スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
宿根草・多年草

夏植え球根を植えて秋の庭を華やかに! おすすめ品種6選
球根植物とは Nadezda Verbenko/Shutterstock.com 球根植物は、宿根草に分類される草花で、根や茎が肥大して水分や養分を蓄える器官をもっているのが特徴です。花を咲かせた後に葉を茂らせて光合成を行い、球根を太らせて養分を蓄えます。その後は地上部を枯らして休眠期に入ります。球根を掘り上げて貯蔵するか、植えたままにしてよいかは、育てる球根によって異なりますが、一年草のように半年ほどで枯死することはなく、上手に管理すれば毎年開花を楽しめる、息の長い植物です。一般に「球根」と呼ばれるのは養分を蓄える器官で、鱗茎、球茎、塊茎、根茎、塊根の5つに分類されています。また、種類によって植え付けに適した時期が異なり、主に春植え、夏植え、秋植えがあります。最もポピュラーなのは秋植え春咲きのもので、クロッカスやアネモネ、チューリップなどがあります。 夏植え球根とは ZanozaRu/Shutterstock.com 夏に植え付けると、秋に咲くのが夏植え球根です。開花が終わると葉を茂らせて光合成を行い、地下に養分を蓄えます。その後、春から夏にかけて地上部を枯らして休眠するライフサイクルです。9〜10月に開花するものが多く、種類によっては冬まで咲くものもあります。比較的植え付けから開花までが短いのが特徴です。休眠中の球根を植えたままにしてよいのか、掘り上げて貯蔵する必要があるのかは種類や栽培地域によって異なるので、ラベルに記載された説明書きなどで確認して、適切に越年させるとよいでしょう。 夏植え球根の栽培上のポイント 夏に植え付けるタイプの球根植物の栽培のポイントについて、解説します。 栽培環境 funnyangel/Shutterstock.com ほとんどの球根植物は、日当たり・風通しのよい場所を好みます。明るめの半日陰の場所でも栽培は可能ですが、日なたに比べて茎や葉がひょろひょろと徒長気味に伸び、花数は少なくなるようです。 植える場所には堆肥や腐葉土などの有機質資材を混ぜ込み、水はけと水もちのバランスが取れた、ふかふかとした土を作るとよく育ちます。 植えっぱなしにして越年するものもあれば、寒さに弱いものもあるので、入手した品種のラベルに書かれている性質を確認しておくとよいでしょう。寒さ対策としては、腐葉土や落ち葉などをかぶせる「マルチング」をしておくのもおすすめです。 植え付け Richard Griffin/Shutterstock.com 夏植え球根の種類にもよりますが、植え付けの適期は6月中旬〜9月中旬です。花苗店などに出回る開花株を買い求めた場合は、早めに定植します。 球根植物は、1株のみ咲かせるより、同じ品種で球根を5〜10球まとめ植えし、一斉に咲かせると華やかに演出できます。 【地植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材をすき込んで土づくりをしておいた場所に、それぞれの球根に適した大きさの穴を掘り、植え付けます。たくさん植える場合は、適した間隔を開けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 【鉢植え】 土は、草花の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。球根を植え付ける深さや間隔は、ラベルの説明に従ってください。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 開花株を入手した場合は、ポットよりも1〜2回り大きな鉢を用意します。軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れ、入手した株をポットから出して根鉢をくずさずに植え付けましょう。 日常の管理 Ivanko80/Shutterstock.com ●水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がって株が弱るので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。また、真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に過度の乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 鉢栽培では土が乾きやすいので、日頃から水やりを忘れずに管理します。とはいっても、毎日水を与えればいいというものでもありません。なぜなら、気温や湿度など天候の状況によって、土の乾き具合が異なるからです。動物が毎日食事を必要とするのとは異なり、植物は毎日水を与えて土がジメジメと過湿の状態になると、根腐れして枯れてしまうこともあるので注意。土の状態を見てから水やりするのがポイントで、基本は、土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。また、茎葉がだらんと下がって勢いがなくなっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 一方で、真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕の水やりを欠かさないようにします。 ●肥料 【地植え・鉢植え共に】 球根植物は、肥大した根に養分を蓄えているため、植え付け時に元肥を施してあれば、開花までは特に追肥は不要です。開花した後は株が消耗している状態なので、地上部が枯れて休眠するまでは月に1度を目安に緩効性肥料を施し、球根を太らせましょう。根の発育を促すリン酸やカリ分が多めに配合された肥料を選ぶとよいでしょう。 ●花がら摘み 花が終わったら、花茎の先端にある花房の下で切り取ります。花茎は光合成をして球根を充実させるのに一役買ってくれるので、残しておきましょう。 花がらをいつまでも残しておくと、腐って病気を招いたり、種子を作ろうとして養分がそちらに集中し、株がエネルギーを消耗して球根が太れない結果になってしまいます(中にはヒガンバナのように種子をつけない種類もあります)。早めに切り取って株まわりを清潔に保ちましょう。 球根の掘り上げ OlegDoroshin/Shutterstock.com 球根は、植え付けてから数年経つと大きく太って充実します。植えっぱなしで込み合ってきたと感じたら、地上部の葉が枯れた後に、掘り上げてみましょう。大きくなった球根は自然にいくつかに分球できるので、それぞれ球根をはずし、離して植え直すと増やすことができます。 夏植え球根は、すぐに植え直して越年できるものと、掘り上げて次の植え付けまでネットなどに入れて風通しのよい場所で保存したほうがよいものがあります。種類によって掘り上げ後の対処の仕方が異なるので、入手した球根のラベルに書かれた説明に従うとよいでしょう。 夏植え球根の楽しみ方 夏植え球根は、花数が少ないものが多いので、球根を5〜10個ほどまとめ植えしたほうが迫力が出ます。また、夏植え球根は、葉よりも先に花茎を伸ばして開花するタイプが多く、株元には葉がないために寂しく見えがちに。そのため、草丈の低い秋咲きの植物やカラーリーフを手前に植えておくのがおすすめです。 おすすめの夏植え球根6選 夏に植え付けるタイプの球根植物はたくさんありますが、その中からビギナーでも失敗が少なく、育てやすいものをピックアップしました。ぜひ栽培にチャレンジしてください。 リコリス Picmin/Shutterstock.com リコリスは、ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の球根植物。原産地は日本や中国、ミャンマーなど東アジアの地域で、10〜20種が確認されています。秋の彼岸頃に咲くヒガンバナや、山野などで見かけるキツネノカミソリ、ナツズイセンなどもリコリスの仲間です。日本でも自生している種類があるということは、ビギナーでも比較的育てやすい草花だといえます。 リコリスは葉よりも先に花茎を伸ばし、頂部に花を咲かせます。数輪の花弁が外側に向かって放射状に並ぶ、エレガントな咲き姿が大変華やか。細長い花弁が外にクルンと反り返り、長く伸びるしべとの対比もあって、秋の庭の主役となる存在感があります。植え付け適期は7〜8月で、開花期は9月中旬です。花色は赤、オレンジ、黄、白、ピンク、紫、青、複色があり、バラエティー豊か。花弁にキラキラとラメが入るような光沢感のある品種もあります。 リコリスの草丈は20〜50cmで、花壇の中段などに向いています。花茎を伸ばした先端に花を咲かせるときには、まだ葉が出ていないので株元がぽっかりと空いてしまいます。その空間を埋めるように、草丈の低い草花やカラーリーフプランツを組み合わせるとよいでしょう。 コルチカム Mariola Anna S/Shutterstock.com コルチカムは、イヌサフラン科イヌサフラン属(コルチカム属)の球根植物。原産地は欧州、北アフリカ、中東、中央アジアで60種ほどが分布しており、暑さにも寒さにも強い性質です。植え付け適期は8〜9月で、開花期は9月中旬〜10月。花色はピンク、紫、白、黄など。草丈は5〜30cmで、葉よりも先に花茎を伸ばし、頂部に花を咲かせます。早春から葉を伸ばすので追肥をしておくとよいでしょう。地上部が枯れた6月頃に掘り上げて、植え付け適期まで風通しのよい場所で貯蔵します。 コルチカムは土に植え付けずに、窓辺などに置いておくと茎葉を伸ばして開花するほど強健なので、開花までインテリアて楽しむのもいいですね。ただし、コルチカムの球根はアルカロイドの一種コルヒチンを含み、毒性があるので、幼児やペットなどが誤って口に入れることのないように管理してください。 ネリネ marineke thissen/Shutterstock.com ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属)の球根植物。原産地は南アフリカで、暑さには強く寒さには弱い性質です。植え付け適期は4〜9月、開花期は10月中旬〜12月中旬で、花色は赤、ピンク、オレンジ、紫、白、複色など。花弁に光が当たるとキラキラと光るラメのような質感から、ダイヤモンドリリーの別名もあります。草丈は30〜40cmほど。2〜3年は植えっぱなしにしてもいいのですが、一般に流通しているネリネは耐寒性の弱いサルニエンシスをもとに品種改良されたものが多いため、鉢栽培にして越年させるほうが無難です。 サフラン ZhakYaroslav/Shutterstock.com アヤメ科サフラン属(クロッカス属)の球根植物。もともとは染料や香料、薬用などに利用されてきました。原産地は地中海沿岸で、寒さに強く、暑さにはやや弱い性質をもっています。植え付け適期は8〜9月、開花期は10月中旬〜12月上旬で、クロッカスに似た花を咲かせます。花色は紫で、芳香があるのが特徴です。草丈は10〜15cmとやや低いので、花壇の前面などに向いています。5月頃から地上部を枯らして休眠期に入るので、梅雨前までには掘り上げて風通しのよい涼しい場所で管理しましょう。鉢栽培の場合は、夏にあまり雨の当たらない涼しい場所へ移動できれば、数年は植えたままにしてもかまいません。 ステルンベルギア flaviano fabrizi/Shutterstock.com ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)の球根植物。原産地はヨーロッパ南東部〜アジア南西部で、5〜8種が確認されており、寒さに強い性質です。植え付け適期は8〜9月、開花期は主に9月下旬〜10月中旬。花色は黄色で、クロッカスに似た花姿をしています。草丈は10〜25cm。水はけが悪い土壌では夏に球根が腐りやすいので、6月頃に葉色が黄変して地上部が枯れたら掘り上げ、植え付けまで風通しのよい涼しい場所で保管しておきましょう。 オキザリス ASakoulis/Shutterstock.com カタバミ科のカタバミ属(オキザリス属)の球根植物。原産地は主に南アフリカ、中南米で800〜850種が確認されており、世界中に分布しています。日本で流通しているのは20種ほどで、秋咲きタイプのほか、春咲きタイプ、四季咲きタイプもあります。秋咲きタイプの植え付け適期は8〜10月で、開花期は10〜12月。花色は紫、ピンク、白、黄、オレンジ、複色などがあります。草丈は5〜30cm。光に反応して花を開き、暗くなると閉じる性質があるので、一日を通して日当たりのよい場所で栽培しましょう。 夏植え球根で外空間を彩り豊かに John R Martin/Shutterstock.com 夏植え球根は、植え付け後、比較的短い期間のうちに花が咲き始めるため、ほとんど放任してもよく、ビギナーにおすすめの草花です。花のフォルムが美しく、花色もカラフルなものが多いので、庭や空き地、ベランダを華やかに彩るのに一役買ってくれます。ぜひ夏咲き球根の栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。
-
一年草

源氏物語にも登場する「夕顔」 花の特徴から育て方までご紹介!
