ガーデニング中につい作業に夢中になって、手を切ってしまったという経験はありませんか。草や木で手を傷つけてしまったり、スコップや剪定バサミなど、刃物によるケガもしばしば。そんなケガから手を守るのが手袋ですが、その種類は多種多様。そこで、ガーデンクラフト作家で工具もよく扱う原嶋早苗さんの“推し手袋”を教えていただきました。タングステン線という金属繊維を編み込んであるので、手をケガから守りつつ、薄手でスイスイ指先が動くという優れもの。土も入りにくく、スマホも扱える…などなど、推し理由満載の画期的手袋です。
目次
手袋はガーデニングの必需品
植物を上手に育てるガーデニング名人のことを「グリーンサム(緑の指)」と呼びますが、その手に欠かせないのがガーデニング手袋。植物は素手で触れると葉っぱの縁がギザギザになっているもの(「鋸歯(きょし)」といいます)が多く、知らぬ間に手が切れていたり、草陰に隠れている害虫にうっかり触ってしまったりすることがよくあります。また、剪定バサミやノコギリ、スコップといった刃物を使うシーンも多く、ケガから手を守るために手袋は必須です。
ガーデン手袋の種類
一口にガーデン手袋といっても、ホームセンターなどの園芸コーナーにはさまざまな種類の手袋が並んでいます。主な種類とその特徴をご紹介します。
■布製/最も安価でカラフルな柄も多い。ただし、長時間土をいじっていると土の湿り気で指先が濡れ、繊維の間から土が入って汚れることもあるので、本格的なガーデニング作業には向かない。洗濯可。
■ゴム製/濡れたり土が入るのを防ぐ。指先にフィットするものも多く作業性はよい。ただし、全体がゴム製のものは通気性が悪く、長時間装着していると汗で蒸れ、手荒れの原因に。通気性を考慮して手の甲部分を布にした、「背抜き加工」と呼ばれるものもあるが、刃物から手を守る機能性には欠ける。洗濯可。
■革製/素材に厚みがあるものは手指の保護性は高く、ケガを防ぐことはできるが指先の動作性はあまりよくない。ヒモを結ぶなど細かな作業には向かない。比較的高価で、高いものでは2〜3万円。洗濯不可。
このように、用途によって適した手袋は異なりますが、園芸のプロはどんなものを使っているのでしょうか。日頃からさまざまなシーンで手袋を使うガーデンクラフト作家の原嶋早苗さんに伺ってみました。
プロの推し手袋「タングステン耐切創手袋(ストロングンテ)」
原嶋さんは造園の仕事の一方で、「モルタルデコ」という独自の技術を開発し、ガーデンクラフト作家としても活躍中。自身が丹精する「Sanae Garden」にはガーデンクラフト工房があり、ここで全国から集まる生徒さんにその技術を教えています。
「庭の手入れはもちろん、工房でガラスを切ったり、ワイヤーを曲げたりするので、手袋は必需品です。いろんなタイプのものを持っていますが、最近注目しているのがタングステン耐切創(たいせっそう)手袋『ストロングンテ』です。タングステン線という金属繊維を編み込んでいるというのですが、見た目もつけた感覚もしなやかでフィット感があります。なのに、切れにくいという優れものです」
高い耐切創性と柔軟性を両立した手袋
耐切創手袋とは、金属やガラスなど鋭利なものによって手指が切れるのを防ぐ機能を持った手袋のこと。欧州の安全規格で耐切創レベルがA〜Fまで規格化されており、綿の軍手はBで、Fに近づくほど耐切創性に優れています。「ストロングンテ」デイリーユースの耐切創レベルはD(プロユースはEやFもあります)。この高い耐切創性は、タングステン線という素材に理由があります。タングステン線とは、Panasonicが白熱電球のフィラメント技術を応用し、タングステンという一般的なステンレスの約2倍の強度※をもつ希少金属を、髪の毛の1/4という細さに加工した金属繊維です。これを15ゲージ(*プロユースは13ゲージ)で編み込んだのがタングステン耐切創手袋(ストロングンテ)。およそ金属とは思えない柔軟性も特徴です。
※SUS304との引張強度の比較
【推しポイント1】刃物による切り傷を防ぐ高い耐切創性
「ガーデニングの道具ってほとんどが刃物なんですが、いい道具ほど切れるんですよね。だから手袋は必須。でも、一般的なガーデニング手袋は、手の甲のほうが背抜きといってゴムの加工がなくて布のことが多いんです。これだと、手が滑って勢いで手袋ごと切れることもあり、危ないなんてこともよくあります。でも『ストロングンテ』はタングステン繊維で手の甲のほうもしっかりガードしてくれるので、刃物を使い慣れていない女性でも安心して作業ができます」(原嶋さん)
「宿根草の株分けで根切りナイフを使うときも、株元を押さえておく必要があるから刃物と手がすごく近いんですが、この手袋をはめていれば切れにくいので作業しやすいです」(原嶋さん)
