スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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ガーデンデザイン

【実例】ストレスから解放するセラピーガーデンデザインVol.1 健康と社会にアプローチする都市公園
大規模都市公園の中の「ユニバーサルガーデン」の役割 * 浜名湖ガーデンパークは、浜名湖畔に56ヘクタールという広大な敷地を有する都市公園です。2004年に「浜名湖花博」の会場として整備され、その翌年から静岡県営の公園として一般に無料で開放されています。2024年春には花博から20周年を迎え、その記念事業の1つとして、私たち「かたくり工房」はパークの西側エリアにある「ユニバーサルガーデン」のリデザイン&施工を引き受けることになりました。 市民が暮らしの中で日常的に親しむ公共空間をデザインするにあたり、私は改めて公園の役割について考えました。公園はしばしば「憩いの場」と表現されますが、「憩い」には「身体や心を休めること」「安らかにする」という意味があります。つまり、公園には疲れた身体や心を安らかな状態にする「癒やし」の役割が求められているのです。そこで、私はデザインコンセプトを「セラピーガーデン」とし、植物が人の心身にもたらす作用を積極的に取り入れることにしました。 緑を見てホッとしたり、癒やされるという感覚は、誰しも経験があるかもしれません。これまで体験的なものとして知られてきたこうした感覚は、近年さまざまな研究によって科学的に解明されてきています。例えば、千葉大学大学院・園芸学研究科の岩崎寛准教授は、血圧の正常化など、緑が心身にもたらす生理的作用を発見。緑を見ることで恒常性回路(健康を維持するための機能)が崩れる要因となるストレス刺激が緩和され、自己治癒力を高める効能があることを解明しました。 また、植物の香りには種類ごとにさまざまな作用があり、ラベンダーの香りが副交感神経に働きかけ、心身をリラックスさせたり、安眠効果があることは有名です。このように植物は視覚や嗅覚など人の五感に作用し、安らかな状態にするさまざまな力を持っているのです。そこで私は、東西に細長い敷地のこのユニバーサルガーデンを嗅覚・触覚・味覚・視覚・聴覚の5つのエリアに分類し、それぞれの感覚に働きかけることが期待される植物をセレクトしました。 聴覚に働きかける「音のエリア」。 例えば、嗅覚のエリアでは、前述したラベンダーのほかに、同様の効果があるとされるクチナシや、女性ホルモンに作用するバラ、認知機能を高める柑橘系の香りのタイム‘レモン’など、香りの効果があるものをセレクトして入れています。また聴覚のエリアでは、小鳥が訪れるのを期待して、エゴノキやジューンベリーを植栽し、巣箱をかけておきました。すると早速、オープンから1カ月余りでシジュウカラが入居し、かわいいさえずりをガーデンに提供してくれています。 2024年春のオープンの際の様子。車椅子の利用者と家族がガーデンを散策していた。宿根草はまだ小さく、植物は2年後に本来の大きさに生育する。 このように、エリアごとの目的に合わせて植物をセレクト。東西に細長い100mほどの小道状のガーデンを端から端まで歩いていけば、植物が五感に働きかけ、通り抜けた後には心身が安らいでいる、というイメージで設計をしました。それぞれのエリアの植物とその作用については、今後の連載内で詳しく解説していきます。 (*ガーデンは現在夏季養生中/2024年8月中) 維持管理のストレスを極力減らす雑草対策 このようにユニバーサルガーデンは植物のセラピー効果を積極的に取り入れたガーデンですが、一方で植物は人にストレスを与えることがあります。その一つが雑草の繁茂。ガーデニングをしている人は実感があると思いますが、草取りの労力はガーデニングの中で大きなストレスとなります。ことにこうした公園のような広いエリアでは雑草の管理も重労働となり、管理が行き届かなければ植栽した植物の生育が阻害され、デザイン意図が崩れる大きな要因にもなってしまいます。 私はこれまでさまざまな観光ガーデンを手掛けてきましたが、草取りのためにしばしばシルバー人材センターからお年寄りが派遣され、真夏の炎天下で作業をする姿が心配でなりませんでした。ガーデンの維持管理は設計施工者である私たちではなく、公園側へ委ねることになり、こうした市民の力を借りることも大いに考えられたため、雑草管理を極力少なくするということも私の使命と考えました。 植栽時の様子。左の花壇はマルチング済み。右の花壇はマルチング前で、専用に開発された植栽リングの中に植物を植えた状態。 そこで、この庭では、長年私たちがガーデン施工をする中で研究開発してきた「ノンストレスガーデン工法」を採用することにしました。簡単に説明すると、防草シートを植栽エリア全面に敷き、配置図に沿って植栽箇所にのみ穴をあけて植物を植えるという工法です。最後に全面にマルチングを施すため、防草シートが入っているようには見えません。この工法では、雑草を極力防ぐことができるため、選んだ草花を育てることに専念できます。ですから、草取りのストレスから開放されるという意味で、「ノンストレス」と名付けました。実際、ノンストレスガーデン工法で施工したあるバラ園は、それまで草取りにかけていたメンテナンス費が1/10に削減され、主役であるバラの手入れにより力が入れられるようになったといいます。 植物が生育すると植栽リングも隠れ、防草シートが入っているようには見えなくなる。 草取りの手間がないなら、庭を持ってみたいという人は多いのではないでしょうか。ノンストレスガーデン工法は、もちろん個人の庭でも施工可能で、私が手掛けている個人邸は、近年すべてこの工法で施工しています。私はこの工法が広がって、よりガーデンの楽しみを享受する人が増えることを期待しています。ただし、防草シートの敷き方や穴のあけ方、留め方など細部で正しく施工しないと逆効果になってしまうため、私たちが長年培ってきた知識や技術、施工後の管理方法などを他の施工者の方々に丁寧にお伝えできる形を現在模索中です。 グラウンドカバープランツとしても優秀な「クラピア」 そしてもう1つ、より誰もができる雑草対策として、グラウンドカバープランツによる雑草対策も取り入れています。グラウンドカバープランツとは地面を這うように広がってくれる植物で、さまざまな種類があります。代表的なものは芝生やリシマキア・ヌムラリア‘オーレア’などですが、芝生は密に生えそろうまでに雑草のタネが落ちて数年は除草作業が必要ですし、リシマキアはかんかん照りの場所より少し日陰を好みます。そこで近年、重宝しているのが「クラピア」です。クラピアは暑さに強く日なたでよく育ち、小さな丸い葉が重なっているので雑草が入る隙を与えません。芝生より早く生育して広がるので、新たなグラウンドカバープランツとしてさまざまな施工現場で活用されています。 グラウンドカバーとしてクラピアが優秀な理由の一つに、クラピアが日本の在来種から品種改良され、タネを作らないよう開発されていることも重要な点として挙げられます。クラピアによく似たヒメイワダレソウ(リッピア)という植物がありますが、こちらは外来種で旺盛に繁殖するため、日本では「生態系被害防止外来種リスト」に指定されています。ヒメイワダレソウはタネが飛んでいってしまうため、仮に農作物を作る田畑にタネが飛んで旺盛に繁茂してしまったら、とても厄介なことになります。雑草対策には、このように雑草化してしまう可能性のあるものはNG。植物には種類によってそうしたリスクもあるので、近隣への配慮もしながら選ぶ必要がありますが、クラピアは人がコントロールできるので安心して使えます。 また、浜名湖ガーデンパークはすぐそばに海があるため、クラピアが塩害に強いということもポイントです。海が近くにあるエリアでは、台風がくると海水を巻き上げた暴風雨の影響で、庭の植物が塩害によって枯れることがあります。そのため、台風の後にはホースで真水をまいて洗い流すなどの作業が必要になることがありますが、クラピアはもともと沖縄の沿岸に自生しており、塩害に強いため安心して植えられました。 白い花が咲いたクラピア。 さらに、クラピアは管理の面でも芝生と比較し、楽なのもよい点です。緑の絨毯のような芝生は植えれば勝手にできるわけではなく、むしろ植えた後の管理が肝心。芝生は刈り込むことで分枝し、密に茂って絨毯のようになるため、生育が始まる春から2週間に1回、そして生育が旺盛になる夏には1週間に1回芝刈りをするのが理想です。一方、クラピアはシーズンに1回の刈り込みで十分緑の絨毯状になります。春から夏にかけては1cmくらいのクローバーに似た可愛らしい花を咲かせ、一面の花畑のような風景を作ることも可能ですし、刈り込みの頻度を増すことで葉が小さくなり、草丈低くより緻密な緑の絨毯に仕上げることも可能です。このように、こちらの都合に合わせて管理方法が選べる点も私が気に入っている理由です。 庭づくりのアイデアを知らせる看板にも注目 クラピアについて解説した看板。文字が読めない人でも、意味が伝わるようイラストも添えた。 管理の負担を低減したり、暮らしに合わせて選択できるようにすることは、デザインや植物のセレクト次第で可能になります。特に年々、暑さが厳しくなる夏の管理を減らすことは、今後ますます課題になっていくでしょう。こうしたガーデニングの知識や技術を訪れた方にお伝えし、自宅でも活かしてもらえるように、ガーデン内には解説ガイドの看板も要所要所に立ててあります。このアイデアは、私がアメリカ園芸療法学会の会員としてカンファレンスに参加していたシカゴボタニックガーデンから得ました。このガーデンには車椅子のガーデナーが設計した「イネイブリングガーデン」というエリアがあります。「イネイブリングガーデン」とは(不可能を)可能にするガーデンという意味です。この庭には、さまざまな障害を持った人でも庭や庭づくりが楽しめるアイデアが詰まっており、そのアイデアが看板に記され、小さなポストからアイデアメモを持ち帰ることができるようになっていました。 シカゴボタニックガーデンで「イネイブリングガーデン」を設計したジムさんと。* シカゴボタニックガーデンからは、この看板だけでなく、ユニバーサルの機能についても大いに参考にさせてもらいました。ガーデンの名前にもなっている「ユニバーサル」は、しばしば「バリアフリー」と混同されますが、バリアフリーが特定の障害を持った人へ配慮したデザインであるのに対し、ユニバーサルデザインは障害を持った人もそうでない人も、大人も子どもも性別も超えて、すべての人にとって快適であるデザインのことを指します。不特定多数の人が訪れる公園には、ユニバーサルデザインの考えが不可欠ですが、私はそれを「複数の選択肢を用意する」という手法でデザインしました。 誰にとっても通りやすい園路の工夫 ユニバーサルガーデンの東口の入り口。 例えば、東口の入り口は階段を設け、西口の入り口はスロープにしました。すべてをスロープにしたほうが誰にとっても使いやすいのではないかと思われがちですが、足腰の弱った人の中には、平らな部分がない傾斜が続くほうがしんどいこともあるのです。その点、階段は一段一段平面があり安定しているため、自分のペースで進み、休みが必要ならば手すりにつかまって休憩することも可能です。 この階段は、じつは介助付きの車椅子でも、上り下りが可能です。介助者がいる場合、車椅子の後方にあるティッピングレバーを踏んで押し進めることで、前輪を浮かせて階段を上ることができます。階段の段差(蹴上げ)はその許容範囲内である14.5cmとし、一段一段車椅子が安定するように、階段の奥行き(踏み面)を120cmとしました。上るときも下がるときも介助者が下から支えて利用するよう説明した看板もあります。前述のようにスロープは傾斜が続くため、介助者は上り切るまで手を緩めることができないので、こちらのほうが都合がよい場合もあります。このように階段とスロープ、都合に合わせてどちらも選べるように東西の入り口の形状を変えてデザインしましたが、ここでは両方を体験してもらうことも目的の1つです。 車椅子の利用者になることは誰にでも起こりうることですが、家の入り口などのデザインにはいくつかのバリエーションが可能で、自身にあったスタイルはどれなのか、体験したり練習する場所として公園ほど安全な場所はありません。このようにさまざまなアイデアを持って帰ってもらい、自宅で活かしてもらうことも都市公園の役割の1つではないかと考え、より具体的に活かせるよう看板には寸法も入れています。 すべての人が過ごしやすい場所を目指したユニバーサルガーデン もう1つ、芝生のベンチも車椅子の利用者のことを考慮してデザインしました。ここは芝生に座る感覚を車椅子の人にも味わってもらいたいと作った場所です。芝生の地面から車椅子への移動は高さがありとても大変ですが、芝生の高さを上げてベンチ状にすることでスライド移動となり、車椅子の人も楽に芝生に座ることができます。 これは前述のイネイブリングガーデンを参考にしたもので、車椅子のデザイナーならではの発想に、とても感心したことを覚えています。実際座ってみると分かりますが、地面から立ち上がるより、高さのあるベンチのほうが誰にとっても負担が少なく済みます。例えば公園には赤ちゃん連れの方も多く訪れますが、芝生のベンチなら、赤ちゃんを抱いた状態でもバランスを崩さず安全に座ったり立ったりできます。 草花に触れやすいように、沿道側はレイズドベッド状花壇にした。高・中・低と3つの高さがあるので、自身に合う花壇を楽しめる。 世の中のデザインは一般に健常者の視点で作られていることが多く、ハンデを負っている方の不都合には気づきにくいものです。ユニバーサルデザインでは、その不都合を意識し、解消するデザインを模索する必要がありますが、結局それはハンデのない人にとっても快適な形であることが多いことに、このガーデンの設計を通して気づきました。また、公共の場所のデザインはそうであるべきとも思います。特に、公園は一定の時間を過ごす場所であるからこそ、いろいろな人がいることを認識し、相手の存在をお互いに気遣ったり思いやったりする場面も生まれ、「気づきにくさ」というものが解消されていくことも期待したいです。都市公園には「憩いの場」としての役割のほかに、多様性への理解を進め、よりよい社会へと導く役割もあるのではないでしょうか。ユニバーサルガーデンがたくさんの方に利用され、そうした役割を果たすことを期待したいと思います。
