丈夫でぐんぐん育つ! 初心者でもできるシルバープリベット(プリペット)の育て方
植物は好きだけれど、庭木や花木を自分で育てるのは少し難しそうだな、と考えている人も多いのではないでしょうか。そのような方におすすめの植物が、シルバープリベット(プリペット)。剪定などを多少失敗してしまっても、ぐんぐん育つほどの丈夫さが魅力の庭木です。この記事では、生け垣としても人気が高いシルバープリベットの基本情報から育て方まで、詳しくご紹介します。
目次
初心者でも安心! 可憐な花が咲くシルバープリベット
シルバープリベット(プリペット)はモクセイ科イボタノキ属に分類され、中国やヨーロッパを原産とする植物です。別名セイヨウイボタノキ、セイヨウボタ、ヨウシュイボタノキなどとも呼ばれています。
萌芽力が強く丈夫なのが特徴で、大きさは3mほどになることもあります。暑さや寒さ、乾燥にも強く、初心者にも育てやすい植物です。好きな形に刈り込んでも元気よく成長するため、生け垣や目隠しにも向いています。
花期は5〜6月で、白くて小さく、香りのよい花を咲かせます。関東以西の暖かい地域では常緑ですが、寒い地域では葉を落とすこともあるため、「常緑〜半落葉低木」に分類されます。
シルバープリベットは剪定がポイント
シルバープリベットのお手入れで欠かせないのが剪定です。
シルバープリベットは白い斑入りの葉が特徴ですが、時々「先祖返り」を起こして斑のない緑色の葉が生えてくることがあります。緑の葉が生えてきた場合、そのまま放置してしまうと、樹木全体が緑色の葉になってしまいます。これを防ぐためには、緑の葉がついた枝を見つけたら、時期を問わず切ることが大切です。
さらに、適期に本格的な剪定も行う必要があります。しかし、非常に萌芽力が強いため、剪定に多少失敗してしまってもまたすぐに枝が伸びてきます。強い剪定が初めての人でも安心してチャレンジできるのも魅力です。
置き場所や手入れ方法は? シルバープリベットの育て方
丈夫なので、難しいお手入れもいらず、育てやすいシルバープリベットですが、ビギナーさんでも安心して栽培できるよう、育て方についても詳しく解説します。
シルバープリベットの土は水はけがポイント
シルバープリベットはある程度豊かな土壌であれば肥料が無くても育つほど、あまり土質を選ばない植物ですが、水はけがよいほうが栽培に適しています。
庭植えの場合は、植え付けの時に掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで戻します。
鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を6:4または7:3の割合で配合した土、もしくは市販の培養土を使いましょう。
シルバープリベットはなるべく日向に置いて
シルバープリベットは日向を好みます。夏の直射日光でも葉焼けしないほど日差しに強いので、日当たりのよい場所で育てましょう。半日陰だと、葉の斑が綺麗に出なくなったり、前述の「先祖返り」により斑がなくなってしまうこともあります。また花付きが悪くなったりすることもありますので注意しましょう。
ぐんぐん育つ! 植え付け・植え替えは余裕を持って
植え付けや植え替えの適期は春か秋です。具体的には3〜5月、もしくは9〜10月がよいでしょう。基本的には、地植えで育てるのが一般的です。
地植えの場合は、苗の根鉢の直径の2倍ほどの大きさの穴を掘り、掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。株間は30〜40cmほどあけましょう。掘った穴に株を植え付けて土を戻し、最後に水をたっぷり与えます。苗が不安定な場合は支柱を立てて固定します。
鉢植えの場合は、スリット鉢または網を敷いて軽石を入れた鉢の1/3ほどまで土を入れます。その上に株を置き、残りの土を入れて植え付けます。最後に水をたっぷり与えましょう。植え替えをする場合は、基本的に1回り大きなサイズの鉢に植え替えます。
乾燥にも強い! 水やりはタイミングをみて
シルバープリベットは乾燥に強いため、地植えの場合は基本的に自然の雨水のみで育ちます。夏に日照りが続いたときなど、ひどく乾燥する場合には水を与えます。また、植え付けから約2週間は、根がしっかり張るまで毎日水やりをします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。
軽い剪定はこまめに! 本格的な剪定は初夏がおすすめ
シルバープリベットの剪定は、傷んだ枝を取り去ったり先祖返りを防ぐために軽く切ったりする剪定と、株の形を整える本格的な剪定があります。
軽い剪定は季節を問わず行います。
本格的な剪定は2〜3月、もしくは6〜7月に行います。ただし2〜3月に剪定を行うと花芽を取り除いてしまうため、花を楽しみたい場合は本格的な剪定は6〜7月に行いましょう。
剪定せず放任すると株がどんどん大きくなってしまうので、剪定は欠かせない手入れです。適度に剪定することで、株の蒸れや病害虫の予防にも繋がります。
シルバープリベットの肥料はゆっくり効くものを
シルバープリベットは肥料がなくても育つ丈夫な植物ですが、大きくしたいときには肥料を与えると生育がよくなります。
肥料の適期は春と秋、2〜3月と9月です。緩効性化成肥料または骨粉入り固形油かすを、葉先や枝先の下に位置する地面にまきましょう。
反対に、これ以上大きく育てたくない場合には、肥料を控えるとよいでしょう。
シルバープリベットにつきやすい病害虫は?
シルバープリベットは丈夫なので、基本的に病害虫によるトラブルは少ないです。
ときどき葉の表面に白いカビが生えるうどんこ病が発生することがあります。うどんこ病は見つけ次第、感染した葉を切り取ります。
害虫はハマキムシやコガネムシ、ガの幼虫などのイモムシ類が付くことがあります。
ハマキムシが付いた場合は、葉ごと切り取って除去します。その他の虫は割りばしなどで1匹ずつ取るか、殺虫剤で対処します。
植え付けの際に株間をきちんとあけたり、定期的に剪定して株が蒸れないようにすることで、病害虫の予防になります。
丈夫なシルバープリベットは挿し木も成功しやすい!
シルバープリベットは挿し木で増やせます。挿し木に適した時期は6〜7月です。
挿し木の方法は以下の通りです。
若くて生育のよい枝を、切り口が斜めになるように10〜15cm程度に切り、切り口付近の葉を取り除きます。15〜30分ほど水揚げをした後、小粒の赤玉土などを入れたポットに挿します。その後は、乾燥しないよう水をこまめに与えましょう。根と新芽が出てきたら、鉢か地面に植え付けます。
生け垣づくりにはぜひシルバープリベットを
生け垣づくりはサイズも大きく、少し大がかりに見えて、初心者は不安に思うかもしれません。シルバープリベットなら丈夫でよく伸びるので、安心して生け垣づくりに挑戦できます。少しくらい剪定を失敗してしまっても大丈夫。初めての強い剪定の練習用としてもおすすめの植物です。生け垣や庭木として、シルバープリベットを取り入れてみてはいかがでしょうか。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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