スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

丈夫でぐんぐん育つ! 初心者でもできるシルバープリベット(プリペット)の育て方
初心者でも安心! 可憐な花が咲くシルバープリベット シルバープリベット(プリペット)はモクセイ科イボタノキ属に分類され、中国やヨーロッパを原産とする植物です。別名セイヨウイボタノキ、セイヨウボタ、ヨウシュイボタノキなどとも呼ばれています。 萌芽力が強く丈夫なのが特徴で、大きさは3mほどになることもあります。暑さや寒さ、乾燥にも強く、初心者にも育てやすい植物です。好きな形に刈り込んでも元気よく成長するため、生け垣や目隠しにも向いています。 花期は5〜6月で、白くて小さく、香りのよい花を咲かせます。関東以西の暖かい地域では常緑ですが、寒い地域では葉を落とすこともあるため、「常緑〜半落葉低木」に分類されます。 シルバープリベットは剪定がポイント シルバープリベットのお手入れで欠かせないのが剪定です。 シルバープリベットは白い斑入りの葉が特徴ですが、時々「先祖返り」を起こして斑のない緑色の葉が生えてくることがあります。緑の葉が生えてきた場合、そのまま放置してしまうと、樹木全体が緑色の葉になってしまいます。これを防ぐためには、緑の葉がついた枝を見つけたら、時期を問わず切ることが大切です。 さらに、適期に本格的な剪定も行う必要があります。しかし、非常に萌芽力が強いため、剪定に多少失敗してしまってもまたすぐに枝が伸びてきます。強い剪定が初めての人でも安心してチャレンジできるのも魅力です。 置き場所や手入れ方法は? シルバープリベットの育て方 丈夫なので、難しいお手入れもいらず、育てやすいシルバープリベットですが、ビギナーさんでも安心して栽培できるよう、育て方についても詳しく解説します。 シルバープリベットの土は水はけがポイント シルバープリベットはある程度豊かな土壌であれば肥料が無くても育つほど、あまり土質を選ばない植物ですが、水はけがよいほうが栽培に適しています。 庭植えの場合は、植え付けの時に掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで戻します。 鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を6:4または7:3の割合で配合した土、もしくは市販の培養土を使いましょう。 シルバープリベットはなるべく日向に置いて シルバープリベットは日向を好みます。夏の直射日光でも葉焼けしないほど日差しに強いので、日当たりのよい場所で育てましょう。半日陰だと、葉の斑が綺麗に出なくなったり、前述の「先祖返り」により斑がなくなってしまうこともあります。また花付きが悪くなったりすることもありますので注意しましょう。 ぐんぐん育つ! 植え付け・植え替えは余裕を持って 植え付けや植え替えの適期は春か秋です。具体的には3〜5月、もしくは9〜10月がよいでしょう。基本的には、地植えで育てるのが一般的です。 地植えの場合は、苗の根鉢の直径の2倍ほどの大きさの穴を掘り、掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。株間は30〜40cmほどあけましょう。掘った穴に株を植え付けて土を戻し、最後に水をたっぷり与えます。苗が不安定な場合は支柱を立てて固定します。 鉢植えの場合は、スリット鉢または網を敷いて軽石を入れた鉢の1/3ほどまで土を入れます。その上に株を置き、残りの土を入れて植え付けます。最後に水をたっぷり与えましょう。植え替えをする場合は、基本的に1回り大きなサイズの鉢に植え替えます。 乾燥にも強い! 水やりはタイミングをみて シルバープリベットは乾燥に強いため、地植えの場合は基本的に自然の雨水のみで育ちます。夏に日照りが続いたときなど、ひどく乾燥する場合には水を与えます。また、植え付けから約2週間は、根がしっかり張るまで毎日水やりをします。 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。 軽い剪定はこまめに! 本格的な剪定は初夏がおすすめ シルバープリベットの剪定は、傷んだ枝を取り去ったり先祖返りを防ぐために軽く切ったりする剪定と、株の形を整える本格的な剪定があります。 軽い剪定は季節を問わず行います。 本格的な剪定は2〜3月、もしくは6〜7月に行います。ただし2〜3月に剪定を行うと花芽を取り除いてしまうため、花を楽しみたい場合は本格的な剪定は6〜7月に行いましょう。 剪定せず放任すると株がどんどん大きくなってしまうので、剪定は欠かせない手入れです。適度に剪定することで、株の蒸れや病害虫の予防にも繋がります。 シルバープリベットの肥料はゆっくり効くものを シルバープリベットは肥料がなくても育つ丈夫な植物ですが、大きくしたいときには肥料を与えると生育がよくなります。 肥料の適期は春と秋、2〜3月と9月です。緩効性化成肥料または骨粉入り固形油かすを、葉先や枝先の下に位置する地面にまきましょう。 反対に、これ以上大きく育てたくない場合には、肥料を控えるとよいでしょう。 シルバープリベットにつきやすい病害虫は? シルバープリベットは丈夫なので、基本的に病害虫によるトラブルは少ないです。 ときどき葉の表面に白いカビが生えるうどんこ病が発生することがあります。うどんこ病は見つけ次第、感染した葉を切り取ります。 害虫はハマキムシやコガネムシ、ガの幼虫などのイモムシ類が付くことがあります。 ハマキムシが付いた場合は、葉ごと切り取って除去します。その他の虫は割りばしなどで1匹ずつ取るか、殺虫剤で対処します。 植え付けの際に株間をきちんとあけたり、定期的に剪定して株が蒸れないようにすることで、病害虫の予防になります。 丈夫なシルバープリベットは挿し木も成功しやすい! シルバープリベットは挿し木で増やせます。挿し木に適した時期は6〜7月です。 挿し木の方法は以下の通りです。 若くて生育のよい枝を、切り口が斜めになるように10〜15cm程度に切り、切り口付近の葉を取り除きます。15〜30分ほど水揚げをした後、小粒の赤玉土などを入れたポットに挿します。その後は、乾燥しないよう水をこまめに与えましょう。根と新芽が出てきたら、鉢か地面に植え付けます。 生け垣づくりにはぜひシルバープリベットを 生け垣づくりはサイズも大きく、少し大がかりに見えて、初心者は不安に思うかもしれません。シルバープリベットなら丈夫でよく伸びるので、安心して生け垣づくりに挑戦できます。少しくらい剪定を失敗してしまっても大丈夫。初めての強い剪定の練習用としてもおすすめの植物です。生け垣や庭木として、シルバープリベットを取り入れてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

秋のガーデンの主役を担う豪華な球根花「ダリア」
豪華な花を咲かせるダリア 秋のガーデンの主役を担うダリア。その醍醐味はなんといっても圧倒的な存在感。ダリアにおいては花径10cmでも小輪と呼ばれ、大きな花では30cmに達するものもあります。色はもちろん咲き方、草丈、花径、花期のバリエーションが豊富で、数万という単位で品種数が存在しています。 近年では大型のダリアと区別して、プチダリアまたはガーデンダリアと呼ばれる小型の品種も人気です。草丈が20cmからと扱いやすく、寄せ植えなどにも用いることができます。 ガーデンダリアは一年草扱いですが、従来の大型のダリアは夏から秋に開花する春植え球根植物で、1mを超える草丈のものも多いので、支柱を立てて育ててあげましょう。特に、巨大輪は花を支えるためのサポートがあった方がキレイに咲かせることができます。 美しいダリアの品種を一部ご紹介 左/‘ジョイフル・インベストメント’ 2種類の花びらが組み合わさった面白い咲き方は「コラレット咲き」と呼ばれます。 中/‘デヴリル’ 淡いピンクのグラデーションが美しい花。「カクタス咲き」。 右/‘ジェスコット・ジュリー’ 花びらの表は淡いオレンジ色、裏は朱色というおしゃれな花。 左/‘ハワイ’ 花びらが幾重にも重なってまん丸い形を作る「ポンポン咲き」。 中/‘アラウナ・クレア・オブスキュア’ ルビーレッドと白のドラマチックな花色。細い花弁が集まって咲く「カクタス咲き」。 左/‘ホンカ・ピンク’ フューシャピンクの花びらと黄色い花心のコントラストが鮮やか。花びらが内巻きになる面白い花姿の「オーキッド咲き」。 中/‘ラッキー・ラブ’ 着彩したかのような個性的な花色。花びらが8枚並ぶシンプルな「シングル咲き」。 右/‘シニアズ・スピリット’ 黄色と赤色の花弁が目を引きます。平たい花びらがキレイに並んだ八重咲きで「デコラティブ咲き」と呼ばれます。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/top)Pakorn Chunhaswasdikul/1-3)InfoFlowersPlants/Shutterstock.com
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果樹

【完全版】おうちで果樹園をつくろう! 家庭で育てやすい人気の果樹を厳選紹介!
