おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
面谷ひとみ -ガーデニスト-
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
面谷ひとみ -ガーデニスト-の記事
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寄せ植え・花壇
クリスマスローズと小さな花々が競演する春の可愛い庭
丈夫でこぼれ種でも増える宿根草、クリスマスローズ クリスマスローズは早春の庭に欠かせない花です。山陰ではクリスマスローズは、チューリップが咲く1カ月ほど前に開花期を迎え、およそ1カ月庭を彩ってくれる丈夫な宿根草です。この頃はクロッカスやムスカリ、原種シクラメンなどの小球根が地面をポツポツと彩り、ビオラもまだ草丈が低い時期なので、それらより草丈がやや高く、1株から何輪も咲くクリスマスローズは、春まだ浅い庭を華やかに彩ってくれる貴重な存在です。 数年前から可愛いと思う花を集め出し、一重からセミダブル、ダブル、花弁の縁に糸のように色が入るピコティ、プチプチ模様のスポットまで、いつの間にか庭中にクリスマスローズが増えました。最近のお気に入りは、‘プチドール’や‘ピンクアイス’、‘氷の微笑’、英国アシュウッドナーセリーの品種などいろいろありますが、一番は、なんといっても‘ヨシノ’です。淡いピンク色に染まるふっくらとした一重の花は、可憐で素朴。希少品種で、鉢で大事に育てられることが多いようですが、私はこのあどけない少女のような雰囲気の花を庭に咲かせたくて、地植えにしています。以前、クリスマスローズ愛好家の方が庭にいらした際に、「こんな貴重な花を地植えにするなんて…」と呆れられたことがありましたが、地植えにしたところ株が太って花数が増えたので、私としては嬉しい限りです。 クリスマスローズの中には、そのような希少品種がいくつもありますが、希少だからといって必ずしも特別難しい管理が必要なわけではなく、適所で育てれば丈夫に育ち、年々株が太って花数が増えるのも魅力です。また、品種によってはこぼれ種でも増え、敷石の隙間や樹木の間など、少し日陰になるようなところにいつの間にか花が咲いていることがしばしばあります。 苗は、地元米子の園芸店「ラブリーガーデン」に厳選されたクリスマスローズがあるので、多くはそこで入手しています。また、毎年東京・池袋で開催されている「クリスマスローズの世界展」にも、飛行機に乗って花を見に行くのが恒例になりつつあります。魅力的な新品種が次々に登場するので興味は尽きませんが、私はクリスマスローズのコレクターというわけではなく、ほかの草花との競演を何よりも楽しみにしています。 クリスマスローズと似合う春の花々 春先のこの時期は、クリスマスローズより草丈が高くなるような花は少なく、原種シクラメンもビオラも、クリスマスローズの株元で咲きます。この2つの花は、クリスマスローズの花の雰囲気にぴったりです。 素朴で可愛らしい原種シクラメン 原種シクラメンは地際7〜8cmの高さで咲き、花も小さく素朴で可愛らしい雰囲気です。ガーデンシクラメンも小型のシクラメンで庭植えされますが、原種シクラメンは、もっと花が小さく控えめに咲くので、クリスマスローズをよく引き立ててくれます。夏は涼しい木陰など、場所さえ合っていれば、球根が分球してどんどん増えていってくれるのもお気に入りの点です。 ビオラはコンパクトな株姿をセレクト また、ビオラも地植えにするものは、ボリュームが出すぎず、キュッとコンパクトな株姿で咲く品種を選んでいます。ビオラは本当にたくさんの品種があり、色も咲き姿も魅力的なものが豊富ですが、私が庭植えにする際に重視しているのは株姿です。草丈が高くなり、株全体が花で覆われるような育ち方をするものは、庭では目立ちすぎてしまうので、寄せ植えなどに用いています。この庭では、草丈があまり高くならず、横に広がって育ち、葉の存在感があるようなビオラが似合うのですが、こればっかりは育ててみないことには分かりません。