数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。今回は、水面に浮かぶようにいくつものエキゾチックな花を咲かせるウォーターガーデンには欠かせない美しい花、スイレンをピックアップしてご紹介します。

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エキゾチックな美しい水上の花

Photo/Wanvimol Songthamwat/Shutterstock.com

水面に葉を浮かべ、水中から伸ばした花茎の先に花を開くスイレン。5月中旬~10月にかけて花を咲かせ、整った花形と、水に浮かぶ涼しげな姿が美しい水生植物です。日本には、未の刻頃に咲くためにヒツジグサと呼ばれる種類が一種自生しています。姿や名前が似ているハスと混同されやすいのですが、スイレンはスイレン科、ハスはハス科と別種の植物。スイレンは水面に葉が浮かび、花も水面付近で咲くのに対し、ハスは切れ込みの無い葉を水面より上に展開し、花も高い位置に咲くので見分けがつきます。

スイレンには、大きく分けて熱帯スイレンと温帯スイレンがあります。熱帯スイレンは青や紫など、花色がより多彩でエキゾチックな雰囲気を漂わせます。朝に開いた花は夕方まで咲き続き、また、夜に花開く夜咲き種もあります。一方の温帯スイレンは、優しい色彩と豊富な花形を持ち、花は昼咲き性で、昼過ぎには閉じます。印象派の画家、クロード・モネが愛し、「睡蓮」というタイトルで何枚もの連作を残したスイレンは、主に温帯スイレンだといわれています。耐寒性がより強く、冬越しがしやすいのも特徴です。

美しく咲くスイレンの花

豊富な品種もスイレンの魅力の一つ。美しく艶やかなスイレンの品種を、いくつかご紹介します。

熱帯スイレン

温帯スイレンにはない青や紫などの涼しげなブルー系の花色を持ち、よりエキゾチックな印象の強い熱帯スイレン。温帯スイレンに比べ、花弁の形がシャープなものが多いのも特徴です。

‘ペンシルベニア’
‘ムラサキシキブ’
‘ホワイトパール’
‘アルバート・グリーンバーグ’ Photo/Simon Groewe/Shutterstock.com
‘ティナ’ Photo/mishon14/Shutterstock.com
‘レッドフレア’ Photo/pzAxe/Shutterstock.com

温帯スイレン

ピンクや白、黄色など、優しい花色の温帯スイレンは、花形が豊富なのが特徴。花弁が幾重にも重なるゴージャスなものから小型のヒメスイレンまで、さまざまな種類があります。

‘アーカンシェル’ Photo/Victoria Tucholka/Shutterstock.com
‘ジェームズ・ブライドン’ Photo/Elena Rostunova/Shutterstock.com
‘ピーチ・グロウ’ Photo/Wanvimol Songthamwat/Shutterstock.com
‘ダーウィン’ Photo/eZeePics/Shutterstock.com
‘オールモスト・ブラック’ Photo/Yury Petukhov/Shutterstock.com

スイレンの鉢栽培

池が無くても楽しめる鉢栽培なら、誰でもスイレンを栽培することができます。栽培の際には、スイレンを植えつける内鉢用の植木鉢と、スイレン鉢などの水鉢が必要です。水鉢の大きさは、品種や株の大きさによっても異なりますが、口径30㎝以上、水面から土までの深さが10㎝以上になるものがよいでしょう。内鉢に田土や水生植物培養土を入れて肥料を混ぜ、スイレンを植えつけたら、水を張った水鉢に沈めて日当たりのよい場所に置いて管理します。特に熱帯スイレンの場合は、生育に適した水温が25℃以上と高く、15℃を下回ると生育が鈍るので、日当たりのよい暖かい場所で育てましょう。日常の水やりは不要ですが、蒸発しやすいため、水が減ったら足しましょう。夏場は水温が上昇しやすく、水も減りやすいので注意します。また、花がらや黄色くなった葉はこまめに取り除き、水が汚れないようにしましょう。また、たまに鉢の水の1/3~1/2程度を溢れさせながら入れ替えるエアレーションをすると、空気を含んだ新鮮な水を鉢内に送り込むことができます。

熱帯スイレンと温帯スイレンでは、耐寒性の強さが違うため、冬越しの方法も異なります。温帯スイレンは耐寒性が強く、水面が凍る程度なら耐えられるため、屋外での冬越しもOK。株が凍りつかないように深めの水位で管理します。3~4月頃に掘り起こして新しい土に植え替えましょう。株が混んできたら株分けをします。一方、熱帯スイレンは、冬は室内に取り込んだほうが無難。水温が5℃を下回らないように注意し、温度変化の少ない場所で管理します。休眠中は日光を必要としないため、発泡スチロールなどの容器に入れて蓋をしてしまうのも一手。熱帯魚用の水槽ヒーターなどがある場合は、加温して休眠させずに育ててもよいでしょう。

スイレンを栽培する場合、ボウフラなどの発生を予防するために、一緒にメダカを飼うのもオススメ。水鉢の中を小さなメダカが動き回っているのを見るのは可愛らしいものです。ただし、水温上昇や農薬に気をつけるなど、メダカの生育にも適した環境を必ず用意してあげましょう。

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