ガーデニングに憧れるけれど何をしたらいいのかわからない、広い庭がないからガーデニングはできないなどとあきらめていませんか? ガーデニングをすると身近に花が咲き、ハーブが収穫できたり、家族の話題が増えたり、暮らしが豊かになります。ここでは、ガーデニングをするメリットや作り方やアイデア、植物の植え方や育て方などの基本情報をご紹介します。

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ガーデニングとは

ガーデニング

ガーデニングとは、庭づくりをすることで、家庭で行う園芸や造園一般を指す言葉です。ガーデニングができる場所は、自宅の周囲の敷地などの地面がある場所をはじめ、ベランダやバルコニー、屋上、テラス、ポーチ、窓辺など、日当たりや風通しがよく、植物が育つ環境であれば、スペースが狭くても広くても、どこでもガーデニングをすることができます。また、玄関前のポーチなどの小さなスペースで楽しむ寄せ植えやハンギングバスケットもガーデニングに含まれます。

ガーデニングは植物を育てることからスタートしますが、植物を元気に育てるためには、育てる場所の確保に加えて、よい土と水が必要不可欠です。すくすくと元気に植物が育つためには、植え替えをしたり、花がらを摘んだり、水やりをするなどの日々のお手入れも大切で、それらの作業をすることも含んでガーデニングと呼びます。なお、家庭菜園は野菜を収穫するのが目的ですが、ガーデニングは育てて花を愛でたり、草花で作られた景色を楽しむなどの鑑賞が主な目的という違いがあります。

ガーデニングのメリットは3つ

なぜガーデニングをするとよいのか、代表的なメリットは3つあります。1つ目は、日々の暮らしの楽しみとなる趣味になります。2つ目には、植物に触れることで癒やされたり、手入れの作業は運動にもなるため健康によい効果があります。3つ目は、草花や樹木が住宅を彩り、住みやすさが向上します。これら3つのメリットについてご紹介します。

植物を育てることは趣味の一つ

ガーデン

花の開花や木々の芽吹きは、季節が移り変わっていることを知らせてくれる一番の目印です。自分で育てている植物が成長し、つぼみをつけたり、満開になる様子を日々目にすることで、季節の変化を実感します。それと同時に、植物の成長を見守ることは思いがけない感動を与えてくれます。そんな植物の変化や驚き、感動を写真に撮ってインスタグラムなどのSNSに投稿することも現代のガーデニングの楽しみの一つ。家の周りに緑や花が育つと、窓の外の風景がインテリアの一部になって、暮らしがぐんとおしゃれに変わるという効果もあります。

ビオラ

ガーデニングは、専用の機材や特別な道具を揃えなくは始められない趣味とは違って、育てたい植物の苗と土、日々の水やりの3点セットがあればスタートすることができます。例えば、冬から春まで長期間花が咲くビオラの苗は、1苗200円前後で買うことができます。すでにある自宅の敷地に地面があれば、直接地面に植える「地植え(じうえ)」をすることで、苗を買うだけでスタートでき、比較的お金がかからない趣味です。

春のガーデン

もし、家の周りに何も手をつけていない空き地があったならば、何か植物を植えてみましょう。狭くて日も差さない場所であっても、人が通れる程度の隙間があれば大丈夫です。日陰に強いクリスマスローズやアイビー、シダなどを植えたら、薄暗かった場所が、みずみずしい景色へと見違えるように変わります。これまでデッドスペースと思い込んでいた場所が、案外ガーデニングできる場所だったという先輩ガーデナーのエピソードも多いんですよ。

●先輩ガーデナーのガーデニングを参考に
「私の庭・私の暮らし」家を囲む小径を庭に 神奈川県・飯田邸

ハーブ

ガーデニングは、花や緑を育てるばかりでなく、料理に使うバジルやミントなどのハーブ類やブドウやミカン、ザクロやイチジクなど実がなる樹木を植えれば、自宅にいながら採れたてを味わうことができます。また、フェイジョアやグーズベリー、ブルーベリーなどスーパーや八百屋にはあまり並ばない珍しい果樹を旬に味わうこともできたり、収穫の喜びを家族と分かち合うこともできます。

