スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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レシピ・料理

食べられる春の野草を摘みに行こう
意外とたくさん 食べられる野草 普段は雑草として気にもとめないような身近な草花の中にも、食べられるものはたくさんあります。栽培品種ではない野草は、アクや癖の強いものが多いのですが、アク抜きなどの下処理をすると、野の香りと野趣あふれる風味が楽しめ、普段の野菜とはまた違うおいしさが味わえますよ。 ここでは、身近な場所でもよく見かける、代表的な食べられる野草を5種類ご紹介します。 ツクシ 春の野の楽しみといえば、代表的なものがツクシ。春の一時しか見られない姿なので、土手などにツンツンと伸びる可愛らしい光景を見て、春の訪れを実感する人も多いのではないでしょうか。ツクシはスギナの胞子茎で、両者の姿は全く違いますが、地中で根はつながっています。 美味しいツクシは胞子が飛ぶ前の、穂先が締まった状態のもの。収穫したら、まずは「はかま」を取り除きましょう。茎の周囲についている「はかま」は葉が退化したもので、かたくて食べられません。下茹でして炒め物や卵とじ、つくだ煮、ツクシご飯などにして、春の味覚を楽しみましょう。 ナズナ ナズナという名前より、ぺんぺん草という別名のほうが通りがよいかもしれません。茎の周囲に小さなハート形の実がたくさん並び、実を少し引っ張ってから茎をくるくると回すと音が鳴るので、子どもの頃に遊んだ人も多いはず。春になると、道端や野原などのあちらこちらで白い小花を咲かせている姿が目に留まります。春の七草の一つでもあり、とても身近な野草です。 ナズナを食用にする時は、冬から早春にかけての柔らかい若葉を摘みましょう。ナズナは癖やアクが少なく、ほろ苦くて美味しい野草です。さっと茹でてお浸しや卵とじに、また味噌汁の実などにもよく合います。 タンポポ Photo/Spdy/Shutterstock.com 明るい黄色の丸い花が、元気をくれるタンポポ。子どもから大人まで誰もが知っている、代表的な春の花の一つですが、都会で見かけるタンポポは外来種のセイヨウタンポポやその交雑種が多く、カントウタンポポなどの在来種を見かけることは少なくなりました。よく似た両者ですが、花が咲いている時期にガクが外側に反り返っているのがセイヨウタンポポの特徴です。 漢方では「蒲公英」として活用されていることが知られていますが、ヨーロッパでは食用の品種が栽培されているほど一般的な香味野菜として扱われています。苦みが強いので、下茹でした後に水にさらしてしっかりとアクを抜き、和え物やソテーなどに。天ぷらにしてもほろ苦さと香りがあり、春らしい味わいが楽しめます。 ヨモギ 濃い緑色と豊かな香りが、草餅や草団子などの春の和菓子に欠かせないヨモギ。切れ込みが深く入るひらひらとした葉は、裏面は綿毛で覆われて銀白色なのが特徴です。日本だけでなく、世界各地でも古くから薬草として使われており、ヨモギ属の学名Artemisiaは、ギリシア神話の狩猟と月の女神アルテミスにちなんだものだそうです。 ヨモギは、出始めたばかりの新芽や、柔らかい先端部分を収穫して食用とします。下茹でしてしっかりアク抜きをしたのち、フードプロセッサーやすり鉢などで細かくしたものを、団子やパンの生地に加えれば、香り豊かな春の味わいに。アクが強い場合は、下茹での際に重曹を加えるとよいでしょう。 ヨメナ Photo/F_studio/Shutterstock.com 野菊の一種であるヨメナは、秋には薄紫や白の花を咲かせる可愛らしい野草で、ノコンギクとよく似た姿をしています。ノコンギクには葉に細かい産毛が生えているのに対し、ヨメナはほとんど産毛がなく、ツルツルした手触りが特徴です。古くから若菜を摘んで食用としていたようで、万葉集にもヨメナの古名「ウハギ」が登場します。 食用にするのは春先に出る柔らかな若芽。ヨメナはアクが強いので、下茹でしてアク抜きをしてから調理します。香りがよく、和え物や味噌汁の実、菜飯などにすると季節の味と香りを美味しくいただけます。 *野草を食べるにあたって野草は食用として栽培されたものではありませんので、安全性の確保されたものを採取するようにしましょう。道端の草花は排気ガスや動物の糞尿で汚れていたり、食用に認可されていない農薬などがかかっている恐れがあるので、十分注意してください。また、毒性の強い植物もあるので、食べられる確信のないものは口にしないこと。野草にはアクの強いものが多く、食べすぎにも注意が必要です。
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育て方

ウメ(梅)を剪定するには? 最適な時期を知り必要な道具を揃えてウメを正しく剪定しよう!
ウメの特徴を知ろう! 「梅雨」や「塩梅」などの言葉があるように、古くから日本人の生活に密着して親しまれてきたウメ。花も美しく、実も楽しめるうえ、日本の気候風土にも適した庭でも栽培しやすい果樹です。ところで、ウメ、と一口にいっても、さまざまな品種があります。上手に育てるには、まず、ウメの種類や特徴を知ることが大切。ウメにはどんな種類があるのか、また、ウメを育てるうえで適している環境をご紹介しましょう。 ウメの種類 一説には、世界に1,000種以上あるとされるウメの品種ですが、大きく分けて次の2種類があります。 ・花梅花を観賞する目的で作られた品種。花の色は赤、ピンク、白など多彩で、花形も一重咲きから八重咲きまで幅広くあります。開花時期にも幅があり、1~3月頃に開花しますが、果実は小さく、実付きもあまりよくありません。日本には約400種類あるといわれています。代表的な品種としては、‘思いのまま’や‘鹿児島紅’など。 ruiruito/Shutterstock.com ・実梅実を食用として収穫する品種。花の色はピンクと白があり、花形も基本的にシンプルな一重咲き。花後に大きな実や品質のよい実を付けます。開花時期は2~3月。日本には約100種類あるといわれています。‘南高’、‘白加賀’、‘豊後’などの品種が有名。 KPG_Payless/Shutterstock.com 花梅は花色が幅広く、絞りや覆輪が入るものや二色咲きのもの、華やかな八重咲きのものなど、美しく魅力的な花が楽しめるさまざまな品種があります。一方の実梅もシンプルながら可愛らしい花が楽しめます。花梅は実の収穫は期待できないので、もしウメの実の収穫を楽しみたいのであれば、実梅の品種を選んで栽培しましょう。 ウメの栽培に最適な環境 LunarTank/Shutterstock.com ウメは寒さや暑さに強く、国内の広い地域で栽培することができます。また、品種にかかわらず、庭植え、鉢植えのどちらでも育てることができ、管理のポイントをいくつか押さえれば、初心者でも栽培しやすく、たくさんの収穫が楽しめる果樹です。ウメを育てる際に最適な環境として、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。 ・日当たりがよく、水はけがよい場所を好みます。枝葉や果実が雨に当たると黒星病(黒点病)が発生することがあるので、鉢植えの場合は、雨のかからない軒下に置くのもよいでしょう。 ・年の平均気温が7℃以上になるような場所でよく育ちます。 ・−15℃程度まで耐えられるとされるように耐寒性が高く、極端な寒冷地を除いて屋外でも栽培することができます。ただし、-4℃を下回ると、低温障害をおこし、実が付かなくなることがあります。室内などに取り込む場合、常に7℃以上あるような場所に置くと休眠せず、翌年に花が咲かないことがあるので注意しましょう。 ウメの苗木の植え付け期は、成長が緩慢なために根を傷めにくい、11月中旬~12月頃。ウメは自家不結実性が強いため、実の収穫を目的としている場合は、1本だけ育てるよりも、品種の異なる2本以上を一緒に栽培すると実付きがよくなります。また、根が浅めに広がるため、乾燥にはやや弱い傾向にあります。庭植えにした場合は、水やりはほとんど不要ですが、夏場に乾燥が続く時はたっぷりと水を与えましょう。鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。 ウメは庭植えにした場合、水やりなどの手間がかからず、丈夫に育って実や花付きもよくなる一方で、大木に成長するので注意が必要。鉢植えにすると、管理の手間は少しかかりますが、コンパクトに生育するので省スペースでも栽培できます。庭の環境や目的に合わせて栽培方法を選びましょう。鉢植えにした場合は、根詰まりしないよう、生育に応じて1~3年に一度植え替えをしましょう。 ウメの剪定時期はいつ? ueuaphoto/Shutterstock.com ウメは切られることによく耐え、ガーデニング初心者でも剪定にチャレンジしやすい樹木です。切ることによって枝が自由につくれて整枝がしやすく、また短い枝によく実を付けるので、適切な剪定を行うのがウメの栽培では大切。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」なんて言葉もありますね。 ウメの剪定を行うのに適した時期は、基本的に冬と夏の2回。一般的に剪定といわれるのは冬の剪定ですが、芽かきや摘心など、夏にも剪定が必要です。また、花梅の場合は、冬剪定を行って枝の数を減らすと早春に咲く花の数も減ってしまうので、12~1月頃は大まかな剪定にとどめ、花後に本格的な剪定をするなど、冬剪定も2回に分けて行うとよいでしょう。 剪定は、それぞれの時期ごとに目的が異なり、それに応じた方法が必要です。それぞれの時期の剪定の目的と方法を確認しましょう。 ウメの冬剪定 ウメの冬剪定を行う時期は、11月中旬~1月頃。冬剪定の目的には、ウメの樹形をコントロールすることや、枝を整理して日当たりや風通しよく育てること、樹形を整えて見た目をよくすること、実付きをよくすること、古くなった枝を更新することなどがあります。周囲の環境を確認して、木の大きさや樹形を考え、さらに全体の枝ぶりを整え、細部を剪定します。ウメの冬剪定の方法をご紹介する前に、いくつか押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。 剪定のポイント 剪定の際には、成長した姿をイメージしながら切ることが大切です。そのためにも、まず花芽と葉芽の違いを見分けられるようにしておきましょう。冬のウメの枝には2種類の冬芽が付いています。大きくぷっくりとした芽は花芽といって、一つの花芽が一輪の花になります。小さな芽は葉芽で、今後新梢となって枝葉を茂らせていきます。この違いを見分けられると、剪定後、どのように花が咲いて成長していくかをイメージしやすくなります。 ウメの実の収穫を期待したい場合は、枝の長さにも注意しましょう。ウメは花が咲いてもその全てが果実になるわけではありません。