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丸く作るコツ&梅雨のお手入れ方法も紹介! ブルー&パープル系の大人可愛いハンギングバスケット

丸く作るコツ&梅雨のお手入れ方法も紹介! ブルー&パープル系の大人可愛いハンギングバスケット

梅雨は雨で花が傷んだり、湿度が上がって株が蒸れやすくなるなど、ガーデニングでのトラブルが発生しやすくなる時期。そんな季節も華やかに植物を楽しみたい! という方にぴったりなのが、ハンギングバスケットです。空中に飾るので風通しよく蒸れにくい環境で育てられ、雨の日は軒下へ移動させるのも容易なため、花が傷むことも避けられます。今回は、横浜市でアイドル活動を行う傍らハンギングバスケット作りに励む戸田健太さんの制作に密着。ハンギングバスケット作りのポイントや、丸い形に仕上げるコツ、梅雨時期の管理方法などを分かりやすくご紹介します。

ハンギングバスケットの花材選び

河野自然園

ポイント1

花材は以下の3つの役割を持つ植物を組み合わせてセレクトしましょう。

①存在感がありバスケットの主軸となる【主役】

②主役を引き立て、彩りや華やかさを補う【準主役】
③小花や葉物など、主役や準主役の間に入って動きや立体感を演出する【脇役】

また、全体のカラーやテーマ、使いたい主役の花材などを事前に決めておくと、合わせる植物が選びやすくなります。

ポイント2

植生を意識して選びましょう。植物はそれぞれ適する環境が異なるため、日向を好む、湿った土壌を好むなど、できるだけ同じ環境を好む植物を組み合わせることで、長く美しくハンギングバスケットを楽しむことができます。

初夏・梅雨時期に楽しめる植物の一例

●日向を好む
ラベンダー、カンパニュラ、バーベナ、サルビア、トレニア、ジニア、ベゴニア、花オレガノ(例:‘ケント・ビューティ’、‘ロタンダフォーリア’、‘ミルフィーユリーフ’)など

●半日陰を好む
インパチェンス、アスチルベ、ヒューケラ、ミスカンサス、コリウスなど

●湿った土壌を好む
アジサイ、ギボウシ、アジュガ、ヤブラン、アスチルベ、コリウス、シダ類など

●乾燥気味の土壌を好む
ペチュニア、ペンタス、ルドベキア、ゼラニウム、カリブラコア、ナデシコ、ポーチュラカなど

ポイント3

草丈が高くなる植物は生育するにつれて全体のバランスが崩れやすくなるため、ハンギングバスケットを長く美しく楽しみたい場合は、草丈10〜20cmくらいの植物を選ぶのがおすすめ。ただし、つる植物や下垂する植物は、その長さを活かしてつるをハンギングバスケットの側面に這わせたり、枝垂れさせて動きのある演出を楽しめます。

ペチュニア エコチュニアシリーズ  ‘ブルーベイン’

厳しい環境でも美しい花を咲かせ続ける高パフォーマンスな品種。コンパクトにまとまり、花径6~7cmほどの花を株いっぱいに咲かせます。花心から濃い網目模様が広がる立体感のある花は、ハンギングバスケットや寄せ植えのポイントに。ペチュニアは花1種で作るハンギングバスケットにも最適です。

ブルー&パープル系のハンギングバスケット作り

STEP1:用意する資材&下準備

◾️今回使うバスケット
伊藤商事 ワイヤーバスケット WB-35(ヤシ繊維マット付)
半球体状で壁やフェンスなどにかけて飾るタイプ。スリットに苗を植え込んで形作っていきます。ワイヤーバスケットにヤシ繊維マットをセッティングし、ずれないように洗濯バサミなどで留めておきましょう。

サイズ:W350×D165×H250mm
器材容量:8.0L
スリット数:5
使用株数:15~30株
植込み後重量:約7~12kg

◾️ハンギングバスケット用スタンド
引っ掛けて作業すると下部に植物が入れやすく、制作しやすいです。壁やフェンスなど、ハンギングバスケットを飾る場所がない場合にもスタンドを利用して飾ることができます。

◾️培養土
保水性や保肥性のある軽量な土が理想。市販のハンギング用の培養土を使用すると手軽でおすすめです。

◾️元肥
ゆっくり長く効く緩効性肥料を土に混ぜておくと花の見頃が長持ちします。培養土に元肥が入っている場合は入れなくてOK。

◾️活力剤
液肥と異なり、肥料やけなどの心配がない栄養剤です。植え込む際に根にダメージがあるため、活力剤につけながら植え込むことで回復力を促したり、根の活着をよくしたりします。

◾️水苔
土の流れ止め、乾燥防止になります。また、苗の高さ調整にも便利です。

◾️その他の道具
土入れ、洗濯バサミ

STEP2:花材選び&配置決め

【主役】、【準主役】、【脇役】それぞれの花材を決めながら、配置を考えます。この時、育苗トレーを使うと便利です。半球体の丸い形を意識して、主役が中央付近の目立つ場所にくるように配置します。花の隣には葉物を合わせたり、形、質感の異なるものが隣り合うようにレイアウトするとバランスよく仕上がります。