●庭で育つ果樹の参考に
かわいい赤い実をつける、ガーデンで育つ果樹3種

ガーデニングは健康によい

ガーデニングをしていると、花を育てるために体を動かす機会が自然と増えていきます。例えば、日当たりのいい場所へ植木鉢を移動したり、花がらを摘むためにかがんだり、水やりをするために庭の端から端を歩いたりするなど、植物の手入れを行なうための仕事はたくさんあります。でも、やることが増えるなんて大変! とは思わないでください。植物を育て始めたら、きっと「きれいに咲かせたいな」、とか「大きく育てたいな」という思いが自然に芽生えて、気が付けば動いている機会が増えたなと実感することでしょう。

そうやって屋外で草花を植えたり、水やりをしたりすると、体いっぱいに日光を浴びる時間が増えるため、体が自然と強くなり体内時計も整うという嬉しい効果もあります。また、植物に触れたり、作業に没頭する時間は、日頃のさまざまな雑事から解放されてストレスを和らげてくれることでしょう。土や植物への水やりは、マイナスイオンの吸収の機会にもなって心身がリフレッシュするのも嬉しいですね。

●『サヘル・ローズさんが語るガーデニングの原点、土の癒しパワー

ガーデニング本

例えば、植物がうまく育たなかった失敗を克服するために、植物や自然環境に興味が深まったり、庭をよりよくしようと情報を集めたり、DIYで構造物の制作や季節ごとに花を咲かせるための植物のローテーションを考えるなどの計画を立てることは、脳の活性化や認知症予防にもつながります。ガーデニングは、年齢を問わずに、いつでも始めることができて奥が深い趣味。ガーデニングをしているからこそ感動したり共感する名著もたくさんあるので、以下を参考に書籍からガーデニングの楽しみを探るのもおすすめです。

●ガーデニングライフが楽しくなるおすすめの本はこちら

また、植物を育てることは空気清浄の効果や温度調整の効果が得られるのをご存知でしょうか? リビングや窓辺などの室内で観葉植物を育てるのもガーデニングの一つ。植物が光を浴びて光合成を行い、二酸化炭素を吸って酸素を作り出す作用から、室内の空気が清浄されたり、近年、夏の恒例行事として浸透しているグリーンカーテンも室内温度を下げる効果があり、ガーデニングをすることは健康維持にも役立ちます。

●『夏に緑の涼を演出しよう!「グリーンカーテン」を美しく仕立てるトレリス

ガーデニングで住みやすさを向上

ガーデニング

ガーデニングをスタートするタイミングは、家を新築するときや住み替えるときというケースも多くあります。理由は、家の周りに樹木を植えて家の佇まいを素敵にしたいという思いや、防犯やプライバシーを確保するために樹木を植えるという例です。例えば、玄関を開けてすぐ公道があると、外出するたびに家の中が丸見えになるという悩みを解消するために樹木は役立ち、住みやすさが向上します。また、リビングなどの部屋から見える隣家との視線を遮るために樹木を植えるのも、防犯やプライバシーの確保として役立ちます。

●『おしゃれで機能的な目隠しで玄関前の視線をカット! 目隠しの方法と実例

最初は目隠しの目的で植えていた樹木に花が咲いたり、野鳥がやってきたという思いがけない出来事が家族の会話の糸口となって、コミュニケーションが増えるのも嬉しい変化です。公道から見える場所に花や緑を育てることは、自分の家を美しく見せるばかりでなく、隣近所の街の景観を向上させる効果もあります。最初は、花がよく咲いている家は一軒だけだったという地域でも、次第と花や緑が育つ美しさの効果を真似してみようとガーデニングが飛び火して、街に緑と花が増えたという例もあります。