一般に30cm以上の太くて長い枝(長果枝)には実がなりにくく、10cm以下の短い枝(短果枝)や、その中間程度の長さの枝(中果枝)にはよくなるとされています。短果枝にはよい花も付くため、ウメの剪定の際には、短果枝や中果枝を多く発生させるように切り、剪定時には短果枝や中果枝を切らずに残すのがポイントになります。 枝を切るときの注意点 ウメの枝を切るときに注意しておきたいのが、基本的に外側に向かって付いた芽(外芽)のやや上で切るということ。内側に向かって付いた芽の上で切ると、伸びるにつれて枝が込み合ってしまうので、外側に向かって伸びていけるように外芽の上で切るようにしましょう。枝垂れ梅の場合は、上向きの芽の上で切ります。 ウメの樹形を整える際は、光がよく当たるよう、上部の枝を短く、下部の枝を長めにしてピラミッド形になるようにするのが一般的です。日当たりや風通しをよくするため、同方向に伸びて重なった枝や、交差した枝をつくらないように剪定しましょう。1カ所から3本以上の枝が伸びているものは車枝と呼ばれ、枝が裂けやすくなるなどの問題があるため、こちらもつくらないように気を付けます。 太い枝を切る際は、あまり長く枝を残さないよう枝元から切り取ります。切り口には癒合剤を塗って保護し、枯れ込みや病原菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの冬剪定の方法 Kozub Vasyl/Shutterstock.com 冬剪定では、まずウメの大きさを考えましょう。ウメを大きくしたい場合は、先端付近の長果枝を生かし、1本に間引くとよいでしょう。生かした長果枝は先端を1/5~1/4程度切り詰め、短果枝や中果枝の発生を促します。その際、外芽の上で切るようにしましょう。一方、ウメをコンパクトにしたい場合は、剪定ノコギリを使って枝の分岐部まで切り戻します。切り戻す枝の長さは、庭植えなら50cm、鉢植えなら30cm程度にとどめましょう。切り戻した分岐部から発生している長果枝は、大きくしたい場合同様に先端を切り詰めて短果枝の発生を促します。 ウメの大きさが決まったら、徒長枝を間引き、衰弱した枝や枯れ枝、強い枝など不要な枝も剪定しましょう。夏に芽かきや摘心を行っていれば徒長枝は出にくいですが、夏剪定を行っていない場合や樹勢が強い場合には徒長枝が発生します。枝が多いと日当たりや風通しが悪くなり、また養分が枝に取られてしまうので、適切な量に減らすことが大切です。幹や太い枝から直接伸びた徒長枝を中心に間引き、不要な枝は枝元から切ります。太い枝は勢いが強く、短果枝や中果枝が発生しにくいので、枝の先端についたものを除いて枝元から切り取ります。また、幹や太い枝から伸びた徒長枝であっても、それを利用して枝をつくりたい場合は残しましょう。残した枝は、先端を1/5~1/4程度切り詰めます。 ウメの枝は古くなってくると、花や実の付きが悪くなります。品種や木の状態によっても異なりますが、3~6年ぐらいを目安に、枝を更新させるとよいでしょう。枝を更新させる時は、将来を見越して事前の準備が必要。更新したい枝の周囲に発生する長果枝を間引かずに残し、先端を切り詰めて養生しておきます。枝が充実して結実し始めたら、古い枝を枝元から切り取って更新しましょう。 ウメの夏剪定 夏剪定の目的は、樹形を整えて、日当たり、風通しよく育てること。徒長枝を中心に、込み合った枝を軽く間引き、樹形を乱すような長い枝があれば多少切り返します。ウメは成長が早く、新梢の発生も多いため、適切な冬剪定を行っていても、夏には枝葉が茂りすぎて、風通しが悪くなったり、アブラムシなどの害虫が発生することがあるので、夏剪定も忘れずに行いましょう。 ウメの夏剪定は、7~8月頃に行う剪定のことを指しますが、広くは4月以降に適宜行う芽かきや摘心を指すこともあります。芽かきは幹から出た芽を中心に不要な芽をかき取ること、摘心は必要な芽の先端を摘むことで、どちらも樹形を整えるのに効果的な作業ですが、これらの作業ができなかった場合にも夏剪定で補うことができますので、あまり神経質にならなくても大丈夫。逆に、芽かきや摘心を適宜行い、枝がよく整理されていれば、夏剪定を行う必要はありません。摘心を行った場合、摘心をしたところから芽が出る二度伸びが起こりやすく、二度伸びした枝は花芽が付きにくいため、余分な養分を使わせないようこまめに芽をかき取ることが大切です。 剪定の目的に応じて、剪定の方法も変わってきます。ウメを健全に育てるためにも、それぞれの季節に応じた方法で剪定しましょう。 ウメの剪定方法は、ウメの年数によって異なる! graphbottles/Shutterstock.com ウメの剪定と一口にいっても、木の状態によって剪定の方法は異なります。また、剪定方法はウメの樹齢によっても異なるため、注意が必要。例えば、枝を切り詰める切り返し剪定は、剪定後に新梢が強く伸びやすく、樹勢が強くなりすぎることがあるので、株が若いうちは、枝元から切る間引き剪定を中心に行いましょう。老木の場合は切り返し剪定を中心に行います。 ここでは、植え付けた後の樹齢に応じた剪定の方法をご紹介します。 1年目 一般的にウメの苗木としてよく流通しているのが、1~2年生の苗です。1年生の苗は、まっすぐな枝が1本伸びた棒苗の状態。ウメは初結実までに3年ほどがかかるため、このような苗の場合は実を付けるまでに少し時間がかかりますが、自分の思う樹形に仕立てやすいというメリットもあります。1年生の苗の剪定は、9~12月頃に行います。植え付けの際に、目標とする仕立ての姿に合わせ、30~80cmほどの高さに切り詰めましょう。これによって苗木の成長を促す効果もあります。 2年目 2年生の苗木は、幹の先端付近から枝が数本伸びた状態。2年目の剪定は12~1月頃に行い、幹から伸びる枝のうち、上に伸びている枝の中から状態のよい枝を3本ほど選び、他の枝を枝元から切り落とします。残した枝からさらに何本も枝が伸びている場合は、1枝に3本ほどを残して整理しましょう。 3年目 3年目の剪定は、基本的に一般の剪定と同じような作業を行いますが、行うのは冬剪定のみでOK。12~1月頃に行います。伸びた枝の中から、交差している枝や下向きに生えている枝が出てくるので、伸びすぎている場合は枝元から切り落とします。枝全体が上向きに生えていくように樹形を整えましょう。 4年目以降 4年目以降の剪定は、通常の剪定として先に解説した要領で行います。剪定を行うのは冬と夏。7~8月頃に行う夏剪定では小枝を軽く切り落とし、内側に伸びている枝を根元からきれいに切り落とすなど、樹形を整える軽い剪定にとどめます。1年間で1m以上伸びた枝は、翌年に実を付けないので枝元から切り落としましょう。一般的に剪定と呼ばれる冬剪定は、樹形を整え、花や実の付きをよくするための剪定。複雑に込み合っている枝は枝元から切り落とし、花芽を確認しながら切り戻します。剪定の際に太い枝を切り落とした場合は、切り口に癒合剤を塗り、雑菌の侵入を防ぎましょう。 ウメの剪定に必要な道具は? JustinVa/Shutterstock.com ウメを実際に剪定するにあたっては、次のような道具を用意するとよいでしょう。 剪定バサミ Yganko/Shutterstock.com 剪定の際には剪定バサミが必要です。梅の木は硬いので、普通のハサミや生け花で使用するハサミで切るのは危険。必ず樹木用の剪定バサミを使いましょう。剪定バサミには、主に180mm、200mm、225mmの3種類のサイズがありますが、手が大きい人は225 mm、普通または小さめの人は180 mmなど、それぞれの手の大きさに応じて扱いやすいサイズのものを選んでください。目安として、自分の手の平の大きさと同じくらいのものを選ぶとよいでしょう。 また、剪定バサミは切れ味のよいものを使用しましょう。切れ味が悪いものだと、切り口がつぶれて樹木がダメージを受けることも。また、無理な力を加えて切らなければならないため、思わぬケガの原因にもなりかねません。ただし、切れ味のよいハサミで手などを切ることもありますので、取り扱いにはご注意ください。使用後は適切な手入れをしてから片付け、切れ味を保ちましょう。 剪定ノコギリ Ocskay Mark/Shutterstock.com 剪定バサミでは切れないような硬い枝や太い枝は、剪定ノコギリを使います。目の細かいものだと奥まで切り込みが入れられないので、普通の目のノコギリがよいでしょう。 脚立 高い場所の枝を切り落とすときは、脚立があると便利です。脚立の上で作業をするため、安定して倒れにくい三脚タイプの脚立がよいでしょう。ウメの木の高さに合ったものを選びます。脚立を使用する際は、しっかりと安定していることを確かめ、安全をよく確認して作業しましょう。 高枝切りバサミ 手の届きにくい場所の枝を切る時には、高枝切りバサミがあると便利です。高い枝を切る場合や、足場が悪い場所にあるウメの木は、高枝切りバサミで剪定しましょう。持ち上げて使うので、なるべく軽く扱いやすいものがオススメです。これも剪定バサミと同じように、自分に合った大きさのものを選びます。 手袋 剪定の際は、切った枝やハサミの刃などでけがをしないよう、手袋をして行うとよいでしょう。しっかりと手を保護できるよう、厚みのあるものや頑丈なものなど、作業に適した手袋を選びます。手袋に滑り止めがついているものだと、道具を持つときも滑りづらくなるので安全に作業ができます。ただし、細かな作業をする際には、薄手の手袋のほうが手先の自由がきいて作業がしやすいので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。 ウメの剪定をする際の注意点は? ウメの剪定をする際には、次のようなことに注意して行いましょう。 ケガをしにくい服装で作業する ウメの枝は硬く、剪定には力が必要です。剪定の際は、刃物を扱うことに加え、枝の切り口が鋭く尖った枝が地面に落ちている場合があり、注意をしないとケガをする危険があります。ケガをしないように長袖、長ズボン、底が厚い靴を履くようにしましょう。また、必ず手袋を着用して剪定しましょう。 ウメは定期的な剪定が必要 TOMO/Shutterstock.com ウメの木は成長が早いこともあり、剪定せずに放置していると枝や葉が伸び放題になってしまい、樹形が乱れて見た目に悪いだけでなく、日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなる可能性もあります。花付きのよいきれいな姿を楽しむためにも、毎年定期的に剪定するとよいでしょう。少し失敗してもすぐに枝が伸びてくれるので、あまり神経質にならなくても大丈夫。ちょっと失敗したかな、と思っても、翌年にまたチャレンジしてみましょう。 正しく安全にウメの剪定を行い、美しい梅を育てよう! ウメの剪定方法は時期によって異なるため、その時々に応じた剪定方法を確認して行いましょう。剪定の際には、ケガをしないような服装を心掛け、自分に合った道具を使うことが安全のためにも大切です。正しいウメの剪定方法や注意点を理解し、美しいウメを育てましょう!