果樹とは? Jennifer Vinciguerra/Shutterstock.com 果樹とは、フルーツやナッツなど実がなる木のことで、ライフサイクルの長い植物です。新芽を吹いて新緑を展開し、開花後に結実。落葉性のものは晩秋に葉を落として休眠します。また翌年の春には目を覚まして新芽を出すというライフサイクルで、年を経るごとに木は成長していきます。一度植え付ければ、四季が巡るごとに表情を変えて季節感を味わえ、さらに実りの恵みをもたらしてくれるのも果樹栽培の醍醐味です。 果樹の育て方 encierro/Shutterstock.com 果樹の苗は、まだ幼い一年生苗が出回っていることがほとんど。この場合、2〜3年は収穫を見送って、木の育成に努めることになります。幼木にはまだ実をつける能力が十分に備わっていないので、木に負担がかかってしまうからです。子孫を残せる力をつけた大人の木になるまでは、まず枝葉を充実させる管理からスタートすることを知っておいてください。ただし、すでに繁殖能力を備えた成木を購入した場合は、植え付け後のシーズンから収穫が楽しめます。 果樹は、一度根付けば放任しても毎年の収穫を楽しめます。しかし、その果実の質を高めようとすると、比較的手のかかる植物といえるでしょう。人工授粉、摘果、袋かけ、果実を充実させるための剪定など、美味しくするテクニックはさまざま。けれども、手をかけた分だけ応えてくれるのが、果樹栽培の楽しさともいえます。青果店やスーパーに並んでいるフルーツは、じつのところ早採りして追熟させたものが一般的です。家庭栽培では、完熟したフルーツ本来の味わいを堪能できるのも魅力の一つといえます。 果樹の植え付け azem/Shutterstock.com 果樹の苗木を植え付け時期は、根が活動していない休眠期が適期。果樹の種類によっても異なりますが、多くの場合、11~3月が植え時です。寒さに弱い常緑果樹は厳冬期を過ぎた3月頃に、熱帯性の果樹なら4~6月に植え付けるとよいでしょう。また、鉢栽培の場合は厳冬期を過ぎた3月頃に植えるのがおすすめです。 地植えの場合は、植え付け場所の日当たりや土壌に加え、果樹が十分に根を伸ばせる深さと広さがあるかも確認しましょう。一度植え付けると移動が難しいので、場所をよく吟味してから植え付けるのがベターです。植え場所は事前によく耕し、堆肥や腐葉土など植えたい樹種に合わせた土壌改良剤や肥料を混ぜて準備しておきましょう。 鉢植えの場合は果樹栽培用の培養土など、それぞれの樹種に合った土を用意し、1~2回り大きな鉢に植え付けましょう。鉢植えの場合、木が成長すると鉢の中で根がいっぱいになり、根詰まりを起こしてしまうため、必要に応じて植え替えながら栽培します。 植え付け後はたっぷりと水をやりましょう。 果樹の水やり Silarock/Shutterstock.com 地植えの場合、よほど乾燥しなければ、基本的に水やりは必要ありません。モモやブドウなど、乾かし気味に育てたほうが美味しい実ができるものもあります。 鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたのを確かめてから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。 果樹の肥料 photowind/Shutterstock.com 肥料を与えるタイミングは樹種によっても異なりますが、翌年のための栄養分が蓄えられる9月下旬~10月下旬頃の秋に緩効性の肥料を、また花後にお礼肥、実が膨らみ始めた頃に追肥を与えるとよいでしょう。まだ充実していない若い苗の場合、4~5月にも追肥を行うと成長が促進されます。果樹を美味しく育てるために最適な肥料分は、花苗用の配合とは少し異なるため、果樹専用の肥料を使うのがおすすめです。肥料は多く施せばよいという訳ではなく、控えめにしたほうがよい場合もありますので、適量を施すようにしましょう。 果樹の剪定 vladdon/Shutterstock.com 樹勢や樹形をコントロールし、枝数を調整して充実した実を付けさせるためにも、果樹の剪定は欠かせません。落葉果樹の場合は12~2月の落葉期、常緑果樹の場合は新芽が芽吹く直前の2月下旬~3月下旬に主な剪定を行います。冬に開花して実がなる果樹は、9月に行うとよいでしょう。 剪定の際は、残す芽のすぐ上で切るのが基本。また、果樹は種類によってその年の伸びた枝(新梢)に花を咲かせて実をつけるものと、前年に伸びた枝(前年枝)に花を咲かせて実をつけるものがあります。間違えて花芽を落としてしまうと実がならないので、それぞれの果樹の剪定方法をよく確認しておきましょう。 果樹の病害虫対策 果樹栽培で、どうしても避けては通れないのが病気や虫による被害。剪定をして風通しよく育て、落ち葉などを掃除することで、ある程度病害虫の発生を抑制することができます。また、病気に強い苗木を選ぶことも効果的です。庭で果樹を育てている場合は、他の植物から病害虫が移ってこないよう、庭全体の植物もチェックを。それらの対策に加え、病害虫が発生してしまったときは、薬剤も上手に使って対処しましょう。 薬剤というと、少し心配になるかもしれませんが、日本で販売されている農薬はすべて厳しい安全基準をクリアしているので、必要以上に怖がらなくても大丈夫。使用の際は、ラベルなどに記載されている注意事項をよく確認し、用法・用量を守って使用するようにしましょう。 また、ジューンベリーなどの果樹は、野鳥に実を食べ尽くされないよう、防鳥ネットを張るなどするとよいでしょう。 種類別! おすすめ果樹紹介 ここからは、「ベリー系」「柑橘系」「トロピカルフルーツ系」「育ててみたい人気のフルーツ」「少ないメンテナンスで育つ果樹」の項目を立てて、おすすめの果樹を取り上げていきます。いずれも家庭で栽培しやすい果樹ばかりです。 ベリー系 【ブルーベリー】 Likee68/Shutterstock.com ツツジ科スノキ属の落葉性・半落葉性低木で、原産地は北アメリカ。樹高は1.5〜3mで、樹形は株立ち性です。3月下旬〜4月中旬にベル形の小さな花が鈴なりに開花。収穫期は6月下旬〜9月。ハイブッシュ系、ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系に大別されます。ラビットアイ系は暑さや乾燥に強く、収穫は主に6月下旬〜7月中旬頃、ハイブッシュ系は涼しい気候を好み、乾燥が苦手で、収穫は7月中旬〜8月下旬頃。授粉樹が必要なため、異なる品種を2本以上植える必要があります。品種によって開花期に幅があるので、同時期に咲くもの同士を選ぶことがポイント。日当たり、風通しのよい肥沃な土壌に植え付けます。鉢栽培する場合は、10号鉢または幅90cmのプランターに異なる品種を2株植え付けましょう。たくさん収穫できたらジャムづくりにもチャレンジを。 【ラズベリー】 Nitr/Shutterstock.com バラ科キイチゴ属の落葉性低木で、原産地はヨーロッパ、北アメリカ。樹高は1〜1.5mで、樹形はほとんどが株立ち性です。4月下旬〜6月頃に白または淡いピンクの花が咲き、収穫期は6月下旬〜7月中旬。品種によって果実の色は赤、黒、紫の3つに分けられます。自家受粉するので1本植えるだけでよく実ります。寒さに強く、樹勢が強いためビギナーでも育てやすい果樹です。日当たり・風通しがよく、水はけのよい場所に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、7〜8号鉢に植え付けます。ジャムやソースにしても美味です。 【ブラックベリー】 ch_ch/Shutterstock.com バラ科キイチゴ属の落葉性低木・つる植物で、原産地は北アメリカ。樹高は1.5〜3m。樹形は木立性・半つる性・つる性と品種によって異なりますが、多くはつる性で、フェンスなどに誘引して仕立てるとよいでしょう。5〜6月頃に白または淡いピンクの花が咲き、収穫期は6月下旬〜8月中旬。果実は赤から黒へと変化し、見映えがよく美しいのも特徴です。自家受粉するので1本植えるだけでよく実ります。寒さに強いものの、地植えの北限は東北地方辺りまで。日当たりのよい場所を好みますが、半日陰にも耐えます。風通しがよく、水はけのよい場所に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、7〜8号鉢に植え付けます。ジャムやソースに加工できます。 柑橘系 【レモン】 IgorZh/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑低木で、原産地はインド。自然樹高は2〜4mですが、剪定によって1.8mくらいに抑えて管理するとよいでしょう。5〜6月頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は10月下旬〜3月。自家受粉するので1本植えるのみでOK。きちんと管理すれば鈴なりに果実がつくので、料理などに重宝します。寒さには弱いのですが、東京以西の太平洋側では地植えが可能です。凍結する地域では地植えは難しいので、鉢栽培で楽しむのがおすすめ。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 【温州ミカン】 Tuzemka/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑低木で、原産地は中国南部、日本。樹高は1.5〜2mです。5月中旬〜6月中旬頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は9月中旬〜12月。自家受粉するので1本植えるのみでOK。温州ミカンは収穫時期によって、極早生、早生、普通、晩生に分類されます。寒い地域では早生を、温暖な地域では晩生を選ぶとよいでしょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 【ユズ類】 Owl_photographer/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑中高木で、原産地は中国。樹高は3〜10mに達しますが、剪定によって1.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は8月下旬〜12月中旬。自家受粉するので1本植えるのみでOK。ビギナーでも育てやすく、病害虫に強いのが特徴。ユズは特に柑橘類の中でも寒さに強いほうで、東北地方南部までは越冬できます。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 トロピカルフルーツ系 【パッションフルーツ】 Angela Rohde/Shutterstock.com トケイソウ科トケイソウ属のつる性常緑多年草で、原産地はブラジル南部。草丈は3mほど。4、6、10月頃にユニークな姿の花が咲き、収穫期は8月頃。果実を半分に切り、ゼリー状の部分を種ごとすくって食します。