スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】21世紀を代表するガーデンデザイン「ブロートン・グランジ」
広大な敷地にある広大な庭 ブロートン・グランジは、1992年に現在のオーナーが購入するまで、200年間にわたってモレル家が所有していました。庭は、ヴィクトリア朝時代のものもありましたが、現在の庭園の姿は、今のオーナーの手によって生み出されたものです。ブロートン・グランジの敷地の総面積は350エーカー、なんと東京ドーム約30個分という広さ。広大な草地や農地に囲まれて、25エーカー(同約2個分)の庭園と、80エーカー(同約7個分)の樹木園があります。 訪れたのは6月上旬。「21世紀を代表するモダンな庭」があると聞いて、期待が膨らみます。車を降りると、辺りには草原が広がっていました。サワサワと軽やかな草の間に、真っ赤なポピーが咲いて、穏やかな雰囲気です。 木々の枝が頭上を覆って日差しを遮る、心地よい森の小道を進んでいくと、開けた場所に到着しました。 案内板に導かれて入ると、ヘッドガーデナーのアンドリュー・ウッドオールさんが、明るく出迎えてくれました。 ウッドオールさんの話によれば、起伏のある広大な敷地を、どのように変化のあるガーデンにしていくか、今も試行錯誤が続いているとのこと。遠くに望む景色を生かし、周辺の景色と調和するガーデンづくりに力を注いでいるそうです。 「珍しい木々も多数入れて、それぞれ樹木や植物には品種名を表示しているので、よく見ながら散策をしてみてください」という案内を聞き終え、どんな庭が待っているのか楽しみに歩き出しました。 水彩画で描かれたガーデンの全体図を見ていると、庭園が広大であること、そして、エリアごとの見所もたくさんあることが伝わってきます。庭園の中心には、トム・スチュワート=スミスの手による正方形のウォールドガーデンも描かれています。さあ、地図を手に進みましょう。 キングサリの葉が茂る長いトンネルを通り抜けて、さらに進んでいくと…… 直線的な石で縁取られた小川が、エリアを仕切るように流れている場所に出ました。「あ! あの場所だ」。以前、ガーデニングの雑誌に「イギリスで最新の庭」として紹介されていた、そのページを思い出しました。写真で見ていた庭に自分が立っていることを実感するのも、海外のガーデニング巡りの嬉しい瞬間です。さあ、その奥の景色はどうなっているのでしょうか、さらに小道を進みます。 現代の名作 ウォールドガーデン ここが、トム・スチュワート=スミスのデザインした、ウォールドガーデンです。かつてパドック(馬の小放牧地)として使われていた、南に向かって開けたゆるい斜面に作られています。60×60mの正方形の庭は、それぞれに異なるデザインテーマを持つ3つのテラス(20×60m)から成り、それらが階段状に配置されています。 ウォールドガーデン(塀に囲まれた庭)といっても、塀があるのは北と西の2辺だけで、南側と東側は開けています。スチュワート=スミスは、庭の外側にある草地や野山、遠くの建物といった周囲の風景を生かし、それらと結びつくようデザインすることが大切だと考え、このようなスタイルを選びました。 大草原の雰囲気を持つアッパーテラス まず、最初に出合うのは、アッパーテラス(上段のテラス)です。低く茂る植物の中で、背の高いトピアリーがリズムよく並ぶ、北米の大草原地帯、プレーリーの雰囲気を持つ植栽デザインです。 小川の水は、北から南、斜面の高いほうから低いほうへと流れています(写真では手前から奥へ)。 低く茂るグラス類に交じって、明るい黄色のフロミス・ラッセリアナ、紫のサルビア・ネモローサ、紫のタンチョウ・アリウム(アリウム・スファエロセファロン)が花を咲かせます。直立するトピアリーは、「ペンシル・ユー」と呼ばれるヨーロッパイチイ‘フェスティジャータ’。 秋、そして冬になると、立ち枯れたグラス類や宿根草のシードヘッド(種子が残った花の部分)がモノトーンの造形の美という、また違った面白さを見せます。 四角い池のあるミドルテラス 次に現れるのが、中央に四角い池を配したミドルテラス(中段のテラス)です。池はウォールドガーデン全体の中心にあって、周りを豊かな植栽に囲まれています。 四角い池には、視線を対角線に導いて、遠くの景色につなげる役割があります。 池には真四角の飛び石が浮かんで、印象的なシーンを作ります。一段高いところを流れるアッパーテラスの小川から、水が滝となって注がれる様子も、このエリアのアクセントとなって目を引きます。そして、池に映り込む周囲の木々のシルエットも、風景の一部となっています。 池から横に伸びる道を行くと、背丈を越すほどの草花が隙間なく茂り、辺りを覆い尽くしていました。左右の花壇からはみ出すほど勢いよく成長する植物の迫力に、圧倒されます。ミドルテラスの植栽テーマは、湿り気のあるメドウ。池のほとりに生えているような植物が選ばれています。 白いアスチルベのような花を咲かせる、タデ科のジャイアント・フリース・フラワーに、レティクラータ・アイリス、それから、ヤグルマソウに似たロジャーシア・ピンナタといった植物が生い茂り、そこに、カラマグロスティス、ヌマガヤ、ミスカンサスといったグラス類が交じっています。ポコポコと飛び出ているのは、ヨーロッパブナのトピアリーで、16本あります。 目の前は植物の海。他のガーデンにはない植物がつくる新鮮な景色に、ガーデンデザインの進化を感じました。 ミドルテラスの東側は塀がなく、広々とした緑の景色が広がっています。手前の草地は、夏が近づくにつれて、ワイルドフラワーの咲き広がるメドウへと変化します。その景色も、ぜひ見てみたいもの。その向こうには、森林植物園の針葉樹が見えます。 新感覚のパーテア 次に眼下に現れたのは、不思議な形に仕立てられたツゲのエリアです。ローアーパーテア(下段のパーテア)と呼ばれる庭です。 生け垣は、モコモコと、なにやら有機的な形をしています。抽象的なデザインに見えますが、じつは、これは自然界にあるものの形。周辺に自生するヨーロッパブナ、セイヨウトネリコ、オークの葉の細胞構造を、そのまま拡大したものなのです。ツゲの低い生け垣の合間に草花を植える、パーテアという造園技法では、伝統的には幾何学模様を描きます。しかし、トム・スチュワート=スミスは新しいアプローチによって、新感覚のパーテアを生み出しました。 ツゲの間には、若い苗が植えられていました。黒葉の植物や白花のマリーゴールド。これらが成長したら、また面白い景色になるだろうなぁと、想像が膨らみます。ここにもガーデンデザインの新しい試みを感じます。 夏の花壇のカラースキームは年ごとに変わるそうですが、パープル・ケールやニコチアナ、ヘリオトロープ、コスモス、ルドベキアなど、中心となる植物は毎年植えられます。 毎年10月になると、夏の草花が取り除かれて、5,000球のチューリップの球根が植えられるといいます。そして、春になると、赤や紫、ピンク、黄色といった、色とりどりのチューリップの咲く圧巻の景色に。12種ほどの品種は、4月末~5月初めに行われる、ナショナル・ガーデンズ・スキームのチャリティ・オープン・デーにタイミングを合わせて咲くよう、吟味されるそうです。 花後の球根は掘り上げられて、保管され、その後、ワイルドメドウのエリアに植えられて、野生化するようそのまま放っておかれます。 ローアーパーテアを西側から見たところ。等間隔に並ぶシナノキがフレームの役割を果たして、風景を切り取ります。 奥に見える緑の塀のようなものは、ブナの木を刈り込んで作られたトンネルです。夏の間は、このようなみずみずしい緑の塀となりますが、秋から冬にかけてブナが紅葉すると、豊かな赤茶色の塀へと変わります。そして、その色は、草花がなくなって生け垣の間にむき出しになった、赤味がかった土と呼応します。ウォールドガーデンの植栽は、そこまで計算されているのです。 同じ場所に立って、小道を来た方向に振り返ると、3つのテラスに段差があるのが分かります。 植物のパワーにすっかり驚かされながら、今度は、反対側にある、ヨーロッパブナを刈り込んだトンネルを抜けてみます。すると、シチュエーションがガラリと変わって、開けた場所に出ました。 ベンチに腰掛けて、遠くに広がる大地を眺めて、ちょっと休憩。 小道を進むたびに景色がどんどん変わっていく、場面転換のスピード感も、このガーデンの面白さだなぁと感心しながら、次のエリアに向かいます。 もう随分と驚かされる庭デザインの数々でしたが、道はさらに先があり、再び下りながら先へ進みます。 セイヨウイチイのトピアリーが並ぶテラスが見えてきました。写真の右側のほうはトピアリーが整列していますが、左のほうは、酔っぱらっているかのようにトピアリーがランダムに並んでいて、視線が丘の連なる開けた風景へと導かれます。 ぽこぽこと並ぶトピアリーの間を通っていくと、足元はふかふかな芝生。先ほどまでの石敷きの小道から一転して、柔らかな芝の上を歩くことになります。その感触の違いも、新たなエリアに踏み入れたことを教えてくれました。 さて、庭園の東側にある、石造りのお屋敷のエリアに到着しました。こんな絶景の中に住まうとは、なんて羨ましい! テーブルや椅子の配置から、庭を日頃から愛でていらっしゃるのだろうなぁと想像しつつ、お屋敷の周囲に取り入れている植物を見せていただきました。 お屋敷の入り口付近には、フォーマルな雰囲気のノットガーデンが。アリウム・ギガンチウムの紫の花玉が、緑のツゲと美しいコントラストを見せています。 お屋敷前に広がる芝生のエリアの先には、両脇を野の花に可愛く縁取られた道が続いています。森林植物園とポニー用のパドックの間を抜ける、スプリング・ウォークと呼ばれるこの小道には、たくさんの球根花や宿根草が植わっていて、早春のクリスマスローズから、春のスノーフレーク(オオマツユキソウ)やブルーベルなど、四季折々の景色を見せてくれます。 緩やかな斜面はまだまだ下へと続いていきます。 ヘッドガーデナーのウッドオールさんが「今も作り続けているエリアがある」と話していたのはここでしょうか。枯れ木が植物の間に配された、不思議な雰囲気のエリアです。 切り株を使った庭「スタンプリー」 ここはスタンプリーと呼ばれる庭で、2007年に作られました。スタンプとは切り株のことなので、「切り株園」といったところでしょうか。古い切り株の周りに、ホスタやシダ、ヘレボレスやユキノシタ、アルケミラ・モリスなどが植えられています。 スタンプリーという庭園スタイルはヴィクトリア朝時代に生まれたもので、19世紀のガーデンシーンではよく見られました。プラントハンターによって世界中から新しい植物が次々に英国へと持ち込まれていた当時、シダもさまざまな種類のものが導入されました。スタンプリーは、これらのシダを栽培するのにちょうどよい形態だったのです。 大きく葉を茂らせるシダに、赤葉のモミジ。背景には、大株のユーフォルビアがあります。個性的なフォルムの切り株がアクセントになった、美しい取り合わせです。切り株を使った植栽は、ウサギやミツバチなど、野生生物のすみかにもなっています。 スタンプリーの近くには、ピート・ウォール・テラスや、ヴィクトリア朝時代のサンクンガーデン(沈床庭園)、竹の生えるバンブーゾーン、ボグガーデン(湿地の庭)といったエリアがあって、現在も作り続けられています。 ピート・ウォールを利用した花壇を見つけました。ピートとは、野草や水生植物が炭化した泥炭のことで、ウイスキーの香りづけに使われることで知られています。そのピートのブロックを石垣のように積んだのが、ピート・ウォールです。ここはどんな場所へと変わっていくのでしょう。 お屋敷周りはクラシカルな雰囲気 新しいデザインが印象的なブロートン・グランジの庭ですが、お屋敷の正面にあたる南側には、クラシカルなパーテアや、イギリスらしいナチュラルな雰囲気のボーダーガーデンがありました。2階の居室から望む眺望は、きっと素晴らしいものでしょう。 さて、残りの見学時間が少ないことに気がつき、足早に、感動したポイントをおさらいしながら戻りつつ、ヘッドガーデナーさんがいた元の場所へと向かいます。 最初の場所へ到着すると、コーヒーと手作りマフィンがテーブルに用意されていて、短いカフェタイム。一緒に巡っていた仲間たちと、「素敵な庭だったねー」などと話しながら、ガーデンシェッドに伝うバラの素朴な風景にホッと和みました。 新しい庭デザインが次々と出現する庭でしたが、お屋敷の周辺ではイギリスらしい庭デザインも見られました。植物の使い方で、ここまで幅広く風景の変化を作り出せることに感動を覚えた、とても印象に残る庭でした。 併せて読みたい ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸 ・個人のお庭が見られるオープンガーデン・イギリスの賢い仕組み
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樹木

バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの花びらの枚数・花の形・花のつき方の違いを詳しく解説
