スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

ルリマツリ(プルンバゴ)はどんな植物? 特徴や育て方についてご紹介
ルリマツリの特徴について AliaksaB/Shutterstock.com ルリマツリは、イソマツ科ルリマツリ属(プルンバゴ属)の常緑性低木です。原産地は南アフリカで、熱帯性の花木のため、暑さには強い性質をもっています。一方で、寒さにはやや弱い傾向がありますが、0℃以下にならない暖地では戸外でも越冬可能です。 ルリマツリが咲く時期 AlicanA/Shutterstock.com ルリマツリのライフサイクルは、以下の通りです。4月頃から新梢が動き始め、植え付けの適期は、霜が降りる心配のなくなった5〜6月頃。旺盛に生育し、6〜10月まで長い期間にわたって開花し続けます。寒くなる11月下旬頃になると生育が止まりますが、越年して翌春にはまた新梢を出すというサイクル。生命力旺盛で、一度根付けば毎年開花してくれる、息の長い植物です。花が少なくなる真夏にも暑さに負けることなく次々とつぼみを上げて咲き、庭に華やぎをもたらしてくれます。 ルリマツリの見た目 Tanya rusa/Shutterstock.com ルリマツリの樹高は0.3〜3mくらい。放任すると大きく育って庭のスペースを占領しますが、剪定によって樹高をコントロールすることができ、小さく仕立てることもできます。生育期間ならどこで切ってもかまわないので、仕立てやすい花木です。半つる性で、他者に絡みながら這うようにこんもりと茂りますが、自立させることもできます。 花色は清涼感のあるブルーが最もポピュラーですが、淡い紫色や白色もあります。花のサイズは径2cmほどで、5弁の花びらからなる小さな花が、頂部に房状にかたまってドーム状に咲くので、大変華やかです。花つきもよく、ブルーの花がたっぷりと咲くので、夏の庭に爽やかな雰囲気をもたらしてくれます。 葉は明るいグリーンで、ヘラのように先端が丸く細長い形が特徴。やわらかな質感で、花をよく引き立てます。 ルリマツリの代表的な種類 mizy/Shutterstock.com ルリマツリが属すプルンバゴの仲間は、熱帯地域を中心に約20種類が分布するとされています。ルリマツリの学名は、プルンバゴ・オーリキュラタ(Plumbago Auriculata)で、日本でルリマツリとして流通しているのは、アフリカ原産のオーリキュラタ種です。 ルリマツリの園芸品種には、清楚な雰囲気を持つ白花 ‘アルバ’、従来のルリマツリよりも濃いブルーに品種改良された‘インペリアル・ブルー’などがあります。 夏の涼しさを演出!花をたくさん咲かせよう Adisa/Shutterstock.com 爽やかなブルーや白などの花を咲かせるルリマツリは、サマーガーデンに涼を呼ぶ植物として重宝します。半つる性なので、フェンスに誘引して横に広げる仕立て方もおすすめ。つる植物ほど自由に伸びることはありませんが、アーチやパーゴラの足元から頂上部へ向けて誘引し、縦の空間に向かってダイナミックに仕立てることもできます。またはポールの頂部まで枝を誘引し、頂部から四方へ枝葉をしならせるスタンダード仕立てにしてもよいでしょう。 半つる性の低木の特性を生かし、樹高の高いシンボルツリーと、宿根草や一年草などの草花の間をつなぐ役割として華やかに演出しても素敵です。高木の株元はぽっかり空いてしまいがちなので、その空間を補うように植栽するとよいでしょう。 庭のスペースが限られているなら、小まめに剪定をして樹高を低く抑えることもできます。「剪定といっても、切っていい枝、切ってはいけない枝があって難しいのでは?」とビギナーさんならイメージしがちでしょうが、心配ご無用。ルリマツリは生命力旺盛なので、生育期であればどこで切ってもOK。深めに切り戻してコンパクトに仕立てることができます。 このように、ルリマツリはダイナミックにも、小さくも、好みに合わせて仕立てることができる、汎用性の高い植物です。 ルリマツリの名前の由来と花言葉 ルリマツリは、「瑠璃色のマツリカ」という意味で名付けられました。学名の「プルンバゴ」の名前で流通することも多く、「アオマツリ」の別名も持っています。 ルリマツリの花言葉は、「いつも明るい」「同情」「ひそかな情熱」など。開花期が長く、花つきもよいことから「いつも明るい」、長い開花によって心を寄せてくれる様子を「同情」と表現したのでしょうか。「ひそかな情熱」は、開花後にガクから粘液を出し、動物にくっついて種子を広範囲にばらまく、繁殖戦略を表しているとされています。 ルリマツリの育て方 ここまで、ルリマツリのプロフィールや特性、種類や花言葉などについてご紹介してきました。さて、ここからは庭での育て方をじっくりと解説。栽培環境、植え付け、日頃の管理の仕方、病害虫対策、剪定、増やし方など、一つひとつの項目を深く掘り下げていきます。最後まで読み終えたら、栽培テクニックが把握できるはずですよ! 栽培環境 Brett Hondow/Shutterstock.com 日当たり、風通しのよい環境を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなってしまうのでご注意を。水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好み、粘土質などの極度に水はけの悪い土地では土壌改良が必要です。盛り土をして水はけをよくし、腐葉土や堆肥などをすき込んでおくとよいでしょう。 暖地性で暑さには大変強く、寒さにも比較的耐えます。関東以西では越冬しますが、本来は常緑樹ながら寒さで葉を全て落とすことも。枯れたと判断してすぐには処分せずに、翌春の生育期まで様子を見守ってください。生育期になれば新葉を展開することが多いようです。0℃以下になる地域では、寒くなる前に鉢上げして越冬させるのが無難です。 また、半つる性の植物で自立はしますが、棚やフェンス、ポールなどに沿わせて仕立てるのがおすすめです。旺盛に枝葉を伸ばすので広めのスペースを取り、植え付ける場所に応じて、枝を支えるための園芸資材を準備しておくとよいでしょう。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【庭植え】 まず一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。 植え付け wavebreakmedia/Shutterstock.com ルリマツリの植え付け適期は5〜6月です。 【庭植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。枝が伸びていれば、フェンスや棚など、伸ばしたい方向へ誘引しておきます。最後にたっぷりと水をやります。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備し、枝を支えるための支柱も揃えます。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内や根の間にしっかり入るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【庭植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして乾燥気味に管理します。 追肥 Criniger kolio/Shutterstock.com 【庭植え】 生育期の4〜9月に、木の状態を見て勢いがなくなっているようなら、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。 【鉢植え】 4〜10月に、緩効性化成肥料を1〜2カ月に1回ほどを目安に施しましょう。開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。開花を促すリン酸分が多めに配合された液肥を選び、10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。 花がら摘み Wachiraphorn Thongya/Shutterstock.com ルリマツリは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。花茎を伸ばした頂部に花を咲かせるので、花茎の付け根からカットします。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けます。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 生育期ならいつ剪定をしてもかまいません。枝が旺盛に伸びて樹形が乱れやすいので、込み合っている部分があれば、そのつど切り取って風通しをよくします。絡んでいる枝や内向きに向かって伸びる枝などは、付け根から切り取るとよいでしょう。比較的強く切り戻しても、樹勢が強いので再び盛り返して開花します。 植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 【庭植え】 0℃以下にならない地域で、しっかり根づいて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。寒冷地では寒くなる前に掘り上げて鉢に植え替え、暖かい場所に移動して冬越しさせましょう。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、1〜2年に1回を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は5〜6月です。 植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。手順は「植え付け」の項目を参考にしてください。 病気や害虫など注意点 Decha Thapanya/Shutterstock.com 大変強健な性質で、病気の心配はほとんどありません。 害虫は、カイガラムシやハダニが発生することがあります。カイガラムシは見つけ次第、ハブラシなどでこすり落として退治しましょう。ハダニは乾燥すると発生し、水に弱い性質があるので、葉裏など発生箇所に勢いよく水をかけると効果があります。適応する薬剤を散布して防除してもよいでしょう。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com ルリマツリは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は5〜9月頃。若くて勢いのある新梢を選び、7〜8cmの長さで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根した根が充実したら、黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 育てやすいルリマツリの栽培にチャレンジしてみよう! Dou_Fa/Shutterstock.com 半つる性の花木に分類されるルリマツリは、ダイナミックに大きく仕立てても、まめに剪定して小づくりに仕立てても美しくまとまるので、目的に合わせて自由に仕立てられる汎用性の高さが魅力です。育てやすく、また増やしやすい生命力旺盛な面もあり、ビギナーにもおすすめ。ぜひルリマツリを庭に取り入れて、涼感あふれるシーンを演出してはいかがでしょうか。
