スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

元号「令和(れいわ)」の由来である梅(ウメ)の花と魅力をご紹介
古来より日本人に愛されたウメの花 Chiristsumo/shutterstock.com 元号「令和」に由来する『万葉集』第五、梅花の歌 三十二首 「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」 書き下し文は 「初春の令月にして、氣淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす(しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのこをひらき、らんははいごのこうをかおらす)」 歌に詠まれているウメの原産は中国で、遣唐使が日本に伝えたとされています。また、その姿や香りのよさから、古来より日本人に愛されてきた花であるウメ。万葉集や古今和歌集などの歌集に多くの歌が詠まれていることからも、古来より人々に親しまれていたことが分かります。 zzz555zzz/shutterstock.com また、昔からいわれる「梅に鶯(うぐいす)」とは、「互いに調和し合う、取り合わせのよいもの」という意味があります。まだ冬の名残のあるなか、いち早く満開になって華やぎと香りをもたらす梅と、通りのよい声を響かせるウグイスは、春の到来を五感に訴えかける存在。どちらも春の喜びを伝えるものとして、憧れやめでたさを感じてこのような文言が生まれたのでしょう。 併せてこちらもチェック! 『知ってる? 春を告げる野鳥、ウグイスとメジロの違い』 馥郁とした甘く清々しい香りが鼻をくすぐると、春の訪れを実感。また、ウメは春に限らず、実を漬けて梅干しをつくるのが恒例行事となっている家庭も多く、日々の食卓に欠かせないものにもなっています。 花梅、実梅、ウメの種類 ウメには、花を楽しむ観賞用の花梅と、実を食用とする実梅があります。花梅には、原種に近い「野梅系」、枝や幹の内部が紅い「緋梅系」、ウメとアンズの交雑種「豊後系」の3系統があり、さらにその中で9性に分かれます。野梅系のウメは非常に香り高く、緋梅系のウメは華やかな緋色のものが中心、豊後系のウメはアンズに近い桃色の花を咲かせるものが多いという特徴があります。 日本の気候風土に合ったウメは、代表的な庭木の一つ。非常に寿命が長く、年月をかけて樹形を自分好みに整えていくことができるため、庭植えや鉢植えのほか、盆栽としても楽しまれています。ウメは1品種だけでは結実しにくいので、実の収穫を楽しみたい場合は他品種を混植するのがオススメです。 魅力的なウメの品種4種 ‘思いのまま’ 一つの枝に白花、ピンクの花、そして絞りの花を咲かせる‘思いのまま’は、とても華やかで美しい品種。色のコントロールができず、勝手に咲き分けてしまうことからこの名がつけられたといいます。野梅系。 ‘紅千鳥’ 鮮やかな明るい緋色の中輪一重咲きのウメ‘紅千鳥’。丈夫で花付きがよく、やや小ぶりな花を咲かせます。遅咲き性で、見頃は2~3月頃。緋梅系。 ‘楊貴妃’ ややフリルがかったようなたっぷりしたピンク色の花弁が美しい‘楊貴妃’。豪華で美しい花姿は存在感抜群で名前にふさわしいものです。豊後系。 ‘露茜(つゆあかね)’ Photo/国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 2007年に生まれたばかりの新しい実梅‘露茜’は、日本スモモとのかけ合わせで生まれた新品種。大きな実の内部まで鮮やかに赤く色づき、梅酒やジュース、ジャムなどにすればとても美しい紅色が楽しめます。品種登録から間もないため、なかなか見かけない希少な品種ですが、自分で栽培すると実の収穫も楽しめます。 併せて読みたい
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宿根草・多年草

冬のお部屋で可愛い花が楽しめる プリムラのオススメ品種
冬に明るい色を添えてくれる花 プリムラ 寒さに強く、真冬にも黄色やピンク、青色などのカラフルな色合いの花を咲かせるプリムラ・オブコニカは、冬のガーデンの彩りに欠かせない花。初心者でも育てやすく、丸みのある葉の中心に、サクラに似た形の愛らしい花がまとまって咲きます。咲き姿のバランスがよく、コンパクトにまとまるので、他の植物とも合わせやすく、寄せ植えから花壇まで広く活躍します。晩秋から春まで、長期間花を観賞できるのも大きな魅力。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、暑さには弱いため、暖地では基本的には一年草扱いとなります。 そんなプリムラ・オブコニカの中でも、インドア栽培に向いた品種がオランダのスクーネベルド社が育成したプリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」シリーズ。室内では、照明をつけていても植物にとっては十分な明るさでないことが多いもの。例えば、真夏の太陽光の明るさは10万ルクスを超えるといわれますが、オフィスや店内は1,000ルクス程度だそうです。そんな環境でも花が長く楽しめるのが、耐陰性の強い「タッチ・ミー」シリーズの特長。