自家受粉するので1本植えるだけでOK。つるを伸ばして生育するため、フェンスや支柱などに誘引して仕立てましょう。霜が降りない場所であれば越冬しますが、それ以外では鉢栽培にするのが無難。日当たり、風通しがよく、水はけのよい砂壌土に浅植えにします。鉢栽培する場合は7号鉢に植え付け、行灯仕立てにします。 【フェイジョア】 hvoya/Shutterstock.com フトモモ科アッカ(フェイジョア)属の常緑低木で、原産地はブラジル南東部、ウルグアイ、パラグアイ。樹高は2mほど。6月下旬頃に愛らしいピンクの花が咲き、収穫期は10月下旬〜11月下旬頃。果実は横から半分に切り、中心をすくって食べます。パイナップルとイチゴ、バナナをミックスしたような芳醇な香りでクリーミーな食感です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせましょう。トロピカルフルーツですが、-10℃程度まで耐えるようです。日当たり、風通しがよく、水はけのよい土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は8〜10号鉢に植え付けます。収穫は自然落下した果実を拾い、3〜10日ほど追熟するとよいでしょう。ジャムにしても楽しめます。 【ポポー】 EQRoy/Shutterstock.com バンレイシ科ポポー(アシミナ)属の落葉高木で、原産地は北アメリカ南部。高木に分類されていますが、樹高を2.5mほどに抑える剪定にして管理しやすくするとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃にチョコレート色の花が下向きに咲き、収穫期は9月下旬〜11月上旬頃。カスタードとバナナをミックスしたような濃厚な香りの果肉を食します。「森のアイスクリーム」とも評されますが、なかなか市販されていないので、家庭で栽培するメリットのある果樹です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせましょう。トロピカルフルーツですが、耐寒性が強いのが特徴です。日当たり、風通しがよく、水はけのよい土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は8号鉢に植え付けます。収穫は自然落下した果実を拾い、数日追熟するとよいでしょう。 育ててみたい人気のフルーツ 【モモ・ネクタリン】 Anton Watman/Shutterstock.com バラ科サクラ属の落葉高木で、原産地は中国。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。果皮にうぶ毛があるものがモモ、ないものがネクタリンです。4月上旬頃に多数の花が咲き、収穫期は7月下旬〜9月上旬頃。自家受粉するので1本植えるのみでOKですが、人工授粉をして確実に実らせましょう。実がついたら袋かけをして、病害虫から守ります。市販のモモは完熟の4〜5日前に収穫して流通させるので、家庭栽培では糖度が2〜3度上がる完熟の甘みを味わえるのがメリットです。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。乾燥がやや苦手です。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ナシ】 Christian Jung/Shutterstock.com バラ科ナシ属の落葉高木で、原産地は日本。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。寒さに弱く、地植えの北限は関東北部まで。4月下旬頃に多数の花が咲き、収穫期は9月中旬〜10月中旬頃です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせます。一つの花房に7〜8個の花をつけますが、摘果して最終的に1個のみ残します。病気になりやすいので袋かけをしましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けます。乾燥がやや苦手です。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ブドウ】 sirokuma/Shutterstock.com ブドウ科ブドウ属のつる性落葉樹で、原産地は中央アジアから地中海沿岸、北アメリカ。つるを旺盛に伸ばし、10mに達することも。つるを支える棚やフェンスなどの設置が必要です。5月下旬〜6月上旬に開花し、収穫期は8月中旬〜9月中旬頃です。自家受粉するので1本植えるのみでOK。実がついたら摘果して袋かけをし、病害虫から守りましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。寒さ、暑さに強く、北海道から九州まで栽培可能です。雨が苦手なので、雨よけ対策が必須。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付け、行灯仕立てにします。 少ないメンテナンスで育つ果樹 【カキ】 Cristina Nakamura/Shutterstock.com カキノキ科カキノキ属の落葉高木で、原産地は東アジア・東南アジアの温帯。高木に分類されていますが、剪定によって2.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃に花が咲き、収穫期は9月下旬〜11月中旬頃。渋ガキ、甘ガキともに自家受粉するので1本植えるのみでOKですが、甘ガキの中には授粉樹が必要なものもあるので、品種を選ぶ際には確認しておきましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けます。地植えでも乾燥が続く場合は、水やりをして補いましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【クリ】 Masayuki/Shutterstock.com ブナ科クリ属の落葉高木で、原産地は日本。高木に分類されていますが、剪定によって2.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。6月頃に花が咲き、収穫期は9〜10月頃。クリは授粉樹が必要なので、異なる品種を2本以上植えましょう。日陰では花芽ができないため、日当たりのよい場所を選び、水はけがよく、堆肥をたっぷりと施した肥沃な土壌に植え付けます。地植えでも乾燥が続く場合は、水やりをして補いましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ビワ】 traction/Shutterstock.com バラ科ビワ属の常緑高木で、原産地は日本、中国。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。11〜2月頃に花が咲き、収穫期は6月頃です。自家受粉するので1本植えるのみでOKで、放任してもかまいませんが、人工授粉をすると実つきがよくなります。温暖な気候を好むため、凍結する場所では鉢栽培で楽しむのがおすすめ。日当たりのよい場所を選び、水はけがよく肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。手間をかけずともよく実りますが、摘果、袋かけをすると果実の質が上がります。 家庭での果樹菜園を楽しもう! FOTO SALE/Shutterstock.com この記事では、ビギナーでも家庭栽培しやすい果樹を取り上げました。それぞれの庭の日照条件や寒暖の環境、土壌、広さなどによって、育ちやすい果樹も絞られてくるので、その中からご自身の好みや目的に合うものを選んでみてください。ぜひ果樹を庭で育てて、甘くてジューシーな完熟果を味わいましょう。 参考文献:『決定版 はじめてでも簡単 おいしい家庭果樹づくり』 著者/大森直樹 発行/講談社 2010年11月28日第1刷発行『決定版 初めての果樹づくり』 監修/髙橋栄治 発行所/主婦の友社 2010年10月10日第1刷発行
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宿根草・多年草

コルチカム(イヌサフラン)の育て方! 透明感のある美しい花を咲かせよう
コルチカムとは Maya Afzaal/Shutterstock.com 花期を迎えると、葉を展開する前に土から直接花茎を伸ばして咲く、ちょっと不思議な花姿が特徴的なコルチカム。透明感のあるピンクや白、紫などの花を、地際付近に美しく咲かせます。日本ではイヌサフランという別名でもよく知られています。 世界に60種ほどの原種がありますが、そのほとんどが秋に花を咲かせる秋咲き。園芸種も多く、秋花壇を飾るガーデンプランツとして広く利用されています。丈夫で育てやすく、多年生で植えっぱなしでも毎年美しい花が楽しめるので、ガーデナーにとっても頼れる存在です。時が経つにつれ、分球して次第に増えるのも嬉しいですね。また、大きな球根に蓄えた栄養により、土や水がなくても開花する珍しい植物で、机の上にそのまま転がしておいたり、コップやお皿などにポンと載せておくだけでも、手軽に花を楽しむことができます。 水は土がなくても花を咲かせます。Sarycheva Olesia/Shutterstock.com Carmen Hauser/Shutterstock.com 早春に咲くクロッカスや秋咲きのサフランとよく似た花を咲かせますが、まったくの別種。コルチカムはユリ科またはイヌサフラン科に分類され、クロッカスやサフランはアヤメ科に属する植物です。 数輪が寄り添うように咲くのも可愛らしい。Lamberrto/Shutterstock.com 見た目は美しくても、じつは危険な有毒植物 Digoarpi/Shutterstock.com その独特の美しい花姿から“裸の貴婦人”とも呼ばれ、ガーデンでもよく栽培されるコルチカムですが、じつは全草にコルヒチンというアルカロイド系の毒を持つ、危険な有毒植物です。コルチカムを摂取すると、腹痛や下痢、嘔吐などの中毒症状が現れ、最悪の場合は死に至ります。日本でも、誤ってコルチカムを口にしたことによる死亡事例が近年においても発生しています。イヌサフランという別名もありますが、サフランと違い、コルチカムは食用にはならないのでご注意を。また、コルチカムは鎮痛薬として用いられることもありますが、その場合にも嘔吐や下痢などの副作用が出ることがあります。 ギョウジャニンニクとの誤食が多い、コルチカムの若芽。Ekaterina Kolomeets/Shutterstock.com コルチカムの鱗茎部分はジャガイモやニンニク、タマネギなどと、春に芽吹いたばかりの葉はギョウジャニンニクとよく似ています。いずれの部分にも強い毒性があるので、誤って口にしないよう、栽培の際には家庭菜園のエリアとは別にしたり、山菜を採集する際には確認を怠らないようにするなど、十分に注意が必要です。 