そうしているうちに、それぞれの家で育てている植物に興味を持ち、自然と植物が話題となって近隣とのコミュニケーションの輪が広がることもあります。「いつも花が咲いているから、ここを散歩コースにしています。いつもきれいな花を見せてくださり、ありがとうございます」なんて、知らない方に声をかけられる、地域で評判の家になるというエピソードも多くあります。

家族が住む家で身近に植物が育ったり、花が咲く季節の変化や手入れをする家族の姿を見て、子どもが植物に関心を持ったり、植物との関わり方を学ぶ体験へとつながって、子育てにもガーデニングは役立ちます。

ガーデニングのタイプ

ガーデニングを始めるなら、まず何から考えるといいでしょうか? 最初は1種類だけだった花も興味が深まっていくと、あの花も育ててみようと鉢ばかりが増えて、イメージしていたガーデニングと違うかも?ということも。そうなる前に、どんな庭にしたいかを考える必要があります。ここからは、主なガーデンのデザインをタイプ別に6つご紹介。庭づくりのアイデアの参考にしてください。

タイプ① 和風庭園

龍安寺の石庭
枯山水の石庭で有名な京都の龍安寺。

日本庭園には、時代の変化とともに「寝殿造り庭園」や「浄土式庭園」、「禅の庭」、「枯山水(かれさんすい)」、「城郭庭園」、「茶庭(ちゃてい)」、「回遊式庭園(かいゆうしきていえん)」などの様式があり、今、海外から訪れる観光客にも人気の訪問先です。また、海外の公共ガーデンでも日本庭園を再現したエリアがあるほど海外で注目されている庭の様式です。

日本庭園

現代では、本格的な日本庭園を自宅に再現するというよりも、和を感じさせる植物や置物などを取り入れた「和モダン」が主流で、住宅と庭が統一したデザインであることが大切です。要素をあれこれ取り入れずに、点数を絞ってシンプルに仕上げると、落ち着いた雰囲気の和風庭園が実現します。また、花がいっぱい咲くというよりは、緑を中心として、花は季節が変わるごとに少しずつ咲くように開花期が違う植物を植えるとよいでしょう。

モミジ

和を演出する樹木(庭木)には、常緑のマツやソヨゴ、紅葉が美しいモミジやヒメシャラ、季節に花が咲くシャクナゲやアジサイなどがあります。その他のおすすめは、アオキ、アオダモ、エゴノキ、シモツケ、ツツジ、ナナカマド、ハギ、ムラサキシキブ、ヤマブキ、ヤマボウシ、ユキヤナギなど。庭の敷地の大きさに合わせて、高木、中木、低木と大きさにも配慮して選ぶとよいでしょう。

クリスマスローズ
茶花としても古くから親しまれているヘレボルス(クリスマスローズ)。

また、季節ごとに素朴な花が咲くように下草には、季節ごとの植え替えを必要としない宿根草(多年草)を選ぶのがおすすめです。早春から冬まで咲き継ぐように、アジュガ、クリスマスローズ(ヘレボルス)、シラン、シャガ、ナルコユリ、ヤブラン、ギボウシ(ホスタ)、ホタルブクロ、ナデシコ、シュウメイギク、フウチソウ、ツワブキ、ミヤコワスレ、ススキなど。花が咲かない時期も葉が緑の彩りになって、しっとり落ち着いた雰囲気になります。

日本庭園

樹木や草花の間に取り入れると、より和の雰囲気が出て、家庭の庭で取り入れやすいアイテムには、竹垣や石灯籠(いしどうろう)、手水鉢(ちょうずばち)、鹿威し(ししおどし)など。地面には敷石や砂利など敷くと、周囲の緑が引き立ち、より和の空間になります。