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育て方

庭を芝生にしよう! 芝生のお手入れ方法や張り方、メリット・デメリットを徹底解説
庭を芝生に! 後悔しないためにメリット・デメリットを知っておこう Kate Aedon/Shutterstock.com 公園やガーデンのふかふかとした芝生で一休みしたことはありますか? 見た目にも青々と美しくおしゃれで、優しい踏み心地の芝生はとてもリラックスできる場所。ついつい長居してしまいたくなります。そんな芝生の庭をDIYで自宅にもつくってみませんか? 爽やかな緑の広がる芝生の庭は、すっきりとして眺めるだけでも気持ちよい絵になる場所に。晴れた日は、日陰や木陰でゆったりと読書なども楽しめます。子供や犬などのペットの遊び場としてもぴったりですよ。 天然芝と人工芝の違い、メリット・デメリット photo/3and garden 天然芝とは、文字どおり植物であるイネ科の芝のこと。生き生きと鮮やかな緑色を保ち、感触がやわらか。またプラスチックやビニール製の人工芝と比べて安い費用で敷き詰めることができますが、成長したり枯れたりする植物なので、日々のメンテナンスが必要で、雑草対策なども必須です。庭の手入れや園芸が好きな方には、天然芝の管理はやりがいがあり、苦にならない人もいます。 バーベキューや焚き火、花火、ヨガなどを楽しみたいアウトドア派の方にも、剥き出しの地面のままよりも、天然芝がおすすめです。 szancsaa/Shutterstock.com 一方、人工芝は、ポリエチレンやウレタンなどの合成樹脂で作られた資材です。毛足の長さもさまざまで、近年では天然芝に見劣りしないものも出てきています。 メリットは、メンテナンスフリーで一年を通して同じ景観が楽しめること。日当たりも気にする必要がなく、マンションのベランダなどどんな場所にも設置でき、枯れることもなく、害虫の心配もありません。ただ、設置コストが天然芝より高くなること、また溶ける可能性があるので火気厳禁である、そして、近年は環境負荷の課題であるマイクロプラスチックの発生に関わっているという懸念点があるなどのデメリットがあります。 この記事では、主に天然芝について解説していきます。 芝生と砂利、コンクリートの違い、メリット・デメリット terng99/Shutterstock.com では、芝生、石(砂利や砕石)、コンクリートでは、管理面やメリット・デメリットでどのような違いがあるのでしょうか。 芝生のよさは、なんといっても青々とした緑の見た目。新芽が生え揃い、青々と緑が濃くなるという季節による色の変化も楽しめます。導入時の費用も他と比べて比較的安く抑えられ、傷んだらその部分だけ切り取って張り替えることもできます。 デメリットとしては、先に記述した天然芝の項目にもあるように刈りそろえるなどの管理の手間が挙げられます。 Ridhwan Fauzi/Shutterstock.com 芝生の代わりに、表土に石を敷き詰めるデザインの場合、砂利や砕石を利用します。砂利とは、岩石が砕け、角がとれて丸くなった2〜5cmの小石のこと。また、同じようなサイズで、角が残っている砕石(さいせき)も庭に敷き詰める石材としてよく用いられます。使用する分量によりますが、地面に敷く建材の中では最もリーズナブルなコストで敷き詰めることができます。色・形状や敷き方によって庭のイメージを和風にも洋風にも変えることができます。 庭に砂利を敷くと水はけがよくなるというメリットがあるほか、踏むと音が鳴るため防犯にも役立ちます。 デメリットとしては、落ち葉の掃除がしにくい、砂利の隙間から雑草が生えやすい(防草シートで対策が可能)、夏は太陽光によって石が熱せられるなどが挙げられます。 コンクリートのメリットは、耐久性の高さ。昨今のコンクリートは性能が高く、半永久的に劣化しないので、一度敷けばメンテナンスの必要がありません。地面を完全に覆うので、雑草対策や害虫対策も必要なく、勾配と排水溝をきちんと作れば、水はけもよくなります。車いすでの移動もスムーズにできます。 手入れの楽さと機能面を重視される方には向いていますが、見た目は無機質になるので、一部にレンガやタイル、人工芝などを配置するとデザイン性が高まるでしょう。 デメリットとしては、DIYで設置するのが難しいため設置工事を事業者に依頼する必要があります。また、施工後はレイアウト変更が簡単にはできなくなるほか、夏は太陽光によって熱せられるので、人や動物にとって過ごしにくい場所になります。 芝の種類 photo/3and garden 芝生にはさまざまな種類がありますが、大きく日本芝と西洋芝に、さらに暖地型と寒地型に分けられます。 日本芝は暖地型のみ、西洋芝には暖地型と寒地型の両方の種類があります。 詳しく見ていきましょう。 日本芝と西洋芝 芝生は原産地によって日本芝と西洋芝に分けられます。 日本芝は、日本に自生する芝。高麗芝(コウライシバ)や野芝(ノシバ)などの種類があり、暖地型(夏芝)で、高温多湿に強く、病害虫に強いというメリットがあります。 日本芝は、西洋芝に比べて葉の色が薄くて幅が広く、冬になると茶色くなって枯れます。 西洋芝は、主にヨーロッパが原産で、近年に日本に輸入された芝。西洋芝には寒地型(冬芝)と暖地型があります。ブルーグラス系、ペントグラス系、ライグラス系といった系統があります。 西洋芝は、一般的に日本芝と比べて葉の色が濃く、細くてやわらかく、繊細です。 暖地型(夏芝)と寒地型(冬芝) 芝生は、生育気温によって暖地型と寒地型に分けられます。 暖地型の芝は、高温と乾燥に強く、生育温度は23〜35℃で春から秋にかけて成長します。11月から3月にかけての冬の間は休眠し、地上部の葉は枯れて茶色くなり、春になると再び新芽が出てきます。関東以西の地域に向いている芝生です。 寒地型の芝の大きな特徴は、寒さに強く、冬でも緑を保つ常緑性があること。日本では、春と秋に成長します。ペントグラスなどは、ゴルフ場の芝などによく使われています。一方で、生育温度は15〜25℃で夏の暑さに弱く、特に関東以西では管理が難しいのが難点。北海道と東北地方で生育が可能です。 冬の間の青々とした寒地型芝の美しさもとても魅力的なので、管理に自信がある方はぜひ挑戦してみてください。 高麗芝に野芝、TM9… おすすめの芝生と選ぶポイント Feriefrizal/Shutterstock.com 芝生の上で過ごしたいと考えているなら、葉が細くて肌触りが柔らかく、比較的管理がしやすい高麗芝がおすすめ。 野芝は葉が太くチクチクしますが、寒さに強く、西洋芝ほど手がかからないので、緑の見た目を優先する場合によく使われています。 トヨタ自動車の開発登録品種で、省管理型コウライシバ(高麗芝)TM9(ティーエムナイン)という品種もあります。景観性のよい芝生を、管理を省いて維持することを目的に開発されたもので、草丈が低いため、少ない芝刈り回数で管理ができます。きめが細かく、葉色が濃いという特徴があり、肥料の量を減らしても、美しい見た目を維持することができます。 芝の種類を選ぶときに気にかけたいことの一つが、芝の生育速度です。端正でふかふかとした芝生を保つためには芝刈りが欠かせません。芝の成長が速ければ、芝刈りの頻度は高くなりますので、あまり手を掛けられない場合は成長が遅い芝を取り入れましょう。よく伸びる成長期にも芝刈りの頻度を抑えることができます。 また、見た目や手触りを優先するか、お手入れの工数を優先するかも考えて種類を選ぶとよいでしょう。踏んでも剥げにくい、踏圧に強いものを選ぶとお手入れが楽になります。 芝生の庭をDIYでつくる費用 庭を芝生にする際、最も安い費用で済むのは、DIYで天然芝を設置する方法です。 天然芝は、ホームセンターや園芸店のほか、通販でも購入できます。品種にもよりますが、費用は1㎡あたり1,500~3,000円前後が相場。1束9〜10枚のシートで1㎡分、というように束で売られていることが多く、また少し割高になりますが、表土に載せるだけで簡単に設置ができるロール状マットの天然芝も販売されています。 芝生の張り方 6つのステップ welcomia/Shutterstock.com 庭に芝生を張る方法には主に2種類があります。一つはマット状やシート状に成長している切り芝(ソッド)を用いる方法、もう一つは種まきからスタートして育てる方法です。 ここでおすすめするのは、ソッドを用いる張芝の方法です。すでにある程度成長している苗を使うため失敗が少なく、面積が広い庭全体を覆うのにも時間がかかりません。芝は地下茎で増えるので、芝に侵入してほしくない場所は、あらかじめエッジなどを使って区切っておくのを忘れずに。 また、芝張りに適した時期は、4月から梅雨入り前までと、秋ごろです。庭の作業が比較的少ない冬の間に、土づくりと整地をしておくと作業がスムーズです。 では、芝生の張り方の手順を見てみましょう。 1.芝生を張ることに決めたら、まずは下地となる土づくりを。芝は水はけ(排水)のよい土を好むので、30cmほどの深さを耕して川砂などを混ぜ込みましょう。 2.できるだけ表面が平らになるように整地します。その際、外側が低くなるようにイメージして全体に少し傾斜をつけると水がたまる場所ができません。 Eag1eEyes/Shutterstock.com 3.平らにした地面にソッドを並べていきましょう。その際、間隔を開けて置くと、枚数を減らすことができますが、目地があく分、芝が全体を覆うまでには時間がかかります。芝を並べるときには、一列ごとに半分ずらすなどして切れ目が揃わないようにしましょう。切れ目が揃うとその部分が溝になり、地面が削れやすくなります。 Yatra/Shutterstock.com 4.ソッドを並べ終わったら、上から圧力をかけて地表と根を密着させます。そのまま踏んでもいいですが、板などの上から踏むと均等に圧力をかけることができます。 5.芝生の上から砂や土を足してしっかりすき込み、細かな凹凸や芝生の隙間を埋めます。土を足すときには、土で葉が隠れないように注意しましょう。 6.最後にたっぷり水やりを。根づいていない芝は乾燥しやすいため、2週間くらいは多めの散水を心がけます。 以上で芝張り作業は完了です。芝生がしっかり根づき、庭全体を覆うまであと少し。張ったばかりの芝は、立ち入りは控えたほうが無難です。 芝生の日頃の手入れ・管理〜きれいな庭を保つために 芝生の庭をきれいに保つには、日頃のお手入れが欠かせません。芝生の基本的なメンテナンスについて解説します。 Kzenon/Shutterstock.com 芝生の管理の基本は、なんといっても芝刈りです。芝が伸びすぎて高さが変わるのを防ぐだけでなく、切り戻しを行うことで分枝が促され、緻密な芝生をつくることができます。 Mike Pellinni/Shutterstock.com 芝刈り機には、仕上がりがきれいなリール式と、雑草も刈れる手軽なロータリー式があります。好みに合わせて選びましょう。 また、庭のサイズに合わせて、手動、電動、バッテリー式など、動力も併せて選びましょう。近年では、定期的に芝を自動で刈ってくれる自動芝刈り機なども登場しています。 芝刈り機では刈りづらい隅や脇の部分は、小さめの刈り込みバサミや電動バリカンなどを使うとうまく切り揃えることができます。 Yganko/Shutterstock.com 成長速度にもよりますが、芝刈りはおおむね2~3週間に1回程度行います。多くの芝の成長期に当たる夏は頻度を増やしましょう。成長が鈍る冬は芝刈りの必要はありません。草丈が2~3cmを保つぐらいで刈りましょう。芝が伸び過ぎてしまった場合、一度に長くカットすると、葉だけでなく成長点のある茎まで切ってしまう「軸刈り」になることも。そうなると、光合成ができないために芝が弱ったり、枯れ込んだりして復活が難しくなるので、ハサミで刈り込むときは注意が必要です。芝が伸び過ぎてしまったら、一度に短くしてしまわずに、少しずつ何度かに分けて切り戻し、本来の草丈に戻すとよいでしょう。 水やり kilukilu/Shutterstock.com 芝生の水やりの頻度や量は、季節や地域、気候によって異なりますが、基本的には芝生が成長する時期には水をたっぷりあげる必要があります。また、芝生を植えてから1年くらいは根の張りが浅いので、表面が乾いたタイミングでたっぷり水やりをしましょう。 日本芝は暑さや乾燥に強い一方で、西洋芝は寒地型が多く、乾燥に弱いため、特に春から秋にかけてはこまめに水やりする必要があります。 季節・月ごとの目安は以下のとおりです。 春(4月、5月、6月) 3~4日に1回(週に1~2回)を目安に水やりをしましょう。 梅雨の季節は頻度を抑え、雨の合間に必要であれば行いましょう。 夏(7月、8月、9月) 7月から9月上旬の夏のうちは、毎日の水やりがおすすめですが、地域や日当たりなどによって乾燥具合が左右されるため、様子を見ながら、少なくとも週に2~4回は行うとよいでしょう。 炎天下に晒されたり、暑さが夕方以降も残るような日は、夕方から夜にかけて再度水やりをしましょう。 秋(10月、11月) 秋は水やりの目安は3~4日に1回(週に1~2回)ですが、暖地型の芝生は11月頃から休眠に入リます。休眠中は生育が止まるため水やりが不要となります。9月後半辺りから11月にかけて、徐々に水やりの間隔をあけていきましょう。 寒地型の場合も、3~4日に1回(週に1~2回)程度を目安に行いますが、11月になると週1回ほどで十分になります。水やりの頻度を少しずつ減らすようにしましょう。 冬(12月、1月、2月、3月) 暖地型の芝生は、冬の間は基本的には水やり不要です。 寒地型の芝生は、乾燥しない程度に水やりしましょう。 雑草対策 Rob Bayer/Shutterstock.com 雑草対策も芝生にとって大切な手入れの一つ。雑草が生えてきてしまったら、タネをつけないうちに根から取り除きましょう。一度雑草の侵入を許すと、あとから駆除をするのは手が掛かります。 また、芝刈りをこまめにすることで、芝が緻密になり、雑草が入り込むスペースをなくすことができます。 雑草の発生を抑える方法としては、 芝を高めに刈る 暖地型は秋から冬の肥料を控える 芝生を密に保つ などがあります。 芝生に生える雑草には、スズメノカタビラ、カタバミ、コニシキソウ、チドメグサ、シロツメクサ(クローバー)、スギナ、ドクダミなどがあります。 