Mariola Anna S/Shutterstock.com コルチカムの花言葉の一つである「危険な美しさ」は、この毒性からつけられたものでしょう。また、「悔いなき青春」など、明るい花言葉も持っています。 コルチカムの品種 コルチカムには多くの原種がありますが、特にコルチカム・オータムナーレやコルチカム・スペシオサムを中心として作出された園芸品種が多く流通しています。ここでは、ガーデンでよく見かける花を中心に、コルチカムの品種をいくつかご紹介します。 alexmak7/Shutterstock.com 最も一般的な品種が、コルチカム・オータムナーレ。大きな花弁を持つピンク色の花が可愛らしく、秋のガーデンでよく見かけます。 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 清楚な印象の白花品種も。 Flower_Garden/Shutterstock.com こちらもガーデンでよく利用される、コルチカム・スペシオサム。 Nick Pecker/Shutterstock.com ゴージャスな八重咲き大輪花を咲かせる園芸品種‘ウォーターリリー’。その名の通り、まるでスイレンのような花形が印象的です。 Andrew Fletcher/Shutterstock.com 花色が濃く鮮やかな‘バイオレット・クイーン’。 これらのほか、コルチカムには珍しい黄花で春咲きのコルチカム・ルテウムなどもあります。 コルチカムのガーデン実例 秋のガーデンを彩るコルチカム。そのガーデンでの使い方の実例を、いくつかご紹介します。 Helga_foto/Shutterstock.com グラスやチェリーセージと合わせて、秋らしいガーデン風景に。 Maya Afzaal/Shutterstock.com グラスに囲まれた中に、草丈が同程度のコルチカムをまとめて植えて。 Jaro Mikus/Shutterstock.com Philip Bird LRPS CPAGB/Shutterstock.com 花ばかりが一斉に咲くコルチカムは、群植させると見事な光景をつくります。スペースがあれば、花の川のようにデザインすることもできます。 Sophie Leguil/Shutterstock.com イギリスのキューガーデンに植えられたコルチカム・シリシカム。この品種もよくガーデンで利用されます。花が咲くまでは土や水がなくてもいいコルチカムは、ロックガーデンにも。 mubus7/Shutterstock.com 樹木の株元をカバーするように、周囲にコルチカムが群植されているのもガーデンではよく見られる光景です。 Melanie Faulstick/Shutterstock.com 芝生の中にナチュラルに咲かせたコルチカム。フランス・ジヴェルニーのモネの庭にて。 Vladiri/Shutterstock.com ボックスいっぱいに詰め込んだコルチカムを、ガーデンのアクセントに。 DimaBerlin/Shutterstock.com 花がすっくと伸びるコルチカムは、単体でポットに植えて並べても存在感があります。 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com コンテナや可愛い器に入れて、室内で楽しむのもいいですね。 コルチカムの育て方 Artem Charkin/Shutterstock.com コルチカムは9~10月に植え付け期を迎える、夏~秋植え球根。開花期は9月中旬~11月頃で、草丈は5~30cmと、あまり大きくならないガーデンプランツです。耐寒性、耐暑性ともに強い丈夫な植物で、土質もそれほど選ばず育てることができます。 コルチカムの球根。Nadezda Verbenko/Shutterstock.com 球根に栄養分を蓄えているため、花を咲かせるだけなら土に植え付けなくても楽しむことができますが、翌年以降の開花のためには、球根をしっかり育てる必要があります。土に植えずに楽しんだ場合、花後は土に植え、春に伸びる葉をよく成長させましょう。また、水耕栽培にすると根が伸び、植え付けの際に伸びた根を傷めてしまうこともあるので、土に植えない場合は水は与えずに育てたほうがよいでしょう。 Mariola Anna S/Shutterstock.com 栽培の際は、日当たりがよい場所で管理し、水はけのよい土に植え付けましょう。光が弱いと、花色が薄くなることがあります。球根を植え付ける時は、元肥を施した土に深めに植え、土が乾いたら水やりをします。 春、葉が伸びたコルチカム。Helga_foto/Shutterstock.com 花後、早春から新芽が伸び出し、初夏まで艶のある葉が茂ります。梅雨頃に葉が枯れたら水やりをストップし、枯れた葉を取り除いて球根を休眠させましょう。水はけのよい土であれば植えっぱなしで構いませんが、高温期の長雨で球根が傷むこともあるので、梅雨前に掘り上げて風通しのよい日陰で保管しておくのもよい方法です。 Flower_Garden/Shutterstock.com 地植えの場合は数年植えっぱなしでも花を咲かせますが、分球して次第に増えるので、株が込んできたら植え直しを。鉢植えの場合は、毎年分球して植え替えをするとよいでしょう。 参考文献:「みんなの趣味の園芸」NHK「自然毒のリスクプロファイル」厚生労働省
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古くから親しまれてきたシオンってどんな花? 特徴や育て方をご紹介
シオンの概要 シオンはキク科シオン属の草花です。原産地は日本、中国、朝鮮半島、シベリアなど。日本に古くから自生してきたことから、環境にも馴染み、育てやすい植物です。しかし、日本での自生種は九州、中国地方の山間部にわずかに確認されているくらい数を減らしており、絶滅危惧種に指定されるほどになりました。ここでご紹介するシオンは、国内で園芸用として流通している種類です。 シオンは多年草に分類されており、春に新芽を出して旺盛に生育し、秋に開花。寒くなるとともに地上部を枯らして休眠し、越年してまた翌春になると新芽を出して生育を始める……というライフサイクルを繰り返します。一度植え付ければ、何年も決まった時期に開花を楽しめ、コストパフォーマンスに優れています。 シオンの花の特徴 シオンの草丈は50〜200cm。幅があるのは種類によって異なるからで、苗を購入する際は、庭のスペースに合うサイズかどうか、ラベルなどで確認するとよいでしょう。開花は9〜10月。花色は淡い薄紫で、花心は黄色。茎の頂部に咲かせる花は、一輪の直径が2.5〜3cmと小さいのですが、大変花つきがよく、満開時には色の塊となって目に飛び込み、華やかなシーンを作り出してくれます。 シオンの別名・名前の由来・花言葉 シオンは漢字で「紫苑」と書きます。「苑」は広い土地や庭といった意味があり、紫の花が群れて咲き誇る様子に由来するようです。「醜草(おにのしこくさ)」「思い草(おもいぐさ)」の別名があり、これは『今昔物語』がルーツとか。また十五夜の頃に満開になることから、「十五夜草(じゅうごやそう)」とも呼ばれています。 学名のAsterは、ギリシャ語で「星」という意味で、放射状に花弁をつける花姿を星にたとえたことから。花言葉は、「追悼」「君を忘れない」などがあります。 シオンの育て方 ここまで、シオンの基本情報や特徴、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、シオンに適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 適した栽培環境と置き場所 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を好みます。明るい半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日陰では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長ぎみに伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。また、西日が強く当たる場所は、真夏に乾燥しすぎて株が弱ったり、葉焼けしたりすることがあるので、東南側が向いています。寒さには強いので、周年植えっ放しにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に、日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。真夏は西日が当たらない場所に移動しましょう。一年を通して戸外で管理してもかまいません。 土づくり 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え シオンの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月上旬か10月下旬〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、7〜10号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ポットから取り出した苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は旺盛に生育する4月中旬〜5月中旬と、次々と開花する9月中旬〜10月中旬に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して周囲の土に馴染ませます。 摘心と花がら摘み 【摘心】 シオンは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。茎葉が増えることで花数も多くなるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 シオンの終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 病害虫対策 【病気】 シオンに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 シオンに発生しやすい害虫は、アザミウマやアブラムシなどです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿の昆虫で、群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 冬越し 【地植え・鉢植えともに】 シオンは寒さに強いので、そのまま戸外で越冬できます。秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。温暖な地域では、そのままで越冬しますが、寒冷地では凍結対策として、腐葉土かバークチップをたっぷりと被せておくとよいでしょう。休眠中、地植えの場合は特に水やりは不要ですが、鉢栽培の場合はカラカラに乾燥させることのないように、控えめに水やりを続けてください。 増やし方 【株分け】 シオンは、株分けして増やすことができます。株分けの適期は3〜4月上旬か10月中旬〜11月上旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 シオンは、挿し芽で増やすことができます。挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、シオンは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は5月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 『今昔物語』にも登場する日本で古くから愛されてきたシオン 秋の庭を彩る美しい花として、古くから親しまれてきたシオン。花もちがよいので、たくさん咲いたらインテリアに飾って楽しむのもいいですね。生命力旺盛で、手をかけずともよく育ち、一度植え付ければ毎年開花を楽しませてくれるシオンを、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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可憐で野生的な魅力もあるストケシア! 綺麗に咲かせる育て方とは