バラの花びらの枚数による分類 バラの花びらは最少5枚から、多いものでは100枚以上もつけるものもあります。あの小さなつぼみのどこにこんなに花びらを隠していたのかと思うほど、咲き進むごとにとめどなく花びらを展開する花もあります。バラの咲き方には、この花びらの枚数の違いで、大きく分けて次の3つの呼び方があります。 一重咲き(ひとえざき) ■一重咲き/バラの一番少ない花弁数は5枚。5〜9枚のものを一重咲きと呼んでいます。つまり、一見して花びらの枚数が分かるような咲き方です。花心が見える咲き方をするので、花びらと花心のコントラストが美しいのも魅力。素朴で可憐な印象です。 ‘安曇野’(あずみの)/一季咲き、小輪、微香、樹高約2m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。鮮やかなピンク色の5枚弁で、花心の中心が白く抜ける。トゲが少なく細くしなやかなつるを伸ばし、たくさんの花を咲かせる。 ‘デンティ・ベス’/四季咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。つる性もあり。ピンク色の花弁にピンク色の花心で、ひらひらと大きな花弁が優雅な雰囲気。 ‘バレリーナ’/四季咲き、小輪、微香、樹高約2〜3m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。クリアピンクの小輪の花が株を覆い尽くすように咲く。短く切り詰めてもよく咲くので、鉢植え栽培も容易。 ロサ・ムルティフローラ/一季咲き、小輪、強香、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。北海道から九州まで日本各地のいたるところで見られる野生種。非常に丈夫で、秋に熟す赤い実はリースづくりにも活躍する。 半八重咲き(はんやえざき) ■半八重咲き/花弁数が10〜19枚のものを半八重咲きと呼びます。花びらがヒラヒラと、優雅な雰囲気で咲きます。 Photo/Johnnie Martin/Shutterstock.com ‘ペネロペ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約2m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。アプリコットピンクの花弁をひらひらとつける可愛らしい花。輝くような黄金のしべも美しい。 Photo/竹田正道 ‘スパニッシュ・ビューティー’/一季咲き、大輪、強香、樹高約4m、つる性、地植え向き。他のバラに先がけて5月初旬頃から花が咲く早咲き。ヒラヒラと花びらの縁が波打つ花姿と甘い香りが魅力的。 Photo/Monika Pa/Shutterstock.com ‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.7m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。白い花弁にピンク色のシベがよく目立つ。 ‘ラウプリッター’(ローブリッター)/一季咲き、中輪、微香、樹高約1m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。コロンと丸いカップ形の花が可愛らしい雰囲気。枝がしなやかで誘引しやすい。 八重咲き(やえざき) ■八重咲き/花びらの枚数が20枚以上の花を八重咲きと呼びます。ただしバラは20枚以上の花びらを持つ品種がほとんどなので、実際には八重咲きという呼び方はほとんど用いられず、さらに細かく咲き方の特徴を表現する言葉が用いられています。 ‘ハーロウ・カー’/ロゼット咲き。咲き進むとともに花形が変化するのも花弁数の多い花の魅力。 一重咲きと八重咲きの組み合わせ Photo/竹田正道 バラを何種か植える時、花形の違いを意識して組み合わせると、お互いの魅力を引き立て合い、印象的なバラ風景を描くことができます。上の写真は一重咲きの‘安曇野’と八重咲きの‘フランソワ・ジュランビル’の組み合わせ。どちらもトゲが少なく扱いやすいつるバラです。 ●さまざまな花形をコレクションするバラ咲くガーデンはこちら『貴重なバラのコレクションが咲き競う「横浜イングリッシュガーデン」へ旅しよう!』 バラの花形による分類 バラのネームタグや図鑑に「ロゼット咲き」「クォーター・ロゼット咲き」「カップ咲き」「抱え咲き」「高芯咲き」などの表現が登場することがあります。これらはすべて花弁数が20枚以上の八重咲きの花のことで、咲き方の特徴を細かく分類した言葉です。特に覚える必要はありませんが、一重や半八重の花ではなく、花弁数の多いバラの咲き方のことを指しているんだなぁと思えばOK。以下でこれらの花形の特徴を紹介します。 ロゼット咲き/花弁数が多く、芯が一つ Photo/右)竹田正道 左)‘ホワイト・ジャック・カルティエ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。美しいロゼット咲き。秋にもよく花が咲く。 右)‘モリニュー’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。コンパクトでベランダでも育てやすいサイズ。 クォーター・ロゼット咲き/花弁数が多く、芯が複数 ‘ファンタン-ラトゥール’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.8m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。ソフトピンクの柔らかな花色が優しい雰囲気。 カップ咲き/花弁数が多く、カップ状に丸い Photo/左)竹田正道 左)‘クリスティアーナ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.8m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。柑橘系の爽やかな香り。 右)‘クイーン・オブ・スウェーデン’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.3m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。上品なソフトピンクと整った花形が魅力的。摘み取った後も花が日もちするので、フラワーアレンジメント用に育てるのも楽しい。 シャクヤク咲き/花弁数が多く、花びらが不規則に並ぶ Photo/Georges Seguin ‘イヴ・ピアジェ’/四季咲き、巨大輪、強香、樹高約1.3m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。シャクヤク咲きの代表花で花径が15cmほどになる豪華な花。濃厚な香りを放ち、切り花品種としても人気。 ポンポン咲き/花弁数が多く、球状に近い 左)‘ラッセリアーナ’/一季咲き、中輪、強香、樹高約3m、つる性、地植え向き。紫がかった赤色で咲き進むにつれポンポン咲きになっていく。 中央)‘フェリシテ・エ・ペルペチュ’/一季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約2.5m、つる性、地植え・鉢植えとも可能。赤いつぼみと白い花が入り混じる様子がとても可愛い。 右)‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’/一季咲き、小輪、強香、樹高約7m、つる性、地植え向き。桜のような雰囲気で、ふわふわと株いっぱいに花を咲かせる姿がとても人気。大型のアーチやガゼボ(あずまや)を覆うのに適している。 高芯咲き/芯が高くなる咲き方(モダンローズの特徴) Photo/zzz555zzz/Shutterstock.com ‘ソニア’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.3m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。とがった花弁のことを「剣弁」と呼び、この特徴的な咲き方のことを「剣弁高芯咲き」といいます。某デパートの包装紙に描かれているバラはこのタイプのバラで、モダンローズと呼ばれる花のカテゴリーに見られる咲き方の特徴です。 「バラを育てたい!初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類をわかりやすく解説」 抱え咲き/渦を巻く芯が花弁の内側に低くなる Photo/上)Arashiyama 下)Yoko Sasagawa 上)‘ラ・フランス’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.2m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。濃厚な甘い香りのバラで、クラシカルな花形が人気。ハイブリッドティーローズ第一号のバラとして知られ、このバラの誕生以前に生まれた品種をオールドローズ、以降に生まれた品種をモダンローズを呼ぶなど、バラの進化に新次元を開いた歴史的な品種。 下)‘イントゥーリーグ’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.2m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。素晴らしい芳香で深い赤紫色の花が印象的。 一輪咲きと房咲きの違い ここまでご紹介してきた通り、バラの花形にはさまざまな個性がありますが、バラには「花のつき方」にも違いがあります。花のつき方は次の2通りです。 ■一輪咲き/1本の枝の先に1輪、花を咲かせます。株の力が1輪の花に注がれるため、花が大きく豪華に咲きます。 ■房咲き/1本の枝の先に複数の花をブーケ状に咲かせます。株を覆うように花が咲きます。 Photo/右)竹田正道 上の2枚の写真は、どちらもつるバラです。左は一輪咲きの‘ピエール・ドゥ・ロンサール’。右は房咲きの‘アンジェラ’です。一輪咲きは葉っぱが見えるように花が咲き、房咲きは花が空間を埋め尽くすように咲くのが分かりますね。一輪咲きは景色に抜け感があり、他のバラとの組み合わせも楽しめるメリットがありますし、房咲きは一品種で豪華に空間を彩ることができます。どちらの咲き方にもそれぞれの魅力があるので、ご自身のお好みや空間の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。ちなみに、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’は太いシュートからは房咲きの花がつくようになります。このように、バラは株の状態で性質が変化することもあります。 今回紹介したのは、バラの花びらの枚数・花の形・花のつき方の違いですが、バラの大きな魅力の一つでもある「色」については以下でご紹介しているので、こちらもご参考に! ・バラの花言葉を色ごとに紹介! 花屋では売っていないバラを育ててプレゼントしよう 併せて読みたい
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バラを育てたい! 初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類を分かりやすく解説