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一・二年草

フウセンカズラで夏の節電対策! 緑のカーテンを育てよう
フウセンカズラの基本情報 pisitpong2017Y/shutterstock.com 植物名:フウセンカズラ学名:Cardiospermum halicacabum英名:Baloon vine、Heart pea vine和名:フウセンカズラ(風船葛)その他の名前:ハートカズラ科名:ムクロジ科属名:フウセンカズラ属原産地:北アメリカ南部分類:一年草 風船状にふくらんだ淡緑色の果実が美しいフウセンカズラ(Cardiospermum halicacabum)は、ムクロジ科フウセンカズラ属のつる性植物。十数種がアメリカ大陸を中心とする熱帯に分布しています。 ムクロジ科の植物は、その果皮にサポニンを含むものが多く、魚毒や石鹸として使われてきました。日本では食用ではなく、観賞用として普及しています。インドなど一部の地域では薬や野菜として口にされることもありますが、作用が強く毒性と判断されることも多いので、食べることは避けましょう。なお、熱帯や亜熱帯で果物として食用にされるレイシやリュウガン、ランブータンなども同じ科になります。 木本が多いムクロジ科の中で、フウセンカズラは少数派の草本植物。熱帯では多年草として生育していますが、寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。 フウセンカズラは育てやすいため、初心者にも人気の植物です。開花期も比較的長いので、独特な花や実、種をじっくりと楽しめるでしょう。 フウセンカズラの花や葉の特徴 pimchawee/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:7~9月草丈:1~3m耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:白色 長さ数メートルにも伸びる茎に、モミジのような深い切れ込みのある柔らかな葉。その葉の付け根から出る細長い茎の先には、数ミリほどの小さい花と細い巻きひげがついています。このひげで他のものに絡みついて、よじ登りながら成長していくのです。7月頃になると、4枚花弁の3mmほどの小花が咲き始めます。花が終わると、子房の膜が膨らみ始めて、直径3cmほどの中空の実に。ぷっくりと膨らんだ実が風に揺れる様子から、和名は「フウセンカズラ」、英名では「Balloon Vine」と呼ばれています。また、「Heart Pea」「Heart Seed Vine」などもフウセンカズラの別名です。 熟すと真っ黒になる種子。実にくっついていた部分が白くハート形に残ります。wasanajai, RealityImages/Shutterstock.com 風船のような実の中から現れる3粒の種子は、黒熟した腹面に白いハート形が。フウセンカズラの属名である「Cardiospermum」は、種子の特徴にちなんでギリシア語の「cardia(心臓)」と「sperma(種子)」から名づけられています。 フウセンカズラの花や葉の特徴を、上手に生かした栽培法を「あんどん仕立て」と呼びます。鉢に植え、つるを支柱に絡ませて育てると、実がつく頃には行灯(あんどん)のような、風情のある佇まいの鉢植えになるでしょう。また、支柱にうまくつるを絡ませれば、日差しをさえぎるグリーンカーテンも作れます。幅広い飾り方で家を彩るフウセンカズラは、日本でも人気の高い草花です。 フウセンカズラの名前の由来と花言葉 フウセンカズラの花。細い巻きひげで、周囲のものに絡みつきます。NOPPHARAT789/Shutterstock.com フウセンカズラ(風船葛)の名前は、風船のように空気で膨らんだような見た目の実をつけることが由来です。なお、「葛(かずら)」はつる植物を指します。また、花言葉は、「一緒に飛びたい」。風船のような実の見た目にふさわしい、軽やかで可愛らしい花言葉ですね。名前や花言葉に、花ではなく実の特徴が反映されているのは、独特な形の実のほうが、よりインパクトが大きいためでしょう。 フウセンカズラだけじゃない。ぷっくり膨らむ実を愛でる植物たち。 フウセンカズラの蒴果。3室のそれぞれに一粒ずつ種子が入っています。Cromo Digital/Shutterstock.com 花後につく実の形状がユニークな植物は、開花期よりも実をつけた状態で切り花やドライフラワーとして楽しまれます。なかには、フウセンカズラのように膨らんだ実をつけるものもあります。代表的なものをあげてみましょう。 ニゲラ jessicahyde/Shutterstock.com キンポウゲ科・クロタネソウ属のニゲラ(Nigella)。薄紫やピンク、白などの花も美しいですが、花後に膨らむ果実はドライフラワーにしても楽しめます。 ホオズキ Mariola Anna S/Shutterstock.com 日本原産のホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)はナス科の一年草。萼(がく)の部分が果実を包んで袋状になります。 フウセントウワタ Doikanoy/Shutterstock.com 怒ったときのハリセンボンのようなトゲつきの実をつけるのは、アフリカ原産のガガイモ科(キョウチクトウ科)の一年草、フウセントウワタです。切り口から出る白い汁は毒性があるので注意を。 フウセンカズラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜9月植え付け・植え替え:5月中旬〜6月中旬肥料:5〜9月種まき 4月中旬頃 グリーンカーテンやあんどん仕立てなどのために、つるを誘引したい場合は、本葉が5~7枚生える頃を目安にしましょう。 フウセンカズラの栽培環境 小さな鉢植えをハンギングしてグリーンカーテンにするアイデア植栽。 日当たり・置き場所 フウセンカズラは日当たりのよい環境を好みます。土は水はけがよく、栄養豊富なものがいいでしょう。基本的には、草花向けの培養土がおすすめです。また、鉢植え・地植えどちらでも育てられるので、ライフスタイルに合わせて栽培法を選びましょう。なお、あんどん仕立てにしたいなら、鉢植えでの栽培がおすすめです。グリーンカーテンに育てたい場合は、グリーンカーテンを作りたい場所に種や苗を植えましょう。土や鉢植えの選び方は、後ほど詳しく解説します。 耐寒性・耐暑性 フウセンカズラは暑さに強い植物です。夏場でも直射日光のもとで、たっぷりと日差しを浴びさせましょう。なお、フウセンカズラは一年草のため、冬越しの必要はありません。 フウセンカズラの育て方のポイント Tamotsu Ito/Shutterstock.com 用土 地植えにする場合、掘り起こした土に完熟堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕すとよいでしょう。鉢植えの場合は、水はけがよく、通気性のある土が適しています。 市販の草花用培養土を利用するか、赤玉土6:腐葉土4で土を配合するのもよいでしょう。 水やり 暑い季節が成長期にあたるため、梅雨時期を除いては、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを。鉢植えやプランター植えの場合は、鉢底から水が出てくるまで十分に与えます。夏場は、日中に水やりをすると蒸れてしまうので、朝や夕方など涼しい時間に与えます。緑のカーテンとして植えるような直射日光が当たる場所では、吸水がより活発になるので、早朝と夕方、1日2回与えるくらいの頻度がよいでしょう。 肥料 肥料を多く欲しがるので、土壌や用土には、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。ただし、チッ素分の与えすぎは葉だけが茂り果実を落とす原因に。追肥には、リン酸分とカリ分が多めの緩効性肥料を置き肥にするか、1~2週間に1度液体肥料を施すとよいでしょう。 注意する病害虫 病害虫の心配はほとんどありませんが、高温・乾燥下の環境ではハダニが発生することがあります。葉のツヤがなくなり、茶色くなって枯れてしまうのはハダニが増殖している合図。ハダニがつきやすい葉の裏側に、こまめに散水すると予防になりますが、変色した葉が多くなったら殺ダニ剤を散布して駆除しましょう。 フウセンカズラの詳しい育て方 pisitpong2017/Shutterstock.com 苗の選び方 苗はつるや葉が変色していないものを選びましょう。つるばかりが伸びているものや、虫食い跡があるものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え フウセンカズラは移植を嫌うため、種を直まきしない場合は移植ポットで発芽させてから植え付けます。発芽させたフウセンカズラや市販の苗を植え付ける時期は、5月中旬~6月中旬が目安です。 ↓用土のところと被る原稿がここに入っていたのですが、用土に移動する?by倉重 水はけ・通気性に優れた栄養豊富な土壌を好むため、赤玉土と腐葉を6:4で配合するか、市販の草花用培養土を使ってもよいでしょう。なお、直まきする場合は、土壌を深さ30cm程度耕し、腐葉土や完熟堆肥をすきこんでおきます。 植え付けや植え替えの際は、地植え・鉢植えともに、株間が20~30cmになるように植え付けます。また、鉢やプランターで育てるときは、十分な深さがあるタイプを用意しましょう。 フウセンカズラは、植え付けてから1~2カ月で早くも開花時期を迎えます。つるを思い通りの場所に誘引したいなら、つるを絡めるためのネットや支柱を早めに用意しておくことも重要です。 日常のお手入れ 本葉が5~7枚展開したタイミングで、茎の先端を摘み取る摘心を行うと、脇芽が伸びてボリュームのある株に育ちます。脇目が伸びてきたら、適宜その先端を摘心すれば、枝葉が広がり美しいカーテンに。アサガオのように茎自体がくるくると巻きついて登っていくのとは違い、フウセンカズラは細い“巻きひげ”が絡みついてよじ登るスタイル。そのため支柱やフェンスなど棒状のものにそのまま絡みつくのは苦手です。ネットを張るか、柵やトレリスなどには、棒と棒の間に麻ひもなどを渡すと巻きひげが絡みやすくなります。