ストケシアの主な特徴 ストケシアについてはあまり馴染みがなくて、どんな花なのかピンとこない、という方も多いかもしれませんね。まずは、基本情報や主な特徴、花言葉についてご紹介します。 基本情報 ストケシアは、キク科ストケシア属の草花です。原産地は北アメリカ南西部の南カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナなどで、暑さや寒さに強い性質をもっています。和名は「ルリギク」で、大正時代に日本に持ち込まれました。草丈は40〜50cmで、根が広がりやすく、大株に育ちます。栽培は容易で、根付けば放任してもよく育つ丈夫な性質です。 花や葉の特徴 ストケシアの開花時期は6〜10月で、長い期間にわたって花茎を次々に上げ、開花を楽しませてくれます。花茎を伸ばした先端に、径6〜7cmの花が咲きます。花色は、青紫の濃淡、濃い赤紫、ピンク、白、黄など。ストケシアの葉は明るいグリーンで細長く、茎に対して互生につきます。 ストケシアの花言葉 ストケシアの花言葉には「清楚な娘」「清らかな乙女」「追憶」「追想」「たくましさ」などがあります。「清楚な娘」「清らかな乙女」は、エレガントな色や花姿からイメージされたのでしょう。「追憶」「追想」は、多年草で一度根づけば毎年同じ場所で開花することから。「たくましさ」は、手をかけずともよく育って増え広がる性質に由来するとされています。 栽培環境 ストケシアは、どのような環境を好むのでしょうか。まずはストケシアの性質を把握し、栽培に適した場所の選定や、健康に育つ土づくりから始めましょう。 適した場所 【地植え】 ストケシアを植え付ける際には、日当たり、風通しのよい場所を選びます。日陰では、ヒョロヒョロと茎葉が間のびして軟弱な株姿になり、花つきが悪くなるので注意してください。また多湿を嫌い、水はけのよい環境を好みます。水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。 【鉢植え】 日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。 用土 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 育て方の基本 ここまで、ストケシアの基本情報や特徴、花言葉、適した栽培環境などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ストケシアの植え付けや、水やり、施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説していきます。 植え付け・植え替え ストケシアの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月か9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜40cmの間隔を取っておきます。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、7〜8号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出し、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けていきます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大鉢にほかの植物と一緒に植え込んで、寄せ植えを作ってもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ストケシアは多湿を嫌うので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。一方で、水切れすると葉が枯れ込んでくるので、適切な水の管理を心がけてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は、春の芽出し前の3月頃と、開花し始める前の5月頃、開花が終わった9月頃に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して周囲の土に馴染ませます。 花がら摘み・剪定・切り戻し 【花がら摘み】 ストケシアの終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【剪定】 梅雨の時期に茎葉が込み合っていると、蒸れて株が弱ることがあるので、込んでいる部分は、適宜間引く剪定をします。風通しよく管理すると、病害虫の発生を防ぐことにつながりますよ! 【切り戻し】 ストケシアは秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。 地植えは根切りが必要 ストケシアは非常に生命力旺盛な植物で、放任してもよく育つのが長所の一つですが、それが短所になってしまうこともあります。環境に馴染むと増えて広がりすぎ、ほかの植物との調和を乱し、あるいは他の植物を駆逐してしまうこともあるのです。主に根を伸ばして増えていくので、株が広がりすぎるのを抑えるためには「根切り」の作業が有効。ストケシアの株の周囲にスコップの刃を差し込み、地中の根を切ります。根を切っても、切れた先からまた芽を出して増え始めるので、切った先の根は掘り上げておくとよいでしょう。 増やし方 ストケシアは、種まき、根伏せ、株分けで増やすことができます。 【種まき】 ストケシアは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 種まきの適期は4月頃か10月頃で、発芽適温は15℃前後です。 3号くらいのポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、1穴当たり2〜3粒ずつ播き、種が隠れる程度に薄く覆土します。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。 発芽したら、日当たり、風通しのよい場所で管理します。本葉が出始めた頃に、勢いのいい苗を1本残し、ほかは間引いてください。葉が傷んでいるものや、ヒョロヒョロと間のびして弱々しいものを選んで間引きます。引き抜く際は、株元を押さえて、残す苗の根を傷めないようにしましょう。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【根伏せ】 ストケシアは、根伏せで増やすことができます。適期は生育期の4〜10月頃です。 黒ポットに市販の草花用培養土を入れて、十分に湿らせておきます。株を掘り上げた際に、比較的太い根を3〜4cmくらいにカットします。黒ポットに根を置き、2cmほど土をかぶせます。水切れしないように管理すると、根から芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。根伏せのメリットは、親株と全く同じクローンになることです。 【株分け】 ストケシアの株分けの適期は3〜4月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 病害虫 【病気】 ストケシアはほとんど病気の心配はありませんが、まれに白絹病が発生することがあります。 白絹病はカビが原因の周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、発症初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて株は枯れてしまうので注意が必要。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 【害虫】 ストケシアは、害虫が発生する心配はほとんどありません。 夏越し・冬越しの注意点 【夏越し】 日本の夏は年々暑くなっている傾向にあり、植物にとっても厳しい状況になりつつあるといえます。直射日光を長時間浴びて、しおれるような兆しがあれば、株の上方に遮光ネットを張るのも一案です。鉢栽培の場合、日当たりのよいコンクリートに囲まれた空間などではかなり気温も上がるので、半日陰で風通しのよい場所に移動するとよいでしょう。 【冬越し】 ストケシアは寒さには強いので、関東以西の暖地では特に防寒対策の必要はありません。冬も戸外で越冬できます。寒冷地では、休眠している株の上に腐葉土やバークチップなどをかぶせてマルチングしておくとよいでしょう。鉢植えの場合、冬は休眠しているので水やりは控えめにしてください。 ストケシアの園芸品種 ストケシアは、品種改良によって生まれた園芸品種も出回っています。‘江戸紫’は代表的な品種で、やや濃い紫色の花が魅力。‘オメガ スカイロケット’は従来の品種よりも花茎が長く伸びてよく分枝し、たくさんの青紫の花を咲かせます。草丈もやや高く、60〜90cmになるのが特徴です。‘ホワイトスター’は、清楚な白花で、花心にやや淡いピンクがのります。 涼し気な青紫や美しい紫の花を咲かせるストケシアでガーデンを彩ろう ストケシアは、暑さや寒さに強く、多湿にさえ注意すれば手間をかけずともすくすくと育つ丈夫な草花という魅力が伝わったでしょうか。次々と開花して庭に華やぎをもたらしてくれるうえ、花もちもいいので、インテリアに飾って楽しむのもおすすめ。病害虫の心配はほとんどないので、ぜひ庭やベランダで育ててみてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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おすすめ植物(その他)