バラにはどんな種類があるの? バラには、数万種類もの品種があり、さまざまな観点からの分類があります。ここではバラの大まかな歴史をたどってみることにします。まず、バラには自然の中に自生している野生種(原種)といわれる種類があります。野生種は北半球の世界中に150〜200種ほどが存在しているといわれますが、日本の山野によく自生しているノイバラ(野バラ)もその一つです。そしてこれらの野生種が交雑したり、交配したりして生まれた園芸種があります。さらに、園芸種には、古くから愛されてきた「オールドローズ」と、19世紀の末以降につくり出された「モダンローズ(現代バラ)」という2つの大きなカテゴリーがあります。 それではバラのいろいろな種類を順に見ていきましょう。 野生種は野趣溢れる雰囲気や素朴さが魅力 英国では15世紀に王位をめぐってヨーク家とランカスター家が激しく対立。両家の軍勢が戦いを繰り返す内乱が30年にわたって続きました。この時、ヨーク家が紋章としていたのが白いバラ、ランカスター家は赤いバラ。そのため、英国史に名高いこの内乱は「バラ戦争」と呼ばれています。 半八重咲きの赤いバラ、ロサ・ガリカ・オフィキナーリスはバラの野生種(原種)の一つで、ランカスター家が紋章としていたバラ。優美な花の姿と甘い香りが魅力的で、今も人気のバラとなっています。バラにはこうした野生種が150〜200種類あり、特徴は花が年に一度、春にしか咲かない「一季咲き」であること、そしてそれぞれに微妙にテイストの異なる芳香があることです。 日本にもハマナス、ノイバラ、テリハノイバラ、サンショウバラなど約10種類の野生種があり、海岸、平地、山岳地帯などに自生しています。 ヨーロッパ原産の野生種では、無数の小さな花を咲かせて華麗な景観をつくり出すつるバラのキフツゲート、桃色の一重の花が可愛いロサ・カニーナ、また葉が銅色でカラーリーフとしても重宝されるロサ・グラウカなどが人気です。中国原産の野生種で、春、ほかのバラに先がけて咲くモッコウバラは、江戸時代に日本に伝えられました。 こうした野生種はいずれも苗が市販されているので、家庭でも栽培できます。 ただし、年々巨大化するキフツゲートやモッコウバラは、スペースが限られた日本の個人庭では植え方や植え場所を工夫する必要があります。一方、ロサ・ガリカ・オフィキナーリスやロサ・カニーナは鉢植えでも栽培できます。 バラの園芸種の発展に寄与したナポレオン皇后 バラは野生種をもとに品種改良が行われ、さまざまな園芸種がつくり出されました。 皇帝ナポレオンの妃だったジョゼフィーヌは、ナポレオンから離別された後、住まいとして与えられたマルメゾン城の庭園で約250種類のバラを栽培し、園芸家たちに品種改良を行わせていました。当時はまだ黄色いバラがなかったので、もしかしたらジョゼフィーヌは「黄色いバラをつくって!」と園芸家たちに指示していたのかもしれません。 また、彼女は画家ルドゥーテに美しく精密なバラの絵を描かせ、『バラ図譜』という書物を刊行しました。この書物は今日、18世紀にはどんなバラが愛好されていたのかを知ることのできる貴重な歴史的資料となっています。 ジョゼフィーヌが栽培していたのは、どれもが心地よい芳香のあるバラばかりでしたが、花は年に一度だけ、春にしか咲かない一季咲きでした。 しかし、やがてバラの世界に革命的な変化が訪れます。日本では幕末にあたる1867年、ジョゼフィーヌのバラへの愛を受け継いだフランスの園芸家ジャン=バプティスト・ギヨーが、それまでのバラにはなかった「四季咲き性」という特徴を持つバラをつくり出したのです。ギヨーはこの画期的なバラを‘ラ・フランス’と命名しました。 その後、バラを愛する園芸家たちによって数多くの四季咲き性の品種がつくり出され、「モダンローズ」(現代バラ)の歴史が展開されてゆくことになります。 ‘ラ・フランス’以前のバラ、古代の人々やジョゼフィーヌが栽培していたようなバラは「オールドローズ」と呼ばれています。 それではオールドローズとモダンローズにはどんな違いがあるのでしょう? 優美で香り豊かなオールドローズ オールドローズは優雅な気品を感じさせる花が多く、甘い香りがあるのも魅力的。 しかし、ほとんどが春5〜6月の間の一時期にしか花が見られない一季咲きです。そのため、一年を通して咲く四季咲き性のモダンローズが登場すると、その爆発的な人気に押され、一時は忘れられた存在になりかけていました。 けれども、近年はモダンローズにはないエレガントな美しさと素晴らしい芳香が見直され、愛好者が急増。今ではモダンローズをしのぐほどの人気となっています。 (バラの開花周期についてはこちら) ちなみに、オールドローズにも秋に返り咲く性質を持っている品種がありますし、チャイナローズ(中国バラ)の系統の品種は四季咲き性です。 例えば、オールドローズの人気品種‘ラ・レーヌ・ヴィクトリア’(ヴィクトリア女王)や‘コント・ドゥ・シャンボール’(シャンボール伯爵)は返り咲き。チャイナローズ系の‘粉粧楼(フンショウロウ)’や‘ソフィーズ・パーペチュアル’は四季咲き性です。 これ以降にご紹介するモダンローズの四季咲き性という特徴は、チャイナローズとの交配によってつくり出されました。 四季を通して花が楽しめるモダンローズ ギヨーが最初のモダンローズ‘ラ・フランス’を発表した後も、数多くの四季咲き性のバラが次々につくり出され、モダンローズの世界はきわめて豊かになっていきました。花屋さんで販売されている切り花のバラは、「ハイブリッド・ティー」という系統のモダンローズがほとんどです。 現在もフランス、ドイツ、英国、アメリカ、日本などの園芸家たちが新種のバラをつくり出す仕事に取り組んでおり、毎年、新しいバラが発表されています。‘ラ・フランス’が誕生してから、およそ250年。モダンローズの世界はますます豊かにその裾野を広げつつあるのです。 しかし、モダンローズは新種をつくり出す時に四季咲き性という特徴や花の大きさなどに力が注がれたため、まったく香りのないバラも増えました。 そんな流れに一石を投じたのが、英国の園芸家デビッド・オースチンでした。 豊かな香りと四季咲き性を兼ね備えたイングリッシュローズ デビッド・オースチンはオールドローズの芳香とモダンローズの四季咲き性という特徴を併せ持つバラをつくりたいと考え、21歳の時からオールドとモダンの交配を開始。やがてその試みに成功し、1969年、自らつくり出したバラの一群を「イングリッシュローズ」と命名しました。 ほとんどが四季咲きで、しかも甘い香りがあることから、今はこのイングリッシュローズにも人気が集まっています。 ・花の庭巡りならここ! 大阪「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」 調香師が香りを表現するフランス、デルバールのバラ 近年、人気のバラのナーセリーとしては、フランスのデルバール社も注目を浴びています。デルバール社は自社のバラの最大の特徴を香りとし、品種ごとに調香師による「バラの香りのピラミッド」を作成。最初にかいだ香りの第一印象から時間経過をたどって残り香まで、バラの香りをまるで香水のように細やかに表現しています。 ・鉢植えバラの冬のお手入れ「来春よく咲かせる!とっておきの話」 花径2cmほどの小さなかわいい花、ミニバラ ミニバラはチャイナローズの性質を受け継ぐミニチュアサイズのバラで、四季咲き性のものが多く、春から秋まで繰り返し咲き続けます。 花色は豊富ですが、香りのいい品種はあまり多くありません。バラの専門店で通年販売されています。 バラの見頃の季節はいつ頃? バラ園が最も華やかなのは5〜6月。一季咲きのオールドローズと四季咲きのモダンローズがいっせいに花開き、素晴らしい眺めをつくり出してくれます。けれども、秋、10〜11月頃のバラ園にも驚くほどたくさんの花が咲いています。返り咲きや四季咲きのバラが、春よりはちょっと小ぶりだけれど、それでも充分に見応えのある花を咲かせてくれているからです。 ・バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの種類・育て方・病気などを解説 例えば、ドイツで作出されたモダンローズの名花 ‘アイスバーグ’(ドイツ語名‘シュネーヴィトヘン’=白雪姫)は、春の花が咲き終わった後、夏はちょっとお休みしますが、暑さがおさまると再びつぼみをつけ始め、10〜11月まで何度も繰り返し花を咲かせ続けます。 そんなけなげなバラたちがたくさん咲いている秋のバラ園は、春より人が少なく、空気もさわやか。澄み切った青空の下、しっとりと落ち着いた雰囲気のなかでバラを楽しむことができます。 というわけで、バラの見頃は基本的には春(5〜6月)と秋(10〜11月)の年2回です。 けれども、バラ園のスタッフはしばしば、こう言います。「暑いので、あまり人は来ませんけど、バラは夏だって咲いていますよ」。 というのは、春の花の後、7月初め頃からつぼみをつけ、2番花を咲かせてくれる種類があるからです。その時期を含めれば、バラの見頃は年に3回あることになります。 「バラを育ててみたいな」と思ったら、まずはあちこちのバラ園にいろんな季節に出かけてみましょう。そして自分の好きな種類と品種を見つけましょう。 バラの香りの楽しみ方は? 香りのあるバラが最も強く香るのは、明け方から早朝にかけてです。 印象派の画家モネは、黄色い一重のつるバラ‘マーメイド’を2階の寝室の窓の下に這いのぼるように植えて、毎朝、その香りを楽しんでいました。また、英国の作家ヴァージニア・ウルフも、スパイシーな甘い香りのあるオールドローズ‘プレイリー・ナンバー・ツー’を寝室の窓辺に誘引し、その香りとともに目覚めるのを何よりの楽しみにしていました。 バラ園のなかには、開花時期には早朝にオープンして入園者を迎え入れ、たっぷりと香りを楽しませてくれるところもあります。数は多くありませんが、長崎の「ハウステンボス」、長野県軽井沢の「レイクガーデン」、新潟県見附市の「みつけイングリッシュガーデン」のように宿泊施設が付属しているバラ園も。 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・体と心を休める避暑地の庭園 長野「軽井沢レイクガーデン」 ・花の庭巡りならここ! ヨーロッパの街並みがバラで埋め尽くされる長崎「ハウステンボス」 そんなバラ園に出かけた時は、ぜひ早起きして朝食前に園内を散策するようにしましよう。 微かでほのかな甘い香り、フルーティな香り、スパイシーな香り、官能を刺激する濃厚な香り──さまざまなバラの香りがあなたを迎え、うっとりとさせてくれるはずです。 バラ園に行って、花だけを見て香りをかがずに帰るのは、せっかくの楽しみを半分捨ててしまうようなもの。オールドローズはもちろん、モダンローズのなかにも素晴らしい香りを持つバラがたくさんあります。バラを見たら、必ず香りをかいでみるという習慣をつけましょう。 甘い香りには、悲しみや苦しみを忘れさせ、心を癒してくれるという効果もありますよ。 併せて読みたい ・今年も新品種登場! 春まで咲かせる「シクラメン」品種12選&育て方のコツ ・マストバイ‘おしゃれプランツ’丈夫で、よく咲く、小さな庭のベスト9 ・きれいをロングキープ! 冬こそ楽しみたいミニバラが主役の寄せ植え
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バラの花言葉を色ごとに紹介! 花屋では売っていないバラを育ててプレゼントしよう
赤いバラの花言葉は「愛情」「恋」「美」 花屋さんに並ぶバラ(薔薇)は多くてもだいたい10種類ほど。けれども実は、バラには数万種の品種があり、毎年世界各国の育種家によって新しいバラが生まれるため、その数は年々増え続ける一方です。バラの色にも魅力的なものがたくさん! まずは代表的な赤色から見てみましょう。 赤いバラの花言葉は「情熱」「恋」「美」「あなたを愛しています」「強烈な恋」など、熱い胸の内を表すのにぴったりの色です。赤いバラは古今東西、愛や恋の感情を表す代表的な花。イングランドの童謡『マザーグース』の中に「Roses are Red」という詩がありますが、イングランドではこの詩がバレンタイデーのプレゼントに添えるカードの謳い文句として用いられています。 The rose is red. The violet’s Blue. Sugar is sweet. And so are you. (訳/バラは赤く、スミレは青く、砂糖は甘い。そしてあなたも。) 短く、簡単な英語ですが、なんだかとてもおしゃれでロマンチックな雰囲気がしますね。真っ赤なバラを育てる時のワンポイントは、ちょっと日陰が一番美しく見えるということ。お日様ギラギラの場所よりも、花色がキレイに発色します。庭が日陰になりがちだなぁと残念に思っている方は、赤いバラにチャレンジしてみては。 ‘オデュッセイア’/四季咲き、中輪、強香、樹高約6m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。波打つ花弁のクラシカルな花形と紫がかった深い赤色が美しい。 ‘L.D.ブレスウェイト’/四季咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約1.5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。春の花の最盛期以降も四季を通してよく返り咲く。 ‘岳の夢’/四季咲き、小輪、香りは微香、樹高約1.2m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。花弁の裏が白くなる特徴的な色が魅力。小型で病虫害に強く、初心者にも育てやすい。 ‘ベル・ドゥ・クレシー’/一季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約6m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。小型のつるバラとして、鉢植えでオベリスクやアーチなどにしても楽しめる。 ‘スブニール・ドゥ・ドクトル・ジャメイン’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約3m、つる性、地植え向き。枝にほとんどトゲがなく扱いやすい。非常によく発色し、バラのジャム作りにも用いられる。「庭のバラを摘んで作るバラジャム。