●より詳しい日本庭園の解説は『和風の庭をご自宅に! 日本庭園の様式や特徴と事例をご紹介』を参考に。

タイプ② イングリッシュガーデン

イングリッシュガーデン

イングリッシュガーデンが生まれたガーデニングの本場、イギリスでも庭の様式は時代によって「風景式庭園」から「花咲くコテージガーデン」へと変化していきました。現代の私たちがイメージするイングリッシュガーデンのスタイルは、イギリスの田舎風の庭で自然風景を大切にした「花咲くコテージガーデン」で、19世紀から20世紀にかけて活躍した女性造園家、ガートルード・ジーキルによってデザインの基礎が作られています。

ヘスタークーム
ガードルード・ジーキルが手がけた当時の庭を再現したイギリス「ヘスタークーム」。

ジーキルがつくり上げた花咲くコテージガーデンは、素朴なコテージ(田舎家)や野の草花が咲く古き良き時代の郷愁をエッセンスに、花を絶やさないボーダー(帯状)花壇を小径や塀に沿わせ、さらに石垣や壁、パーゴラなどの構造物に立体的かつ華やかにつるバラやクレマチスを絡ませるという、ナチュラルな雰囲気が魅力です。

ピオニー
イングリッシュガーデンに咲くピオニー。

イングリッシュガーデンを彩る植物は和風庭園とは相反し、一株に花をいっぱい咲かせる宿根草をふんだんに使って豪華な雰囲気にするのが特徴です。定番の植物は、バラやクレマチスを始め、ジギタリスやデルフィニウム、アルケミラモリス、カンパニュラ、ギボウシ(ホスタ)、ラムズイヤー、ゲラニウム、ラベンダー、ピオニー(シャクヤク)、ユリなど。バラに寄り添うようにジギタリスが咲き、足元には小道と花壇の境目が隠れるようにゲラニウムが咲いていたりと、作った感が出ないように、植物が自然にふえたり生えているようにするのがポイント。

イングリッシュガーデン

石材やレンガは、経年変化を感じるものやアンティーク風のものを使い、使い込んだ味のあるジョウロやシャベル、ベンチなどを庭のアクセントに置くと、よりイングリッシュガーデンの雰囲気がアップします。

●『現在のイングリッシュガーデンのイメージを作った庭「ヘスタークーム」【世界のガーデンを探る19】

タイプ③ 北欧風ガーデン

北欧風ガーデン

インテリアとしても人気のテイストでもある北欧風は、シンプルでナチュラルがキーワード。そのイメージの素は、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどの北欧の住宅や家具に感じるぬくもりと自然素材です。また、北欧に自生しているような植物をお手本にしながら、住んでいる地域の気候に合った植物を選ぶのがポイント。日本人にもしっくり落ち着く雰囲気で、肩の力が抜けたリラックスできる居心地のよさを庭に再現することで北欧風ガーデンになります。

北欧風ガーデン

例えば、ジョウロや植木鉢などのガーデングッズやフェンスなどのエクステリア製品、そしてベンチやテーブル、椅子などは天然木でつくられた自然素材のものを選びましょう。もし、ピカピカの新製品ならば、敢えてアティーク風のペイントを施すことで植物にも馴染みやすく、落ち着いた雰囲気になります。色合いは木製や鉄の素材そのままの色よりも、白をアクセントにして、北欧の住宅の外壁に使われているようなエンジ色をフェンスやベンチなどに用いると北欧らしさが出ます。

北欧風ガーデン

庭に植える植物は、フェインランドの森で美しいネイティブの樹木であるシラカバやモミ、トウヒなどが森の雰囲気をつくります。しかし、それらの樹木は、日本の暖地では育ちにくいので、日本に自生しているヤマボウシ、アオダモ、アズキナシなどを植えて、軽やかな木陰をつくるとイメージに合います。また、草花は軽やかに花が混ざり咲くメドウ(野原)がリラックス感のあるガーデンに。エリゲロン・カルビンスキアヌスやプラティアなど這って広がるようなグラウンドカバーに向く植物にグラス類をプラスするのも方法です。