配置を真上から見てチェックします。左は最初に考えたレイアウト。きれいにまとまっていますが、もう少し複雑な表情をプラスするために、一部を右の植物と入れ替えることにしました。

配置のワンポイントアドバイス

アイビー、ジャスミン、ハツユキカズラのように枝垂れる植物は下部、もしくは側部にレイアウトするとよいでしょう。

戸田さんが選んだ花材一例

【主役】(A)ペチュニア ‘ブルーベイン’、(B)ペチュニア ‘てまり珊瑚’、(C)ペチュニア ヴァンサンカン
【準主役】(D)スカエボラ、(E)フレンチラベンダー、(F)ブルーデージーなど
【脇役】(G)オレガノ ‘ケント・ビューティ’、(H)シモツケ‘ホワイトゴールド’、フクシアなど

今回の一番の主役は、シックなパープルのペチュニア ‘ブルーベイン’。それに合わせて準主役には、ブルー&パープル系の小花のブルーデージーやスカエボラをセレクト。ブルー&パープル系の花を引き立てるのに最適なのは、捕色のイエロー。そこで、リーフ類に明るいライムイエローのものを選びました。このパープル&イエローの補色対比の花選びだけでも立体感が生まれキレイにまとまりますが、さらにニュアンスカラーのペチュニア ‘てまり珊瑚’やペチュニア ヴァンサンカンを主役に加え、繊細で複雑な表情をプラスしました。

STEP3:植え込み

バスケットの下部にある横のラインくらいまで土を入れておきます。この横のラインより下の部分にはスリットがありませんが、ワイヤー間隔の広い箇所にも苗を植え込むと、仕上がりの形がキレイになります。ここにハサミで植え込み穴を開けておきましょう。

苗は根の周囲の土を崩し、黄色くなった下葉は落として風通しをよくしましょう。活力剤入りの水に根を浸してから植えていきます。

スリット入りのハンギングは、スリットの上から苗を差し込み、下へスライドさせて植え込んでいきますが、最下部だけは植え込み方が異なります。下記の手順で行うと、植え込みやすいです。

【最下部の植え込み方】
①ビニールポットの側面と底部を切り離します。
ビニールポットの側面側を利用して、植えたい苗の土部分をくるみます。
片方の手で穴に苗を下から差し込み、もう片方の手を鉢の中に入れて内側へ苗を引っ張り込みます。
④ビニールだけを抜き取ります。この方法だと根を傷めずバスケットが土で汚れるのも防げます。

最下部の植え込みが終わったら、苗の根が隠れる程度に土を入れます。次からは苗を横に倒して、スリットの上から下へスライドさせるように植え込んでいきます。土は各段植え込むごとに入れます。

以下のようなサイクルで苗を1つずつ植え込み、1段ずつ進めていきましょう。

ハンギングバスケットを丸く仕上げるコツ

下段はやや下向き、中段は正面向き、上段は上向きになるよう植え込みましょう。最上部の後方は垂直気味に植えます。正面、上、横、どこから見ても丸い形に仕上がるよう、角度や向きを調整することが重要です。微調整したい場合は水苔が活躍!  隙間に入れることでしっかりと位置が定まり、理想的なフォルムに近づきます。
また、苗を植え込みながら、さまざまな角度から見て、丸いフォルムになっているかチェックしましょう。

苗のどの位置が丸いカーブを描いているか、クルクルと回してフィットするポイントを確認。場合によっては、長く伸びた茎をカットして形を整えるのもOKです。

仕上げ

苗を全て植え込んだら割り箸などで土を隙間なく詰め、その上に水苔を敷きます。植え込みがすべて完了したら、底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。冬以外は、作ってから3日程度は養生期間として風通しのよい日陰で管理し、その後日当たりと風通しのよい環境で育てるとよいでしょう(植物の特性によって適した置き場所を選んでください)。

ハンギングバスケットの梅雨時期の管理方法

病害虫対策

梅雨の季節は湿度が高くなることで蒸れやすくなり、病害虫の発生リスクが上がります。そのため、ハンギングバスケットを風通しよく管理することが重要です。枝透かしや切り戻しをして、混み合わないように注意したり、終わった花はすばやく花がら摘みをしましょう。害虫には忌避剤を用いて予防することも一案です。

水やり

置き場所にもよりますが、できれば毎日土の乾きを確認しながら1〜2日に1回水やりをします。水やり時の泥はねを防いで病気を予防するため、ハンギングバスケットの仕上げには土の表面に水苔を敷くようにしましょう。

置き場所

植えた植物によって置き場所にも注意が必要です。この時期ハンギングバスケットで活躍するペチュニアやキンギョソウなどは、雨に当たると花が傷みがちに。雨天が続く場合は、軒下などの雨の当たらない場所に移動させるとよいでしょう。

どんよりとした空模様が続く季節でも、庭やベランダ、玄関先を華やかに彩ってくれるハンギングバスケット。選ぶ植物に合わせて置き場所に配慮したり蒸れにくいよう管理することで、梅雨時期も心配ご無用! 存分に美しい姿を楽しむことができます。ぜひ、この時期見頃の花を添えたハンギングバスケットで、彩り豊かなガーデニングライフを満喫しましょう。

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