ですから私は、前年の経験を生かして同じ系統のビオラを選ぶようにしています。 楚々とした姿が魅力的な雪割草 雪割草のような山野草も、クリスマスローズとの相性抜群です。ただし、雪割草は新潟県が原産地で涼しいところを好むため、夏越しが難しく消えていってしまうものもあります。それでも、樹木の下や日陰になる場所などではいくつか残って、毎年可愛らしい花を見せてくれるので、大事に育てています。 グラウンドカバープランツのベロニカ 地面を覆うように咲く植物のことをグラウンドカバープランツと呼びますが、ベロニカも春先に咲く、そんな花の一つです。横に広がりながら、エンジ色の葉っぱに冴え渡るブルーの小花を咲かせます。上の写真のクリスマスローズは、庭づくりの最初に買って植えたもので、ベロニカと一緒に何年も咲いてくれています。日当たりのよい花壇ですが、夏はバラの木陰になり、ベロニカも土の温度上昇や乾きを防いでくれるからでしょう。 クリスマスローズの花がうつむいて咲く姿は、株元のそうした小さな花々を見守っているようにも、話しかけているようにも見え、想像がふくらんで、とても楽しいです。花が咲くと、私は一輪ずつそっと手のひらに載せるようにして、その顔をのぞきます。立って上から眺めているだけでは、ダブルやピコティといった花の内側に隠された豊かな表情が楽しめないからです。 プロが教えるクリスマスローズの寄せ植えのコツ コレクターの方が鉢植えにする理由の一つには、可愛い花の顔がよく見えるという利点があるのでしょうね。私もいくつかは鉢植えにして少し高い場所に置き、花の顔が楽しめるように鉢を並べています。また、クリスマスローズはこの時期の花の中では花径が大きめなので、寄せ植えの主役としても活躍してくれます。クリスマスローズの寄せ植えは、ガーデナーの安酸友昭さんにお願いしていますが、植え方にはちょっとしたコツがあるようです。 クリスマスローズは葉があまりない状態で、ほかの花苗より大きい鉢サイズで流通しています。ですから、鉢から抜き出した際の根鉢が大きいのと、草丈の違いから、普通に寄せ植えすると、クリスマスローズの株元にぽっかり空間ができてしまいます。そうならないように、株元部分では、苗を横に並べるのではなく、クリスマスローズの上に他の草花を置いて、隙間ができないようにします。その際、邪魔になる葉っぱがあればちぎってしまいますが、その後の生育には問題ありません。クリスマスローズは宿根草なので、花が終わった後も鉢で養生するか、地植えにしておけば、来年もまた咲いてくれます。 庭のクリスマスローズで作る華麗なブーケ クリスマスローズを植えて数年経った今年、株が充実して花数も増えたので、思い切って庭のクリスマスローズを切ってブーケを作ってみました。25本ほどの花茎の、両手にこぼれるほどのブーケができ、我ながら感動です。内心、今が盛りの花を切るのはとても勇気のいることでしたが、花瓶に活けると、さまざまなクリスマスローズの花の顔をじっくり眺めることができ、これは育てている者の特権だなぁと、なんとも贅沢な気分になりました。じつは、庭の花を素敵に飾れるように、フラワーアレンジメントのレッスンでスパイラルという花束の基本スタイルを学んだのですが、その甲斐あって、手早くきれいにまとめることができました。 庭の花のブーケを作ってみて思ったのは、あまり花を吟味して選ばなくても、適当にササッと切って束ねても、美しくまとまるということです。でも、よく考えてみれば、庭に植えるときにすでに花々が調和するように選んで植えているので、当然なのかもしれません。それに、新鮮さにかけてはピカイチ。アレンジメントという新しいテクニックを覚え、ますます庭の楽しみは広がる一方です。
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園芸用品
美しい庭をつくる人が愛用する便利な庭道具