行灯仕立ても同様に、支柱と支柱の間にネットや紐を張るときれいに仕上がります。軒下などにネットを吊すときは、フウセンカズラの背面にネットを張るように。伸ばしたい方向に茎を誘引するのもよいでしょう。 種まき 左/種まき前にしっかりと吸水。一昼夜以上水につけておくと、少し大きくなります。右/フウセンカズラの発芽。関東以西なら5月の中旬~6月が種まきの適期です。 フウセンカズラの発芽適温は20~25℃。種まき時期は、関東以西であれば5月の連休以降が種まきの適期です。「八重桜が咲く頃」と覚えておくと分かりやすいでしょう。 フウセンカズラは移植を嫌うので、種を直まきするか、移植ポットを用いて発芽させるのがおすすめです。種子は吸水しにくい硬実のため、刃物やヤスリなどで表面に傷をつけ、一晩水につけておくと発芽が揃いやすくなります。 増やし方 wanida tubtawee/Shutterstock.com 暑さの盛りを迎えると、緑色だった実が茶色く色づいてきます。1つの実に3つ入っている種子も緑色から真っ黒に熟し、収穫のタイミングです。9月に入ると葉が落ち始めるので、ネットをはずして撤去するとともに、来年用の種子を採取しておきましょう。大きく成長した株からは200個以上の種子が採れることも。白いハート模様の真っ黒な硬い種子は、かなり個性的。クラフト素材にしたり、瓶に詰めて飾ったりすると、とても可愛いですよ。 岐阜県飛騨地方の民芸品「さるぼぼ」を真似て。great-i / PIXTA アイロンビーズと園芸用のワイヤーを合わせて小さな猿を工作。 つるを生かしてそのまま輪っかに。ベースに巻きつけて緑のリースにしても素敵! ゾウ / PIXTA(ピクスタ) 春まきのつる性植物で省エネ対策の「グリーンカーテン」を Shirosuna_m/Shutterstock.com 夏の強い日差しを遮るように、壁面や窓の外側に張ったネットに、つる性の植物を這わせてつくる天然の日除け、いわゆる“緑のカーテン(グリーンカーテン)”。その効果は、日陰をつくってくれるだけでなく、「建物に熱を蓄積させない」「蒸散により葉から空中に放出された水分が周囲の熱を下げ、涼風を室内に運ぶ」など。自然の力を利用した夏の省エネ対策です。 ●緑のカーテンの詳しい記事はこちら 酷暑に備えて早めの準備! 緑のカーテンを目指した栽培計画 伸びた枝の先端を摘まんでおくと、下にある脇芽が伸びてきます。NOPPHARAT789/Shutterstock.com 夏場に成長が旺盛になるつる性の植物であれば、たいていのものは“緑のカーテン”に利用できます。花を楽しむのであれば、アサガオやユウガオ、トケイソウ、ルコウソウ、ツンベルギアなど。収穫も楽しみたいのであれば、ゴーヤやヘチマ、オカワカメ、ツルムラサキなどがよいでしょう。細い茎、淡い葉色のフウセンカズラでつくったカーテンは、やや繊細なイメージですが、ゴーヤやヘチマのように重い実がなる植物に比べて、ネットや留め具にかかる負担も少なく、初めて挑戦する人にもおすすめです。 フウセンカズラで涼を呼び込むガーデニングを wasanajai/Shutterstock.com 酷暑ともいえる日本の夏にも負けないで、すくすくと伸びるフウセンカズラ。その丈夫さとは裏腹に、ほっそりとした草姿に可愛らしい実をつける様がなんとも涼し気です。緑のカーテンに、行灯仕立てにと、アレンジの幅があるのも魅力。自家採種で毎年更新できるので、育ててみてはいかがでしょう。
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ガーデニング

【危険】毒針を飛ばす毛虫チャドクガの発生時期!被害回避の対策方法を解説
庭木や生け垣のケムシにご用心 集団行動中のチャドクガの幼虫。 新葉が美しいこの季節、庭の生け垣や庭木の葉の上に黒い点々が落ちていたり、食害された葉があったり、ケムシが固まってくっついていたら要注意! もしかしたら、チャドクガの幼虫かもしれません。 チャドクガは、庭木としてよく植えられるツバキ類の葉に発生するポピュラーな害虫です。幼虫は葉を食害するため、植物にも被害があるのですが、他の害虫に比べても厄介なのがその毒針毛。これに触れるとひどい発疹が出て、痛みやかゆみを感じます。さらにケムシのときだけでなく、卵、脱皮後の抜け殻、成虫の体にも毒針毛があり、死骸であっても症状を引き起こすことに加え、チャドクガのいる木の下を通っただけで、飛散した毒針毛によって発症することも。植物を守るだけでなく、自分や家族を守るためにも、できるだけ早期に対処したいところです。 チャドクガとは traction/Shutterstock.com チャドクガは日本の代表的な毒蛾の一種で、目に見える体毛のほかに0.1mmほどの毒針毛をもち、この毒針毛が触れたり飛散したりして皮膚に付くと、炎症を起こして痛みやかゆみを感じます。チャドクガはハチのように積極的に刺しにくることはありませんが、この毒針毛は抜けやすいので風や衝撃などをきっかけに飛散し、さらに服や皮膚につくと抜けにくいという厄介な構造。非常に細かいので、長袖でも隙間から入り込むことがあります。成虫にも毒針毛が付着していて、また卵塊は成虫の体毛に覆われているので、幼虫の時期だけでなく一年を通して注意が必要です。 ガーデニングで害虫とされるのはチャドクガの幼虫で、主にツバキやサザンカ、チャノキといったツバキ類の葉について食害します。 ふわふわの毛で覆われたチャドクガの成虫と卵塊。 チャドクガの発生シーズンは年2回 葉の上の黒い点々はチャドクガの幼虫のサインかも。 チャドクガの幼虫の発生シーズンは、4月中旬~6月、7月下旬~9月の年2回。チャドクガは葉裏に卵塊を産ぬ付け、ふ化した後しばらくは葉裏に集団でかたまっていますが、数週間で分散して行動するようになり、その後成熟すると地面に下りて土の中で蛹になります。 発生初期の幼虫は葉裏で群れているので、このときがチャドクガを一網打尽にするチャンスです。分散して行動するようになってからでは効率的に対処することは難しくなります。レースのように穴だらけになった葉や、葉の上に黒い点々が散乱しているのを見つけたら、チャドクガの幼虫がいる可能性があります。毒針毛に注意しながら周辺の葉裏を確認してみましょう。チャドクガの幼虫は、見つけ次第捕殺します。 チャドクガの対処方法と注意点 前述のように、チャドクガ対策は発生初期にまとめて捕殺してしまうのが一番効率的。大きくなると単独行動になって広がる上、食べる量も増えてしまいます。ふ化直後の葉裏に群生している段階で、葉ごと剪定してポリ袋などで密封し、処分しましょう。その際、毒針毛に触らないよう、雨具や使い捨てのポリ袋などを着用して作業すると安心です。夏と冬に葉裏に産み付けられた卵塊のうちに対処してしまうとよりよいですが、見つけるのはなかなか難しいです。薬剤を用いて駆除する場合は、スミチオンやマラソン乳剤などが有効。スプレー式殺虫剤も多く市販されているので、必要に応じて薬剤を活用するのもよいでしょう。チャドクガの毒針毛は幼虫の抜け殻や死骸でも炎症を引き起こすため、薬剤を用いた場合でも十分注意しましょう。心配な場合は、業者に駆除してもらうのも一案です。 チャドクガの被害を防ぐためには、剪定して風通しよく育てることが大切です。こうすることで、早期発見にもつながります。 チャドクガに触れてしまったら もしチャドクガに触れてしまったら、決してこすらずに粘着テープなどを使って皮膚についた毒針毛を取り除きます。服にも付着している可能性があるので着替え、毛を洗い流して皮膚科を受診しましょう。服についた毒針毛は、洗濯機で洗った程度では残ってしまうことが多いので、掃除機で吸い取ってからほかの衣服と分けて洗濯し、乾いたらスチームアイロンをかけるとよいでしょう。毒針毛を構成しているのは主にタンパク質なので、熱を加えると変性します。 庭で安全に過ごすためにチャドクガへの対処を忘れずに! Alina_Miyazaki/Shutterstock.com チャドクガは植物への被害にとどまらず、人間にも、炎症を引き起こすことがある厄介な害虫です。チャドクガを直接触らなくても、生け垣の下を通った子どもに症状が出たり、ペットについた毒針毛から被害が発生したりすることもあるので、ツバキ科の植物を育てている人は周囲に被害が及ばないようしっかりと対処し、庭を安全に楽しみましょう。
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園芸用品

庭で育つ植物の名前を忘れないための必須アイテム「園芸用ラベル」の種類と使い方アイデア
苗に添えられたラベルは使わない? 植物の苗や鉢植えを購入すると、多くの場合、植物の名前や育て方が記載されているタグや札がついています。しかし、その札をそのまま利用していると、雨風や紫外線で文字が消えてしまうこともあります。また、栽培には邪魔になる大きすぎる札だったり、庭デザインに似合わないこともあります。そこで、植え付けなどの作業前に用意しておきたいのが、園芸用ラベルです。市販の園芸用ラベルには、素材やデザインがさまざまありますが、手づくりするのもオススメです。 苗についていた札は植えつける時に取り外して、購入した順にファイルや箱へ保存しておけば、季節ごとの生育の様子や栽培のポイントなどを調べる手がかりになりますよ。 おしゃれに名前を残す植物用ネームプレート 植物用のネームプレートには大きく分けて2タイプあり、地面に挿すものと、植物自体にくくりつけるものがあります。そして大切なのは、日差しや雨風で劣化せず名前が書き込める素材であることです。一年草や宿根草、球根など、季節ごとに株の姿が変化する植物には、地面に挿すタイプがオススメです。針金などで植物にくくりつけるタイプは、庭木やバラなどの樹木に向きます。写真のラベルは、アルミ製や銅製で、雨風に丈夫な素材でできています。植物の名前は、ペイントマーカーや建築用の鉛筆で書くと屋外でも消えにくいです。写真右下の銅製の細長いプレートは、先が尖ったもので強く文字を書くと凹凸ができて、文字が消えません。 写真左は木製の札で、植物にくくりつけるタイプ。右はアルミ製の札で、同じく植物にくくりつけるタイプです。木製の札は、雨風で劣化しますが、比較的安価なので春から秋、秋から春などに見頃の一年草など、短期間栽培する植物に向きます。 写真左は、黒色の自然石製。チョークで描いた文字がくっきり見えるおしゃれなデザインです。右は、アルミのフレームが囲む銅製のラベル部分に文字を書くプランツタグ。デザインや素材が個性的な札は、記念樹や庭の自慢のコーナーなどに使えば、アクセントとしても効果的です。 国内外で見つけたネームプレートのバリエーション イギリスの「ベス・チャトー・ガーデン」のネームプレートは、長方形の黒色でプラスチック製。草花の彩りの邪魔にならず、名前もほどよいサイズで書かれているので確認しやすいデザインです。 