スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

シャクヤク(芍薬・ピオニー)初夏に花開く絢爛豪華な大輪花
よく似た花姿の美しい花 シャクヤクとボタン 美しい人を形容する言葉に、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というものがあります。この中でも、シャクヤクとボタンは、両者ともに多くが大輪八重咲きの艶やかな花。一見よく似たこの2つの花ですが、それぞれの違いをご存じでしょうか? シャクヤク(左)とボタン(右)。 シャクヤクとボタンはどちらもボタン科ボタン属。花弁が何枚も重なり合う絢爛豪華な大輪花を咲かせます。 両者の最も大きな違いは、ボタンは樹木(木本性)なのに対し、シャクヤクは草(草本性)であること。英名はどちらもpeonyですが、特にボタンをtree peonyと呼ぶことによって両者を区別しています。 他にも、丸みと艶のある葉のシャクヤクに対し、ギザギザで光沢のない葉を持つボタン、シャクヤクのつぼみはやや丸く、ボタンは少しとがっていること、ボタンよりも花の咲く時期がやや遅いのがシャクヤクなど、よく観察することでシャクヤクとボタンを見分けることができますよ。 人々を魅了し続けるシャクヤクの花 このようによく似たシャクヤクとボタンですが、季節が巡るとまた芽を吹く宿根草であるシャクヤクは、よりガーデンに取り入れやすい植物。イングリッシュガーデンの基礎をつくり上げたガ―トルード・ジーキルや、ナポレオンの皇妃で美しいバラ園をつくったことで有名なジョゼフィーヌなどに熱愛された花でもあります。花期はやや短めですが、まあるいつぼみからあふれるように幾枚もの花弁を開き、花の形状も花色も極めて多彩。花後につくさやが割れると、中からは黒と赤の鮮烈なコントラストを描くタネが現れます。品種によってはかぐわしい芳香を持つものもあり、野生種に多い一重の花もはかなげな美しさを持っています。 花後につけるさやが開くと、色鮮やかなタネが。 シャクヤクの原産地は、中国やバルカン半島、シベリアなど。フランスやアルバニアを原産とするシャクヤクは、古くは15世紀頃からヨーロッパに普及しました。18世紀になると、中国を原産とするシャクヤクもヨーロッパに伝えられ、英国キュー王立植物園にコレクションがつくられたほか、育種も盛んにおこなわれて、19世紀後半には次々に新品種が登場。マネ、モネ、ルノワールなどの印象派の画家の手により、絵のモチーフとして多く描かれました。一方、日本でも奈良時代の頃に中国からシャクヤクが伝来し、観賞用の花木として広まりました。特に江戸時代には高いレベルで栽培されていたようです。シャクヤクの園芸品種は3,000種を超えるといわれるほどで、洋の東西を問わず、今日に至るまでその豪奢な美しさで人々を魅了し続けています。 シャクヤクの育て方 シャクヤクの花期は5~6月頃。植え付けは9~10月頃に行います。新しい根の伸びる秋以外に根をいじると生育が悪くなるため、適期以外の植え付けや植え替えは避けたほうが無難です。日当たりと水はけがよく、肥沃な場所を好みます。根張りがよく、大きく葉が茂るので、その分のスペースを確保して栽培しましょう。鉢植えの場合は、根詰まりしないように2~3年を目安に植え替えます。 水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。肥料もたっぷりと必要なので、元肥のほか、春の芽出し肥、花後のお礼肥、秋の追肥や冬の寒肥を与えると花付きがよくなります。つぼみがついたら、頂点の大きなものを残して摘蕾すると大きな花が咲きます。花後には花がら摘みを忘れずに。つぼみに灰色カビ病が発生すると、花が咲かずに終わってしまうことがあるので、高温多湿や風通しの悪い状況を避け、発生してしまったら殺菌剤などで対処しましょう。 シャクヤクの新芽。 宿根草なので、冬は葉を落として地上部が枯れますが、春にはまた新芽を吹いて成長します。大株になったら、株の更新を促すためにも、4~5年に一度ほど株分けをするとよいでしょう。
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樹木

【香りのハーブ】ギンバイカはトピアリーやシンボルツリーにも好適! 育て方のポイント5つ
ギンバイカの特徴とは 白い花が清楚ながらも華やかな印象のギンバイカとは、どんな植物なのでしょうか。ここでは、ギンバイカの基本情報や特徴、花言葉について解説します。 基本情報 High Mountain/Shutterstock.com ギンバイカは、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木。原産地は地中海沿岸からヨーロッパ南西部で、暑さには強い一方で、寒さにはやや弱い性質です。ギンバイカは漢字で「銀梅花」と書き、白い梅のような花を咲かせることに由来。西洋ではマートルと呼ばれ、花はもちろん葉も芳香をもつために古くからハーブとして利用されてきました。樹高は1〜3mで、あまり大きくなりすぎずに扱いやすく、生け垣やトピアリーとしても利用できます。 花や葉の特徴 croquette/Shutterstock.com ギンバイカの開花期は5〜6月で、花色は白。5弁花に多数の細長いしべが展開し、小さいながらも花つきがよいため、満開時は見応えがあります。開花後には黒い果実ができ、秋が深まる頃に熟します。葉は楕円形で先端がややとがっており、摘み取って揉むと芳香がたち、料理の香りづけにも利用可能です。 花言葉 S.Zykov/Shutterstock.com ギンバイカの花言葉は、「愛」「愛のささやき」「高貴な美しさ」「愛くるしさ」など。古代のエジプトやギリシャ、ローマなどでは、愛を象徴する女神に捧げるために用いられてきたことから、このような花言葉が与えられたとされています。そのため、結婚式のブーケなどにも好んでも取り入れられるようです。2022年には、エリザベスⅡ世女王の国葬の際、棺に飾られた植物としても話題となりました。 ●英国王室に受け継がれる「ロイヤルマートル」と森の治療薬レモンマートル活用法 ギンバイカの栽培のポイント7つ ここまで、ギンバイカの基本情報と、花や葉の特徴、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、気をつけたい病害虫など、育て方について詳しく解説します。 1.栽培に適した環境 barmalini/Shutterstock.com ギンバイカは日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日当たりがよくない場所では、花つきが悪くなってしまうので注意してください。また、水はけ・水もちがよく、有機質に富む肥沃な土壌を好みます。 ギンバイカは、暑さには強い一方で、寒さにはやや弱い性質を持っています。ほとんど凍結することがない暖地であれば戸外で越冬できますが、最低気温がマイナス5℃以下になる地域では鉢栽培にして、季節に応じて適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。 2.土づくり Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さ約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。このように土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土中粒、日向坂土、腐葉土を等量ずつ混ぜ合わせて用いるとよいでしょう。 3.植え付け・植え替え Jurga Jot/shutterstock.com ギンバイカの植え付けの適期は3〜4月、植え替えの適期は5月頃です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 暖地では植えたままにしてもかまいません。しかし寒さにはやや弱いので、マイナス5℃以下になる地域では鉢に植え替えて、暖かく日当たりがよい場所で越冬させてください。 【鉢植え】 ギンバイカを鉢で栽培する場合は、入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きして高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。ギンバイカはやや寒さを苦手とするので、植え替えの適期は、十分に気温が上がって生育が旺盛になり始める5月頃です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してあまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 4.水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水をやると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水をやると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 植え付けから2年目くらいまでは、表土が乾いたら適宜水やりをしましょう。その後しっかり根付いたら、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 5.肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 暖地で植えたままにして栽培する場合は、越年後は毎年2月に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。その後は、株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守りましょう。 【鉢植え】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 越年後、3月頃に緩効性肥料を株の周囲にばら撒き、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。その後は、株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守りましょう。 6.日常のお手入れや注意点 mihalec/Shutterstock.com ●剪定 【地植え・鉢植えともに】 自然に樹形が整い、幹の生育も遅めなので、毎年形を整える剪定をする程度でOK。剪定の適期は、開花後の6月中旬〜7月中旬です。伸びすぎたり、込み合っているところがあれば、枝を間引く剪定をしましょう。弱々しい枝、内側に伸びている枝、勢いよく伸びすぎて全体のバランスを崩している枝、下向きに伸びている枝などを選んで根元から切り取り、風通しをよくします。勢いよく伸びすぎて邪魔になっている枝などが発生している場合は、剪定適期以外でも、季節を問わず切り取ってかまいません。 ●冬越し 【地植え】 ギンバイカは寒さにやや弱く、関東以西の暖地なら地植えのまま越冬できますが、最低気温がマイナス5℃を下回るエリアでは、寒くなる前に鉢に植え替え、凍結しない場所へ移動して越冬させてください。暖地で地植えのまま乗り切る場合、寒さが厳しくなる時期は、不織布で全体を覆って、風よけや寒さ対策をしておくとよいでしょう。 【鉢植え】 ギンバイカは、寒さにやや弱いので、日当たりのよい軒下や屋根つきのベランダなど、凍結しない場所へ移動しておきましょう。最低気温がマイナス5℃を下回るエリアでは、暖かい室内の窓辺に移動します。 7.注意すべき病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ギンバイカは病気にかかる心配はほとんどありませんが、まれにさび病を発症することがあります。 さび病は、かびによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 ギンバイカは害虫が発生する心配はほとんどありませんが、まれにカイガラムシがつくことがあります。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ギンバイカの増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ギンバイカは、種まきと挿し木で増やすことができます。ここでは、増やし方それぞれの手順について、解説します。 種まき ギンバイカは、開花後に黒い果実をつけます。種を採取する場合はそのまま熟すまで待って、10月頃に完熟した果実を摘み取ります。中の種を取り出し、果肉を流水できれいに洗い流しましょう。湿らせた砂と一緒に密閉袋に入れて、種まきの適期まで冷暗所で保存します。 ギンバイカの種まきの適期は3月中旬〜4月。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。保存しておいたギンバイカの種を水で洗い、黒ポットに数粒播いて明るい日陰で管理。発芽後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が3〜4枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。根が回るくらいに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。 挿し木 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、ギンバイカは挿し木で増やすことができます。 ギンバイカの挿し木の適期は、7月頃です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に移して管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて2〜3カ月ほど育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ギンバイカを生け垣にする方法 pics five/Shutterstock.com ギンバイカは冬に葉を全て落とさない常緑樹で、また枝葉が密生するため生け垣として利用できます。生け垣にする場合は、約30cm間隔で列植しましょう。求める樹高に成長したら幹の先端をカットし、横から枝葉が密に出るように促します。1年に1度は適期に樹高を抑える剪定をし、密になりすぎている部分は切り取って形を整えるとよいでしょう。 ギンバイカの種類 mizy/Shutterstock.com ギンバイカには数種類が流通しており、ここでは代表的なものをご紹介します。 ヒメギンバイカ 名前に「姫」が入る場合、やや小さめであることが多いのですが、ヒメギンバイカもよりコンパクトにまとまるのが特徴です。ドワーフマートルとも呼ばれています。樹高は1〜1.5mで、剪定などの管理がしやすく、狭小地などにも向いています。葉も小さいのですが、色はやや濃いめです。 バリエガータ 光沢のある葉に白い覆輪が入るタイプで、開花しない時期でもカラーリーフとして楽しめます。樹高は1m前後で、草花とコーディネートしやすいのも魅力です。 花も実も楽しめるギンバイカをぜひガーデンで Svetlanko/Shutterstock.com たくさんのしべを持つピュアホワイトの花姿は愛らしく、満開時には見応えがあるギンバイカ。秋には黒い果実をつける姿も素敵です。花や葉には爽やかな芳香があり、ハーブとしても愛されてきたギンバイカを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。