●『足元のカバーや雑草対策に欠かせない グラウンドカバーに最適な植物7選

エルダーフラワー
エルダーフラワー。

北欧では、ベリー類などの果樹が自然の中でも育ち、収穫した果実をジャムなどにして冬の保存食にする習慣があることから、リンゴンベリー(コケモモ)やラズベリー、ビルベリーなどの果樹を庭木にプラスするのもおすすめです。また、ローズヒップが実る寒さに強い野ばらや、春に白く愛らしい花を咲かせるエルダーフラワー(西洋ニワトコ)も、北欧で愛されている樹木。エルダーフラワーの花を摘んでコーディアルシロップを作ったり、ローズヒップ(ドックローズ)のジャムを作ったりと、自然を大切にしながらシンプルに暮らす北欧スタイルをお手本にして、ガーデニングも楽しみたいですね。

エルダーフラワー

タイプ④ ロックガーデン

ロックガーデン

大小の岩石を無造作に配置して、その隙間に植物を植えるロックガーデンは、高山などの自然の風景を模したデザインで、花よりも緑と岩を主役にして、さっぱりとした印象にまとめます。岩肌に植物が引き立ち、ワイルドな雰囲気です。

ロックガーデン

つくり方は、砂利を敷き詰めた間に少し大きめの石を配置して、その近くに寄り添うように植物を植えたり、斜面を利用して、階段状の石垣をつくってから、隙間に少しの土を入れて植物を植え込むなどの方法があります。植え付けた植物が成長とともに自然と広がって、岩から流れ落ちるように葉が茂ったり、花が咲く様子は絵になります。

ロックガーデン

岩の隙間に植えるとよい植物は、水はけがよい乾燥気味の場所が適地の種類を選びましょう。ロックガーデンに相性がよいのは、セダムやアガべなどの多肉植物やカーペット状に広がり、小さな花が咲くスイートアリッサム、芝桜、セラスチウム、ユーフォルビア、マツバボタンなど。夏の高温多湿に弱い植物はロックガーデンでの栽培には向きません。

タイプ⑤ ドライガーデン

ドライガーデン

四季を通じて、雨だけで育つ植物を集めた花壇づくりの手法の一つ、ドライガーデンは、ローメンテナンスで維持できる花壇です。水やりがほとんど必要ないため、忙しくてガーデニングを諦めていた人にもおすすめ。また、降雨量が少ない地域などでも、植物のための水の確保の心配が少なく、近年注目されています。

ドライガーデン

ドライガーデンに植える植物は、乾燥に強く、屋外に植えっぱなしで冬越しできる耐寒性がある種類を選びます。よく使われているのは、ユッカやアガベ、サボテン、アロエ、ソテツなど乾燥地帯でゆっくり育つ多肉植物や、ニューサイランやコルディリネ・オーストラリス、ユーカリ、ブラシノキなどオーストラリア原産の植物、また、日本で昔から育てられているヤブラン、ヒマラヤユキノシタ(ベルゲニア)、ヤツデ、ツワブキも向いています。それらの植物をランダムに配置して、株のフォルムの面白さの違いや緑の色味の幅を増やせば、シンプルなのに飽きのこないドライガーデンになります。

ドライガーデン

また、ドライガーデンを成功させる秘訣は、水はけのよい用土に植えつけること。土の配合の目安は、鹿沼土や赤玉土60〜70%、腐葉土20%、軽石やパーライト、籾殻くん炭(もみがらくんたん)10〜20%ですが、草花用の培養土でも水はけがよいので栽培は可能です。多肉植物の専用土の場合、水はけがよすぎて水切れをする場合があるので注意しましょう。ドライガーデンの地面は、砂利や化粧砂で覆って乾燥を防ぎながら植物を引き立てたり、アクセントに流木や自然石を配置するのも人気です。