名前を記載している部分が少し上向きに角度がついているので、園路からも見やすく、植物に埋もれていないので見学時の記録撮影もしっかりできます。併設の苗ショップでも同じ植物を購入できるガーデンなので、庭づくりの参考例を求めてやってきた国内外のガーデン愛好家が迷うことなく植物の名前を確認できます。数々の宿根草を取り入れている名園の配慮を感じさせるプレートです。 イギリスのキッチンガーデンで多く見かけたのは、幅広いスティックが黒く塗装され、白い文字が書かれている札。タネ播きから野菜を育てていると、若い苗の段階では品種の差が判別しにくく、ラベルの添付は必須です。タネ播きの時に添えていた札を地植えに移植したときも引き続き利用できる、大きすぎない札が重宝します。写真は、イギリス「ヒドコート」のキッチンガーデン。 イギリスの「ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー」では、地面に挿し込む部分は鉄製で、判読しやすいよう印字されたプレートをネジでとめつけた、しっかりしたタイプを利用。見学者にも品種名を伝えながら、品種を保存する植物園らしく、学名以外の情報と思われる記号も表記してありました。品種名だけでなく、栽培スタート時期や自分にとって大切な情報(購入先やプレゼントしてくれた人の名前など)を書いておくのもアイデアです。 木製の角材に品種名を印字したプレートを木ネジでとめた、前出の札よりも手づくりできそうな素材の園芸用ラベル。イギリスで近年公開がスタートした、21世紀を代表するモダンなイングリッシュガーデン「ブロートン・グレンジ」にて。 イギリスのガーデンでは、アルミ製のラベルも多く見かけました。写真は、「ヘルミンガム・ホール」のバラの株元のラベル。芝の遠路から見やすい、株元の手前に挿してありました。札はどこにあるか分かりやすい場所につけておくことで、植え替えや手入れの作業の際にも紛失しにくくなります。 「ヘルミンガム・ホール」のラベルにデザインが似ていますが、こちらはワイヤーで木にくくりつけるタイプ。目の高さに掲示されているので、すぐに何の木か分かります。写真は、「モティスフォント・アビー・ガーデン」のバラ園内に植わるリンゴの木に添えられていたネームプレート。 細い丸棒に楕円形のプレートを組み合わせた園芸用ラベルは、フランスの「バガテル公園」にて。エレガントなデザインが、バラの品種表示としてぴったり。 こちらも、品種名を示す部分は楕円形ですが、半透明のプレートに白い文字が浮かび上がるオリジナルデザインの園芸用ラベル。鉄の丸棒にぶら下がっているところもおしゃれ。こちらもフランスのバラ園「ライレローズ」にて。 木製のラベルを好みの色にペイントして、オリジナリティーを出すのもガーデンデザインの工夫の一つ。北海道のガーデン「十勝千年の森」内、ファームガーデンのキッチンガーデンエリアにて。 小さな札が行方不明にならないように、支柱の頭に紐でくくりつけた珍しい方法。剪定枝などを利用すると素朴な雰囲気です。 高い位置に名前を掲示していた場所は、ツゲのトピアリーに縁取られた花壇内。この後、植物が茂ってきて名前が見えなくなるのを防ぐためのデザインでしょうか。イギリスの「ヘルミンガム・ホール」にて。 こちらは植物名を知らせるプレートではありませんが、スコップを地面に突き刺し、持ち手部分にお知らせを掲示したチャーミングな看板。植物の名前を知らせるだけの小さなプレートにも、さまざまなデザインや工夫があり、庭の雰囲気が変わりますね。 園芸用ラベルを植物につける利点 名無しの植物にならないように、植物にお気に入りのネームプレートをつけて、ガーデニングの腕を上げましょう! 栽培に迷った時は、その名前で栽培のポイントを調べたり、何年育ったかを思い出したり、日々の栽培に役立ててください。庭にお客さまを招いて案内をしているとき、「この植物の名前は?」と尋ねられることも。とっさに答えられない場合は、園芸用ラベルを確認すれば、ガーデントークもスムーズにできますよ。
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野菜

自分で育ててみよう! きゅうりの育て方・基礎知識・旬の時期
きゅうり(胡瓜)の基本情報 tchara/Shutterstock.com きゅうりは、ウリ科キュウリ属の果菜類で、インド北西部・ヒマラヤ山麓地帯が原産地です。つる性の植物で、草丈は2m以上にまで達します。きゅうりの生育適温は18〜25℃。3月頃に種子を播いて育苗し、4月下旬〜5月中旬に苗を定植します。生育スピードが速く、6月下旬頃から収穫スタート、8月下旬頃まで楽しめます。その後は枯死するというライフスタイルをたどる一年草です。 原産地のインドでは3,000年も前から栽培が始まっており、日本へは1,000年ほど前に中国・朝鮮半島を経由して伝わったとされています。当初は薬草として利用されていたようです。きゅうりが野菜として食されるようになったのは、江戸時代末期から明治時代にかけて。今日では大人気のサラダには欠かせない食材で、促成栽培などによって一年中食べられる野菜です。 きゅうりのブルームとは? 近年、青果店やスーパーで見かけるきゅうりは、表面がつやつやとしていますが、一昔前のきゅうりは、表面にうっすらと白い粉が吹いた状態になっていました。これは、きゅうりが自然に生成する物質で、「ブルーム」と呼ばれ、水をはじくとともに、実の内部に含まれる水分の蒸発を抑えて、表面を保護する役割を持っています。ブルーベリーも同様に、鮮度がよいものはブルームが見られますよね。ところが、きゅうりに生じるブルームは「農薬散布の残留物ではないか」というクレームの要因となっていた時代があったのです。ブルームが中途半端に落ちて汚いなど、見た目も悪かったことから、このブルームが生じない「ブルームレス」の品種が生まれて、普及するようになりました。しかし、このブルームレスの品種は、通常のきゅうりに比べて皮が硬く、日もちはするものの、味が落ちるとする向きもあるようです。一周回って、本来ブルームに守られた歯ざわりのよいきゅうりが再注目され、また新しい品種が生まれる動きが出てきました。きゅうりは人気の野菜ですから、各種苗会社がしのぎを削って美味しい品種を追求し、日進月歩で品種改良が進んでいます。 きゅうりの品種 Trialist/Shutterstock.com きゅうりには非常に多くの品種があり、白イボ系と黒いぼ系に大別することができます。日本で栽培されている品種の多くが白イボ系で、表面につくイボが白色、果皮が鮮やかなグリーンで、皮が薄くシャキシャキとした歯ざわりです。一方、黒イボ系は、表面のイボが黒いのが特徴。南西日本で広く栽培され、春〜初夏採りの早生種が普及していました。漬物に適していますが、サラダなど生食するには、味が白いぼ系よりもやや劣るとされ、現在は九州や四国でわずかに見られるくらいとなっています。 他にも加賀の伝統野菜で、太くて大きいものでは1㎏にも達する「加賀太きゅうり」のほか、実の上部が緑で下に向けて白っぽくグラデーションになる「半白節成」などもあります。また、品種改良によって果皮のイボをなくした「いぼなしきゅうり」も人気です。 きゅうりも綺麗な花が咲く! jekin/Shutterstock.com きゅうりは、6〜8月が開花期。直径3cmほどの黄色い5弁花を、多数咲かせます。じつは、きゅうりには雄花と雌花があるんです! 花が咲いたら、付け根をよく観察してみましょう。付け根が膨らんでいるのが雌花で、膨らんでいないのが雄花です。「だったら、人工授粉が必要なの?」と思われるかもしれませんが、答えはNO。きゅうりは「単為結果」という性質があり、雌花と雄花の間で受粉できなくても、しっかり実をつけてくれるのです。 ちなみに、きゅうりの花言葉は「洒落」です。「洒落」には、「あか抜けた」とか「気の利いた」という意味がありますが、目を引く黄色い花を咲かせる姿や、人工授粉をしなくてもよく実る性質から、この言葉を当てたのかもしれません。 世界一栄養がない野菜? Nishihama/Shutterstock.com きゅうりは全体の96%が水分で、ギネスブックで「Least calorific fruit」と認定ました。これが「世界一栄養の少ない野菜」と誤訳され、不名誉な評判が広まってしまいました。実際には100g当たり14キロカロリーであることを評して「最も熱量の低い果実」と認定されたものです。しかし、低カロリーだからといって、栄養が少ないわけではありません。また、「fruit」とある通り、「果実」(分類上、果菜類も含む)と比較したもので、野菜と比較してのギネス記録ではないのです。 きゅうりの効能 Nguyen Quang Ngoc Tonkin/Shutterstock.com きゅうりのほとんどは水分ですが、栄養素としてβカロテン、ビタミンC、カリウムが含まれています。特に多く含まれるカリウムは、ナトリウム(塩分)を排出する役割があって、体内の水分量を調節するので、むくみの解消にも効果的です。また、きゅうりには体を冷やす効果があり、熱中症対策の水分補給にもいいとされています。歯ざわりがよくさっぱりとした味なので、夏バテ気味で食欲がない時にも、美味しく食べられるのがいいですね。 きゅうりの旬の季節 yoshi0511/Shutterstock.com サラダや漬物など、日本人に愛されているきゅうり。需要が高いため、ハウス栽培も盛んで、一年中野菜売り場に並んでいます。「きゅうりの旬はいつですか?」と問われても、答えに窮してしまう方もいるのではないでしょうか。きゅうりは夏野菜の一つで、収穫のハイシーズンは7〜9月。この旬の時期には、畑で栽培されているものが出回るため、価格も手頃感がありますね。旬に出回るきゅうりは、冬にハウス栽培されたものと比べて2倍ほどのビタミンCが含まれているといわれています。畑で太陽の恵みを受けた旬のきゅうりを、ぜひ味わいましょう! きゅうりの育て方 きゅうりは生育が旺盛でたくさん実をつけ、収穫の喜びを実感できる野菜の一つ。1株から15〜30本収穫できるので、一家族なら1〜2株栽培すれば十分ではないでしょうか。したがって家庭できゅうりを栽培する場合は、苗を買い求めて植え付けるところからスタートするのが一般的です。 また、きゅうりを育てるには、支柱につるを絡ませる「支柱栽培」と、地面につるを伸ばす「地這栽培」の2つの方法があります。ビギナーさんには、場所を取らずに管理がしやすい「支柱栽培」がおすすめ。ここでは、きゅうりの支柱栽培について、詳しくご紹介していきます。 土づくり MTaitas/Shutterstock.com 同じ科の野菜を続けて同じ場所で育てると、連作障害が出て生育が悪くなるので、前作にウリ科の植物を栽培していない場所を選びましょう。 苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行うことで、分解が進んで土が熟成します。 