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【次々咲く花】メランポジウムの黄色の花で庭を明るく! 育て方のポイントとは?

【次々咲く花】メランポジウムの黄色の花で庭を明るく! 育て方のポイントとは?

Willybald/Shutterstock.com

夏から秋にかけて、輝くような黄色い花を次々と咲かせるメランポジウム。こんもりと茂って花つきがよく、暑さに負けずに夏の庭を彩ってくれます。この記事では、そんなメランポジウムの基本情報や特徴、花言葉から、詳しい育て方、庭での生かし方、主な種類まで、幅広くご紹介します。

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メランポジウムの主な特徴

小さく黄色い花をたくさん咲かせるメランポジウムとは、どんな花なのでしょうか。ここでは、メランポジウムの基本情報などについてガイドします。

基本情報

メランポジウム
jupiterade/Shutterstock.com

メランポジウムはキク科メランポジウム属の一年草です。5月頃に種まきをすると、7月から11月頃まで開花。晩秋になると寒さに耐えられずに枯死してしまうので、半年くらいの比較的短いライフサイクルです。原産地はメキシコ〜中央アメリカで、暑さには強く、寒さには弱い性質です。草丈は20〜80cmほどで、自然に分枝してこんもりと茂ります。原産地では約80種の分布が確認されていますが、日本でガーデニング用として主に流通しているのは、ディバリカツム種です。

花や葉の特徴

メランポジウム
Imam Rubai/Shutterstock.com

メランポジウムの開花期は7〜11月で、株に勢いがあれば途切れることなくよく咲きます。花はオレンジがかった黄色や発色のよい黄色で、花径2cmほどの小さな花が茎の頂部に開花。一つひとつの花は小さいのですが、花つきがよく株を覆うように咲くので、華やかな印象をもたらします。メランポジウムの葉は明るいグリーンで、丸みのある細長い形をしています。自然に分枝してこんもりとした株になります。

名前の由来や花言葉

メランポジウム
Bijaksana41/Shutterstock.com

メランポジウムの名前は、学名のMelampodium divaricatum(メランポジウム・ディバリカツム)から来ています。メランポジウムは、ギリシャ語で「黒い」という意味の「Melas」と「足」を意味する「podius」を合わせた言葉で、根が黒くて太いことからとされています。西洋では「Gold medallion flower(ゴールド メダリオン フラワー)」と呼ばれ、「黄金のメダルのような花」という意味です。

メランポジウムの花言葉は、「元気」「小さな親切」「あなたは可愛い」など。いずれも花姿のイメージに由来しているようです。

メランポジウムの育て方のポイント7つ

ここまで、メランポジウムの基本情報や花や葉の特徴、名前の由来や花言葉についてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、メランポジウムの栽培方法について、詳しく解説します。

1.メランポジウムの栽培に適した環境

メランポジウム
Tiwuk Suwantini/Shutterstock.com

メランポジウムは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので、日光不足に注意してください。土壌は水はけがよく、有機質に富んだふかふかの状態を好みます。

2.用土

土
blueeyes/Shutterstock.com

【地植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付けの1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておくとよいでしょう。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

3.植え付け・植え替え

ガーデニング
Vlyaks/Shutterstock.com

メランポジウムの植え付けの適期は6〜7月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。

メランポジウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうので植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。あまり密だと風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。

【鉢植え】

鉢の大きさは、入手した苗よりも2〜3回りほど大きい鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。メランポジウムの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

4.水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温の高い昼間に水やりすると、すぐに水がぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

5.肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

【地植え】

元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

7〜10月に、株の状態を見て勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので注意してください。

6.日常のお手入れ

剪定
Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com

【摘心】

メランポジウムは自然に分枝してこんもりとした株姿になりますが、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、より分枝して茂り、株張りがよくなります。

【花がら摘み】

メランポジウムは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

7〜9月に、草姿が乱れてきたら切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。

7.注意すべき病害虫

アブラムシ
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【病気】

メランポジウムは、特に発生しやすい病気はありません。

【害虫】

メランポジウムに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。

アブラムシは、春から秋に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。

メランポジウムの増やし方

メランポジウムは開花後に種子を採取して増やすことが可能です。ここでは、種子の採取と種まきの方法をご紹介します。

採取の仕方

メランポジウム
NOPPHARAT9889/Shutterstock.com

メランポジウムを種まきから増やしたい場合、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種を採取して密閉容器に入れ、翌春まで保管しておきましょう。ただし、品種改良された園芸品種の場合は、親と同じ性質になるとは限りません。

種まきの方法

種まき
Vladyslav Lehir/Shutterstock.com

メランポジウムは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

メランポジウムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、気温が十分に上がって遅霜の心配がなくなる5月頃です。種まき用のトレイに市販の草花用培養土を入れて種子を播き、ごく薄く覆土してください。種子が流れ出さないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。乾燥しないように管理すると、1週間ほどで発芽します。

発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。

メランポジウムの使い方

メランポジウム
Teresa Design Room/Shutterstock.com

こんもりと茂らせた株に多数の花をつけるメランポジウムの、庭での生かし方についてご紹介します。

花壇の縁取り

メランポジウムは、草丈がやや低めなので、花壇の前面や縁取りに向いています。花径が2cmほどと小さいため、大きな花を咲かせる主役級の花に添わせると、脇役として活躍します。一方で、こんもりと茂った株を覆い尽くすようにたくさんの花がつくので、群植すると色の塊となり、迫力のある景色を作り出すことも可能です。開花期が長いので、道路沿いのフロントガーデンや広い敷地の小道沿いなどに列植してもよいでしょう。

鉢植え

メランポジウムは、自然にこんもりとしたラウンド形に株姿がまとまるので、単体で鉢に植えて楽しむとよいでしょう。大きな鉢に寄せ植えの素材として利用してもOK。草丈が低くまとまり、小さい花を咲かせるので、脇役として活躍します。

メランポジウムの主な品種

メランポジウム「ミリオン」シリーズ‘ゴールド’
「ミリオン」シリーズ‘ゴールド’。Tarom Kopleng/Shutterstock.com

メランポジウムは、交配による園芸品種が出回っており、より育てやすく、より華やかな品種を見つけることができます。

「ミリオン」シリーズが比較的有名な品種で、株姿がコンパクトにまとまりつつ、花数が多く豪華な雰囲気があります。このシリーズの‘ゴールド’は濃い黄色で大変華やか。また‘レモン’はやや珍しい淡い黄色の花を咲かせるのが特徴です。

また、‘ジャックポット’は花弁が丸みを帯びていて、より花が目に留まりやすい印象。極早生で、種まきから50日ほどで開花し始めます。‘パラダイス’は他の品種よりもやや草丈が高く、約40cmになります。‘ゴールデングローブ’はよりコンパクトにまとまる矮性種で、草丈は18cm前後です。

メランポジウムで明るい庭づくりを

メランポジウム
Helza Nitrisia/Shutterstock.com

メランポジウムは一年草でライフサイクル自体は短いのですが、開花期間は初夏から晩秋までと長く、黄色い花色が庭を明るく彩ってくれます。強健な性質のため放任してもよく育ち、ビギナーにおすすめの草花です。庭やベランダに迎え入れて、ぜひ花姿を楽しんではいかがでしょうか。

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