つるバラの花がら切りに欠かせない中枝切りバサミ クリニックの庭や駐車場には、壁面に多くのつるバラを誘引しています。満開になったときには、それはそれは素晴らしい風景になりますが、満開を過ぎる頃になると毎日、花がら摘みに明け暮れることになります。クリニックには身体の具合が悪い方がいらっしゃるので、庭はいつも気持ちが明るくなるよう「最高に美しく、花がら一つ見せない!」というのが私の理想であり、庭づくりの信条としています。しかし、つるバラは、高い所や草花の奥に誘引してあり、なかなか手が届かない場所もあります。そんなつるバラの花がら摘みで私が愛用しているのが「中枝切りバサミ」です。 高枝切りバサミほど柄が長くなく、軽量なので片手で使いやすいのです。つるバラの手前の草花の植栽エリアに足を踏み込まなくても、ちょうど壁面のバラに届き、楽に花がらを摘むことができます。アーチの上のほうや、ちょっと手が届かない高い場所も、これがあれば脚立を出さなくて済む場合が多く、重宝しています。つるバラを育てている庭には、オススメのアイテムですね。 花がらを入れるウエストバッグ 摘んだ花がらは、腰に装着したウエストバッグに入れていきます。以前はカゴやバケツを片手に持ちながら花がら切りをしていましたが、ウエストバッグなら常に両手が使えるので、断然こちらの方が便利です。容量もたっぷり入るのが気に入っています。花がらはさして重くもないので、腰につけていても負担にならず身軽に動けます。実はこのバッグ、ディズニーランドで植栽の手入れをしている方々が使っているのを娘が見つけて、「いいものを使っていたよ」と、私に教えてくれたのです。「収穫ウエストバッグ」という名前で検索すると、いろいろなデザインや大きさのものが出てきます。 『美しい庭をつくる人のガーデニングスタイル・庭装備編①』 バラの手入れでよく使う刃物3点セット バラの手入れでは花がら摘みのほかにも、芽切りや剪定作業があり、刃物は欠かせません。これらの刃物は、バラの種類や年数、用途によって使い分けています。小さなノコギリはハサミより握力を必要としないので、太めの枝を切る時に便利です。先の細いハサミは花がらを摘んだり、アレンジメント用の花を切ったりする時によく使います。赤と白の持ち手のハサミは「岡恒(おかつね)」というブランドで、プロの植木職人さんもよく使っている剪定バサミです。とても切れ味がよいのですが、この切れ味のよさは植物にとってとても大切です。切れ味が悪く断面が潰れたりすると、回復に時間がかかり、そこから病気になったり、生育が滞ったりします。日本製の刃物は力を入れずスパッと切れるものが多く、海外のガーデナーも愛用しているそうです。 雑草抜きのための刃物2種 夏以降は雑草との戦いです。植栽帯に生えているものは土が柔らかいので比較的簡単に抜きやすいのですが、困るのはタイルの目地に生えてきたもの。引っ張ると地上部の葉だけが取れて、根が残ってしまい、すぐに生えてきてしまいます。根ごと引き抜くために使っているのが、この2種類の刃物です。一つは先のごく細くなった鎌で、もう一つは海外で作られている除草フォークです。 土がたっぷり入って便利なペットボトル土入れ クリニックの入り口や庭の中にも、たくさん寄せ植えの鉢を飾っています。定期的に植え替えをするのですが、こうした植え替え時の土入れとして便利なのが、500mlのペットボトルをリサイクルした自作の土入れです。市販の土入れやスコップより土がたっぷり入れられて作業効率がよいのと、細めの作りなので、寄せ植えした草花の隙間に土を入れるのに便利です。草花の上にザバッと土がかかってしまうと、仕上がりが汚くなってしまいますし、あとあとまで汚れが残ってしまうこともありますが、このペットボトル土入れは細身なので、その心配がありません。 可愛くて安全性も兼ね備えた支柱飾り デルフィニウムやジギタリスなど、背の高くなる草花には支柱が欠かせません。私は庭の雰囲気を壊さないように自然素材の支柱を使っていますが、それでもまだ草丈が低いうちは支柱がやや目立つので、トップにテラコッタ製の飾りをつけています。可愛らしい雰囲気になるのと同時に、目を突いたりするのを防いでくれます。庭仕事に夢中になっていると、意外と側にある支柱が目に入らず、あわやということもあるものです。