苗の選び方 Toru Kimura/Shutterstock.com 本葉が3〜4枚ついた頃が、植え付けの適期です。双葉がついているものがよく、茎葉が締まり、がっしりとして勢いのあるものを選びましょう。ヒョロヒョロと間延びしているものはNGです。 定植 Tarasovastock/Shutterstock.com 植え付けの適期は、4月下旬〜5月中旬。幅70cm、高さ5〜10cmの畝をつくります。きゅうりは水切れしやすいので、あまり高い畝にしないことがポイントです。 畝ができたら、保水性をよくするために畝の表面に黒マルチ(ポリフィルム製の被覆資材)を張り、風で飛ばされないように四方に土を盛って固定します。黒マルチはできるだけピンと張っておきましょう。黒マルチを張ることで、乾燥や雑草を防ぎ、泥はねも防止して病気の蔓延を防ぐ効果もあります。この一手間が成功のポイントです。 畝の中央に、株間を約45cm取って穴あけ器で黒マルチごと植え穴をあけます。植え穴に水を注ぎ、水が引いたら苗を植え付けましょう。苗のそばに仮支柱を立てて、茎を誘引しておきます。 支柱の設置 yoshi0511/Shutterstock.com 本葉が5〜6枚ついた頃が、仮支柱から本支柱に差し替えるタイミングです。2.4mほどの園芸用支柱を3本用意し、株元から20cm以上離した3カ所に支柱を差し込みます。しっかりと支えるために、地中には深さ40cmほど支柱を埋め込みましょう。頂部をまとめて三角錐状にし、ひもで固定します。きゅうりのつるを下から誘引しておき、以降は、つるが伸びてきたら適宜支柱に誘引していきましょう。 複数の苗を列植する場合は、1株の苗ごとに両側から内側へ向けて支柱を2本立てて、上部を交差させ、ひもでまとめます。交差させたところに横に支柱を渡して列全体を一体化させる合掌式にするとよいでしょう。 水やり daniiD/Shutterstock.com プランター栽培とは違い、地植えの場合は下から水が上がってくるので不要です。しかし、実がつき始めたら水を欲しがるので、雨が降らずに日照りと乾燥が続くような時は、水やりをして補うとよいでしょう。茎葉がだらんと下がって、しなびそうになっている時は、水を欲しがっているサインです。 追肥 New Africa/Shutterstock.com 植え付けから2週間後に黒マルチをはがし、株の両側に、化成肥料を1㎡当たり約30g均一にばらまきます。クワで耕して土に混ぜ込み、株元に土を寄せましょう。追肥が終わったら黒マルチを元に戻しておきます。 以降、収穫が終わるまで2週間に1度を目安に、同様にして追肥と土寄せを繰り返します。きゅうりの実は急速に肥大するので、実がなり始めると肥料や水を多く必要とします。肥料切れになったり、株が疲れたりすると、実が曲がったり、尻細や尻太など変形が出てくるので、ご注意を。 摘花 親づるの地際から3〜5節目までに雌花が咲いたら、早めに摘み取りましょう。成長の早期から株が消耗するのを防ぐためです。 子づるの整枝 親づるの3〜5節目から出る子づるは、すべて摘み取ります。 また、4〜6節目以降から出る子づるは、雌花を2つと葉1枚を残して、その先のつるは切り取りましょう。整枝をすることで、養分が分散せずに実を充実させることができます。 摘芯 親づるが支柱の高さ以上に伸びてきたら、先端を切る「摘芯」をして管理しやすくします。 病害虫対策 Eag1eEyes/Shutterstock.com きゅうりはビギナーさんでも育てやすい野菜ですが、病虫害が発生しやすい一面もあります。特に「べと病」と「うどん粉病」は発生しやすい二大病です。 梅雨時などの高温多湿期に肥料切れすると発生しやすいのが「べと病」で、葉脈に囲まれた部分が褐色に変色するのが特徴です。菌は土壌の中にいて、雨などの跳ね上がりが下葉に付くと発生しやすくなるので、やはり先述の「土づくり」の項目で触れたように、植え付け時に黒マルチを張っておくことが対策となります。 「うどん粉病」は、葉の表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がります。乾燥が続いて、涼しかったり日照不足だったりすると発生しやすくなります。いずれの病気も、発症した葉を摘み取って処分し、適応の薬剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎます。 きゅうりにつきやすい害虫は、アブラムシやウリハムシなど。見つけ次第捕殺しましょう。 病虫害は、葉が込んで風通しが悪くなると発生しやすくなります。枯れ葉や傷んだ葉があればまめに摘み取り、つるも適宜誘引して風通しよく管理しましょう。 収穫 decoplus/Shutterstock.com 最初の2〜3本は、株を疲れさせないために、長さ15cmくらいの若採りにするとよいでしょう。実の成長は早く、開花から約1週間で標準サイズの長さ18〜20cmになります。タイミングを逃すと、あっというまにヘチマサイズまで大きくなるので、なるべく若いうちの収穫を心がけましょう。 一通り収穫が終わったあとは枯死してしまうので、株を引き抜いて処分し、支柱は撤去しておきます。枯れ葉や根も整理して、次のシーズンに向けて整地しておきましょう。 自分で美味しいきゅうりを育てよう! Swetlana Wall/Shutterstock.com この記事では、きゅうりの特徴から育て方まで、詳しく解説してきました。きゅうりは黄色い花をたくさん咲かせるので観賞の楽しみもあり、またたくさんの実りをもたらしてくれる、まさに一石二鳥の野菜です。毎年夏の味覚として、「我が家産のきゅうり」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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一・二年草

ナスタチウムはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について
ナスタチウムの特徴について ビビッドなオレンジや黄色の花が目を引くナスタチウムは、どのような特徴や種類があるのでしょうか。ここでは、ナスタチウムの基本情報についてガイドしていきます。 ナスタチウムの見た目と特徴 Bembo20/Shutterstock.com ナスタチウムはノウゼンハレン科ノウゼンハレン属(トロパエオルム属)の一年草です。ハスに似た丸い葉を持ち、黄色やオレンジ色の花を咲かせることから、金蓮花(きんれんか)という別名もあります。4〜5月頃に種を播くと、6月から11月上旬まで開花。ただし、夏の暑さにやや株が弱り、7月下旬〜8月は花数が少なくなります。暑さが一段落すると再び開花しますが、晩秋になると枯死してしまうので、半年くらいの短いライフサイクルです。原産地はペルー、コロンビアで、寒さには弱い性質をもっています。草丈は20〜300cmで、這うように広がっていくのが特徴です。 ナスタチウムの代表的な種類 Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com ナスタチウムは原産地で約50種類が分布しています。ガーデニングで最も流通しているのがマユス (Tradescantia.majus)です。園芸品種も多く見られ、矮性種で草丈20cmほどにまとまる‘チップトップ’、矮性種で草丈20cmほど、かつ葉に斑が入る‘アラスカ’のほか、紫がかったピンク色の花を咲かせる‘パープルエンペラー’、パステルピンクの‘レディーバードローズ’、パステルイエローの‘ミルクルメイド’などが注目品種です。 ナスタチウムはハーブとして使われる artem Evdokimov/Shutterstock.com ナスタチウムは、ハーブとしても利用されます。花や葉にはクレソンに似た独特の香りと辛みがあり、果実や種子も辛味と酸味があります。ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、サラダの彩りなどにおすすめです。 ナスタチウムの花言葉 COULANGES/Shutterstock.com ナスタチウムの花言葉は、「勝利」「困難に打ち勝つ」など。これは草姿に由来し、丸い葉が盾を、赤い花が血を浴びた鎧をイメージさせ、戦いに赴く戦士を想起させるためです。 ナスタチウムが咲く時期と見頃 Edita Medeina/Shutterstock.com ナスタチウムの開花時期は、4月下旬〜7月、9月〜11月上旬で、開花期間が長い植物の一つです。ただし熱帯地方原産とはいえ、高山地帯に自生するので、夏の暑さにやや弱い傾向にあり、真夏は開花が止みがちとなります。花色は黄色、赤、オレンジ、ピンク、黒みがかった茶色、複色など。花径は5〜7cmで、一重咲き、八重咲きなどがあります。 ナスタチウムの育て方 ここまで、ナスタチウムの基本情報や花や葉の特徴、代表的な種類、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ナスタチウムの栽培方法について、詳しく解説します。 適した栽培環境 Aniana/Shutterstock.com ナスタチウムの栽培には、日当たり・風通しのよい場所が最適です。ただし、やや暑さを苦手とするので、地植えの場合は午前のみ光が差し込む東側で栽培するか、夏前に鉢上げして涼しい半日陰などで管理するとよいでしょう。 また、水はけ・水もちがよくバランスのとれた土壌づくりがポイントです。有機質資材をすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com ナスタチウムの植え付けの適期は3月下旬〜5月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30㎝の間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくのが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 ナスタチウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうため植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。 【鉢植え】 鉢の大きさは、5〜6号鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 ナスタチウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうため植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。 水やり cam3957/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。