庭で育てられる野の花「秋の七草」の種類
秋の七草 Lili.Q/Shutterstock.com 秋の七草をご存知でしょうか。七草粥の行事で有名な春の七草に比べ、知っている人は少数派かもしれません。秋の七草は、万葉集で山上憶良が詠んだ次の2首に由来するといわれます。 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花萩の花尾花葛花なでしこが花をみなへしまた藤袴朝顔が花 ここに登場するハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの7種の花が一般に秋の七草といわれています。どれも夏の終わり頃には咲き始め、秋の訪れを告げる初秋の花です。華やかでエネルギーに満ちた盛夏の花に比べ、控えめで楚々とした雰囲気ですが、秋の景色を見渡すとあちらこちらに色彩がちりばめられていることに気づきます。紅葉狩りのイメージが強い秋ですが、可憐な野の花々の美しさも引けをとりません。 夏の終わり、朝夕に涼しさを感じる頃になったら、秋の七草を探しに秋の野原に出掛けてみましょう。秋の七草は古くから親しまれてきた花ばかりなので、注意してみると、意外と身近な場所でも見つけることができます。また、ハギのトンネルが有名な向島百花園や、仙石原のススキ草原など、それぞれの花の名所を訪れるのも楽しいものです。旅するチョウ、アサギマダラが訪れる花としても知られるフジバカマの群落に足を運べば、透き通った水色の羽をもつチョウたちが舞う姿も見られるかもしれません。 柔らかく風に揺れる姿が美しい秋の花は、ナチュラルなガーデン風景の演出にもピッタリです。日本の気候風土に合った植物なので、庭植えにするとほとんど手を掛けなくても元気に育つのも大きな魅力。ガーデンに取り入れれば、たおやかな秋の風情を味わうことができます。写真は「野の花ガーデン fukushima」http://www.eco-plants.net 庭植えにオススメの秋の七草 ①キキョウ Platycodon grandiflorus 花形の美しさから、家紋としても愛された花。風通しのよい日向を好み、熟したタネで増やすこともできます。 ②カワラナデシコ Dianthus superbuslongicalycinus 繊細な花弁の切り込みが魅力的。寒さに強くほとんど手を掛けなくても美しい花を咲かせます。 ③ハギ Lespedeza thunbergii 長くしだれた枝にたくさん花が咲き、風に揺れる姿が美しい。大きく育つので、植える場所には注意が必要です。 ④フジバカマ Eupatorium japonicum 小さな花を無数に咲かせる、控えめな美しさ。アサギマダラが訪れる花としても有名です。 ドライにすると甘い香りが広がるフジバカマは、匂い袋に仕立ててみましょう。お出掛けの時に懐に忍ばせれば、ほんのりと上品な香りが立ち上ります。 【匂い袋の作り方】 収穫したフジバカマを陰干しで乾燥させます。 完全に乾燥したら、こぼれないように不織布で包みます。お茶の小分けパックを使うと簡単。 巾着袋など、お好きな袋に入れたらでき上がりです。 秋の庭で咲かせた草花は、景色として眺めて楽しむのはもちろん、生活の中に取り入れるとさらに季節を感じることができます。空気が澄んで、月が美しく見える秋には、ススキの穂を飾ってお月見を。柔らかな穂を透かして見る月は、いつもよりちょっぴり大きく、特別に見えます。かたわらには、まん丸のお団子や秋の和菓子を用意して、家族の時間を楽しみませんか?
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宿根草・多年草

ユニークなヘレニウムで夏から秋の庭を彩ろう! 特徴や育て方の基本を解説
ヘレニウムの主な特徴 ヘレニウムは、誰もが知っているメジャーな植物というわけでもないので、どんな花かピンとこない、という方もいるかもしれませんね。ここでは、ヘレニウムの基本情報や特徴についてご紹介します。 基本情報 ヘレニウムは、キク科ヘレニウム属の多年草で、和名はダンゴギク。原産地は北アメリカで、暑さ、寒さに強い性質です。生命力が強く、放任しても元気に育つので、ビギナーさんでも育てやすい花といえます。草丈は品種によって異なるため幅があり、60〜120cm。購入時にラベルに書いてある情報から、庭やベランダのスペースに見合うかどうか確認しておくとよいでしょう。ヘレニウムは多数の園芸品種が出回っているので、選ぶ楽しみがあります。 花の特徴 ヘレニウムの開花期は6〜10月。花色は赤、オレンジ、黄、複色があり、花径は5〜6cmです。花は、中心部の花心と放射状に伸びる花弁とで構成されており、花心が大きく盛り上がるのが特徴。花姿は一重咲き、半八重咲き、八重咲きなどがあり、葉は細長く、茎に互生につきます。 名前の由来 ヘレニウムは学名Heleniumをそのまま読んだ名前で、ギリシャ神話に記されている美しい女性ヘレネに由来するとされています。和名の「ダンゴギク」は、花心が団子のように盛り上がるため。種類によってホソバダンゴギクやヤバネダンゴギクなどもあります。英名は「Sneeze weed(クシャミ草)」で、ネイティブアメリカンが嗅ぎタバコに利用していたことによるそうです。 花言葉・誕生花 ヘレニウムの花言葉は「涙」「絶望の恋」「恋の望み」「上機嫌」「寛容な心」など。ヘレニウムの名前の由来となっている、ギリシャ神話に登場するヘレネは、絶世の美女でした。しかしそれゆえに求愛する者が後を絶たず、次々と争いごとが起きてしまいます。ヘレネがこぼした涙のあとからこのヘレニウムが咲いたという言い伝えもあり、悲恋や恋にまつわる花言葉が多く見られます。「上機嫌」「寛容な心」は、花姿の愛らしさにちなんでいるようです。また、9月28日と10月12日の誕生花でもあります。 栽培環境 【地植え】 ヘレニウムは日当たり、風通しのよい場所を好みます。あまり日陰では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長気味に伸びて軟弱になるので注意しましょう。暑さ寒さには強いので、植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。暑さにも寒さにも強いので、一年を通して戸外に置いてかまいません。 育て方の基本 ここまで、ヘレニウムの基本情報や特徴、花言葉、栽培環境などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ヘレニウムに適した土づくり、植え付け、水やりや施肥、日頃の管理、病害虫対策、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 土づくり 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え ヘレニウムの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月か10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜40cmの間隔を取っておきましょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままでもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜8号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めたら根を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けてます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大鉢にいくつかの花苗と一緒に寄せ植えをしてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。ヘレニウムは開花期になると茎葉をたっぷりと茂らせて花数も多くなるため、水切れしやすくなります。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え】 地植えの場合は、ほとんど必要ありません。株の状態を見て、勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分も流亡するので、追肥が必要です。4〜6月に、月に1度を目安に、緩効性化成肥料を株元にばら撒いて土に馴染ませます。または10日に1度を目安に液肥を与えてもよいでしょう。 摘心・花がら摘み・切り戻し・刈り込み 【摘心】 ヘレニウムは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。茎葉が増えることで花数も多くなるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 ヘレニウムの終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 開花期が長いタイプのヘレニウムは、開花が少なくなって株姿が乱れてきたら、切り戻します。地際から草丈の半分くらいの高さを目安に、深めにカット。込み合っている部分があれば、数本を根元から切り取って蒸れ対策をしておきましょう。 【刈り込み】 ヘレニウムは秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。 病虫害 【病気】 ヘレニウムは、病気を発症する心配はほとんどありませんが、まれにうどんこ病にかかることがあります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、茎葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 ヘレニウムは、害虫が発生する心配はほとんどありませんが、まれにメイガ類の幼虫が寄生することがあります。 メイガ類はチョウ目メイガ科の昆虫です。蛾の一種で、多くの種類があります。主な発生時期は4〜10月。植物には主に幼虫が寄生し、葉を食害します。葉や枝を糸でつづって巣を作る特性があり、また被害にあった葉の周囲にはふんが多く散らばっているので、見つけやすいといえます。見つけ次第捕殺するか、適用する薬剤を散布して駆除しましょう。意外に素早く動くので、逃さないように注意してください。 冬越し ヘレニウムはマイナス15℃くらいまで耐えるとされ、寒さに強いのでそのまま戸外で越冬できます。秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。