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野菜

自分でも育てられる! 枝豆の基本的な特徴、育て方のポイントを紹介
枝豆とは 枝豆は、マメ科ダイズ属の果菜類で、中国が原産地です。温暖〜冷涼な気候を好み、発芽適温は25〜30℃、生育適温は20〜25℃。4〜5月に種子を播いて育成し、7〜8月に収穫した後は枯死する一年草です。草丈は50〜80cmになります。 栽培に適しているのは、日当たり、風通しのよい場所。連作を嫌うので、前のシーズンにマメ科の植物を育てた場所での栽培は避けましょう。適した土壌酸度はpH5.5〜6.5で酸性土壌にやや弱く、酸性に傾きがちな日本の土壌では、あらかじめ苦土石灰を散布しておくとよいでしょう。マメ科の植物は、ほかの野菜よりも肥料は控えめにして育成するのがポイントです。 枝豆が属するマメ類は、未熟な状態で食べるものは「野菜」に、完熟させた状態で食べるものは「穀類」に分類されます。枝豆は大豆を若採りしたものなので、緑黄色野菜となります。一方、完熟させてから収穫する大豆は穀類。枝豆と大豆は同じ植物なんです! ちょっとややこしくなりますが、大豆だけでなく、黒豆の未熟果も枝豆と呼ばれています。 「枝豆」という名前は、莢のついた枝のまま流通したことが由来となっています。これは、枝から莢を切り離すとすぐに味が落ちてしまうため、少しでも美味しさを保とうとした先人の知恵によるものです。現在も枝つきのままスーパーや青果店に並んでいることがありますね。枝豆は鮮度が命の野菜ですから、ぜひ自身で育てて、収穫後すぐにしか得られない絶品の味わいを楽しんでください。 枝豆の歴史 枝豆の原産地は中国ですが、前述の分類からいえば「穀類」の大豆の収穫を目的として栽培されてきました。中国東北部で分化して誕生したという説や、中国南西部が発祥地とする説など諸説あり、はっきりしたことはまだ分かっていません。しかし、古代文献によると4000年前には栽培されていたようです。日本にも古くから伝わり、遺跡からの出土によって、縄文中期から後期にかけてはすでに存在していたことが確認されています。ただし、どのようにして伝えられたのかは、今なお謎のままとなっています。 枝豆が食べられるようになったのは、江戸時代から。平和な社会が築かれて農作物の生産能力も向上し、「穀類」として重要な存在だった大豆を、若採りした「枝豆」として味わう贅沢が生まれたのです。お里である中国でも、もともと枝豆を食べる習慣はありませんでした。しかし、日本へ輸出するための枝豆栽培が始まったことによって、現地でも枝豆を食べるようになったといいます。 枝豆の品種と産地 枝豆の品種は400種以上にものぼるとされ、品種によって性質は多様です。栽培期間は種まきから収穫まで、約85日が目安とされていますが、品種によって早生・中生・晩生があり栽培期間も異なるため、種袋でチェックしておくとよいでしょう。また、粒の大きさや莢につく産毛の色などにも違いがあります。人気の高い野菜だけに、品種改良にしのぎを削って毎年優れた品種が誕生しているのです。 ここで、地方品種について注目してみましょう。丹波地方の「丹波黒豆枝豆」や、山形県の「だだちゃ豆」が有名どころで、それぞれに香りがよくコクのある旨味で高評価を得ています。これらの「黒豆」や「茶豆」、通常の緑色の枝豆(青豆ともいいます)とを見分けるポイントがあります。豆を覆っている薄皮が、通常の枝豆は緑色をしているのに対し、黒豆や茶豆は茶色っぽいのが特徴です。黒豆や茶豆の品種は晩生がほとんどで栽培期間が長く、その分栽培が難しいともいえます。しかし、品種改良によって早生種や中生種も登場していますし、青豆と茶豆の特徴を併せ持った、栽培しやすく味のよい品種も出回るようになりました。枝豆には、奥が深い品種の世界が広がっているので、人気品種や稀少品種、地方品種の栽培にチャレンジして、味比べをしてみるのもいいですね。 枝豆は栄養価が高い 枝豆は、大豆に多いイソフラボンを少量含み、大豆にはないビタミンCを多く含むという、豆と野菜の両方の栄養的特徴を持っています。また栄養価が高くタンパク質、ビタミンB1、カリウム、食物繊維、鉄分なども豊富です。ビタミンB1はスタミナ不足の解消に効果があるとされ、カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、利尿作用があって体内の水分量の調整に役立ってくれます。鉄分はホウレンソウやコマツナよりも多く、貧血予防の効果も。また、ビールのお供として愛される枝豆は、食べ合わせの面から見ても相性抜群。枝豆に多く含まれるメチニオンという成分は、アルコールから肝臓や腎臓を守る働きがあり、ビタミンB1とビタミンCには肝臓の負担を軽くする効果があるので、ビールのパートナーとしてぴったりなのです。 枝豆の花、花言葉は? 枝豆の花が咲くのは6〜7月頃。葉の付け根あたりに、白や紫の小さな花を3〜4輪つけます。たくさんの花を咲かせるのですが、そのうち7〜8割は落花。残りの2〜3割の花に子房がついて莢をつけ、やがて胚珠が実になります。自然に落花するため、間引いて実りを充実させるための摘蕾・摘花の作業は必要ありません。むしろ残った花の数だけ実ることになるので、大切にしておきたいものです。 枝豆の花言葉は、「必ず訪れる幸福」「親睦」など。多くの実りが得られることや、花が房咲きになったのちに実が連なることから、枝豆の花のイメージに寄せた言葉のようです。 枝豆の育て方 これまで、枝豆のプロフィールや特徴などについて解説してきました。ずいぶん枝豆のキャラクターが分かってきたのではないでしょうか。ここからは、実際の栽培知識について、詳しく解説していきます。 土づくり ●地植え 連作を避けるため、前作にマメ科の植物を栽培していない場所を選びましょう。 種まき・または苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに、種まき・苗の植え付けの1〜2週間前に、畝幅の中央に深さ15〜20㎝の溝を掘り、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料50gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行うことで、分解が進んで土が熟成します。 ●プランター栽培 野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。それぞれの野菜に適した土壌酸度などは異なるので、製品の用途に「枝豆」の項目が入っているか、確認しておくとよいでしょう。 種まき・植え付け 【種まき】 種まきの適期は4〜5月です。 ●地植え 土づくりをしておいた場所に、幅60cm、高さ5〜10cmの畝をつくり、表土を平らにならします。中央に20cmの間隔をとって、直径約5cm、深さ2cmほどの播き穴をあけましょう。缶詰の空き缶などを表土に押し付けると簡単です。播き穴に3粒ずつ種子を播き、土をかけたら軽く手のひらで押さえましょう。鳥による食害を防ぐため、不織布で畝全体を覆い、裾に土を盛って固定しておきます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 発芽後、本葉が開いたら不織布をはずし、勢いのある苗2本を残し、1本間引きます。倒伏を防ぐために、周囲から土を寄せて根元を押さえておきましょう。 ●プランター栽培 土が25〜30リットルは入る大型のプランターに、枝豆6株を目安に栽培します。 プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際に水があふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。空き缶の底などを利用して、直径約5cm、深さ2cmほどの播き穴を10〜15cm間隔であけます。種子を3粒ずつ播き、土をかけて軽く手のひらで押さえましょう。最後にジョウロにはす口をつけて、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりします。 発芽後、本葉が開いたら勢いのある苗2本を残し、1本間引きます。倒伏を防ぐために、周囲から土を寄せて根元を押さえておきましょう。 【植え付け】 苗の植え付け適期は5月頃です。マメ科の植物は移植を好まないので、幼苗のうちに根鉢を崩さずに植え付けましょう。 ●地植え 種まきの項目と同様に畝をつくり、中央に20cm間隔で植え付けて、最後にたっぷりと水やりします。 ●プランター栽培 種まきの項目と同様にプランターに土を入れ、10〜15cm間隔で植え付けて、最後にたっぷりと水やりします。 水やり ●地植え 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候に任せてもよく育ちます。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、莢の実入りが悪くなるので、適切に水やりをして補いましょう。 ●プランター栽培 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。特に梅雨明け後の高温期は乾燥しやすいので、朝夕2回の水やりを忘れずに行いましょう。高温の真昼に水やりすると、すぐにお湯状になって地温が上がり、かえって株が弱ってしまうので、必ず涼しい時間帯に与えることが大切です。 肥料 枝豆が属するマメ科の植物には、根に根粒菌が寄生するため、肥料過多に注意が必要です。根粒菌は窒素を固定する働きがあり、茎や葉を大きく育てる養分となる窒素を根に供給してくれるため、肥料をまめに与えなくても元気に育ちます。施肥量が多すぎると、かえって茎葉ばかりが茂って実がつかない「つるボケ」の状態になってしまうので注意しましょう。追肥は、花芽がついた頃に1度だけ行います。 ●地植え 1㎡当たり約20gを目安に周囲にばらまき、軽く耕して土に混ぜ込み、株元にしっかり土寄せしておきます。 ●プランター栽培 約10g(ひとつかみ)を目安に、株の周囲にばらまいて土になじませます。 病害虫 枝豆の栽培では、カメムシやマメシンクイムシが発生しやすいのでご注意を。開花直後のまだ莢が小さいうちに尖った口を差し込んで吸汁するため、実が太らなくなってしまうのです。そればかりか、葉が光合成をしてつくった養分が実に回らなくなってしまうために、茎や葉ばかりが茂ってしまう「つるボケ」の状態を引き起こします。見つけ次第捕殺することが大切。開花期に寒冷紗をかけておくのも一案です。 発生しがちな病気は「さび病」です。枯れ葉を除去して株まわりを清潔に保ち、雑草があれば抜いて風通しよく管理しましょう。 収穫 枝豆は収穫の適期が短く、本来の味わいを楽しめるのは数日のみです。莢を押した時に中の豆が弾けて出るくらいが収穫の目安。株の下のほうから実が入るので、全体の8割程度の実が膨らんだ頃に、株ごと抜いて収穫しましょう。収穫が遅れると、莢が黄色くなって中の豆が固くなります。 種まきから収穫までの日数は品種によって異なるので、種まきした場合は、種袋に書いてある情報を頼りにするといいでしょう。 枝豆の保存方法 枝豆は、鮮度が落ちやすい野菜の一つで、「鍋に火をかけてから採りに行け」という教えがあるほど。可能ならば、収穫後すぐに茹でて自家栽培ならではの美味しさを楽しんでください。茹でる前に、莢ごと塩もみしておくと、産毛がきれいに取れますよ! たくさん収穫できて、食べきれない場合には、冷凍保存がおすすめです。固めに茹でて室温で冷ましたのち、キッチンペーパーで水気を切って、密閉できる保存袋に入れて冷凍します。冷凍後、1カ月は美味しく食べることができます。冷凍した枝豆は、沸騰させたお湯に入れて軽く茹で直し、塩を一振りして食べるのがおすすめです。 枝豆を自分で育ててみよう この記事では、枝豆の特徴から育て方まで、幅広くご紹介してきました。枝豆は「買うもの」ではなく、家庭でも育てることができる野菜です。収穫したての枝豆の新鮮な味わいには、きっと驚かれる方も多いはず。一度その美味しさを知ると、毎年栽培したくなるのではないでしょうか。ぜひ自身で育てて、枝豆本来の味を確かめてみてください。
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【NEW】アウトドアリビング的な都市公園、神戸「東遊園地」で4月8日(土)GREEN MARKET開催!