真夏を除き、株の生育に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。真夏は暑さのせいで株が弱ってしまい、かえって肥料やけすることがあるため、与えずに切らしておきましょう。 【鉢植え】 株の状態を見て勢いがないようであれば、6月〜7月中旬と9月〜10月上旬に、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので、与える際には注意してください。 真夏は暑さのせいで株が弱ってしまい、かえって肥料やけすることがあるため、与えずに切らしておきましょう。 日頃の手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ナスタチウムは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 草姿が乱れてきたら7月下旬に切り戻して、株の若返りをはかります。地際から草丈の半分〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 病気や害虫など注意点 devil79sd/Shutterstock.com 【病気】 ナスタチウムが発症しやすい病気は、立ち枯れ病などです。 立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。だんだん生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適用のある殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。 【害虫】 ナスタチウムに発生しやすい害虫は、ハダニ、ナメクジなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉、果実などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の下などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。または、ナメクジ用の駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので、風通しをよくし、落ち葉などは整理して株まわりを清潔に保っておきます。 ナスタチウムの増やし方 ナスタチウムは、種まきと挿し芽で増やすことができます。 【種まき】 ナスタチウムは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ナスタチウムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、4〜5月頃です。種を播く前に、種の外皮を削り、一晩水に浸けて吸水させておくとよいでしょう。種まき用のセルトレイに市販の草花用培養土を入れて種を播き、薄く覆土してください。種が流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。発芽までは半日陰の場所に置いて、乾燥しないように管理しましょう。 発芽したら、日当たり・風通しのよい場所へ移動します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 ナスタチウムはこぼれ種で増えるほど生命力が旺盛なので、花壇やコンテナなど育てたい場所に直に播いてもかまいません。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ナスタチウムは挿し芽で増やせます。 ナスタチウムの挿し芽の適期は、6月頃です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 家庭でナスタチウムを育ててみよう Nadya So/Shutterstock.com オレンジを中心にビビッドカラーのイメージが強いナスタチウム。近年は品種改良が進んで、パステルピンクやパステルイエローなどの花色も出回るようになり、注目を浴びています。比較的強健で、放任してもよく育つので、ガーデニングのビギナーにもおすすめです。ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてはいかがでしょうか。
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園芸用品

霧吹き・水さし・ジョウロ・ホース、水やりの腕をあげる8つの選び方
水やりと水量の話 鉢植えの植物に水をやる時は、毎日ちょっぴりずつ水をやるのではなく、鉢土が乾いてきたタイミングを見て鉢底からあふれるぐらいたっぷりと水を注ぐことが原則です。植物によっては乾燥気味を好むものから、たくさん水を必要とするものまで様々。植物が水を欲しているかどうかを見極めるためには日々の実践経験が不可欠で、「水やり3年」といわれるほど奥が深いものでもあります。 ジョウロとひとくちにいっても、容量や重さ、蓮口のサイズなどで排水の量や使い勝手が変わります。 蓮口付きの鉄製ジョウロ 蓮口が取り外しでき、2〜5ℓ入る容量が大きいジョウロは、大きいサイズのコンテナなどに水やりするときに便利。鉄製なので丈夫で長持ちします。容量が大きい分、水を入れると思ったよりも重く感じますが、取っ手が2つあることでしっかりホールドでき、水をこぼさず運ぶことができます。また、2つの取っ手を左右の手でしっかり持ち、微妙に角度を調整できるのでめがけた場所へ排水することができます。 蓮口がないアルミ缶ジョウロ 蓮口がなく、排水口が本体よりも遠い場所で長いジョウロは、太い水の流れが一直線にあふれ出ます。排水口が細いので、葉に水を当てたくない植物(ペチュニアなど)の根元付近にピンポイントで水やりができます。1度に2〜5ℓ入るたっぷりサイズなので水を入れると重いですが、鉄製に比べてアルミ缶は比較的軽く運ぶことができます。短時間でたくさんの水をやりたいときに便利。 細目の蓮口付きジョウロ まるで絹糸を引くような細い水の流れを生み出せる細かい穴が開いた蓮口。蓮口の面を上向きにすれば、水の勢いが抑えられます。流れ出る水の量が少ないので、ちょっと水やりに時間はかかりますが、柔らかな水流は、種を播いた後の水やりや、繊細な草花、葉水にぴったりです。 小ぶりのプラスチック製ジョウロ 容量が1ℓ以下の小ぶりなジョウロは、多肉の寄せ植えや小さな観葉植物など、室内の植物へ少量水やりをするときに手軽に使えて便利。インテリアとして窓辺の片隅に置いて、日常使いにしたいデザイン。 細口の小ぶりなジョウロ 口が細く長いジョウロは、狙ったところだけに水を注げるのが最大のメリット。小さなジョウロなら水を入れても重くならず、安定して使えます。周囲を汚したくないお部屋での水やりや、ペチュニアなど葉に水がかからないほうが良い植物の根元への水やりに。 ホース 花壇など地植えの場所には、断然ホースで水やりするのが便利。大抵の製品がホースの先に水流の調節ノズルが付いているので、シャワー状の水流でじっくり水やりができたり、少し遠い場所にめがけてジェット噴射したりと、状況に合わせて色々な水流を出すことができます。写真のような、アイアン製のどっしりと重いホースリールが一体になったものなら、水流で動いたりせず安定して使えます。広い庭では、要所要所にそれぞれホースリールを用意すると便利。 ピッチャー 口が大きなピッチャーは、全体にたっぷり水を掛けることができます。たとえば、ベランダで「気がついたら水が足りなくて植物が枯れかけている!」など、ピンチの状態でも急いで水をたっぷりやることができます。また、切った花を一時的に水揚げするときや、花瓶替わりに使うこともできます。 霧吹き 多肉や観葉植物など室内栽培に必須の霧吹き。根元に水やりするだけでは、地上部が乾燥して葉ダニなどが発生するため、ときどき霧吹きで葉水をしましょう。雨がかからないベランダでも霧吹きを使って、葉に潤いを与えましょう。ジョウロでは流されてしまう小さな種への水やりにも。 水やり道具を使い分けて腕をあげましょう 育てる植物の種類が増えるごとに、それぞれに合った水のやり方についても考えるようになります。重いジョウロを持ってでも、スピーディーに水やりを終わらせたいなら容量が大きいジョウロを使いたいし、植物と対話しながら時間をかけてゆっくり水やりをするなど、生活スタイルによってもジョウロの選び方が変わってきます。 ジョウロは、ガーデンショップによって扱っているデザインや容量、素材などが違うので、見た目だけではなく実際に手にとって自分が水やりするときのことを想像して選んでください。アンティークショップなどでは、使い込まれた味のあるジョウロにも出合うことができます。ガーデニングの本場、英国で使い込まれたジョウロを使ったら、ガーデニングの腕があがるかも?
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宿根草・多年草

まるで綿飴のように咲く! 植えっぱなしで夏の庭を華やかに彩る宿根フロックス
宿根フロックスとは エキナセアやカライトソウとともに夏の庭を愛らしく彩る宿根フロックス。Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com 宿根フロックスは、ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(Phlox フロックス属)の多年生植物。原産地は北アメリカ、北東アジア。高山帯から森林や草原地帯まで幅広く生息しています。 夏の庭で摘んだ宿根フロックスとユリを飾って。Daykiney/Shutterstock.com 日本への渡来時期の詳細は不明ですが、江戸時代の書物に登場することから、その頃までには日本にやってきたことが分かります。濃いピンクの5弁の小さな花を房状に咲かせる豪華な花姿。甘い香り。江戸時代の遊郭の華、「花魁」を思わせることからか、「花魁草(オイランソウ)」と名付けられ親しまれてきました。 また、「クサキョウチクトウ」の別名もあります。小型の夾竹桃の意味。花の形、花期が似ていることから名付けられました。 白い宿根フロックスの涼しげな景色。Sergey and Marina Pyataev/Shutterstock.com 真夏の花というイメージが強い植物でしたが、近年改良が進み、春咲き、夏咲き、花色も白、ピンク、赤、ブルー、絞り、と多彩な展開を見せています。斑入り葉もありますから、花のない時期にも楽しめます。現在では「宿根フロックス」の名称で流通していることが多いです。 夏咲きの宿根フロックスは草丈が100cm前後に大きくなるものも多く、広い庭の中景を彩るのに最適です。小花が密集して株を覆うように咲くため、色の効果が抜群です。 