は、枯れ葉や散った花弁が溜まりやすく、放置しておくと配管の詰まりの原因になるので、毎日こまめに掃除する必要があります。また可能なら、下の階とは別の配管を設置するとトラブル防止になるようです。花はなるべく散る前に摘んでおきます。
1年半を通して解ったこと
屋上テラスガーデンでのガーデニングは、地植えのガーデニングと比べて、床にタイルを貼っているため草むしりの手間が減ったことと、11階という場所のため、蚊やバラの害虫であるコガネムシの飛来が少ないという利点があることが解りました(なお、カイガラムシやハダニは、地植えでのガーデニングと同様でした)。

また、少しの量ではありますが、自動灌水装置から出る水分も、あると無いでは大違いということがよく解りました。特に夏中バラの状態が、葉が落ちにくく、四季咲き性のバラは花を次々開花させるなどの効果が得られました。
ですが、やはり風が強く、物が飛びやすいので、余計な物は置かないようにしたり、飛ばないように工夫するなどの必要がありました。そして、排水がうまくいくように、日頃のこまめなお掃除と、バラや植物の管理がとても重要だと分かりました。
ですので、高層階でのバラ栽培は、暑さに強い品種を選び、給水と排水、誘引、結束、剪定、清掃などの管理を行えば難しくはなく、かえってガーデニング作業が行いやすい環境をつくることができるのではないかと思いました。
今後の課題

1年半経過すると、土がだいぶ固くなってきたように思います。土は、地植えでのガーデニングとは違い、重量計算された屋上用の軽量の専用土を使っているため、今後バラのために、土中に堆肥を元肥としてどのくらいすき込んでいったらいいのか、最適な量はどのくらいなのかを調整していきたいと思っています。

また、特に5~6月と9~10月に被害が多い、葉に産卵し孵化した幼虫が葉やつぼみを食害するヨトウガの対策がまだ不十分と感じているので、こちらも対策を行わなければいけません。

バラ以外では、果物の収穫を楽しみにして植えたブルーベリーやサクランボの果実が、少し目を離したすきに、野鳥にほとんど啄まれてしまいました。綺麗な声でさえずり、愛らしい姿で屋上テラスガーデンにやって来る野鳥には、つい気を許してしまいがちですので、一番対策が難しいといえるかもしれません。
Credit
写真&文 / 元木はるみ - 「日本ローズライフコーディネーター協会」代表 -

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。近著に『薔薇ごよみ365日 育てる、愛でる、語る』(誠文堂新光社)、『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)、『ときめく薔薇図鑑』(山と渓谷社)著、『バラの物語 いにしえから続く花の女王の運命』、『ちいさな手のひら事典 バラ』(グラフィック社)監修など。TBSテレビ「マツコの知らない世界」で「美しく優雅~バラの世界」を紹介。
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