集えてくつろげる、アウトドアリビング的な公園 神戸の中心地に位置し、2.7ヘクタールを有する「東遊園地」が、約1年半のリニューアル工事を経て4月7日(金)にグランドオープンします。東遊園地は三宮駅と神戸港の間に位置し、毎年、神戸ルミナリエや1.17のつどいなど阪神・淡路大震災の追悼行事が行われ、市内外から多くの人が集う都市公園です。リニューアル工事は三宮エリアの再整備事業の一環として行われ、東遊園地は都心回遊の拠点として、また神戸の海と山を結ぶフラワーロード(税関線)と一体になった花と緑のネットワーク形成の要としてリデザインされました。 新たな公園のコンセプトの一つが「アウトドアリビング」です。人が集いやすく、居心地のよい場所を提供するために、「芝生ひろば」「みちひろば」「見晴らしひろば」の3つの広場を整備。公園の中心となる芝生ひろばの芝生面積は約4,000㎡に拡大され、新たに「URBAN PICNIC」と名付けられたにぎわい拠点施設が誕生しました。ここには公園の景色を眺めながら食事を楽しむことができるカフェレストラン「WEEKEND」や、公園内で読書が楽しめる屋外図書館「アウトドアライブラリー」、またレンタルスペースとして利用できるラウンジやスタジオなどが併設され、市民のくつろぎの場、交流の場として充実した機能が加わります。そのほかにも数人で寝そべることのできるリラックスベンチやサイドテーブルなどが設けられ、公園の快適性が格段にアップ。既存の樹木を生かした植栽で、量感たっぷりの緑は目に心地よく夏場は涼しい緑陰を提供してくれます。 園芸店や生産者が集まるGREEN MARKET 2023 Spring開催! 心地よい空間の提供だけでなく、新たな公園ではさまざまなイベントが用意されています。その第1弾が、東遊園地のグランドオープンに合わせて行われる「GREEN MARKET」。神戸市内外の個性的な園芸店、ハーブや花の生産者、素材にこだわった食品・雑貨のお店、こだわりの古書店などが出店。生産者や園芸店によるトークライブも開催されるほか、寄せ植えのワークショップなども行われます。 ■GREEN MARKET 2023 Spring開催情報 日時:2023年4月8日(土) 10:00〜16:00場所:東遊園地 みちひろば周辺 (住所:神戸市中央区加納町6-4-1)入場:無料 ※商品やワークショップ参加料などは別途料金がかかります。担当:アーバンピクニック事務局(上戸)問合せ:urbanpicnickobe@gmail.com ■GREEN MARKET 出店者 【Plants & Flowers】 小谷園芸/多肉植物やリーフ類・加西市島と暮らすファーム/観葉植物・淡路島鈴蘭園/花苗・神戸市北区SpiRAL Flower Design/リースやスワッグ・神戸市中央区高見園芸/花苗・加西市DE LA PLANTA REINO/インテリアグリーン・神戸市中央区HERB SHOP/果樹苗やアロマ雑貨・神戸市兵庫区Lunca Plants /切り花・神戸市 【Books and Foods】 エメラルドブックス/古書蚊帳文庫/古書空果舎/ジャムやスコーンハニカムブックス/古書 【Others】 神戸市公園緑化協会/公園紹介Living Nature Kobe/Naturalistic Landscaping 紹介 トークライブ 園芸業界の著名人や生産者をお招きし、「僕たちがグリーンを通して伝えたいこと」をテーマに話をお伺いします。各々の取り組みや植物のこと、活動に秘められた思いなどお聞きします。 11:00- 原知義氏(伊川谷花卉農家)×古賀賢治氏(久留米生産者) 13:00- 井上盛博氏(オニヅカバイオ園芸店店長) 聞き手 藤田毅氏(園芸家)
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ハーブ

タネから育てられるおすすめの春播きハーブ8選
多くのハーブは春播きです バジルやタイムなど、暮らしの中でよく活躍する身近なハーブの多くが、春にタネを播く春播きにより栽培できます。播きどきはハーブによって異なりますが、温暖地ではおおむね4~5月頃。手軽で失敗しにくいハーブ苗もいいですが、タネ播きは苗を購入するより経済的で、可愛らしい芽吹きの様子から楽しめます。今年育ててみたいハーブがある人は、播きどきを逃さずタネからハーブを育ててみませんか? それぞれのタネの播きどきや詳しい育て方などは、タネ袋の裏に書いてある情報で確認しましょう。 ここでは、タネからでも育てやすく、春播きに向くオススメのハーブを8種ご紹介します。タネの播き方は『植物に合わせた3つの「タネ播き」の方法』をご覧ください。 バジル ulrich22/Shutterstock.com 鮮やかなグリーンと爽やかな香りが、イタリア料理に欠かせないバジル。暑さに強く夏でも旺盛に生育し、トマトとの相性が抜群で夏の食卓で活躍するハーブの一つです。たくさん収穫できたら、ジェノベーゼソースをつくって保存してもいいですね。 バジルの播きどきは4月下旬~5月頃。日当たりのよい場所で育てましょう。大きく茂るので、株間を取って点播きにします。光があると発芽するので、土はごく薄くかけます。発芽後は元気な株を残して間引きをし、伸びてきたら、芽の先を摘む摘心をすることで、脇芽を増やしてたくさん収穫することができます。乾燥に弱いので、水切れしないように注意しましょう。花が咲くと葉がかたくなるので、収穫を長く続けたい場合は花穂を摘み取ります。一年草扱いなので、毎年タネ播きが必要です。 タイム STUDIO GRAND OUEST/Shutterstock.com 爽やかな芳香とほろ苦い風味があり、肉・魚料理からハーブティーまで幅広く活躍するタイム。常緑の小さな葉やピンクの小花が可愛らしく、花壇や寄せ植えの花材、這性のものは香りのあるグラウンドカバーとしても利用されます。苗から育てるのが一般的ですが、タネ播きからでも栽培できます。 タイムの播きどきは4~6月中旬頃。タネ播き用のポットや育苗箱に播くほうが育てやすいでしょう。タネは重ならないようにばら播きにし、ごく薄く土をかけます。草丈5㎝ほどに伸びたら、育てたい場所に植え付けます。比較的乾燥した気候を好み、高温多湿が苦手なので、夏場は蒸れに注意しましょう。 ミント Hikko.ne/Shutterstock.com 爽やかな香りを持ち、ハーブティーやお菓子の飾り、料理、香料などによく利用される身近なハーブ。ミントはシソ科ハッカ属の植物の総称で、ペパーミントやスペアミント、アップルミントなど、さまざまな種類があります。ミントは交雑しやすいため、苗から栽培するのが一般的ですが、タネからでも育てることができます。 ミントの播きどきは4~5月頃と9月頃。タネが重ならないようばら播きにし、土はごく薄くかけます。ミントのタネは細かいので、水やりの際に流れてしまわないよう、タネ播き後は霧吹きで水やりをするとよいでしょう。発芽後は間引き、摘心をしながら育てます。とても丈夫ですが、やや湿り気のある場所を好むため、水切れしないよう注意しましょう。株姿が乱れてきたら収穫も兼ねて半分ほどに切り戻し、風通しよく育てましょう。非常に生育旺盛で、地下茎でよく増えるので、栽培する際は広がりすぎないように注意が必要。コントロールしやすい鉢植えで育てるのがおすすめですが、根がいっぱいになりやすいので、適宜植え替えや株分けを行いましょう。 チャイブ ネギの仲間のチャイブは、細長い葉に独特のマイルドな風味があり、西洋料理でよく使われます。サラダやオムレツなどのほか、魚料理やジャガイモ料理などにも相性抜群。5~6月頃には、ポンポンのような赤紫色の花を咲かせ、花壇に植えても可愛いハーブです。 チャイブの播きどきは3月下旬~6月上旬頃と、9~10月頃。タネは嫌光性なので、播いた後はタネが隠れる程度に土をかぶせます。明るい日陰で肥沃な場所を好みます。成長してきたら、地際から3~5cmほどのところで切り取ると、また葉が伸びてきて何度も収穫できますが、収穫を続けると花が咲かないので、花を楽しみたい場合は、収穫用の株と花用の株を分けましょう。タネから育てた場合、花が咲くのは翌年以降になります。多年草なので、冬には地上部が枯れますが、春になるとまた芽を吹きます。 セージ ChiccoDodiFC/Shutterstock.com 古代から香辛料や薬草として使われてきたセージ。銀色がかった長楕円形の葉は常緑で、細かい網目状のしわが入ります。すっきりした香りと苦みがあり、肉料理によく合います。初夏から夏にかけて咲く紫色の穂状の花もきれいです。 セージの播きどきは4~5月頃と9~10月上旬頃。タネ播き用のポットや育苗箱にタネが重ならないようにばら播きにし、タネが隠れる程度に薄く土をかけます。本葉が5~6枚出た頃に、日当たりのよい場所に植え付けをします。ある程度成長したら摘心をすると脇目がよく茂ります。乾燥や寒さには強いですが、高温多湿に弱いので、梅雨前には収穫を兼ねて枝を透かし、風通しよく育てましょう。花をメインに楽しむ場合、春に花芽を摘まないよう気をつけます。 イタリアンパセリ Stephen Orsillo/Shutterstock.com イタリアンパセリはパセリの平葉種で、苦みが控えめで風味も柔らかく、使いやすいハーブ。トマトソースとの相性がよく、パスタやスープなどの香りづけや彩りとして、日々の食卓に少しあると便利です。 イタリアンパセリの播きどきは3~5月頃と、9~10月頃。タネが重ならないようにばら播きにし、土はかけないか、ごく薄くかけます。発芽までは2~3週間程度と少し時間がかかるので、乾燥させないようにしましょう。発芽後は間引きをして丈夫な株を選別します。強い日差しに弱いので、夏は半日陰で育て、また水切れにも注意が必要です。収穫の際は、葉を10枚以上残すようにすると、株が弱らず長く楽しめます。花が咲くと葉がかたくなるので、花茎は早めに切り取りましょう。比較的寒さに強い二年草。 レモンバーム Vaclav Mach/Shutterstock.com レモンに似た爽やかな香りがあるレモンバーム。料理の香りづけやハーブティー、ポプリなど幅広く活用されます。初夏に咲く白い小花をミツバチが好むことから、ミツバチを意味する「メリッサ」という名でも呼ばれます。 レモンバームの播きどきは4~5月頃と9月頃。明るい日陰を好みます。タネはばら播きにし、タネが隠れる程度に薄く土をかけます。発芽までやや時間がかかります。発芽後は間引き、摘心をして育てます。湿り気の多い土を好むため、乾燥させすぎないように注意が必要。開花すると香りが弱くなるので、梅雨前頃に収穫も兼ねて半分ほどに切り戻し、風通しもよくします。丈夫で育てやすい多年草で、こぼれダネでもよく増えるので、広がりすぎないよう注意しましょう。 シソ Skyprayer2005/Shutterstock.com ハーブといえば西洋料理の印象が強いですが、大葉とも呼ばれるシソも立派な日本のハーブ。上品でさわやかな香りと味わいは和食で広く利用され、葉、花穂、実が食用になります。青ジソと赤ジソには、それぞれ葉が波打つチリメンの種類があります。 シソの播きどきは4月中旬~5月頃。十分暖かくなってからタネを播きましょう。タネは一晩水につけ、しっかり吸水させてから条間30cmほどの筋播きにし、土はかけないか、ごく薄くかけます。発芽後は間引きをして、株間を広くとって育てましょう。乾燥を嫌うので、水切れに注意します。株が20~30cmほどに育ったら、若い葉から適宜収穫をします。8~9月頃に花穂が伸びてくると、葉の生育が悪くなるので、葉の収穫を続けたい場合は摘み取りましょう。一年草扱いなので、毎年タネ播きが必要です。