夕顔の基本情報 Carl Ning/Shutterstock.com 夕顔はウリ科ユウガオ属に分類されるつる性の一年生植物(一年草)です。原産地は北アフリカで、日本には平安時代以前に中国から渡ってきました。そのため枕草子や源氏物語などにもその名前があり、当時すでに栽培も行われていたと考えられています。また浮世絵や俳句の世界でも親しまれ、花は夏、果実は秋の季語となっています。夕顔は大きく2種類あり、細長い実を付けるナガユウガオと、丸い実を付けるマルユウガオに分けられます。 夕顔の名前の由来 kk Zumbul/Shutterstock.com 夕顔はその日の夕方に開花し、翌日の朝には萎んでしまうことから、朝顔や昼顔、夜顔に対して名付けられました。園芸店では、夜顔が夕顔という名前で販売されていることもありますが、この2つは別種です。見た目や名前が似ていることから、夕顔も朝顔、昼顔、夜顔と同じヒルガオ科の植物と思われがちですが、夕顔は学名をLagenaria sicerariaといい、なんとヒョウタンと同一種。ヒルガオ科ではなく、ウリ科の植物です。ちなみにLagenariaという学名の由来は、ラテン語で「瓶」を意味するlagenosからとされています。 夕顔の花言葉 Bapida/Shutterstock.com 夕顔の全般的な花言葉は「はかない恋」。ほかにも「夜の思い出」「魅惑の人」「罪」という言葉もあります。「はかない恋」は夕方から綺麗な花を咲かせても朝には萎んでしまうはかなさに由来、「夜の思い出」は夕方から朝にかけての暗い時間に咲くことに、また「魅惑の人」「罪」という花言葉は源氏物語に登場する夕顔という女性に由来しているとされています。 かんぴょうの原料? sasazawa/Shutterstock.com 夕顔は花を観賞するだけではありません。果実は生で、また乾燥させたものをかんぴょうとして食しているため、私たちの食文化にも関わりがあります。夕顔は秋になると長さ60~90cmほどのヒョウタンのような実を付けます。その実を細長く剥いで加工したものがかんぴょうです。今でもかんぴょうは、日本各地の郷土料理の食材として親しまれ、炒め物や汁物などにも使われています。ちなみにかんぴょう(干瓢)という名前は、古くは夕顔の実を瓢(ふくべ)と呼んでおり、「干した瓢」が「干瓢(かんぴょう)」になったものです。現在干瓢は栃木県と滋賀県が有名な産地で、夕顔の栽培も盛んです。 夕顔の育て方 Swapan Photography/Shutterstock.com 夕顔はつる性のウリ科植物で、放っておくと盛んにつるを伸ばして手入れが大変になってしまいます。ここでは、上手に栽培するコツについて解説します。 栽培環境 Swapan Photography/Shutterstock.com 夕顔は風が通り、日光のよく当たる環境で広めのスペースを確保することが大切です。原産地は温暖な気候なので栽培開始適期は4~5月ですが、発芽適温が25℃以上のため、種まきから行う場合、発芽させるための温度管理が難しいかもしれません。そのため苗を購入するほうが効率よく栽培できておすすめです。しばらくはポットで栽培し、本葉が5枚程度に増えてから地植えや大きな鉢に植えるとよいでしょう。夕顔は1株がかなり大きく育ち、また株間が近すぎると蒸れて弱りやすいため、地植えであれば幅1m、長さ10m程度の畝を作り、株間は80cm程度取るようにしましょう。鉢植えであれば直径、深さともに30cm以上の鉢を用意し、つるが巻き付けるような、あんどん支柱やネットを張っておきましょう。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 夕顔は水はけのよい中性から弱アルカリ性の土を好みます。鉢植え栽培やプランター栽培の場合は、赤玉土(小粒):腐葉土を5:5の割合で混ぜたものがよいでしょう。市販の野菜用培養土も適しています。地植えの場合は、植える2週間前に、深さ30cmほどを耕し、苦土石灰を適量混ぜこんでおくとよいでしょう。用土内にチッ素分が多いと、つるぼけといって葉ばかりが茂り、実付きや果実の肥大が悪くなるので注意しましょう。これはふんだんに栄養があると植物が子孫を残す成長(生殖成長)よりも自分の体を大きくする成長(栄養成長)を優先してしまうためで、カボチャなどつる性の野菜でも起きる現象なので気を付けましょう。 種まき・苗植え GreenThumbShots/Shutterstock.com 種まきから栽培を始める場合は、気温が25℃を超えるくらいの時期に行いましょう。暖地では4月の終わりから5月の半ばが適期です。ポットに種子を播き、適切に管理すると10日ほどで発芽します。本葉が5枚以上になりしっかりとしてきたら、大きな鉢に移植します。地植えの場合は、畝立てしたら、つるの方向が混ざらないよう誘引します。鉢植えでは、あんどんタイプの支柱に巻き付けながら栽培するか、ネットを張り、グリーンカーテンのように上方に誘引するのがよいでしょう。 水やり Jurga Jot/Shutterstock.com 夕顔は水分の多い土地だと弱いつるばかりが伸び、葉が茂るだけでよい株に育ちません。そのため、地植えの場合は水やりの必要はほとんどありません。ただ果実の形成、または肥大時はたくさんの水を必要とするため、その時期は水を切らさないように注意しましょう。また鉢植えの場合も、過度に水やりするとよくありません。土の表面が乾いてから、たっぷりと与えるようにしましょう。 肥料 VeIrina/Shutterstock.com 地植え、鉢植えともに植え付け時は果実が大きくなるように、リン酸が多く配合された野菜用の緩効性肥料を土によく混ぜておきましょう。果実を見て、ピンポン玉くらいの大きさになったら化成肥料を株元に施し、その後の経過で育ち具合が悪ければ15日に1回を目安に同じ肥料を与えるとよいでしょう。 病害虫 Lam Van Linh/Shutterstock.com 夕顔は病害虫の被害を受けにくいとされていますが、アブラムシと炭そ病には注意が必要です。アブラムシ被害は、少しの発生であれば牛乳スプレーや木酢液、または見つけ次第捕殺することで対処できます。大量に発生してしまった場合は、野菜用の殺虫剤をうまく活用しましょう。炭そ病は葉に発生するだけでなく、果実にも発生します。発生後は回復が難しいため、その部分を取り去り感染を広げないようにしましょう。炭そ病の発生原因には、水はけや風通しの悪さがあるので、発生した場合は風通しをよくし、株元に敷き藁やマルチなどをして雨などで泥はねが起きないように対処しましょう。 誘引・剪定 Young Swee Ming/Shutterstock.com 夕顔は、つるを3m以上伸ばして成長します。そのため放っておくと株が暴れ、手入れが大変になってしまいます。管理や収穫を楽にするためには、鉢植えであればあんどん型の支柱を活用し、巻き付けるように誘引することで株をコンパクトに抑えましょう。またネットを活用する場合は植え付け後すぐに準備し、つるをネットに絡ませ、上方に向かって伸びるように誘引します。親づるが5節ほど伸びたところで摘心し、子づるを出させます。その子づるから出てくる孫づるは、こまめに摘心しましょう。子づるに花が咲き、着果した後は、そのまま放任で栽培しましょう。 夕顔の儚い姿を楽しもう Sojibul/Shutterstock.com 夕顔の特徴から栽培までをご紹介しました。夕顔は大きくつるが張り出すので、やや大きなスペースがなければ栽培は難しいですが、白く大きな花の開花の様子は、荘厳さとはかなさを感じることができ、源氏物語に登場する夕顔の面影も垣間見えることでしょう。またヒョウタンのような面白い果実を付け、食べることもできるという、とても育てがいのある植物です。みなさんも夕顔を栽培して楽しんでみてはいかがでしょうか。
-
育て方

観葉植物が伸びすぎた! 剪定して増やす簡単な方法
観葉植物の剪定、ビフォー&アフター 育てている観葉植物がとても調子がよく、思いがけないところから新しい芽が伸びて、葉っぱが増えてきた! とても嬉しいけれど、このまま伸びたら部屋に収まらないかも……。そう思ったら、剪定のタイミングです。剪定とは、はさみで枝を切り落として、木の姿を整えるガーデニング作業のひとつで、観葉植物にも時としてこの剪定が必要になるときがあります。 湾曲した幹が気に入って購入したフィカス・ウンベラータ。育てはじめて3年目に、新しい枝が脇から伸び出て葉数が増えました(写真左)。葉の数が増えたのは嬉しいのですが、湾曲した枝が隠れてしまい、バランスが崩れているように感じたので、中央付近に伸び出た枝を短く剪定しました(写真右)。 観葉植物のすっきりさせたい場所の枝を切る 剪定は、花切りバサミや剪定バサミなど、園芸用を使いましょう。紙を切るようなハサミは刃先が長いので思わぬ怪我をすることがありますよ。観葉植物の種類によって切った後に右写真のような白い液が出てきます。そのまま何もしなくても自然に乾くのでむやみに触らないように。植物の種類によってはかぶれることがあります。 なお、切り口から水分や養分が流出するのを防いだり、雑菌などの侵入を防ぐために癒合剤(ゆごうざい)を塗布するのも方法ですが、フィカスのような丈夫な観葉植物には、特に必要はありません。 観葉植物剪定後の枝は捨てなくてもOK 切り取った枝は水に入れておくと、根が自然と出てくることが多いので、水をはった器や花瓶に切った枝を挿しておきましょう。下方にある邪魔な葉は取ってしまっても大丈夫。でも、できるだけ葉を残しておく方が根が発生します。 