「庭で摘んだ花を飾るのも庭づくりの楽しみの一つです。ブルーベリーやアジサイなどの枝物を室内に飾ることもよくあるのですが、水をよく吸い上げるように枝物は先端をナイフで斜めに削いで水揚げをします。このときも、やはり指が刃物の近くにあるので、以前は恐る恐るやっていましたが、「ストロングンテ」をはめていればスパッと思い切りよく切れますし、枝の小さな引っ掛かりなどのケガからも手を守ってくれます」(原嶋さん)
【推しポイント2】滑りにくく柔らかい発泡ゴムコートで力のいる作業もしやすい
道具を使って作業するときは、切るのにも掘るのにもぐっと手に力を入れる必要がありますが、そんな時にも「ストロングンテ」が役に立つと原嶋さんは話します。「剪定バサミなどは男性用にできていることが多いので、大きくて扱いづらいんです。なので、金属製の剪定バサミを素手で持つとスルッと滑ってしまうことがあるんですが、『ストロングンテ』のデイリーユース(レギュラーシリーズ)は、手のひら側が柔らかい発泡ゴムでコーティングされているので、グリップが効いて剪定バサミも使いやすいですね」(原嶋さん)。
【推しポイント3】手にフィットして指先が動かしやすい
手袋をはめていると指先が動かしにくく、ヒモを結んだりといった細かな作業の際に邪魔になることがあります。手袋を外したり、またはめたりといった動作をガーデニング中に繰り返すのは、作業効率が悪くなりイライラするもの。手にしなやかにフィットし指先が動かしやすい「ストロングンテ」は、そんなプチストレスからも解放してくれます。
「特に小さめシリーズは、手が小さい私にジャストフィット。指先だけのゴムコートだからスイスイ動かせ、ガーデンクラフトの細かな作業時に重宝します。ミニチュアハウスの窓やステンドグラスを使ったフレーム作りなどでガラスをよく扱うんですが、ガラスを切るときって、ガラスカッターの刃に体重をのせて一気に引かないときれいに切れないんです。初めての生徒さんはガラスを扱うのに恐る恐るで、なかなか一気にはできないものなんですが、この手袋をはめていれば思い切って切れます。小さなガラスも難なく扱えて、作業がスムーズです」(原嶋さん)
【推しポイント4】土が入りにくく手が汚れにくい
タングステン耐切創手袋「ストロングンテ」のデイリーユース(レギュラーシリーズと小さめシリーズ)は15ゲージというハイゲージで編まれており、目が細かいうえに指先から手のひらまでがゴムでコーティングされているので、指先に土が入りにくいのも特徴です。さらに、手首部分の幅も広く、しっかりフィットして隙間から土が入るのも防いでくれます。
「爪に土が入ると、なかなかブラシで洗っても取れないんです。それに土って結構、手荒れの原因になるんですよ。手袋をしないで素手で土に触れていると、手の水分が奪われて、思いのほか手が乾燥してしまいます。手先が荒れていたり爪が汚れていたりすると、外で食事をするときとか、お会計のときとか、やっぱり気になるものです。常日頃、土を触る身としては、土が入りにくいっていうのは、ありがたいですね」(原嶋さん)
【推しポイント5】手袋をしたままタッチパネル操作ができる
「ストロングンテ」デイリーユース(レギュラーシリーズ)は、タッチパネル操作が可能。ガーデニング中にスマートフォンに電話がかかってきても、手袋を外そうと慌てる必要はありません。
「きれいだなって思った時にすぐにスマホで写真が撮れるのもいいですよね。葉陰とか花にくる蝶々とか、美しいなと思う自然の事象は、留まっていてはくれませんから」(原嶋さん)
【推しポイント6】繰り返し洗えてタフで経済的
ガーデニング作業中は手にも汗をかきやすいものですが、「ストロングンテ」は水洗いができ、洗濯機の使用も可能です。乾きやすい素材なので、作業が終わったら洗って清潔に保管でき、繰り返し使えるので経済的です。
優秀な園芸ツールで庭仕事をもっと快適に楽しく!
優秀な園芸ツールを使えば作業の効率が上がって、庭仕事も快適で楽しくなり、庭もどんどんきれいになるはず。そんなプラスのスパイラルのスタート地点が「ストロングンテ」。手をケガから守り、指先の操作性もよいストロングンテが、あなたの指もグリーンサムに導きます。
★本品は耐切創性素材を使用していますが、刃物やガラス、金属のバリなどに対して絶対に切れない、破れないというものではありません。綿やナイロンなどの素材と比較して、切創抵抗値が高く切れにくく、切創事故防止の目的でつくられている商品です。
製品の安全上のご注意をお読みの上、ご使用ください。
撮影協力/原嶋早苗(Sanae Garden)https://www.sanaegarden.net
Credit
写真&文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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