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宿根草・多年草

オキザリスは丈夫で増えて育てやすい! 特徴と育て方を解説
オキザリスとは、どんな植物? 日本では雑草としておなじみのカタバミ(Oxalis corniculata)。 カタバミ科カタバミ属(Oxalis属)の植物の総称で、おもに熱帯アメリカや南アフリカ原産の球根性の種類が園芸的に流通しています。 日本では、耕地や道端に生える山里植物として知られるカタバミ(Oxalis corniculata)が全土に分布しています。匍匐性の茎は、よく分枝して広がり、花後につく蒴果(さくか)は成熟するとはじけて勢いよく種子を飛ばします。発芽も早いため、繁殖力は極めて旺盛。「駆除しにくい雑草」として扱われますが、この繁殖力にあやかって、特徴的な葉の形が家紋のモチーフになるなど、日本人にとっては親しみのある植物の一つです。 「片喰紋(かたばみもん)」は、日本10大家紋の一つ。武家好みの「丸に剣片喰」など、派生形が120種類ほどあります。 属名はギリシャ語で「酸い」を意味するオクシス(oxys)に由来。葉や茎にシュウ酸を含み、噛むと酸味を感じるためです。前出のカタバミにも、「鏡草(鏡を磨いたことから)」「スイモノグサ」「ショッパグサ」といった別名があります。 シュウ酸を含むカタバミの葉でこすると、黒ずんだ10円玉がピカピカに。お子さんと一緒にやってみては? オキザリスの花言葉は? オキザリスにはいくつかの花言葉があります。 まずは、「輝く心」。古代に、シュウ酸を含む葉や茎で金属の鏡や神具を磨いていたことに由来します。復活祭の時期に咲くことから、スペインやフランスなどではカタバミのことを「ハレルヤ」(キリスト教で「主をほめたたえよ」の意味)と呼ぶことも。そこから「喜び」「母の優しさ」という花言葉が派生したようです。一方で、丈夫で庭に植えるとどんどん増える生命力の強さから「決してあなたを捨てません」という花言葉もあります。 花色も姿もバラエティー豊富で、集めたくなる! 左/Oxalis variabilis ‘Sun-Luck’ 右/Oxalis adenophylla 南アフリカや南中米を中心に、世界中に800種類以上が分布しているオキザリスの仲間。多くは宿根草ですが、それらの形状は、草本、ロゼット状になるもの、地中に球根をつくるもの、木質化するもの、多肉植物に近いものなどさまざまです。花色も、桃、黄、橙、紫、白と豊富で、日の光を浴び咲き揃う姿はとても華やか。特徴的な筒状の花は、日が陰ると閉じてしまいますが、くるくると傘を畳むように回旋した姿もご愛敬。葉はハート形の3つ葉が一般的ですが、細葉や卵形、短い毛が生えていたり、多肉質だったりとじつに多様で、コレクター心がくすぐられます。 ここでは、栽培品種として流通しているものを中心にご紹介します。 ハナカタバミOxalis bowiei 長い花茎に大きなピンク色の花が特徴的なハナカタバミは、南アフリカのケープ地方原産。江戸時代末に観賞用に輸入され、庭植え用に広く普及しています。寒冷地以外は路地植えで越冬するため、河原などで野生化したものも見かけます。 ミヤマカタバミOxalis griffithii 低山帯の林床に生えるため、湿り気のある、半日陰の環境を好みます。本州の東北南部から中国、四国地方まで広く分布。白もしくは淡いピンクの花弁に赤紫の条が入った花を、花茎の先に一輪ずつつけます。 イモカタバミOxalis articulate 南アメリカの標高の高いエリアを中心に広域で分布。日本には第二次世界大戦後に観賞用として持ち込まれて以降、全国に帰化しています。花色は紫桃色からピンク、淡いピンク、白など。ムラサキカタバミと似ていますが、イモカタバミはイモのような塊茎で増えます。 オキザリス・バーシカラーOxalis versicolor 南アフリカのケープ地方原産。裏側に赤~濃ピンク色の縁取りが入る覆輪の白花が特徴。つぼみや、花が閉じた状態のときに、紅白の縞模様が現れる姿が、理容室の看板やクリスマスツリーに飾られるキャンディを連想させます。 ‘桃の輝き’Oxalis glabra‘Momono-Kagayaki’ O.glabraの園芸品種。秋から冬にかけて、中心部が黄色の桃花を咲かせます。春に地上部が枯れて、夏場は休眠、秋に再び芽を出します。丈夫で寒さにも強く、地下茎が伸びて爆発的に増えるので鉢植えがおすすめ。 ‘スプリング・チャーム’Oxalis comosa ‘Spring Charm’ O. comosaの園芸品種でピンク、オレンジ、黄などいろいろな花色があります。早春から花をつけ、大輪の多花性なので開花期はとても華やか。 オキザリス・トライアングラリスOxalis triangularis 南アメリカ原産。濃い紫色で大きな三角形の葉が特徴。別名「紫の舞」。春から秋にかけて、淡いピンク色の花をつけます。 オキザリス・プルプレア(フヨウカタバミ)Oxalis purpurea 南アフリカ原産。明治時代中頃に観賞用として導入され、日本各地に逸出しています。花は直径4cmほどでカタバミ属の中ではやや大輪。紫紅色、ピンク、白、藤色、紫色、黄色など花色も豊富。 うまく組み合わせれば一年中楽しむことができる オキザリスは多くの種類が出回っているため、それぞれの開花時期は異なります。春夏秋冬それぞれに咲くものがあるほか、長い期間楽しめる四季咲き種もあり、上手に集めると一年中楽しむことができます。 栽培環境 それなりに合う環境であれば、むしろ“増えすぎて困るほど”に生育旺盛なオキザリス。乾燥に強く、日当たりと水はけのよい環境を好みます。とくに夏場に休眠する種類の場合、過湿や多肥は、球根が腐りやすくなる要因に。多くは耐寒性もあり、寒冷地でなければ屋外で越冬が可能です。日当たりが悪い環境では、花つきが悪くなりますが、夏の直射日光や西日は嫌うので配慮を。夜間や曇天時には花を閉じてしまいますが、機嫌を損ねたようにくるくるとすぼんだ様子も可愛いものです。 用土 オキザリスが好むのは、水はけのよい土。基本的には丈夫で繁殖力が旺盛なものが多いので、地植えの場合はあまり気にしなくても OK。水はけが悪い場所ならば、植え付ける前に腐葉土や堆肥、赤玉土などを混ぜ込んで耕しておくとよいでしょう。 鉢植えにするならば、赤玉土7に腐葉土3程度を混ぜた土か、市販の草花用培養土を使うこともできます。山野草として扱われるものは、鹿沼土や山砂などを加えるとよいでしょう。 植え付け方法 オキザリスは苗か球根で入手します。花がついた状態で鉢に植えられているものは1~2シーズン程度そのまま栽培してもOK。ポット苗は庭植えや1回り大きめの鉢に植え付けを。プランターなど大きめの鉢に複数の株を植えるときは、成長後のスペースを考えて、20cm以上株間をとるようにしましょう。 オキザリスの球根は、春植えのものと秋植えのものがあり、春植えなら3~4月、秋植えなら8~9月が植え付けの適期です。1年目はあまりボリュームが出ず花数も少ないので、地植えよりは鉢やポットで養生するのをおすすめします。間隔を2~4cm程度とり、深さは1~2cmで植えるようにしましょう。4号鉢なら小球で2~3球、大きい球根なら1球のみで植えます。 水やり・肥料 過湿になると球根が腐りやすくなるため、水やりは用土が完全に乾いてから。表面の土が乾いてから1、2日経ったタイミングがよいでしょう。与えるときは鉢底から余分な水が出るくらいに、たっぷりと。休眠期のある種は、茎葉が枯れて地上部が完全になくなった後は水を与えません。春植え球根は冬に休眠、秋植え球根は夏に休眠します。 肥料はあまり必要とせず、多肥になると根腐れを起こし成長が悪くなることも。植え付けのときに緩効性肥料を施しておく程度で十分です。 病害虫 病害虫の心配もほとんどありませんが、高温時には葉の裏にダニがつくことも。防除するには、葉の裏に水をかけるように。増えてしまったときには殺ダニ剤を散布します。鉢植えでは、地下部にネコナカイガラムシがつきやすいので、オルトランDXなどの粒剤をまいておくとよいでしょう。 増やし方 オキザリスの球根は自然に分球して増えるため、鉢植えの場合、窮屈になり地上部の生育が悪くなることも。2~3年に1度は、植え替えを兼ねて、株分けをしてあげましょう。球根の状態で保管するなら、休眠期に入ってから掘り上げ、土を落として、ネットなどに入れて風通しのよい冷暗所に吊しておきます。 さまざまな種類のオキザリスを楽しもう! 太陽の光を浴びてご機嫌な様子で開くパラソル形の花が可愛らしいオキザリス。カラーリーフが楽しめる品種もあり、花壇や鉢植えはもちろん、寄せ植えに使ってもアレンジの幅が広がるはず。丈夫で手間いらずのものが多いので、花色や草姿、性質の違いなどを楽しみながら、いろいろ育ててみてはいかがでしょうか。 Photo/ 1) ry0_803 2) Iva Villi 3) aryunet 5) Sunwand24 6) Teresa Design Room 7) Wiert nieuman 8) R. Maximiliane 9) Iva Villi 10) KPG Payless2 13) Fenlin 14) Teresa Design Room 15) RukiMedia 16) ChetnaC 17) Jacomo 18) Khaled El-Ashra 19) RYBAK NADEZHDA 20) Carlos Huang 21) Wattlebird 22) Molly Shannon /Shutterstock.com
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一年草

ヤグルマギクの魅力と育て方 切り花やドライフラワーにおすすめ!