実証実験では、平均で35日もの間花を楽しむことができました。また、オブコニカに含まれるかぶれる成分「プリミン」が含まれておらず、かぶれにくいため、小さな子どもがいる室内でも育てやすいのも嬉しいところ。 冬の室内でもポップな色合いの花を咲かせるプリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」シリーズ。花色豊富で育てやすく、コンパクトに生育するので、スペースがなくても簡単に栽培でき、冬の部屋の彩りにぴったりです。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」 耐陰性が強く、花もちがよい「タッチ・ミー」シリーズ。室内でも長期間、ポップな色合いの花を楽しめます。赤やピンク、青、オレンジ色、紫色など、豊富なカラーバリエーションも魅力です。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー ミニ」 オブコニカ初のミニ品種。他の品種に比べ、葉が小さくコンパクトにまとまり、バランスのよい可愛らしい咲き姿になります。花色は定番のレッド、ブルー、ホワイトの3色。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー プリカント」 フランス語で長く大切にされてきた道具類を表す「ブロカント」という言葉から。シックな赤、ライムグリーン、ニュアンスカラーのブルー(パープル)の3色。 写真協力&発売元:たけいち農園 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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ストーリー

人々を夢中にさせる魅惑の花 チューリップの歴史
チューリップの原産地 チューリップが生まれた場所は、トルコからイラン、中央アジアを中心とした北緯40度線に沿ったエリアだといわれています。特にトルコから中央アジアにかけて、野生種が多く見つかっており、トルコやカザフスタンのように、チューリップを国花とする国もあります。このような野生種のチューリップの多くは、現在私たちが目にするチューリップとは異なる花形で草丈が低く、野趣あふれる魅力的な姿をしています。 現在の「チューリップ」という名前は、トルコ語でターバンを意味する「Tulipan」がもとになっているそう。そんなトルコの名産品の一つが、青や赤など鮮やかな色で描かれた絵つけタイル。伝統的な模様のタイルには、チューリップが美しくデザインされたものも多くあり、トルコとチューリップのつながりを感じさせます。 オランダとチューリップ チューリップの花とともに、多くの人が思い起こすであろう国、オランダ。国土面積は九州とほぼ同じという小さな国ながら、「世界の花屋」とも呼ばれるように、世界有数の花き類生産額を誇り、ヨーロッパの花き流通拠点としても大きな役割を果たす花の国です。春になると色とりどりのチューリップの花が満開に咲き誇り、あちらこちらでチューリップ祭りが開催されています。 そんなオランダに、オスマン帝国で栽培されていたチューリップが伝わったのが16世紀のこと。ライデン大学教授として招聘された、植物学者のカロルス・クルシウスが持ち込み、栽培したのが始まりといわれています。1592年にクルシウスがチューリップに関する本を発表すると、この美しく珍しい花は瞬く間に大変な人気を集めました。チューリップ人気は過熱し、球根が盗まれる事態も多発するようになり、クルシウスの庭からも希少な品種が盗まれて高値で取り引きされたそうです。栽培する人が増えて品種が豊富になると、チューリップの人気はさらに高まり、そして、世界最初のバブルと呼ばれるチューリップ狂時代へと突き進んでいきます。 チューリップ狂時代 チューリップ狂時代(チューリップ・バブル)とは、チューリップの球根の価格が異常に高騰し、突然下落した期間を指します。1637年にピークを迎えた頃には、品種によってはピーク時には、「馬車各2台分の小麦とライムギ、太った雄牛4頭、豚5頭、ビール4樽、バター160㎏、チーズ500㎏、ベッド1台と衣類と銀のカップ」を球根1個と交換したという記録が残っています。チューリップは投機の対象となり、商人だけでなく一般の多くの人が売買に参加するようになるとさらに需要が増し、価格が高騰していきました。 当時高い値がついたのが、花びらに斑の入る「ブレイク」と呼ばれる現象を起こしたブロークン・チューリップ。のちにこの現象はウイルスによるものだと判明しますが、当時はなぜこのようなことが起こるのか分かっておらず、またウイルス感染により株が弱り、栽培が難しいことから、このような希少な球根は高値で取り引きされました。中でも‘センペル・アウグストゥス’の場合、熟練した大工の年収が250ギルダー程度であった時代に、10,000ギルダーを超える価格がついたともいわれます。 この頃には、実際の球根の受け渡しは行われず、球根の権利を書いた紙が取り引きされる、今でいう先物取り引きが行われていました。見えないものを取り引きするため、実際にはない球根が売られることも多く、また、購入する方も資金の当てがないまま手形で決済し、それをすぐに転売することが繰り返されていました。