それぞれの雑草に対する対策について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。 肥料 photowind /Shutterstock.com 芝生を美しく保つには栄養も必要で、肥料を施すのも手入れの一つです。 高麗芝などの日本芝の場合、4〜8月に月1回の施肥を行います。西洋芝の場合、3〜6月と9〜12月に月1回行います。 例えば、化成肥料(N-P-K=10-10-10)であれば、1回につき1㎡あたり20~30g程度散布します。撒くときにムラができないように、少量ずつ均一に撒くのがポイント。ほうきや熊手などで肥料を分散させるのもよいでしょう。 肥料が多すぎると、育ちすぎて芝刈りに苦労することになるので、規定量を守って施しましょう。 虫対策 芝生に害虫が発生したときのサインは、一部だけ枯れていたり、鳥が来るようになる(虫が鳥のエサとなるため)、などがあります。このようなサインを見逃さないようにして、早めに虫対策を行いましょう。 芝生に発生しやすい害虫には、スジキリヨトウ、アリ、コガネムシ、シバツトガ、タマナヤガ、ツマグロヨコバイ、シバオサゾウムシ、ドウガネブイブイ、ケラが挙げられます。駆除の方法とは殺虫剤が有効です。それぞれの殺虫剤によって効果のある虫や使い方が異なりますので、説明をよく読んで使用しましょう。 また、刈り残しや冬枯れした芝生は「サッチ」として堆積します。これを放置すると、土壌の通気性や水はけが悪くなり、病原菌の温床となって害虫の発生源になってしまいます。 このサッチを除去することを「サッチング」といいます。サッチングは年に何度も行う必要はなく、冬枯れした芝生を取り除くために春先に行うのがおすすめです。芝生にとってよい環境を維持するよう心がけましょう。 凸凹した芝生のメンテナンス「目土入れ」 SingjaiStocker/Shutterstock.com 芝生は刈り揃える手入れ以外にも、春の芽吹きの頃に行うと効果的な「目土入れ」という手入れの方法があります。洗い砂や焼砂、川砂など芝生栽培に向いた専用土を、芝生の隙間に入れることで、芝の発芽や発根を促進する効果があります。芝生の密度が足りないときや、生え揃っていない剥げた場所が目立つようになったら、目土入れを行なうとよいでしょう。 また、芝生は、雨の降った後、低くなった場所に水がたまりやすく、湿った状態が繰り返されると芝生の根が腐ってしまい、凸凹が目立つ場合もあります。そこで、整地し修繕するには、低くなった箇所を中心に芝生の間に目土がまんべんなく入ることをイメージして、目土を撒きます。 そうすることで表面に露出した茎の保護と根の生育範囲の拡大がうながされて、芝生の凹凸の補正が期待できます。具体的な方法は、枯葉をレーキでかいて取り除き、下記に紹介するエアレーションを行って、全体的に葉が埋もれないように目土をまんべんなく撒きます。もし、広範囲に枯れた箇所がある場合は、先に紹介した芝を張る要領でマット状の芝生を部分的に張って補修するのもよいでしょう。 芝生の更新作業「エアレーション」 Paul Maguire/Shutterstock.com 芝生に穴あけを行うことを「エアレーション」といいますが、通気性や透水性を改善するために定期的に行うとよい芝生のメンテナンスの一つです。 NinaMalyna/Shutterstock.com レーキやローンスパイクなどを使って、深さ5~10cmの穴を5~10cmの間隔であけます。特に、日頃よく踏む場所を重点的に行いましょう。穴をあけたら、その穴の中に目土を入れて養生しましょう。 芝生の庭で楽しいアウトドアタイムを 美しい芝生の庭付きの戸建ての暮らしに憧れるけれど、管理が不安という方は、ぜひこの記事で解説した手入れ方法を参考に、一部からでも芝生を取り入れてみてはいかがでしょうか? 芝生の庭に合わせてウッドデッキやテラス、テーブルを置いたり、目隠しにもなるフェンスの設置、植栽や花壇などを配置して、タイルや飛び石などでアクセントをつけるなど、エクステリアを工夫すれば、プライバシーを守りながらキャンプ気分も楽しめるような素敵な庭空間が実現するでしょう。 ぜひ憩いの芝生の庭でアウトドアタイムを楽しみましょう。 併せて読みたい
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樹木

沙羅双樹(サラソウジュ)ってどんな木? 仏教との関わりや楽しめるスポットもご紹介
沙羅双樹の基本情報 Suprabhat/Shutterstock.com 植物名:サラノキ学名:Shorea robusta英名:Sal tree和名:サラノキ(沙羅の木)その他の名前:沙羅双樹科名:フタバガキ科属名:コディアエウム属原産地:インド分類:常緑性高木 沙羅双樹とは、本来は木の名前ではなく、サラノキ(沙羅の木)が2本対になっている状態のことをいいます。サラノキの学名は、Shorea robusta(ショレア・ロブスタ)。フタバガキ科コディアエウム属の常緑高木です。原産地はインドで、暑さに強く寒さに大変弱い性質を持っています。自然樹高は30mほど。 サラノキは仏教の三大聖樹の1つで、残りの2つは無憂樹(ムユウジュ)、印度菩薩樹(インドボダイジュ)です。サラノキは若返りや復活を意味する「生命の木」として、大切に扱われています。一方、日本では「サラノキ」のことを「ナツツバキ」と認識していることがほとんどです。この謎については、のちほど紐解いていきます。 サラノキの花や葉の特徴 milan tudu/Shutterstock.com 園芸分類:樹木開花時期:3~7月樹高:30m前後耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:クリーム色 サラノキの原産地での開花期は3〜7月で、一番の見頃は4月頃です。花色はクリーム色がかった白で、小さな花を密に咲かせます。ジャスミンに似た、甘く爽やかな香りを持っています。葉はつやのある楕円形で、長さ10〜25cmにもなる大きな葉が特徴です。幹は頑丈で、現地では建築用木材として加工されたり、樹脂が香料として使われたりと、生活に馴染みのある樹木の1つです。 サラノキ(沙羅の木)を沙羅双樹と呼ぶ理由 Ton Bangkeaw/Shutterstock.com 沙羅双樹という名前は、お釈迦様の入滅の際に、沙羅の木が対になった場所が選ばれたことにちなみます。2本の対の沙羅の木の間に横たわったとする伝えや、2本ずつ4カ所に8本植えられていたという伝えがあり、いずれも対に並んでいる様子が名前に含められて広まったようです。お釈迦様が入滅すると、嘆き悲しんだ沙羅の木は白い花を咲かせてお釈迦様を覆い尽くしたという言い伝えも残されており、それによって聖木として扱われてきました。 沙羅の木を含む三大聖樹とは 仏教では、沙羅の木、無憂樹、印度菩提樹を三大聖樹としています。沙羅の木については前述のとおりなので、ここでは無憂樹、印度菩提樹について簡単にご紹介しましょう。 無憂樹 Pavaphon Supanantananont/ shutterstock.com 学名はSaraca indica(サラカ・インディカ)で、マメ科サラカ属の中木。原産地はインドで、暑さに強く寒さに弱い性質を持っています。花色は黄〜オレンジで、小さな4弁花が集まって咲きます。お釈迦様はこの木の下で4月8日に生まれたと伝えられ、この日を灌仏会(かんぶつえ)や降誕会(こうたんえ)と呼んでいます。「阿輪迦の木」(あそかのき・あしょかのき)という別名も持っており、「憂いがない」という意味のサンスクリット語「アショカ」に由来しています。インドでは「憂いのない出産・誕生・結婚をかなえる幸福の木」とされています。 印度菩提樹 Abdul batin/ shutterstock.com 学名はFicus religiosa(フィカス・レリジオーサ)。クワ科フィカス属の高木で、原産地はインド。暑さに強く寒さに弱い性質を持っており、日本では観葉植物として流通しています。葉は縦長の楕円形で、先端が少し尖っているのが特徴です。花や実はつくものの、ほとんど外からは見えません。お釈迦様がこの木の下で49日間瞑想し、2月8日に悟りを開いたと伝わっており、この日を「成道会(じょうどうえ)」と呼んでいます。ちなみに、ボダイジュやセイヨウボダイジュ、ナツボダイジュなどはシナノキ科で、印度菩提樹とは別種です。 日本で沙羅の木とされる大半はナツツバキ(夏椿) サラノキは寒さを苦手とするため、日本の気候では温室でない限りは育てられません。しかし仏教では聖木とされているため、代わりに花姿が似ているナツツバキを植栽して沙羅の木と呼ぶようになりました。ここでは日本の沙羅の木、ナツツバキについてご紹介します。 ナツツバキの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ナツツバキ学名:Stewartia pseudocamellia英名:Japanese stewartia和名:ナツツバキ(夏椿)その他の名前:サラノキ(沙羅の木)、シャラノキ科名:ツバキ科属名:ナツツバキ属原産地:日本、朝鮮半島分類:落葉性小高木 ナツツバキの学名はStewartia pseudocamellia (ステワルティア・プセウドカメリア)。ツバキ科ナツツバキ属の小高木。原産地は日本、朝鮮半島で、暑さにも寒さにも強い性質を持っています。花の形がツバキに似ており、6〜7月に開花するためナツツバキ(夏椿)と呼ばれてきました。花色は白で、5〜6cmほどの5弁花。一日で散る一日花です。自然樹高は10mほどですが、剪定によって樹高をコントロールすることができます。冬には葉を落とす落葉樹です。 お寺によく植えられているのは、日本の寒さに耐えられないサラノキの代わりとして、葉や花姿が似ているナツツバキを植えたためとされています。そのため、日本ではナツツバキが沙羅双樹だとして広く認識されるようになりました。また、僧侶がナツツバキを間違えて沙羅の木と呼んだことが由来、という説もあります。 ほかのツバキとの違い 左上から時計回りにナツツバキ、ツバキ、ヒメシャラ、サザンカ High Mountain、Mei Yi、sabot27、tamu1500/Shutterstock.com ナツツバキは、ツバキ、サザンカ、ヒメシャラと見た目がそっくりなため、これらの違いがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。ここで、見分け方についてご紹介します。 ツバキの花色は赤、ピンク、白、複色。種類によって咲く時期に幅があり、12月〜翌年4月で、花の終わりには花首がポトリと落ちます。常緑樹で、葉は肉厚で艶やかです。 サザンカは、性質はほとんどツバキと似ていますが、花の終わりに花首が落ちるツバキとは異なり、花弁をバラバラに散らします。また主に冬に咲くことや、枝に産毛があること、葉が小さいことも見分けるポイントです。 ヒメシャラの開花期は5〜7月。花色は白か淡いピンクで、小さめの花を咲かせます。花も葉もナツツバキより小ぶりなため、「小さい沙羅の木」という意味でヒメシャラ(姫沙羅)と呼ばれるようになりました。落葉小高木で、常緑のツバキやサザンカと違って冬は落葉します。 ナツツバキの育て方 サラノキの代わりとして寺社などで育てられてきたナツツバキ。日本では「沙羅の木」といったらナツツバキを指すことが多いため、ここでは、ナツツバキの育て方について解説していきます。 適した栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境でも十分育ちますが、暗すぎると花つきが悪くなるので注意。また、西日が強く当たる場所では、夏の強い日差しによって葉が傷みやすくなるので、避けたほうがよいでしょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、寒冷地では鉢栽培にし、真冬は屋内に取り込むほうが無難です。 【置き場所】乾燥に弱く、適度に水はけ・水もちのよい土壌を好みます。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け適期は、12月〜翌年2月です。 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えます。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、乾燥を嫌うので、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 施肥 vladdon/Shutterstock.com 順調に生育していれば追肥はほぼ不要です。しかし、木の生育に勢いがないようであれば緩効性肥料を樹木の周囲にまき、クワなどで軽く耕して土に馴染ませて様子を見守ってください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 剪定適期は、落葉して休眠している12月〜翌年2月です。自然樹高は10mに達しますが、家庭で栽培するなら管理をしやすくするためにも5m以内にとどめ、剪定によって樹高をコントロールしましょう。成長スピードはやや遅いほうです。もともと枝数が少なく、繊細な枝ぶりが美点といえるので、強い切り戻しをせずに自然に整う樹形を楽しむ剪定を心がけます。 まず樹高の半分より下の位置で幹から出ている下枝は、すべて元から切り取ります。次に、幹の内側に向かって伸びる枝を切り、さらに込み合っている部分があれば、不要な枝を元から切って風通しをよくしましょう。枝はどこで切ってもいいわけではなく、必ず分岐点まで遡って切り取ってください。剪定した部分から雑菌が入って病気を誘発したり、木の水分を失ったりするのを防ぐために、切り口には必ず癒合剤を塗っておきましょう。癒合剤は園芸店などで手に入ります。 注意する病害虫 traction/Shutterstock.com 【病気】 発生しやすい病気は、さび病です。 さび病は、カビによる伝染性の病気で、葉にくすんだオレンジ色の斑点が現れます。この楕円形の斑点はイボ状に突起するのが特徴で、症状が進むと破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 発生しやすい害虫は、チャドクガなどです。 