ヤグルマギクとは ADELART/Shutterstock.com ヤグルマギクは、キク科ヤグルマギク属の一年草。原産地は地中海沿岸で、寒さには強いほうですが、日本の高温多湿の気候は苦手です。草丈は30〜100cmほどで、ガーデニングでは花壇の中段〜後段に向く素材です。 ヤグルマギクのライフサイクルは、以下の通りです(暖地基準)。秋にタネを播いて育苗し、晩秋に定植して冬越しさせます。翌春の生育期に入ると、ぐんぐん伸びて茎葉を広げ、4〜5月に開花。夏の暑さは乗り切れずに枯死してしまうので、比較的ライフサイクルの短い植物といえます。栽培は容易で、こぼれダネで増えるほど強健なので、ビギナーにも育てやすい草花の一つです。 ヤグルマギクは、もともとヨーロッパで麦畑などに現れる雑草として扱われていましたが、花が美しいので園芸用に品種改良され、観賞用として愛されるようになり、今ではドイツやフランス、エストニアなどの国花にもなっています。日本へは明治の中頃に伝えられました。徐々に普及し、ガーデニングの素材としても、切り花としても流通しています。 名前の由来 Zabed Alam/Shutterstock.com ヤグルマギクは、花弁の先端に切れ込みが入る小さな花を中央から放射状に咲かせます。その花姿が、風を受けてクルクル回る「矢車」に似ているところから名づけられたものです。 西洋で「コーンフラワー」と呼ばれるのは、かつてはトウモロコシ畑や小麦畑に出没して繁茂し、収穫量を少なくしてしまう雑草だったから。 ヤグルマギクの学名はCentaurea Cyanus(セントーレア・サイアナス)。Centaureaはギリシャ神話に登場する半人半馬のケンタウロス、Cyanasは青色という意味です。これは、ケンタウロス族のケイローンが負傷した際に、ヤグルマギクを使って傷を治癒したことにちなんでいます。ちなみに、近年は学名からセントーレアと呼ばれることも多くなっています。 どんな花を咲かせる? Scisetti Alfio/Shutterstock.com ヤグルマギクの開花期は4〜5月で、花茎を立ち上げた頂部に直径4〜5cmの花を咲かせます。実際は、小さな筒状花が中心から外に向かってたくさん放射状に咲いて一輪に見えるもので、これを「頭花」といいます。中心には花弁の目立たない小さな花があり、多数のおしべをつけるのが特徴です。 花色は、青、紫、ピンク、白、黒赤、複色など。品種によって色幅にバリエーションがあります。また、楚々とした一重咲きと、豪華な八重咲きがあります。 ヤグルマギクの花言葉 Vitalii M/Shutterstock.com ヤグルマギクの花言葉は、「繊細」「優美」「教育」「信頼」などで、「繊細」「優美」は、薄い花弁を何枚も重ねる花姿をイメージしたもの。ドイツでは「希望をあきらめない」という花言葉もあります。これは、ナポレオンがプロシア(現ドイツ)に侵攻した際の逸話から。王子たちとともに麦畑に逃げ込んだ王妃が、不安そうにしている王子たちにヤグルマギクを摘んで冠を作り、王族としての覚悟や誇りある振る舞いを諭し、希望をあきらめないことを伝えたというものです。「教育」や「信頼」という花言葉も、この逸話から生まれました。また、「独身生活」という花言葉もあります。これは、イギリスの独身男性はヤグルマギクを胸にさす習慣があり、「婚活中」であることをさりげなく示していたことにちなむものです。 ヤグルマギクの品種 Edita Medeina/Shutterstock.com シルバーがかった葉色を持ち、シックな黒赤の花を咲かせる‘ブラックボール’は、人気の高い品種です。また、‘ファイヤーワークス’は、ややコンパクトにまとまり、カラフルな花色が魅力。‘フロステッドクイーン’は、放射状に咲く白い小花の中央がピンクまたはブルーになり、大変目を引きます。 さまざまな用途がある! Kaichankava Larysa/Shutterstock.com ヤグルマギクはドライフラワーに加工しやすい草花です。たくさん咲いたら風通しのよい場所に吊り下げておくと、簡単にドライフラワーになります。退色も少なく、リースやスワッグ、アレンジメントなどに長く利用できますよ! また、収れん作用や消炎作用に優れ、咳止めに効くハーブとして、古代エジプト時代から魔除けや薬用に利用されてきた歴史があります。現在でもハーブティー用に販売されていますが、香りや味は弱いので、紅茶とブレンドして飲まれることが多いようです。 ヤグルマギクの育て方 ここまで、ヤグルマギクのプロフィールや魅力、花言葉や名前の由来、品種など、多岐にわたってご紹介してきました。そろそろヤグルマギクに親近感が芽生えてきたのではないでしょうか。ここからは、ガーデニングの実践編としてヤグルマギクの育て方にスポットを当て、詳しく解説していきます。 栽培環境 Marina Demidiuk/Shutterstock.com ヤグルマギクは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所と花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりします。 寒さには比較的強いほうで、暖地なら地植えして越冬できますが、寒風が吹きつけない場所が望ましいでしょう。日当たりのよい室内の暖かい場所で越冬させるより、ある程度寒さにあわせたほうが丈夫な株になり、越年して春を迎えてからの生育が旺盛になります。寒さが厳しい地域では、春まで待ってからタネを播くか、苗を植え付けるほうが無難です。 夏の高温多湿の気候には弱いので、暖地では夏越しできず、夏前にライフサイクルを終えて枯死してしまいます。ただし、寒冷地では越年して毎年開花することもあるようです。また、品種によっても耐暑性に差があります。 ヤグルマギクは、酸性に傾いた土壌を嫌うので、苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。 土作り Monkey Business Images/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきましょう。土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用に配合された培養土を利用すると便利です。 植え付け 秋に種まきして育苗した場合、植え付けの適期は温暖地で10〜11月頃です。フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、手に入り次第植え付けます。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、根を傷めないようにポットから苗を出し、植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約30cmの間隔を取りましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。ヤグルマギクの苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、根を傷めないようにポットから出して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 【地植え】 根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理しますが、多湿を嫌う性質なので、水の与えすぎに注意します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com 【地植え】 あまり多肥を好まないため、植え付け時に十分な土づくりをしていれば、肥料は不要です。逆に与えすぎると徒長して倒れやすくなり、病害虫も発生しやすくなります。 【鉢植え】 晩秋〜冬に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分です。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 花がら摘み Tohuwabohu1976/Shutterstock.com 開花期間が長いので、終わった花があれば早めに花茎の元から切り取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなるので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。 病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ヤグルマギクは、うどんこ病や立ち枯れ病が発生しやすい傾向にあります。 うどんこ病は、多湿で風通しが悪い環境で発生しやすくなります。葉の表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。発症したら病気の葉を摘み取って処分し、適応の殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 立ち枯れ病は土壌から感染しやすく、連作障害によって発生しやすい病気です。根や地際の茎から発症しやすく、黄色く枯れ込んできて、放置すると茎葉全体が茶色く変色し、やがて立ち枯れてしまいます。連作を避ければ回避できるので、前年にキク科の植物を植えていない場所で育てるようにしましょう。 【害虫】 ヤグルマギクに発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁します。株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなり、見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじき落としたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動して葉を食い荒らします。食欲旺盛で、一晩のうちに丸裸にされてしまうことも。葉の裏に卵を産み付けるので、孵化直後のうちに退治するのがポイントです。または、植え付け時に土に混ぜ込むタイプの殺虫粒剤を使っても防除できます。 増やし方 ヤグルマギクは一年草として扱われているので、増やし方は種まき一択です。 容易に種まきして栽培でき、しかも「採りまき」ができます。「採りまき」とは、花が終わった後に花がらを摘まずにそのままにしておき、実ったタネを採取し、翌シーズンに種まきすることです。タネを採取したら密閉袋に入れて保存しておき、適期に播けば、毎年開花を楽しめるので、コストパフォーマンスが高い草花だといえますね。 ヤグルマギクの発芽適温は15〜20℃です。種まきの適期は、温暖な地域では9月下旬〜10月頃。寒い地域では、4〜5月頃にタネを播いて、6月下旬〜8月頃に開花させるとよいでしょう。 ヤグルマギクは種まき用のセルトレイを準備し、市販の草花用培養土を入れて、タネを1〜2粒ずつ播きます。タネが隠れる程度に土をかぶせ、たっぷりと水やりをしましょう。発芽までは新聞紙などをかぶせておき、乾燥させないようにします。発芽したら日当たり、風通しのよい場所に置き、多湿にならないように水の管理をしましょう。本葉が2〜3枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。根を傷めないように、丁寧に取り扱うことがポイントです。日当たりのよい場所に置き、多湿にならないように、表土が乾いたら水やりして育成します。7〜10日に1度を目安に、液肥を与えて生育を促しましょう。本葉が8枚くらいまで出揃ったら、植えたい場所に定植します。 ヤグルマギクの花を楽しもう! frantcuzova svetlana/Shutterstock.com この記事では、ヤグルマギクの魅力や育て方など、幅広くご紹介してきました。主役にも脇役にもなるヤグルマギクは、春の花壇で大活躍する草花です。次から次に花を咲かせるので、切り花やドライフラワーなどに利用するのもおすすめ。利用の幅が広いヤグルマギクを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