このように、球根の引き渡しが実際には行われないことから、チューリップ取り引きは「windhandel(風の取り引き)」と呼ばれていました。それも上の風刺画に表れているのかもしれません。 1637年2月、ハールレムという町でチューリップを購入する人がいなくなるということが起き、これをきっかけにチューリップの価格は急激に下落しました。バブルがはじけた後は、債務不履行の手形があふれ、債務不履行関連の訴訟も相次ぎました。その後、政府が合意価格の3.5%の支払いで売買契約を破棄できるという宣言を出し、混乱は収まりました。最近では、先物取り引きによる空売りが多かったことや、経済の中心であった大商人が既にチューリップの取り引きから手を引いていたことから、オランダ経済への影響は考えられていたほど大きくなかったのではないかと考えられているそうです。 美しいチューリップを楽しめるキューケンホフ公園 チューリップ狂時代が終わった後、しばらくチューリップはオランダ人にとって、苦い思いのある花でした。しかし、その後もチューリップの栽培と品種改良を続けた人々はいました。そして、今日のオランダでは、チューリップは国を代表する花として愛されています。 そんなオランダの中でも、チューリップをはじめとする花々が楽しめる場所として、世界でも指折りの人気を誇るのがキューケンホフ公園。毎年700万球以上の球根花が植えられ、年ごとに異なるデザインの庭景色が楽しめます。波のように広がる色鮮やかなチューリップの花の中に身を置けば、まるで花畑の海の中を漂っているような気分に。今も昔も、この美しい花が人々を魅了することは変わらないようです。 併せて読みたい イギリス流の見せ方いろいろ! みんな大好き、チューリップで春を楽しもう 私のガーデンストーリー 「ベランダで秋植え球根をきれいに咲かせる楽しみ」 春咲き・秋植え球根の上手な買い方と植え方
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ガーデン&ショップ

イングリッシュガーデン旅案内【英国】クイーン・メアリーズ・ガーデンズの花綱
ロンドン随一のローズコレクションは6月が見頃 クイーン・メアリーズ・ガーデンズは、ウィンザー朝の国王ジョージ5世の妻、メアリー王妃の名を冠した庭園で、1932年に一般公開が始まりました。ロンドンでは最大級のバラのコレクションとなる1万2,000株が植えられ、クラシックなバラからモダンローズまで、主な品種が揃っています。 リージェンツ・パーク内の壮麗なジュビリーゲートから、庭園のあるインナーサークルと呼ばれる区画に入ると、無数に花を咲かせるバラの花壇がさっそく迎えてくれました。淡いピンクに、オレンジ、濃い紫。さまざまなバラが咲く花壇が、カーブを描く園路に沿って続きます。一つの花壇には一つの品種が咲き、それが全部で85もあるそうです。 腰丈ほどに群れ咲くバラや、目の高さで咲くバラ、オベリスクに仕立てられたバラ、さまざまなバラが次々と現れて、景色が変わっていきます。左手には池があって、6月の初夏の陽気に爽やかな風が吹いていました。 「このバラは香るかな?」一種ずつ顔を近づけては確認したり、カメラを向けたり、たくさんのバラに囲まれて、なかなかお目当ての花綱の庭までたどり着きません。今回は見つけられませんでしたが、公園を管理する機関「ロイヤル・パークス」の名を冠したバラもあるそうです。ハークネス社作出のアプリコット色のハイブリッド・ティー・ローズで、病気に強くてよく咲き、公園用に最適なバラとのこと。 360度バラに囲まれるガーランドの名所 ガーデニングで「ガーランド」とは、綱につるバラが伝いロマンチックな景色を生むデザインのこと。このサークル状につるバラが誘引された花綱が見られる有名な場所がここ「クイーン・メアリーズ・ガーデンズ」です。高さ3mを超す木製のオベリスクが円を描くように立ち並び、その間に2本の綱が渡されて、多種のつるバラが絡まっています。まだつぼみが多い時期でしたが、早咲きのつるバラが開花を始めて、ロマンチックな景色をつくっています。 満開のつるバラの下で過ごす穏やかな時間 日本の観光ガーデンでも、この綱にバラのつるを沿わせて咲かせるガーランドとか、花綱(はなづな)仕立てに出合うことがありますが、ここのように、広い場所を使って360度、ぐるりと円形に花綱がつながっているガーデンは、ほかにありません。花綱で囲まれた園の内側にももちろんバラが咲き、美しいグラデーションを見せています。 花綱の下にはところどころベンチが置いてあって、語り合う人や新聞を広げる人、バラを静かに眺める人と、思い思いにくつろぐ姿があります。花に囲まれた空間で過ごす人たちは、みんな穏やかな表情。芝生をつつく野鳥の微笑ましい姿もあります。 インスタ映えするフォトスポット バラが美しく咲く様をカメラに収める楽しそうな姿はもちろん、バラを背景に自撮りする人も多数みかけました。見上げれば、重そうに花房を下げるバラがすぐそこに。まさにインスタ映えするフォトスポットです。 バラとの組み合わせ植物もチェック つるバラを誘引しているオベリスクの株元付近をよーく見ると、ブルーやピンクの小花を咲かせる宿根草が植わっています。バラが咲くシーズンに合わせて花盛りを迎える品種を選んでいるようです。写真左はペンステモン。