チャドクガは蛾の幼虫で、イモムシのような姿で多数の細かい毛に覆われています。体長は20〜30mmで、ツバキ科の植物によく発生します。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目がよくないだけでなく、毒があるので見つけ次第駆除しましょう。チャドクガの毛に触れるとかぶれて皮膚炎を起こすので、駆除の際には注意が必要です。毛が皮膚につかないように長袖、長ズボン、手袋を着用して作業し、枝ごと切ってビニール袋に入れて処分してください。 タイやカンボジアで沙羅の木として扱われる花 Huy Thoai/Shutterstock.com 日本ではナツツバキが沙羅の木の代わりとなっているのと同様に、タイやカンボジアでは、ホウガンノキが沙羅の木として広まっています。一層ややこしくなってきましたが、これは仏教が伝わる際に、沙羅の木をホウガンノキと誤認したことが由来のようです。 ホウガンノキは、学名はCouroupita guianensis(コウロウピタ・ギアネンシス)。サガリバナ科ホウガンノキ属の常緑高木です。原産地は南アメリカで、寒さに弱いので日本では温室のある植物園でしか見ることができません。開花期は3〜5月で、花は朱色。肉厚な花弁が特徴的で、芳香を持っています。花は一日花で、のちに15〜20cmの実がつきます。 平家物語に登場する沙羅双樹の意味合い stifan/Shutterstock.com 『平家物語』の有名な冒頭部、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす……」。この一文を学校で学んだ方は多いことでしょう。「どんなに勢いに乗っている人でも、必ず衰える時がやってくる」という意味ですが、この沙羅双樹の花の色とは何を示しているのでしょうか。これはお釈迦様が入滅する際に沙羅双樹が白化したという言い伝えをもとに、「沙羅双樹の花の色」は死や滅亡を暗喩して、盛者必衰に結びつけたものとされています。 国内でサラノキ・ナツツバキが楽しめるスポット ナツツバキ。High Mountain/Shutterstock.com サラノキは日本での栽培は難しいのですが、温室設備の整った植物園などでは実物を見ることができます。 ●滋賀県「水生植物公園 みずの森」(滋賀県草津市下物町1091番地)では、ロータス館のアトリウムにて展示。 ●京都府立植物園(京都市左京区下鴨半木町)の日本最大級の温室では、サラノキのほか印度菩提樹や無憂樹、ホウガンノキ、ナツツバキも見学できます。 ●夢の島熱帯植物館(東京都江東区夢の島2-1-2)は夢の島公園内の熱帯博物館で、サラノキ、印度菩提樹、無憂樹が見られます。 日本の沙羅の木・ナツツバキのおすすめスポットもご紹介しましょう。 ●妙心寺東林院(京都市右京区花園妙心寺町59)は、1531年に細川氏綱が父を弔うために建立しました。本堂前庭には十数本のナツツバキがあり、見頃に合わせて特別公開しています。 ●普門寺(大阪府高槻市富田町4丁目10-10) は、行基菩薩開創のお寺で、1300年の歴史があります。6月頃がナツツバキの見頃です。紅葉寺としても知られています。 サラノキは三大聖樹の一つ!スポットを訪れて見てみよう milan tudu/Shutterstock.com 仏教では聖樹として知られるサラノキ。日本では苗の流通も少ないうえ、温室でない限り育たないことからナツツバキを代用し、沙羅の木に見立てて大切に育ててきました。そのため一般的にも沙羅双樹イコールナツツバキとして定着していますが、本来は違う植物です。国内でも本家のサラノキを見ることができる、温室設備の整った植物園もあるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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ガーデンデザイン

グラベルガーデンはローメンテナンスな庭! つくり方やおすすめの植物をご紹介
グラベルガーデンとは Aleksandr Kondratov/Shutterstock.com グラベルガーデンとは、どのような庭なのでしょうか。まずは、その特徴について解説します。 グラベルガーデンの概要 Anueing/Shutterstock.com グラベルとは砂利のことで、グラベルガーデンとはその言葉どおり、砂利を敷いて植栽している庭のことです。乾燥した環境を好む植物を植えるのに適したガーデンスタイルで、通常の庭に比べてあまり手間がかからない、ローメンテナンスガーデンといわれています。特に、暑くて乾燥しやすい場所や日当たりのよい場所が、グラベルガーデンに最適です。 グラベルガーデンのメリット Natalya Bardushka/Shutterstock.com グラベルガーデンにすれば、肥沃な土壌でなくても豊かな庭をつくることが可能です。雑草が旺盛にはびこりにくいため、手間が省けますし、乾燥に強い植物を選ぶので、頻繁な水やりの必要もなくなります。メンテナンスが楽で水の節約にもつながるうえ、芝生よりも安価。クールでスタイリッシュな庭づくりができます。 グラベルガーデンのつくり方 Julia700702/Shutterstock.com メンテナンスの手間が比較的かからないグラベルガーデン。とはいっても、自宅の庭につくることが可能か、気になっている方も多いのではないでしょうか。じつは、グラベルガーデンはDIYすることもできます。ここからは、グラベルガーデンの基本のつくり方についてご紹介します。 1.場所を選び準備する p-jitti/Shutterstock.com まずは、敷地の中でグラベルガーデンをつくる場所を選びます。理想的な環境は、日当たりがよく、土壌の水はけがよい場所です。庭の一部をグラベルガーデンにする場合は、つくる位置と広さを決めましょう。 そこに雑草が生えている場合は、すべての草を抜くか、短期間で効き影響が残らない除草剤をまくなどして着手前に処理をしておきましょう。その後、表土が平らになるように整地します。 2.境界を作る 77xx/Shutterstock.com 庭の一部分だけをグラベルガーデンにする場合は、仕切りを設けます。レンガや石などを利用して境界を縁取ることで、庭が引き締まって見え、砂利があちこちに広がるのも防げます。これにより、庭全体のバランスを保ちつつ、グラベルガーデンのエリアを見栄えよくすることができます。 3.砂利を敷く photowind/Shutterstock.com 砂利だけでもある程度雑草を防ぐ効果はありますが、防草シートを利用するとより効果的に雑草対策ができます。その場合は、まずグラベルガーデンのエリア全体に防草シートを敷き、その上に砂利を広げていきます。砂利の色や形は、家や庭の雰囲気に合わせてお好みのものを選びましょう。サイズは小粒のものが管理しやすく、特に石英や花崗岩がおすすめです。 グラベルガーデンにしたいスペースが広い場合は、予定の高さに印をつけた杭を一定間隔で打ち込んでおくと、砂利を均等に敷く際の目安になります。 4.植物を植える Kathy D. Reasor/Shutterstock.com 砂利が均等に敷けたら植物を植えます。乾燥に強く、深く根を張る植物を選びましょう。おすすめの植物の種類については後述します。 植物を植え付ける前に、成長後のサイズを考慮して配置を決めます。位置が決まったら、砂利を掘って苗を植えます。乾燥を好む植物が多いグラベルガーデンでは、土の代わりに砂利を使うのが基本ですが、植え穴に水はけのよい土を入れたり、植物の種類によっては防草シートに穴をあけて植え穴を掘ってから植栽するとよいでしょう。植栽を終えたら砂利を整えます。 5.根付くまで水やりをする Fotokostic/Shutterstock.com 植えた植物が根付くまでは、たっぷりと水をやります。その間、植物の様子をよく観察し、しっかりと根付いたら、水やりの回数を減らします。植物の葉が変色したり、しおれたりしている場合は水不足のサインなので、水を補ってやりましょう。 グラベルガーデンで必要なお手入れとは Flystock/Shutterstock.com グラベルガーデンは、メンテナンスの手間があまりかからないという利点があります。しかし、美しい庭を保つためには最低限のお手入れが必要です。 庭に木々が生えている場合は、砂利の上に落ち葉がたまることがあります。その場合は、レーキなどでかき集めるか、ガーデンブロワーを使って吹き飛ばすと効率よく落ち葉を取り除くことができます。また、防草シートを敷いていても雑草が生えてくることがありますので、小さいうちに適宜抜くことが必要です。 時間が経つと砂利が薄くまばらになることがあります。その場合は、必要に応じて砂利を補充します。 グラベルガーデンに適した植物 Niall F/Shutterstock.com グラベルガーデンには、乾燥に強く根がしっかりと張る植物が適しています。 ここでは、グラベルガーデンにおすすめの代表的な植物をご紹介します。 ラベンダー Kotkoa/Shutterstock.com ラベンダーは、シソ科ラベンダー属(Lavandula属)の植物の総称です。4〜7月に紫色の花を咲かせるハーブの仲間で、品種によっては四季咲き系もあります。花は香りがよく、ポプリなどにして楽しむこともできます。 日当たりがよく風通しのよい、乾燥した場所を好み、過湿を嫌います。温暖地で植える場合は、耐暑性の強いラバンディン系やフレンチラベンダー系を選ぶのがおすすめです。 ラムズイヤー Yingna Cai/Shutterstock.com ラムズイヤー(Stachys byzantina)は、シソ科イヌゴマ属の多年草です。 香りがあり、ハーブとして利用されることもあります。ビロードのようなふわふわした柔らかな肌触りの葉が特徴で、初夏にはピンクや紫の小さな花を咲かせます。その美しいシルバーグリーンの色合いから、カラーリーフとしても高い人気があります。 エキナセア titi-kako/Shutterstock.com エキナセアは、キク科エキナセア属(Echinacea属)の植物の総称です。6月中旬から8月にかけて、中心部が丸く盛り上がり、花弁が放射状に広がる花を咲かせます。花色は赤やピンク、オレンジ、黄、白、緑などさまざまです。 花後はこまめにカットすることが必要です。また、枯れた下葉も整理して株元の風通しをよくしましょう。 キャットミント Katarzyna Mazurowska/Shutterstock.com キャットミントはシソ科ネペタ属の園芸品種で、学名はNepeta ×faasseniiです。多くの種類があるネペタ属の中でも、日本で広く普及している品種です。 開花期は4〜10月で、青紫やピンク、白の花を長く楽しむことができます。暑さにも乾燥にも強い性質ですが、高温多湿には弱いです。生育旺盛でこんもりと茂りますが、梅雨から夏の間には短く切り戻して風通しをよくしましょう。 セダム yanikap/Shutterstock.com セダムはベンケイソウ科セダム属(Sedum属)に属する多肉植物の総称で、非常にたくさんの種類があります。開花時期や花色はさまざまですが、初夏に黄色い花を咲かせるものが多いです。 セダムには上に伸びるタイプと横に広がるタイプがあります。上に伸びるタイプは伸びすぎたら適度な位置で剪定しましょう。一方、横に広がるタイプは、蒸れを防止するために込み入った枝をすかすように剪定することが必要です。 グラベルガーデンが楽しめるスポット ベス・チャトー・ガーデン内のスクーリーガーデン。グラベルガーデンより前に、乾燥に強い植物を集めてつくられた。photo/3and garden グラベルガーデンを見られる場所は、国内外にたくさんあります。庭づくりの参考やフォトスポットとしてもおすすめの、有名なグラベルガーデンを3つご紹介します。 ベス・チャトーガーデン photo/3and garden イギリス南東部のエセックス州にあるのが、世界的に有名な「ベス・チャトーガーデン」。この庭園は、著名なガーデンデザイナー、ベス・チャトーが、1960年代から生涯をかけてつくり上げました。彼女は2018年に94歳で亡くなりましたが、その遺志は庭園を通じて今も生き続けています。 ベス・チャトーガーデンは7.5エーカーの土地に、グラベルガーデンをはじめ、ウォーターガーデン、ウッドランドガーデンなど、合計5つの異なる種類の庭園が配置されています。特に注目すべきは、イギリス国内でもっとも乾燥した地域にあるにもかかわらず、一度も水やりをされていないというグラベルガーデンです。水やりをされなくても、この庭は常に美しい状態を維持し続けています。 萌木の村 kt-wat/Shutterstock.com 萌木の村は、イギリスの著名なランドスケープデザイナーであるポール・スミザー氏が監修した庭園です。山梨県北杜市にあり、約3万2000㎡もの広大な敷地にウッドランドガーデンやグラベル&ローズガーデンなど、さまざまな庭が整備されています。 はなふる 上野ファームの上野砂由紀さんが手がけたグラベルガーデン。ピートモスをブレンドした砂利を使っている。photo/3and garden 「はなふる」は、北海道恵庭市にある観光スポットで、2020年にオープンした公園です。ここは「花のまち恵庭」を広くアピールする都市公園として誕生し、2022年には全国都市緑化フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」が開催され、多くの人が訪れました。注目は、北海道で今活躍する12人のガーデナーによりつくられたガーデンエリアで、グラベルガーデンをはじめとする7つの庭が楽しめます。 グラベルガーデンで美しい庭を実現しよう Artazum/Shutterstock.com グラベルガーデンは砂利を土壌にし、乾燥に強い植物を集めてつくる、近年注目されているガーデンスタイルです。砂利を敷いた庭は緑や花の色が引き立ち、水やりや草取りなどの手間もあまりかけずに、美しい景色を楽しむことができます。ぜひこの記事を参考に、お好みの植物を選んでオリジナルのグラベルガーデンづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

夏花壇で活躍するブルーサルビア(サルビア・ファリナセア)の種類・育て方とは? 冬越しできる?