春を知らせる花を探そう! 3月に咲く人気の花20選
スミレスミレ科多年草/主な花色:紫・ピンク・白/開花期:3~5月 ikwc_exps/Shutterstock.com 春になると、愛らしい紫色の小さな花を咲かせるスミレ。毎年スミレを見るのを春の楽しみにしているという人も多いことでしょう。日本では北海道から沖縄まで自生し、その地域でしか見られない変種などもあり、海、山、街と、じつにさまざまな場所で見ることができます。アスファルトの割れ目からたくましく顔をのぞかせていることも。種子を飛ばして移動していくので、大切な品種は採種しておくと安心です。水はけのよい中性の土を好みます。軽石などを混ぜ込んだり、通気性のよい鉢を選ぶなどして水はけよく育てましょう。スミレの花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」などです。 ●野山や家々の庭を彩る春の可憐な使者! スミレの特徴や種類、育て方、意外な一面をご紹介 スイセンヒガンバナ科多年草/主な花色:白・黄・オレンジ・複色/開花期:11月中旬〜4月 写真/前田満見 早春にラッパのような形の花を咲かせ、庭を明るく彩ってくれるスイセン。一度植え付ければ毎年開花してくれる息の長い球根植物で、濃厚な香りも楽しめます。品種によって開花期が異なり、早咲きのものは11月中旬から、ラッパズイセンなどは3~4月に開花します。球根の植え付けの適期は10〜11月です。花後は葉が枯れるまでそのままにしておき、球根を太らせましょう。スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」などです。 ●スイセンの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します チューリップユリ科多年草/主な花色:赤・ピンク・白・黄・オレンジ・紫・黒・緑・複色/開花期:3月~5月上旬 Olena Z/Shutterstock.com 春のガーデンを彩る代表的な花、チューリップ。八重咲きやユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなどさまざまな花形があり、花色も豊富で、子どもから大人まで年代を問わず広く愛されています。最近では植えっぱなしで咲く原種系のチューリップも人気があります。ガーデニング初心者にも育てやすく、地植えでも鉢植えでも育てられます。球根の植え付け適期は秋、10~11月。紅葉を目安にするとよいでしょう。1月中頃から芽出し球根も出回ります。植えっぱなしで翌年も咲きますが、園芸品種の場合は花がきれいに咲かないことも多いので、確実に咲かせたい場合は、毎年植え替えるとよいでしょう。チューリップの花言葉は「思いやり」です。 ●チューリップの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ムスカリキジカクシ科多年草/主な花色:青・紫・白・黄・ピンク/開花期:3月~5月中旬 svetlanabalyn/Shutterstock.com ムスカリは代表的な球根花の一つで、「グレープヒヤシンス」という英名の通り、ブドウの実のように鈴なりに壺状の花を咲かせます。ブルー系の花はチューリップなど春の花と相性がよく、花壇の縁取りや春花壇の名脇役として欠かせない存在。丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。日当たり・水はけのよい場所を選べば、植えっぱなしで毎年可愛い花が楽しめます。定番の紫のほかに、白やピンク、ブルーのグラデーションなどの花色もあります。早めに球根を植えると葉が長く成長してしまうので、11月上旬~中旬に植え付けるとよいでしょう。ムスカリの花言葉は「失望」「失意」などです。 ●ムスカリの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します パンジー&ビオラスミレ科一年草/主な花色:赤・ピンク・オレンジ・黄・白・紫・複色 /開花期:10月下旬~5月中旬 冬の花壇や寄せ植えの定番のパンジー&ビオラですが、暖かな春になるとより生育が盛んになり、こんもりと茂って次々に花が咲いてきます。非常に種類が豊富で、また可愛らしい新品種が登場するので、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。一年草ですが、丈夫で育てやすく、晩秋から初夏までたっぷり楽しめてコストパフォーマンスも高い植物。長く楽しむために、こまめに花がらを摘み、必要に応じて追肥をするとよいでしょう。摘心すると、よりこんもりと花数多く楽しめます。パンジーの花言葉は「もの思い」「私を思って」などです。 ●パンジー・ビオラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します コブシモクレン科高木/主な花色:白/開花期:3~4月 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com 春先に花付きよく純白の花を咲かせるコブシは、春の訪れを知らせてくれる里山の花木です。昔から日本で自生してきた植物で、暑さや寒さに強く、放任してもよく育ちます。同じ頃に花を咲かせるハクモクレンと似ていますが、肉厚で上を向いて咲くハクモクレンに対し、コブシは花びらが大きく開いてバラバラの方向を向き、また花の付け根に1枚だけ葉が出るのが特徴です。植え付けの適期は1月〜3月上旬で、剪定の適期は開花後の4月下旬。大きくなるので、鉢植えではなく地植えで育てるのがおすすめです。コブシの花言葉は「希望」「慰め」などです。 マグノリアモクレン科高木/主な花色:白・赤紫・ピンク・黄・複色/開花期:3~4月 Ulrike Adam/Shutterstock.com マグノリアはモクレン属の園芸品種の総称で、白やピンクなど柔らかな色合いのボリュームのある美しい花を一面に咲かせ、春を彩ってくれる花木です。基本的に大きく育つので、小スペースでの栽培なら、小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がおすすめ。それ以外のものは基本的に大きくなるので、スペースを十分にとって育てましょう。大木に育てれば、庭の主役としても存在感たっぷりです。しっかり寒さに当てないと花が咲かないことがあります。マグノリアの花言葉は「自然への愛」「持続性」「華麗」「壮大」などです。 ●春を告げる純白の花! 憧れのハクモクレン(マグノリア・デヌダータ)の特徴を知って育ててみよう ミモザ(ギンヨウアカシア)マメ科高木/主な花色:黄/開花期:3月~4月上旬 写真/遠藤昭 フワフワした黄色いポンポン状の花がたわわに咲き、切り花やリース、スワッグ、ドライフラワーとしても人気のミモザ。銀灰色の葉色も美しく、観賞価値の高い花木です。成長が早く、大きく育ちますが、幹は太くなっても柔らかく、茂りすぎると重みや風で大きく曲がることもあるので、適宜剪定をしてコンパクトに保ちましょう。花芽は7月頃には作られるので、剪定は花の直後に行います。日本ではあまり長寿ではなく、夏に突然枯れてしまうこともあるので注意します。ミモザの花言葉は「秘密の恋」「感受性」「思いやり」などです。 ●【ミモザ】庭に春を呼ぶ!育てやすい種類と挿し木・タネ播き・育て方 ユキヤナギバラ科低木/主な花色:白・ピンク/開花期:2~4月 Optimarc/Shutterstock.com 真っ白な花を枝垂れた枝一面に咲かせ、まるで雪が降り積もったかのような美しい姿が人気のユキヤナギ。剪定や管理がしやすく育てやすいので、花壇や公園など、街中で見かけることも多い花です。開花期間が2~3週間ほどと比較的長く、さまざまな春の花とのコラボレーションを楽しめます。純白の花のイメージがありますが、最近では花弁の外側がピンクの園芸品種も登場しています。秋に花芽ができるので、花後に剪定を。地際から刈り込んでも、よく枝が伸びて翌年も花が咲くので、数年に1度地際から刈り込んで剪定するとよいでしょう。ユキヤナギの花言葉は「愛らしさ」「気まま」「殊勝」などです。 ●【無数の白花】ユキヤナギを庭木に! 上手な育て方と剪定のコツ レンギョウモクセイ科低木/主な花色:黄/開花期:3月中旬~4月中旬 Cristina Ionescu/Shutterstock.com 輝くような黄色の小花をいっぱいに咲かせるレンギョウは、春に鮮やかな景色を見せてくれる花木です。丈夫な性質で刈り込みにも耐え、暑さ寒さに強く、日本の気候によく馴染んで旺盛に生育することから、道路や公園などの公共空間、生け垣、盆栽としても利用されます。地際から直接枝を立ち上げて、放射状に伸ばす株立ちになり、自由で繊細な枝姿も魅力です。日当たり・風通しのよい場所で育て、西日が強く当たる場所は避けましょう。レンギョウの花言葉は「期待」「希望」「集中力」などです。 ●鉢植え・庭木どちらでも楽しめる「レンギョウ」の育て方や剪定のコツを解説 ラナンキュラスキンポウゲ科多年草/主な花色:黄・白・赤・ピンク・紫・緑・オレンジ・複色/開花期:3~5月 Nnattalli/Shutterstock.com 薄い花弁が幾重にも重なるゴージャスな姿が人気のラナンキュラスは、春を彩る花々の中でも主役級の球根花。近年は、花びらの光沢が美しいラックスシリーズなど、個性あふれる品種が次々と生み出され、選ぶ楽しみも増えています。球根から育てる場合、植え付け適期は10月頃。そのまま植えると急激に吸水して球根が腐ることがあるので、植え付け前に軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、冷蔵庫で1週間程度保管するなど、吸水処理を行っておくとよいでしょう。春先に出回る苗を購入しても育てられます。多湿が苦手なので、日当たりや風通し、水はけのよい環境で育てましょう。ラナンキュラスの花言葉は「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝を放つ」などです。 ●ラナンキュラスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ストックアブラナ科一年草/主な花色:白・ピンク・赤紫・青紫・黄/開花期:11〜5月 Yui Yuize/Shutterstock.com 茎を立ち上げてふんわりとしたカラフルな花を咲かせ、甘い香りも楽しめるストック。切り花としても人気の高い花です。11月頃から少しずつ咲きますが、最盛期を迎えるのは3~5月。暑さや蒸れに弱く、日本では基本的に一年草として扱われます。種まきからでも育てられ、温暖な地域では8月下旬〜9月上旬、寒地では4月頃が種まきの適期です。移植を嫌うので、定植の際は根をいじらないよう注意しましょう。ストックの花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」などです。 ●色とりどりで楽しいストック! 庭に植えて楽しむためのポイントは? 