色をきれいに残す5つのコツ」 ピンクのバラの花言葉は「可愛い人」「上品」「美しい少女」 ピンクのバラの花言葉は「可愛い人」「上品」「美しい少女」「しとやか」「幸福」など、どれも可憐な花から連想されるキーワードですね。バラのピンク色は濃いピンクから薄いピンクまで本当にさまざまで、パッと目を引くフューシャピンクから、頬を染めたような温度感のあるピンク、ごく淡くベールをかけたようなピンクなど、バラの中でもピンクの品種は最も豊富にあります。ミニバラにも淡いピンクの花が咲く品種も多くあります。フランス語ではピンクのバラのことを「la rose rose」と呼びますが、2回目のローズは「ピンクの」という意味。つまりフランスではroseはそのまま「ピンク色」を指すのですね。実はドイツ語やイタリア語でも同じようにピンク色のことを「ローザ」といいます。バラを代表する花色から、あなたにぴったりの「la rose rose」を探してくださいね。 ‘ビエ・ドゥー’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約8m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。よく見るとピンクに白色のストライプが入る個性的な色をしている。フランス語でラブレターの意味。 ‘メイヤー・オブ・キャスターブリッジ’/四季咲き、中輪、強香、樹高約5m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。豪華な香りとたっぷりとした花びらが魅力的。強風にあおられても、パラパラ花びらが散らないので、掃除が楽。 ‘ホリデー・アイランド・ピオニー’/四季咲き、大輪、微香、樹高約80cm、横張り性、鉢植え・地植えとも可能。花の中央が鮮やかなピンク色に染まり、外側の花弁は白色。そのコントラストが超ユニークだが、グラデーションが美しく見える横顔が最も美しい。ピオニーとはシャクヤクのことで、咲ききった時の絢爛な花姿がシャクヤクの雰囲気。 ‘エグランタイン’(マサコ)/四季咲き、大輪、強香、樹高約3m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。上品なソフトピンクの花は他の草花とも合わせやすく、株姿もコンパクトで花壇の前方の彩りにぴったり。イギリス作出。 ‘シャンテ・ロゼ・ミサト’/四季咲き、大輪、強香、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。かわいい花を咲かせるうえ、耐病性に優れ初心者にオススメ。第7回ぎふ国際ローズコンテストベストフレグランス賞を受賞。 ‘ローズ・ポンパドゥール’/四季咲き、大輪、強香、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。鮮やかなピンク色の花は咲き進むにつれ、淡いラベンダー色を帯びていく。耐病性に優れ初心者にもオススメ。 ‘クイーン・オブ・スウェーデン’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約3m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。上品なソフトピンクと整った花形が魅力的。摘み取った後も花が日もちするので、フラワーアレンジメント用に育てるのも楽しい。 ●さまざまな品種をコレクションするバラ咲くガーデンはこちら『バラの花言葉は愛と美!デートにもおすすめの「横浜イングリッシュガーデン」』 白色のバラの花言葉は「純潔」「清純」「心からの尊敬」「相思相愛」 白いバラにも純白からやさしいアイボリー、クリーム色まで色幅がありますが、いずれも心をすっと浄化してくれるような清らかなイメージがあり、花言葉にもそんなワードが選ばれています。上の花言葉のほかに、「私はあなたにふさわしい」というものもあり、きっぱり言い切る潔い感じは結婚の誓いの場にぴったり。結婚式にウェディングドレスの花嫁が持つブーケとして最も多いのも白バラのブーケですが、花の清楚な雰囲気と合わせて、花言葉もよく似合います。結婚祝いや結婚記念日に贈るのにもぴったり。赤と白のバラを組み合わせても、素敵なメッセージが贈れますね。 ‘マダム・アルディ’/一季咲き、大輪、強香、樹高約3m、つる性、地植え向き。「グリーンアイ」と呼ばれる、緑色のボタンのような花心がホワイトの花の中心に現れるのが特徴。フランス作出。 ‘ザ・レディ・ガーデナー’/四季咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。ややアプリコットがかったクリーム色から咲き始める。植栽環境によって、ピンクやアプリコットカラーが強く出る。 ‘エゼル’/一季咲き、小輪、微香、樹高約6m、つる性、地植え向き。咲き始めはややピンクを帯び、咲き進むにしたがって透明感のある純白になる。非常に生育旺盛で大型のアーチや広い壁面を彩るのに適している。 ‘ソンブレイユ’/返り咲き、中輪、強香、樹高約4m、つる性、地植え向き。花茎が細くうつむき加減で咲くので、高さを上げて誘引すると花が存分に楽しめる。クリーム色の優しい色合いで豊かな香りが魅力。 ‘ウィンチェスター・キャシードラル’/四季咲き、中輪、強香、樹高約3m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。花弁は多いがふわっと羽毛を重ねたような軽やかさのある花姿。春の最盛期以降もよく咲く。 ロサ・ムルティフローラ/一季咲き、小輪、強香、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。北海道から九州まで日本各地のいたるところで見られる野生種。非常に丈夫で、秋に熟す赤い実はリースづくりにも活躍する。 「バラを育てたい!初心者さん必見 バラの花びらの枚数・花の形・花のつき方の違いを詳しく解説」 黄色のバラの花言葉は「友情」「献身」の一方、「嫉妬」の意味も 黄色の花言葉は「友情」「献身」「平和」といったポジティブな言葉の一方で、「嫉妬」や「薄らぐ愛」などの意味もあります。ネガティブな意味の由来は宗教の影響が色濃く、ヨーロッパでは異教徒を迫害する際に黄色を目印として用い、不幸な歴史が繰り返されたためです。一方、日本では『幸せの黄色いハンカチ』などで知られるように、輝くお日様のような金色を思わせる黄色は幸せを象徴する色。このように東西では色がもつイメージが大きく変わりますから、花言葉もこちらの都合よく解釈するのがオススメ。でもほら、上の写真を見ても、バラの黄色に限っては、嫉妬や薄らぐ愛など悪いイメージというよりは、いたって明るくハッピーな雰囲気だと思いませんか? ‘グラハム・トーマス’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約8m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。温かみのある黄色の花は、イングリッシュローズを代表する名花で、世界バラ会議で殿堂入りを果たした。 ‘マーメイド’/四季咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約5m、つる性、地植え向き。ほかのバラに比べて開花期が遅く、6月下旬から開花し夏もよく咲く。トゲが鋭いので人が通らない場所など、植え場所に配慮を。画家のモネが愛したバラとしても知られる。「バラの物語・印象派の画家モネが愛したバラ‘マーメイド’」 ‘ベル・ロマンティカ’/四季咲き、中輪、微香、樹高約6m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。やや小ぶりの花を株いっぱいに咲かせて周囲を明るく彩る。小型のつるバラとしてアーチやオベリスクなどに重宝する。 ‘ザ・ピルグリム’/返り咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約5m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。透明感のあるレモンイエローで、大輪の花がたくさん咲くと爽やか。香りの良さを絶賛する人が少なくない。 バラが誕生花の生まれ月は、国によって異なり、中国では4月、アメリカやフランスでは6月に誕生日の人にあたります。また、贈る本数別によっても意味合いがあるとされ、1本は「一目惚れ」、2本は「この世界は2人だけ」、3本は「愛しています」、6本は「あなたに夢中」、7本は「密かな愛」、11本は「最愛」、15本は「永遠の友情」、20本は「私のひとひらの愛」、30本は「縁があると信じています」、40本は「真実の愛」、99本は「永遠の愛」や「ずっと一緒にいよう」、100本は「100%の愛」、108本は「結婚してください」。バラを贈る時、一目惚れや初恋、片思いなど、言い出せない思いを本数の意味でも表すことができそうです。 紫色のバラの花言葉は「誇り」「尊敬」「気品」 Yellow Cat/Shutterstock.com 紫色のバラには「誇り」「尊敬」「気品」という言葉が当てはめられています。紫色のバラは青いバラを作ろうとする過程で生み出されたものも数多く、「ブルー」という名前を冠したものが少なくありません。というのも、バラにはもともと青色の色素がなく、青いバラの作出は世界共通のチャレンジなのです。完全に青いバラはまだこの世に存在しておらず、英語では「Blue Rose」というと「不可能」を意味する言葉としても用いられていますが、その過程で生まれたいくつもの紫色のバラは、人類の飽くなき挑戦と情熱を讃えるように気高く、美しく咲いています。 ‘ブルームーン’/返り咲き、大輪、強香、樹高約1.5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。つる性の‘つる ブルームーン’もある。トゲが少なく樹勢も強いので、初心者にも育てやすい。 黒いバラの花言葉は「貴方はあくまで私のもの」 DeepGreen/Shutterstock.com 「貴方はあくまで私のもの」というように、どこかしら支配感を感じさせる言葉とともに、「決して滅びることのない愛、永遠の愛」という花言葉もあります。絶対的なものを渇望する情念のようなものが、黒バラのイメージのようです。しかし、意外なことに庭で咲かせてみるとその存在感は控えめ。カラフルな華やかさが苦手な方には、暗い色調の黒バラと明るい白バラを用いて色味を抑えた庭づくりもモダンでオススメですよ。なお、本当に真っ黒なバラは存在せず、比較的黒味がかった赤黒い花色のバラを黒バラと呼びます。写真の‘ブラック・バカラ’の他に黒いバラと言われる品種は、‘黒真珠’、‘ルイ14世’、‘シャルル・マルラン’など。 ‘ブラック・バカラ’/四季咲き、中輪、微香、樹高約1.5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。もともと切り花の品種として生まれた花で、トゲ(棘)が少なく扱いやすい。 ‘ニコル’や‘プランセス・ドゥ・モナコ’に代表される「覆輪」のバラ これまで見てきたような単色のほかに、バラにはいくつかの色が混ざったものも多くあります。上の写真は白い花弁の縁がピンク色に染まり、まるで女の子のドレスのような可憐さ。このように縁だけ別の色が入る咲き方を「覆輪(ふくりん)」、または「ピコティー」と呼びますが、バラには覆輪の魅力的な品種が少なくありません。 ‘ニコル’/四季咲き、中輪、微香、樹高約90cm、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。開き始めは上の写真のようなくっきりとした覆輪で、咲き進むにしたがって次第に花の中心までピンク色に染まってくる色変わりのさまも魅力。作出はドイツ。 marinatakano/Shutterstock.com ‘バロン・ジロー・ドゥ・ラン’/返り咲き、中輪、強香、樹高約2m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。濃いワインレッドの花弁の縁に、細く白色の覆輪が入る。花形、花色とも個性的で広い庭でも目を引く。 色が混ざり合う「絞り」の品種も魅力的 ハケでサッと色をつけたようなストライプ状に色が混ざる花色を「絞り」と呼びます。写真のような絞り模様のバラの花言葉は「満足」。絞り咲きのバラを単色のバラの中に合わせると、目を引くポイントになり楽しいですよ。それにしても、どうしてこんな花色になるのか、自然が見せるアートは本当に魅力的ですね。 ‘ヴァリエガータ・ディ・ボローニャ’/一季咲き、中輪、強香、樹高約2〜3m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。イタリア生まれの名花で、花つきがよい。個性的な花色のわりには、ピンクや白、赤いバラとも似合い、協調性のよいバラ。 Life is a Dream/Shutterstock.com ‘アブラカダブラ’/四季咲き、中輪、微香、樹高約1m、木立ち性、鉢植え向き。「アブラカダブラ」と呪文を唱えて生まれてきたような、世にも不思議な花色。黄色と黒に近い赤色の絞り咲き。作出はアメリカ。 今回、ご紹介したバラはすべて庭で育てられるガーデンローズで、まだまだほんの一部の品種です。他にもたくさんのバラを紹介するとともに、育て方や選び方を以下で解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 「バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの種類・育て方・病気などを解説」 一部写真/竹田正道