ブルーサルビアの基本情報 Photo Win1/Shutterstock.com 植物名:サルビア・ファリナセア学名:Salvia farinacea英名:mealy sage別名:ブルーサルビア、ミールセージ和名:ケショウサルビア科名:シソ科属名:サルビア属原産地:北アメリカ形態:半耐寒性多年草(一年草扱い) ブルーサルビアは、シソ科サルビア属の半耐寒性の多年草(日本では一年草扱い)。原産地は北アメリカです。初夏に種を播いて育苗すると、夏から晩秋にかけて長く咲いてくれます。暑さには強いのですが、寒さには弱いので、日本の寒い冬を乗り越えられずに冬前には枯れてしまいます(ただし本来は多年草なので、暖地では越冬することもあるようです)。寿命は半年くらいで、ライフサイクルの短い植物といえます。 ブルーサルビアの花や葉の特徴 mariokinhed/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜10月草丈:25〜50cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:青、白 成長すると背丈が25〜50cmほどになり、花壇の中段あたりに向いています。花茎をすらりと上げて穂状になり、縦のラインが強調されるのでガーデンに立体感を出すことができます。花色は、青のほかに白や2色咲きの品種もあります。 ブルーサルビアの名前の由来や花言葉 CuteIdeas/Shutterstock.com ブルーサルビアという名前は、じつのところ通称。この花が一般に出回り始めた頃、サルビアといえば赤い花のサルビア・スプレンデンスのほうが圧倒的に知名度が高かったため、それと区別して覚えやすいように、ブルーサルビアの名称で流通するようになりました。また、青花よりも後発で白花も出回るようになり、「白花のブルーサルビアとはこれいかに」という混乱を回避するために、現在はサルビア・ファリナセアと呼ばれることも多くなっています。 ブルーサルビアの花言葉は、「永遠にあなたのもの」「爽やか」など。これは花色や長期間咲き続けることにちなむとされています。 サルビアの代表的な種類 サルビアの代表種、サルビア・スプレンデンス。Nadya So/Shutterstock.com サルビアの種類は900種以上に及び、セージとも呼ばれハーブや観賞用として利用されるものなど、じつに多様です。日本で観賞用の園芸種として広く流通しているのは、ブルーサルビアの名称で知られるサルビア・ファリナセアのほかに、赤花で最もポピュラーなサルビア・スプレンデンス、長い穂状の花が咲き続けるサルビア・コクシネア、ハーブティーや肉料理の臭み消しなどに使われるコモンセージ(サルビア・オフィシナリス)や、鮮やかな花色が印象的なチェリーセージなどがあります。 ブルーサルビアに似た花 ラベンダー。Vera Larina/Shutterstock.com ブルーサルビアに似た花として、同じくシソ科のラベンダーがあります。ブルーサルビアは葉っぱの形状が長楕円形なのに対し、ラベンダーは細長い形状をしているのが見分けるポイントです。 また、ラベンダーは強い芳香が特徴なので、香りからも判断できます。 ブルーサルビアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜10月植え付け時期:5〜7月中旬肥料:真夏を除いた5〜7月、9〜11月上旬入手時期:初夏種まき時期:5月(発芽適温20℃前後) ブルーサルビアの栽培環境 THE CUT/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を選びます。日照が不足すると花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、暖地で冬越しをさせたい場合は、気温が低くなってきたら室内に入れるかカバーをするなど、霜や凍結に注意しましょう。 【置き場所】水はけ、水もちのよい土壌を好みます。地植えの場合は、植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土作りをしておくとよいでしょう。乾燥を苦手とする傾向があるので、砂質土壌など乾きやすい場所などでの栽培は避けたほうが無難です。 耐寒性・耐暑性 生育適温は15〜25℃。暑さに強い一方で、寒さに弱い性質です。本来は多年草ですが、日本ではうまく冬越しできないために、一年草として扱われています。 ブルーサルビアの育て方 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質ですが、酸性に傾いた土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前に苦土石灰を散布して土に混ぜ込んでおきましょう。さらに1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきます。特に乾きやすい砂質土壌では、水もちをよくするための土壌改良が必要です。有機質資材を多めに混ぜ込んでおきましょう。事前に土作りをしておくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え・プランター】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土やハーブ用の土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【地植え】 しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地中から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、乾燥した環境を苦手とするので、雨が降らない日が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え・プランター】 日頃の水やりを忘れずに管理します。乾燥すると株が弱るので、水切れには注意。土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずにきちんとキャッチすることが、枯れることを防ぐポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え/鉢植え・プランター共通】 開花期間が長いので、真夏を除いた5〜7月、9〜11月上旬に、月に1度を目安に緩効性肥料を株の周囲にばらまいて、土によくなじませます。または、開花促進用の液肥を10日に1度ほどを目安に与えてもよいでしょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ブルーサルビアの栽培では、病気が発生する心配はほとんどありません。 【害虫】 アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニの発生に注意します。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、極めて食欲旺盛。一晩のうちに花や葉を食い荒らすことがあります。「夜盗虫」と漢字で書く通り、夜に活動する性質を持っています。葉や花に穴があいているのを見つけたら、夜にパトロールして捕殺するか、早いうちに適応する薬剤を散布して防除しましょう。 ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱るので、葉の表や裏にシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。 ブルーサルビアの詳しい育て方 苗の選び方 花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。また、枯れや病気の兆候のないかよく確認することも重要です。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com ブルーサルビアの植え付け適期は5〜7月中旬です。ブルーサルビアは基本的には一年草扱いのため、植え替え・鉢替えは行いません。 【地植え】 土作りをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、やや根鉢を崩して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、株間の間隔を20cmほど取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え・プランター】 鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ブルーサルビアの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、やや根鉢を崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 種まき Taras Garkusha/Shutterstock.com ブルーサルビアは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ただし、ブルーサルビアの苗は初夏から花苗店に出回り始めます。手軽に育てたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分」という方も、植え付けからスタートするとよいでしょう。 ブルーサルビアの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、十分に気温が上がった5月頃です。 まず、セルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に植え穴をあけて種子を2〜3粒ずつ播き、ごく薄く土をかぶせましょう。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から吸水させます。これはジョウロなどで上から水やりすると種子が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは暖かく明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水やりをしましょう。 発芽後は日当たりのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついたら、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びた弱々しい苗や、葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。さらに、黒ポットに培養土を入れて植え替え、10日に1度ほど薄い液肥を与えて育苗します。十分に成長したら花壇や鉢などに植え付けます。 花がら摘み ブルーサルビアは次から次へと花が咲くので、花が終わったら早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 摘心 苗を植え付けるタイミングで、新葉を2枚ほどつけた茎の下で切り取る「摘心(摘芯とも)」を行うと、下から脇芽が出てきます。この脇芽が勢いよく伸びたら、同様に摘心をし、この作業を繰り返すと、分枝が進んでこんもりと茂る株になります。枝の数が多くなるぶん、花数も多くなりますよ! ただし、「寄せ植えの花材の一つとして加えたいので、スマートな姿を保ちたい」といった場合には、不要な作業です。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com ブルーサルビアは開花期間が長く、ある程度咲きそろった後は徐々に草姿が乱れてきます。夏には草丈の半分くらいまで刈り取って、風通しよく管理しましょう。秋になると再び勢いを取り戻して生育し始め、晩秋まで開花を楽しめます。また、梅雨時の高温多湿な環境では株が蒸れて傷みやすくなるため、6月頃は風通しをよくするために花が密集しないよう切り戻しをしましょう。 夏越し ブルーサルビアは夏から晩秋にかけて長く元気に咲く花ですが、晩秋まで開花を楽しむなら、夏には草丈の半分くらいまで刈り取って風通しよく管理しましょう。秋になると再び勢いを取り戻して生育し始めます。 冬越し ブルーサルビアは寒さに弱いので、基本的には日本の寒い冬を乗り越えられずに冬前には枯れてしまいますが、本来は多年草なので、暖地では冬越しできることもあるようです。気温が低くなってきたら室内に入れるかカバーをするなど、霜や凍結に注意しましょう。 増やし方 Cautivante.co/Shutterstock.com ブルーサルビアの増やし方には、挿し木、種まきがあります。 【挿し木(挿し芽)】 挿し木(挿し芽とも)とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましいですね! 植物の中には挿し木ができないものもありますが、ブルーサルビアは容易に挿し木の方法で増やせます。 ブルーサルビアの挿し木の適期は、6〜7月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき(種取り)】 種子を採取して保存し、翌シーズンに種まきして増やすこともできます。ただし、種子をつけると株が消耗して次々と花を咲かせなくなるので、開花期前半は花がら摘みをして長く楽しみ、そろそろ終わりを迎える頃に花がら摘みをやめて、種子をつけさせるとよいでしょう。種子がはじける頃に莢ごと採取して、よく乾燥させてから種子を取り出します。密封容器に入れて、花名と採取した日を書き入れたラベルをつけ、次の種まきシーズンまで冷暗所で保存しましょう。 採取した種子の播き方は、「種まき」の項を参照してください。 こぼれ種で増える? こぼれ種とは、人為的に種まきをしたものではなく、自然に地面にこぼれ落ちた種子のことを言います。草花の中にはこぼれ種から増えるものもありますが、ブルーサルビアを増やしたい場合は前項で記述したとおり、種まきか挿し木が適切です。 地植えと鉢植え、どっちがいい? ブルーサルビアは、地植えでも鉢植えでも育てることができます。ここでは、その違いや特徴についてご紹介します。 地植えの場合 CuteIdeas/Shutterstock.com 地植えの場合は、鉢植えに比べて根を自由に広げることができるので、株姿が大きくなります。また、地中から水が上がってくるので、水やりもよほど乾燥が続く時以外は基本的には不要。肥料も土中に含まれる養分を吸い上げるので、鉢栽培ほど頻繁に与える必要がありません。また大きく育てれば、ダイナミックな景色をつくることができます。 鉢植えの場合 COULANGES/Shutterstock.com 鉢植えの場合は土の容量が限られるために、まめな水やりのメンテナンスが必要です。また、水やりのたびに肥料成分が流亡しやすいので、施肥の頻度も地植えより高くなります。しかし、日当たりのよい場所など、適した環境に移動しやすいのがメリット。ベランダやテラスなどに配置すれば、居住空間に近い場所を草花で彩ることができます。鉢のデザインや素材にこだわり、草花とのコーディネートも楽しめますね。 花壇や寄せ植えでも! 庭を鮮やかに彩るブルーサルビアを育ててみよう ruangrit junkong/Shutterstock.com この記事では、ブルーサルビアの基本情報から名前の由来、花言葉、育て方まで、詳しく解説しました。暑い真夏にも負けずに、涼しげなクールカラーの花が元気に咲き続け、サマーガーデンには欠かせない草花です。この爽やかなブルーサルビアを、ぜひ庭やベランダで育ててみませんか。
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宿根草・多年草

睡蓮(スイレン)とは ハスとの違いや特徴、育て方を解説
睡蓮の基本情報 Mazur Travel/Shutterstock.com 植物名:スイレン(睡蓮)学名:Nymphaea colorata英名:waterlily和名:睡蓮科名:スイレン科属名:スイレン属原産地 熱帯性睡蓮:熱帯アフリカ、南米、オーストラリア、熱帯アジアなどの熱帯、亜熱帯地域 温帯性睡蓮:ヨーロッパ、アメリカの温帯地域形態:多年生水生植物 「睡蓮」とは、スイレン科スイレン属(Nymphaea属)の植物の総称です。スイレン属の学名である「Nymphaea」は、水の精のnymph(ニンフ)に由来しています。水に浮かぶ涼しげな姿が美しい多年草の水生植物(水草)です。池や沼、緩やかな河川など生育していて、水中の地下茎から長い葉柄を伸ばし、水面に葉や花を浮かべます。 睡蓮の花や葉の特徴 Praew stock/Shutterstock.com 園芸分類:水生植物開花時期:熱帯性睡蓮:7〜10月/温帯性睡蓮:5〜10月耐寒性:熱帯性睡蓮 弱い/温帯性睡蓮 強い耐暑性:熱帯性睡蓮 強い/温帯性睡蓮 普通花色:ピンク、白、黄色など 睡蓮は、その見た目の特徴からも人々に愛される植物です。葉は円形で、切れ込みがあり、ツヤがあります。また、花は水面上に咲き、花托がなく、細長い花びらが特徴です。 睡蓮とハスは似ていますが、違う仲間の植物です。睡蓮の葉が水面に浮かぶのに対し、ハスの葉は水面の上に出て展開します。 睡蓮の花言葉と名前の由来 Andrew Kotura/Shutterstock.com 睡蓮の花言葉は「清純な心」「純情」「甘美」「優しさ」「信頼」などで、色によって異なります。また、古代エジプトにおいては太陽のシンボルとされていたことから、「信仰」という花言葉もあります。 さらに、ギリシャ神話に由来する花言葉として「滅亡」も挙げられます。 学名の由来にもなっているニンフは、プリアポスの言い寄りから逃れるために、水場に入って睡蓮に姿を変えたといわれています。 睡蓮になったニンフは、しばしばギリシャ神話やヨーロッパの伝説で水場に人を引き込む魔物のように描かれることがあります。ヘラクレスの愛人であるヒュラスが水を汲みに水場に近づいた際に、ヒュラスを気に入ったニンフが彼を水場に引き込んでしまったという話のように近づいた人に死をもたらすというイメージから、いつからか「滅亡」という花言葉が与えられたのかもしれませんね。 日本語の「睡蓮」は、睡蓮の花が朝から昼に開き、夕方には眠るように閉じてしまうことから、「眠るハス」ということでこの名がつけられたともいわれています。 睡蓮とハス(蓮)の違いは? 睡蓮によく似たハス。Janon Stock/Shutterstock.com 睡蓮とハスは、過去には同じスイレン科に分類されていましたが、遺伝子解析や花粉構造の研究により、ハスはハス科に分類されるようになりました。 ハスの地下茎には穴があり、この地下茎が「レンコン」として食べる部分になります。睡蓮は球根を持ちます。 上の写真のように睡蓮とハスは似ていますが、見た目でかりやすい違いとしては、睡蓮の葉は艶やかで切れ込みがある円形ですが、ハスには切れ込みがありません。さらに、ハスには浮き葉(水面上にある葉)と立ち葉(水面の上まで伸びて生えている葉)がありますが、睡蓮は浮き葉のみです。 ハスの開花のピークは7~8月中旬頃で、睡蓮より短めです。 日本で睡蓮の咲く時期と見頃 cristalvi/Shutterstock.com 睡蓮には温帯性睡蓮と熱帯性睡蓮があり、それぞれ開花時期が異なります。温帯性睡蓮の開花時期は5月から10月で、熱帯性睡蓮の開花時期は7月から10月です。 