それに支柱の先端から雨が入るのを防ぎ、耐用年数を長くする効果もあります。松ぼっくりやドングリなどいろいろなデザインがあり、選ぶのも楽しいですよ。 株姿の乱れがちな植物にはプランツサポート シャクヤクなど、大株になってくると枝が横に広がり、株姿が乱れてくるものがあります。株姿を美しくキープするのに便利なのが、このプランツサポートです。春先、まだ株が小さい頃にサポートを設置し、リングの中に収まるように育てます。多少、茎や葉が飛び出しても、このサポートがあることによって乱れた印象にはなりません。 庭道具は、機能性・操作性・デザイン性が揃っていることが大切。けれども、必ずしも高価なものである必要はなく、工夫次第で自分で使い勝手の良い道具を作ることもできます。そんなことも含めて、日々ガーデニングを楽しんでいます。 『水やりを極めた面谷さんのカスタマイズ超便利水やりグッズ』
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園芸用品
水やりを極めた面谷さんのカスタマイズ超便利水やりグッズ
水やりの秀逸パーツを組み合わせたカスタマイズホース この庭はクリニックの待合室から患者さんが毎日眺める場所なので、一年を通して季節の花を咲かせています。ですから、水やりも一年を通して行っていますが、特にバラが咲き始める5月以降は一日に1〜2時間かけてたっぷり水やりをします。地植えの庭には水をやらなくていいところもありますが、この庭は両側を公道に挟まれた場所で日を遮るものがなく、一日中、日に当たっていて風通しもよいので乾燥しやすいんです。ですから、気温によっては朝と夕方、2回水やりをすることがあり、とにかく水やりに割く時間が長いので、少しでも使い勝手のよいものをと私なりにアップデートを重ねてきました。そして、たどり着いたのが、各メーカーのいいとこ取りをしたカスタマイズ・ホースです。 ・患者さんのためにつくったバラ香る庭 面谷内科・循環器内科クリニック ① ふんわり柔らかく水が出るノズル このノズル、植物への配慮がすごくよくできていると思います。シャワーの水がすごく細く出て、しっかりたっぷり出ながらも植物への当たり方がふわっと柔らかいんです。盆栽の世界なんかでは「水やり5年」といわれるほど、水ってただやればいいってものではなくて、あげ方って大事だと思うんです。水圧が強いと繊細なタイプの草花の茎を倒してしまうことがあり、土が削れてしまうこともありますが、これはそういうことがありません。水圧の強弱は手元で調節もでき、シャワーからスポットに切り換えても水圧が強すぎないので土跳ねもしません。黒色なので土汚れも目立たないし、デザインも高級感があって気に入っています。 ② 安定感&操作性&デザイン性抜群のホースリール 庭の端まで水やりをすると、10m以上はホースを伸ばさなくてはなりません。リールが軽いとホースを引っ張っているうちにリールが傾いたり転んだりして、蛇口側につないでいるホースが外れてしまうことがありますが、このリールは6.5kgあるのでホースを遠くまで伸ばしても安定しています。それに色とデザインがエレガントで庭の雰囲気を壊さないので気に入っています。 このホースも優秀! 10m以上伸ばして使うので、摩擦抵抗があると引き出したり巻き戻すだけで力が必要になり疲れてしまいますし、絡まったり、折れたりしたら、もう本当にイライラするものです。でも、このホースは特許を取得しているサラサラ加工だそうで、常に摩擦抵抗がなくスムーズに引き出せ、巻き戻せるので、ホースさばきが楽ですね。 ③ 希釈いらずでホースで液肥がまける便利グッズ 園芸用肥料会社のハイポネックスジャパンと散水用品メーカーのタカギがコラボした商品で、本体にハイポネックスの原液をセットして、水道の蛇口をひねれば約250倍に希釈した液肥入りの水がホースから出る仕組みになっています。これを見つけた時は本当に嬉しかったですね! 以前は、バラに液肥を施したい時は、液肥を自分で希釈して、重たいジョウロを持って水道と庭のあちこちに植えてあるバラの間を何往復もしなければなりませんでした。