宿根フロックスの品種 宿根フロックスの中で、人気の品種を春咲きタイプと夏咲きタイプに分けてご紹介します。 【春咲きタイプ】 花期は4~6月。草丈は15~40cm。花は横に広がって咲きます。日向から半日陰、水はけのよい場所を好みます。花後、葉の緑は残りますが、冬には地上部は枯れ、翌年の3月に新芽を出します。 ① フロックス‘ビルベーカー’ markgeza/Shutterstock.com ピンク色の花が一面に広がり、春らしい柔らかな風景を作ります。花がらをこまめに摘むと、3カ月近く花を楽しめます。 ② フロックス ‘ホワイト・パヒューム’ Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com 花色は白。葉や茎が細く繊細。名前の通り芳香花をたくさん咲かせます。 ③ フロックス‘クラウズ・オブ・パヒューム’ Alex Manders/Shutterstock.com 花色は淡いブルー。花期には株を覆うように花を咲かせ、いい香りを漂わせます。暑さ、寒さに強く丈夫な性質です。 ④ フロックス‘モントローザ・トリカラー’ VladimirShnip/Shutterstock.com 葉に白い斑が入る品種。季節によって白い斑がピンク色を帯びます。花色はブルー。花と葉の組み合わせがロマンチックで美しい。芳香花。 ⑤ フロックス・ピロサ 桃色の花が可憐な品種。高温多湿を嫌うので、風通しのよい場所に植えましょう。 【夏咲きタイプ】 花期は6月~9月初め。草丈60~100cmの比較的大型のものが多いです。 暑い中でも元気に咲く夏の代表的な宿根草で、性質が強く土質を選びません。日当たり・水はけのよい場所なら、放任で毎年咲き大きくなります。乾燥には強いですが、蒸れるとうどんこ病になりやすいので、混み合ってきたら株分けをしましょう。 ① フロックス‘スターファイヤー’ Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com 花色は鮮やかな赤。葉や茎が黒みを帯びて花の色を引き立てています。花茎が太く、ピラミッド状に盛り上がる豪華な花をしっかり支えている様は、夏花壇のまさに“スター”的存在です。 ② フロックス‘クレオパトラ’ VladimirShnip/Shutterstock.com 花は小さめですが、きれいなチェリーピンクが存在感抜群です。草丈が30~40cmと夏咲きタイプの中では低めのほうです。 ③ フロックス‘ブルー・パラダイス’ Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com 咲き始めは赤紫で、咲き進むと徐々に青く変化します。生育が早く丈夫で、100cmにもなる大型種。1輪が4cmもある大輪花が咲きそろう姿は見事。香りも素晴らしく、ブルー系の中では特におすすめの品種です。 ④ フロックス‘ジェイド’ Anna Gratys/Shutterstock.com 可愛い丸弁の白花で、花弁に淡いグリーンの縁取りが入ります。夏の庭に爽やかな印象をもたらしてくれます。草丈は50cm程度でコンパクト。性質が丈夫で、花もちもいいです。 ⑤ フロックス‘ペパーミント・ツイスター’ Andrew Pustiakin/Shutterstock.com 白地にピンクのパラソル模様が入る、お洒落で爽やかな品種。草丈は60cm程度。ほかの色の濃いフロックスと取り合わせてもよくマッチします。切り花としても注目されています。 ⑥ フロックス‘ミスリンガード’ Tony Baggett/Shutterstock.com ウエディングドレスを連想させる純白の花です。草丈90cmほどに伸び、ボリュームのある姿は夏のホワイトガーデンに欠かせない存在です。6~9月と長く咲きます。 ⑦ フロックス‘クレームドマント’ Anna Gratys/Shutterstock.com 白い花弁の中心にピンク色のボカシが入るエレガントな花が房状に咲きます。さらにクリーム色の斑入りは花期以外もリーフプランツとして楽しめます。植栽に変化を与えてくれる、おすすめの品種です。 フロックスの育て方 宿根フロックスは日本の気候に適した植物ですから、あまり手をかけずに育ちます。 スターファイヤーのような高性種は後方へ植栽。SHARKY PHOTOGRAPHY/Shutterstock.com 植え付け場所 日当たり・水はけのよい場所に植え付けます。蒸れると、うどんこ病が発生する恐れがありますから、風通しのよい場所を選びましょう。 群植すると、開花期は見事な景観を作ります。大きく育ちますから、株間を30~40cm取りましょう。また、品種によって草丈が異なりますので、「スターファイヤー」のような高性種は庭の後方か、もしくは中心部に植えるとよいでしょう。 植え付け時期 春は3~5月、秋は9~11月に植え付けます。 用土・肥料・水やり 宿根フロックスは多湿を嫌いますから、地植えの場合は植え付け時にたっぷり腐葉土をすき込み、元肥として堆肥と緩効性化成肥料を与えます。 鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使い、緩効性化成肥料を与えます。追肥は特に必要ありません。毎年春の発芽前に元肥と同じものを株間にすき込みます。 水やりは植え付け時にたっぷり与え、その後は土の表面が乾いたら与えるようにします。地植えは根付いたら必要ありません。宿根フロックスは、基本的に乾燥には強いです。 Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com 摘心と切り戻し 草丈が15cmくらいのうちに主軸の成長を止めると脇芽がたくさん出て花つきがよくなります。花が咲き終わったら花穂の切り戻しをしてください。次々に花穂が上がって長く楽しむことができます。 病害虫 6月と9~10月にうどんこ病が発生しやすいので、株間をゆったり取って風通しをよくし、予防に努めましょう。発生したら蔓延する前に、うどんこ病にかかった部分を取り去ってください。 冬越し 地上部が枯れたら株元を少し残して切り戻します。耐寒性は高いですから、特に対策をしなくても冬越しできます。春3月頃、再び芽吹きます。 Sergejs Filimon/Shutterstock.com 増やし方 株分けと根伏せで増やします。適期は春の3~5月、秋の10月です。共に植え替え時に行います。 株分けはあまり小さく分けず、1株に5芽程度つくように分けると、その後の生育もよく元気に育ちます。 根伏せは、株を掘り上げたら、まず土を洗い落とします。元気な若い根を選んで、7〜12cmに切り取ります。根の先端部を切り落として用土の入ったポットや箱に寝かせた状態で埋めてください。水を切らさないように明るい日陰で管理し、発芽を待ちます。 Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com 宿根フロックスの魅力は、「丈夫さ」と「多彩な花色」です。あなたの庭をさらにダイナミックに、また優しく柔らかに見せたいと願うとき、必ずぴったりの品種が見つかります。 そして、丈夫な宿根草ですから、一度根づいたら春から秋まで途切れることなく、庭を美しく彩ってくれます。夏枯れに悩むことなく、元気でゴージャスな花が楽しめるのがうれしいですね。 宿根フロックスのもう一つの魅力は、「香り」です。品種によってさまざまな香りがありますから、ぜひお気に入りを見つけてください。
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寄せ植え・花壇

【半日陰の寄せ植え】ヤマアジサイとインパチェンスの寄せ植え
小ぶりな花が寄せ植えにぴったりのヤマアジサイ 住宅街の庭では、建物に日が遮られて、一日中日が当たっている庭はなかなかありません。一日のうち数時間だけ日が当たる場所を半日陰と呼びますが、そうした場所で美しく映える花の代表がアジサイ。なかでもヤマアジサイは、古くから日本の山野に自生してきた花木で、気候に馴染み育てやすく、ガーデニングビギナーにもおすすめです。豪華な西洋アジサイとは異なり、野趣あふれる花姿は趣があり、株が小型のものは小さな庭や寄せ植えにも向きます。今回の寄せ植えの主役には、そんな小型のヤマアジサイ‘伊予獅子てまり’を用いました。 ヤマアジサイは根の生育が旺盛で、生育期には水を盛んに吸い上げるので、鉢はある程度大きさと深さがあるもののほうが乾きにくく向いています。 華奢な枝に小ぶりの花を咲かせるヤマアジサイ‘倉木てまり’や‘伊予獅子てまり’。花色は土壌の酸性度によって変わり、酸性だと青色に、アルカリ性だとピンク色になります。 濃いブルーが印象的なヤマアジサイ‘藍姫’も小ぶりで寄せ植えに好適。 半日陰できれいに咲くインパチェンス 寄せ植えでは、同じ環境を好む草花を選ぶ必要がありますので、同様に半日陰を好む草花をヤマアジサイの株元に入れました。インパチェンスはアジサイと開花期が同じで、半日陰を好むので、組み合わせるにはぴったり。ここではバラのように花心が渦巻いて咲くインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサムをセレクト。やさしい水色のヤマアジサイによく似合うふんわりしたパウダーピンクの花です。ほかに斑入りコデマリ‘ピンクアイス’、黒い葉が美しいヒューケラ、銀葉のラミウムを合わせました。すべて半日陰を好む植物です。 半日陰でよく育つラミウム。銀葉が美しく、ピンクや黄色などの花色がある。 花と花の間に入れる葉ものがポイント 植栽のレイアウトは、中央にヤマアジサイ、次にヒューケラ、鉢縁にいくに従い草丈の低い植物を配置しています。ヤマアジサイは小ぶりの品種を選んでいますが、植えた直後のインパチェンスは草丈が15〜20cm程度なので、間にやや空間が生まれます。その空間をちょうどよくつなぐのが、黒っぽい葉色のヒューケラ。ヤマアジサイとインパチェンスの花と花の間には、ヒューケラのようなリーフプランツを入れるのがポイントです。花を引き立ててより美しく見せる役目を果たします。インパチェンスは生育するに従い、こんもりと茂って草丈も高くなってきます。 インパチェンスで半日陰を華やかに! インパチェンスは初夏から秋までよく咲き、半日陰の庭を彩る夏の一年草の代表です。草丈は10〜40cmで、こんもりと茂るので、花壇の前方や寄せ植えの素材として重宝します。花径3〜4cmの愛らしい花は株を覆うようにバランスよく咲き、主役にも脇役にもなるので、使い勝手も抜群。ヤマアジサイとの寄せ植えでは準主役として共演しましたが、上の写真のように主役としても活躍してくれます。ここでは、バラ咲きの人気品種インパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’を主役に、周りに半日陰を好むラミウムやアジュガを植栽しました。 