どちらも含めると、睡蓮の見頃は6月から9月頃とされています。 また、植え付け時期は3月から7月中旬です。 睡蓮には温帯性と熱帯性の2種類がある Praew stock/Shutterstock.com 前の解説でも少し触れましたが、睡蓮は温帯性と熱帯性に分けられます。ここでは、それぞれの睡蓮について詳しくご紹介します。 温帯性睡蓮 Alex Manders/Shutterstock.com 温帯性睡蓮は、世界の温帯地域に生息しており、越冬が可能です。また、温帯性睡蓮は熱帯性睡蓮よりも花形が豊富なのが特徴です。開花時期は5月中旬から10月。花は昼咲き性で、昼過ぎには閉じてしまうので、開花の様子は午前中しか見られません。フランスの印象派の画家、クロード・モネが愛し、「睡蓮」というタイトルで何枚もの絵を残しましたが、そこに描かれているのは主に温帯性睡蓮だといわれています。 熱帯性睡蓮 icemanphotos/Shutterstock.com 熱帯性睡蓮は、主に熱帯アフリカに生息しており、南米、オーストラリア、熱帯アジアなどの地域にも分布しています。開花時期は7月から10月中旬。水温が15℃を下回ると枯れてしまうので、育てる際は加温をするなど注意が必要です。青色や紫色などのブルー系があり、多彩な花色が特徴です。 代表的な睡蓮の品種 Dark_Side/Shutterstock.com 睡蓮には非常にさまざまな色や花形、芳香があり、また夜咲きの品種もあります。 ここでは代表的な睡蓮の品種について、種類ごとにご紹介します。 ティナ Angelina Kuhnert/Shutterstock.com ティナ(Nymphaea 'Tina')は、熱帯性睡蓮の一種です。紫色の大きく美しい花を咲かせ、人気の高い品種です。繁殖力が強いのも特徴です。 ブルーロータス Natalie magic/Shutterstock.com ブルーロータス(Nymphaea nouchali var. caerulea)は、熱帯性睡蓮の一種で、春から7月頃に青い花を咲かせることで知られています。 ヨザキスイレン guentermanaus/Shutterstock.com ヨザキスイレン(別名エジプトスイレン)は熱帯性睡蓮の一種で、1~3月に花径15〜25cmの大きな白い花を咲かせます。花は夜19時頃に咲き始め、朝9時になると閉じ、これを4〜5日繰り返すという個性的な特徴があります。濃厚で甘いフローラルな香りもあり、「ロータスアブソリュート」などの名がついたアロマオイルにもなっています。 ムラサキシキブ 熱帯性睡蓮には、葉の中央部にムカゴと呼ばれる小さな球根状の芽を付ける種類(ムカゴ種)があります。ムラサキシキブはそのムカゴ種に分類されます。 つぼみも紫色で、花が咲くと、花弁は白で縁取りは紫色というコントラストが美しい品種です。開花時期は7月から10月。 ペンシルベニア ペンシルベニアは、「ブルー・ビューティー」という別名を持つ熱帯性睡蓮。100年以上の歴史を持つ古い品種です。熱帯性睡蓮ならではのブルー系の花が可憐で美しく、高い人気を誇ります。繁殖力も旺盛で、花付きがよいので、初心者にもおすすめです。 レッドフレア Photo/pzAxe/Shutterstock.com レッドフレアは熱帯性睡蓮の一種。こちらも夜咲き系で、中でも最も赤が濃い品種です。 花弁を大きく開く大輪種で、夜咲き種らしい独特の花形も特徴です。葉は銅色で、シックな色の対比バランスがとても美しいです。 ホワイトパール ホワイトパールは熱帯性睡蓮の一種。大輪品種で、純白の花を咲かせます。黄色の蕊(しべ)とのコントラストが美しく、清楚さを感じさせる品種です。 アルバート・グリーンバーグ Photo/Simon Groewe/Shutterstock.com アルバート・グリーンバーグは熱帯性睡蓮の一種。花色は中央が薄い黄色で外へいくほどピンクが濃くなる、グラデーションが美しい花が楽しめます。個体によって、黄色やピンクの濃淡が異なります。葉に紫褐色がかる斑が入るのも特徴です。 オールモスト・ブラック Photo/Yury Petukhov/Shutterstock.com オールモスト・ブラックは熱帯性睡蓮の一種。直訳すると「ほとんど黒色」という名の通り、シックで暗めの赤色の花が目をひきます。花の中心部にいくほど黒味が強くなる珍しい品種です。開花時期は5月から9月です。 アーカンシェル Photo/Victoria Tucholka/Shutterstock.com アーカンシェルは温帯性睡蓮の一種。緑の葉に白や桃色などの斑が入るのが特徴的な品種です。「アーカンシェル」はフランス語で、その意味は英語でいうと「Arch in the sky」、つまり虹のこと。さまざまな色の斑入りの葉から、この名がついたといわれています。開花時期は5月から9月。ほぼ白に近い薄い桃色の細い花を咲かせます。 ピーチ・グロウ Photo/Wanvimol Songthamwat/Shutterstock.com ピーチ・グロウは温帯性睡蓮の一種。花色は、淡いクリームの花弁にほんのりと淡いピンクがのっていて、名前のとおり桃のような色合いが愛らしい品種です。花弁が多く、開花時期や肥料によって黄色みが濃くなったり、ピンクが濃くなったりという変化があります。 ジェームズ・ブライドン Photo/Elena Rostunova/Shutterstock.com ジェームズ・ブライドンは温帯性睡蓮の一種。比較的小型の家庭栽培に向く品種です。花弁の幅が広くふっくらしていて、上向きに美しく整った赤や濃いピンク色の花を咲かせます。 開花時期は6月から9月ですが、暑さには少し弱いため、真夏には開花が止まります。 ダーウィン Photo/eZeePics/Shutterstock.com ダーウィンは温帯性睡蓮の一種。花色はピンクで、中央にいくほど濃く、外側は白に近いというグラデーションがかかった色合いです。花弁数がとても多く、華やかさを放つ品種です。 ヒツジグサ Kristine Rad/Shutterstock.com ヒツジグサは日本に唯一自生するスイレン属の植物で、日本全国に分布しています。冷涼な気候を好み、6~11月に花径3~4cmの小さな花を咲かせます。 ヒツジグサという名前は、羊の刻(午後2~4時)に花を咲かせることからつけられたという説もありますが、実際にヒツジグサが開花するのは、およそ朝10時頃です。 家庭での睡蓮の育て方 美しい花が魅力的な睡蓮は、ご自宅でも育てて楽しむことができます。 ここからは、睡蓮の家での育て方とコツについて解説します。 睡蓮鉢と内鉢を用意 Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com 睡蓮を育てるには、株を植え付ける内鉢と、水をためる睡蓮鉢が必要です。 睡蓮鉢は、鉢底に穴のない円形で口径が広いものが一般的です。睡蓮は根の張りが強いため、プラスチックなどではなく、丈夫な陶製の鉢がおすすめです。内鉢と睡蓮鉢のサイズを合わせて購入しましょう。水鉢の大きさは、品種や株の大きさによっても異なりますが、口径30cm以上、水面から土までの深さが10cm以上になるものがよいでしょう。 品種選び Peace-loving/Shutterstock.com 睡蓮の苗は、栽培に適した時期にホームセンターやネット通販で販売されています。 品種選びには、いくつかのポイントがあります。まず、種類によって葉や花のサイズが異なるため、鉢の大きさを踏まえて検討する必要があります。 また、種類によって開花時期や開花する時間も異なるため、自分の生活に合ったものを選ぶとよいでしょう。 土選び Ratthaphong Ekariyasap/Shutterstock.com 睡蓮は肥沃で粘り気の強い土を好みます。腐葉土を底に敷き、赤玉土の小粒を水で練って植え込むか、用意できる場合は、田んぼの土を使って植え込みます。 植え付けの方法 Asrul Hazri/Shutterstock.com 睡蓮の植え付け時期は3~7月です。 内鉢に用土を入れ、苗を植え付けますが、その際、土をしっかり固めて水に浮かないようにすることが重要です。 次に、水を入れた睡蓮鉢に内鉢を沈めます。用土の表面から水面までの高さは5~20cmとなるよう、品種に合わせて調節します。 水やり Prasanthsartgallery/Shutterstock.com 睡蓮は水中で生育するので、こまめに水やりをする必要はありませんが、夏の開花時などは蒸発して水が減りやすいので、水切れを起こさないように水を足してあげましょう。 置き場所と管理 睡蓮を植え付けたら、日当たりのよい場所に置いて管理します。特に熱帯睡蓮の場合は生育に適した水温が25℃以上と高く、15℃を下回ると生育が鈍るので、日当たりのよい暖かい場所で育てましょう。 剪定については、花がらや黄色くなった葉は放置しておくと、水腐りの原因になるので、こまめに根本から切って取り除き、水が汚れないようにしましょう。また時々、鉢の水の1/3~1/2程度を溢れさせながら入れ替えるエアレーションをすると、空気を含んだ新鮮な水を鉢内に送り込むことができます。 睡蓮を栽培する場合、ボウフラ(蚊の幼虫)などの発生を予防するために、一緒にメダカを飼うのもおすすめ。水鉢の中を小さなメダカが動き回っているのを見るのは可愛らしいものです。ただし、水温上昇や農薬に気をつけるなど、メダカの生育にも適した環境を必ず用意してあげましょう。 冬越し 熱帯睡蓮と温帯睡蓮では耐寒性の強さが違うため、冬越しの方法も異なります。 温帯睡蓮は耐寒性が強く、水面が凍る程度なら耐えられるので、屋外での冬越しもOK。株が凍りつかないように深めの水位で管理します。3~4月頃に掘り起こして新しい土に植え替えましょう。 一方熱帯睡蓮は、冬は室内に取り込んだほうが無難。水温が5℃を下回らないように注意し、温度変化の少ない場所で管理します。休眠中は日光を必要としないため、発泡スチロールなどの容器に入れて蓋をしてしまうのも一手。熱帯魚用の水槽ヒーターなどがある場合は、加温して休眠させずに育ててもよいでしょう。 睡蓮を家で栽培してみよう Elena Elisseeva/Shutterstock.com 水辺に幻想的な雰囲気を作り出す睡蓮は、品種もさまざまで選ぶ楽しみがあります。メダカなどを飼育するビオトープに植えても涼しげな風景を作ることができます。 水やりなどの手間も少なく、美しい咲きたての花を身近に鑑賞できる喜びがあります。ぜひご自宅で睡蓮の栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。
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育て方

8月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダー August
ホースの水の熱湯化にご注意 PhotoJuli86/ shutterstock.com 近年の夏の暑さは想像以上で、猛暑日ともなると、ホースに溜まった水は温かいを通り越し、熱湯化して触れると熱いくらいです。しばらく水を出しっぱなしにして、冷水になったことを確認してから植物にも水やりしましょう。朝の水やりは、遅くとも8時前までに。それ以降は気温がぐんぐん上がり、鉢の中で水がお湯化してしまいます。日が落ちてからもう一度あげてもよいでしょう。 暑い夏は地植えでも水やりを この異常な高温のせいで、植物にも異変が発生しています。地植えの場合、通常は水やりは必要ありませんが、この夏は地植えの草花、野菜もシオシオになっている地域があります。特に地中海沿岸原産のハーブのほとんどは、日本の高温多湿が苦手。夜温の高い日が続くと弱ってしまうので、夕方以降はハーブの周辺に打ち水をして地温を下げましょう。中途半端に水を与えると蒸れを引き起こしてしまうので、水やりをする時は、たっぷりと。 地植えの場合、連日雨が降らない真夏には、上写真左のように株元にじっくり水をやります。地中の根に届くように、1株あたり10秒以上。また、葉の表面のホコリを落としたり、病害虫の発生を予防するために、葉に水をかける「葉水(はみず)」(上写真右)もおこないましょう。 ハダニ対策にシャワー放水 Eileen Kumpf/ shutterstock.com ハダニは高温で乾燥した環境を好みます。風に運ばれてやってくるハダニは、繁殖力が旺盛なため、アッという間に広がります。発生すると葉が白っぽくなり、植物の生育が悪くなります。湿気を嫌うので、こまめにシャワーの水を葉裏にかけながら水やりをするとよいでしょう。ベッドやカーペットなどに繁殖し、アレルギーの原因となるダニ類とは種類が異なります。 春秋型、冬型の多肉は生育停滞期 panattar/ shutterstock.com セダムやエケベリア、セネシオ、センペルビウム、ハオルチア、パキフィツムなど春秋に生育する多肉類は、生育が停滞する時期です。日焼けを起こしやすいので直射日光に当たらないよう遮光し、風通しをよくしましょう。生育停滞期は根が水を吸うスピードも遅いので、用土が完全に乾いたことをしっかり確認してから水をたっぷり与えましょう。冬に生育するリトープス、冬型コーデックスなどは休眠期ですので、断水します。どちらも肥料などは施しません。 真夏の液肥は薄めに Sokolenko/ shutterstock.com この暑いさなか、可愛い花を次々に咲かせてくれる夏の草花。植物は花を咲かせると体力を使うので、1〜2週間に1回、液肥を与えましょう。ただし真夏は肥焼けしやすいので、液肥は通常よりも薄めが安心です。花をたくさん咲かせようと液肥を濃くすると、逆に弱らせてしまいます。 人気の草花は今から予約 暑い、暑いといえども、季節は巡るもの。秋のガーデニングに向けて準備を始める時期です。宿根草や球根花、バラ苗などは8月から「予約販売」が始まっています。ちょっと変わったものや人気の品種は早いもの順。涼しくなって、「そろそろ秋のガーデニングを始めようかなぁ」という気分になった頃にネットショップをのぞいても、素敵なものは軒並み“sold out”になっていることがしばしば。欲しい花、狙っている花があれば、夏に予約しておくのがベストです。 鉢植えやつる植物、樹木の台風対策を Alexander/ shutterstock.com 台風の季節です。暴風雨に備えて、草丈の高い草花は茎が折れないようまとめて縛っておくとよいでしょう。また、鉢やハンギングの置き場所を見直して、飛ばされない場所へ移動しましょう。移動できない場合は、鉢を寄せ集めて、まとめて縛っておきます。アーチやフェンスなどの構造物に誘引したつる植物も、外れて倒れないよう留めつけ場所を増やしましょう。樹木も株元をチェック。この時期はカミキリムシが発生し、幼虫のイモムシが樹木の中を食い荒らしていることがあります。弱った樹木は台風によって倒れやすいので、おがくずなどが出ていないか、ぐらつきがないかなどを確認し、弱っているようなら支えをしたり、ロープでつなぐなどの対策をしましょう。 夏休みの旅行中の水やり Olga Ilina/ shutterstock.com 夏休み中に旅行に出かける際、心配になるのが植物の水やりです。1日水やりをしないだけでも水切れの症状を起こしてしまう時期なので、きちんと水やり対策を施してから出かけましょう。1〜3日くらいなら水を張ったバケツなどに鉢ごとつける腰水が有効です。この場合の腰水は、鉢の底が3cmほど浸かる程度が適量です。鉢がたくさんある場合は、バスタブに集めていっぺんに腰水をしてもよいでしょう。また、鉢を日陰に移動するのも有効です。4日以上の場合は、自動灌水機を設置するとよいでしょう。 夏の草花を切り戻しましょう ペチュニアやサルビア、マリーゴールド、インパチェンスなど、夏にたくさん花を咲かせる草花も、8月中旬を過ぎると草姿が乱れてきます。そのタイミングで一度、茎を1/2〜1/3ほど切って「切り戻し」をすると、1カ月ほどで再びきれいに咲いてきて、秋にも花が楽しめます。 バジルの切り戻し 左/8月初旬の伸びすぎた状態。このタイミングで切り戻しをすると200gの瓶2つほどのバジルペーストができます。中/切り戻しをすると、わき芽が吹いて再び収穫できます。右/スイートバジルの花穂。放置するとタネをつけ、葉が硬くなってきます。 5〜6月にタネを播いたり、7月に苗を植えたりしたバジルは、そろそろ花穂が伸びてきます。そのままでは葉が硬くなるので、摘心してわき芽を増やしましょう。8〜9月上旬に株元から15cm程度で切り戻すと再び枝葉が茂り、10月いっぱいまで柔らかい葉が収穫できます。
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一・二年草

インパチェンスはカラフルな花が魅力の夏花! 特徴や花言葉、育て方について詳しく解説