やったことがある方は分かると思いますが、水の入ったジョウロって本当に重たいんですよ。もうバラに与えるのだけで精一杯でしたが、これならバラはもちろん、庭中に簡単に液肥をまくことができます。付属のノズルは細いので、草花が茂っていても株元に差し込んで液肥を与えることができますし、ただの水と液肥がワンタッチで切り換えられるので、必要ないエリアには無駄に液肥を施さず、水だけ与えることができとても便利です。おかげで以前に比べて庭全体の植物の生育がよくなって、緑がすごく充実しました。 道具次第で庭仕事はもっとラクに楽しく! 庭仕事は道具がよければ作業効率もかなり上がり、とにかくストレスがなく、疲れにくくなります。できるだけ性能を吟味して自分に合ったよいものを使い、庭づくりを楽しみ続けたいと思っています。 商品情報 ノズルⅡ/ロイヤル・ガーデナーズ・クラブ http://www.rgc.tokyo/shopdetail/000000000414/ct119/page1/recommend/ ヤードリール(ボルドー)/セキスイエクステリア https://www.sdw-ec.com/products/list.php?mode=search&category_id=222 かんたん液肥希釈キット/タカギ https://hi.takagi.co.jp/products/detail.php?product_id=405 ハイポネックス原液 https://www.hyponex.co.jp/item/62/
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園芸用品
美しい庭をつくる人のガーデニングスタイル・庭装備編
美しい庭づくりのために、作業時にノンストレスで動けて疲れない装備を追求 クリニックの庭で植物の手入れをしていると、よく「お手入れの方ですか?」と言われます。私は、私こそこの庭の専属ガーデナーだと自負しているのですが、院長の妻だということが分かると、皆さん「院長夫人が自らなさっているなんて思いませんでした…」と、汗と泥にまみれた私を下から上まで驚きの表情をもって眺めます。そうです、ガーデニングは全身を使い、かなりの運動量になるわけで、いかにストレスフリーで庭仕事に没頭できるか15年以上追求してきた結果、今のスタイルができ上がってきました。皆さんの思う「院長夫人像」とは少しかけ離れているようですが、私のガーデニングスタイルをご紹介しますね。 美しい庭づくりのための装備1. ガーデニングで動きやすいヨガパンツ 私の庭での格好はだいたいこんな感じです。特に重要なのは、パンツです。ガーデニングでは、しゃがんだり、立ったり、中腰になったりと、しょっちゅう体勢を変えるので、ノンストレスで動けるものを探した結果、今のところヨガパンツがベスト。動きやすく素材もサラサラして気持ちがいいし、洗濯後に乾きやすいのもグッド。足首の部分がゴムでキュッと詰まっているので、長靴に足がスッと入るのも気に入っています。 美しい庭づくりのための装備2. しゃがんだ姿勢に便利でコンパクトなニーパット ガーデニングでは草を取ったり、球根を植えたり、膝をついてする作業が多いので、パンツの上からニーパット(膝当て)をします。膝への負担も軽減されますし、汚れも防いでくれます。置き型タイプのニークッションもありますが、我が家の庭では草花の間にそんな大きなものを入れる余地がないので、膝にぴったりフィットするようなコンパクトなニーパットがいいのです。 美しい庭づくりのための装備3. ガーデニング用にはカカトのないミディアム丈の長靴 長靴はおしゃれなものがたくさんありますが、ガーデニングで使う場合には機能性が一番大事。そして、機能性はその人の体格やどんな庭で使うのかでも変わってくるのだなぁというのが私の実感です。小柄な私の場合、海外のブランドの物はカッコいいのですが、ズシっと重くて疲れてしまいます。