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知っていますか? 身近な植物の名前の由来
Photo/Tatiana Grozetskaya/Shutterstock.com
日頃から何気なく使っている植物の名前ですが、身近な植物であっても、なぜこのような名前で呼ばれているのか、知らないことが意外と多いもの。見た目や物語などから名づけられた、植物たちの名前の由来を探ってみましょう。
植物の名前には、日本語の意味を持つものや、外国での名前をそのまま使っているものなどがあり、その名も見た目に由来したり、発見者の名にちなんだり、故事や物語の一節から取られたりとさまざま。ここでは、ガーデンや身近な場所でもよく見かける、なじみ深い植物の名前の由来を7つご紹介します。
目次
アネモネ

春に赤、青、白などの色鮮やかな花を咲かせるアネモネ。古くから人々に親しまれており、神話や伝説にも登場します。アネモネの語源はギリシャ語「anemone」にあり、風という意味の「anemo」に、子や娘を表す「one」が結びついた「風の娘」を意味します。これは、アネモネは風が吹いているときにだけ花を開くと考えられていたことから。他に、風の神ゼピュロスに愛された、女神フローラの侍女アネモネが姿を変えた花だというギリシャ神話に由来する説、長い綿毛を持つタネが風に乗って運ばれることに由来する説などもあり、どれも風にまつわる由来となっています。
フジ

長く垂れ下がる藤色の花房が美しいフジ。名前の由来には、つるで縄や籠を編んだり、橋をつくるのに利用した実用面から、フ(綜、経糸のこと)ウチ(打)が転じたもので、古代の織りや編みから生まれた言葉だという説や、花の様子から吹き流しを意味する「フキチリ(吹散)」が転訛したという説があります。ほかにも、つるを鞭として利用したことから「ブチ(鞭)」が転じたというもの、中国のシナフジを「紫藤」としたというもの、房状に花を下げて咲かせる姿から「フサタリハナ(房垂花)」が転じたというものなど、非常に多くの説があります。いずれにしてもフジの名前は古くからあり、万葉集でもすでに歌に詠まれているように、古来より日本人に親しまれていたようです。
オダマキ

丈夫で育てやすい宿根草のオダマキ。大きく分けて、日本原産のミヤマオダマキと、ヨーロッパなどを原産とするセイヨウオダマキの2種があります。非常に多数の園芸品種があり、初夏には色も姿もさまざまな花が楽しめます。この花の名前の由来となったものは、機織りの際に使う六角形の糸巻き「苧環(おだまき)」。距が長く伸びた筒状の花姿が、中心が空洞になっているこの道具に似ていることから名づけられたといわれます。
クレマチス

つる植物の中でも特に人気が高く、多くのガーデナーに愛されているクレマチス。トレリスやオベリスク、フェンス、パーゴラなどの構造物に絡みながら花を咲かせ、ガーデンの景観づくりにもぴったりです。特にバラとの相性が抜群なので、ローズガーデンには欠かせない存在。そんなクレマチスの名前は、ラテン語「Clematis」から。しがみつくという意味の「klema」を語源に持ち、巻き蔓を意味するギリシャ語「klematida」から派生したとされています。つるが強く針金のように固いことから、テッセン(鉄線)と呼ばれることもありますが、本来、この呼び名は‘テッセン’という特定の品種を指します。
ヘチマ

夏に大きな実をいくつもぶら下げるヘチマ。果実が繊維状であることから、漢字では「糸瓜」と書いてイトウリとも読み、「い」の音を省略した「トウリ」とも呼ばれました。桃山時代にはすでにヘチマという名があったようですが、ヘチマの語源は不詳で、この「トウリ」の頭の「と」が、いろは歌の並びでは「へ」と「ち」の間(ま)にあるため、のちに「ヘチ間(へちま)」と呼ばれるようになったという俗説があります。しかし、実際には外来語に由来するのではないかと考えられています。
パンジー

冬から春にかけてのガーデニングには欠かせない花がパンジーやビオラ。彩りが少なくなる冬の時期にもカラフルな花を咲かせてくれる嬉しい植物です。日本では三色スミレという名でも呼ばれますが、主に使われているのは、外来語である英名「pansy」そのままのパンジーという呼び名です。このパンジーという名は、思想や考えを意味するフランス語「pensee」に由来し、前に傾いたように咲く花姿を、頭を垂れて思考している人の姿に見立てたとされています。
ヘビイチゴ

可愛らしい赤い実をつけるヘビイチゴ。名前を一見したところ、ヘビが好んで食べるからこの名がついたのかと思ってしまいそうですが、実はヘビは肉食性なので、ヘビイチゴを食べることはありません。人が食べても問題はありませんが、美味しくはないそう。さて、ヘビイチゴの名前は漢名の蛇苺から。その由来は諸説ありますが、中国ではヘビが食べると考えられていたことや、その不味さから「ヘビにでも食べさせておけ」といわれたのが由来だとか。ヘビが出るような湿気の多い場所に育つことから「ヘビイチゴ」と名づけられたともいわれます。
参考文献:
『語源辞典 植物編』(吉田金彦編著・東京堂出版刊)
『日本辞典』 http://www.nihonjiten.com/
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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