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樹木

早春に咲くコブシは美しい花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
コブシの基本情報 Judith Lienert/Shutterstock.com 植物名:コブシ学名:Magnolia kobus(Magnolia praecocissima)英名:Magnolia kobus和名:コブシ(辛夷)その他の名前:田打桜、種蒔桜、田植桜科名:モクレン科属名:モクレン属原産地:日本、韓国(済州島)分類:落葉性高木 コブシの学名は、Magnolia Kobus(マグノリア・コブス)。モクレン科モクレン属の落葉樹です。原産地は日本、韓国。昔から日本の山野に自生していることから分かるように暑さや寒さに強く、育てやすい花木の一つです。放任してもよく育つことから、公園や街路などにもよく植栽されています。樹高は8〜10mで高木に分類されますが、毎年の剪定によって樹高をコントロールすることが可能です。 コブシは葉を展開する前に、大きな花が爛漫と咲き、早春を告げるシンボルツリーとして人気が高い花木です。また、花が咲くと、爽やかな甘い香りを楽しめます。花は香料の素材として、つぼみは漢方薬、樹皮は油に利用され、古くから人々の暮らしの傍にあった樹木です。 コブシの花や葉の特徴 tamu1500/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4月上旬樹高:8〜10m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 コブシの開花期は4月上旬で、花径10cmほどの白い6弁花を咲かせます。開花時に1枚だけ葉をつけますが、目立たないので、満開になると木が雪をかぶったような姿を楽しめます。また、香料にも利用される甘やかな香りも魅力です。 開花後は、長さ5〜10cmの集合果をつけます。白い果実はだんだんピンクになり、さらに熟すと中から種子が出てきます。 コブシの葉は卵形で、10cm前後の大きさ。枝に互生につきます。 コブシの名前の由来や花言葉 Drop of Light/Shutterstock.com コブシの名前の由来は、果実が握りこぶしのような姿をしていることから。漢字で書くと「辛夷」ですが、これは中国の漢方からきています。開花によって農作を始める時期を告げる花木として、「田打桜」「種蒔桜」「田植桜」などの和名も持っています。 コブシの花言葉は「信頼」「愛らしさ」「友愛」「友情」「歓迎」など。 コブシと似た花とその見分け方 コブシには、似た花を咲かせる花木がいくつかあります。ここでは、特によく間違えられるハクモクレンとタムシバを取り上げ、見分け方についてご紹介します。 ハクモクレン Atiger/Shutterstock.com ハクモクレンは、コブシと同じモクレン科モクレン属の花木で、花姿が似ています。見分けるポイントは、花のサイズが10〜15cmほどと大きく、上向きに咲くことです。また、花弁はガクを含めて9枚で厚みがあり、チューリップのようにぽってりとした咲き姿を見せます。コブシの花弁は6枚でやや薄く、ぱっくりと開ききること、開花時に花の下に小さな葉が1枚つくことが相違点です。 タムシバ(ニオイコブシ) fotorince/Shutterstock.com タムシバもコブシと同じモクレン科モクレン属の花木です。コブシよりやや開花期が遅く、白い花弁が6枚つき、花姿はコブシによく似ています。しかし、コブシは開花するときに葉が1枚つきますが、タムシバにはつきません。また、葉もコブシが卵形なのに対して、タムシバはもっと細長く先端が尖っているのが見分けるポイントです。 コブシの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4月上旬植え付け・植え替え:1月〜3月上旬肥料:1月、5月種まき:9~10月 コブシの栽培環境 SnowMannn/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。あまり日当たりがよくない場所では、花つきが悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で栽培します。 【置き場所】コブシは水はけ・水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。樹高が高くなるので、枝葉を伸ばしたときに邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきます。根が粗くて細根が少ないため、成木になると移植を嫌うので、植える場所はよく考えてから選びましょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 コブシの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さともに約50cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また真冬は、気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付けてしっかり根付いたら、その後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。木がまだ若いうちは5月と9月中旬〜下旬、1月に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。 木が十分に大きく育ったら、毎年1〜2月と5月に緩効性肥料を追肥します。 注意すべき病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 コブシに発生しやすい病気は、うどんこ病、すす病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、樹勢が衰えます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなります。病状が進み。黒いすすが全体を覆っていくと見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定し、日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 カイガラムコブシに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、カミキリムシの幼虫などです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物からすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しておきましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤散布をして駆除してください。 コブシの詳しい育て方 苗の選び方 苗木を選ぶ際は、虫食いや病気の痕がなく、幹ががっしりとして株元がぐらついていないものを選びましょう。葉がしおれたり変色しているものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付けの適期は1月〜3月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根を切らないように根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 コブシを鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。コブシの苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根を切らないように根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。コブシの植え替え適期は開花が終わった頃の4月下旬〜5月上旬です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、あまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com 剪定適期は花後すぐで、新葉が出る前に行います。一般家庭では、樹高3〜4mまでに抑える剪定を行いましょう。コブシは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」なども元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり、風通しがよくなるように、透かし剪定をします。勢いよく長く伸びている徒長枝は、下から3〜4節残して切ると、花芽をつける短枝が出やすくなります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com コブシは、種まきで増やすことができます。 コブシは開花後に果実をつけ、熟すと中から種子が出てきます。種子が出てくる前に切り取って陰干しし、数日後に果実が裂けて出てきた種子を採取します。果肉を取り除いて流水できれいに洗い流し、そのまま種まきしましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。コブシの種子を黒ポットに数粒まいて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。春に発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 コブシは花や実が食用になる tamu1500/Shutterstock.com コブシのつぼみや花は、酢のものや揚げもの、サラダなどにして食べることができます。開花直前のつぼみを採って、陰干しした後にティーにしてもOK。つぼみまたは果実を、氷砂糖を入れたホワイトリカーにつけた後に取り出し、熟成させると花酒・果実酒が楽しめます。食用にする場合は、農薬の散布に注意しましょう。 コブシの花が咲かないときの原因と対処法 Irina Borsuchenko/Shutterstock.com コブシの花がうまく咲かないというケースもあるようです。ここでは、その原因と対処方法についてご紹介します。 隔年開花が起こったから 隔年開花とは、満開になった次の年はほとんど花が見られなくなり、開花する年と開花しない年が交互にやってくる現象をいいます。これは、花の咲きすぎが原因。過剰な開花によって木が消耗し、エネルギー不足になって翌年は咲かなくなってしまうのです。隔年開花の傾向がある場合は、秋から冬にかけて花芽を確認し、多すぎるようであれば花芽を摘んで減らしておくとよいでしょう。 剪定時期が悪かったから コブシは4月上旬に開花した後に枝葉をぐんぐん伸ばし、7月頃には翌年に咲かせる花芽を形成します。そのため、7月以降に剪定するとせっかくついた花芽を切ってしまうことになり、開花が少なくなるので注意します。したがって、剪定は開花後すぐに行うのがよいのです。もしくは、11月〜翌年3月には花芽がはっきり分かるようになるので、その時期に花芽を落としすぎないような剪定をするとよいでしょう。 コブシを植えて春に花を楽しもう tamu1500/Shutterstock.com 白い花を爛漫と咲かせて春を告げるコブシは、高木になるため庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。もともと日本に自生してきた樹木なので、放任してもよく育ち、手間いらずでビギナーにもおすすめです。ぜひ庭に植栽して、見応えのあるシーンを演出してはいかがでしょうか。
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クラフト

春のインテリアに飾りたい! ミモザのリース。作り方&花を長持ちさせるテクニック
可愛い花が人気のミモザ 早春に、明るい黄色の花を咲かせるミモザ。ガーデンで育てるミモザのお話は、『オージーガーデニングのすすめ 春を告げる「アカシア(ミモザ)」』をお読みいただくとして、ここでは、花屋さんで見つけたミモザを長持ちさせる「水揚げ」方法と、一枝使ったリースの作り方を2タイプご紹介します。 花瓶に飾る前にやっておきたい、ミモザの「焼き揚げ」 ミモザは樹木なので、ほかの草花よりも水の吸い上げが弱く、切ってそのまま水に入れておくだけでは、花がしおれることが多くなります。そこで、花を買ったらまず「水揚げ」をしっかりして、花を長持ちさせましょう。まず、枝の切り口を斜めにカットし、次に、2〜3回縦に切れ込みを入れます。もし小槌などがあれば、切った部分の枝の繊維を少し崩すイメージで叩きます。 次に、水がたっぷり入る花瓶に、あらかじめ水を入れたら、キッチンのガスコンロなどで切った枝の先端を軽く炙って、すぐ水の中へ。枝の先端を焼いて水揚げすることを「焼き揚げ」といい、バラやアジサイ、ピオニー(ボタン)などの枝や茎が太い花などの水揚げに効果的な方法です。 ミモザの枝を使って、簡単リース作りに挑戦! 花瓶に活けていたミモザは、何日かすると次第に花がしぼんできます。そのまま水に活けていても枯れてしまうので、今度はリースにして、ミモザのドライを楽しみましょう。 作り方は簡単! ワイヤーや太めの紐で枝の両端を結び、ミモザを輪っか状にします。枝をとめたワイヤーで輪を作り、壁のフックなどに吊るしましょう。 ふわふわの花は次第にしぼんできますが、空気が乾燥しているこの時期は、きれいにドライになるので、1カ月ほどミモザのかわいさを身近に楽しむことができますよ。 花穂をたっぷり使った黄色のリース作り 上でご紹介したひと枝のリースになるような長い枝がない場合は、ミモザの花穂だけを切り取ってリースにするのも素敵です。用意するのは、ミモザの枝、藤やつるなどで輪になったリースベース、細いワイヤー、ペンチ、ハサミです。 1.仕上がった後に壁などに飾るために輪っかを1カ所作ります。 2.ミモザの枝から花穂(小花が並んで咲いている茎のこと)を1本1本切り取ります。 3.お皿などに同じ向きで花穂を並べて、リースベースに足りる程度の本数(直径10cm程度のリースベースに対して50本以上が目安)を用意します。ミモザの銀色の葉も最後にアクセントとして使うので、切り取っておきましょう。 4.ワイヤーの端をリースベースに一度結びとめたら、花穂を2〜3本リースベースに載せて、ワイヤーを巻きます。 5.先にとめた花穂のワイヤーが隠れるように意識しながら、次の花穂を載せてはワイヤーで巻くことを繰り返します。 6.リースベースが隠れるように作業を進めましょう。 7.リースベースが隠れるまで花穂をとめ終わった裏側。ワイヤーを巻く間隔は1.5〜2cmにすると、花穂の密集度がほどよくおすすめです。 8.間に葉っぱを挟み込んでも、変化が出てよいですよ。 9.部屋のドアや壁、絵のフレームの角にひっかけるなどして、飾りましょう。見慣れた室内が、ミモザの黄色でパッと明るくなります。 ミモザは、ベランダなどで鉢植えにしても育てることができます。自分で育てれば、咲いた分を好きなだけリースやスワッグにすることができます。たくさん咲いたら、お友達にもリースをプレゼントしませんか? 花がある暮らしの楽しみを知る仲間が増えますよ。