●『ドライガーデンで目を引く珍素材! マンフレダ・マンガべをご存知ですか? 概要編【乙庭Styleの植物18】

タイプ⑥ コンテナガーデン

コンテナガーデン

地植えができるスペースがなくても、鉢などの容器(プランター)に植物を植えて育てるのがコンテナガーデンです。玄関先やベランダ、テラス、屋上、または室内で観葉植物を育てるのもコンテナガーデンで、ガーデニングの中でももっとも気軽に楽しめる方法。容器に株が収まれば、どんな種類の植物も鉢植えで育てることができます。一つの鉢に一種類を植えていくつかの鉢を寄せ集めたコーナーをつくったり、一つの鉢に数種組み合わせて寄せ植えをすることもできます。もし、鉢に数種一緒に植える場合は、日当たりや必要な水の量などの生育環境が似ている植物を選ぶとよいでしょう。

●『一鉢の鉢植えから始める「寄せ鉢」ガーデニング

鉢植え

鉢植えは、簡単に移動できるのでレイアウトを変えたり、季節に合わせて植え替えも手軽にできるというメリットがあります。将来地面に植えてみたいけれど、どこに植えるか決めかねている場合なども、鉢植えにして仮りに置いてみて、その場所で植物がうまく育つか様子をみるなどの活用方法もあります。

容器は、小さいものから一人で動かせないほど大容量のものがあるので、育てたい植物の根の大きさや鉢と植物の高さのバランスがよく、転倒しないようなサイズを選びます。鉢と植物のちょうどよいバランスの目安は、植物の高さが鉢の高さの1.5倍ほどに収まるもので、全体が不等辺三角形になるイメージです。植物が大きくなってくると鉢の中の根も伸びて窮屈になり生育が衰えるので、数年に一度は植え替える必要があることも覚えておきましょう。

コンテナガーデン

初心者でも育てやすい鉢植え向きの植物は、秋から春に開花する一年草のパンジーやビオラ、春から晩秋まで開花する一年草のペチュニアやインパチェンス、スイセンやチューリップなどの秋植え球根もコンテナガーデンで失敗が少ない植物です。

ガーデニングに必要な道具

ガーデニングツール

ガーデニングに必要な道具は、育てる植物や育てる場所によって変わります。まず、基本の道具には、4つあります。1)植え穴を掘るためのシャベルやスコップ、2)水やりに必要なジョウロ、3)花がらや不要な葉を切り取るための花切りばさみや剪定ばさみ、4)用土を鉢に入れるための土入れです。もし、気に入ったものがすぐに見つからなければ、ジョウロは、ティーポットややかん、土入れは紙コップやペットボトルでも代用ができますが、花切りばさみや剪定ばさみの変わりに文房具のハサミを使うのは怪我をする恐れがあるので、使わないようにしましょう。道具類は、使い終わったら土汚れを落とすなど、使う度にメンテナンスをすると長持ちします。

●『美しい庭をつくる人が愛用する便利な庭道具

ホース

植物が増えて、水やりする数や面積が増えたら、ホースの先にシャワーノズルがついたホースリールや広い芝生をきれいに刈り込む芝刈り機など、効率よく作業を進められる専用の道具が各種あります。ガーデニングの興味が深まったら、植物選びと同時に、園芸店やガーデンショップ、ネット通販などで道具を選ぶのも楽しいものです。次第に道具が増えていったら、置き場所や収納方法なども考えましょう。

●『おしゃれ収納庫を簡単設置! 庭やベランダを快適空間に変えよう

ガーデニングツール

庭作業を屋外でする場合には、泥で汚れても気にならない服装や日焼け対策も必須です。ガーデンエプロンやガーデニングシューズ、帽子や手袋などのウェア類もガーデニングに向いたアイテムを用意するとよいでしょう。近年の猛暑によって庭で熱中症になる例もあります。気温が高い日は、むりせず早朝や夕方に作業をしたり、水分補給も忘れずに。最近街で若い人が使っている小型のハンディー扇風機は夏場のガーデニング作業にも便利なアイテムです。