しゃがんだ時に、膝裏につっかえないミディアムショート丈で、ゴムにある程度の柔軟性があったほうが快適です。そして、植栽帯の中に入って作業をする場合には、カカトがなく、フラットな靴底のほうがよいのです。フラットといってもツルツルではダメで、適度な溝が全体に刻まれていることが必要です。植栽帯の土は割とフワフワしているので、カカトがあるとすぐに土に食い込んで重くなるし、土にも深い溝ができてしまいます。探してみると、意外とカカトのない長靴は少なく、見つけるのに苦労しました。私が履いているのはparare(パラーレ)というメーカーのレインブーツです。 美しい庭づくりのための装備4. ガーデニングではタオルではなく手ぬぐい 首にはいつも汗拭きのための手ぬぐいをかけ、両端を襟の中に収めています。夏はもちろん、冬でも作業をしていると汗をかくので、汗拭きは必須なのですが、タオルだと厚みがあって夏は暑いし、息苦しい。そこで思いついたのが日本の伝統的な手ぬぐい。薄手で軽く、すぐ乾くので快適です。しかも、手ぬぐいは、いろんな柄があるのでコレクションするのも楽しいのです。私はバラが好きなので、バラ柄の手ぬぐいを集めています。庭友達へのプレゼントにもオススメですよ。 美しい庭づくりのための装備5. 指先の感覚が保てる「綿×ビニール」の異素材手袋2重使い ガーデニングには手袋も必需品。手の皮膚が敏感な私は、素手で土や植物を触っていると、とんでもなく手が荒れるので手袋が欠かせません。いろいろ使ってみた結果、私は綿手袋の上から、ピタッとしたビニール手袋をはめる異素材2重使いに落ち着きました。倒れそうな草花の茎を支柱に留めつけたり、ガーデニングではヒモを結ぶという作業が結構多いのですが、手袋がフィットしていないととてもやりにくく、結局手袋を外すことになるのです。この2重使いは、どちらもピタッとフィットするので指先の感覚が損なわれず、そうした細かな作業も手早くでき、濡れないので便利です。以前、ビニールの手袋だけを使っていたら、ゴムのアレルギーで手に湿疹ができてしまったので、下に綿手袋をすることにしました。どちらもホームセンターやドラッグストアなどで入手でき、安価で大量に入っているので使い捨て手袋として使っています。 美しい庭づくりのための装備6. ガーデニングに便利なポケットいっぱいのエプロン 誘引紐やビニタイ、ハサミ、スマホなどを身につけて歩けるように、ポケットがたくさんついたエプロンを便利に使っています。このエプロンはモン・ベルのフィールドラップエプロンで、ポケットが4つついていて、一つはジッパー付きなので、落としてなくすと困るスマホなどはそこに入れています。伸縮性があって動きやすく、撥水加工がしてあるので水もはじいてくれます。ウエストの調節ベルトには、ハサミケースなどを通すこともできて便利です。 モン・ベル/https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1132105 美しい庭づくりのための装備7. ガーデニング時も髪と肌のUVケア・香る日焼け止めスプレー 美容師をしている庭友達が勧めてくれた髪と肌のUVスプレーを愛用しています。友人によると髪も紫外線にさらされると結構傷んでしまうのだそうです。帽子もかぶっているのですが、意外と帽子のツバが視界を遮り邪魔になることがあります。しゃがんで手入れをしていて不意に顔を上げた際、ツバでバラのつぼみや繊細な宿根草の茎を折ってしまったりすることもあるので、水やり以外の庭仕事の際は帽子を脱いでしまいがちです。ですから、庭に出る前には必ずこのスプレーをシュッとひと吹き。SPF50で安心ですし、香りもよいので気に入って使っています。 ナプラ ミーファ フレグランスUVスプレー/美容室やAmazonなどでも入手できます。 面谷さんの丹精する庭はこちら
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レシピ・料理
庭のバラを摘んで作るバラジャム【色をきれいに残す5つのコツ】