水に入れて一週間で発根 切った枝の下方2節くらいを水につけて、数日ごとに新しい水に変えて一週間で、丸い窓にあるように白い根っこが出てきました。用土への植えつけにはまだ根の数や長さが足りないので、切って1カ月このまま様子を観察します。 発根させるもうひとつの方法 発根させるやり方には、もうひとつあります。それは、枝を切る前に幹の途中に発根させる「取り木(とりき)」方法で、根が生えた後にその上部を切り取って苗にするものです。用意するのは、水を含ませた水苔、小ぶりなビニールポット(切れ込みをいれておく)かビニール袋(黒い方が発根によい)、カッター、ホチキス、ゴム手袋です。 取り木する場所の樹皮を剥がす 樹液で手がかぶれるのを防ぐためのゴム手袋を装着したら、切り取りたい枝にカッターで3〜4㎝間をあけて上下2カ所をぐるりと枝を一周するように切れ込みを入れます。その上下の切れ込みの間に1本縦に切れ込みを入れたら、樹皮を1枚はぎとります。 樹皮を剥がした部分に水苔を巻く 樹皮を剥がした部分が乾かないうちに、水苔をひとにぎり当てます。次に黒ポットかビニールで水苔を包むようにかぶせ、ホチキスや紐で上下をとめて作業は完了です。 終わったら、いつ作業をスタートしたかメモを書いておくとよいでしょう。中の水苔が乾かないように時々霧吹きなどで湿らせてください。乾くと発根がストップしてしまいますよ。 1カ月が経過。さて、発根しているでしょうか? 黒ポットをゆっくり外してみたら、根が回っていました! 取り木に成功したので、切り離しましょう。 切る場所は、根が発生している位置のすぐ下です。根が傷まないように気をつけながら切り取ります。このまま土に植えて、次の植え替えの頃に水苔を外します。 お家で楽しめる植物の実験。観葉植物の剪定をお子さんと一緒にチャレンジ! 右が水に漬けて発根した枝、左が取り木で発根させた枝です。ここまで根が出ればあとは土に植えてOKです。 1カ月前に枝をバッサリ切って白い樹液がでていた切り口は、すっかり乾いて、脇から新芽が出始めています。新しい枝ぶりになるのが楽しみですね。 2本の枝を切って、2つの鉢植えが完成! 観葉植物の成長力を生かして剪定枝を発根させることで新しい株ができました。この方法におすすめの時期は、植物が成長する春から秋(できれば真夏は避けましょう)。冬の間に、株の形をどう整えたいか、どの枝を切るかよーく考えて、道具などをあらかじめ準備し、ぜひチャレンジしてみてください。増えた株は、予備の観葉植物として育てたり、お友達にプレゼントするのもよいですよ。
-
園芸用品

【プロの推し】庭仕事がグイグイはかどる希少金属繊維のスゴい手袋
手袋はガーデニングの必需品 植物を上手に育てるガーデニング名人のことを「グリーンサム(緑の指)」と呼びますが、その手に欠かせないのがガーデニング手袋。植物は素手で触れると葉っぱの縁がギザギザになっているもの(「鋸歯(きょし)」といいます)が多く、知らぬ間に手が切れていたり、草陰に隠れている害虫にうっかり触ってしまったりすることがよくあります。また、剪定バサミやノコギリ、スコップといった刃物を使うシーンも多く、ケガから手を守るために手袋は必須です。 ガーデン手袋の種類 一口にガーデン手袋といっても、ホームセンターなどの園芸コーナーにはさまざまな種類の手袋が並んでいます。主な種類とその特徴をご紹介します。 ■布製/最も安価でカラフルな柄も多い。ただし、長時間土をいじっていると土の湿り気で指先が濡れ、繊維の間から土が入って汚れることもあるので、本格的なガーデニング作業には向かない。洗濯可。 ■ゴム製/濡れたり土が入るのを防ぐ。指先にフィットするものも多く作業性はよい。ただし、全体がゴム製のものは通気性が悪く、長時間装着していると汗で蒸れ、手荒れの原因に。通気性を考慮して手の甲部分を布にした、「背抜き加工」と呼ばれるものもあるが、刃物から手を守る機能性には欠ける。洗濯可。 ■革製/素材に厚みがあるものは手指の保護性は高く、ケガを防ぐことはできるが指先の動作性はあまりよくない。ヒモを結ぶなど細かな作業には向かない。比較的高価で、高いものでは2〜3万円。洗濯不可。 このように、用途によって適した手袋は異なりますが、園芸のプロはどんなものを使っているのでしょうか。日頃からさまざまなシーンで手袋を使うガーデンクラフト作家の原嶋早苗さんに伺ってみました。 プロの推し手袋「タングステン耐切創手袋(ストロングンテ)」 原嶋さんは造園の仕事の一方で、「モルタルデコ」という独自の技術を開発し、ガーデンクラフト作家としても活躍中。自身が丹精する「Sanae Garden」にはガーデンクラフト工房があり、ここで全国から集まる生徒さんにその技術を教えています。 「庭の手入れはもちろん、工房でガラスを切ったり、ワイヤーを曲げたりするので、手袋は必需品です。いろんなタイプのものを持っていますが、最近注目しているのがタングステン耐切創(たいせっそう)手袋『ストロングンテ』です。タングステン線という金属繊維を編み込んでいるというのですが、見た目もつけた感覚もしなやかでフィット感があります。なのに、切れにくいという優れものです」 高い耐切創性と柔軟性を両立した手袋 耐切創手袋とは、金属やガラスなど鋭利なものによって手指が切れるのを防ぐ機能を持った手袋のこと。欧州の安全規格で耐切創レベルがA〜Fまで規格化されており、綿の軍手はBで、Fに近づくほど耐切創性に優れています。「ストロングンテ」デイリーユースの耐切創レベルはD(プロユースはEやFもあります)。この高い耐切創性は、タングステン線という素材に理由があります。タングステン線とは、Panasonicが白熱電球のフィラメント技術を応用し、タングステンという一般的なステンレスの約2倍の強度※をもつ希少金属を、髪の毛の1/4という細さに加工した金属繊維です。これを15ゲージ(*プロユースは13ゲージ)で編み込んだのがタングステン耐切創手袋(ストロングンテ)。およそ金属とは思えない柔軟性も特徴です。 ※SUS304との引張強度の比較 【推しポイント1】刃物による切り傷を防ぐ高い耐切創性 「ガーデニングの道具ってほとんどが刃物なんですが、いい道具ほど切れるんですよね。だから手袋は必須。でも、一般的なガーデニング手袋は、手の甲のほうが背抜きといってゴムの加工がなくて布のことが多いんです。これだと、手が滑って勢いで手袋ごと切れることもあり、危ないなんてこともよくあります。でも『ストロングンテ』はタングステン繊維で手の甲のほうもしっかりガードしてくれるので、刃物を使い慣れていない女性でも安心して作業ができます」(原嶋さん) 「宿根草の株分けで根切りナイフを使うときも、株元を押さえておく必要があるから刃物と手がすごく近いんですが、この手袋をはめていれば切れにくいので作業しやすいです」(原嶋さん) イネ科の雑草は鋸歯があり手が切れやすいので、草取りの際も手袋が必須。 「庭で摘んだ花を飾るのも庭づくりの楽しみの一つです。ブルーベリーやアジサイなどの枝物を室内に飾ることもよくあるのですが、水をよく吸い上げるように枝物は先端をナイフで斜めに削いで水揚げをします。このときも、やはり指が刃物の近くにあるので、以前は恐る恐るやっていましたが、「ストロングンテ」をはめていればスパッと思い切りよく切れますし、枝の小さな引っ掛かりなどのケガからも手を守ってくれます」(原嶋さん) ブルーベリーの枝をリビングの花瓶に。 【推しポイント2】滑りにくく柔らかい発泡ゴムコートで力のいる作業もしやすい 次々に赤く実るミニトマトの房を収穫。 道具を使って作業するときは、切るのにも掘るのにもぐっと手に力を入れる必要がありますが、そんな時にも「ストロングンテ」が役に立つと原嶋さんは話します。「剪定バサミなどは男性用にできていることが多いので、大きくて扱いづらいんです。なので、金属製の剪定バサミを素手で持つとスルッと滑ってしまうことがあるんですが、『ストロングンテ』のデイリーユース(レギュラーシリーズ)は、手のひら側が柔らかい発泡ゴムでコーティングされているので、グリップが効いて剪定バサミも使いやすいですね」(原嶋さん)。 収穫したトマトでピザを焼き、ガーデンランチ。 【推しポイント3】手にフィットして指先が動かしやすい 茎をヒモで結わえて支柱に留めつける作業も手袋をはめたままラクラク。 手袋をはめていると指先が動かしにくく、ヒモを結んだりといった細かな作業の際に邪魔になることがあります。手袋を外したり、またはめたりといった動作をガーデニング中に繰り返すのは、作業効率が悪くなりイライラするもの。手にしなやかにフィットし指先が動かしやすい「ストロングンテ」は、そんなプチストレスからも解放してくれます。 「特に小さめシリーズは、手が小さい私にジャストフィット。指先だけのゴムコートだからスイスイ動かせ、ガーデンクラフトの細かな作業時に重宝します。ミニチュアハウスの窓やステンドグラスを使ったフレーム作りなどでガラスをよく扱うんですが、ガラスを切るときって、ガラスカッターの刃に体重をのせて一気に引かないときれいに切れないんです。初めての生徒さんはガラスを扱うのに恐る恐るで、なかなか一気にはできないものなんですが、この手袋をはめていれば思い切って切れます。小さなガラスも難なく扱えて、作業がスムーズです」(原嶋さん) ガラスやワイヤーを扱って細かな作業をするときにもストロングンテが活躍。※突き刺しに対する耐性はありません。 【推しポイント4】土が入りにくく手が汚れにくい タングステン耐切創手袋「ストロングンテ」のデイリーユース(レギュラーシリーズと小さめシリーズ)は15ゲージというハイゲージで編まれており、目が細かいうえに指先から手のひらまでがゴムでコーティングされているので、指先に土が入りにくいのも特徴です。