寒さに強いとはいえ、霜柱によって根が切れるなどして傷むことがあるので、株元に腐葉土かバークチップをかぶせてマルチングをしておいてください。鉢栽培の場合は、凍結しない場所に移動しておきます。休眠中、地植えの場合は特に水やりは不要ですが、鉢栽培の場合はカラカラに乾燥させることのないように、控えめに水やりを続けてください。 増やし方 ヘレニウムは、株分け、挿し芽、種まきで増やすことができます。 【株分け】 ヘレニウムの株分けの適期は3〜4月か10〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 ヘレニウムは、挿し芽で増やすことができます。挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽できないものもありますが、ヘレニウムは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、旺盛に生育している時期ならいつでも可能です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 ヘレニウムは、種類によっては種まきから簡単に育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 ヘレニウムの種まきの適期は4〜5月です。黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、1穴当たり2〜3粒ずつ播き、種子が隠れる程度に薄く覆土します。発芽までは乾燥・過湿を避け、適度な水管理をしてください。 発芽したら、日当たり、風通しのよい場所で管理します。本葉が出始めた頃に、勢いのいい苗を1本残し、ほかは間引いてください。葉が傷んでいるものや、ヒョロヒョロと間のびして弱々しいものを選んで間引きます。引き抜く際は、株元を押さえて残す苗の根を傷めないようにしましょう。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 主な品種 ヘレニウムの代表的な種類は、オータムナーレ種で、これを基本に交配が進んで多数の園芸品種が出回っており、100種以上に及ぶとされています。人気の品種は、咲き始めは橙黄色から咲き進むと赤橙へと変化する‘マーディグラス’、花心が丸くて花弁が短く、ロリポップキャンディーのような花姿から名付けられた‘オータムロリポップ’、花弁が黄色とピンクの2色咲きになる‘ダイ・タイ’、草丈30〜50cmでコンパクトにまとまり、こんもりとよく茂る‘シエスタ’、輝くような黄色の花を多数咲かせる‘ダコタゴールド’などです。 ヘレニウムを植えて独特の花姿を楽しもう ちょっと馴染みの薄いヘレニウムですが、暑さや寒さに強く、やせ地でも元気に開花する丈夫な花だと分かっていただけたのではないでしょうか。ぜひガーデンやベランダで育てて、花の中心が盛り上がるユニークな花姿を楽しんでください。
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レシピ・料理

高価な食用スパイスが採れる球根「サフラン」の育て方
香辛料サフランとは 属名はサフランに対するギリシア語、krokos(糸の意)に由来するといわれ、花柱が長く糸状に伸びることにちなむ。Photo/Don Bendickson/Shutterstock.com 庭に咲く花に詳しい人にとって、クロッカスと聞くと、早春に低く花咲く球根花を思い浮かべることでしょう。そのクロッカスのグループの中でも秋に咲く種類の一つ、学名Crocus sativus(クロッカス・サティウス)が、これからご紹介するサフランが採取できる花を咲かせます。サフランは、淡い紫色の花が開いた中心にある3本の花柱(雌しべ)を採取して乾燥させたものの名称ですが、日本では、サフランを採取する球根花自体をサフランと呼んでいます。 雪が溶け始める3月頃に咲き始める春咲きの球根花、クロッカス。サフランの仲間ですが、残念ながら香辛料を採取することはできません。Photo/StudioPortoSabbia/Shutterstock.com 世界一高価な香辛料 スペインのサフラン採取の様子。Photo/David Blazquez Cea/Shutterstock.com 紀元前より前から栽培され、薬味や香料のほか、薬品や染料にも活用されてきたサフランは、1輪から3本しか採れないため、1オンス(約30g)のサフランを得るためには、4,300輪もの花が必要になります。さらには、現在でも人の手によって一輪一輪の花の中から花柱を抜き取る作業が行われることからも、世界一高価な香辛料であることは、今も変わりがありません。 戸外の畑でサフランを栽培する海外の例。Photo/Joe McUbed/Shutterstock.com サフランの日本での生産地は大分県竹田市で、生産の最盛期だった1970年頃は農家数は約360戸、生産量は約500㎏もありました。現在も戸数が減りながらも、引き続き生産が行われています。イランやスペインなどの海外では、戸外の畑で花を咲かせて採取していますが、大分県の産地では、日本独自の室内栽培をしているため、異物混入や病気の発生も少なく、品質がよいと評価されています。近年は中国産のサフランも輸入されていますが、乾燥技術の差により、日本産と比べて黒みを帯び、光沢に欠けるといわれています。 高級なサフランと代用品のターメリック 1輪から3本しか採取できない高価なサフラン。Photo/Patricia Chumillas/Shutterstock.com サフランの語源は、アラビア語で黄色を意味する「ザファラン」といわれ、古くは衣料を染めたり、料理の色や香りづけに用いられていました。カレーの黄色も元々はサフランで色づけされていたのですが、安価な代用品としてショウガ科のウコン(英名:ターメリック)が用いられるようになったのです。 サフランの代用として使われるようになった黄色の色素を持つターメリック。Photo/tarapong srichaiyos/Shutterstock.com サフランに含まれる色素成分クロシンは水に溶けやすい性質で、水やぬるま湯などの水分に浸すだけで色が抽出されます。この作用を生かしてサフランライスやパエリアが鮮やかな黄色に色づき、食欲をそそる料理に仕上がります。ちなみに、ターメリックも鮮やかな黄色をつける香辛料ですが、色素成分のクルクミンは油に溶けやすい性質で、カレーの色づけとしても必須のスパイスの一つです。 サフランの薬効効果 Photo/Africa Studio/Shutterstock.com 古くは、リウマチ、痛風、天然痘に効く薬とされ、のちには船酔い防止、安産のまじないにも用いられたサフラン。現在は、サフランが持つ効果をより明確に生かせる方法がないかと、世界中で広く研究されています。 サフランの主成分には、カロテノイド色素のクロシンや芳香性のあるサフラナール、辛み成分にあたるピクロクロシンなどで、それらの成分が現代社会に見られる症状を改善する可能性を秘めているとして、幅広く検証が進められています。効果が期待されている症状は、睡眠の質の向上や入眠効果、ストレスや疲労感の軽減、うつ症状の改善、PMS(月経前症候群)の緩和などで、薬に代わる天然素材の予防薬としてサフランは注目されています。 サフランのお茶でリラックス Photo/Svittlana/Shutterstock.com ヨーロッパでは、サフランはハーブティーとしても親しまれています。サフランを入れたコップにお湯を注ぎ、色が出たら飲み頃。独特な苦みと風味があり、香りは女性ホルモンの分泌を高める効果があるなど、心休まるティータイムが楽しめます。お好みでハチミツを加えてもよいでしょう。 世界一高価なスパイスを身近に育てて、採れたてを旬のメニューに加えてみましょう。 *サフランは着色や風味づけなど食事から摂取する量では安全ですが、一度に多く(5g以上)摂取すると副作用が出るので過剰摂取はしないでください。また、植物に過敏症がある人はアレルギー症状に注意が必要です。子宮を刺激する成分も含まれるため、妊娠時の飲用は避けてください。 サフランは簡単に育ちます 球根花のサフランは、夏~秋に出回る秋植え球根です。お店によって7月下旬頃から購入することができます。価格の目安は、1球あたり80〜100円(9月中旬になるとセール品が見つかることも)。植えつけの適期は、9月上旬〜10月中旬で、10〜12月に開花します。 小さなタマネギ型の球根は直径4㎝前後で、根もあまり広がらないので小さなカゴやバスケットに植えても花が咲き、サフランを採取することができます。庭がなくても、ベランダやテラス、玄関アプローチなどの棚や花台など、小さなスペースで育てることができるのが嬉しいですね。 バスケットに植物を植える時の方法は、『いくつ知ってる? 押さえておきたい基本の植木鉢の種類とその特徴』をご覧ください。 サフランの球根は、土に植えつけなくても開花するほど生命力があり、丈夫です。気軽に栽培をスタートできる育てやすいサフランは、「ガーデニングをしたことがない!」という人の、ガーデニングデビューにもオススメの植物です。 サフランを採取する方法 サフランを採取する農家では、まず花を摘み、その日のうちに雌しべを取りますが、花も楽しみたいガーデニングでは、花ごと摘み取らず、開花中に赤い雌しべ部分の先端を持って引き抜いて採取しましょう。花が開いたらあまり時間をおかず、1輪1輪、順に採取するのがポイント。写真は10月下旬の採取の様子です。 左が1日乾燥させたサフラン。右は採取したてのサフラン。オレンジが赤へと変化して、乾かすだけで香辛料のサフランになりました。 6球×80円=480円+税でスプーン1杯分が採取できました。サフランは、球根のサイズによっては1球当たり2〜3輪咲くので、1輪で3本のサフランが採取できた場合、18輪咲けば54本ものサフランが採取できます。ドライになったら密閉できる容器に入れて、料理にお茶に、ぜひ活用しましょう! サフランを採取した後も、ぜひ繊細な花の美しさを身近で楽しんでください。開花中は食卓や室内に飾ってもいいですね。花はかすかに甘い香りがします。 花が終わった後は、そのまま細い緑の葉になるべく日が当たるようにして、水切れをしないように育てていきましょう。上の写真は、根の状態を確認するために掘り上げた翌年の2月上旬。太くしっかりした根がたくさん生え、球根の外側に小さな球根が増えていました(通常は開花後に植え替える必要はありません)。 花後、そのまま育てていると上部が自然に枯れてきます(写真は4月上旬)。このようになったら球根は休眠時期に入るので、水やりはストップして掘り上げてネットなど蒸れない袋に入れたら、直射日光が当たらない涼しい場所で保管しておきましょう。そして、再び生育期となる9月上旬頃から植え込むと芽が出始めます。2年目の球根は小さく、花を咲かせる力がない場合もあるので、毎年必ず咲かせるためには、新しい球根を追加しながら、2年目の球根を育てるのも方法です。 