バラジャムづくりのコツ1. 発色のきれいな赤系のバラを選ぶ 赤やピンクの、発色が美しく、香りのよいバラを選ぶと、美味しいバラジャムができます。黄色や青みがかったバラは、香りはよくても色はあまりきれいに出ません。以下は色がキレイに出て、香りも良いオススメのバラです。 バラジャムづくりのコツ2. 咲きたての花を朝摘む 気温が上がってくると花びらの香り成分が揮発してしまうので、朝早くに摘みます。花は終わりそうなものではなく、咲きたてのものを選んだほうが、虫が入っていることも少なく、色もキレイに出ます。摘んですぐに調理するのがベストですが、できない場合はジップロックなどに入れて冷蔵庫に保存し、その日の夜までには調理するようにします。 バラジャムづくりのコツ3. ガク近くの花弁の基部を切る 花心から花びらをもいで、花びらの基部を少し切ります。ここには少し苦味やエグミがあるので、取り除いたほうが美味しく仕上がります。水を張ったボウルに花びらを浮かべて優しくかき混ぜて洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。 バラジャムづくりのコツ4. 8分揉み込み、花色水を出す ボウルに花びらを入れ、レモン汁を絞りかけて強く揉み込みます。4分くらい経つと、一気にバラから水分が出てきます。計8分ほど揉み込んだら、花びらをザッと絞ります。ここで出た花色水は後で使うので、捨てずにとっておきます。揉み込みが足りないと、味や香り、色の出が悪くなるため、しっかり8分揉みましょう。 バラジャムづくりのコツ5. 花びらを煮詰め、花色水を加えて寝かせる 絞った花びらを鍋に入れ、砂糖と水を加え、中弱火で20分ほど煮ます。火からおろして冷ましたら、先ほどの花色水を加えて、そのまま1時間ほど寝かせます。その後、もう一度火にかけて煮詰めたらでき上がり。花色水を後から加えることで、発色がよくなります。 <分量の目安> ・バラの花びら 150g ・砂糖 100g ・レモン汁 1個分 ・水 1カップ 無農薬でバラを育てて 自宅でジャムをつくる楽しみ 我が家のバラは、全て香りのよいものを選んで、無農薬で育てているので、バラジャムづくりには最適です。庭に植えたワイルドストロベリーでもジャムをつくりますが、ベリーよりもバラのほうが素材として大量に収穫できるなぁと、ふと思ったことがきっかけです。そこで、以前からバラジャムづくりをしている友人にレシピを聞いて試してみたところ、あまりの香りのよさと色の美しさに、すっかりジャムづくりにハマッてしまいました。ジャムづくりをしてみると、庭で育てているだけでは分からなかった花の個性に触れることができます。 例えば、オールドローズとイングリッシュローズでは、花弁の薄さが異なり、同じくらいの大きさの花を同じ数摘んでも、グラム(g)数が倍近く異なります。オールドローズのほうが花弁が薄く、ボウルに入れて揉み込もうと手を入れた途端、まるで羽毛が舞い上がるように花びらがフワッと浮き上がります。口に入れた時の食感も、オールドローズのほうが柔らかく、花びらがより厚くしっかりしているイングリッシュローズは、シャキシャキとした食感が楽しめます。 バラジャムはスコーンやヨーグルト、アイスクリームなどシンプルなものに添えていただくと、味と香りが際立ちます。オープンガーデンの際に、ヨーグルトに添えてお客様にも味わっていただきましたが、とても好評でした。無農薬でバラを育てているなら、ぜひバラジャムづくりをお試しください。美味しいのはもちろん、つくっている最中のキッチンも、まるで夢のような香りですよ。 面谷さんのお庭はこちら。
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育て方
【春の庭仕事】3月はバラの害虫バラゾウムシに要注意