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ガーデン&ショップ

吉谷桂子さんのガーデン「the cloud」から学ぶ“ナチュラリスティックな庭づくり”③ 〜おすすめプランツ〜
適地適草でレイアウトを植物の性質を調べておこう 「the cloud」は西向きの庭で、背後は神宮の森がそびえて朝日がまったく当たらない。夏の太陽がもっとも厳しくなる左側のエリアは西日や乾燥に強い植物で、黄色やオレンジの花が咲くものが多い。高木の北側にあって日照時間が短い右側のエリアは、半日陰を好む日本の在来種で、ピンクや白の花が咲くものが多い。 ロングライフ・メンテナンス・フレンドリーを目標とした、今までにないガーデン制作を行っている吉谷さん。これまでの経験を活かし、高温多湿に耐えられる日本の在来種を取り入れているのもこのガーデンの特徴です。ただ、長生の植物はゆっくりと育つので、見応えと順応性が最終的に分かるのは3年後と考えて、作庭から1〜2年目は、華やかさが出る短命の宿根草や、初年度からたくさん花が咲く一年草も加えています。 上左/ややしっとりとしたエリアを彩る、ヒオウギとカラマグロスティス‘ゴールドタウ’ (7月)。上右/ベンチ+パーゴラ裏で視線が抜けるのをストップ。ルドベキア・マキシアとヒヨドリバナ(7月)。下/シードヘッドになったペンステモン‘ダコタバーガンディ’の銅葉が植栽に深みを与えつつ、引き締め役として活躍(11月)。 また、吉谷さんにとって丈夫で絶対確実な植物だけでなく、ヨーロッパなら大丈夫だけれど、ここではちょっとどうかな? というチャレンジングなものも入れています。 「全体の約2割がチャレンジプランツです。植物の魅力を知るには常にトライ&エラー。環境への順応は試してみないと分からないし、 ガーデニングは自然との共存について学べる大切なチャンスです。 失敗は決して無駄にはならないはず。いろいろと可能性を考えてトライしてみて」。 最大の合い言葉は「適地適草」まずは、植物の性質を調べておこう! 「植物のセレクトとその配置には理由があり、好きな植物をなんとなく植えてはダメ。簡単ではないかもしれないけれど、エコロジーとデザイン両面の適地適草を前提に、美を備えながら気候の変動にも耐えて長生、行儀のよい植物を見極めて」と吉谷さん。 美しい自然な風景を作るには、「植える場所の環境」と「植物の特性」を把握し、『RIGHT PLANT, RIGHT PLACE (適材適所・適地適草)』で花壇に落とし込むことが大切です。 【チェックポイント】 ・丈夫で風土環境に合っているか?(ただし侵略的でないこと)・四季を通して行儀がよいか?(暴れにくい、倒れにくい、花枯れ後の姿が汚くない・シードヘッドも魅力的であること) ① なるべく長期間生きて、その地に順応するか、花が咲くか?(翌年以降も持続して美しい草姿で、花が咲くこと)② 生物多様性、蜜源植物としても役立ち、病害虫に強いか?(命の循環、病害虫に侵されてもまあまあ復活できること。益虫もやってくるとよい) ふわっとして、エアリーなグラスや、蜜源花の代表、バーベナ・ボナリエンシス。その少し下で花後のアガパンサスやエキナセアのフォルムがアクセントに。その下方手前でアガパンサスの葉群やベンケイソウが植物の株元をしっかりガード/9月 ‘the cloud’で重宝した代表的な植物 36選 ガーデンでさまざまな役割を担った、メンバーの一部をご紹介します。ここで取り上げていない植物たちも、それぞれにいい役割を果たしています。 ■細い葉が魅力のグラス類 透け感抜群。軽やかな穂が風に揺れ、植栽の上部分(奥)で、表情豊かなナチュラル感を強めてくれます。 左/ディスカンプシア‘ゴールドタウ’ 中/ミューレンベルギア・カピラリス 右/パニカム‘ヘビーメタル’ 左/ディスカンプシア‘ゴールドタウ’イネ科草丈:約80cm特徴:穂の観賞期は初夏から。たくさん穂を上げ、細かい黄褐色となる。秋には穂が乾いて色が抜け始めるが、冬も楽しめる。ほかのグラスとは異なり多湿を好む。常緑~半常緑性。 中/ミューレンベルギア・カピラリスイネ科草丈:60~90cm特徴:夏~秋にかけて丈のあるピンクの花穂が大人気。初めはつややかだが、冬には色あせる。丈夫で大きく育つので根の張るスペースが必要。日照・風通し、根張りの場所が制限されると倒れやすく、花穂も上がりにくくなることも注意。 右/パニカム‘ヘビーメタル’イネ科草丈:約160cm特徴:葉がまっすぐに直立する姿はオーナメンタルな存在感がある。葉色は、夏まではメタリックなブルーグリーン、秋に上がる繊細な穂と葉は黄金色に変化して直立性も高い。 左/メリニス‘サバンナ’ 中/カラマグロスティス‘カールフォースター’ 右/カラマグロスティス・ブラキトリカ 左/メリニス‘サバンナ’イネ科草丈:約50cm特徴:ブルーグリーンの葉と秋に葉や穂が赤くなるのも魅力的。丈が高くならず、株もコンパクトにまとまるので狭小地でも楽しめるが、こぼれ種で増えるので、コントロールが多少必要なことも。 中/カラマグロスティス‘カールフォースター’イネ科草丈:100~150cm特徴:葉茎、穂が直立する、ナチュラリスティックガーデン代表のグラス。5月頃から上がるすっきりとしてスリムな穂が魅力。穂が出たあと徐々に黄金色に変わり、冬枯れの姿もオーナメンタルな趣がある。 左/カラマグロスティス・ブラキトリカイネ科草丈:約80cm特徴:日本名はノガリヤス。葉はグリーンで柔らかく扇状に弧を描く。羽根のように膨らむ穂は、はじめは明るいグリーンで徐々にシルバー~クリーム色へと移ろう。倒れにくく丈夫。 ■ボールドで頼りになるアガパンサス 巨大花からコンパクトものまで多種あるヒガンバナ科の球根植物。高温化の夏に負けない頼もしい植物で、‘the cloud’では8種類も植えています。美しい花を咲かせることに加え、常緑の葉が低い位置(花壇の手前)をがっしりカバーする役割も。 左/アガパンサス‘クイーンマム’ 中/アガパンサス‘サマーラブ’ 右/アガパンサス‘ポッピンパープル’ 左/アガパンサス‘クイーンマム’草丈:50~70cm花期:初夏特徴:超巨大多花性タイプで、白花を咲かせる花房は約25cmにもなる。ボリュームたっぷりに花をつけるので華やかな印象。 中/アガパンサス‘サマーラブ’ 草丈:約50cm花期:初夏~秋特徴:葉が細く花首がさほど伸びないコンパクトな品種。花色は白と青があり、春から秋まで咲く四季咲き性タイプ。 右/アガパンサス‘ポッピンパープル’草丈:30~60cm花期:初夏~初秋特徴:ほかの品種よりも株はコンパクトで半常緑性。花色は濃紫で花つきがよく、大人っぽい雰囲気が漂う。 ■日陰気味・湿り気味の場所を彩る植物 ほかの場所とは異なる、しっとりとした趣も出してくれます。 左/アネモネ‘アンドレア・アトキンソン’ 中/シュウメイギク‘パミナ’ 右/アスチルベ 左/アネモネ‘アンドレア・アトキンソン’キンポウゲ科草丈:80~120cm花期:夏~秋特徴:アネモネの仲間でシュウメイギク系のハイブリッド品種。純白の花を夏から秋と長期にわたり咲かせる。耐寒性は強く半日陰向き。土壌が肥沃すぎると徒長して倒伏する場合がある。 中/シュウメイギク‘パミナ’キンポウゲ科草丈:約80cm花期:秋特徴:華奢に見えるが花穂は高くならず、株はややコンパクトで倒れにくく丈夫。発色のよい濃いピンクの花は半八重咲き。 右/アスチルベユキノシタ科草丈:90〜120cm花期:初夏特徴:春に白やピンクの細かい花を穂状につける。夏以降に茶色く枯れた花穂をそのまま残しておくと、オーナメンタルな姿が楽しめる。 ■日本在来種、もしくは古くから親しまれてきた植物 日本の風土に合っていて、とにかく丈夫! 左/ミソハギ 中/オミナエシ 右/ヒヨドリバナ 左/ミソハギミソハギ科草丈:50~100cm花期:7~9月特徴:日本各地の湿原や田の畔などに生えている植物で、湿り気のある土地を好む。やや木質化する茎に、鮮やかなマゼンタピンクの花を穂状にたくさんつける。 中/オミナエシオミナエシ科草丈:60~100cm花期:8~9月特徴:秋の七草の一つで、黄色い小花を平らな散房状にたくさん咲かせる。低い場所で葉を広げるので、雑草が広がりにくい。 右/ヒヨドリバナキク科草丈:40~120cm花期:8~10月特徴:茎の上部の散房状花序に、白色または淡紅紫色の頭花を密につける。山地の林縁に多く自生。野趣にあふれる。 ■銅葉が美しいもの ダークな葉色がナチュラルな植栽をぐっと引き締めてくれます。 左/ベルゲニア‘ダークマージン’ 中/ペンステモン‘ハスカーレッド’ 右/ペンステモン‘ダコタバーガンディ’ 左/ベルゲニア‘ダークマージン’ユキノシタ科草丈:約40cm花期:春特徴:革のような質感で光沢のある厚い常緑葉。春~秋は葉縁に赤い縁取りが入り、晩秋以降は葉全体に赤みが濃くなる。花色はピンク。 中/ペンステモン‘ハスカーレッド’オオバコ科草丈:80~100cm花期:初夏特徴:ブロンズ色の葉がカラーリーフとして楽しめ、白花とのコントラストが魅力。春の芽吹きはより濃色で、花後は暗い緑色になる。タネもシックな印象。 右/ペンステモン‘ダコタバーガンディ’オオバコ科草丈:約60cm花期:初夏~秋特徴:光沢のある赤みがかったダークな葉に、濃ピンクがにじむ花をつける。ペンステモン‘ハスカーレッド’よりも葉が赤黒く、コンパクトな品種。 ■彩りが寂しい春先に毎年咲き続ける小球根 一度植えれば、毎年グラウンドカバーとしても活躍しながら、愛らしい花色で春の到来を告げてくれます。 左/イフェイオン‘アルバートキャスティロ’ 左/シラー・シビリカ 右/スイセン‘テタテート’ 左/イフェイオン‘アルバートキャスティロ’ユリ科草丈:10~20cm花期:早春特徴:可憐な白い星形の花をいっぱいに咲かせる。植えっぱなし可能でグラウンドカバーにも最適。細い青々とした葉は初冬から展開して花後に休眠し、地上部は枯れる。 左/シラー・シビリカユリ科草丈:10~15cm花期:早春特徴:ベルのように下垂した花は非常に可憐で房状に咲く。花色は白と青紫。緑の細い葉は開花前に展開する。 右/スイセン‘テタテート’ユリ科草丈:20cm花期:早春特徴:鮮やかな黄色の愛らしい花を咲かせるコンパクトなスイセン。早春の植栽ににぎやかさを与えてくれる。 ■シードヘッドが楽しめるもの ユニークな造形が、秋の風情を深めてくれます。 左/エキナセア‘マグナススーペリア’ 中/ヒオウギ 右/ルドベキア‘リトルヘンリー’ 左/エキナセア‘マグナススーペリア’キク科草丈:60~150cm花期:初夏~初秋特徴:ライラックピンクの花弁×赤い花心の組み合わせが鮮やか。花径が大きく、夏の植栽に元気な存在感を与えてくれる。花心が乾いて残る。 中/ヒオウギアヤメ科草丈:40~100cm特徴: 夏特長:夏の花も扇形に立ち上がる葉姿も、どちらも美しい。また、秋に風船のような種袋ができ、それが割れると中から真っ黒なタネが現れるところも非常に魅力的。万葉の昔はそれを‘ぬばたま’と呼んだ。 右/ルドベキア‘リトルヘンリー’キク科草丈:60~90cm花期:初夏~夏特徴:筒状の細長い花弁がユニークで、茶色い花心とのコントラストが愛らしい。半日陰でも咲く丈夫な小型種。蝶を呼ぶ。 ■オーナメンタルに花が楽しめる球根 細い柄に花房がつき、風に揺れる浮遊感も楽しめます。 左/アリウム‘パープルレイン’ 中/アリウム・シューベルティー 右/トリテレイア‘シルバークイーン’ 左/アリウム‘パープルレイン’ネギ科草丈:約60cm花期:春特徴:鮮やかな赤紫の星形の花を放射状につける、植えっぱなし可能な丈夫なアリウム。早咲き種。 中/アリウム・シューベルティーネギ科草丈:30~50cm花期: 初夏特徴:ネギ坊主が花火のようにパッと広がる巨大輪のピンクのアリウム。放射状に広がる花柄はそのままの形で乾いて残る。 右/トリテレイア‘シルバークイーン’ ユリ科草丈:30~40cm花期:初夏特徴:針金のように細い茎に、ラッパ形の白い花をたくさん咲かせる。掘り上げなくても毎年植えっぱなしでよく開花する。 ■暑さと干ばつにも強いストレスフリーな宿根草 昨今の酷暑を乗り越える性質を備えながら見応えがある頼もしい種類です。 左/アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’ 中/アリウム‘サマービューティー’ 右/セダム(ハイロテレフィニューム)‘オータムジョイ’ 左/アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’シソ科草丈:約80cm花期: 夏~秋特徴:シソの穂を細かくしたような花穂をたくさん上げ、淡いブルーの花を長期にわたり咲かせる。花後は花穂がシードヘッドになり、秋から冬の間も見応えたっぷり。 中/アリウム‘サマービューティー’ネギ科草丈:20~40cm花期:夏特徴:小型のアリウムで、球形・ピンク色の花をつける姿はチャイブに似ている。厚めの葉をたくさん展開し、グラスのよう。暑さに強い。 右/セダム(ハイロテレフィニューム)‘オータムジョイ’ ベンケイソウ科草丈:30~60cm花期:晩夏~秋特徴:丈夫な茎が立ち上がり、多肉質な葉を広げながらこんもりと育つ。花はピンクからローズピンクに移ろい美しい。ほぼ水やりは要らず、肥えていない土=貧しい栄養環境だとうまく育つ。また、西日の厳しい場所に植えるのに向いているが、少し湿り気があるところだと巣蛾(すが)でダメージを受ける場合がある。 ■グラウンドカバーで活躍する宿根草 表土を隠し、雑草防止や乾燥予防に役立ちます。 左/セラトスティグマ 中/エリゲロン・カルビンスキアヌス 右/リッピア・カネスケンス 左/セラトスティグマ(ルリマツリモドキ)イソマツ科草丈:30~60cm花期:夏~秋特徴:1~2cmのコバルトブルーの花が次々と長い間咲き続け、茎葉をこんもりと密生させながら、株は横に広がるように成長する。秋には紅葉も楽しめる。 中/エリゲロン・カルビンスキアヌスキク科草丈:10~30cm花期:春~秋特徴:小輪多花性で、長期間咲き続ける。咲き始めは花弁が白く徐々に赤みを帯びていくので、2色咲いているように見える。性質も強い。 右/リッピア・カネスケンスクマツヅラ科草丈:10~30cm花期:春~秋特徴:地面を這うように成長して広がり、各節から根を根付かせながら密に地面を覆う。また、白やピンク色の花を次々に咲かせる。 ■ふわりと間をつないでくれる一年草(一年草扱いの宿根草) 一年草や短命な宿根草は、春の庭に早くから花を咲かせます、成長が早く、しかもこぼれ種で増えるので、侵略的ではないタイプを選んで(オルラヤなどは増えすぎた場合のコントロールが大変なので場所を選ぶとよい)。 左/ニゲラ・ダマスケナ 中/セントランサス・コキネウス アルバ 右/バーベナ・ボナリエンシス 左/ニゲラ・ダマスケナキンポウゲ科(一年草)草丈:40~90cm花期:春特徴:白や青、ピンクなどの花弁のような萼片も、ふわふわとした糸状の葉も花後の風船形のシードヘッドも魅力的。一年草ながら開花前から開花後まで見頃が長い。こぼれ種から出る糸葉の新芽は雑草との見分けがつきやすいので、コントロールがしやすい。 中/セントランサス・コキネウス アルバオミナエシ科(一年草扱いの宿根草)草丈:約60cm花期:春特徴:ベニカノコソウの白花種で小花が集まって咲く。花つきが非常によく、こんもりと茂ると見応えたっぷり。宿根草で、環境に合えば温暖地の場合は常緑で冬越しする。短命だがこぼれ種で増える。 右/バーベナ・ボナリエンシスクマツヅラ科(一年草扱いの宿根草)草丈:70~100cm花期:初夏~秋特徴:強健で自立性が高く細長い茎が分岐した先に、紫の小花を咲かせる。昆虫たちにも人気が高くタネもできやすいので、適度に軽めの剪定をして、花を長く咲かせながら株の状態を保つとよい。日当たりがよく、少し乾き気味な環境を好み、条件が合えばこぼれ種でよく増える。冬越しした株は翌年も開花する。 『ガーデン・メリット』がある植物を選ぶ意味 「“花の美しさや愛らしさ”はガーデンプランツを選ぶ上で重要な選択肢となりますが、それにプラスして、芽出しの時期から枯れるまで、ずっと庭景色に魅力を与えてくれる『ガーデン・メリット』がある植物を選ぶことも大切です。 それを見極めるには、一度やってみる。失敗しながらも発見を楽しむ。“トライ&エラー”の精神で挑んでください。年を追うごとに経験値を積んでいけば、人生はきっと充実するはず。エコロジーにあった、強く美しい植物の存在を知ることは、私たちの心を癒やし、人生を豊かにしてくれる“庭”の可能性を広げてくれますよ」と吉谷さん。 連載4回目となる次回は、「ガーデン環境整備」についてご紹介します。