収穫したサフランを料理に使う Photo/from my point of view/Shutterstock.com サフランを使った代表的なレシピの一つ、パエリア。エビやムール貝の鮮やかな色に、さらに明るさをプラスする黄色に染まったご飯のコンビネーションでテーブルが華やかに。血流を改善し、体を温めてアンチエイジングに役立ち、疲労回復が期待できる料理です。 材料(4人分)水350㏄、サフラン小さじ1/2、米2合、有頭エビ6尾、ムール貝6個、タマネギ1/2個、パプリカ1/2個、ニンニク1片、レモン1/2個、オリーブオイル適宜、コンソメ1個、塩小さじ1、イタリアンパセリ(お好みで)適量 作り方 水にサフランを入れて30分おく。 平鍋にオリーブオイルを入れ、ニンニクを入れて香りがたったら、タマネギのみじん切りを入れて透明になる程度まで炒める。 洗った米を入れて3分程度炒めたら、サフランの色がついた水をサフランごと入れる。 コンソメ、塩を入れて鍋の中の具材を平らにならしたら、有頭エビ、ムール貝を並べて蓋をして15分弱く沸騰させる。 火を止めて間にパプリカを乗せ、再び蓋をして15分蒸らしたら完成。最後にイタリアンパセリなどを散らすと鮮やかな仕上がりに。食べる直前にレモンを全体にふりかけると味に深みが出ます。 Photo/Tatiana Bralnina/Shutterstock.com サフランをトッピングしたパンプキン・キャロットスープは暖色系のスープで目にもあたたか。エディブルフラワーのパンジーも浮かべて、秋冬にいただきたい旬のスープです。 収穫したサフランは、風味がなくならないうちに使い切って、また翌年サフラン栽培に挑戦するのをオススメします。
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一年草

放置気味でもぐんぐん育つ⁉ ガイラルディアの育て方をご紹介
ガイラルディアってどんな花? 花言葉もご紹介 ガイラルディアは、キク科テンニンギク属の草花です。原産地は南北アメリカで、約20種が確認されています。暑さ寒さに強く強健で、育てやすい草花の一つです。草丈は30〜90cm。種類によって幅があるので、苗を購入する際は最終的にどれくらいの大きさに育つのか、ラベルを確認しておくとよいでしょう。 ガイラルディアの開花期は、6〜10月です。花色はオレンジ、黄、赤など。夏に咲く植物らしい、ビビッドな花色が魅力です。花言葉は、「協力」「団結」「天真爛漫」「きらびやか」など。 品種も豊富! ガイラルディアには一年草と多年草がある ガイラルディアは種類が多く、種まきから1年以内に枯死する一年草、一度植え付ければ越年して毎年開花する多年草の両方があります。日本では、主に多年草のガイラルディア・アリスタータ(和名オオテンニンギク)、一年草のガイラルディア・プルケア(和名テンニンギク)が流通。園芸品種もさまざまに揃い、草丈が低くコンパクトにまとまる「アリゾナ」シリーズは、寄せ植えなどにも利用しやすく人気があります。 ガイラルディアは初心者にやさしい! 育て方をご紹介 ここまで、ガイラルディアの基本情報や品種などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、育て方について詳しく解説します。 ガイラルディアの好む土を使おう 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 ガイラルディアに適した場所とは? 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を好みます。あまり日陰では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長気味に伸びて、軟弱な株になるので注意しましょう。暑さ寒さには強いので、多年草の場合は植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に、日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。暑さにも寒さにも強いので、一年を通して戸外に置いてかまいません。 ガイラルディアの植え付けのポイント ガイラルディアの植え付けの適期は、4〜5月か10月頃です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽く崩して植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、30〜50cmの間隔を取っておきましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、7〜10号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ポットから取り出した苗を鉢の中に仮置きして高さを決めます。根を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大鉢に、寄せ植えの素材の一つとして他の植物と一緒に植え付けてもOKです。 水のやりすぎに注意! やや乾き気味にする 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は地中から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ガイラルディアは乾燥に強く、多湿に弱いので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、多年草のガイラルディアは冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 ガイラルディアの日ごろのお手入れは? 【花がら摘み】 ガイラルディアの終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 ひと通り開花が終わり、株姿が乱れてきたら、切り戻します。地際から草丈の半分くらいの高さを目安に、深めにカット。込み合っている部分があれば、数本を根元から切り取って蒸れ対策をしておきましょう。 【支柱の設置】 草丈が高くなる品種を育てる場合は、早めに園芸用支柱を立てておき、丈が伸びてきたら誘引して倒伏を防ぎましょう。 控えめがポイント! 肥料の施し方 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 あまり肥料を与えすぎると軟弱になるので、株の様子を見て施します。肥料を与えるのに適したタイミングは3月頃と9月頃ですが、元気に育っていれば必要ありません。株の状態を見て株に勢いがないようであれば、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して土に馴染ませます。 ガイラルディアの病気・つきやすい害虫は? 【病気】 ガイラルディアに発生しやすい病気は、灰色かび病、黒斑病です。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 黒斑病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に発生しやすく、最初は黒または褐色の小さな斑点が現れます。病斑は3〜15mmで、下葉からだんだん上の葉へと広がっていきます。進行すると葉が縮れて黄色または褐色になり、やがて枯死します。株同士の間が狭い場合や、茎葉が茂りすぎて鬱蒼とした状態などで発病しやすくなるので、適宜葉を間引いて風通しよく管理してください。発病した葉はただちに切り取って処分し、適用する薬剤を散布して様子を見ます。 【害虫】 ガイラルディアに発生しやすい害虫は、アブラムシです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ガイラルディアの植え替え方法 多年草のガイラルディアの植え替えに適したタイミングは、4〜5月か10月頃です。 【地植え】 地植えの場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りを図るとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 ガイラルディア 多年草タイプの冬越し方法 【地植え・鉢植えともに】 ガイラルディアは寒さに強いので、そのまま戸外で越冬できます。秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。休眠中、地植えの場合は特に水やりは不要ですが、鉢栽培の場合はカラカラに乾燥させることのないように、控えめに水やりを続けてください。 ガイラルディアの増やし方は3通り 【種まき】 一年草のガイラルディアは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 種まきの適期は4〜5月か10月頃で、発芽適温は15〜20℃前後です。 種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、1穴当たり1粒ずつ播き、種子が隠れる程度に薄く覆土します。水やりは浅く張った容器にセルトレイを置いて、底から吸水させるとよいでしょう。 発芽までは乾燥・過湿を避け、適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついたら根鉢を傷めないようにトレイから取り出し、3号の黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【株分け】 多年草のガイラルディアは、株分けして増やすことができます。株分けの適期は3〜4月か9月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 多年草のガイラルディアは、挿し芽で増やすことができます。挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ガイラルディアは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、生育期ならいつでも可能です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 たくましくて初心者向き! 長く咲くガイラルディアを楽しもう ガイラルディアは暑さ寒さに強く、環境に合えば管理の手間をかけずとも健やかに育ってくれる草花です。開花期間が長く、暑い夏も元気にカラフルな花を咲かせてくれるのもいいですね。品種も豊富なので、ぜひ好みのガイラルディアを見つけて、育ててみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。




