さらに、手首部分の幅も広く、しっかりフィットして隙間から土が入るのも防いでくれます。 「爪に土が入ると、なかなかブラシで洗っても取れないんです。それに土って結構、手荒れの原因になるんですよ。手袋をしないで素手で土に触れていると、手の水分が奪われて、思いのほか手が乾燥してしまいます。手先が荒れていたり爪が汚れていたりすると、外で食事をするときとか、お会計のときとか、やっぱり気になるものです。常日頃、土を触る身としては、土が入りにくいっていうのは、ありがたいですね」(原嶋さん) 【推しポイント5】手袋をしたままタッチパネル操作ができる 「ストロングンテ」デイリーユース(レギュラーシリーズ)は、タッチパネル操作が可能。ガーデニング中にスマートフォンに電話がかかってきても、手袋を外そうと慌てる必要はありません。 「きれいだなって思った時にすぐにスマホで写真が撮れるのもいいですよね。葉陰とか花にくる蝶々とか、美しいなと思う自然の事象は、留まっていてはくれませんから」(原嶋さん) 【推しポイント6】繰り返し洗えてタフで経済的 ガーデニング作業中は手にも汗をかきやすいものですが、「ストロングンテ」は水洗いができ、洗濯機の使用も可能です。乾きやすい素材なので、作業が終わったら洗って清潔に保管でき、繰り返し使えるので経済的です。 優秀な園芸ツールで庭仕事をもっと快適に楽しく! 優秀な園芸ツールを使えば作業の効率が上がって、庭仕事も快適で楽しくなり、庭もどんどんきれいになるはず。そんなプラスのスパイラルのスタート地点が「ストロングンテ」。手をケガから守り、指先の操作性もよいストロングンテが、あなたの指もグリーンサムに導きます。 ★本品は耐切創性素材を使用していますが、刃物やガラス、金属のバリなどに対して絶対に切れない、破れないというものではありません。綿やナイロンなどの素材と比較して、切創抵抗値が高く切れにくく、切創事故防止の目的でつくられている商品です。製品の安全上のご注意をお読みの上、ご使用ください。
-
宿根草・多年草

電気代高騰の大ピンチを植物が救う! 地表温度を劇的に下げる日本生まれの「クラピア」
地表面が温められると気温が上昇する 暑さのメカニズムをご存じですか? 暑さの元が太陽であることは言うまでもありませんが、まず太陽の日射は地表面を加熱し、加熱された地表面が大気を加熱します。つまり、地面の温度が先に上がり、その後遅れて気温が上がるという順番です。地表面の温度は、地表面の素材によっても異なります。例えば、コンクリートで覆われた地面は真夏の日射で表面温度が60℃以上まで上がることも珍しくありません。そして、コンクリートは蓄熱する性質があるため、夜間になっても大気を温め続けて熱帯夜となってしまうのです。 素材による地表温度の差は約40℃ では、コンクリート以外の素材の場合はどうでしょう。8月、栃木県小山市で計測した結果を下の表にまとめました。 この結果を見ると、人工芝は急激に温度が上がりやすく、日射を受けると一気に77℃にも達します。この温度は目玉焼きが作れる温度。裸足で歩いたら間違いなく火傷します。むき出しの土も午前中に60℃以上に達し、コンクリートと大差ありません。 地表温度を30℃台にキープするクラピアが広がる庭。 最も地表温度が低く、30℃台をキープしているのが「クラピア」です。クラピアは沖縄に自生するイワダレソウを品種改良した宿根草で、緑のカーペットのように地表を覆って育つのが特徴です。同じ地面を覆う緑でも、人工芝とクラピアでは約40℃もの温度差があります。いったいなぜなのでしょう。 生きた植物だけが持つ自然の冷却効果 その理由は、生きた植物は “蒸散作用”があるためです。植物は根から水を吸い上げて全体に行き渡らせ、葉の裏の気孔から水分を空気中に放出する「蒸散」を行っています。どのくらいの量の水分を放出しているかというと、草本植物の蒸散量は1㎡あたり10ℓ相当(*1)。つまり、クラピアの場合も葉裏から出る水蒸気がミスト冷却や打ち水のように地表面付近を冷やし続け、地温の上昇を抑える効果があるのです。 *1日本植物生理学会HPより「植物が1日に吸収する水分量について」登録番号3507 新たなグラウンドカバープランツとして注目のクラピア 夏から秋にかけて可愛い花も咲くクラピア。 クラピアのような地表を覆うように這って生育する植物のことを「グラウンドカバープランツ」と呼びます。造園家の阿部容子さんは、新たなグラウンドカバープランツとしてクラピアに注目していると話します。 「グラウンドカバープランツにはさまざまな種類があり、代表的なものは芝生やリシマキア・ヌムラリア‘オーレア’など。どれも地面を緑で覆うことで、他の草花が美しく映え、雑草の抑制効果もあるので、これまでも施工によく使ってきました。ただ、リシマキアはかんかん照りの場所より少し日陰を好み、芝生は密に生えそろうまでに雑草のタネが落ちて数年は除草作業が必要です。その点、クラピアは暑さに強く日向でよく育ち、小さな丸い葉が重なって雑草の入る隙を与えません。芝生より早く生育して広がるので、新たなグラウンドカバープランツとして注目しています」 クラピアはタネができず日本の在来種だから安心 公共から個人邸まで、さまざまな庭を手掛ける造園家の阿部容子さん。 阿部さんがクラピアに注目する点はもう一つ、クラピアがタネを作らないことです。クラピアによく似たヒメイワダレソウ(リッピア)という植物がありますが、こちらは外来種で旺盛に繁殖するため、日本では「生態系被害防止外来種リスト」に指定されています。 日本生まれのクラピアはタネができません。 「クラピアは日本の在来種から改良された品種でタネを作らないのに対し、ヒメイワダレソウはタネができるので、自分の庭以外のところにも飛んでいって、広がってほしくない場所でも広がってしまう恐れがあります。大変生育旺盛なので、仮に農作物を作る田畑にタネが飛んでいってしまったらとても厄介なことになります。植物には種類によってそうしたリスクもあるので、近隣への配慮もしながら選ぶ必要がありますが、クラピアは人がコントロールできるので安心して使えます」(阿部さん) クラピアはコスパ良好でローメンテナンスの宿根草 栃木県内で植えた例。右の写真は植え付け直後の6月。左は2カ月後の8月。被覆スピードが速いのも特徴。 クラピアが一年を通じてどのように育つか見てみましょう。クラピアは春になると芽吹き、緑の葉で地面をカーペットのように覆います。5〜10月までは旺盛に生育し、小さな白い花を咲かせます。花にはミツバチもやってきて、貴重な蜜源としても活躍します。秋には紅葉し、1〜3月の間は落葉して休眠しますが、地中では根は生きていて、春になると再び芽吹きます。ですから、一度クラピアを植えて一面に広がれば、地温上昇抑制や雑草防止といった効果は永続的。刈り込みも年に1〜2回程度なのでメンテナンスも楽です。 クラピアは踏まれても大丈夫 ウッドデッキに続く庭にクラピアを植栽。 クラピアは全体にしっかり広がった後では、上を歩いても枯れることはありません。踏まれることで葉は小さくなり、より緻密なマット状に繁殖する性質があります。葉っぱが丸いので裸足で歩いてもチクチクすることなく、子どもやペットの遊び場としても最適な庭素材です。 快適な暮らし、快適な未来のために賢い選択を クラピアのグリーンとラベンダーセージの紫花が目にも涼しい庭。クラピアと同様にあまり水やりの必要がないハーブ類は、混植の相性がぴったり。 「近年、新築の戸建ての庭には人工芝が使われることがとても多くなっています。それは、暮らしの場に緑が欲しいという心の表れだと思うのです。であれば、あと一歩先へ進んで、クラピアのような機能性にあふれた植物を用いてみてほしいなと思います。もちろん、コンクリートも人工芝も機能的に活躍してくれる素材ですから、それぞれの特性を生かして、適材適所で使えばよいと思います。ただ、それだけでなく、夏場の地温上昇の観点からみれば植物の力を借りない手はないですよね」(阿部さん) アガベやサボテンを配したドライガーデンで、クラピアがグラウンドカバーとして活躍する庭。砂利や敷石のエリアをクラピアに置き換えることで、夏の庭の温度を下げる好例です。 太陽の日射量を人がコントロールすることはできませんが、自分の家の敷地内なら地表の素材を選ぶことはできます。その選択は、あなたの暮らしの快適度を左右するだけでなく、未来の地球にも影響を及ぼします。2021年、英国で開かれたCOP26では、産業革命前からの気温上昇を「1.5℃」に抑える努力目標で合意しました。19世紀末からの地球の温度はすでに1度上昇し、残された猶予は0.5度。私たち一人ひとりにできることは、まだあります。 ガーデンストーリー読者様限定! 購入特典企画 今回この記事をご覧になり、クラピアの苗をご購入くださるお客様に、期間限定特別企画「クラピア用肥料」をプレゼント! 【プレゼント対象】 クラピア各品種の苗セット(10ポット、20ポット、40ポット)をご購入いただく際、備考欄に「ガーデンストーリー特典」とご記入のうえ、「記事をご覧になった感想」をお書き添えください。植え付けに必要な分量の「有機一発肥料」をクラピア苗セットに同梱して発送させていただきます。・「10ポットセット」、「20ポットセット」ご購入の場合、有機一発肥料300gを同封・「40ポットセット」ご購入の場合、有機一発肥料600g (300g×2袋) 【対象期間】 2023年10月31日までのご注文分
-
おすすめ植物(その他)

秋を先取り! おしゃれな庭にマム、サルビア、マリーゴールド…「マムが主役の秋の寄せ植え」レッスン情報も!