右は、種ができつつある花後のアガパンサスと、キャットミント。芝生の緑にブルーの小花が愛らしく映ります。 左写真は、日本でもバラの下草として人気のゲラニウム。右写真は、一重のバラの下草としてブルーのセントーレアが色を添えています。 それぞれのオベリスクには、誘引されているつるバラの品種名が記されています。日本ではあまり聞きなれない品種もあって、イギリスにいるんだなぁ、と改めて実感。ぐるりと2周、3周しては、ベンチに腰掛けて、いろんな角度からバラの風景を楽しむ……。見ごたえたっぷりの、素敵なローズガーデンです。 併せて読みたい 一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア 宿根草ショップの店長が教える! 2018年度の人気ガーデン植物5選 知っておきたい! 流行中のバラトレンドと、オススメ品種10選
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樹木

美しい松でお正月を。華道家が生み出した唯一無二の「根引松」
日本有数の松の産地、鹿嶋の松 お正月の松飾りには、歳神様を家に迎え入れるという意味があります。松は常緑で葉を落とさないため、古くから梢に神が宿ると考えられており、神様の目印になるよう家の門に飾ったものが「門松」や「松飾り」です。松飾りには、生育5年ほどの若松を用いるのが一般的ですが、京都の旧家や社寺では、根がついたままの「根引松」を飾る習慣があります。根引松には「地に足がつくように」、「成長し続けるように」という意味があり、一年の初めに思いを新たにしたいという願いが込められています。 塩入一峰さんは、この根引松の生産を受け継ぐために、2016年、東京から茨城県鹿嶋市へ帰郷しました。鹿嶋は日本有数の松の生産地ですが、そもそも鹿嶋を松の産地へと導いたのは、一峰さんの祖父・塩入東一氏です。 「鹿嶋は海が近いので砂地が多く、野菜などの農産物を栽培するにはあまり適さなかったんです。戦後、この土地で何か生産して全国に出荷できるものをと、祖父がたどり着いたのが松でした」。 東一氏は砂地を利用しての松の生産を成功させ、鹿嶋を一大生産地へと成長させただけでなく、松の需要の裾野を広げるために日本花道大学を開設。松と同時に花木の消費拡大に貢献しました。一峰さんの父、塩入勝峰氏はその花道大学で、東流の家元として教鞭をとった後、30年以上松の生産を続けてきました。 「けれども数年前の正月に帰郷した際、父がもう松をやめる、と。そこで僕は初めて、父がつくっている松がどんな松なのかを知りました。学生のときに畑仕事を手伝った経験はありましたが、肉体労働で大変という記憶しかなくて、僕は松農家を継がずに東京でデザインの仕事をしていました。ですから、松農家になろうなんて思ったことは一度もなかったですし、父もこれまで特に松のことを話すこともありませんでした」。 栽培技術によって生み出される「美」 短く整った葉を密に茂らせ、青緑色に輝く松。まるで腕のよい植木職人が丁寧に切り揃えたかのような美しさで、市場で高い評価を得る塩入勝峰氏の「根引松」。一般的な若松も根引松も同じ黒松のタネからスタートしますが、黒松は普通に育てていれば葉が長くなり、外側へ向かって開いてしまいます。しかし、勝峰氏のつくり出す松は葉が短く、葉と葉の間がつまって密になり、葉色は明るく、優雅な枝ぶりが特徴です。姿の違いは誰の目にも明らか。それは華道家でもある勝峰氏が、水盤という小さな世界の中での表現に見合う端正な形を求め、10年以上かけて確立した独自の栽培技術によって生まれた姿です。 「市場の方から、この松は君のお父さんにしかつくれない特別な松なんだと聞かされました。僕は東京でデザインの仕事をする中で、こだわりを持って何かをつくるということ、そしてそれが評価されるということがどんなに大変で、すごいことかを身をもって感じてきました。ですから、うちの松のことを聞いて、こりゃすごいことだぞと思ったのと同時に、父がやめたら10年以上かけて生まれたこの松が、世の中から消えてしまうということに衝撃を受けました」。 そこから一峰さんが父の松を継ごうと決心するまでには、それほど時間を要しませんでした。 三代目の新しい提案 今、一峰さんはその独自の栽培方法を父から学ぶべく、松農家としての道を歩み始めたばかりです。 「農業自体が初めてなので、道具の使い方やロープの結び方といった基本的なことからスタートして、身体づくりも目下の仕事の一つ。筋肉がないと農作業ってできないんですよね。デザイン事務所にいた頃は細くて白かったですけど、今は筋肉がずいぶんついて日焼けもするので、久しぶりに会う友人たちからは逞しくなったね、なんて言われます(笑)」。 根引松はタネを播いてから5〜6年育てて収穫しますが、その間毎年抜いて新しい畑に植え替えます。塩入さんたちは、その畑を5〜6人で作業しています。一度植えたらそのまま育てる若松の栽培と比較し、根引松の栽培労力はとても大きく、一大産地の鹿嶋でも生産者は塩入さんだけです。 「大変といえば大変な仕事です。植え替えもそうですが、この芽を伸ばしてこの枝は剪定してと、気候の変化に合わせてタイミングを見計らいながら5〜6年かけて一本一本思い描く形をつくっていくんです。でも、何しろ自然が相手ですから、予定調和とはいきません。