インパチェンスの基本情報 Klever_ok/shutterstock.com 植物名:インパチェンス学名:Impatiens walleriana英名:busy Lizzie、balsam、sultana、impatiens和名:アフリカホウセンカその他の名前:インパチエンス科名:ツリフネソウ科属名:ツリフネソウ属(インパチェンス属)原産地:熱帯アフリカ分類:一年草 インパチェンスは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属(インパチェンス属)の一年草です。草丈は10〜40cm程度とやや低く、こんもりと茂るので夏花壇の前段〜中段に向いています。コンテナやハンギングバスケットなど寄せ植えの素材として使うと、主役にも脇役にもなる中堅どころといった存在です。初夏から秋までと開花期間が長く、多くの草花が苦手とする半日陰の場所でも育てられます。 インパチェンスのライフサイクルは次の通り。4月下旬〜6月にタネを播くと、10日前後で発芽して、茎葉を旺盛に伸ばします。開花は5〜11月で、期間が長いのが特徴。暑い時期もよく開花し、夏の庭を色彩豊かに彩ってくれます。寒さに弱い性質で、晩秋には枯死します。 インパチェンスの花や葉の特徴 Verra Widhi/shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜11月草丈:10〜40cm耐寒性:弱い耐暑性:やや弱い花色:赤、ピンク、オレンジ、白 花のサイズは3〜4cmで、やや小さめ。花つきがよく、株いっぱいに咲くと色のかたまりとなってよく映えます。花色は、赤、ピンク(濃淡揃う)、オレンジ、白など、カラフルな色調が特徴です。花姿は一重咲きや八重咲きがあり、後ろに突き出た距(きょ)が特徴です。一重咲き品種は庭植えや夏花壇に向きますが、八重咲き品種は雨に弱いものが多いので、鉢植えで育てるのがおすすめです。卵形から楕円形の葉は先がやや尖り、縁にはギザギザがあります。斑入り品種もあります。 インパチェンスの名前の由来と花言葉 Janny2/shutterstock.comisolated on white インパチェンスの名前は、ラテン語の「impatient」に由来し、「我慢できない」という意味です。これは、インパチェンスの熟した莢に触れると、弾けてタネが広範囲に散らばるためで、その様子を「我慢できない」と表現しているのです。和名は、アフリカホウセンカといい、「アフリカからもたらされたホウセンカ」という意味でつけられました。 Reut MG/Shutterstock.com インパチェンスの花言葉は、「鮮やかな人」「強い個性」「私に触れないで」など。「鮮やかな人」はビビッドな花色をそのまま表現したのでしょう。「強い個性」も同様に、パッと目を引く存在感から与えられたと考えられます。 インパチェンスの代表的な種類 Natalie Davis/Shutterstock.com 花つきがよく、ポップなカラーが魅力の「F1ロリポップシリーズ」、八重咲きでバラのような咲き姿を見せる「カリフォルニアローズ・フィエスタシリーズ」、ハイブリッド(交雑種)で栽培難易度が低く育てやすい「スマイルサンシリーズ」などがあります。 F1ロリポップシリーズ 多花性で花径4~5cmほどの花がたくさん咲きます。開花の揃いがよく、株もよく分枝してコンパクトにまとまりやすい品種。 カリフォルニアローズ・フィエスタシリーズ 名前の通り、まるで小さなバラのような咲き姿のバラ咲きインパチェンスのシリーズ。こんもりと茂って花付きよく咲き、花色のバリエーションも楽しめます。 インパチェンスの歴史と分布 Ole Schoener/Shutterstock.com インパチェンスの仲間は、アジアやアフリカに500種以上が分布しています。日本でインパチェンスとして流通しているのは、インパチェンス・ワレリアナ種で、その交雑種も含まれています。 ワレリアナ種はアフリカ東部の熱帯が原産地で、湿り気のある日陰〜半日陰に自生する植物です。19世紀にヨーロッパに渡り、オランダを中心にヨーロッパ、アメリカなどで品種改良が進んで、園芸品種として人気が高まりました。現在では、その品種は2,000を超すといわれています。 インパチェンスの栽培12カ月カレンダー Yui Yuize/Shutterstock.com 開花時期:5~11月植え付け:5月〜7月中旬肥料:5月〜7月中旬、9月下旬〜10月種まき:4月下旬~6月 インパチェンスの栽培環境 yod67/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日向のほうが花つきはよくなりますが、半日陰〜日陰でも育ち、品種によっては真夏は強い直射日光により傷むことがあります。 【日当たり/屋内】屋外で栽培します。ただし、冬越しに挑戦する場合は、冬は室内の日当たりのよい窓辺などで管理しましょう。 【置き場所】水はけ、水もちのよいフカフカとした土壌でよく育ちます。有機質肥料を施した肥沃な土壌が理想です。 夏に咲く性質ではありますが、日本でも温暖化が進んで、35℃以上になる猛暑日が多くなってきました。サンパチェンスなど暑さに強い品種以外では「近年の強烈な日差しには耐えられない」という報告もありますので、真夏は午前中に光が差して、午後は直射日光を受けない東側で管理するのが無難です。 耐寒性・耐暑性 インパチェンスは本来は多年草ですが、寒さに弱くうまく冬越しできないために、日本では一年草として扱われています。ただし、霜や凍結にあわない環境であれば、冬越しが可能です。気に入った品種があれば鉢植えにして、室内の日当たりのよい窓辺などで管理してみましょう。上手に冬越しができれば、翌春に成長期を迎えると、再び生育し始めます。 耐暑性はある程度ありますが、近年の強い直射日光や真夏の暑さには弱いので、真夏は暑さ対策をするとよいでしょう。 インパチェンスの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 インパチェンスは丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してフカフカの土をつくっておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用にブレンドされた、市販の園芸用培養土を使うと便利です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。真夏は朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行うことが大切です。 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。 地植え、鉢植えともに、5月〜7月中旬と9月下旬〜10月の期間は、月に1度を目安に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。鉢植えの場合は、花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、10日に1回を目安に液肥を与えるとよいでしょう。開花期は適切な追肥が必要ですが、夏の高温期に肥料成分が残ると株が弱ることがあるので、夏は肥料を切らして管理するのがポイントです。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 インパチェンスに発生しやすい病気は、灰色かび病です。梅雨時など多湿になると発生しやすいので、茂りすぎて蒸れやすくなったら、適宜茎葉を切り取って風通しをよくしましょう。また、枯れ葉や終わった花をまめに除去すると、予防できます。 【害虫】 インパチェンスにつきやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。アブラムシは、土に混ぜておくタイプの適応薬剤で予防できます。 インパチェンスの詳しい育て方 苗の選び方 インパチェンスの苗を購入するときは、ヒョロヒョロと徒長したものや病害虫の痕があるものは避け、葉色が濃く、つぼみが多い苗を選ぶとよいでしょう。 植え付け Nataly Studio/Shutterstock.com 苗の場合、植え付け適期は、5月〜7月中旬です。タネを播いて育てた場合は、鉢上げした黒ポットの底まで根が回った頃が、定植に適したタイミングです。インパチェンスは開花期間が長いので、園芸店で7月中旬以降も販売している場合があります。その際は、早めに定植しましょう。 【地植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入して、あらかじめ土づくりをしておいた場所に植え付けます。こんもりと茂るので、株間を20〜30cm取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、5〜7号鉢(直径15〜21cm)に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから、培養土を半分くらいまで入れましょう。インパチェンスの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内や根の間までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、水を鉢底から流れ出すまで十分に与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 摘心 Semjonow Juri/Shutterstock.com 植え付け後、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、脇芽が出てこんもりとした株姿に成長し、花数も多くなります。 花がら摘み Anton_dios/Shutterstock.com インパチェンスは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し Miss.Suchada Teeramat/Shutterstock.com 苗が出回り始める5月頃に植え付けた場合、真夏を迎える頃に草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。真夏を過ぎた頃に、再び株が盛り返して勢いよく生育し、秋にはたっぷりと咲く花姿を楽しめます。 ただし、遅めに苗を入手して草姿が乱れていない場合や、真夏も花を楽しみたい場合は、切り戻さずにそのままにしておいてもかまいません。 増やし方 Vladyslav Lehir/Shutterstock.com 【種まき】 広い庭があり、インパチェンスロードや花畑をつくりたい時は、種まきをしてたくさんの苗をつくるとコストを抑えることができます。 種まきの適期は、4月下旬〜6月。インパチェンスの発芽適温は20〜25℃で高温性なので、十分気温が上がった頃に行うと失敗が少なくなります。まず、種まき用のトレイに、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。インパチェンスのタネを播き、タネが隠れる程度に薄く土をかけます。霧吹きで水やりするか、水を張った容器にトレイを入れて下から給水させましょう。種まきから10日前後で発芽します。 発芽後は明るい半日陰で管理。込んでいる場所があれば、苗が徒長しないように間引きます。本葉が出始めた頃に、一度液肥を少量混ぜて水やりをし、生育を促しましょう。 本葉が4〜6枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmのビニールポットを準備し、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。種まき用のトレイから苗の根鉢を崩さないように取り出して、ポットに植え付けます。表土には緩効性肥料を置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、1週間に1回を目安に液肥を施して育苗します。 【挿し芽】 インパチェンスは、挿し芽で増やすことが可能です。挿し芽の適期は6月か9月下旬。勢いのある茎葉を切り取り、清潔な挿し木用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した茎葉(挿し穂)を挿しておきます。摘心したり、切り戻して切り取った茎葉を使ってもOKです。水切れしないように管理すると、しばらくして発根するので、黒ポットなどに植え替えて育苗しましょう。株が大きくなったら、植えたい場所に定植します。挿し芽のメリットは、採取した株のクローンになることです。 インパチェンスはビギナーにおすすめ Yui Yuize/Shutterstock.com インパチェンスは、丈夫で放任してもよく育つので、ビギナーにおすすめの草花。限られたスペースやベランダ、寄せ植えの素材として利用するなら、園芸店やガーデンセンターで苗を購入して植え付けるとよいでしょう。広い敷地でたっぷりと植栽したい場合は、種まきしても容易に育てることができます。また、日陰でも育つので、暗めの場所を明るく彩ってくれる、嬉しい草花です。 ニューギニア・インパチェンスとの違い COULANGES/Shutterstock.com ニューギニア・インパチェンスは、インパチェンスの仲間ですが、熱帯アフリカを原産とするインパチェンスに対し、ニューギニアの高冷地に自生する原種をもとに育成された園芸品種グループです。インパチェンスよりも生育旺盛で、株や葉、花などが大きく、よりエキゾチックな印象です。 家庭でインパチェンスを育ててみよう Chiyacat/Shutterstock.com 日陰でも育つインパチェンスは、夏を代表する草花としてガーデニングでの人気が高いことから、年々品種改良が進んでいます。育てやすさが追求されているのはもちろん、花色のバラエティーが豊かになり、花のサイズが大小あるほか、バラのように花びらを多数重ねるものなど、個性豊かなラインナップが揃います。お気に入りの品種を見つけて、初夏から秋までインパチェンスを楽しんではいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

ナツユキカズラは雪のような白花が美しいつる植物! 特徴や育て方を解説
ナツユキカズラの基本情報 Imaxe Press/Shutterstock.com 植物名:ナツユキカズラ学名:Fallopia baldschuanica (Polygonum aubertii、Polygonum baldschuanicum)英名:Silver lace vine、Russian vine和名:ナツユキカズラ(夏雪葛)その他の名前:シルバーレース・バイン、ポリゴナム・オーベルティー科名:タデ科属名:ソバカズラ属原産地:中国西部や中央アジア分類:落葉性つる性低木 ナツユキカズラの学名はFallopia baldschuanica、別名はシルバーレース・バイン、ポリゴナム・オーベルティーなど。タデ科ソバカズラ属の落葉性つる性低木です。原産地は中国西部や中央アジアなどで、暑さや寒さに強い性質を持っています。つるを約10mも伸ばして生育範囲を旺盛に広げますが、剪定によってコンパクトに抑えることは可能です。 ナツユキカズラの花やつるの特徴 aniana/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:7〜10月樹高:3m以上耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白、ピンク ナツユキカズラの開花期は7〜10月で、径1cmほどの小さな花がびっしりと枝先を覆うように咲き、名前のとおり雪が積もったような光景に。花色は白が基本ですが、うっすらとピンクを帯びた‘ピンクフラミンゴ’という品種も流通しています。 ナツユキカズラのつるは旺盛に伸びるので、範囲を広げたくない場合はこまめに剪定する必要があります。吸着性はなく、他者に巻きつきながらつるを伸ばします。葉は3〜6cmほどのハート形で、秋に紅葉したあとに落葉します。 ナツユキカズラの名前の由来や花言葉 lindasky76/Shutterstock.com ナツユキカズラ(夏雪葛)の「葛(かずら)」とはつる植物を指し、夏に白い花を咲かせるつる性の樹木という意味で名付けられました。旧学名のポリゴナム・オーベルティーと呼ばれることもあります。 ナツユキカズラの花言葉は「友情」です。 ナツユキカズラと近縁の仲間 Przemyslaw Muszynski/Shutterstock.com ナツユキカズラと同じソバカズラ属の植物には、身近な野草であるイタドリがあります。イタドリにはケイタドリやオオイタドリなどいくつかの種類がありますが、総称してイタドリと呼ばれることが多いです。日本の広い範囲に生息し、道端や空き地などで育つ姿をよく見かけます。「すかんぽ」などとも呼ばれ、食用や薬用にも利用されて広く親しまれている植物です。 ナツユキカズラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜10月植え付け・植え替え:4〜5月、10月頃肥料:特になし ナツユキカズラの栽培環境 crystaldream/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。極端に暗い日陰には向きませんが、つるを伸ばして葉を日向に出してやれば問題なく生育します。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土質は選びませんが、水はけ・水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。注意しておきたいのは、旺盛につるを伸ばすために生育範囲が広がりやすいこと。大きくなることを想定し、あらかじめ広いスペースを用意し、ほかの植物の生育を妨げないように配慮しましょう。また、他者に絡みつきながら生育するので、フェンスやパーゴラ、オベリスクなど、支える資材が必要です。道具小屋などの屋根に誘引してもよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 夏の暑さにも冬の寒さにも強く、一年を通して戸外で管理できます。 ナツユキカズラの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、約50cm四方の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥などの有機質資材をよく混ぜます。植え穴に土を戻して、ふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、根の生育がよくなります。 【鉢植え】 花木の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために、全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は気温の高い昼間に与えると、水がすぐにぬるま湯になり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。真冬は十分に気温の上がった昼間に行います。夕方に与えると凍結の原因になるので注意しましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん枝葉を広げ、多数のつぼみが上がってくるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 やせ地でも旺盛に生育するので、植え付ける際にしっかり土づくりをしておけば、追肥は不要です。 【鉢植え】 旺盛に生育するので基本的には不要です。ただし、樹姿に勢いがなかったり、葉や花の発色が悪かったりする場合は、3月か10月に液肥を与えて様子を見てください。 注意する病害虫 Masyanya/Shutterstock.com 【病気】 ほとんど病気の心配はありませんが、べと病が発生することがあります。 べと病は糸状菌が原因で、3〜6月、9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きいときに発生しやすくなります。葉に黄色みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うとまもなく全体に広がってしまうので注意します。チッ素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。 【害虫】 発生しやすい害虫は、コガネムシ、ウスカワマイマイなどです。 コガネムシは主に5〜8月に発生しやすく、成虫の体長は2〜3cm。主に葉を旺盛に食害するので、網目状態になっていたら近くにいることが疑われます。外部から飛来してくるので防除しにくく、見つけたらすぐに捕殺しましょう。また、土中に産卵されると、今度は幼虫が根を食い荒らして株を弱らせ、枯死に至ることもあるので注意します。 ウスカワマイマイはカタツムリの1種で、主に5〜6月、9〜10月に発生します。体長は2㎝くらい。主に葉や茎を食害します。昼間は落ち葉の下などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ウスカワマイマイの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。または、駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。 ナツユキカズラの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は4〜5月か10月頃です。ほかの時期に花苗店などで購入したら、すぐに植えたい場所に定植してください。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木より1回り大きな植え穴を掘り、苗木をポットから出して植え付けます。最後に、たっぷりと水やりします。 