日陰の庭に人気の「バラ咲き」 ‘カリフォルニアローズ フィエスタ’ とりわけバラのように優雅な花姿で人気のインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’は、寄せ植えの主役としても存在感を発揮します。この品種は「暑さに強いバラ咲きインパチェンス」として、20年を超えて愛されている人気品種で、カラーバリエーションも豊富。春から晩秋まで長く咲き続け、日陰を鮮やかに彩ってくれます。 半日陰の寄せ植えのお手入れと注意点 植え付け時に緩効性肥料を用い、追肥として緩効性肥料を与えるか、定期的に液肥を施しながら育てます。水は表面の土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとあげましょう。暗い場所はナメクジやダンゴムシも好み、花や葉を食べられることがあるので、専用の忌避剤などを用いて対策をしておくとよいでしょう。もし薬剤を用いたくないなら、ナメクジは夜行性なので夜のパトロールで捕獲しましょう。 インパチェンスのお手入れ 長く咲かせるために、植え付け時に緩効性肥料を用い、追肥として緩効性肥料を月に1度与えるか、定期的に液肥を施しながら育てます。株が大きくなって間のびしてきたら、7月頃に地上部を15cm程度残して、刈り込みます。刈り込んだ後、追肥を与えることで、もう一度きれいな姿で花を楽しめます。一年草なので晩秋に花が咲かなくなってきたら寿命です。 ヤマアジサイのお手入れ ヤマアジサイは5〜7月に開花し、晩秋には落葉しますが、枯れたのではなく休眠しているだけです。翌春には再び新芽を出して生育し始めるという、一度植え付ければ長い期間にわたって毎年の開花を楽しめる、コストパフォーマンスの高い植物です。10月頃には翌年のための花芽がつくので、花が終わったら9月までには剪定し、液肥を与えましょう。枝にある節を3〜5個残し、節の上2〜3cmのところでカットして切り戻し、樹高を低くします。古くなっている枝があれば、根元から切り取って新しい枝に更新します。 日当たりに恵まれない庭でも、花を選べば華やかに空間を彩ることができます。今回ご紹介した半日陰を好む植物の寄せ植えは、玄関ポーチなど庇があり陰ができる場所に最適です。暗くなりがちな場所に華やかな寄せ植えがあれば、パッと明るく美しく見えますよ。
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おすすめ植物(その他)

アイリスの育て方 夢見るような花色&丈夫でコスパ最高の球根植物
多彩な花色が虹のように美しい「アイリス」の花言葉 Kylbabka, alfotokunst/Shutterstock.com 「アイリス」という名前は、ギリシャ神話の虹の神イリスに由来します(英名ではアイリス、仏名ではイリス)。ギリシャ神話では、イリスは虹を神格化した存在として七色に輝く衣をまとい、大きな翼を持つ美しい女神。天と地とを結ぶ使者です。アイリスの花言葉は「メッセージ」「吉報」「希望」などがあります。 MaCross-Photography/Shutterstock.com その花色は、青、紫、白、黄、ピンク…。一つの花の中にいくつもの色がグラデーション状ににじんでいる様は、まさに虹の女神の衣のよう。花弁の縁が彩られるバイカラーやドラマチックなダークカラーまで多彩。花弁の縁が、ひるがえったドレスの裾のようにヒラヒラと優雅なフリル状になっているのはジャーマンアイリスで、花形が大きく特に花色のバリエーションが豊富です。魅惑的な花色があふれるアイリスは画家ゴッホも心酔し、何枚もの作品を残しています。 青が印象的なアイリス。Daniella Danilejko/Shutterstock.com ゴッホが描いた「アイリス」1889年5月、油彩、ケディ・センター蔵 ゴッホはとりわけ紫と黄の補色対比に惹かれ、弟のテオへの手紙の中にもその色彩について伝えています。 一枚の方は、真黄色のきんぽうげが一面に咲いた野原で、紫の花に緑の葉の菖蒲のある溝、背景に町、数本の灰色のねこ柳、青空の帯。1961年 岩波文庫 ヴィンセント・ファン・ゴッホ著、ボンゲル編、硲伊之助訳『ゴッホの手紙(中)テオドル宛』より ブルーの花の中に1輪黄色のアイリスを交ぜて花瓶に。ゴッホは花瓶に飾ったアイリスの作品も残している。Daykiney/Shutterstock.com 魅惑的な黄色と紫とブラウンの入り交じるアイリス。Tootles, gardenia68/Shutterstock.com アイリスには、まさしくゴッホが惹かれた紫と黄の補色対比で構成されている花が多くあり、1輪でインパクトを残すユニークな花色も少なくありません。庭の中でもアイリスを用い、同様の色の組み合わせで花壇を構成する場合がしばしばあります。 紫のアイリスの周りを黄色の花のアルケミラモリスやヘメロカリスで彩った補色対比の花壇。英国ヒドコート・マナー・ガーデン。 シャープなラインと優雅な花形は庭での映えも抜群! 淡い紫色のシャクナゲの花を背景に咲くアイリス。縦のシャープな線が背景と対照的で美しさが際立つ。 アイリスはその花色だけではなく、すっきりと縦に伸びる剣状の姿も美しいのが特徴です。花が終わった後にも、細くシャープな葉はオーナメンタルグラスとして活躍してくれるでしょう。草丈は40〜70cmで、他の草花とも組み合わせやすい高さです。 青い縁取りの個性的なアイリスとアリウムの組み合わせ。John A. Anderson/Shutterstock.com バラの群生を背景に咲くダークパープルのアイリス。横浜イングリッシュガーデン。 アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ アイリスは、アヤメ科アヤメ属(アイリス属)の多年草。学名はIris。原産地は北半球の温帯地域です。日本では「アヤメ」というと「アイリス・サンギニア」を指しますが、広くアヤメ属のカキツバタやハナショウブなども仲間です。 スラリとした粋な美人たちを「いずれ、アヤメかカキツバタ」と褒め称える言葉があります。どちらなのか、一見分かりにくいのですが、花弁の付け根の模様で見分けることができます。 Mariia Romanyk, F_studio, Natalia van D/Shutterstock.com 付け根が網目状のものが「アヤメ①」、白い筋が「カキツバタ②」、黄色い筋が「ハナショウブ③」。また生育環境の違いでも、大きく、陸生(アヤメ、ジャーマンアイリス、ダッチアイリス)、水生(カキツバタ)、半乾湿地生(ハナショウブ)に分けられます。 なお、5月5日端午の節句に飾られる「ショウブ」はアヤメ科ではなく、サトイモ科です。ややこしいですが、それだけ魅力があり、古くから多くの園芸種も作出されています。 「ほととぎす 鳴くやさつきの あやめぐさ あやめも知らぬ 恋もするかな」 古今集には、読み人知らず(作者不明)として、こんな和歌が詠まれています。恋をしてあやめぐさの模様のように、どうにもならない思いの乱れに悩んでいる、といった意味でしょうか。素敵ですね。 ジャーマンアイリスの育て方 アヤメ属の植物はいずれも、寒さにも暑さにも強く、丈夫で育てやすいです。その中でも陸生でガーデンに気軽に取り入れやすく、さまざまな園芸品種があり、多彩な花色を楽しめるジャーマンアイリスの育て方をご紹介します。 花期と植え付け時期 開花は5月半ばから7月半ば。五月晴れの蒼天の下、また梅雨の雨の日にも鮮やかな花を咲かせてくれます。草丈は40〜70cm。 ジャーマンアイリスの球根(塊状の根)は、春と秋の2回販売されます。植え付けは、3月と9月下旬が適期。 植え付け場所 ジャーマンアイリスは、日当たりと風通しがよくて、水のたまらない場所を好みます。酸性土を嫌うので、植え付け前に苦土石灰をまいておきましょう。また、腐葉土を入れておくと水はけがよくなって、根張りにいい影響を与えます。 ジャーマンアイリスは、何より土が過湿になることを嫌うので、20〜30cm土を高く盛って植え付けましょう。球根の間隔は40〜50cmあけます。球根の半分が土の上に出るように、芽を上に向けて、球根を土に軽く押しつけます。 鉢植えの場合は、24cmの素焼き鉢に1球を目安に植え付けます。植え付け後は、土が湿っていれば水やりは不要です。 球根が半分表面へ出るように、芽を上にして植える。 肥料 植え付け後1年間は肥料を与えません。肥料が多すぎると病気が発生する原因になります。2年目以降は、窒素分の少ない液肥を生育期間に3回ほど与えます。緩効性肥料を株間に与えてもいいでしょう。 病害虫 病気で注意するのは、株元が腐り、葉が枯死する軟腐病。株元に雑草が茂ると日当たりや風通しが悪く病気の発生原因になるので、清潔な環境を保つようにします。 増やし方 ジャーマンアイリスは植えっぱなしでよく増えるので、2〜3年に1度、株分けを兼ねて植え替えをします。株が元気になり、花付きもよくなります。 植え替え適期は9〜10月。清潔なナイフやハサミで、1つの株に芽が1〜3個付くように株元を切り分けます。分けた株は葉を半分くらい切り落とします。それぞれの株を、球根の背中が土から半分くらい出るように浅く植え付けてください。 Maya Kruchankova/Shutteestock.com 品種 ジャーマンアイリスは1800年代にドイツやフランスで品種改良が進み、現在ではアメリカでさまざまな品種が作り出されています。 ひらひらした透き通る花弁が魅力的で、色も多彩。アイリスは立ち上がる上弁、垂れ下がる下弁で構成されていて、上弁と下弁が違う色の複色種、また上弁と下弁が同じ色の単色種、花弁を異なる色で縁取る覆輪種などがあります。 春と秋に開花が楽しめる二期咲き種、甘い上品な香りを漂わせる芳香種などもあり、よりどりみどり、迷うほど豊富なラインアップの中から好みの花が選べます。 カキツバタ、ハナショウブの楽しみ方 pianoman555/Shutterstock.com カキツバタは水生植物ですから、根元が水の中にひたっていなければなりません。鉢に植えたカキツバタを水鉢に入れることで、簡単に育てることができます。メダカなどを飼っているビオトープに入れても楽しめます。 一方、ハナショウブは水生植物ではありません。乾燥しすぎないところであれば、どんな場所でも育てられます。ただし、つぼみを持ち開花する頃は十分な水やりが必要です。乾燥すると花がきれいに開かずしぼんでしまいます。鉢植えでは、鉢受けにたっぷり水を張っておきましょう。 5月下旬から6月にかけて、各地の「花菖蒲園」でハナショウブが開花を迎えます。 明治神宮御苑内の花菖蒲田(150種1,500本)、東京都葛飾区の堀切菖蒲園(200種1,500本)などが有名ですが、日本各地にもっと規模の大きい花菖蒲園があります。お住まいの近くの花菖蒲園に、ぜひおでかけになってください。ハナショウブの美しさと同時に、伝統的な日本庭園の趣も味わえることでしょう。






