マムとは クリサンセマムは、ラテン語で「金の花」。黄色の花が多いキクの学名ですが、英国では略して「マム」と呼ばれます。かつて日本から海外へ渡ったキクは、品種改良によって多種多様に変化し、おしゃれに洗練されて里帰りしました。キクといえば、日本では仏花や伝統園芸植物としての印象が強く、渋いイメージをもたれがちですが、それはもう過去のこと。帰国子女の「マム」は、今や秋の庭をおしゃれに彩る花の代表選手です。ライムグリーンやアプリコット、グラデーションにバイカラー(2色咲き)、覆輪など繊細なカラーバリエーションが次々に登場し、近年の注目度は右肩上がり。 ポットマムの特徴 エム・アンド・ビー・フローラ社の「ゼンブラライム」。白い花弁をライムグリーンが縁取るおしゃれな花。 ガーデン用のマムは枝がよく分枝し、花をたくさん咲かせるのが特徴です。開花期間の長さもピカイチ。茎が長く伸びる切り花品種のキクと異なり、ガーデン用のマムは草丈が30〜40cmで、鉢植えにも重宝するためポットマムとも呼ばれます。初霜にも負けず咲き続け、地域によっては12月まで庭を彩ってくれます。 マムはもともと日本の気候によく合っているため、病害虫に強いのも魅力。マムと並んで秋にガーデンを彩ってくれるダリアも華やかで人気ですが、うどんこ病にかかるため対策が必要です。一方、マムはその心配がなく、非常に丈夫で初心者でも難なく育てられます。 ポットマムの寄せ植え 左上/ゼンブラライム。左下/ノバライム。右/ノバライムを主役にした寄せ植え。制作/難波良憲さん(エム・アンド・ビー・フローラ) 世界的なマムのブランドから、特に育てやすく魅力的な品種をセレクトしているエム・アンド・ビー・フローラ社では、寄せ植えで新たなマムの楽しみ方を提案しています。同社のポットマムは、存在感のある中輪の花で、ブーケのように株の上部にきれいに揃って花が咲きます。株元がすっきりとしているため、小花やリーフ類など他の植物と合わせやすいのが特徴です。 上の写真の寄せ植えは「ノバライム」というライムグリーンのマムが主役。株元にはリシマキア リッシーやオレガノ・ミルフィーユリーフなど同色のリーフ類を合わせています。背後に配したヤブランの紫の花や、鮮やかなピンクのサルビア・ミラージュ ローズバイカラーも効果的です。 矮性のマム、マウントオービスクシリーズのパープルの花が目を引く寄せ植え。ブラックリーフのトウガラシと合わせてシックに。制作/難波良憲さん(エム・アンド・ビー・フローラ) マウントオービスクシリーズのバーガンディの寄せ植え。カラーリーフとのコーディネートで見頃が長くおしゃれな一鉢に。制作/難波良憲さん(エム・アンド・ビー・フローラ) 鮮やかな色が目を引くサルビア ミラージュ 鮮やかな色が目を引くサルビア ミラージュ サルビア ミラージュは草丈が30〜40cmのコンパクトなサルビア。鮮やかな花色のバリエーションがありますが、一際目を引くのがこのローズバイカラー。フューシャピンクとピーチピンクのコントラストが鮮やかで、まるでドレスの裾をひるがえしたような花形も愛らしさ抜群。使い方次第で主役にも名脇役にもなれる使い勝手のよさも魅力です。耐暑性に優れ、近年の暑さにも強く、夏から晩秋までよく咲きます。 サルビア ミラージュ ローズバイカラーを主役にした寄せ植え。制作/難波良憲さん(エム・アンド・ビー・フローラ) サルビア ミラージュ バーガンディも目の覚めるような花色。寄せ植え制作/難波良憲さん(エム・アンド・ビー・フローラ) 花色の変化が楽しいマリーゴールド マリーゴールドは夏に咲く丈夫な一年草で、畑の作物を害虫から守るコンパニオンプランツとしても有名です。非常に丈夫でローメンテナンスで済むことから、沿道などにも植栽され、ずらりとオレンジや黄色の花が並ぶ姿を目にすることも多い花です。 そんな親しみ深いマリーゴールドも、近年はおしゃれに進化しています。‘ファイヤーボール’、‘ストロベリーブロンド’などの品種は、春から冬まで咲き続ける驚異的な花もちのよさもさることながら、四季を通じて花色が変化するのがユニーク。気温が高いとソフトオレンジからイエローへと色が淡くなり、気温が低くなるとブロンズやチョコレートブラウンのように色が深まり、グッとシックな雰囲気に。花が咲き進むにつれて色も変化するため、1種類でさまざまな表情が楽しめます。花がらをこまめに摘むとよく花が上がります。 コスモスやサルビアなどと組み合わせた花壇(面谷内科循環器内科クリニック)。 開花期間の長い花の育て方のコツ ご紹介したマムやサルビア、マリーゴールドは、長期間次々に花を咲かせるロングランタイプの花です。植物が花を咲かせ続けるにはとても体力を使うため、定期的に液肥や置き肥などを与えましょう。花もちがよくなり、花色もきれいに保てます。 耐寒性、耐暑性に優れ、病害虫にも強い植物たちですが、環境によってはマムにサビ病などが発生することがあります。サビ病はカビの一種で蒸れなどが原因で発生するため、日当たりと風通しを確保しましょう。鉢植えなら花台を使ったり、地植えの場合はやや盛土をして高さを上げるなどするとよいでしょう。地面が10cm上がっただけでも風通しは変わります。 花後の手入れ ポットマムは多年草なので、屋外で冬越しすることができます。 サルビアは半耐寒性のため、地域によりますが冬越しする場合もあります。11月下旬から12月にかけて、花が終わったら株元を10〜15cm残してバッサリと茎を切ります。これを「切り戻し」といいます。翌春、また葉っぱが芽吹いて、きれいな株姿で育ちます。 一年草のマリーゴールドは、寒くなって花が上がらなくなってきたら抜き取りましょう。 「マムが主役のロングライフな秋の寄せ植え」オンラインレッスン開催! ガーデンストーリーでは、鮮やかなガーデン用のマムを主役にした華やかな寄せ植え作りのオンラインレッスンを開催します。 秋を華やかに演出するロングライフな寄せ植えづくり、ぜひご一緒に楽しみましょう! 講師は、この記事に掲載のポットマムやサルビアの寄せ植えの制作者であり、ガーデンストーリーでの寄せ植え寄稿が大人気の難波良憲さん。 難波さんセレクトの花苗と鉢、土など材料一式をご自宅にお送りいたします。 ※当日のレッスンの様子の録画は、後日視聴アドレスをメールでお知らせいたしますので、復習が可能です。 ■開催日時:2023年9月30日(土)15:00~16:30頃 ■参加費:9,317円(材料費、税、送料込) ※「ガーデンストーリークラブ」会員の方は、8,470円(材料費込み・税込・送料込)でご参加いただけます。会員サイト「イベント」よりお申し込みください。 「ガーデンストーリークラブ」についてはこちら→ https://gardenstory.jp/events-news/40717 ■開催場所:オンライン(Zoomを使用・事前登録制) PCやタブレットなどに搭載されたカメラと音声機能を利用して、離れた場所にいる皆さんと講師をつなぐコミュニケーションツール「Zoom」を利用して遠隔にて行います。レッスンは、好きな場所からご参加いただけます。 ※参加が確定した方には、参加用URLを別途お送りいたします。 ※Zoomに接続できる環境(Wi-Fiなど)が必要です。 ※講師が作業の進捗状況を確認するため、画面はオンでのご参加をお願いしております。 ■募集定員:10名様 ※受付は先着順とさせていただきます。 ■事前にお届けする材料一式: ・鉢(6〜7号以上)・花苗セット・スペシャルふかふか培養土・作業用回転台・レジュメ ■到着後の保管方法について: 商品到着後は段ボールを開封し、花苗は風通しのよい場所で日に当てて保管してください。水やりをした状態でお届けしますが、乾くようであれば水やりをしてください。 ■当日ご自身でご準備していただくもの: ・Zoomオンライン視聴のできるPCやタブレット、スマホなどお持ちのデバイス(講師が植え方をアドバイスしますので、カメラをONにしてご参加ください) ・水を張ったバケツ(作業中、手を洗いながら作業するため手洗い用) ・バケツorゴミ袋(作業の際、苗から落とした土を入れるもの) ■応募締切:2023年8月30日(水)17:00 お申し込みは「ガーデンストーリーウェブショップ」から! https://www.gardenstory.shop/shopdetail/000000000123 講師紹介 難波良憲(なんば よしのり) 八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。 現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。
-
一年草

華やかな色で庭を彩るコレオプシス! 育て方を知って綺麗に咲かせよう