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ベランダガーデニング

ベランダガーデニングを始めよう! はじめてでも快適に楽しむ5つのコツ
コツその1:ベランダの特徴を知る ベランダで植物を育てる前に、広さや環境などについて把握しておきましょう。ベランダが向いている方角や風の強さ、日当たり具合などに合わせて植物を選ぶことが成功の秘訣です。この項目では、ベランダの特徴について確認すべきポイントをご紹介します。 植物を置くスペースを確認する Ashley-Belle Burns/Shutterstock.com ベランダには一般に室外機があり、洗濯物を干す場所やベランダで使うグッズの置き場所も必要です。それらと住み分けてガーデニングを楽しむなら、どれくらいの広さを確保できるか、まずはチェックしてみましょう。 室外機は見逃しがちなポイントですが、給気や排気を円滑にするためにも、周囲には植物を置かないようにしましょう。植物にとっても、常に風が当たり続ける環境は好ましくありません。 また、洗濯物を干すスペースと、ガーデニングを楽しむスペースはしっかり区分けしておきたいものです。洗濯物の近くにバラなどトゲのある植物があると、洗濯物を引っかけて傷める原因になることも。それに、植物につく虫が洗濯物に移って、たたむ時にイモムシが出てきて悲鳴をあげるということもありがちです。 ガーデニングスペースをどのくらい確保できそうか、どのくらいの大きさの鉢やプランターを置けそうか、メジャーを使って幅や高さを測り、あらかじめしっかりイメージしておきましょう。 日当たりや風通しを確認する pikselstock/Shutterstock.com 植物にとって日照や風通しは、生育条件の大切な要素となります。季節やベランダの向きによっても異なるので、実際にどのくらい日が当たるのか、事前に把握しておきましょう。 東向きのベランダでは、午前中に光が差す程度ですが、近年の夏の暑さを考慮すると、じつはベストな環境。午前中のみ直射日光が差す程度の環境でも、植物は一年を通して十分に育ちますよ! 南向きのベランダは、日当たりがよく植物が生育しやすい恵まれた環境です。しかし、熱がこもりやすく、夏場は一日中日差しが届くために植物が弱ってしまうことがあります。その場合は日除けを設置するなどの工夫が必要です。 西向きのベランダの場合、夏は特に暑さに弱い植物の栽培はNGですが、逆に冬は暖かいというメリットがあります。植物によっては西日が当たる環境を嫌うものがあるので、日除けを設置するなどの工夫が必要です。 北側のベランダでは、日差しがあまり望めないので、半日陰や日陰で育つ植物を選び、カラーリーフプランツなどを使って瑞々しく演出するとよいでしょう。 風通しについては、ベランダや屋上は、植物の栽培には適した環境です。ただし、上階にいくほど風が強くなるので、常に強風が吹きつける場合は対策が必要ですし、建物によってはガーデニングが禁止されているケースもあります。 排水口の位置を確認する Mr.keng/Shutterstock.com ベランダでガーデニングを楽しむ場合、水やりのたびに水が流れたり、雨風が吹き込むので、気をつけていても土や枯れ葉などが排水口の周囲にたまりやすくなります。まず、排水口が手入れのしやすい場所にあるか、確認しておきましょう。マンションなどでは、2、3戸に1個しか排水口がない場合もあり、配慮を欠くと泥水や枯れ葉が排水口のある隣家にたまってしまい、トラブルの原因になりかねません。自身のベランダに排水口がない場合でも、風雨により隣家にゴミがいかないように金網やゴミ取りネットを付けるなどし、またこまめに掃除を心がけて、迷惑をかけない工夫が必要です。 コツその2:ルールを守る shigemi okano/Shutterstock.com ベランダでガーデニングを楽しむ場合、アパートやマンションのルールを守ることが大前提です。ほとんどのマンション・アパートの場合、ベランダは「共用部」であり、個人の所有スペースというわけではありません。まずはお住まいの管理規約をチェックし、許される範囲で楽しむことが大切です。 一般的には、緊急時に蹴破って避難できるように設置されている仕切り壁や、階下とつなぐ緊急用はしごが装備されているハッチをふさぐように物を置くことはできません。仕切り壁にラティスでカバーしてディスプレイ用にアレンジしたり、ハッチの上に鉢を飾ったりということは禁止事項なので、注意してください。 また、鉢やハンギングバスケットを落下の危険がある位置には飾らない、水やりや薬剤散布は隣近所に配慮する、土埃や枯れ葉、花がらなどが近隣に飛ばないようにし、掃除をまめにする、などの配慮も心がけましょう。 コツその3:ベランダガーデンのデザインを決める 1鉢での栽培から始めて、少しずつお気に入りのデザインの鉢やアクセサリーを増やしてきたけれど「全体で見ると、なんだかまとまりがなくて落ち着かないなぁ」という悩みをもつビギナーさんが多いと聞きます。まずは目指すベランダガーデンのスタイルのイメージを固めることから始めるのが成功の秘訣。この項目では、ベランダをトータルコーディネートするポイントをご紹介します。 好みのガーデンのイメージを決める boyphotos/Shutterstock.com まずは、ベランダガーデンをどんなスタイルでまとめたいのか、イメージを明確にすることから始めましょう。ナチュラルスタイルなのか、大人かわいいシャビーシックなのか、雑貨を多めにしたポップな雰囲気なのか……。 室内のインテリアをコーディネートするのと同じで、目指すスタイルを明確にすると、素材も絞られてきますね。ナチュラルスタイルにしたいなら、ウッドやバスケット、ラフィアなどの自然素材でコーディネートする、シャビーシックならアンティークやエイジング加工をした素材を取り入れるなど、方向性が定まってきます。 これといったイメージが浮かばなければ、インターネットで画像検索したり、ガーデニング雑誌を読んだりして、「こんなベランダにしたいな」と、気に入ったもののスナップを集めて、目を肥やしていくとよいでしょう。 デザインの基礎となる床材を決める swissdrone/Shutterstock.com ベランダガーデンでは、床材を取り入れるのは不可欠だといって差し支えないでしょう。マンションやアパートのベランダの多くは、床はコンクリートやモルタルなどで整えられています。コンクリートは熱を伝えやすい性質ので、夏に強い日差しを受けると非常に温度が高くなり、蓄熱すると冷えにくい性質があります。また寒い冬には、外気が伝わって大変冷たくなります。このコンクリートに真夏・真冬に鉢植えを直置きすると、植物に負担のかかる悪い環境となるのです。そのため、床には断熱効果のあるウッド素材のパネルを敷き詰めるのをおすすめします。ウッド素材はカラートーンに幅がありますし、使いたい色があれば、自身でペイントしても素敵ですね。 フロアパネルの素材は、ほかにもタイルや人工芝など多様ですが、植物に熱を伝えやすいという点では同じです。「スタイルの統一のためには、気に入った資材を使いたい」という場合は、コンテナスタンドやハンギングを利用したり、底にレンガなどをかませて直置きを避けたりといった工夫をするとよいでしょう。 置けるプランターや鉢の総量を決める TG23/Shutterstock.com ベランダのサイズを測って床材を敷いたら、そこに配置する植物をイメージし、全部でどれくらいの鉢やプランターを置けそうか、プランニングしてみましょう。 ベランダには耐荷重があり、重い資材や鉢を多数置くと建物に負担がかかります。なるべくアイキャッチとしてポイントごとに配置し、できるだけ軽量になるようにしましょう。紙にラフに配置図などを書き込んでイメージを膨らませるのもいいですね。高さのある樹木を置いたり、つる植物や枝垂れる植物を使って広い面積を緑化したり、小さい鉢やハンギングバスケットを配したりと、高低差のある変化に富んだ植栽がおすすめです。 コツその4:何を植えるのかを決める Franz Peter Rudolf/Shutterstock.com ベランダガーデニングでは、どんな植物を植えるべきでしょうか? それはもちろん、まずはお気に入りの花を咲かせる植物を選んでください。でも、ベランダや屋上の場合は鉢栽培が基本で、気候や環境にあまり恵まれないケースも多いもの。お気に入りの植物はベランダや屋上の中でも一番条件のいい特等席に配置し、そのほかは脇役として活躍する、環境に馴染みやすい植物を選ぶのも一案です。この項目では、ベランダや屋上などに向く、丈夫で乾燥に強いおすすめの植物をご紹介します。 ベランダガーデニングにおすすめの草花 ベランダで育てやすい草花には、以下のようなものがあります。ぜひ参考にしてください。 【パンジー・ビオラ】 Nick Pecker/Shutterstock.com スミレ科の一年草。寒さに強く、開花期は10月下旬〜5月中旬と長く楽しめます。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、複色など。品種が多様で選ぶ楽しみがありますよ! 草丈は10〜30cmで、こんもりと茂って風を受け流してくれます。 【スイートアリッサム】 Nonchanon/Shutterstock.com 本来は多年草ですが、高温多湿に弱く、日本の暑い夏を乗り切れずに枯死するので、一年草として扱われています。開花期は9月下旬〜12月下旬、2月上旬〜6月上旬で、花色は白、ピンク、紫、オレンジなど。一つひとつの花は小さいのですが、集まって咲くので色のかたまりとなってよく目にとまります。草丈は10〜15cmで這うように広がり、強風の影響をあまり受けません。 【インパチェンス】 Tanya_Terekhina/Shutterstock.com 開花期は5月〜11月上旬の一年草です。花色は白、赤、ピンク、オレンジなど。草丈は15〜40cmで、茎葉を低くこんもりと茂らせるので、あまり風の影響を受けません。半日陰でも育ちます。 【ベルフラワー】 Rummiya Vilaithong/Shutterstock.com キキョウ科の多年草で、開花期は4〜5月。花色は紫で星形の愛らしい花をたくさん咲かせます。草丈は10〜15cmで密に茂り、強風も受け流してくれます。暑さにはやや弱い性質ですが、環境に合えば毎年開花してくれます。 ベランダガーデニングにおすすめのハーブ 【ローズマリー】 WindAwake/Shutterstock.com シソ科の常緑低木で、樹高は30〜200cmと品種によって異なるので、あまり高くならないものを選ぶとよいでしょう。乾燥に強いので、ベランダでの栽培に向いています。少し触れただけで爽やかな香りが立ち、癒やされますよ! 肉料理の香りづけにおすすめのハーブです。 【バジル】 DarwelShots/Shutterstock.com シソ科の一年草。植え付け適期は5月頃で、収穫適期は6〜8月。草丈は20〜25cmと、あまり場所をとらず丈夫な性質なので、初心者にもおすすめ。ひと枝切り取って水に挿しておくと1週間ほどで発根するので、手軽に増やすこともできます。イタリア料理に重宝。 【イタリアンパセリ】 Stephen Orsillo/Shutterstock.com セリ科の二年草。植え付け適期は4月上旬〜5月下旬、9月頃。草丈は20〜25cmで、葉がついている間は常に収穫できます。サラダやスープなどの香りづけに重宝します。 【シソ】 Kittisak Chysree/Shutterstock.com 代表的な和のハーブ。シソ科の一年草で、植え付け適期は5〜6月。草丈は30〜40cm。地植えでは虫がつきやすい植物ですが、ベランダなど風通しがよい環境では虫の害は少ないほうです。収穫は6月下旬〜8月。若いうちに摘心を繰り返すほど、枝数が増えてこんもり茂ります。薬味に最適。 ベランダガーデニングにおすすめの野菜 ■果菜類 【ミニトマト】 maruco/Shutterstock.com ナス科の一年草で、植え付け適期は5月上旬。苗は小さいけれど、人の背丈以上に大きく成長するので10号ほどの大鉢に植え付けましょう。茎葉を旺盛に伸ばすので、誘引しながら育てることになります。収穫期は7〜8月。上手に育てれば100個以上の収穫も可能です。 【枝豆】 nnattalli/Shutterstock.com マメ科の一年草。植え付け適期は5月中旬。大型のプランターに3株ほど植え付けます。肥料を与えすぎると茎葉ばかりが茂って実りが悪くなるので注意します。収穫期は7月上旬です。 【イチゴ】 Taras Garkusha/Shutterstock.com バラ科の多年草で、一度植え付ければ毎年収穫できます。植え付け適期は10月頃で、標準タイプのプランターに3株ほどを目安に植え付けましょう。根元のクラウンを埋めずに浅植えにすることがポイント。3月下旬に開花し、5月下旬〜6月上旬に収穫できます。 ■葉菜類 【コマツナ】 Ryoko Fujiwara/Shutterstock.com アブラナ科の一年草。種まきの適期は3月中旬〜10月で、収穫適期は5〜12月。標準サイズのプランターに条(すじ)まきにし、間引きながら育てます。種まきから約1カ月で収穫できるので、適期に何度かに分けて種まきすれば、長く収穫ができます。 【春菊】 lzf/Shutterstock.com キク科の一年草。種を3〜4月に播くと5〜6月に収穫でき、9〜10月に播くと11〜12月に収穫できます。プランターに種を条まきし、間引きながら育てます。収穫の際は抜き取らずに、外葉から必要な分だけ折り取ると、再び新しい茎葉が出て長く収穫できます。 コツその5:自分が素敵だと思うものと組み合わせる Anna Nahabed/Shutterstock.com 「ベランダガーデニングでは、環境に合う植物を選びましょう」といっても、「あまり気に入ってはいないけど、環境に合うから育てている」ということでは、楽しさが半減してしまいますよね。 前項の最初に述べたように、まずは好きな植物を選んでください。植物は生命力が強く、環境に合わなくても順応していくことがあるので、成長を見守ってみましょう。それでもうまく育たないようであれば、似たタイプの植物を探したり、まったく性質の異なる植物を選んでみたりと、いろいろチャレンジしてみてください。「失敗しないガーデニング」よりは、トライ&エラーを繰り返して、植物にだんだん詳しくなっていくプロセスも楽しいものですよ! ベランダガーデニングに王道なし! 自分だけの素敵な空間を作ろう HelloRF Zcool/Shutterstock.com ベランダガーデニングは、千差万別。収穫できる植物を育てたいのか、テーブル&チェアを置いてくつろぎの空間を演出したいのか、開花リレーをさせていつも花でいっぱいのコーディネートをしたいのか……。ベランダをどう演出するかは、個人の趣向次第。レイアウトやデザインをしっかり計画し、世界に一つだけの素敵なベランダガーデンを目指しましょう。