ガーデニングを楽しむための基本情報

ガーデニングを楽しむためには、植物の選び方や苗の植えつけ方、日々の手入れなどの育て方を知っておく必要があります。ここからは、実際のガーデニングをする時に役立つ基本をご紹介します。

植物の選び方

植物の選び方

植物がすくすく成長するためには、種類ごとに異なる栽培条件があります。ですので、店頭やネット通販で花の可愛さなどの見た目で苗を選んでしまうと思いがけないほど大きくなったり、環境に合わなくて枯れてしまう場合があります。そこで知っておきたいのが、植物ごとに異なる育て方のコツです。その手がかりになる方法の一つが、購入時に苗に添えられているラベルに記載された項目です。

苗のラベル
ラベルの表側は、その植物の花の様子や名前、魅力が紹介されています。
苗のラベル
ラベルの裏側には、栽培に必要な情報が書かれています。

植物を育てるためにまず覚えておきたいのは、日光、水、土の3要素が基本的に必要ということです。例えば、植物に必要な日光については、「日当たりが好きな植物」か「日陰が好きな植物」かのどちらかに分けられます。日当たりが好きな植物は日中、日が当たる場所に植えます。また、日陰が好きな植物なら、日中、樹木や建物の陰になるような場所に植えます。

水は、水やりの頻度や量の違いがあり、土に関しては、水はけがよく肥料分が入っているなど、その植物に適した性質の土を用意するのがガーデニングの基本です。中には、水が少なくてよい植物や土を必要としない植物もありますが、育てながら少しずつ覚えていくとよいでしょう。

桜

そして、ご存知のように日本は、北から南まで縦長な国土で、毎年発表される桜前線でも分かるように、地域によって花が咲く時期が異なることも覚えておきましょう。また、寒い地域と温かい地域では気候が異なるため、育てる地域によって、育ちやすい植物と育ちにくい植物もあります。

ジギタリス
たくさんの花が穂状に咲くジギタリス。

植物の中には、桜やバラなど日本全国の屋外のどの地域でも育つ種類もありますが、寒冷地に向くものや、温暖な地域に向くものなどがあり、育てる地域に合わせて植物を選ぶと失敗が減ります。例えば、イングリッシュガーデンでよく栽培されている上写真のジギタリスは、5月ごろに花が咲く高温多湿が苦手な植物です。関東以北の地域ならば、暑い夏も枯れることがなく翌年まで株が残りますが、関東以西の地域では、暑い夏に耐えることができず枯れてしまう場合が多いです。このように、自分の庭で育つ植物かどうかは、先に説明したラベルの裏や植物図鑑などで調べるのも方法ですが、お住まいの地域にある公園や植物園などで育っている植物にはどんなものがあるのか、この季節には何が咲くのかなどを観察するのもガーデニングに役立ちます。

●『初心者さん必見♪ ガーデニングを楽しむ2つのポイント

ビオラとペチュニア
左は晩秋から春によく咲くビオラ、右は春〜晩秋によく咲くペチュニア。

ガーデニングの初心者にとって、「植物を選ぶのって、なかなか難しそう」と最初は思うかもしれません。でも、現代ではどの地域でもその時期よく咲くように改良された、育てやすい草花もたくさん園芸店には並んでいます。まずは、晩秋〜春ならばパンジーやビオラ、春〜晩秋ならば、ペチュニアやなどの草花から育て始めて、少しずつ種類を増やしていくとよいでしょう。

●ビオラの育て方はこちら

●ペチュニアの育て方はこちら

植物の植え方

ビオラ
鉢植えにしたビオラ。

手軽にガーデニングを始めるならば、まずはプランターや植木鉢などの容器に植えるプランター栽培がおすすめです。育てようと思った植物が、日当たりを好むならば、日中に日が当たる場所に置きましょう。