雨が長ければ葉が伸びちゃうし、期待した芽が吹かないことだってあります。でもだからこそ、自分の狙い通りの姿になった時の喜びも大きいんです。一方で意図せず生まれた美しい一本を発見することもあって、そんなときもキレイだなぁってしみじみ感動します。出荷しないで手元に置いておきたいなんて思ったりすることもあるくらい(笑)」。 一峰さんは生産だけでなく、若い人たちにも根引松の魅力を知ってもらうための新しい松飾りの提案も始めました。 「立派な門がなくても、モダンなマンションの室内などでも飾って楽しんでもらえればと思って。リースのようにアレンジして楽しむアイデアを提案していて、ワークショップも開催しています。お正月の松飾りは日本の伝統文化ですから、現代の生活に合わせて形を変えながらでも、残していけたら嬉しいですね。根引松をつくるということは、単に生産して出荷するという作業だけではなくて、文化の継承でもあると考えています。そういう仕事ができることを、僕は誇りに思っています」。 ガーデンストーリーオリジナルで、塩入勝峰さんと一峰さんが作る「昇竜根引松(しょうりゅうねびきまつ)」と伝統工芸品の美しい水引飾りをセットにした松飾りを、数量限定で販売中です。お申し込み、詳細は『2021年心穏やかにお正月を迎えるために早めの準備を! オリジナル松飾り数量限定発売中』の記事をご覧ください。 『年末の贈り物にも。モダンな部屋にも似合う根引松の松飾り』でつくり方をご紹介しています。 塩入さんの松は生花店などで購入可能。 全日花菜 https://saltandpinetree.wixsite.com/home 併せて読みたい ・クリスマスやお正月にもぴったり! 冬こそ楽しめるおしゃれなリースの寄せ植え ・お正月に飾りたい 一年のスタートを彩る清々しくて縁起のよい植物8種 ・鉢植え一つから始める「寄せ鉢」ガーデニング Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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観葉・インドアグリーン

冬の室内を彩るコチョウラン!栽培上手になれる2つのコツ
コチョウランの3つの魅力 驚異的な花もちのよさ/華麗な花が2〜3カ月間咲き続けます。他の植物と比較しても極めて長く咲くのが魅力です。 実は場所を取らない/贈答用の立派な花鉢は複数の株を寄せ植えにしたもの。1株は2.5〜4.5号(直径7.5~13.5cm前後)の鉢で育てるのが適しています。 管理が楽/ややこしい栽培ルールはありません。置き場所と水やりのコツを覚えるだけで、誰でも上手に育てられます。 手頃なミニコチョウランがオススメ コチョウランは贈答品というイメージがありますが、近年は小型のミニコチョウランが1,500円くらいから流通しており、手頃な価格や場所を取らないという利点から、インテリアプランツとして自身で買う人も増えています。コチョウランはほとんど一年中、開花した花鉢が手に入るので、花の色彩に乏しい冬はコチョウランが一鉢あるだけで、室内に瑞々しい彩りを演出できます。 栽培のコツは2つだけ 置き場所が肝心! カーテン越しにやわらかな光が入る、暖かい場所を用意してあげましょう。 水をあげすぎない! 水を与えることよりも、むしろ与えた後にしっかり乾くことを意識しましょう。 自生地の環境を室内で置き換えてみよう コチョウランの主な自生地はマレーシアやボルネオなどの熱帯雨林帯です。高温多湿ですが、コチョウランは「着生ラン」といい、高い木の幹や枝に根を張って生きています。樹上はそれほど暑くもなく、コチョウランは木漏れ日の中でそよ風に吹かれて過ごしています。着生ランなので、根っこは土などに覆われた状態ではなく、常に空気にさらされています。これらを栽培に当てはめてみると、以下のような場所と管理がコチョウランを育てるのに最適です。 直射日光の当たらない窓辺。レースのカーテンなどをする。 30度以上、18度以下にならない場所が最適。 自生地の湿度は70~90%。空気の乾燥に気をつけて、加湿器があるならその側に置こう。 根っこは乾燥気味を好む。水やりはしっかり乾いてから。 用土は土を使用せず、水ゴケを使用するか、何も使わなくてもよい。 水道水の水では冷たすぎるので、ぬるま湯で水やりし、回数は控えめに。 一年中室内で身近に育てよう コチョウランが好む温度は人が好む温度と同じくらいです。特に冬の寒さや冷水などは自生地の環境から考えて、コチョウランはとても苦手です。夜間は室内でも窓辺の温度が下がるので、就寝タイムは一緒にベッドルームに持って行ってあげましょう。コチョウランは高湿度を好みますが、お肌によい湿度も60~70%です。コチョウランとお肌のために加湿器を使用して寝ましょう。 光を透過する透明の容器がgood! コチョウランの根は、自生地では光に当たっています。根も光合成をして栄養をつくり出しているので、光が当たるような透明の容器のほうがコチョウランにとってはよりよい環境です。 参考文献/『12か月栽培ナビ③コチョウラン』富山昌克著/NHK出版 Photo/1)All for you friend 2)rarrarorro/ 3・5・6)Africa Studio/ 4) Hivaka/ Shutterstock.com