コレオプシスの主な特徴 Saeedatun/Shutterstock.com まずはコレオプシスとはどのような植物なのか、主な性質や魅力、特徴について解説します。 基本情報 Olga Korneeva/Shutterstock.com コレオプシスはキク科ハルシャギク属(Coreopsis 属)の多年草で、品種によっては越冬できず一年草扱いのものもあります。キンケイギクやハルシャギクなどの種類があり、原産地の北アメリカを中心に80〜100種が分布しています。 草丈は30〜100cm。丈夫で育てやすいので、公園や道路脇などにもよく植えられています。耐寒性や耐暑性はともに強いですが、交配種の中には耐寒性が弱いものもあります。 花や葉の特徴 photoPOU/Shutterstock.com コレオプシスの開花時期は5〜10月と、長期間にわたって花を楽しむことができます。長く伸びた茎の頂部に花径2〜7cmの頭状花を咲かせます。花の色は黄、ピンク、赤、オレンジ、複色などさまざま。葉の形状も品種によっていろいろ異なります。 コレオプシスの育て方のポイント y.s.graphicart/Shutterstock.com カラフルな花が魅力のコレオプシスを上手に咲かせるため、ここからはコレオプシスの育て方のポイントについて詳しく解説します。 栽培環境・用土 Singkham/Shutterstock.com コレオプシスは、日当たりと水はけのよい土を好みます。品種によっては荒れ地や痩せ地でもよく育ちます。 水はけがよければ土質はあまり選びません。しかし、日陰やじめじめした水はけの悪い場所は花付きが悪くなるので避けましょう。 水やり IrinaSol/Shutterstock.com 地植えの場合は、根付いた後は自然の降雨のみで十分です。よほど長期間雨が降らず、葉がしおれてくるようであれば、水やりをして補いましょう。 鉢植えでは、表土がしっかり乾いたら、たっぷりと水やりをします。過湿になってしまうと根腐れを起こすので注意しましょう。 肥料 vladdon/Shutterstock.com 地植えの場合、植え付け前に元肥として緩効性肥料を少量混ぜておけば、追肥はほとんど必要ありません。 鉢植えでは、肥料を与えないと綺麗な花が咲きません。開花時期の長い品種では4〜6月と9〜10月の間に月1度を目安に置き肥をするか、月に3〜4回のペースで液体肥料を施します。肥料を与えすぎると、特に草丈の高い品種の場合、伸びすぎて倒れやすくなるため注意しましょう。 植え付け・植え替え j.chizhe/Shutterstock.com 多年草タイプの品種は、苗で植え付けをします。その後は1〜2年に1度を目安に植え替えをしましょう。植え替えの適期は春か秋です。 一年草タイプの品種は、花が咲き終わったら植え替えず抜き取りますが、栽培期間中に成長が早くて根詰まりを起こした場合は一回り大きな鉢に植え替えましょう。 夏越し・冬越し Alicja Graczyk/Shutterstock.com 夏越しの対策は不要ですが、水切れに注意します。 暖地では屋外でも冬越しが可能です。マイナス5℃以下になると枯れてしまうので、冬場に寒くなる地域では屋内に移動したほうがよいでしょう。 霜に弱い品種は霜除けをしておきます。地面が凍るような寒冷地では、腐葉土や藁などでマルチングをするか、盛り土をするなどの凍結対策をしましょう。 日常のお手入れ Melissa Burovac/Shutterstock.com 花が咲き終わったらこまめに花がらを摘んでおきましょう。風通しをよくして蒸れを防ぐ効果があり、草姿も整います。秋の花付きもよくなります。 6〜7月の開花が一段落したら、草丈の半分ほどでばっさりと刈り込みます。 斑入りの品種では先祖返りが起こって斑のない緑葉が出ることがあります。先祖返りを放置すると全てが緑葉になってしまいますので、早めに摘み取り、斑入りの葉だけを残すようにしましょう。 注意すべき病害虫 Evgenia.B/Shutterstock.com 注意が必要な病気は、うどんこ病や灰色かび病、べと病などです。いずれも日当たりや風通しが悪くなると発生しやすくなるので、夏前には切り戻しをするなどして予防します。 注意が必要な害虫はほとんどありませんが、アブラムシは比較的付きやすいため注意しましょう。春に発生しやすくつぼみにつきやすいため、定期的に観察し、見つけ次第すぐに駆除しましょう。株元にオルトランなど薬剤をあらかじめまいておくのも効果的です。 コレオプシスの増やし方 Nadya So/Shutterstock.com コレオプシスの増やし方には、種まきと株分けがあります。 ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。 種まき TShaKopy/Shutterstock.com 花後に筒状花の根元に種子ができるので、茶色く熟したら収穫します。収穫した種子は日陰でよく乾燥させて、涼しい場所で保管しましょう。 種まきの適期は9〜10月で、春に播くこともできます。気温が高いと発芽しにくいため、20℃前後の涼しい時期に播くとよいでしょう。 育苗箱やポットに播いても、直まきしても育てられます。育苗箱に播いた場合は、本葉が4枚ほどになったらポットに上げて、本葉が7〜8枚になったら定植します。 株分け VH-studio/Shutterstock.com 多年草の品種は、大きく育っていれば株分けで増やすことができます。 株を掘り上げて、1株に2〜3芽が付くように分けて植えます。株分けの適期は、成長期前の早春か、花が散ったあとの晩秋です。植え替えの際に株分けすると作業が効率よく行えます。 コレオプシスの代表的な品種 Stock for you/Shutterstock.com コレオプシスにはさまざまな品種があります。その中でも代表的で入手しやすいものや、特定外来生物に指定されている品種についてご紹介します。 ハルシャギク Lamyai/Shutterstock.com ハルシャギクは北アメリカ西部が原産の種類で、一年草です。花の大きさは3〜4cmほどで、鮮やかな黄色の舌状花に赤褐色のジャノメ模様が入ります。 キンケイギク Ian Grainger/Shutterstock.com キンケイギクは北アメリカ南東部や中南米が原産で、一年草です。花の大きさは5cmほどで、黄色の花弁の基部に赤褐色の斑が入ります。 オオキンケイギク APugach/Shutterstock.com オオキンケイギクは北アメリカ原産で、日本には1880年代に持ち込まれました。 繁殖力が強すぎるため問題となり、環境省により2006年に特定外来生物に指定されています。特定外来生物は、栽培や生きたままの運搬などが禁止されており、オオキンケイギクは日本では栽培できません。間違って植えてしまわないよう注意しましょう。 5〜7cmほどの大きな花を咲かせる種類です。 コレオプシスで庭を華やかに andre quinou/Shutterstock.com コレオプシスはカラフルな花や育てやすさが魅力の植物です。たくさん開花したら切って部屋に飾るのもいいですね。ガーデニング初心者でも難しくないので、ご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
-
宿根草・多年草

【日陰の庭】エゴポディウムはシェードガーデンやグラウンドカバーにおすすめ
主な特徴 葉姿が美しいエゴポディウムは、どんな特徴をもっているのでしょうか。ここでは、エゴポディウムの基本情報や特徴、注意点などについて解説します。 基本情報 weha/Shutterstock.com エゴポディウムは、セリ科エゴポディウム属の多年草で、別名はイワミツバです。原産地はヨーロッパで、寒さに強い性質です。生育旺盛で地下茎を伸ばして範囲を広げていき、草丈は30〜80cm。開花期は6月頃で、セリに似た白い花を咲かせます。落葉性のため、冬は落葉して地下で休眠しますが、越年して生育期を迎えると新芽を出すサイクルを繰り返す、息の長い植物です。 葉の特徴 Fotokon/Shutterstock.com エゴポディウムは属名で、5種類ほどが確認されていますが、ガーデニングで園芸用に流通しているのはエゴポディウム・ポダグラリアです。園芸品種として特に人気が高いのが、葉に白い斑が入る‘バリエガータ’。この斑入り葉が大変美しいため、カラーリーフとして葉を観賞する目的で利用されることが多いようです。新芽を出したばかりの頃はまだグリーンですが、成長とともにはっきりと白い斑が目立ってきます。葉の観賞期は4〜10月。葉は1枚が7小葉からなり、生育旺盛で密に茂ります。 増えすぎに注意 Mari_Piman/Shutterstock.com エゴポディウムは地下茎を伸ばして範囲を広げていく性質があります。切れた根からも芽を出すので、想定外の範囲まで侵略してしまい「増えすぎて困った」というケースもあるようです。増えすぎを防ぎたい場合は、仕切り用の園芸資材を埋めて範囲を制限するか、最初から鉢植えにするなどの対策を取っておくようにしましょう。撤去する際には、土中に根を残さないことが大切です。 食用にもなる Manfred Ruckszio/Shutterstock.com エゴポディウムは、食用することもできます。春に芽吹いた柔らかな新芽は、サラダやスープに利用が可能です。春以降はハーブティーにしてもOK。注意したいのは、有毒のドクゼリと草姿が似ていることです。 栽培環境 エゴポディウムの栽培にあたって、環境や土壌はどのような状態が適しているのでしょうか。ここでは、栽培環境についてガイドします。 