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樹木

サンシュユは早春の花や秋の実が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
サンシュユの基本情報 High Mountain/Shutterstock.com 植物名:サンシュユ学名:Cornus officinalis英名:Japanese cornel、Japanese cornelian cherry和名:サンシュユ(山茱萸)その他の名前:ハルコガネバナ、アキサンゴ科名:ミズキ科属名:ミズキ属原産地:中国、朝鮮半島分類:落葉性高木 サンシュユの学名は、Cornus officinalis(コーナス・オフィシナリス)。ハルコガネバナ、アキサンゴの別名も持っています。ミズキ科ミズキ属(サンシュユ亜属)の落葉樹です。原産地は中国、朝鮮半島。栽培適地は東北以南で、暑さや寒さに耐え、育てやすい花木の一つです。日本には江戸時代に薬用として導入されましたが、気候に合って放任してもよく育つので、公園や街路などにもよく植栽されるようになりました。樹高は約8mに達する高木ですが、毎年の剪定によって程よい高さにコントロールすることができます。秋には紅葉とともにかわいらしい赤い実をつけて、四季の移ろいによって表情の変化を楽しめる花木です。 サンシュユの花や葉、実の特徴 This_is_JiHun_Lee/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:3〜4月樹高:約8m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:黄 サンシュユの開花期は、3〜4月です。花色は淡い黄色。一つひとつの花は小さいのですが、30個ほど集まって、花径2〜3cmのドーム状をした房咲きとなるので華やかです。葉が展開する前に花が咲き、パステルイエローの花が枝を覆うほどに満開になる姿は見事です。 葉は開花後に芽吹き、長さ4〜12cmの卵形をしています。葉脈が目立ち、葉裏には産毛があるのが特徴です。秋には紅葉する姿を楽しめます。 サンシュユの実は2cmほどの楕円形で、9〜11月に赤く熟します。 名前の由来や花言葉 ARTYOORAN/Shutterstock.com サンシュユは、中国名の「山茱萸」を音読みしたもので、「茱萸」はグミのこと。秋の赤い実姿を、赤くて食用できるグミの実になぞらえたようです。別名のハルコガネバナは、春に黄金色の花を咲かせることから。アキサンゴは、秋にサンゴのような赤い実をつけるためです。サンシュユの花言葉は「持続」「耐久」など。 サンシュユの近縁種 サンシュユの近縁種で、代表的な美しい花木をご紹介します。いずれも庭の顔となるシンボルツリーとしての役割を担える、人気の高い花木です。 ハナミズキ Brian Teal/Shutterstock.com ハナミズキは、ミズキ科ミズキ属(ヤマボウシ亜属)の落葉高木です。原産地は北米東部〜メキシコ北東部で、寒さ、暑さともにやや弱い傾向にあります。最終樹形は8mにもなりますが、剪定によって樹高をコントロールすることができるので、一般家庭では4m以内におさめておくとよいでしょう。成長の速度はやや遅く、樹形も自然に整うので、メンテナンスしやすい樹木です。 ハナミズキの開花期は4月中旬〜5月中旬。花色は白、ピンク、赤があります。花弁に見える部分は苞で、じつはその真ん中に丸く集まったものが花の本体です。大変花つきがよく、開花期に満開になる様子は見応えがあります。 ヤマボウシ Iva Vagnerova/Shutterstock.com ヤマボウシは、ミズキ科ミズキ属(ヤマボウシ亜属)の落葉高木で、原産地は日本、朝鮮半島、中国。日本では沖縄、九州、本州の山地に自生しており、環境に馴染みやすく初心者でも育てやすい樹木です。江戸時代には欧米に渡り、美しい花木として人気を博しています。 花色は白、うっすらとグリーンを帯びた白、ピンクなどがあります。花色と書きましたが、花に見える部分は苞で、葉が変化したものです。苞はもちがよいので、観賞期間も長いのが長所。花は苞の中央にあるグリーンの球状のものです。 サンシュユの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3〜4月植え付け・植え替え:11〜3月(真冬を除く)肥料:2〜3月種まき:3~4月 サンシュユの栽培環境 fpdress/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所で育てます。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で栽培します。 【置き場所】水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌を好みます。乾燥する時期は、根元にバークチップなどでマルチングをしておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 暑さ寒さに耐えるので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 サンシュユの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土づくりをしてからしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)と腐葉土を等量ずつよく混ぜ、配合土を作ってもよいでしょう。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続く場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え】 2〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 【鉢植え】 2〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 開花後と9月頃に、緩効性肥料を与えます。チッ素成分の多い肥料を与えると、花つきが悪くなることがあるので注意しましょう。 注意する病害虫 Happy_Nati/Shutterstock.com 【病気】 サンシュユに発生しやすい病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、樹勢が衰えてしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 サンシュユに発生しやすい害虫は、アオイラガです。 アオイラガは蛾の幼虫です。毒をもつ多数の黄緑色のトゲに覆われ、いかつい格好をしています。樹木によく発生し、体長は20〜25mm。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目がよくないだけでなく、刺される危険もあるので、見つけ次第薬剤を散布して駆除しましょう。アオイラガは「でんき虫」という別名をもち、トゲに触れるとまるで感電したかのような鋭い痛みを感じるので、接触しないように注意してください。 サンシュユの詳しい育て方 苗の選び方 サンシュユの苗木を選ぶ際は、虫食いや病気の痕がなく、幹ががっしりとして株元がぐらついていないものを選びましょう。葉がしおれたり変色しているものは避けたほうが無難です。また枝葉が多く、葉の色が濃く艶のあるものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Monkey Business Images/Shutterstock.com 植え付け・植え替え適期は、休眠期の11月〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ培養土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com サンシュユの剪定適期は、休眠中の12月〜翌年2月と、花後の5〜6月です。 休眠中の12月〜翌年2月に行う剪定は、樹形を整えるためです。これ以上大きくしたくない場合は、大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。地際から立ち上がっている「ひこばえ」は元から切り取りましょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ていたら、間引いて枝を透かすとよいでしょう。 花後の5〜6月に行う剪定は、透かし剪定を目的とします。茂りすぎて木の内側まで日光が当たらなくなっていたり、風通しが悪くなっていたりしたら、間引くように枝を切り取ります。内側に伸びている枝や、重なり合ってほかの枝を邪魔している枝、細い枝や枯れ枝などを選んで切り取り、日当たりや風通しをよくします。7〜8月には翌年の花のもととなる花芽分化が始まるので、タイミングを逃さないようにしてください。 サンシュユの増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com サンシュユは、種まき、挿し木で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について、詳しく解説していきます。 【種まき】 サンシュユは開花後に果実をつけ、11〜12月に熟します。そのタイミングで果実を採取し、種子を取り出して流水でよく洗っておきましょう。さらに湿らせた砂と種子を混ぜて密閉袋に入れ、春まで冷暗所で保存しておきます。 種まきの適期は3〜4月です。黒ポットに新しい培養土を入れ、十分に湿らせます。種子を密閉袋から取り出して砂をきれいに洗い流し、黒ポットに数粒播きます。軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は、日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、サンシュユは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、7月頃です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 サンシュユの実は食用可能 sungsu han/Shutterstock.com 秋に熟す実は食用にすることができます。赤い実はグミの実に似た美味しそうな姿をしていますが、渋みが強いので生食には不向き。ジャムにするなら、実を煮て柔らかくなったら裏漉しして種と皮を除いた後、同量の砂糖と一緒に鍋に入れて弱火で煮込みます。水分が飛んで適度な柔らかさになったらレモンを絞って仕上げます。ホワイトリカーと氷砂糖と一緒に漬け込んで、果実酒にすることも可能です。 サンシュユが咲かないときの原因と対策 Panwasin seemala/Shutterstock.com サンシュユが咲かない原因は、 日当たりが悪いために花つきが悪い花芽を剪定の際に切り落としてしまった土壌の水はけ・水もちのバランスが悪い状態である などが考えられます。 対策としては、 植え付ける際に日当たりと風通しのよい場所を選ぶサンシュユの花芽は7〜8月につくので、剪定の際は全て切り落としてしまわないように注意する植え付け前に、堆肥や腐葉土などの有機質資材をすき込んで、ふかふかとした土壌を作っておく ことが大切です。 花と実で2倍楽しめるサンシュユを育てよう Yeongha son/Shutterstock.com いち早く春を告げるかのように黄色い花を樹冠いっぱいに咲かせた後は、新緑が芽吹いて美しく、夏には緑陰をもたらすサンシュユ。秋には紅葉と赤い実姿を楽しめ、季節の移ろいを強く感じることができます。放任してもよく育つので、ビギナーにもおすすめ。ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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果樹

かわいい赤い実をつける、ガーデンで育つ果樹3種