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イングリッシュガーデン旅案内【英国】男爵夫人のデザインした庭 ヘルミンガム・ホール・ガーデンズ
赤レンガの屋敷を背景に広がる庭 名園として人気の高いヘルミンガム・ホールの庭。駐車場からガーデンに向かうと、濠に囲まれた赤レンガづくりの屋敷が見えてきます。 トルマッシュ家は大変古い家柄で、1066年のノルマン征服以前からサフォーク州に住んでいたといわれます。ジョン・トルマッシュがハーフティンバー様式の屋敷を建て始めたのは1480年。それから何度も改修が重ねられ、1760年頃に現在のような赤レンガとタイルを使ったつくりになりました。 幅18mの濠にかかる跳ね橋は、1510年以来、毎晩引き上げられて、朝になると下げられるとか。屋敷は夜間は濠に守られた「島」となるそうです。中世の習慣が脈々と続いているとは、驚きますね。 濠の脇を通る芝生の道には、セイヨウイチイの丸いトピアリーが並びます。モコモコと、森の妖精のようなユーモラスなトピアリーです。 きれいに刈り込まれたトピアリーに、メドウのような下草を合わせているのがおしゃれ。ナチュラルな雰囲気を醸し出しています。先を行く老夫婦の姿が、素敵でした。 さて、屋敷の西側に広がるメインのウォールド・ガーデンへと向かいます。 パーテアとハイブリッド・ムスク・ガーデン 屋敷の西側は、レンガ塀にぐるりと囲まれた、大きな長方形のウォールド・ガーデンになっていて、その中は、パーテア部分とキッチン・ガーデン部分に分かれています。 私たちをまず出迎えるのは、ツゲの低い生け垣が幾何学模様を描くパーテア。間には、サントリナが植わります。ツゲの生け垣自体は古くから残るものですが、現在の男爵夫人によって1978年に再設計され、今のような形になりました。 屋敷に伝わる資料によれば、15世紀末に屋敷ができる以前から、ここには家畜を守る場として、柵に囲まれた庭があったそう。ウォールド・ガーデンのレンガ塀は1745年にできたといわれ、長い歴史が感じられます。つるバラの絡んだアーバー(あずまや)がいい雰囲気。 レンガ塀に沿った花壇には、ラベンダー‘ヒドコート’に縁どられて、ハイブリッド・ムスク種のバラが植わっています。この花壇はハイブリッド・ムスク・ガーデンと呼ばれ、1965年につくられました。男爵夫人は、このような古い部分を守りつつも、より美しい庭となるよう、長い年月をかけて新しい要素を加えてきたといいます。 ユニークなトピアリーがいっぱい さて、パーテアとキッチンガーデンを分けるアイアン製のガーデンゲートをくぐり、キッチンガーデンの区画に入ります。まずは右へ進むと……カタツムリ発見! 面白いトピアリーが並ぶ、トピアリー・ボーダーです。 イヌツゲやセイヨウイチイのトピアリーを、ガーデナーが熱心に刈り込んでいます。トピアリーの間には、ラベンダーやデルフィニウム、アイリスなどが植わります。 ミツバチのトピアリーも! 羽根の立体感が見事です。かなり複雑に刈り込まれていますね。 花にあふれたウォールド・キッチンガーデン ガーデンゲートからの景色。ウォールド・キッチンガーデンの中心を芝生の小径が貫いていて、その両側に宿根草花壇がずっと伸びています。 小径を少し進んで、振り返ると、こちらには、ガーデンゲートと屋敷が背景となる、美しい庭景色がありました。宿根草花壇では、‘アルベルティーヌ’や‘ニュー・ドーン’、‘フェリシテ・エ・ペルペチュ’などのバラが、ワイヤーに誘引されて目の高さに咲いています。 そして、足元には、ポピーやアリウム、ゲラニウムなど、さまざまな宿根草や球根花が、優しい色合いで混ざり咲いています。 私たちが訪れた6月の花壇は、ピンク系のオールドローズに合わせて、ピンクやブルー、紫やクリーム色などの、柔らかな色合いでまとめられていました。ですが、盛夏に向かうにつれて、真っ赤や黄色、銅色など、インパクトのあるカラースキームに変わっていくとのこと。 中央の小径から脇に伸びる、スイートピーの長いトンネル。いろんな色のスイートピーが咲いていて、楽しさ満点です。他に、サヤインゲンとヒョウタンのトンネルもあります。ウォールド・キッチン・ガーデンは、芝生の小径とトンネルによって、8つのブロックに区切られています。 トンネルの先の壁際には、きっちりと刈り込まれたツゲの生け垣に囲まれて、優美なベンチが置かれていました。整形式庭園の要素とキッチンガーデンのナチュラルな要素が、うまく混ざり合っているのがこの庭の面白いところです。 この辺りは、野菜や果物を育てている区画です。たくさんの実をつけたスグリの木を発見。 こちらは、サラダによさそうな葉物。しっかりと葉を茂らせています。 園内には、来園者にも花の名前が分かるように、こんな看板が掲げてあります。気になった植物はこの看板でチェック。 そしてこちらは、花壇にどんな植物が植わっているかが分かる、デザイン図。各所に掲げられていました。 さて、キッチンガーデンを抜けて塀の外に出ると、小さな橋がありました。じつは、屋敷と同じように、ウォールド・ガーデン全体も濠でぐるりと囲まれています。この橋は、その濠にかかっているのです。 橋を渡った先には、男爵家の人々が楽しむのであろうテニスコートがあって、その周りは、グラスが軽やかに揺れるワイルドフラワー・メドウになっています。風を感じる、優しい花景色です。ここからは見えませんが、ヘルミンガムの庭園の外にはアカシカの棲む広大な草地が広がっていて、メドウとともに、野生生物の生態系を守るのに一役買っています。 華やかさ満点のスプリング・ボーダー 今度は、屋敷に戻る方向へ。ウォールド・ガーデンの外側を、南側のレンガ塀に沿って歩いてみます。すると、塀にはたくさんのつるバラが絡まり、その株元にはピオニーの見事なコレクションが! スプリング・ボーダーと呼ばれるこの花壇では、じつに豪華なバラとピオニーの競演が見られました。 ピンク、白、赤と、華やかなピオニー! 花心が盛り上がった大輪など、珍しい形もあります。重い花首が垂れないように、しっかり支柱がしてありました。5月から6月にかけてのピオニーの見頃に来られたのは、とてもラッキーでした。 クラシカルなノットガーデン 次は、屋敷の反対に回って、東側の庭に行きます。屋敷の正面、濠の脇道から階段を数段降りたところに、1982年につくられたという、ツゲのノットガーデンがあります。 手前の4つの正方形では、三角形の模様を埋めるように、ミントやタイムなどのハーブが低く茂っています。奥の4つの正方形には、トルマッシュ家にまつわる模様やイニシャルがデザインされています。 緑のツゲと赤レンガの屋敷が、美しいコントラストを見せています。歴史ある屋敷にふさわしい、クラシカルな雰囲気のノットガーデンは、屋敷の窓からも眺められるそうです。 甘い香りに満ちたローズガーデン ノットガーデンの先、紫のキャットミントが群れ咲く奥には、女神像を中心に、サークル状にバラが植わるローズガーデンが待っていました。 花と春の女神、フローラの像に見守られる、エレガントな雰囲気のローズガーデン。外側の大きな花壇には、さまざまな古い品種の、香りのよいシュラブローズが植わり、円を構成する内側の花壇には、たくさんの花をつけるデビッド・オースチン社作出のイングリッシュローズが植わっています。 セイヨウイチイの高い生け垣に囲まれている場所なので、バラの香りがとどまっているように感じます。辺りが甘い香りに満たされていました。 屋敷を背にした花景色。ヘルミンガム・ホールの庭は、やはりこの屋敷がポイントですね。赤レンガの美しい建物は、ヘルミンガム・ホールの庭を最も特徴づける要素といってよいでしょう。 さて、ガーデン散策を楽しんだ後は、ステイブル・ショップという小さなショップでハーブコーディアルのジュースを買って、ちょっと休憩。ショップでは、地元産の食べ物やクラフト、ガーデン用品などを扱っています。また、キッチンガーデンで採れた野菜なども販売。オーガニックとして登録されてはいませんが、伝統的な栽培方法で、化学肥料はほとんど使っていないそうです。 時間の都合で、一番外側にあるウッドランド・ガーデンなどは回れませんでしたが、ぐるりと巡って1時間半、充実の庭散歩でした。とてもよく手入れの行き届いた、花の風景が満喫できるガーデンでした。 〈ヘルミンガム・ホール・ガーデンズ〉 庭園情報 ロンドンから車で北東に約3時間。電車では、ロンドン、リバプール・ストリート駅からイプスウィッチ駅(Ipswich)まで約1時間。イプスウィッチ駅からタクシーで30分(約10マイル)。タクシーを使う場合はかなり距離があるので、往復を頼めるかなど、ご確認を。 イプスウィッチ駅から路線バスを使う場合は、駅近くのバス停(Railway Station)から、町中のオールド・カトル・マーケット・バス・ステーション(Old Cattle Market Bus Station)までバスで約8分移動。フラムリンガム(Framlingham)行きに乗り換えて、シェルター(Shelter)、もしくは、ホール(Hall)で下車、所要時間は約25分。庭園までは、徒歩約6~8分。乗り換えが複雑で、また路線バスのルートが変わることもあるので、事前によくお調べになってお出かけください。 2018年の開園期間は、5月1日~9月16日。火、水、木、日、祝(バンクホリデー)の11:00~16:30。料金は大人£7。 2019年は、5月1日から再び開園します。屋敷は非公開。 *2018年12月現在の情報です。 併せて読みたい ・玄関を花でコーディネート! 海外のおしゃれな玄関先8選 ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア ・世界のガーデンを探る旅15 イングリッシュガーデン以前の17世紀の庭デザイン
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イングリッシュガーデン旅案内【英国】王侯気分でアフタヌーンティーを! ハートウェル・ハウス
ロンドンから小1時間の別世界 ロンドンの喧騒から離れ、小1時間。オックスフォードに近いハートウェル・ハウスは、都会からのアクセスがよい場所にありますが、ひとたび敷地内に入ると、緑豊かで静かな別世界が待っています。 ハートウェル・ハウスの始まりは1,000年ほど昔に遡り、その長い歴史の中で、さまざまな王侯貴族がここで暮らしてきました。19世紀の初めには、亡命生活を送っていたフランス王、ルイ18世が5年間滞在したといいます。 20世紀に入ると、屋敷は億万長者のアーネスト・クックの手に渡り、第二次世界大戦中は軍の宿舎として使われました。その後、火災に見舞われるなどしましたが、1980年代に、寂れてしまった大邸宅をホテルとしてよみがえらせ経営する「ヒストリック・ハウス・ホテルズ」によって大規模な修復が行われ、ハートウェル・ハウスは美しいホテルに生まれ変わりました。 2008年、ホテルとしてよみがえったハートウェル・ハウスは、この先の未来も、屋敷と庭の美しい姿が維持され、開発の手から守られるようにと、英国ナショナル・トラストに寄贈されました。現在、ホテル経営による利益はすべて、ナショナル・トラストに寄付されています。 屋敷の周りには、広大な緑のスペースが広がっています。18世紀の初めに設計された、テンプルやオベリスクなどのモニュメントを配置した整形式庭園は、18世紀半ばになると、ケイパビリティ・ブラウンの系統を継ぐリチャード・ウッズによって再設計され、ランドスケープガーデン(風景式庭園)となりました。 敷地内には、静かに水をたたえる湖もあります。果樹園とベジタブルガーデンでは、古い品種のリンゴやアンズといった果物や野菜が栽培され、ホテルのレストランで提供されています。 よみがえった壮麗な屋敷 さて、17世紀のジャコビアン時代と18世紀のジョージアン時代の様式が混じる屋敷に入ってみましょう。ファサードの精巧な彫刻に思わず見入ってしまいます。 入り口にナショナル・トラストのマークがありました。ハートウェル・ハウスはトラストの他の庭園と違って、観光庭園として公開されているわけではありませんが、ホテルのお客さんは自由に庭園を散策することができます。 