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育て方

【多肉植物】 初心者でも失敗しない種類と育て方
多肉植物は3タイプ 多肉植物は成長する時期によって、次の3つのタイプに分かれ、成長期と休眠期では置き場所・管理の仕方を変えるのが、上手に育てるコツです。 【春秋型】 春と秋に成長する種類。冬と夏は休眠期。 置き場所/成長期は風通しのよい日向。冬の休眠期は日当たりのよい室内。 水やり/成長期は乾いたらたっぷり与える。休眠期の水やりはストップ。 種類/エケベリア、セダム、ハオルチア、センペルビウム、グラプトペタラム、ペペロミアetc. 【夏型】 夏に成長する種類。冬から早春は休眠期。 置き場所/夏から秋は風通しのよい日向。冬から早春は日当たりのよい室内。 水やり/春から秋までは乾いたらたっぷり与える。休眠期の水やりはストップ。 種類/サンセベリア、アロエ、アガベ、ユーフォルビア、カランコエetc. 【冬型】 冬から春に成長する種類。真夏は休眠期。 置き場所/冬から春は日当たりのよい室内。成長期に入る前の晩秋の1カ月間は風通しのよい屋外の日向に置く。夏の間は涼しい半日陰。 種類/リトープス、アエオニウム、プレイオスピロス、ディンテランサスetc. 多肉植物栽培の初心者におすすめの品種 エケベリア/ベンケイソウ科【春秋型】 多肉植物の中で、最も失敗が少なく育てやすい種類です。花のような株姿が可愛らしく、ブルーがかるものや赤紫のもの、起毛してフワフワのものなど品種数もたくさんあります。日光を好むので屋内でも屋外でも日当たりのよい場所に置いて育てます。 センペルビウム/ベンケイソウ科【春秋型】 ヨーロッパの山岳地帯に自生しており、寒さにとても強いのが特徴です。密に重なる葉が美しく、銀色の葉の先がチョコレート色に染まるものや赤や紫など数多くの種類があります。 セダム/ベンケイソウ科【春秋型】 小さな葉の種類で可愛らしい印象。日本で野生化している種類もあり、多肉の中では比較的水分を欲しがる種類です。カラーバリエーションが豊富で、這い性のものはグラウンドカバーとしても利用できます。伸びすぎてヒョロヒョロしてくるので、刈り込んで風通しをよくしましょう。 器にもこだわって多肉植物を可愛く飾ろう 植木鉢だけでなく、カップやガラス器、ブリキの缶なども器として使うことができます。底に水抜け用の穴が空いていない場合は、一度水やりをしたら器を傾け、表面の土を抑えて余分な水を捨てるようにします。底に水がたまってしまうと、根腐れの原因になります。 多肉植物の基本の育て方ルール 水やり 多肉植物は乾燥地帯に自生している植物なので、そもそもあまり水を必要としません。水を与えるのは成長期のみ。それも鉢の表土が乾いてもすぐに水やりをしないのがコツです。乾いてから7〜10日してから与えるのがちょうどいい水やりの間隔。頭では覚えていられないので、卓上の専用カレンダーを側に置いておくとよいでしょう。またはスマホのリマインダー機能を使うと便利です。 水を与えないで枯らすことはほとんどなく、乾燥で葉にシワが寄ってきたら水やりをするのがちょうどいいくらいです。シワは水を与えればすぐに元に戻ります。鉢皿などに水を残しておくのは厳禁です。 用土は専用のものを 多肉植物はもともと乾燥し、荒れた土に根を下ろして生きています。根は湿った状態よりも、乾き気味を好みます。普通の草花を育てるような赤玉土は、多肉植物にとっては保水性がよすぎて上手に育ちません。必ず多肉植物専用の土を使いましょう。鉢底には水はけをよくするために、鉢底石も入れましょう。株が成長して大きくなってきたら、植え替えもするとよいでしょう。
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ガーデン&ショップ

花の庭巡りならここ!花と色と農のテーマパーク北海道「十勝ヒルズ」
花と食と農のテーマパーク「十勝ヒルズ」 青く澄んだ空の下に広がる十勝平野。清らかな札内川の流れが潤す地に、十勝の美しい自然を映したイングリッシュガーデン「十勝ヒルズ」はあります。開放感に満ちた小高い丘の上に広がるのは、季節の移ろいとともにその表情を変える7つのテーマガーデン。花と食と農をコンセプトにしたこのガーデンでは、1,500種を超える草花が風に揺れ、時間もゆったりと流れます。 個性豊かなテーマガーデン 「十勝ヒルズ」には、それぞれに異なるテーマを持った7つのガーデンがあります。石づくりのエントランスを入ると、木漏れ日の優しい道がまっすぐ続いていきます。 この道を少し外れ、右手の奥まった場所に進むと現れるテーマガーデンが「ヴィーズ・ポタジェ」。豆や野菜、果樹、ハーブなど「食」をテーマにしたキッチンガーデンです。大きな麻袋の中で育つジャガイモや、リンゴの木の足元で群れ咲くチャイブなど、見た目にも可愛いガーデン演出が随所にあり、自分でも取り入れたくなる工夫もきっと見つかります。 道をまっすぐ進むと、目の前に空がいっぱいに広がる開けた空間に。ここは、北海道の澄んだ青空を映す大地の鏡をイメージした「スカイミラー」。青と白の花を集めてストライプ状にデザインされています。隣のテーマガーデン「アルフレスコ」は、気持ちのよいピクニックエリアです。青々とした芝生の中に、宿根草のボーダー花壇が配され、春から秋まで咲き継ぐ花々を家族や愛犬と一緒に楽しむことができます。 