ガーデンに実る赤い宝石 緑が広がるガーデンの中で、陽光にキラキラ輝く赤いベリー。美味しく食べられるのはもちろん、目でも楽しむことができる季節の恵みです。収穫した果実は、フレッシュなものをそのままパクリと味わうほか、ジャムやコンポートなどにして保存したり、スイーツの材料に使ったりと、暮らしの中でいろいろに活躍します。もちろん、フラワーアレンジメントのアクセントとしても可愛らしいですね。 保存容器にたっぷり詰めたレッドカラントのジャム。Photo/SMarina/Shutterstock.com 果樹と聞くと、ハードルが高いように思いますが、育てやすい種類を選べば手間をかけずに収穫を楽しむことができます。自分で育てると、流通量が少なくスーパーなどではなかなか手に入らない果実も毎年味わうことができ、なにより新鮮なうちに食べられるのが嬉しいですね。ここでは、キラキラ輝く房状の実をつけるレッドカラントと、白い花も赤い実も可愛いサワーチェリー、シンボルツリーとしても人気の高いジューンベリーをご紹介します。どれもトゲがないので、ガーデンに植えても扱いやすい果樹ですよ。 レッドカラント(フサスグリ) Photo/Ilya Sirota/Shutterstock.com 房状に連なる赤い実が可愛いレッドカラントは、ヨーロッパでは一般的な果物ですが、国内ではほとんど流通していません。仲間に黒い実をつけるカシスもあり、どちらも酸味が強い果実ですが、ジャムや果実酒などの加工にはぴったり。透き通るような美しい実をつけるので、観賞用として育てたり、枝ごと切って花瓶に活けるのもオススメです。 一本でも実をつける自家結実性があり、丈夫で育てやすく、ほとんど無農薬で栽培することができます。コンテナや鉢植えでも栽培可能。6月下旬~7月中旬頃にかけて収穫できます。耐寒性は強い反面、暑さにはやや弱く、冷涼地での栽培に向く果樹です。 実を房から外して加工します。軸から実を外すにはフォークを使うと便利。 砂糖を加えて火にかければ、つやつやした赤色のジャムに。 サワーチェリー Photo/Shulevskyy Volodymyr/Shutterstok.com サワーチェリーは調理用のサクランボ。ジャムやお菓子づくりなどに重宝する果実です。サクランボというと、日本では生のままいただく甘いサクランボがメジャーですが、このサワーチェリーは酸味が強いため生では食べません。しかし、砂糖とともに火を入れれば、豊かな香りが広がり、甘酸っぱく美味しい味わいに。果肉は中までしっかり赤く、加熱しても色を保つので、ジャムにすると綺麗な赤色に仕上がるのも魅力です。 甘いサクランボに比べ、比較的コンパクトに育ち、一本でも結実する自家結実性のある品種が多く、育てやすいのが特徴。鉢植えでも栽培できます。5月中旬~6月中旬に、可愛らしい赤い実をつけます。サクラ同様、4月頃に咲く美しい白い花も魅力です。 サワーチェリー‘ノーススター’ タルトやパイにたっぷり詰め込んで、召し上がれ! Photo/Alena Haurylik/Shutterstock.com ジューンベリー(アメリカザイフリボク) Photo/Tamotsu Ito/Shutterstock.com 樹形が美しく、最近ではシンボルツリーとしても人気が高いジューンベリー。初夏になると、赤紫色の小さな実をたわわに実らせます。熟すと黒っぽくなる実は甘く、ジャムなどにするほか、生でも十分美味しく食べられます。この実は鳥たちにも人気があるので、初夏には野鳥が集まってくるかもしれませんね。 ジューンベリーは春に咲く白い花、6月頃に実る果実に秋の紅葉と、季節を通じて楽しめます。自家結実性があるため、一本でも実をつけ、丈夫で栽培しやすい樹木です。また、成長は遅めですが、最終的に背が高くなるので、ある程度スペースを確保したうえで育てるのがオススメです。 Photo/AMV_80/Shutterstock.com 葉が完全に展開する前に咲く白い花も魅力。Photo/Dudakova Elena/Shutterstock.com
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果樹

ブラックベリーは家庭栽培が簡単!育て方と果実のレシピ
ブラックベリーとは? Jason Deines/Shutterstock.com ブラックベリーは、バラ科キイチゴ属の果樹で、原産地は北アメリカです。仲間には、ラズベリー、デューベリーなどがあり、おおむね冷涼な気候を好むのですが、ブラックベリーは比較的温暖な地域でも夏越しできます。つる性、または半つる性で、地際から数本の枝を立ち上げる株立ち状になり、つるを伸ばして生育するのが特徴です。樹高は1.5〜3mほどになるので、フェンスやオベリスクなどを利用し、枝を誘引して仕立てるとよいでしょう。落葉性のため、冬は葉を落として越冬します。 ブラックベリーの特徴 ch_ch/Shutterstock.com ブラックベリーは、トゲあり、トゲなしの品種があります。近年はトゲなしの品種が主流で比較的管理がしやすくなっています。生育旺盛なので、広い庭なら地植えで自由に育ててもかまいませんが、スペースが限られている場合やベランダでは、コンテナ栽培が向いています。手軽に始められる家庭果樹の代表です。4月下旬〜6月が開花期で、野バラによく似た小さな一重咲きの花が多数咲くので、花姿を楽しむこともできます。花色は淡いピンク、白です。6月下旬〜8月中旬に2〜3cmほどの大きさの実をつけます。実の色は緑から赤、そして完熟の証の黒へと変わります。品種によって酸味の強弱があり、それぞれ風味が異なります。 ブラックベリーの育て方 ブラックベリーは植え付け後にしっかり根付けば、毎年初夏に開花して夏の収穫が楽しめる、初心者でも失敗なく育てることができる果樹です。ここでは、植え付けのポイントから、水やりや肥料、病害虫対策などの日頃の管理、剪定のポイントなどを詳しくご紹介していきます。 栽培環境 FarbaKolerova/Shutterstock.com 日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。半日陰にも耐えますが、花つきや実つきが悪くなります。ブラックベリーは授粉樹が不要で自家結実するため、1本植えておけば花も収穫も楽しめる、育てやすい果樹の一つです。 植え付け Monkey Business Images/Shutterstock.com ブラックベリーの植え付け適期は、休眠期の11月〜3月上旬です。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 果樹用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。 鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをします。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりするとすぐお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、すぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。与える際は水が凍らないよう、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 地植え、鉢植えともに開花が終わった2月、6月、9月に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。 2月の施肥は、休眠から目覚めて生育が始まる前に与えて新芽を吹き出させるエネルギーとするためのものです。6月の施肥は、果実を充実させるためですから、リン酸分などが配合されたものを使うとよいでしょう。9月の施肥は、果実をたくさん実らせてエネルギーを消耗した株に、再び体力をつけるために与えるものです。 病害虫 Paul Reeves Photography/Shutterstock.com 害虫 バラゾウムシ、コガネムシ、カイガラムシがつくことがあります。 バラゾウムシは、黒くて小さな虫(体長2〜3mm)で、主に新芽や新葉、つぼみにつきます。つぼみを食べられると咲かなくなり、果実の量も減ってしまうので要注意。バラゾウムシは、ゾウの鼻のような長い口を持っていることからその名前がつけられました。長い口で新芽やつぼみに穴をあけ、そこからエキスを吸汁します。穴のあいた部分から先は水分が行き渡らなくなり、枯れ込んでしまいます。ブラックベリーの収穫を目的に育てているなら、薬剤はあまり使いたくないので、こまめにパトロールして、見つけ次第捕殺するとよいでしょう。 コガネムシは、2cmほどの甲虫です。成虫は葉を食害するので、見つけ次第捕殺しましょう。また、厄介なのが地中に潜む幼虫で、特に鉢栽培の場合は根を食い荒らされた結果、枯死してしまうことがあるので注意。地上部はなんら問題ないのに、次第に葉が黄色くなって少しずつ落葉するようなら、地中に幼虫が潜んでいる可能性があります。根を食い荒らされると、株元を持って引き上げると簡単に抜けてしまいます。その場合は、根をよく洗い、新しい鉢と用土に植え替えて養生してみてください。 また、幹や枝にカイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは、貝殻のような殻を被っているように見える虫で、枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。見た目も悪いので、見つけ次第退治を。薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 病気 病気の心配はほとんどありません。 収穫 Minoli/Shutterstock.com ブラックベリーの収穫期は、6月下旬〜8月中旬です。 完熟していないうちに摘み取ると、とても酸っぱいので、必ず完熟果を収穫しましょう。赤い実が黒く変わり、触ってみてポロリと簡単に取れるようなら完熟のサインです。触っても実が離れずに茎にしっかりついている場合は、収穫を見送りましょう。逆に遅くなると実が地面に落ちてしまうので、タイミングを逃さずに収穫します。 剪定 Lithiumphoto/Shutterstock.com ブラックベリーは、収穫後の7月上旬の夏剪定と、休眠期の12〜2月の冬剪定を行います。 夏剪定は、果実がついて収穫を終えた枝を地際から切り取ります。 冬剪定は、前年に伸びた枝を樹高の半分くらいまで切り戻します。 よく分からなかったら、そのままにしておいてもかまいません。ブラックベリーは手をかけなくても旺盛に育つので、植え付け後数年育ててみて、枝が込んできたら、冬剪定の適期に新しい枝を4〜5本残し、他の古い枝を地際で刈り取るとよいでしょう。 植え替え 11〜3月までが定植、植え替え、移植の適期です。鉢植え、コンテナ植えは2〜3年に1度、根詰まりを防ぐために植え替えましょう。根詰まりしてくると、実付きが悪くなってきます。 ブラックベリーの食べ方 Christian Jung/Shutterstock.com ブラックベリーは、生のままで食べることができます。ヨーグルトやプリンに添えても美味しいですよ! ラズベリーやデューベリーなどのキイチゴ類や、他のフルーツと一緒にサイダーで割って、フルーツポンチ風にすると、彩りがきれいでSNS映えしそう! 風味がよいので、ジャムやお菓子などに利用するとさらに美味しくなります。たくさん使いたい場合は、収穫のたびに冷凍庫で保存し、必要な量になるまでためていくとよいでしょう。収穫が梅雨の時期と重なるため、長雨が続く時は完熟果が地面に落ちてしまうことがあります。生食ではなく、ジャムやお菓子などの加工食づくりが目当てなら、長雨が続く場合は完熟を待たずに早めに摘み取ってもよいでしょう。ここでは、サマープディングとブラックベリー・フールの作り方をご紹介します。 サマープディング from イギリス Maria Medvedeva/Shutterstock.com サマープディングは、イギリスの初夏の伝統的なお菓子。レッドカラントやラズベリー、サワーチェリー、イチゴ、ブルーベリーなど初夏に採れるベリーをたっぷり使って作ります。見た目はゴージャスですが、混ぜない、焼かない、とっても簡単なレシピです。ちょっと上質な食パンを使うと美味しくできますよ。 サマープディングの作り方(500㎖のボウル1個分) Maria Medvedeva/Shutterstock.com 【材料】ベリー類計500g(赤くて酸味の強い果実を多めに、ブルーベリーは少なめにすると味も色もGood)、レモン汁1/2個分、グラニュー糖80g、食パン8枚位 食パンの耳を切り、ボウルの底と口の大きさに合わせて円形に切ります。口の方は半円形を2枚でつなぎ合わせる形でOK。残りのパンは半分に切っておきます。パンはそのまま少し乾燥させておきます。 鍋にベリー類とグラニュー糖、レモン汁を入れて煮立たせ、果実とシロップに分けます。 バットにシロップを入れ、食パンを浸けてシロップを吸わせます。片面に色がつけばOK。 ボウルの底に円形のパンを敷き、さらにボウルの側面に半分に切ったパンを隙間なく敷き詰めていきます。このとき、色がついたほうが外側に向くようにします。 内側に果実を詰め込み、シロップをかけます。半円形のパン2枚でフタをし、再びシロップをかけます。ラップで覆い、上から重しをして冷蔵庫で一晩ねかせます。 ラップをとってボウルの口に大きめの皿を当て、ひっくり返したら完成。お好みでベリーの実やミントなどで飾り付けを。 ブラックベリー・フール from イギリス Ekaterina Kondratova/Shutterstock.com 「フール」は泡立てた生クリームにベリーやフルーツを合わせたイギリスの伝統的なスイーツです。シンプルなレシピですが、ふわふわと甘酸っぱく、古くから愛されるデザートです。合わせる果実は何でもよいのですが、生クリームが甘い分、酸味の強いものがよく合います。ブラックベリーなど果汁の美しいベリーを使うと見た目も華やかです。 ブラックベリー・フールの作り方(4人分) Ekaterina Kondratova/Shutterstock.com 【材料】生クリーム(乳脂肪分48%)200㎖、生クリーム用の砂糖大さじ2〜3、ブラックベリー150g、ブラックベリー用の砂糖大さじ1〜2 生クリームは冷蔵庫でよく冷やしておきます。 ブラックベリーと砂糖を鍋に入れ、弱火にかけます。果汁が滲み出てきたら火を止め、シロップと果実に分けて冷ましておきます。 生クリームと砂糖をボウルに入れ、8分立てに泡立てます。 ③にブラックベリーのシロップを入れ、マーブル模様になるくらいに軽く混ぜます。 器によそって、ブラックベリーの実を飾れば完成。 自宅でブラックベリーを育ててみよう Vadym Zaitsev/shutterstock.com ブラックベリーは強健な性質で、メンテナンスの手間がほとんどかからない果樹です。一度根づけば毎年たわわに果実を実らせて、収穫の喜びをもたらしてくれます。お子さんのいる家庭では、開花や果実の収穫、生食やジャム・お菓子作りなどの体験を通して、食育にもつながることでしょう。ぜひブラックベリーをガーデンに迎え入れて、開花と収穫を楽しんではいかがでしょうか。
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樹木

花と紅葉が楽しめる! ドウダンツツジの特徴や種類・育て方を解説