菜の花アブラナ科一年草/主な花色:黄/開花期:3~4月 masa44/shutterstock.com 菜の花はアブラナ科アブラナ属の植物の総称で、春に黄色の花を咲かせます。日本では各地に菜の花畑があり、カーペットのように一面を黄色に染める景色は見応え十分で、観光地にもなっています。菜の花は品種により食用や観賞用、菜種油用に利用され、菜花(なばな)とも呼ばれる食用のものは、若い茎やつぼみをおひたしなどにして春の味覚として味わえます。こぼれ種で増えていくほど生命力が強く、寒さにも強いので、とても育てやすい植物です。菜の花の花言葉は「快活」「豊かさ」「明るさ」などです。 カタクリユリ科多年草/主な花色:紫・白・ピンク・黄/開花期:3月下旬~4月 backpacking/Shutterstock.com くるりと反り返った透き通るようなピンクの花を咲かせるカタクリ。「春の妖精=スプリング・エフェメラル」とも呼ばれるカタクリは、春の落葉樹林で花開き、初夏には休眠に入って地上から姿を隠してしまう儚い存在です。また自生のカタクリは、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。ガーデニングでは、より丈夫で育てやすい、アメリカやヨーロッパを原産とする品種がよく使われています。カタクリの植え付け時期は休眠中の根が出る前。7~10月に植え付け、適度に木漏れ日が当たる落葉樹の下などで育てるとよいでしょう。また、地上部がある間は乾燥に注意します。カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」などです。 ●春の妖精 スプリング・エフェメラル「カタクリ」を咲かせよう シラーキジカクシ科多年草/主な花色:白・ピンク・青・紫・複色/開花期:3月~6月上旬 PHOTOARTDESIGN/Shutterstock.com シラーは春を彩る小球根の一つで、涼しげな色合いの星形や釣鐘形の小さな花を咲かせます。さまざまな種類がありますが、多くが植えっぱなしでも毎年咲くので、ガーデニング初心者にもおすすめ。ややアルカリ性の土壌を好むので、植え付け前に苦土石灰などをまくとよいでしょう。日当たりと水はけのよい場所で育てますが、夏場は休眠するので日に当てる必要はなく、また暑さに弱い種類もあるので、涼しいところで管理しましょう。シラーの花言葉は「寂しさ」「哀れ」「多感な心」「変わらない愛」などです。 ●ナチュラル or オーナメンタル、どちらの植栽にも似合う! 秋植え球根「シラーの仲間」10選【乙庭Styleの植物39】 ジンチョウゲジンチョウゲ科低木/主な花色:白(外側は赤紫)/開花期:2月下旬~4月中旬 janken/Shutterstock.com 三大香木の一つとされ、春に芳しい香りを放つジンチョウゲ。紅紫色のつぼみから白い花を咲かせます。その上品な香りから庭木として人気があり、道端に植えられている風景を見かけることもよくあります。常緑で半日陰でも育ち、コンパクトにまとまる姿など、花以外にも魅力の多い庭木です。植え付け時期は3月下旬~4月と、9月下旬~10月。移植を嫌うので、植える前に場所をよく検討しましょう。根を深く張らないため、水切れには注意が必要です。ジンチョウゲの花言葉は「野生」「元気」「内縁の妻」などです。 ●春を告げる上品な香りの花木 ジンチョウゲ ハナニラ(イフェイオン)ネギ科多年草/主な花色:白・ピンク・青紫・黄/主な開花期:3~4月 scott mirror/Shutterstock.com 春に可愛らしい星形の花を咲かせるハナニラは、その名の通り、葉などにニラのような香りがあります。秋に花冠状の白花を咲かせる「花ニラ」とは、近縁種ですが別種。分球やこぼれ種で増えて野生化するほど生命力旺盛で、植えっぱなしでも毎年開花し、道端や花壇などでもよく目にする球根植物です。球根の植え付け適期は10〜11月。春の開花が終わったら花首で切り取りましょう。大株に育って込み合ってきたら9月頃に掘り上げて分球し、植え直します。ハナニラの花言葉は「悲しい別れ」「耐える愛」などです。 ハナカンザシ(ローダンセ)キク科多年草/主な花色:白(中心部は黄色、つぼみは赤紫)/開花期:3~5月 写真/遠藤昭 まるでドライフラワーのようなカサカサとした質感のハナカンザシは、コンパクトに育つので、寄せ植えの花材として人気。東オーストラリア原産の植物で、日本では一般的に一年草として扱われます。花弁に見える部分はじつはガクで、花もちよく長期間楽しめ、赤紫のつぼみから白い花が開花する変化も魅力。12月頃から温室栽培の苗が出回り、3~5月には次々に花が咲きます。花後、梅雨前に1/3程度に刈り込み、風通しをよくすると、夏越ししやすくなります。ハナカンザシの花言葉は「変わらぬ思い」「終わりのない友情」などです。 ●耐寒性もある春の花「ハナカンザシ」【オージーガーデニングのすすめ】 フリージアアヤメ科多年草/主な花色:白・黄・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色/開花期:3月中旬~5月上旬 monstrose/Shutterstock.com すっきりとした花茎の先から甘い香りの花を咲かせ、春の訪れを告げてくれるフリージア。花色や花形、香りもさまざまな種類があります。フリージアという名は、19世紀にこの花を発見した植物学者のエクロンが、親友のフレーゼ医師に敬意を表して名づけたものだそう。球根の植え付け適期は9月下旬〜11月上旬。日当たり・風通しのよい場所を選びましょう。夏前に地上部を枯らして休眠し、生育期になると再び新芽を伸ばします。冬は3℃以下にならない場所で管理するとよいでしょう。フリージアの花言葉は「あどけなさ」「純潔」「慈愛」「憧れ」などです。 ●フリージアの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します サクラバラ科高木/主な花色:白・ピンク/開花期:3~4月 555hot8p10 /shutterstock.com 日本の春といえば、誰もが思い浮かべるであろうサクラ。一斉に咲く満開のサクラは、まるで夢のような景色を作ってくれます。代表的な品種である‘染井吉野’を含め、サクラは野生種や300以上もあるとされる園芸品種を含めたサクラ属の総称で、種類によっては10月頃から咲き始めるものもあり、また緋色や緑などの珍しい花色もあります。種類により大きく育つのでスペースを十分に確保し、日当たりのよい場所で育てます。剪定の適期は12~3月上旬。成長期に強い剪定をすると長期間開花しなくなるので、強剪定をしなくて済むよう、小さな時から樹形を整えながら育てましょう。サクラの花言葉は「精神の美」「優美な女性」などです。 ●あなたが知らないサクラの一面があるかも? 美しいサクラの品種をご紹介 3月に見頃を迎える人気の花を育てよう! 今回は、3月に咲くガーデニングで人気の花を20種類ご紹介しました。ここで取り上げた花以外にも、まだまだたくさんあります。ぜひお気に入りの花を見つけて、春のガーデニングを楽しんでみてくださいね。
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イベント・ニュース

家庭菜園の病害虫対策を徹底解説!『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』(1,980円相当)をプレゼント
野菜に発生しがちな虫と病気のトラブル解決に役立つ『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』 自分の手で野菜やハーブ、果物を育て、栽培と収穫の楽しみを味わえる人気の家庭菜園。そんな家庭菜園ですが、虫や病気について心配している方もいるかもしれません。2023年3月20日に発売された『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』(草間祐輔著/家の光協会)は、そんな不安を解消してくれる家庭菜園を楽しむガーデナー必携の書籍です。家庭園芸薬品や肥料を製造販売する住友化学園芸に在籍し、植物全般の病気や害虫を知り尽くした病害虫防除のプロが、野菜に発生しやすい病気や害虫のメカニズムと、その対処法を詳しく解説しているので、家庭菜園の病害虫トラブルにしっかり対処できます。 病害虫の対策時期や対処法、野菜ごとに気をつけたい種類まで網羅 『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』では、1章「病害虫が発生するメカニズムとは」で病害虫発生のメカニズムや発生時期などを詳しく解説。2~4章では、家庭菜園でよく栽培される野菜について、それぞれに発生しやすい病気や害虫の発生時期、特徴、対処法などをまとめています。ガーデニングビギナーが戸惑いやすい農薬については、基本情報から選び方や使い方、具体的な種類まで、5~6章で解説しています。野菜作りの病害虫対策に、余すことなく丸ごと活用しましょう。 『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』をガーデンストーリークラブ会員様にプレゼント! 家庭菜園の病害虫対策の強い味方、『決定版 野菜の病気と害虫対策BOOK』を、ガーデンストーリークラブ会員2名様にプレゼントします。お守り代わりの1冊をお手元に置いて、野菜栽培に挑戦してみませんか? プレゼント商品提供/一般社団法人 家の光協会 http://www.ienohikari.net 【ご応募方法】 ガーデンストーリークラブ(以下をクリック!)にご入会いただき、クラブ会員専用サイト内の「イベント」からご応募ください。 ●プレゼント応募締め切りは、3月31日(金)! ご応募お待ちしております。 庭仲間が集まるガーデンストーリークラブ新規会員募集中! 『ガーデンストーリークラブ』は、全国の花ファン・ガーデニングファンが集う会員制度です。チャットを通じて植物を育てる楽しみを分かち合ったり、最新の植物情報やショップ情報を交換し合ったり、ガーデニングライフを充実させるオンラインコミュニティです。専門家によるオンラインサロンやレッスンの他、さまざまな園芸業界の企業様にご協賛いただき、毎月素敵なプレゼントも実施。 ただいま新規会員募集中。クラブ内の交流や活動は事務局がサポートしますので、どうぞ安心してお楽しみください。
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宿根草・多年草

【人気の花】ホタルブクロってどんな花? 名前の由来は? 育て方も詳しく解説