ロマンチックなローズガーデンやナチュラルガーデン 「美味しい香りのバラ」をテーマに、約960株のイングリッシュローズを集めた華やかな「ローズガーデン」は、十勝ヒルズを訪れたらぜひ見てほしい場所。北海道の冷涼な気候の下で育つバラは、澄んだ花色の美しさと、整った花姿が魅力。手入れの行き届いたバラ園は、フルーティーな香りが特徴です。バラだけでなく、クレマチスやキャットミントなど、バラを引き立てる植物のあしらいも美しく、花の組み合わせ方の参考にもなります。 ローズガーデンの先にあるのは、愛らしいピンクの花を集めたイングリッシュガーデン「アニーカの庭」。北黄石の石垣で囲われた中に、「妖精の住む庭」をコンセプトにしたロマンチックな空間が隠されている様は、まるで自分だけの秘密の花園のよう。オリエンタルポピーやエキナセア、ラムズイヤーなどの花々がナチュラルな風情で風に揺れ、訪れる人々を迎えてくれます。 「アニーカの庭」から坂道を下ると、スイレンなどの水生植物が育つ水辺の空間「ナチュラルオアシス」が広がります。生き物の憩いの場にもなっているこの水辺では、大きなセイヨウシロヤナギの枝が風になびき、ゆったりとした時間が流れます。最後のテーマガーデンは、季節の花々が彩るサークル花壇「フラワーアイランズ」。球根や一年草などの色鮮やかな花々が群れ咲き、芝生の海に浮かぶ小島のような風景です。 これら7つの個性豊かなガーデンは園路で結ばれていて、訪れた人は好きな場所で思い思いの時を過ごすことができます。 豆屋さんがつくったガーデン このガーデンを運営しているのは、実は「丸勝」という創業60年を超える豆屋さん。ほかに穀物や飼料、農作物の製造・販売なども行っています。十勝の豊かな自然と、そこから生み出される食の魅力を多くの人に知ってもらいたいと、自然と触れ合えるこのガーデンをつくりました。かつては豆殻をバークチップ代わりに利用していたこともあったとか。丸勝は、十勝ヒルズのほか、「ヒルズファーム」という農場も持ち、希少なマンガリッツァ豚の飼育、リンゴや有機野菜の栽培、緑肥の試験など、さまざまな角度から農業に取り組んでいます。 見るだけではなく、食やイベントの楽しみも コンセプトの一つに「食」を掲げる十勝ヒルズでは、ガーデン内で味わうメニューも訪れた際の楽しみです。レストラン「ファームレストラン ヴィーズ」では、テーマガーデンの「ヴィーズ・ポタジェ」やファームで毎日採れる新鮮な野菜やハーブを使用した、おしゃれで美味しいメニューを味わうことができます。ほかにも和食処やカフェもあり、グルメが充実しているのも、花と食と農のテーマパーク、十勝ヒルズならでは。天気のよい日には、カフェでテイクアウトしたメニューでガーデンピクニックも楽しめます。 また、多肉植物やテラリウムのワークショップ、アロマテラピー講座など、誰でも楽しめるイベントが開催されているときも。ガーデンを訪れたら、ワークショップにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 気持ちのよい太陽の光の下、美しい花々に癒され、鳥の声や家族との会話、ピクニックを楽しむ……。十勝ヒルズは、そんな素敵な非日常のひとときを過ごすことができるガーデンです。
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クリスマスシーズンの主役 モミ&トウヒ
真冬にも緑を保つクリスマスツリー nikkimeel/shutterstock.com 真っ白な雪がしんしんと降り積もり、静かに佇むモミの木がゆっくりと雪に覆われていく様は美しく、クリスマスにふさわしいもの。ヨーロッパでは、冬も緑を保つ常緑のモミの木は強い生命力を意味し、クリスマスには欠かせないものです。 常緑針葉樹にはさまざまな種類があり、クリスマスツリーとして活用できます。 クリスマスツリーとして伝統的に使われている樹種はヨーロッパモミ。円錐形の樹形に濃い緑色でしなやかな葉、爽やかな香りを持つ端正な樹です。耐寒性が強い反面、高温に弱く蒸れやすいので、関東以西の暖地での栽培は難しいのが難点。自然の状態では30mを超すほど大きく成長します。 モミの木と並んでツリーによく利用されるプンゲンストウヒやドイツトウヒなどトウヒ(別称ハリモミ)の仲間は、関東近辺でも育てやすく、しっかりした枝はオーナメントを吊るすのにもぴったりです。トウヒ類は品種により葉色や樹形がさまざまで、環境に合わせて選ぶことができます。また、モミやトウヒのほか、鉢植えでコンパクトに栽培しやすいコニファー類をクリスマスツリーに活用するのもオススメです。 プンゲンストウヒ‘コスター’は密に茂る枝と、青みを帯びた葉が特徴。 プンゲンストウヒの原種は10mを超して成長するため、公園など広い場所での栽培向き。大きく育った時の存在感は圧巻です。 爽やかな水色の葉が美しいプンゲンストウヒ‘モンゴメリー’。常緑針葉樹は、四季を通じて葉色が楽しめるのも魅力です。成長の遅い種を選べば、省スペースでも栽培できます。 それぞれ個性的で可愛らしい姿は、ツリーのオーナメントにも。モミの仲間はカラフルな球果をつけますが、マツボックリはつくりません。 発送を待つクリスマスツリー。幸せな気持ちのプレゼントを運んでくれそうです。 