ローズピンクの壁紙と緑の絨毯、白いしっくい飾りが印象的な階段です。欄干にいくつもの彫像が立っています。 彫像は17世紀のジャコビアン時代のものと、現代のものが混じっているそうですが、素人目には見分けがつきません。その姿は、なんだかユーモラス! よく見ると、欄干を支える「手すり子」もすべて彫像になっています。この中に、英国の首相だったウィンストン・チャーチルに似せた彫像があるとのことですが、どれがそうでしょうか……。 豪華なライブラリーでアフタヌーンティーを 私たちが通されたのは、ロココ調の装飾が施され、大きな窓のある素敵なライブラリーでした。 窓の外には、ランドスケープガーデンの緑が広がっています。 窓から外を覗いてみると、木々の間に大きなトピアリーを発見。チェスの駒のようです。 トピアリーの前には、クローケー(クロッケー)ができる芝生が広がっていました。『不思議の国のアリス』にも出てくる遊びですね。日本のゲートボールは、クローケーを参考に考えられたものなのだとか。 ライブラリーの外はテラス席になっていて、ここでもお茶を楽しむことができます。右側の出窓の部分がライブラリーです。 再び、室内へ。大理石のマントルピースや、曲線を描くしっくい飾りが優雅です。ロココ調の装飾とはこういうものなのか、と実感。 本棚には、円をつないだデザインの、金箔を被せた真ちゅう製の針金細工が施されています。1760年頃に作られたもので、英国内でも貴重な古い針金細工です。 そして、待望のアフタヌーンティー! 3段トレイの上から、チョコレートケーキ、焼き菓子、スコーン。見ているだけで幸せになります。 小花柄の愛らしい食器や銀器を使ったテーブルセッティングに、気分も浮き立ちます。 キュウリ、トマト、サーモンなどのサンドイッチと、焼き立てスコーン。かなりボリュームのある内容で、紅茶をポットにたっぷり(コーヒーを選ぶこともできます)。これはどんな味、次はどれをいただこうと目移りしながら、時折外の風景を眺めつつ、優雅な気分で本場のアフタヌーンティーを満喫することができました。 こちらは違う年に訪ねた時の写真。この時はマカロンがあって、スコーンの形もちょっと違います。訪ねる時によって、トレイの内容が変わるのですね。クリスマス時期には、スパイスが効いたスコーンなど、クリスマス仕様のアフタヌーンティーをいただけるそう。 英国式の豪華な田園暮らしを体験 ホテルには、かつてのオランジェリー(温室)が改装されたスパやジムが完備されていて、テニスや釣りを楽しむこともできます。滞在すれば、都会を離れてのんびりと、しかし、優雅に自然の中でリフレッシュするという、英国貴族のような田園暮らしを体験できます。写真は、朝食、昼食、本格ディナーがいただける、本館のレストラン。 こちらは、イギリス・バロック様式の傑作、天井飾りが見事なグレートホール。1740年頃の完成以来、床を除いて変わらない姿を保っています。アフタヌーンティーをいただくのに、こちらの部屋に通されることもあるそう。どちらの部屋でも、優雅な気分が味わえますね。 本館には48部屋あり、それぞれ美しい調度品で設えられています。18世紀に馬小屋として使われていた所は、より豪華なスイートルーム専用の建物となっています。クラシカルな天蓋付きベッドのある部屋もありますよ。 併せて読みたい ・英国「シシングハースト・カースル・ガーデン」色彩豊かなローズガーデン&サウスコテージガーデン ・イギリス流の見せ方いろいろ! みんな大好き、チューリップで春を楽しもう ・花好きさんの旅案内【英国】 ベス・チャトー・ガーデン(1)乾燥に強い庭を実現
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おすすめ植物(その他)

2018年度、最高の花が決定! ガーデニングに役立てたい、最優秀賞3種&注目の受賞品種10種をご紹介
「フラワー・オブ・ザ・イヤー」とは 「フラワー・オブ・ザ・イヤー」とは、日本で唯一の統一的な花きの新品種認定事業を行っているジャパンフラワーセレクション(JFS)によって審査される、優れた植物に与えられる賞のこと。2006年より毎年、新たに生み出される、切り花や花苗などの全国の花き新品種の中から、「フラワー・オブ・ザ・イヤー」をはじめ、各賞が発表されてきました。過去には花つきよく咲いて、丈夫で育てやすいペチュニア「スーパーチュニア」シリーズからや、独特の風合いと、植えっぱなしでも越冬できる丈夫さが魅力のラナンキュラス「ラックス」シリーズからなど、ガーデニングでも活躍する品種が「フラワー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。園芸店や花屋で、JFSのマークがついた花苗や切り花を見たことがある、という人もいるのではないでしょうか? 日本フラワー・オブ・ザ・イヤーで審査されるのは、切花、鉢植え、ガーデニングの3つの部門。各部門から最も優れた1品種のみが、最優秀賞としてその年の「フラワー・オブ・ザ・イヤー」に輝きます。また、日本フラワー・オブ・ザ・イヤーで発表されるのは、「フラワー・オブ・ザ・イヤー」の受賞品種だけではありません。惜しくも「フラワー・オブ・ザ・イヤー」に届かなかった品種にも、審査会で高得点を獲得し、育てやすく飾りやすいなど、総合的に優れた品種に与えられる「ベスト・フラワー(優秀賞)」、香りやパフォーマンス、形状など特別なインパクトがある品種に与えられる各種「ジャパンフラワーセレクション特別賞」などの賞が与えられます。 日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2018では、次の3品種が「フラワー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。これからの活躍が期待される、最新のトレンドを映した受賞品種を、早速チェックしてみましょう。 2018~19年のフラワー・オブ・ザ・イヤー 切花部門 バラ‘シーアネモネ’(京成バラ園芸) イソギンチャクの英名に由来する名を持つこのバラは、花弁にはっきりとした切れ込みが入る、今までにない個性的な花形が印象的。ガーデンローズなので、ガーデンでの栽培にも向きます。ボリュームがあって草姿のバランスもよく、フラワーアレンジメントでもインパクトのある花材として活躍しそうです。 鉢物部門 ファレノプシス‘ナオミゴールド’(椎名洋ラン園) 今までのコチョウランのイメージを覆すような、くすみのない鮮明な黄色の花に、橙赤色の小ぶりなリップがアクセントに入る艶やかな花です。インパクトのある花色ながら、草姿や花つきは整っていて、上品な印象。花もちもよく、今後の活躍に期待大! ガーデニング部門 ランタナ‘スーパーランタナ ムーンホワイト’(ハクサン) 暑さに強いものの、花が休みがちだった旧来のランタナに対し、この品種は花が咲いている間に次の花芽が育つので、花が休まずに咲き続きます。また、よく分枝して自然にこんもりとまとまるので、摘心(ピンチ)などのテクニックに不慣れなガーデニングビギナーでも姿よく育てられるのも嬉しいところ。一房が5㎝ほどと存在感のある白花は、夏花壇の彩りにはもちろん、寄せ植えやハンギングバスケットにも幅広く活躍してくれそうです。 ガーデナーはこちらも注目! 優秀賞・特別賞受賞品種の数々 日本フラワー・オブ・ザ・イヤーでは、最優秀賞であるフラワー・オブ・ザ・イヤーに加え、その花の持つ美しさや品種としての新しさに加え、花を購入する人の目線に立って「育てやすさ」「購入しやすさ」「飾りやすさ」なども評価し、総合的に優秀な花と認められる花には「ベスト・フラワー(優秀賞)」が、新しい可能性や特別なインパクトを与えた花には各種「ジャパンフラワーセレクション特別賞」が与えられます。 ガーデニング部門の中から、庭づくりをする人にチェックして欲しい品種を一部ご紹介します。 ベスト・フラワー/ニュースタイル特別賞 同時受賞 カリブラコア‘ミリオンベル グランオレンジ’(サントリーフラワーズ) くっきりとしたオレンジ色が、存在感のある大輪品種。グラデーションになる花色は、景色に立体感を生みます。アンティーク調の花色は、花壇にも寄せ植えにも使いやすく、ガーデンで活躍してくれそう。植え付け後から開花までの期間も短く、暑さに負けず旺盛に生育し、安定してよく咲くのも高評価です。 ベスト・フラワー/グッドパフォーマンス特別賞 同時受賞 ペチュニア‘スーパーチュニア ビスタミニ ピンクスター’(ハクサン) 「スーパーチュニア ビスタミニ」シリーズから登場した‘ピンクスター’は、ピンクと白のバイカラーの花を咲かせる可愛らしい品種。耐暑性・対雨性・連続開花性に優れ、分枝もよくこんもりと茂ります。手を掛けなくてもしっかりと咲いてくれるので、ガーデナーにとっても嬉しいハイパフォーマンスの花です。単体で育てると、自然とコンパクトにまとまりますが、群植させるとカーペット状に地面をカバーし、一面に咲き広がる姿が見事です。 ベスト・フラワー/グッドパフォーマンス特別賞 同時受賞 サルビア‘スーパーサルビア ロックンロール・ディープパープル’(ハクサン) 深みのある濃いブルーのガクに、やや赤みがかった紫色の大きめの花をつけるサルビアは、夏花壇の差し色にぴったり。自然に分枝して花姿が崩れにくく、手入れが簡単。猛暑でもそれほど手を掛けずに維持することができ、また花上がりのよさも魅力です。1株でも大株に育つので、ガーデンの演出としても活用できます。 ベスト・フラワー/カラークリエイト特別賞 同時受賞 ニチニチソウ‘モネ’(北島園芸) 優しいピンク色の花弁の中心が濃いボルドーカラーに染まる、ニチニチソウ。整ったシンプルな花形にクラシカルな個性的な花色で、オリジナリティーの高い品種です。成長は比較的ゆっくりですが、艶やかな緑色の葉も美しく、花が休んでいる間も楽しめます。花色の流行を先取りした品種に贈られるカラークリエイト特別賞も同時受賞。 ジャパンデザイン特別賞 ペチュニア‘Beni茜’(松原園芸) 少しにじんだようなバーガンディーの花色がシックな小中輪のペチュニア。立ち性でドーム状にこんもりと育ち、花弁が反り返らずに上向きに咲くので、見応えがあって花色がよく引き立ちます。洋風のイメージが強いペチュニアながら、どんな花とも合わせやすい和洋折衷の色合い。咲き進むにつれて少しずつ花色が移り変わり、秋の花と合わせれば、秋花壇でも活用できそうです。 カラークリエイト特別賞 ペチュニア‘妖精のチュチュ グリーンストライプ’(松原園芸) ひらひらと波打つような花弁に、淡くライムグリーンのストライプが入り、中心部分にはアクセントに濃いアイが。耐環境性があって暑さや病気に強く、ほどよい大きさで株が丸く整う、育てやすい品種です。爽やかで癖のない花色なので、単体はもちろん、他の花と組み合わせて使うのもオススメです。 カラークリエイト特別賞 カリブラコア‘モーブクチュール’(松原園芸) 八重咲きで光沢感のあるグレイッシュパープルの微妙な色合いが美しい、カリブラコアの新品種。アッシュ系の柔らかな色彩は他の花色とも馴染みがよく、寄せ植えやハンギングバスケットの花材にぴったりです。株はコンパクトにまとまり、花が休まずに咲き続きます。 ニュースタイル特別賞 ジギタリス‘スーパージギタリス ベリーカナリー’(ハクサン) 分枝性に優れたハイブリッドジギタリスにさらに改良を加えたジギタリス‘スーパージギタリス ベリーカナリー’。通常のジギタリスとは異なり、次々に分枝し、分枝した茎からもさらに分枝するため、一株でもボリュームのある花姿が楽しめます。ピンクとアプリコットの複色で、ニュアンスカラーの花穂が株元から豪華に立ち上がる、初心者でも育てやすい品種です。 モーストジョイ特別賞 ペチュニア‘花衣 紅水晶’(エム・アンド・ビー・フローラ) 発色のよいピンク色の花弁に白い覆輪が入る、珍しい八重複色咲きのペチュニア品種。可愛らしい花は、一品種だけで鉢植えにしても見映えがよく、手元で楽しむのにもぴったり。覆輪の幅や花弁の重なりはややランダムで、それぞれの花ごとに個性のある花姿。眺めるだけでも楽しい気分にさせてくれます。 グッドパフォーマンス特別賞 ディアスシア‘ラパージュ シルクアプリコット’ 松原園芸 優しいアプリコットカラーが美しい、ディアスシアの新品種。カラーリーフなどとも相性がよく、寄せ植えの主役にも脇役にもコーディネートしやす花色です。可愛らしい小花をたくさん咲かせるものの、耐病性や耐暑性にやや難があったディアスシアを改良し、ガーデニング初心者にも失敗なく育てられる品種を目指して作出されました。不稔性でタネをつけにくく、株が長もちするのもポイントです。 優秀賞・特別賞受賞品種には、このほかにも魅力的な品種がたくさんあり、ジャパンフラワーセレクションのホームページで品種名などが確認できます。 受賞品種はどれも、新しさや美しさ、丈夫さなどを兼ね備え、今後の活躍が期待されるもの。園芸店で「フラワー・オブ・ザ・イヤー」のマークがついた花を見つけたら、ぜひチェックしてみてくださいね。 協力: ジャパンフラワーセレクション(JFS) http://jf-selections.net/ 併せて読みたい ・庭に一度植えたらどんどん増殖!? はびこって困る要注意植物5つ ・植えっぱなしで毎年花咲く「宿根草」特徴と育て方 ・ペチュニアの育て方! 可愛い花をたくさん咲かせよう Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 写真/ジャパンフラワーセレクション