ホタルブクロの主な特徴 ホタルブクロは名前に風情がある花ですが、「どんな花が咲くんだっけ?」とピンとこない方も多いかもしれませんね。ここでは、ホタルブクロの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉についてご紹介します。 基本情報 Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com ホタルブクロは、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。原産地は、東北アジア、朝鮮半島、日本。古くから野山に自生してきたので、環境に馴染みやすく育てやすい草花です。日当たりのいい場所を好みますが、真夏の強い日差しにさらされると弱ることがあり、一方で寒さには強い性質を持っています。草丈は30〜80cmです。 ホタルブクロは、一度植え付ければ越年して毎年開花する、息の長い植物です。春になると生育期を迎えて新芽を出し、初夏から開花し始めます。秋になると落葉して地上部がなくなりますが、枯れたわけではありません。休眠して越冬し、翌春になるとまた新芽を出して生育をし始める……というライフサイクルで、コストパフォーマンスに優れています。 花や葉の特徴 photowind/Shutterstock.com ホタルブクロの開花期は5〜7月。花色には紫、ピンク、白などです。花茎を長く立ち上げて5cmほどのベル形の花を下向きに咲かせるのが特徴。一重咲きがほとんどですが、ダブル咲きもあります。花茎に花をいくつか連ねるので、縦のラインが強調でき、立体的なシーンを作ることが可能です。 ホタルブクロの葉は細長い卵形で、長さは5〜7cm。薄い質感の濃い緑色の葉が互生につきます。 名前の由来や花言葉 Happy Dragon/Shutterstock.com ホタルブクロは、別名にトウロウバナ、チョウチンバナ、フクロバナ、ツリガネソウなどがあります。ホタルブクロの花名の由来は、昔の子どもたちは花の中に蛍を入れて遊んでいたことからなど、諸説あります。トウロウバナやチョウチンバナなどの別名は、花の見た目が灯籠や提灯など、それぞれの姿に似ているからとされています。 ホタルブクロの花言葉は「忠実」「誠実」「正義」「貞節」など。教会の鐘に似ているために、このような言葉が与えられたようです。 育て方のポイント ここまで、ホタルブクロの基本情報や特徴、花言葉、名前の由来などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付けや水やり、施肥、花がら摘みや病害虫対策など、育て方について詳しく解説します。 栽培に適した場所 Greens and Blues/Shutterstock.com 【地植え】 ホタルブクロは、日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、あまりに暗いようだと茎葉が細くなって頼りなく伸び、花つきも悪くなるので注意しましょう。 水はけがよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cm土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。 また、真夏の強烈な日差しがやや苦手なので、午前だけ日が差すような東側か、木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の足元など、半日陰の涼しい場所で夏越しさせるのがおすすめです。一方で寒さには強く、地上部を枯らして休眠するので植えっ放しにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に、日当たり・風通しのよい場所に置いて管理します。真夏は暑さに弱ってしまうことがあるので、風通しのよい半日陰など涼しい場所に移動してください。寒さには強いので、戸外に置いて越冬できます。 土壌 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んで、よく耕しておきます。水はけのよい環境を好むので、粘土質など水はけの悪い状態であれば、川砂を投入して腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cm土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。このように土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com ホタルブクロの植え付け・植え替えの適期は、2〜3月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。苗を選ぶ際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを。黄色く傷んだ葉がついているものや虫食い痕のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜50cmの間隔を取っておきます。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。しかし、大株に育って窮屈になっているようであれば、掘り上げて株分けし、植え直します。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢の中に仮置きして高さを決めたら、ポットから取り出して軽く根鉢をくずし、少しずつ土を足して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないよう、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 真夏は、気温の高い昼間に水をやると、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水をやると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れて休眠期に入っても、カラカラに乾燥させることのないように、控えめにしながら水やりを続けてください。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、真夏をのぞいた生育期に液体肥料を10日に1度を目安に与えましょう。山野草のような楚々とした草姿を楽しみたい場合、追肥は控えめにして株の状態を見ながら与えるとよいでしょう。 必要な作業 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ホタルブクロの終わった花は、適宜摘み取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをこまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種をつけさせましょう。 【切り戻し】 開花期が終わった後、草姿が乱れてきたら切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨頃からの高温多湿の時期に株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ホタルブクロは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことができます。 【種まき】 ホタルブクロを種まきから増やしたい場合、開花後に種を採取して播くとよいでしょう。日本に古くから自生してきた種類なら、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、秋口に果実が熟したら採取。日陰で乾燥させた後にサヤの中から種を取り出し、種まきの適期まで密閉袋に入れて冷暗所で保存しておきます。 種まきの適期は2〜3月です。3号の黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、数粒ずつ種を播いて軽く土をかぶせます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後に間引いて元気のいい苗を1本のみ残し、その後は日当たり・風通しのよい場所で管理します。本葉が4〜5枚ついたら根鉢を傷めないように苗を取り出し、植えたい場所に定植しましょう。苗の育成には時間がかかり、開花し始めるのは2年目以降と捉えてください。 【株分け】 ホタルブクロの株分け適期は2〜3月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて、地下茎から増えている子株を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、ホタルブクロは挿し芽で増やせます。 ホタルブクロの挿し芽の適期は、10月頃です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらいに切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて乾燥させないように管理し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 【病気】 ホタルブクロは、病気が発症する心配はほとんどありません。 【害虫】 ホタルブクロに発生しやすい害虫は、ヨトウムシなどです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕を見つけたら、夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 夏越し・冬越し Happy Dragon/Shutterstock.com 【夏越し】 地植え 真夏の強烈な日差しがやや苦手なので、真夏のみ午前だけ日が差すような東側か、木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の足元など、半日陰の涼しい場所で夏越しさせるのがおすすめです。または、植えている場所の上部に遮光ネットをかけて日差しを弱めるのも一案です。 鉢植え 半日陰で風通しのよい涼しい場所へ移動し、夏越しさせてください。 【冬越し】 冬の寒さには強いので、地植え、鉢植えともに戸外で越冬できます。 ホタルブクロの種類 Hakkousei/Shutterstock.com ホタルブクロの変種について、ご紹介します。 ヤマホタルブクロ ホタルブクロの変種。ほとんど見分けがつきませんが、花をよく見ると顎裂片の間に付属片がないのが特徴です。草丈は30〜60cmで、野山で多く見られます。 イシダテホタルブクロ 四国地方の石立山に自生するホタルブクロ。草丈30cmほどと小さめで、花も小ぶりなのが特徴です。 シマホタルブクロ 伊豆諸島に多く見られるホタルブクロの変種。花色は真っ白で、斑点が入らないのが特徴です。花のサイズは3cmぐらいで、やや小さめ。草丈は30cmくらいです。 育てやすく可憐なホタルブクロは初心者にもおすすめの花 Elena Odareeva/Shutterstock.com 古くから日本の野山に自生してきたホタルブクロは、環境に馴染みやすく放任してもよく育つ植物です。楚々とした花がそよ風にゆらゆらと揺れる様子は野趣感があり、ナチュラルガーデンなどで大人気。ビギナーでも育てやすいので、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。



