3月のバラの手入れで必須のバラゾウムシ退治 バラの新芽が展開し、日毎若草色におおわれていくバラを見るのは心躍るもの。もう1ヶ月もすれば、美しくかぐわしいバラたちに会えますね。しかし、この時期は害虫対策のスタート時期でもあります。特に、バラゾウムシには要注意。野放しにしていると、バラの花との再会がかなわなくなってしまうことがあります。 バラの害虫バラゾウムシとは バラゾウムシはとても小さな甲虫の仲間です。体長は約2〜3㎜で、ケシ粒のように小さいので、別名クロケシツブチョッキリとも呼ばれています。ゾウムシとは、象の鼻のように伸びたストロー状の口の形状からそのような名前がつけられており、バラゾウムシの他にたくさんの種類がいます。バラゾウムシはその象のような口でバラの葉やつぼみに穴をあけてエキスを吸います。穴のあいた葉はそこから先に水分が行き渡らなくなり、枯れてしまいます。バラゾウムシ被害で最も残念なのは、開花目前のバラのつぼみを枯らされることです。日一日と膨らんでいくバラのつぼみが、ある日突然クタッと萎れてしまった時のガッカリ感。それをいくつも見つけたときのショック。花咲くその日のために一年間、ずっと世話をしてきた人にとって、その精神的ダメージはとても大きなものです。3月以降庭に現れて、秋まで活動します。この時期、数が増えないうちに対処するのが大事です。 バラゾウムシの被害にあったバラの葉。古い葉ではなく、新葉が狙われます。 被害にあってチリチリに萎れています。 バラゾウムシはポロっと落ちて逃げるので、手のひらなどを受け皿にしてその上にそっと落とすようにして捕まえます。 バラゾウムシは死んだふりをする! バラゾウムシはしばしば死んだふりをします。死んだと思ってその辺に捨てると、またバラの葉に戻っていきます。ダマされないで! 手のひらに落として5分ほど観察していると…。死んだふりからヒョッコリ起き上がりました。そして慌てた様子で羽を広げて飛んでいきました。バラゾウムシは滅多に飛びませんが、緊急事態には飛んで逃げるという技も使います。ですから、捕まえたら速やかに捕殺します。また、枯れたツボミはそのままにしないで取り除いて確実に捨てましょう。ツボミの中に卵が産み付けられている場合があります。産卵されたツボミを庭に捨ててしまうと、卵がかえって幼虫が土の中で越冬し、翌年の被害につながってしまいます。 ゾウムシバンバンの効率的な退治方法 鳥取県米子市でバラの庭づくりを楽しむ面谷ひとみさんは、オーガニックで庭づくりを行っています。バラゾウムシ退治のスプレー殺虫剤や予防薬も市販されていますが、面谷さんの庭はクリニックに併設されておりさまざまな体調の人が訪れるため、そうした薬剤を散布していません。薬剤を使わない場合、バラの庭には必ずバラゾウムシが現れます。面谷さんは毎日、庭を見回って被害をチェックし、バラゾウムシを見つけたら、一匹一匹、手で取り除いてきました。 「だけど、つるバラで高いところに誘引してある場合は、手が届かないのでバラゾウムシ退治も難しいんです。葉先にしばしば被害を見つけても、これまでは仕方ないなぁと諦めるしかなかったんですよ」 そこで考案したのが、ビニール傘を逆さにして、枝をトントンと叩いてバラゾウムシを捕まえる方法。 「ビニール傘の一箇所に切れ込みを入れておき、そこに枝を挟み込んで大きな受け皿にします。それから、枝の上の方を長い棒でトントンと叩くと数匹一緒に落ちてきて、高い所に潜むバラゾウムシも効率よく捕まえられるんです」 試行錯誤の末、透明傘で一網打尽にする「ゾウムシバンバン」 名付けて「ゾウムシバンバン」。面谷さんがいろいろ試した結果、傘は白や半透明ではなく、透明に限るとのこと。「透明の傘なら、つるバラの下に植わっている宿根草類が見えるので、折らないように気をつけることができます」。 傘の一箇所に切れ込みを入れ、逆さにしてバラの枝に押し当てます。 傘に落ちたバラゾウムシ。 多い時は一度に5〜6匹取れる。 さらに高い所は、傘の先端部分を持って受け皿にする。 面谷さんは、この「ゾウムシバンバン」を発明以降、バラゾウムシ退治はもっぱらこの方法で行っているといいます。「たくさんバラを育てているので、手で一匹一匹捕まえるより、いっぺんに何匹も捕まえられて効率がいいんです」。 バラゾウムシの被害で悔しい思いをしている方は、ぜひ面谷さん考案の「ゾウムシバンバン」を試してみてください。