真鍋庭園 冷涼な北海道・帯広にある真鍋庭園では、多種のクリスマスツリー向きの樹木を育てています。 日本全国にツリーを届ける 北海道の樹木ナーセリー 憧れのモミの木のクリスマスツリーを、日本国内で販売しているのが真鍋庭園。北海道・帯広で樹木の生産、販売をする専門のナーセリーです。クリスマスツリーとして人気が高いのはトドマツ、アルプスモミなどのモミの仲間7種と、ドイツトウヒ、プンゲンストウヒなどトウヒの仲間12種。5月からクリスマスツリーの苗の準備は始まり、9月末までには大きな木は契約が決まってしまうほどの人気です。ほかにもポット苗から大型のツリーまでいろいろな樹種を各種取り揃えていて、苗一本から日本各地へ発送しています。HPでは商品カタログを見ることができます。 Information 「真鍋庭園」 www.manabegarden.jp 所在地:北海道帯広市稲田町東2-6 TEL.0155-48-2120 Credit 文/3and gardenガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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防犯&野良猫侵入防止に役立つ樹木
クリスマスの飾りでおなじみの「西洋ヒイラギ」/常緑 樹高6~8m ヒイラギは日本では節分の際に飾る習慣がありますが、その理由は「鬼の目に刺さって侵入を防ぐ」。日本語に「ひいらぐ」という動詞がありますが、これはヒリヒリ痛むという意味で、ヒイラギの名前はこの動詞に由来していると言われており、トゲのある葉は肌に触れただけで痛みます。日本でよく知られているこのヒイラギはモクセイ科の常緑樹ですが、ここでご紹介するのは、モチノキ科の西洋ヒイラギ。トゲトゲの葉がよく似ているので「西洋ヒイラギ」の名前がつけられましたが、本来は全く別の種類の樹木です。 トゲのある葉と赤い実はキリストの受難を示しており、西欧ではクリスマスホーリーとして神聖視されています。 西洋ヒイラギも常緑で生け垣などに利用できます。5〜6月頃に白い小花を咲かせたあと、11月頃に赤い実がなります。西欧ではクリスマスホーリーとも呼ばれ、この実はリースなどクリスマスの飾りにもよく用いられます。 非常に丈夫であまり植え場所を選ばず、成長もゆっくり。剪定も頻繁には必要ありません。剪定する際は、花芽を落としすぎないように気をつけましょう。花芽は枝先にできるので、剪定時は内側の枝を透かすようにすると実が少なくならずに済みます。 葉にクリーム色の斑が入る斑入りヒイラギ。明るくおしゃれな雰囲気になります。 凶器のようなトゲで侵入者を撃退する「カラタチ」/常緑 樹高約3m カラタチはミカン科の常緑樹で、樹高3mと生け垣にちょうどよい高さです。鋭く太く長いトゲは、もはや凶器。この生け垣を越えて侵入しようものなら大怪我を負うことでしょう。4〜5月にはその荒々しいトゲの中に可愛らしい白い花を咲かせ、爽やかな甘い香りを漂わせます。花後、秋には小さな柚子のような果実を実らせます。果実は苦味が強く食用には向きませんが、いくつか摘んで車の中や窓辺に置いたり、お風呂に入れれば柑橘の天然アロマが楽しめます。ただし、収穫の際は革の手袋をはめ、十分トゲに気をつけてください。剪定は数年に一度で構いませんが、剪定した枝をまとめるのも、捨てるのにも苦労するので、プロの植木屋さんにお任せしたほうが何かと安心です。 甘い香りを漂わせて咲くカラタチ。ミカン科の樹木の葉はアゲハチョウが食草としており、カラタチにも多くのアゲハが集まります。 食べて美味しい山菜生け垣「ウコギ」/落葉 樹高約3m ウコギは幹や枝に大小のトゲがあり、古くから防犯目的として生け垣に利用されてきました。山形県では米沢市を中心に、ウコギの新芽を食べる習慣があります。ウコギの新芽には、ほんのりとした苦味と香りがあり、ビタミンやミネラル、カルシウム、食物繊維なども豊富に含まれ、春の山菜の一つとして親しまれています。防犯に役立つ上に、食べて美味しい一石二鳥の樹木です。 強健で場所を選ばず、日陰でも日向でも育ちます。繁殖力が旺盛で成長も早いため、一株買って挿し芽で増やし、生け垣に仕立ててもよいでしょう。 ウコギの生垣。米沢では街の景観としても一役かっています。 他の山菜と同様、天ぷらやおひたしなどにして食べられています。 低く茂って野良猫の侵入を防ぐ「メギ」/落葉 樹高1~1.5m メギは細やかな葉と可愛らしい小花、紅葉、秋の実と一年を通じで楽しみの多い樹木です。園芸品種が豊富にあり、葉色のバリエーションも豊富なので、ガーデンの彩りとして取り入れやすいのも嬉しい点です。細かいトゲがあるので、あまり人が通らない場所に植えておくと、猫よけとしても効果を発揮してくれるでしょう。芽吹きも生育も旺盛なので、トピアリーのように剪定で形を自由に遊ぶことができます。樹形を保ちたい場合は、剪定は一年に2回は行ったほうがよいでしょう。場所に余裕がある場合には、自然樹形でもキレイです。日当たりを好みますが、半日陰でも問題なく育ちます。 明るく輝くような黄金葉が美しい園芸品種の‘オーレア’。小型で寄せ植えの材料などにも使われます。 赤紫色の葉が美しい‘ツンベルギア・コロニータ’。 銅葉の美しいメギ。春に黄色い花が鈴なりに可愛らしく咲きます。





