適した場所 Kristine Rad/Shutterstock.com エゴポディウムは、日向から半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、あまりに暗い場所では、ヒョロヒョロと間のびした草姿になり、花つきも悪くなるので注意。また、真夏に暑くなる地域では、強い日差しによって葉焼けしやすくなるので、朝のみ日が当たる東側か、一日中チラチラと木漏れ日が差すような半日陰の涼しい場所が向いています。 また、土壌に含まれる水分量によって生育の傾向が異なるのが特徴です。乾燥しやすい日向では生育が遅く、葉が小さくたくさん展開し、コンパクトな株姿となります。反対に、水分を多く含む土壌で半日陰の環境では葉が大きくなり、旺盛に広がっていきます。 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。このように土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせて用いるとよいでしょう。 育て方の基本 ここまで、エゴポディウムの基本情報や特徴、栽培環境などについてご紹介しました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付け、水やり、施肥、増やし方、病害虫対策など、育て方について詳しく解説します。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は3〜5月頃か、10月頃です。ただし、花苗店などではほかの時期にも苗が出回っているので、購入したら早めに植え付けてください。苗を購入する際は、節間が間のびしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも一回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、30〜50cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 地植えの場合は、環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 苗を単植するなら、購入した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら軽く根鉢をほぐして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりすると、すぐに水がぬるま湯のようになり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、乾燥すると生育が止まり、葉が変色したり枯れたりすることもあるので、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 乾燥すると生育が止まり、葉が変色したり枯れたりすることもあるので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、控えめにしつつも適宜水やりを続けてください。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 強健な性質なので、植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。ただし、株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 生育期の4〜9月に、10日に1度を目安に液肥を与えると新芽が出やすく、みずみずしい株の状態をキープできます。 必要な作業 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 エゴポディウムはたくさん花が咲くので、終わった花は花茎の根元から摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【枯れ葉の整理】 エゴポディウムは生育中に青々とした葉を保ちますが、新陳代謝を繰り返して新しい葉を出す一方、古くなって枯れる葉もあります。主に葉を観賞する植物なので、枯れた葉を見つけたら取り除き、見栄えのよさを保ちましょう。部分的に傷んだ葉は斜めにカットして取り除けば気にならなくなります。また、葉が1枚だけ枯れるのではなく、全体の葉の先端が枯れてきたら根詰まりを起こしているかもしれません。そんなときは鉢底もチェックしてみましょう。鉢の底から根が出ていたら、鉢の中が狭くなっているサインです。早めに植え替えましょう。 【刈り込み】 生育期間中に大きく伸びすぎて、周囲との調和を乱しているようであれば、深めに刈り込みます。すると新芽が伸び出して、再び盛り返します。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com エゴポディウムは、株分け、根伏せで増やすことができます。 【株分け】 エゴポディウムの株分けの適期は3〜5月か10月頃です。 株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて地際から出ている枝を4〜5本ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【根伏せ】 エゴポディウムを根伏せにより増やす適期は、3〜5月頃か10月頃です。 まず、黒ポットに市販の草花用培養土を入れて、十分に湿らせておきましょう。エゴポディウムを掘り上げた際に、比較的太い根を採取し、5〜7cmくらいにカットします。黒ポットにカットした根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。水切れしないように管理すると、根から芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。根伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 夏越し・冬越し Darya Komarova/Shutterstock.com 【夏越し】 地植えにしている場合、真夏に強い日差しが照りつける場所では葉焼けしやすくなるので、遮光ネットを張って半日陰の環境を作り出してあげるとよいでしょう。鉢植えの場合は、風通しがよく涼しい半日陰の場所へ移動して管理します。 【冬越し】 寒さには強いので、特に寒さ対策の必要はなく、戸外で越冬できます。鉢植えの場合は、カラカラに乾燥させることのないように、表土が乾いたら水やりしてください。 病害虫 JimCochrane1/Shutterstock.com 【病気】 エゴポディウムは、病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 エゴポディウムに発生しやすい害虫は、キアゲハの幼虫などです。 キアゲハはアゲハチョウ科の昆虫で、春から秋にかけて発生しやすく、主に幼虫がセリ科の植物を好んで食害します。幼虫が若いうちは黒地に白斑が入る姿で、まだ小さく見つけづらいのですが、大きくなると5㎝ほどのビッグサイズになって黒と黄緑の横縞にオレンジの斑点が散りばめられた姿を現し、ギョッとしてしまいます。若芽や葉を好み、旺盛に葉に穴をあけて一晩で被害が拡大することもあるので注意。葉に穴があいていないか裏表をチェックして、見つけ次第捕殺します。成虫は花の蜜をエサとするので、近くに花が咲く植物を植えないこともポイントです。 エゴポディウムのおすすめアレンジ APugach/Shutterstock.com カラーリーフとして活躍するエゴポディウムは、ガーデンの随所で活躍する草花の一つです。ここでは、おすすめの取り入れ方についてご紹介します。 シェードガーデン シェードガーデンは、ガーデニングでは日当たりに恵まれない環境下の庭を指します。エゴポディウムは半日陰の環境でよく育つので、シェードガーデンにピッタリ。特に葉に白い斑が入る‘バリエガータ’ は、庭を明るく見せる効果があります。日陰に強いカラーリーフプランツをいくつか組み合わせて植栽し、グリーンのグラデーションを作り出すのも素敵です。 グラウンドカバー グラウンドカバーとは、這うように茂る植物を植栽して表土を覆うことをいいます。雑草防止になるほか、みずみずしい見栄えを保つメリットがあります。エゴポディウムは地下茎を伸ばして範囲を広げていくので、広い面積を埋めるグラウンドカバーとして利用するのもおすすめ。ただし、増えすぎて困るケースもあるのできちんと対策をして使いましょう。 斑入りの葉が美しいエゴポディウムで庭に彩りを Maurice Lesca/Shutterstock.com エゴポディウムは半日陰の環境に馴染みやすく、やや暗い場所もみずみずしい葉色で明るく彩ってくれます。あまり手をかけずとも旺盛に生育するので、ビギナーにもおすすめです。ぜひ庭やベランダなどに取り入れてみてはいかがでしょうか。
-
一年草

【次々咲く花】メランポジウムの黄色の花で庭を明るく! 育て方のポイントとは?
