花の庭巡りならここ!花と色と農のテーマパーク北海道「十勝ヒルズ」

四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されるガーデンもたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。
花と食と農のテーマパーク「十勝ヒルズ」

個性豊かなテーマガーデン
「十勝ヒルズ」には、それぞれに異なるテーマを持った7つのガーデンがあります。石づくりのエントランスを入ると、木漏れ日の優しい道がまっすぐ続いていきます。
この道を少し外れ、右手の奥まった場所に進むと現れるテーマガーデンが「ヴィーズ・ポタジェ」。豆や野菜、果樹、ハーブなど「食」をテーマにしたキッチンガーデンです。大きな麻袋の中で育つジャガイモや、リンゴの木の足元で群れ咲くチャイブなど、見た目にも可愛いガーデン演出が随所にあり、自分でも取り入れたくなる工夫もきっと見つかります。
道をまっすぐ進むと、目の前に空がいっぱいに広がる開けた空間に。ここは、北海道の澄んだ青空を映す大地の鏡をイメージした「スカイミラー」。青と白の花を集めてストライプ状にデザインされています。隣のテーマガーデン「アルフレスコ」は、気持ちのよいピクニックエリアです。青々とした芝生の中に、宿根草のボーダー花壇が配され、春から秋まで咲き継ぐ花々を家族や愛犬と一緒に楽しむことができます。
ロマンチックなローズガーデンやナチュラルガーデン
「美味しい香りのバラ」をテーマに、約960株のイングリッシュローズを集めた華やかな「ローズガーデン」は、十勝ヒルズを訪れたらぜひ見てほしい場所。北海道の冷涼な気候の下で育つバラは、澄んだ花色の美しさと、整った花姿が魅力。手入れの行き届いたバラ園は、フルーティーな香りが特徴です。バラだけでなく、クレマチスやキャットミントなど、バラを引き立てる植物のあしらいも美しく、花の組み合わせ方の参考にもなります。
ローズガーデンの先にあるのは、愛らしいピンクの花を集めたイングリッシュガーデン「アニーカの庭」。北黄石の石垣で囲われた中に、「妖精の住む庭」をコンセプトにしたロマンチックな空間が隠されている様は、まるで自分だけの秘密の花園のよう。オリエンタルポピーやエキナセア、ラムズイヤーなどの花々がナチュラルな風情で風に揺れ、訪れる人々を迎えてくれます。
「アニーカの庭」から坂道を下ると、スイレンなどの水生植物が育つ水辺の空間「ナチュラルオアシス」が広がります。生き物の憩いの場にもなっているこの水辺では、大きなセイヨウシロヤナギの枝が風になびき、ゆったりとした時間が流れます。最後のテーマガーデンは、季節の花々が彩るサークル花壇「フラワーアイランズ」。球根や一年草などの色鮮やかな花々が群れ咲き、芝生の海に浮かぶ小島のような風景です。
これら7つの個性豊かなガーデンは園路で結ばれていて、訪れた人は好きな場所で思い思いの時を過ごすことができます。
豆屋さんがつくったガーデン
このガーデンを運営しているのは、実は「丸勝」という創業60年を超える豆屋さん。ほかに穀物や飼料、農作物の製造・販売なども行っています。十勝の豊かな自然と、そこから生み出される食の魅力を多くの人に知ってもらいたいと、自然と触れ合えるこのガーデンをつくりました。かつては豆殻をバークチップ代わりに利用していたこともあったとか。丸勝は、十勝ヒルズのほか、「ヒルズファーム」という農場も持ち、希少なマンガリッツァ豚の飼育、リンゴや有機野菜の栽培、緑肥の試験など、さまざまな角度から農業に取り組んでいます。
見るだけではなく、食やイベントの楽しみも
コンセプトの一つに「食」を掲げる十勝ヒルズでは、ガーデン内で味わうメニューも訪れた際の楽しみです。レストラン「ファームレストラン ヴィーズ」では、テーマガーデンの「ヴィーズ・ポタジェ」やファームで毎日採れる新鮮な野菜やハーブを使用した、おしゃれで美味しいメニューを味わうことができます。ほかにも和食処やカフェもあり、グルメが充実しているのも、花と食と農のテーマパーク、十勝ヒルズならでは。天気のよい日には、カフェでテイクアウトしたメニューでガーデンピクニックも楽しめます。
また、多肉植物やテラリウムのワークショップ、アロマテラピー講座など、誰でも楽しめるイベントが開催されているときも。ガーデンを訪れたら、ワークショップにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
気持ちのよい太陽の光の下、美しい花々に癒され、鳥の声や家族との会話、ピクニックを楽しむ……。十勝ヒルズは、そんな素敵な非日常のひとときを過ごすことができるガーデンです。
Information
「十勝ヒルズ」
北海道中川郡幕別町字日新13番地5
Tel. 0155-56-1111 / Fax. 0155-56-1117 http://www.tokachi-hills.jp/
夏季営業 4月下旬~10月/冬季営業 11月~4月中旬
9:00~18:00(冬季営業中は開園時間が変更になります)
入場料 大人800円、子ども(中学生)400円、小学生以下無料
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
育て方
今がチャンス! 梅雨に楽しむ紫陽花やアナベルの挿し木|初心者も成功しやすい手順と注意点…PR
梅雨のしっとりとした空気は、植物の「挿し木」にとって理想的な環境。特に紫陽花(アジサイ)はこの時期に挿し木すると成功率が高く、初心者にもおすすめです。この記事では、紫陽花の挿し木に必要な道具から適し…
-
園芸用品
【梅雨対策】雨で増えるバラの病気。プロも使う“土の処方箋”って?PR
近年、全国のバラ園や庭で発生が増えている「ベト病(べと病)」。葉に褐色の斑点が現れ、やがて落葉してしまう、バラにとって厄介な病気です。特に湿度が高まる梅雨時期は注意が必要。病気の連鎖を防ぐには、日々…
-
園芸用品
【初心者必見!】観葉植物が枯れる理由トップ5と枯らさないために今すぐできる新習慣PR
「また枯らしちゃうかも…」と不安が理由で観葉植物をあきらめていませんか? じつは、観葉植物がうまく育たないのには“よくある原因”があるんです。それさえ押さえて回避すれば、初心者でも元気に育てられます! …