ドウダンツツジの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ドウダンツツジ学名:Enkianthus perulatus英名:White enkianthus和名:ドウダンツツジ(満天星躑躅、灯台躑躅)別名:マンテンセイツツジ、満天星科名:ツツジ科属名:ドウダンツツジ属原産地:日本(本州・四国・九州)、台湾分類:落葉性低木 ドウダンツツジはツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木です。原産地は日本、台湾で、もともとは西日本に自生していたものが品種改良されて、日本全国に普及しました。春に小さな花を鈴なりに咲かせ、樹高1〜2mほどの低木です。枝が細かく分かれて葉が密に茂るので、生け垣として利用されることが多い花木ですが、もちろん自然樹形も楽しめ、シンボルツリーとしてもおすすめ。耐寒性があり、暖地でも美しく紅葉します。萌芽性が強くて剪定に耐えるため、好みの形に仕立てやすく、一般家庭の生け垣や公園などにもよく利用されている樹木です。 ドウダンツツジの花や葉の特徴 Koenig_K/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:3〜5月樹高:1〜2m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 ドウダンツツジの開花は3〜5月。小枝の先端にベル形の小さな花を5〜6個つけ、株全体に鈴なりに咲きます。花のサイズには幅があり、5mm〜2cmほど。花色は白やピンクで、真っ白な花が株全体を覆う姿から星空を連想し、「満天星(どうだん)」と呼ばれるようになったという説があるほどです。 また、菱形のような葉がみずみずしく並んで整い、切り花として流通するほど美しい枝葉を持っています。晩秋には真っ赤に紅葉する姿も魅力です。冬には落葉しますが、枝が密に茂るので目隠しとしての機能を十分果たし、生け垣としてもおすすめです。 ドウダンツツジの名前の由来や花言葉 H.Tanaka/Shutterstock.com ドウダンツツジは、漢字で「灯台躑躅」や「満点星躑躅」と書きます。 細い枝が三方に分かれて伸びる姿が、昔照明器具として用いられていた結び灯台(3本の丸棒をひもで結び、上下を開いて立て、上に油皿を置いて火をともすもの)の脚に似ていることから、「灯台(とうだい)」がなまってドウダンという名がついたともいわれています。「満点星」という漢字は中国名に由来します。ドウダンツツジの花言葉は、「上品」「節制」など。 ドウダンツツジの種類 scott mirror/Shutterstock.com ドウダンツツジには、主に以下の4種類があります。サラサドウダンは、花色は淡いクリーム色地の先端にピンク色がのり、そこから絵の具を垂らしたように縦縞のピンクが入ります。ベニサラサドウダンは、サラサドウダンの変種で、紅色の花弁に刷毛目模様が入り、大変華やか。ヒロハドウダンツツジは、葉の幅が広いのが特徴で、ピュアホワイトの花が魅力です。アブラドウダンは、葉の表面に照りがあるのでこの名前がつきました。ほんのりグリーン味を帯びた白花で、花茎がやや長い特性があります。 ドウダンツツジの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3〜5月植え付け・植え替え:10〜12月、3月肥料:2〜3月、5月 ドウダンツツジの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりのよい場所で栽培します。半日陰でも育ちますが、日照が不足すると花つきだけでなく紅葉の発色も悪くなります。乾燥に弱いので、鉢植えの場合は、夏は西日の当たらない半日陰に移動するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】屋外で栽培します。 【置き場所】酸性土壌を好みます。また、地表近くにたくさんの細い根を張るため乾燥に注意が必要。酸度未調整ピートモスや鹿沼土と腐葉土をすき込み、水はけと水もちのよい土づくりをしましょう。 耐寒性・耐暑性 暑さ、寒さに強いので、一年を通じて屋外で管理します。乾燥にはやや弱いので、夏は水切れに注意し、西日が強く当たらない場所で育てるとよいでしょう。 ドウダンツツジの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com ドウダンツツジは酸性土壌を好み、また地表近くにたくさんの細い根を張るため極端な乾燥を嫌います。水はけと水もちがよく、適度に肥沃な土壌で育てましょう。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に酸度未調整のピートモスや鹿沼土と、腐葉土、堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。こうしてしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。また、用土はツツジやサツキなどツツジ科の樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。水分が不足すると、葉が萎れたり、葉焼けしたりします。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 成長期は、日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢や葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は落葉するので、水やりは控えめにしますが、まったく水を与えず土をカラカラに乾燥させたままにすると、枯れてしまうのでご注意を。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【元肥(もとごえ)】 植え付けの際に土に混ぜておく肥料を元肥(もとごえ)といいます。植え付け後の初期生育を促す肥料です。地植えでは、土づくりの際に施しておく堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料などがこれに当たります。鉢植えで市販の樹木用培養土を利用する場合は、あらかじめ肥料が配合されていることが多いので、パッケージを確認しましょう。肥料がブレンドされていれば元肥は不要です。自身で赤玉土や腐葉土などをブレンドして配合土を作った場合には、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。 【お礼肥(おれいごえ)】 地植え、鉢植えともに開花が終わった5月中旬〜下旬頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。たっぷりと花を咲かせた木はエネルギーを消耗しています。その体力を回復させる目的で与える肥料なので、「お礼肥(おれいごえ)」といいます。「たくさんの花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてくださいね。 【寒肥(かんごえ)】 庭植え、鉢植えともに、2〜3月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。これは、春の芽出しの時期のエネルギーのとなることを目的に、休眠期に土に混ぜ込んでおく肥料です。 注意すべき病害虫 Happy_Nati/Shutterstock.com 【病気】 ドウダンツツジに発生しやすい病気はサビ病で、春と秋に雨が多いと発生しやすくなるようです。葉の裏などに小さな黄色や白の斑点が現れ、やがてさまざまな色や形の斑点が盛り上がるようになります。さらに進行して葉表にも目立つようになると、観賞価値が下がるだけでなく枯れてしまうこともあるので、発生初期に適応する殺菌剤を散布して被害が広がるのを防ぎましょう。 【害虫】 ドウダンツツジに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、カミキリムシです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせます。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ハダニは、主に葉につく害虫で、3〜10月が主な発生時期。葉から吸汁して木を弱らせます。特に乾燥した環境を好み、軒下で管理している場合や、真夏の乾燥期に発生しやすくなるようです。葉に勢いよく水をかけるだけでも、ある程度防除できます。薬剤にも弱いので、発生が多く見られたら適応する薬剤を散布して駆除しましょう。 アブラムシは、3〜10月に植物に寄生して吸汁する害虫で、ウイルスを媒介して病気をもたらす場合もあります。繁殖力が強く、大発生すると枝葉にびっしりと群がって見た目にも悪いので、適応する薬剤を散布して防除しましょう。土壌にまいておく粒剤も便利です。 カミキリムシは、テッポウムシとも呼ばれ、幹の中に入って旺盛に食害します。侵入口からオガクズ状の糞を見つけることができるので、幹に穴やオズクズがないか観察を。見つけ次第、穴の中に噴霧するタイプの適応薬剤を利用して駆除しましょう。 ドウダンツツジの詳しい育て方 苗の選び方 枝が細すぎるものや株元がぐらつくものは避け、芽が枝全体について節間が間延びしていないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com ドウダンツツジの植え付け適期は、10〜12月か、3月頃。日当たりのよい場所を選んで植え付けましょう。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、紅葉の時期に美しく発色しなかったりするので注意。日本原産の植物のため、植え付けた後も環境に適応しやすく、大変育てやすい花木です。生け垣として利用されることが多いドウダンツツジですが、鉢植えにして楽しむこともできます。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。こうしてしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。細かい根が浅い位置で広く張る性質があるので、浅植えにするのがポイント。複数の株を植え付ける場合は、50cmほどの間隔を取ります。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。また、用土は樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、2年に1度を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は3月頃。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、根鉢を軽くほぐしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢に、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢に植え替えます。 日常のお手入れ 【樹形の乱れを整える】 花を咲かせることを目的とせず、境界線や目隠し用の生け垣として利用している場合は、枝葉が伸びて樹形が乱れてきたら、適宜刈り込んで美しい樹形を保ちます。萌芽力が強いので、季節を選ばずこまめに剪定してOKです。 剪定 mihalec/Shutterstock.com ドウダンツツジの剪定は、自然な樹形を楽しむ方法と、刈り込んで玉づくりや生け垣にして楽しむ方法とがあります。 【自然な樹形を楽しむ】 自然な樹形にして花を楽しむには、開花後すぐの5月〜6月中旬までに剪定を行います。7月には翌春のための花芽が形成されるため、この後に剪定すると花数が少なくなるので注意しましょう。 自然な樹形を楽しみたい場合は、込み合っている部分の枝をいくつか切り取って、風通しをよくします。枝を切る際は、枝分かれしている部分の付け根で切ると自然に形が整います。 【玉づくりや生け垣にして楽しむ】 生け垣など、境界線や目隠しを目的とし、花を咲かせなくてよい場合は、樹形が乱れた時に適宜刈り込んでかまいません。花も楽しみたい場合は、開花後すぐの5月〜6月中旬のみとし、花後以外の時期は特に飛び出した枝を切る程度にとどめます。 刈り込みは、刈り込みバサミを使って全体の形を整えるとよいでしょう。萌芽力が強いので、円形や四角形などを容易に形づくることができます。このように刈り込んだ樹形を「玉づくり(玉仕立て)」「玉散らし」「角仕立て」などといいます。 夏の乾燥対策 【地植え】 近年、日本は温暖化が進んで夏の暑さが大変厳しく、強光線によって地植えでも大変乾燥しやすくなっています。ドウダンツツジは根が浅く張る性質があり、乾燥しやすいので、対策として株元にバークチップやワラなどを敷いてマルチングをするとよいでしょう。 【鉢植え】 真夏は乾燥しやすいので、西日の当たらない半日陰などに移動して、涼しい場所で管理するのがおすすめです。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ドウダンツツジは、一般に挿し木で増やすことができます。 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木できないものもありますが、ドウダンツツジは挿し木で増やすことも可能です。 ドウダンツツジの挿し木の適期は6〜7月ですが、前年に伸びた枝を利用して2月頃に挿し木することもできます。6~7月の場合は、その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して表土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて2〜3カ月ほど育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ドウダンツツジで生け垣を作る方法は? 生け垣として利用するのを目的にドウダンツツジを育てる場合は、樹高40cm程度の苗を入手し、30〜40cmの間隔を取って植え付けます。しっかり根付くまでの1〜2年は、それぞれの苗木に支柱を設置して、倒伏を防ぎましょう。 枝葉を旺盛に伸ばすようになったら、刈り込みバサミで前年の位置まで切り戻します。浅い位置で切り込むと、そこから新芽が伸びて生け垣全体が膨らんでいくので、ボリューム感をキープするには、前年に切った位置まで切ることがポイントです。ドウダンツツジは樹勢が旺盛なので、いつ切ってもかまいませんが、花木として花を楽しみたい場合は、花芽を切らないようにしましょう。その場合、剪定は花後すぐの5月〜6月中旬のみに行います。 ドウダンツツジを切り花として楽しむ方法は? Qianwei Bian/Shutterstock.com ドウダンツツジは、春から夏にかけて切り花としてフラワーショップに出回るようになります。枝ものは飾って楽しめる期間が2週間ほどと長いので、インテリアに取り入れるのもおすすめです。 切り花にする際は、木が水を吸い上げやすいように、切り口に十字に割りを入れるとよいでしょう。水が腐らないようにこまめに取り替えて見映えを保ち、枯れ葉や乾燥によって縮れた葉があれば適宜取り除きます。大きな枝をそのままダイナミックに飾ることも、細かく切って小さめの花瓶に飾ることもできるので、剪定の際に切った枝を利用するのもいいですね。 ドウダンツツジを育てて季節の移ろいを楽しもう! croquette/Shutterstock.com ドウダンツツジは、春に咲く小さな鈴形の花は愛らしく、秋には燃えるように赤く染まる紅葉が楽しめ、季節の移ろいを告げてくれる花木です。みずみずしい葉も美しく、枝ものとしてインテリアに飾っても素敵な、用途の幅広い植物といえるでしょう。ぜひドウダンツツジを庭先で育てて、季節の移ろいを楽しんではいかがでしょうか。




