メランポジウムの主な特徴 小さく黄色い花をたくさん咲かせるメランポジウムとは、どんな花なのでしょうか。ここでは、メランポジウムの基本情報などについてガイドします。 基本情報 jupiterade/Shutterstock.com メランポジウムはキク科メランポジウム属の一年草です。5月頃に種まきをすると、7月から11月頃まで開花。晩秋になると寒さに耐えられずに枯死してしまうので、半年くらいの比較的短いライフサイクルです。原産地はメキシコ〜中央アメリカで、暑さには強く、寒さには弱い性質です。草丈は20〜80cmほどで、自然に分枝してこんもりと茂ります。原産地では約80種の分布が確認されていますが、日本でガーデニング用として主に流通しているのは、ディバリカツム種です。 花や葉の特徴 Imam Rubai/Shutterstock.com メランポジウムの開花期は7〜11月で、株に勢いがあれば途切れることなくよく咲きます。花はオレンジがかった黄色や発色のよい黄色で、花径2cmほどの小さな花が茎の頂部に開花。一つひとつの花は小さいのですが、花つきがよく株を覆うように咲くので、華やかな印象をもたらします。メランポジウムの葉は明るいグリーンで、丸みのある細長い形をしています。自然に分枝してこんもりとした株になります。 名前の由来や花言葉 Bijaksana41/Shutterstock.com メランポジウムの名前は、学名のMelampodium divaricatum(メランポジウム・ディバリカツム)から来ています。メランポジウムは、ギリシャ語で「黒い」という意味の「Melas」と「足」を意味する「podius」を合わせた言葉で、根が黒くて太いことからとされています。西洋では「Gold medallion flower(ゴールド メダリオン フラワー)」と呼ばれ、「黄金のメダルのような花」という意味です。 メランポジウムの花言葉は、「元気」「小さな親切」「あなたは可愛い」など。いずれも花姿のイメージに由来しているようです。 メランポジウムの育て方のポイント7つ ここまで、メランポジウムの基本情報や花や葉の特徴、名前の由来や花言葉についてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、メランポジウムの栽培方法について、詳しく解説します。 1.メランポジウムの栽培に適した環境 Tiwuk Suwantini/Shutterstock.com メランポジウムは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので、日光不足に注意してください。土壌は水はけがよく、有機質に富んだふかふかの状態を好みます。 2.用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付けの1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 3.植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com メランポジウムの植え付けの適期は6〜7月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。 メランポジウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうので植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。あまり密だと風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗よりも2〜3回りほど大きい鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。メランポジウムの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 4.水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりすると、すぐに水がぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 5.肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 7〜10月に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので注意してください。 6.日常のお手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【摘心】 メランポジウムは自然に分枝してこんもりとした株姿になりますが、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、より分枝して茂り、株張りがよくなります。 【花がら摘み】 メランポジウムは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 7〜9月に、草姿が乱れてきたら切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 7.注意すべき病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 メランポジウムは、特に発生しやすい病気はありません。 【害虫】 メランポジウムに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、春から秋に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 メランポジウムの増やし方 メランポジウムは開花後に種子を採取して増やすことが可能です。ここでは、種子の採取と種まきの方法をご紹介します。 採取の仕方 NOPPHARAT9889/Shutterstock.com メランポジウムを種まきから増やしたい場合、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種を採取して密閉容器に入れ、翌春まで保管しておきましょう。ただし、品種改良された園芸品種の場合は、親と同じ性質になるとは限りません。 種まきの方法 Vladyslav Lehir/Shutterstock.com メランポジウムは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 メランポジウムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、気温が十分に上がって遅霜の心配がなくなる5月頃です。種まき用のトレイに市販の草花用培養土を入れて種子を播き、ごく薄く覆土してください。種子が流れ出さないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。乾燥しないように管理すると、1週間ほどで発芽します。 発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 メランポジウムの使い方 Teresa Design Room/Shutterstock.com こんもりと茂らせた株に多数の花をつけるメランポジウムの、庭での生かし方についてご紹介します。 花壇の縁取り メランポジウムは、草丈がやや低めなので、花壇の前面や縁取りに向いています。花径が2cmほどと小さいため、大きな花を咲かせる主役級の花に添わせると、脇役として活躍します。一方で、こんもりと茂った株を覆い尽くすようにたくさんの花がつくので、群植すると色の塊となり、迫力のある景色を作り出すことも可能です。開花期が長いので、道路沿いのフロントガーデンや広い敷地の小道沿いなどに列植してもよいでしょう。 鉢植え メランポジウムは、自然にこんもりとしたラウンド形に株姿がまとまるので、単体で鉢に植えて楽しむとよいでしょう。大きな鉢に寄せ植えの素材として利用してもOK。草丈が低くまとまり、小さい花を咲かせるので、脇役として活躍します。 メランポジウムの主な品種 「ミリオン」シリーズ‘ゴールド’。Tarom Kopleng/Shutterstock.com メランポジウムは、交配による園芸品種が出回っており、より育てやすく、より華やかな品種を見つけることができます。 「ミリオン」シリーズが比較的有名な品種で、株姿がコンパクトにまとまりつつ、花数が多く豪華な雰囲気があります。このシリーズの‘ゴールド’は濃い黄色で大変華やか。また‘レモン’はやや珍しい淡い黄色の花を咲かせるのが特徴です。 また、‘ジャックポット’は花弁が丸みを帯びていて、より花が目に留まりやすい印象。極早生で、種まきから50日ほどで開花し始めます。‘パラダイス’は他の品種よりもやや草丈が高く、約40cmになります。‘ゴールデングローブ’はよりコンパクトにまとまる矮性種で、草丈は18cm前後です。 メランポジウムで明るい庭づくりを Helza Nitrisia/Shutterstock.com メランポジウムは一年草でライフサイクル自体は短いのですが、開花期間は初夏から晩秋までと長く、黄色い花色が庭を明るく彩ってくれます。強健な性質のため放任してもよく育ち、ビギナーにおすすめの草花です。庭やベランダに迎え入れて、ぜひ花姿を楽しんではいかがでしょうか。
-
一年草

【夏の花】ポーチュラカはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について
ポーチュラカの特徴について ポップカラーで陽気な雰囲気を持つポーチュラカとは、どんな植物なのでしょうか? ここでは、ポーチュラカの特徴など、基本情報についてご紹介します。 ポーチュラカの見た目と特徴 AndperfumeInd/Shutterstock.com ポーチュラカはスベリヒユ科スベリヒユ属(ポーチュラカ属)の一・二年草、多年草です。原産地は南北アメリカの熱帯〜温帯。暑さに強い一方で寒さに弱く、葉や茎が多肉質のため乾燥に強いのが特徴です。草丈は10〜20cmで、這うようにカーペット状に広がるので、花壇の前面や縁取りなどに向いています。 ポーチュラカは朝に咲いた花が午後にはしぼむ一日花です。しかし、花付きがよいので次から次につぼみをあげて開花し続け、長く楽しめます。また、光に反応して花弁を開くので、日当たりのよい場所で管理することが大切です。 ポーチュラカの代表的な種類 Robert Ang/Shutterstock.com ポーチュラカは、交配によって作出された園芸品種も見られます。本来は朝に開花して午後にはしぼんでしまう一日花ですが、品種改良によって夕方まで咲く「園シリーズ((Portulacaoleracea Sono Series))」が出回るようになりました。また、花数が多く、カラフルな花色のほかに2色咲きも揃う「夏チュラカ」シリーズ、花径が約5cmと大きめサイズの‘オスカーレッド’などがトレンドです。 ポーチュラカとスベリヒユの違い 左がスベリヒユ、右がポーチュラカ。wasanajai, Lanywati/Shutterstock.com ポーチュラカは、別名ハナスベリヒユといい、同じスベリヒユ科のスベリヒユと見た目が大変よく似ています。茎葉だけからは見分けがつかないほどです。スベリヒユは畑などでよく見られる雑草で、小さな黄色い花を咲かせます。一方、ポーチュラカは園芸品種として愛されている草花で、スベリヒユよりも花径が大きくカラフルな花色が豊富に揃い、開花期間も長いのが異なる点です。 ポーチュラカの花言葉 Moolkum/Shutterstock.com ポーチュラカの花言葉は、「いつも元気」。夏の暑さにも負けずにカラフルな花をたくさん咲かせることに由来します。ほかに「可憐」「無邪気」「自然を愛する」などがあります。 ポーチュラカが咲く時期と見頃 SKY Stock/Shutterstock.com ポーチュラカの開花時期は、5〜10月です。午後からしぼんでしまうので、午前中が見頃です。また、曇りの日には花弁を閉じるので、日当たりのよい場所で栽培することがポイントです。ポーチュラカの花色は、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、複色など。花径は2〜3cmとやや小さめで、一重咲き、八重咲きなどがあります。 ポーチュラカの育て方 ここまで、ポーチュラカの基本情報や花や葉の特徴、代表的な種類、花言葉などについてご紹介しました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ポーチュラカの栽培方法について、詳しく解説します。 適した栽培環境 wannasak saetia/Shutterstock.com ポーチュラカの栽培には、日当たりと風通しのよい場所が最適です。光に反応して花が開くので、暗い場所には向いていません。 また、ポーチュラカは多湿の環境が苦手で、粘土質の土壌や、水場に近くて低い場所など、水はけが悪くジメジメした環境を嫌います。ポーチュラカを地植えで栽培する場合は、水はけ・水もちがよくバランスのとれた土壌づくりがポイントです。有機質資材をすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。 寒さには弱いので越年させたい場合は鉢植えにして、日当たりがよく10℃以上に保てる場所で管理しましょう。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕し、水はけ・水もちのバランスが取れた、ふかふかの土壌に整えておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え Peter Kniez/Shutterstock.com ポーチュラカの植え付け適期は、5〜8月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 ポーチュラカは冬が寒い日本では一年草として扱われており、寒くなると枯れてしまうので植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分しましょう。冬越しさせたい場合は、鉢に植え替えて日当たりのよい10℃以上の場所で管理します。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢をくずさずに苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜25cmの間隔を取っておきましょう。あまり密だと風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗よりも2回りほど大きいものを準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ポーチュラカの苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 ただし、もともとは多年草なので、暖かい場所に移動して越冬することができたら、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら古い根などを切り取り、新しい培養土を使って植え直します。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりすると、すぐに水がぬるま湯のようになり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、越年させる場合、真冬の水やりは気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ポーチュラカは厚みのある多肉質の葉で、乾燥に強く多湿に弱い性質です。いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 vladdon/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 5〜10月頃に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて、開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えてもよいでしょう。 日頃の手入れ mihalec/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ポーチュラカは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 6〜9月に草姿が乱れてきたら、そのつど切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 【冬越し】 ポーチュラカは、日本の冬の寒さに耐えられず枯死してしまうことが多いので、基本的には一年草して扱われています。しかし本来は多年草なので、冬に10℃以上を保つことができれば、越年させることも可能です。寒くなって株が弱る前に鉢に植え替え、室内の日当たりがよく暖かい場所で管理するとよいでしょう。 病気や害虫など注意点 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ポーチュラカは、病気の心配はほとんどありませんが、アブラムシなどの二次被害として、すす病が発生することがあります。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなり、病状が進むと黒いすすが全体を覆っていき、見た目も悪くなります。また黒いすすが葉に広がると光合成がうまくできなくなり、株の勢いが衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因ですす病が発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる茎葉があれば数本切り取り、日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 ポーチュラカに発生しやすい害虫は、アブラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ポーチュラカは、挿し芽、種まきで増やすことができます。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ポーチュラカは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、5〜10月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 ポーチュラカを種まきから増やしたい場合、開花後に種を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種子を採取して密閉容器に入れ、翌春まで保管しておきましょう。ただし、種子のつきにくい品種があることや、交配された園芸品種の場合は、親と同じ性質になるとは限らないことに注意しましょう。 種まきの適期は5月頃で、発芽適温は20〜25℃です。種まき用のトレイに市販の草花用培養土を入れて種子を播きます。覆土は不要です。種が流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。発芽までは乾燥しないように管理しましょう。 発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理し、本葉が2〜3枚出始めたら根鉢をくずさずに黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。根が十分に張ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 家庭でポーチュラカを育ててみよう RATTAR/Shutterstock.com 近年ではストライプ咲きなど、一層カラフルな花色が揃うようになったポーチュラカ。草丈が低く這うように広がる性質を生かして、ロックガーデンに利用するのもいいですね。初心者でも育てやすいので、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。



