【鉢植えに用意するもの】

鉢植えの材料

① 苗(写真は9cmポットに植わっているビオラの苗)

② 鉢底に穴が空いている鉢やプランター(一般的な苗は、直径9cmのポットに植えられているので、2回りほど大きい直径12cm程度の大きさ(4号鉢)が目安)

③ 植物の種類にあった市販の培養土(「ばいようど」とは、鹿沼土や赤玉土、腐葉土など用土がブレンドされている商品)

④ 鉢底石(軽石など)

⑤ 土入れ(紙コップでも代用可)

⑥ 鉢底網(鉢底の穴から鉢底石がこぼれないならば不要)

鉢植え方法
鉢底の穴が広めの場合、鉢底に網を敷く。

【鉢植えの手順】

鉢植えのやり方

手順1)鉢の底に鉢底網を入れる。写真のプラスチック鉢の場合、網は敷かなくてもOK。

手順2)鉢底の穴が見えなㄑなる程度まで鉢底石を入れる(2〜3cm厚程度)。

手順3)鉢底石が隠れる程度用土を少し入れる。

鉢植えのやり方

手順4)苗をポットから取り出す。

手順5)根の周囲を手で優しく崩す(根が張って固い場合のみ)。

手順6)苗を鉢の中心に据え、苗の周囲の隙間に用土を入れる。

鉢植えのやり方

手順7)鉢の縁よりも土の表面が1〜2cm低くなるようにする。

手順8)植え終わったら、鉢を回しながら苗の下側へ全体的に水やりする。

手順9)鉢底から水が流れ出るまで水やりをして終了(鉢皿に水が溜まったら都度捨てること)!

植物の育て方

植え付けが終わったら、日当たりを好む植物ならば、日向に置いて毎日観察をしましょう。植え付け後の最初の水やりのタイミングは、土の表面を見て乾いていたら、再び鉢底から水が流れ出るまでやります。水やりは、水を欲しがる植物か乾燥気味を好む植物かにもよりますが、土が乾きやすい夏場ならば、1日に1〜2回、土が乾きにくい冬なら3〜4日に1回など水やりの頻度が変わります。

●『水やりで適切な水の量とは?【後編】超初心者向け講座5

肥料
肥料の一例。左から、混合有機質肥料、油かす、化成肥料。

植物の成長には、種類によって肥料が必要です。苗についていたラベルに記載されている情報の通りに、緩効性肥料(かんこうせいひりょう/ゆっくり効果が持続する)や即効性肥料(液肥など与えると効果がすぐに現れる)などを施します。初回の肥料は、植え付けてから2〜3週間後からで大丈夫です。肥料も適した使用量があるので、肥料のパッケージに記載してある規定量を守りましょう。

●『花数アップや果実を甘くする効果あり!「肥料」の種類と使い方

花がら摘み

また、水やりをしながら、草花に病気が出ていないか、虫が葉を食べたりしていないかを観察するのもガーデニング上達の鍵です。早期発見早期対処が植物の健康を守ります。咲き終わった花がらをずっと残しておくのも、病気につながるので、1輪1輪花がらを切り取ったり摘み取ったりしましょう。花がら摘みは、次の新しい花を咲きやすくする大事なお手入れです。

●『花を長く咲かせるテクニック「花がら摘み」とは

まずは1鉢から気軽にガーデニングを楽しもう

ガーデニング

季節の花など、植物の選び方や植え付け、水やりなど日頃の育て方の基本がわかれば、誰でも簡単にガーデニングは始められます。あなたは、どんな雰囲気の庭が好みか、雑誌やインターネット、Instagramなどで見つけたおしゃれな庭を参考に、イメージを決めるのもよいでしょう。まずは気に入った1鉢から、新しい趣味の一つとしてガーデニングを楽しみましょう!

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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