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クラフト

初心者でも失敗しない! ドライフラワー作りの3カ条と手作りリースやキャンドルでのおしゃれな楽しみ方
ドライフラワーを作る際、失敗しない3カ条 1.開花したての新鮮な花を収穫しよう ドライフラワーにするには、一年草や宿根草などの草花類は開花したての花を、バラやアジサイなどの枝ものは7〜8分咲きの新鮮なもの使うのが失敗を避けるための最初のコツです。開花してから何日も経って色が褪せ始めたものや、花びらのフチがヨレているもの、花心のシベが茶色くなっているものなどは避けましょう。こうした花を使うと、ドライにしている最中に花が崩れてしまったり、花色がきれいに残らなかったりします。 また、逆につぼみから開き始めたばかりの状態も、水分が抜けるのに時間がかかり、ドライにするのが難しいことがあります。ドライフラワーにしようと考えている時は、花の状態をよく観察しておき、タイミングよく収穫しましょう。収穫する際は雨の日を避け、晴れた日の午前中に行います。 2.しっかり水揚げさせて、なるべく早く水分を抜こう 花の色や形を保ってドライにするコツは、切ったらなるべく早く水分を抜くことです。ただし、庭から切ったばかりの花は、一旦水の中で茎を切って、水揚げすると花の状態がよくなります。花屋の花を使う場合は、店頭に並んでいる時点で水揚げされているので、必要ありません。自然の状態でも花が枯れていく時には水分が徐々に抜けていきますが、そのスピードよりも早く水分を抜くことで「枯れた花感」を出さずに、色や形を保って美しいドライフラワーをつくることができます。ドライの方法には主に以下の2つがあるので、それぞれ必要な道具をあらかじめ揃えておいたうえで収穫し、すぐにドライの作業に取り掛かりましょう。 3.用途によってドライ方法を変えよう 簡単なドライ方法は次の2つがオススメです。花の形状や残したい姿、用途によってドライ方法を変えるのがコツです。 <シリカゲル法> ■特徴■ 花びらの多い花でも色や形を残しやすいというメリットがあります。ただし、密閉容器に入れるので、花のサイズを選ぶ必要があります。 ■方法■ 密閉容器にドライフラワー用のシリカゲルを入れ、花をその中にうずめて密封すると、1週間ほどででき上がります。専用のシリカゲルはホームセンターや花屋、ネット通販などで購入できます。 ■用途■ シリカゲルから出した後も密閉状態を保っておかないと、褪色しやすいのでリースには向きません。ハーバリウムやキャンドル作りなどに適しています。 ■適した植物■ バラやクリスマスローズ、パンジー、ビオラ、サクラなど人気の花で作れます。 『バラの開花の思い出をドライフラワーで残すボタニカルクラフト』 <ハンギング法> ■特徴■ 茎をつけた状態で、自然な咲き姿に近い状態で残せるドライ方法です。 ■方法■ 花を逆さにして、直射日光の当たらない、風通しがよく涼しい場所へ吊るし、1〜2週間でドライにします。 ■用途■ ドライフラワーによるブーケ作りや、花瓶に飾って楽しみたい場合、リースに使いたい場合などに向いています。 ■適した植物■ ハーブ類、花びらの重なりが少ない花が向いています。アナベル、スターチス、センニチコウ、ケイトウ、ヤグルマギク、花かんざし、ヘリクリサム、エリンジウムなど。 花びらがすぐに散ってしまうポピーや花びらが分厚いユリなどの花は向きません。 『ドライフラワーを作ろう! 適した花6選と作り方のポイント』 ハンギング法のドライフラワーを使ったリースの作り方 バラとシャクヤクの三日月形リース 花材はシャクヤク、バラ、ユーカリ、エリンジウムなど。バラもシャクヤクも花びらが多く、ハンギング法ではドライになるまでに花形がしぼんだり、褪色もしていますが、色の濃いものを選ぶとアンティークっぽい雰囲気を楽しむことができます。 土台のリースは計6本のワイヤーを2本ずつに分けて、三つ編み状に編んで輪っかにします。ワイヤーに花をグルーガンで留めつけていきます。1カ所にボリュームを持たせて、アレンジのない部分をつくるとおしゃれに仕上がります。 アナベルの小鳥の巣風リース 小鳥の巣をイメージしたアナベルのリース。自然素材のリース台にアナベルやネコヤナギをグルーガンで留めつけるだけの簡単手作りリースです。アナベルはアメリカノリノキというアジサイの仲間で、花房は一つが直径20cm以上にもなりボリュームたっぷりなので、一房を切り分けて使ってもリースには十分です。アナベルは初夏から咲き始め、淡い緑から真っ白へ、そしてまた淡緑色へと移り変わる色を楽しみながら、秋遅くまで庭で楽しめます。庭で咲かせたままでも勝手にドライになりますが、キレイなドライフラワーにするには花が新鮮なうちの方がいいでしょう。 『Flowers for Me 育てた花を飾ろう「秋色アジサイを飾ろう」』 グルーガンの使い方のコツ 固形接着剤を熱で溶かして噴射するグルーガンは、リース作りやドライフラワーアレンジメントなどで素材を簡単に接着するのに役立つツールです。少量で固定できるので、接着剤を出しすぎないようにすることと、塗布後すぐに接着するのがコツです。一旦、くっつけてからはがそうとすると素材が壊れるので、あらかじめレイアウトを決めてからつけるとよいでしょう。グルーガンは電源を必要とします。 シリカゲル法のドライフラワーを使ったボタニカルキャンドルの作り方 ボタニカルキャンドルの材料と道具 ドライフラワー ジェルキャンドル 耐熱ガラス器2つ(大と小で直径の差が1cmくらいのものが作りやすい) キャンドル芯 割りばし ピンセット 小鍋(※テフロン加工で注ぎ口があったほうが便利) ハサミ 作り方 大小のグラスを重ねます。ここでは直火にかけられる「VISION GLASS」を使用。 隙間にピンセットを使って花材を挟み込みます。花材の大きさにもよりますが、隙間が広すぎると花材が全部寝そべってしまい、絵画的に配置することができないので、器のサイズ選びも重要です。 割りばしにキャンドル芯を挟んで、グラスに渡してセットします。キャンドル芯の長さをハサミで切って調整します。 小鍋にジェルキャンドルを細かくちぎって溶かします。キャンドルの流し込み適温は100~110℃。IHヒーターなど温度調節がしやすい加熱器を使用すると引火の心配もなく便利です。溶け始めは気泡が多く出ますが、完全に溶けると泡はなくなります。気泡が出なくなるまで熱しますが、熱しすぎて煙が出たら温度を下げましょう。 溶かしたジェルキャンドルを器の内側のグラス中央に注ぎ入れます。できるだけゆっくり一定のスピードで注ぎ、外側のグラスへ溢れ出させて、2つのグラス全体が満たされるまで注ぎ入れます。多少の気泡が出ますが、そのままにしておくと気泡は自然と消えるので、1時間ほど動かさずに固めます。 ジェルキャンドルの燃焼はとてもゆっくりで、煙も出ません。火をつけない時も透明で花が浮かぶようなジェルキャンドルは、インテリアとしても素敵です。 私だけのアトリエを庭に持とう! ドライフラワー作りやドライフラワーを使ったクラフトは、とても楽しい時間ですが、素材の特性上、作業している間にどうしても細かなゴミが出ます。リビングなど室内で作業する場合はあらかじめ新聞紙などを広げておくとよいでしょう。オススメは、庭の小屋をアトリエに変身させるアイデア。シャベルや土などがしまわれているガーデンシェッドを少し片付けてテーブルを置けば、マイ・アトリエに大変身! ガーデンシェッドなら汚れも気になりませんし、作業途中でいちいち片付けることなく、そのまま広げておいて大丈夫です。 「ガーデンシェッドを“マイ・アトリエ”に!』 https://www.honda.co.jp/flower/hello/eu18i/ ポータブル電源があると可能性がさらに広がる! ガーデンシェッドに電源がない場合には、ポータブル電源が便利です。Hondaの蓄電機「リベイドE500」は最大500Wで約35分、300Wで約1時間分の電気が取り出せます。グルーガンの消費電力は10〜40Wなので、10時間前後、ミシンなら連続運転で3時間、リベイドを電源として使うことができます。リチウムイオンバッテリーを搭載しており使用中に排気が出ないため、一酸化炭素中毒などの心配がありません。災害時の電源としても活躍するので、一家に一台あると安心です。 女性は家庭の中で自分だけの時間を過ごす、自分だけの部屋を持つことがあまりありません。庭の一角に自分だけの空間を作って、手仕事を思う存分楽しんでくださいね。 Photo/1) AnastasiaNess/ 2) Stockshakir/ 4) Chamille White/ 5) AnastasiaNess
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レシピ・料理

キャンドルでお月見リラックス 秋の味覚とアートに触れるお茶会
第一部 秋の旬を味わう食の楽しみ 会場は、東京都台東区の谷中・千駄木地域にほど近い場所に建つ、築100年以上といわれる木造2階建てのこぢんまりした町家。漆黒の柱と漆喰の壁を生かしてリノベーションされたギャラリー1階では、あちこちでキャンドルの炎が揺れています。着席して、まずは秋の食をいただき、おなかをあたためます。 キャンドルのそばに用意された箱を開けると、秋の味覚がギュッと詰まっていました。どれからいただこうか迷ってしまう、彩りも豊かな折詰弁当。このイベントのために、フードスタイリストの黒瀬佐紀子さんが「秋の味覚」をテーマに用意しました。 【お品書き】 ・いわし醤油煮缶詰のタルトキッシュ ・鯛の昆布締め レッドマスタード 菊花和え ・卯の花サラダ 生ハム添え ・ぶどう白和え ・紅葉麩の信田巻き ・かぼちゃの紅いマリネ ・衣かつぎ 神楽南蛮味噌だれ ・めかじきのスパイス焼き ・満月チーズ煎餅 ・ビーツのピクルス ・おきつねごはん 青穂紫蘇漬け ・秋鮭真丈椀 ・豚肉ロールの麹焼き 小松菜のかんずり和え ビーツ焼き 菊の酢の物が添えられた昆布締めの鯛や、ぶどうの白和え、白い肌の衣かつぎ、月を模した小エビ添えのチーズ煎餅、菊の花びらが躍る秋鮭真丈椀……。旬の食材を少しずついただける、料理家さんのおもてなしの心を一品一品に感じる折詰弁当でした。 20cm四方のお弁当箱に季節の旬の食材をここまで凝縮させることができるんだ、と感心しながら、一つずつの素材を確認しつつ味わう、貴重な機会。一通りいただいたあと、食後のティータイムへと、会場を2階へ移します。 ギシギシときしむ懐かしい音を聞きながら、狭い階段を一歩ずつ上がります。 第二部 満月のキャンドルが灯る和空間で茶道体験 2階へ上がったゲストを驚かせたのは、和空間にたくさん灯っているキャンドルの灯り。畳の上に点々と置かれた満月を思わせるキャンドルが各々の席を示しています。 意外性のある空間に少し緊張しながら着席すると、まず運ばれてきたのがお団子状の和菓子。懐紙に一つ取り、口に入れると、じんわり甘さが広がる優しい味。お菓子も黒瀬さん手製のオリジナルで、中に醤(ひしお)が入った芋餡でした。甘さとしょっぱさが同居する意外な組み合わせに感心しながら、お抹茶を待ちます。 畳の間とつながる板の間の奥には、お茶の用意がされ、キャンドルの灯りの効果で室内がとても広く感じられます。お茶のたしなみもあるフードスタイリストの黒瀬さんが、お客様一人ひとりにお茶を点ててくれました。 それぞれのお客様の前に運ばれてきたお椀の柄の違いも楽しみながら、お抹茶を口に運びました。温かく苦味があるお抹茶は、スッとのどごしもよく、気持ちをホッとさせてくれました。先ほどまで満たされていたおなかも落ち着き、食後のお茶の時間をゆっくりと過ごします。 キャンドルだけのほのかな明るさに目が慣れてくると、浮かび上がる草花の影に目をやったりして、非日常の空間にゆっくりと時間が流れます。 和空間に浮かぶ「1/fゆらぎ」の炎でリラックス お茶の席に多数灯されたまん丸の灯りは、キャンドル作家の小坂井順子さんの手によるもので、まるで満月が闇夜に浮かんでいるような幻想的な空間に。 ちょうど手のひらで包める大きさの丸い球体のキャンドルフォルダーは、「満月ランタン」。熱に溶けにくいハードタイプのキャンドルを丸く形作り、中に市販の透明カップ入りのロウソクを入れることで満月の灯りが浮かび上がります。 小坂井さんによれば、ワックスにもいろんな素材があり、自然素材である蜜蝋は燃焼が速く、キャンドルの基本素材となるパラフィンワックスは、石油系のもので加工がしやすいという利点があるそうです。「ロウを溶かして芯を通すのが基本的なキャンドル作りですが、例えば、パラフィンと同じ石油系で融点が高いワックスと柔らかいワックスをブレンドしながら、溶けていく温度や時間を調整していったりして、それぞれの作品が生まれるんですよ」と、小坂井さんの作品作りのストーリーを教えていただきました。 不規則に揺れる炎を見ているだけで、なんだか心が穏やかになってリラックスできますが、これは川のせせらぎやそよ風など、自然から感じる心地よさと同じ「1/fゆらぎ」の効果によるもの。また、キャンドルが燃焼することで発生する二酸化炭素と水による微かな水蒸気でマイナスイオンも発生し、室内の空気が対流することも、リラックスできる空間づくりに役立っているようです。 お茶のあとは、小坂井さんの作品が生まれた経緯や人との出会いなど、キャンドルワークについて教えていただき、アートにも触れる時間となりました。 この約2時間のイベントは、旬の美味しいものを時間をかけて味わう大切さや、和空間でのプチ茶道体験、そして炎の癒し効果やアート作品に触れるなど、あらゆる角度の和のリラックス効果を再認識する時間となりました。 併せて読みたい ・インテリアに透明感のあるオシャレなDIYキャンドル。ボタニカルキャンドルの作り方 ・バラの季節に英国スタイルのガーデンパーティーでおもてなし ・桜の季節をよろこぶ「紅い器で愉しむ春茶会」