地植えにした場合は、環境に合ってよく育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢は、購入した苗木のポットより2〜3回り大きなサイズのものを準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗木を鉢に仮置きして高さを決めたら、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 ナツユキカズラは旺盛に生育し、植えっぱなしにしておくと根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えます。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から出した際に根が回っていたら、根鉢をほぐして1/2から1/3くらいまで小さくして植え替えるとよいでしょう。 誘引・剪定 Ksenia Lada/Shutterstock.com 【誘引】 つるが伸びて行き場をなくしている場合は、適宜フェンスやオベリスクなど構造物に誘引します。 ナツユキカズラのつるは吸着性がないので、壁に這わせたい場合は、ネット(網)やワイヤーなどを利用するとよいでしょう。 【剪定】 ナツユキカズラは旺盛に生育してつるの範囲を広げるので、繁茂しすぎるようなら剪定して生育スペースをコントロールしましょう。樹勢が強いので、そのつど剪定してもかまいませんが、初夏に花芽がついて夏に開花するので、開花を楽しみたい場合はその時期をはずします。大幅に縮小したい場合は、つるがよく見える落葉期に行います。 夏越し・冬越し Wut_Moppie/Shutterstock.com 【夏越し】 暑さに強いので、特に対策の必要はありません。日照りが続いて乾燥するようであれば、十分に水やりをしておきましょう。 【冬越し】 に強いので、戸外で越冬できます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ナツユキカズラの増やし方は、挿し木です。挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して、生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ナツユキカズラは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、5〜9月です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10〜15cm切り取ります。剪定したときに切った枝を利用してもよいでしょう。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきます。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ナツユキカズラを育てるにあたっての注意点 crystaldream/Shutterstock.com ナツユキカズラは丈夫で育てやすい植物ですが、生育旺盛がゆえに手のかかる一面も持っています。ここでは、栽培の注意点についてご紹介します。 他者にむやみに絡まないようにする そばに高い樹木があると、絡みついてつるが登っていくことがあります。すると樹木が日照不足になって弱ったり、絡まったつるをはがす際に幹や枝を傷つけてしまったりすることがあるので注意。建物に絡めている場合も同様です。パーゴラやアーチ、オベリスクなど、あらかじめ仕立てる場所や範囲を決めておき、そこからはみ出たつるは剪定するメンテナンスが必要です。 隣家の敷地まで広がらないようにする つるを盛んに伸ばしてどんどん生育範囲を広げていくので、隣の敷地まで広がらないように注意してください。まめに誘引や剪定をして、隣家などに迷惑がかからないように配慮しましょう。 落ちた花弁で近隣に迷惑がかからないようにする 開花時期は見応えがありますが、逆にいえば花弁が散ると大量のゴミになります。花数が多いと、地面が真っ白になることもあり、放置すると風に舞って周辺へ散らばってしまいます。近隣の迷惑にならないように、落ちた花弁は適宜掃除するようにしましょう。 ナツユキカズラとハツユキカズラの違いとは ハツユキカズラ。meiko_KODAKA/Shutterstock.com ナツユキカズラとハツユキカズラは名前が似ているため、混同されることが多いようです。ここでは、ハツユキカズラの特徴やナツユキカズラとの違いについて、解説します。 ハツユキカズラの特徴 ハツユキカズラは、キョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑性つる植物。テイカカズラを品種改良した園芸品種で、学名はTrachelospermum asiaticum(トラケロスペルマム・アジアティクム) ‘Hatsuyukikazura’です。日本の気候によくなじんで寒さ暑さに強く、手をかけずとも丈夫に育ちます。つる性の枝を伸ばして匍匐しながら覆うように茂ります。草丈は10〜30cm程度ですが、つるの長さは50cm以上になります。 ハツユキカズラは、ピンクや不定形の斑が混じる新葉が展開するのが特徴で、主に葉の美しさを楽しむ植物です。新葉はピンクから白の斑入り葉へ変化し、やがては緑一色に変化していきますが、生育期は次々と新葉が出るため、1株でも変化に富んだ葉色を展開します。秋になると、真っ赤に紅葉する姿を楽しめます。 ナツユキカズラとの違いとは ナツユキカズラはタデ科、ハツユキカズラはキョウチクトウ科に属するので、まず分類が異なっています。ナツユキカズラは夏に白い花が豪勢に咲く姿を楽しみますが、ハツユキカズラは花よりも美しい斑入りの葉を観賞するカラーリーフプランツであることが大きな違いです。 雪のようなナツユキカズラの花を自宅で楽しもう rumxde/Shutterstock.com ナツユキカズラは夏に雪を積もらせたかのような咲き姿を見せるつる植物です。丈夫で育てやすい一方で、旺盛に茂るので範囲を広げすぎないようにするメンテナンスも必要。それでも手をかけた分だけ、開花期は息をのむようなシーンを作り出してくれるので、庭の一角に取り入れてはいかがでしょうか。
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早くも猛暑に突入!「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」の『サステナブル審査』を迎えた5人の庭と審査の様子をご紹介
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 5人のガーデナーが手掛ける日向と日陰の2つのガーデン。最終的な結果が決まるまでに4・7・11月の3回に渡り審査が行われますが、ガーデンの施工から8カ月ほどが経過した今回、第2回目となる『サステナブル審査』が行われました(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査します)。審査期間:2024年7月11日~17日。 審査員は以下の6名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、佐々木珠(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事)、松井映樹(神代植物公園園長) 事前に公表されているコンテスト審査基準 公園の景観と調和していること/公園利用者が美しいと感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) /メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス)/デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主にガーデンの持久性で、「梅雨を経て、猛暑に向けた植栽がなされ、秋まで庭が維持されるような持久性が考えられているか」。しかし、単に猛暑に耐える庭であることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」、そして「今回のテーマ=武蔵野の“くさはら”、が表現されているか」などの項目も含めて評価されています。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 7月の審査時期を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGrasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜 【作品のテーマ・制作意図】 武蔵野のくさはらを表現するにあたり、オーナメンタルグラスとカラーリーフ、特徴的な葉を持つ植物をメインにしたガーデンをつくってみたいと思いました。「グラスガーデン」は馴染みが薄かったり、地味にとらえられたりすることもあるかと思いますが、宿根草に加え、球根植物も多用し華やかさをプラスすることで、多くの方に楽しんでいただけるガーデンを目指しています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ミソハギ、ルドベキア‘タカオ’、ヒオウギ'ゴーンウィズザウインド'、ユーパトリウム‘ベイビージョー’、カノコユリ‘ブラックビューティー’ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ノリウツギ'シルバーダラー'、ノリウツギ'バニラストロベリー'、カンパニュラ・ラプンクロイデス、ホスタ‘ハルシオン’、シュウメイギク‘桃一重’ コンテストガーデンB花鳥風月 命巡る草はら 【作品のテーマ・制作意図】 ガーデンの美しさは緑量や花の色目や形状だけで測れるものでなく、空や光や風や生きもの全ての関わり合い、生命の尊さを感じることでガーデンがより輝いて見えます。ガーデンに長く根付いて、地域に馴染む風景、生態系の一部になることを想定し、植えっ放しに耐えられる丈夫な品種を中心に、蜜源植物や、風や光の動きを反映しやすい植物を多く取り入れ、地味な在来種でも組合せや配置で奥行ある豊かな草はらの表現を目指します。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 ルドベキア‘ゴールドスターム’、ヒオウギ‘ゴーンウィズザウィンド’、オミナエシ、ルドベキア‘ブラックジャック・ゴールド’、コレオプシス‘レッドシフト’、バーベナ・ボナリエンシス、キキョウ、オトコエシ、ガウラ、ノリウツギ、ペニセタム・ビロサム‘ギンギツネ’、ペニセタム・マクロウルム、エラグロスティス・スペクタビリス 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ツルバキア、アガパンサス‘トルネード’、アガパンサス‘カーボネラ’、ヒヨドリバナ、ディスカンプシア‘ゴールドタウ’ コンテストガーデンC草原は、やがて森へ還る。 【作品のテーマ・制作意図】 森では、様々な木々が壮絶な生存競争を繰り広げています。しかしそれは草原もまた同じ。草原は生命力に溢れる草花たちの戦いの場です。そしてやがて、草原の中から樹木が芽生え、最終的には森へと遷移していきます。私は、草原から森へと還るこのはじまりの瞬間を、美しくもドラマティックに演出したいと思いました。ここは、森が好きなガーデンデザイナーが解釈し表現したペレニアルガーデンです。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ノコンギク‘夕映え’、フロックス(オイランソウ)‘フジヤマ’、フロックス‘ブルーパラダイス’、ガイラルディア‘グレープセンセーション’、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、ペルシカリア・ブラックフィールド、エキナセア・パープレア、エキナセア‘プレーリーブレイズグリーン’、オミナエシ、バーベナ‘バンプトン’、ゲラニウム‘タイニーモンスター’、アリウム‘ミレニアム’ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 ノリウツギ、アンジェリカ‘エボニー’、アガスターシェ‘ブラックアダー’、エキノプス(ルリタマアザミ)、バーベナ‘バンプトン’、ホスタ、シャスタデージー コンテストガーデンDfeeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~ 【作品のテーマ・制作意図】 人々の心に残る武蔵野の情景を骨格に、新たな要素を組み足して、これからの愛される武蔵野の風景を植物の魅力や武蔵野の風景を「伝え」「感じる」ことを軸に提案しました。武蔵野の草原を連想させるグラスをベースに、季節の流れの中で、さまざまな色や形の草花がガーデンを彩っていくような配置を心がけました。自然との距離が遠くなった現代で、このガーデンが少しでも自然と人とが寄り添うきっかけになればと思っています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ヘレニウム‘サヒンズ・アーリー・フラワラー’、ヘリオプシス'ブリーディング・ハーツ’、アガスターシェ‘クレイジーフォーチュン’、アガスターシェ‘ビーリシャスピンク’、オミナエシ、モナルダ、ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’、オトコエシ、リアトリス 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ペルシカリア‘ファイヤーテール’、オトコエシ、オミナエシ コンテストガーデンE武蔵野の“これから”の原風景 【作品のテーマ・制作意図】 世界的に”Climate Change(気候変動)”が叫ばれ、日本でも夏の猛暑、雨不足による水ストレスが植物を苦しめました。農業技術である完熟した堆肥をはじめ有機資材を使い、微生物に富み団粒構造を持つ土壌を作ることからはじめ、これまで武蔵野の草原風景を担ってきた在来植物を中心にガーデンを構成します。都市の暮らしの中でこぼれ落ちてきた技術、植物でこれからの武蔵野の風景を模索していきます。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 シラヤマギク、フジアザミ、カワミドリ、キキョウ、タムラソウ、シキンカラマツ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 オオバギボウシ、フシグロセンノウ、シキンカラマツ、スカビオサ‘ムーンダンス’ 今回の「サステナブル審査」では審査員の評価が同じ傾向にあった前回の「ショーアップ審査」とは異なり、評価が分かれる結果となりました。これから迎える盛夏を乗り越え、3回目の「最終審査」まであと4カ月。プロたちの技術力と植物の生命力に目が離せません。庭作りスタートから月々見頃の植物と5名のガーデンを紹介する記事もご覧ください。 園内に新たにお目見えした「JINDAIペレニアルガーデン」 『東京パークガーデンアワード』開催の関連事業として、神代植物公園の園内にある「宿根草園」のリニューアルを市民協働で進める計画、「JINDAIペレニアルガーデンプロジェクト」がスタートしています。 新しい宿根草園の基本計画をつくられたのはガーデンデザイナーで「第2回 東京パークガーデンアワード」の審査員も務める吉谷桂子さん。 その計画をベースに市民が話し合い、実際に植栽をするワークショップが2023年9月から6回にわたって、行われました。「人にも環境にも優しいガーデン」というテーマのもと、ワークショップに参加した市民たちが、「どんな人がどんな時間を過ごせたらいいのか」宿根草園のイメージを膨らませるとともに、植物の配置についても検討をしました。 サクラやアジサイの群生と、芝生のエリアに囲まれた「宿根草園」。瑞々しい緑に宿根草の彩りがつややかに映える7月。 グランドデザインは吉谷さんが手がけた都立代々木公園の「the cloud」と同様、メンテナンスがしやすく景観になじみやすいクラウド(雲)型。ここは花壇を設ける面積が代々木公園よりもずっと広いので、一つひとつのエリアもぐっと広くなっています。 花壇が緑で覆われ、花も咲き始めた6月。 植栽は2023年秋と2024年春の2回。秋は、ワークショップの参加者35人が植物の選定、宿根草や球根類を植え付けました。春は、ワークショップの参加者がホスト役となって、一般参加者を迎え入れ、総勢130人で植栽しました。市民協働によるガーデンづくりには、園内に新しいモデルガーデンを作るだけでなく、「宿根草による環境にも人にも優しいガーデニングの普及啓発」や「市民交流の場づくり」に繋げていくという目的もあります。生きもの観察をしたり、宿根草園をバッグにイベントを行ったり、宿根草園に市民が関わることで、多様な魅力が生まれてくることを期待しています。 春の植え付け当日。総勢130人の大所帯にもかかわらず、素晴らしいチームワークで、スムーズに作業が進んだ。 「神代植物公園は花好きの方が多く来るイメージですが、幅広いさまざまな市民の方々が関わる機会があることで、もっと園を身近な存在に感じてもらえるようになればと考えています。市民といかに連携し、市民がいかに活躍していただけるか。その結果、多様な魅力を作り出し、利用者の増加につながればいいなと思います。公園を使い切る感じですね」と、東京都公園協会 公園事業部 公益推進課の服部睦子さん。2024年は宿根草のガーデンのお手入れとその背景を学ぶ講座が開講中で、受講生が環境に配慮したお手入れを実践しています。 実際に見ていこう「人にも環境にも優しいサステナブルなペレニアルガーデン」 ローメンテナンスでありながら、自然な風景が心地よい宿根草ガーデン。たくさんの生き物の棲み処となっているため農薬などを使わずに、多様性を大切にしながらガーデンを管理しています。「この土地にあった植物を選んで植えています。四季の移ろいを通じて植物が持つ美しさを感じていただきたい」と、神代植物公園 管理係長の斎藤亜理沙さん。 ここからは、植え付け後、開花の最盛期を迎えた7月のガーデンのガーデンを紹介します。 幾重にも植物が重なり、美しい風景を描いているガーデン。この時期はブルーがかったピンクの花が多く、やさしい色彩でまとめられています。 7月に見られる植物は、バーベナ・ボナリエンシスやフロックス、エキナセアなど。紫やピンク、黄色の花々が生き生きと咲き誇っています。 季節感あふれるやさしい表情で訪れる人を迎えてくれる「JINDAIペレニアルガーデン」。現在まだ植栽されていないエリアも残っており、今までとは異なる方向性で植栽する予定です。どんどん表情に深みを増していく宿根草園。ぜひ、コンテストガーデンと併せて訪れてみてください。 コンテストガーデン&宿根草園を見に行こう! Information 都立神代植物公園所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)入園料:一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住・在学の場合は無料)、小学生以下無料アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。





