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宿根草・多年草

【クリスマスローズのすべて】冬の庭を彩る可憐な花の育て方・人気品種・魅力
控えめで美しい花姿を持つ魅力的な宿根草 クリスマスローズはキンポウゲ科の多年草。花期は冬から早春で、花の少ない時期に、ガーデンに色を足してくれる頼りになるガーデンプランツです。鉢植えにも庭植えにも向き、冬のガーデンにぴったり。ヨーロッパを原産とする植物ですが、控えめで清楚な花姿は和風の庭にもよく馴染みます。クリスマスローズ属には20種ほどの仲間がありますが、園芸的に最もよく見かけるのが、交配種であるヘレボルス・ヒブリダスです。 クリスマスローズという名前から、クリスマスの時期に満開になる植物だと思われがちですが、実はクリスマスの時期に花を咲かせるのは、原種の一つで基本的に純白の花を咲かせるヘレボルス・ニゲルのみ。他の品種は主に2~3月頃の早春に開花します。クリスマスローズという名は、クリスマスの頃にバラに似た花を咲かせるヘレボルス・ニゲルにちなんで名づけられたもので、この花にはクリスマスにかかわる次のような伝説もあります。 クリスマスローズの伝説と名の由来 純白の花を咲かせるヘレボルス・ニゲル。Photo/andrekoehn/Shutterstock.com イエス・キリストが生まれた時、その誕生のお祝いに人々が訪れ、ある貧しい少女もお祝いをしたいと思いました。しかし、貧しい少女は何もお祝いのための品を用意することができません。雪の中では花さえも見つけられないと泣いていると、天使が現れて雪をすくい上げました。そこに咲いていたのが純白のクリスマスローズ。少女は喜んでこの清純な花をイエスに捧げ、それからクリスマスローズはキリスト降誕のシンボルとなったということです。また、クリスマスローズの仲間である、ヘレボルス・オリエンタリスは英名ではレンテンローズとも呼ばれます。これは、イースターの前に行うキリストの苦難をしのぶ「四旬節(レント)」の頃に咲くことから。キリスト教圏の人々の中で、クリスマスローズが大切にされてきた花だということがよく分かります。 ところで、クリスマスの頃に花を咲かせるヘレボルス・ニゲルのニゲルとは、黒という意味。白い花を咲かせるのに黒とは少し不思議な気もしますが、この名は根が黒いことにちなんで名づけられました。ちなみにヘレボルスという学名は、クリスマスローズの持つ毒性にちなんだもの。全草が有毒なので、口にしないように注意しましょう。 花のバリエーションが多いクリスマスローズ クリスマスローズの魅力は、なんといってもそのバリエーションの豊かさ。一株ごとに花色や模様などの咲き姿が微妙に異なり、自分だけの花選びが楽しめます。クリスマスローズの栽培にはまってしまい、いろいろな咲き姿の株を集めるガーデナーも多いんですよ。その一方で、栽培にはあまり手がかからず植えっぱなしでも丈夫に育つので、ガーデニングの経験がない人にもオススメ。初心者からベテランガーデナーまで、幅広い人に愛される植物です。宿根草なので年々大株に育ち、見事な咲き姿になるのも嬉しいですね。 花のように見えている美しい部分は実はガク。一見変化がないようにも見えますが、花が咲き進むとしべが落ちて花色がやや退色し、受粉していれば子房が膨らんできます。花が咲き進んでも美しい姿を保つので、観賞期間が長いのも魅力です。花を切って花瓶に活けたり、水に浮かべたりしても長く楽しめます。 主に有茎種と無茎種に分かれます クリスマスローズには大きく分けて有茎種と無茎種があります。よく流通しているのは、通常私たちがクリスマスローズと呼ぶヘレボルス・ヒブリダスなどの無茎種。株元から直接花柄と葉柄を立ち上げて花を咲かせるのが特徴です。一般にクリスマスローズといえば、この花姿をイメージする人が多いと思います。一方の有茎種には、ヘレボルス・フェチダスやヘレボルス・アーグチフォリウスなどがあり、地表から花柄を伸ばす無茎種とは異なり、有茎種は花茎を伸ばして葉や花をつけます。有茎種は無茎種ほどメジャーではありませんが、どちらも丈夫で育てやすいので、庭植えや鉢植えとしてぜひ取り入れたいガーデンプランツです。 有茎種のヘレボルス・フェチダス。Photo/lcrms/Shutterstock.com クリスマスローズの花姿の変化を解説 Photo/simamusume/Shutterstock.com 前述のように、クリスマスローズの交配種は幅広い咲き姿が魅力。花色には、白や緑、赤、紫、ピンク、アプリコット、黄、オーレア(黄金色)などさまざまなものがあります。品種としてはヘレボルス・ヒブリダスという一種ですが、さまざまな花を咲かせるクリスマスローズは、品種名ではなく花形や模様、花色を組み合わせた名前で呼ばれることが多いもの。ここでは代表的な花形や模様を紹介します。 シングル(一重咲き) Photo/Snappyart/Shutterstock.com 原種を思わせるすっきりとした一重咲き。花弁は5枚が基本です。シンプルで控えめな一重花は、清楚な印象。花弁の模様がはっきりと楽しめるのも魅力です。 セミダブル(半八重咲き) クリスマスローズの育種家、樋口氏が手がけたシリーズ「ウィンターシンフォニー」の半八重咲き種。(*) しべの周囲にあるネクタリー(蜜腺)と呼ばれる部位が、小花弁などに変化したものがセミダブルのクリスマスローズ。小花弁には、筒状やハート形などさまざまな形があります。ダブル咲きと区別しにくいですが、小花弁は周囲のガク部分とは異なり、咲き進むと散ってしまうのが特徴です。 ダブル(八重咲き) クリスマスローズ「ウインターシンフォニー」の豪華な八重咲き(*)。ウィンターシンフォニーシリーズII(セカンド)多弁咲き。 ゴージャスな花を咲かせるダブル。ネクタリーが完全に花弁に変化したもので、花後も花弁が散らずに残ります。中には数十枚の花弁を持つものもあり、華やかな雰囲気が楽しめる、ボリュームのある花が多くあります。 代表的な模様は以下の9種類。 無地 花弁に模様が入らないもの。プレーンとも呼ばれます。 ピコティー クリスマスローズ「ウィンターシンフォニー」のホワイト・ピコティーのダブル(*)。 花弁の縁に沿って、異なる色が糸状または帯状に入るもの。多くは濃い色が入り、中には中心に向かってグラデーションになるものも。 スポット 花弁に小さな斑点が入るもの。斑点の入り方はさまざまです。 ベイン 花弁に脈状の模様が入るもの。 ネット スポットとベインが重なるように入り、網目状の模様が広がるもの。 ブロッチ 大きめのスポットが重なり合い、大きな斑点のように見えるもの。 フラッシュ フラッシュが現れたクリスマスローズ「ウィンターシンフォニー」(*)。 花弁のつけ根から先に向けてスポットが密に広がるもの。花全体では星形のように見えます。 アイ 花弁のつけ根にスポットが固まるもの。フラッシュとは異なり、花弁全体に広がりません。 バイカラー バイカラーの小輪で近年注目のクリスマスローズ「ウィンターシンフォニー」。小さな花が愛らしい小輪系スイングシリーズ(*)。 花弁の表と裏で色が異なるもの。また、花弁の内側が2色に分かれているものもバイカラーと呼ばれます。 これらの模様や花姿のバリエーションの他、花の咲き方を示すカップ咲きや星咲きなど、さまざまな花姿を持つクリスマスローズがあります。 クリスマスローズ「ウィンターシンフォニー」ホワイト・ピコティーのダブル(*)。 クリスマスローズでは珍しい黄色系の花に、糸のように細いピコティーが入る「ウィンターシンフォニー」シリーズの一つ(*)。 グリーンの花弁に紫色のピコティーが入った「ウィンターシンフォニー」シリーズのクリスマスローズ。裏が濃紺のバイカラー(*)。 「ウィンターシンフォニー」シリーズの中でも黒紫色のダブルは、シックでありながら豪奢な印象。ウィンターシンフォニーⅡ(セカンド)多弁咲き(*)。 クリスマスローズの育て方 クリスマスローズの植え付けの適期は10月、または2~3月頃。購入した年から花を楽しみたいのなら、開花株や開花見込み株を購入しましょう。一年生の実生苗などは、購入した年には花が咲かず、株が充実してから花が見られるようになります。 また、苗の選び方にも注意が必要。クリスマスローズは、ラベルを見て苗を購入しても、ラベルと同じ花が咲くとは限りません。特に株が充実していない若い株の場合、ダブル咲きのはずがシングルになることなどがあります。また、発芽一年未満の小さな実生苗の場合はどんな形質の花が咲くのか、花が咲くまで分からないこともあります。欲しい花が決まっている場合は、少々割高でも開花株で花を確認して購入するとよいでしょう。ただし、細胞を培養して育てたメリクロン苗の場合は、親の形質をそのまま引き継ぐため、ラベルで花を確認して購入することができます。 ヨーロッパが原産のクリスマスローズは、寒さには強いですが、暑さはやや苦手。夏越しの際には、直射日光や西日が当たらない涼しい場所で管理するとよいでしょう。庭に植え付ける場合は、夏には日陰になる落葉樹の下などがオススメです。過湿を避け、水はけのよい土で栽培します。秋に植え付ける際は、根詰まりしないよう根を軽くほぐしましょう。一方、春に植え付ける場合は、根を傷めると生育が悪くなることがあるので注意を。鉢植えの際は、秋から初夏の生育期にはたっぷりめに水を与え、夏場は乾かし気味に管理しましょう。 栃木県にあるナーセリー「コピスガーデン」の冬に咲く「ウィンターシンフォニー」のクリスマスローズ(*)。 前シーズンに展開した葉がある場合、11~12月頃に古い葉を切る古葉切りの作業を行います。開花期が近づき、花芽が膨らんでくると、古葉が葉柄から倒れるので、葉柄の基部から3cmほどを残して切り取ります。傷んだ葉を取り除くことで、株元に光がよく当たるようになります。軸を残して切り取るのは、乾かして腐らないようにするため。残った基部は完全に枯れて簡単に抜けるようになったら引き抜きましょう。 開花期には、タネをつくって株の体力が奪われないよう、膨らみ始めた子房を摘み取る子房取りと、花柄切りの作業をすると、より長く花を楽しめます。花柄を切る際は、花柄についているすべての花が咲き終わってから基部を3cmほど残して切り取ります。タネを採りたい場合は、これらの作業は必要ありません。開花やタネ採りが終わった花柄は順に切っておき、完全に枯れたら取り除きましょう。 夏場は水切れに注意が必要。夏場に葉が枯れてしまった場合にも、根が生きていれば秋以降にまた芽を出してくれるので、諦めずに管理を続けましょう。夏場は休眠するので、肥料は必要ありません。 クリスマスローズは生育が旺盛なので、根詰まりしないよう、1~2年に一度は植え替えが必要です。根が回っている場合は根をほぐし、一回り大きな鉢に植え替えます。株が込んできたら株分けをすると、株の更新を促し、株を増やすことができます。株分けをする場合にはなるべく3芽以上つけて分けるようにしましょう。 ウィンターシンフォニーⅡ(セカンド)絞り咲き(*)。 協力:大森プランツ http://www.omoriplants.com/ *の写真はすべてクリスマスローズ「ウィンターシンフォニー」及び「ウィンターシンフォニーII(セカンド)」シリーズ(写真提供/大森プランツ)。「ウィンターシンフォニーII(セカンド)」シリーズは、ベーシックなラインナップに加えて、さらに各色のバリエーションを追求した2018年登場の魅力的な新シリーズ。オンラインショップにて購入可能です。 参考:『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ2 クリスマスローズ』(野々口稔著 NHK出版刊)



















