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伝統観葉植物・おもと(万年青)|冬映え満点の魅力をプロが徹底解説
冬にも楽しめる伝統観葉植物・おもと(万年青)の魅力を、日本おもと協会理事の解説で徹底紹介。常緑で冬の室内でも緑を楽しめる特性や、赤い実が映える冬ならではの見どころ、伝統的な葉芸や錦鉢との美しい調和、現代のインテリアに取り入れるアイデアまで幅広く解説。初心者でも安心の育て方や年間管理ポイントも紹介し、伝統と現代をあわせ持つおもとの魅力を存分に伝えます。
目次
伝統観葉植物「おもと(万年青)」の魅力を紹介

日本の伝統植物の中でも、長い歴史と深い象徴性を持つ「おもと(万年青)」。
その常緑の葉姿や縁起のよさから、古くより“福を呼ぶ植物”として親しまれてきました。
現代では、和の趣を感じさせるインテリアグリーンとしても注目を集めており、その魅力は海外からも熱い視線が送られています。
また昨今では、ビカクシダやアガベ、塊根植物といったビザールプランツの愛好家たちが、次なる”獲物”として、おもとに熱視線を送っています。
今回の観葉植物基礎講座は、この「おもと(万年青)」を深掘りし、皆さんに紹介します。
取材・解説には、日本おもと協会(以下協会)の協力を得て、おもとの魅力を知り尽くす同協会理事の近藤敏仁さん(以下近藤さん)にお話を伺いました。

「おもと(万年青)」とは

おもと(万年青)は、古くから日本で愛培されてきた伝統的な観葉植物です。
呼称は、「お」にではなく「もと」にアクセントを置く“おもと”が正式な呼び方です。
山の麓(ふもと)の「麓」、と同じアクセントと覚えるとよいでしょう。
名前のとおり、一年を通して青々とした葉を保つことから「万年青」と書かれ、長寿や繁栄の象徴とされています。
室内に置くだけで凜とした存在感を放ち、和の空間だけでなく、モダンインテリアにも調和する万能な植物です。
おもとの基礎情報
科・属・原産地など

- 科/属:キジカクシ科(アスパラガスの仲間)/オモト属
- 和名:おもと、万年青
- 英学名:Rohdea japonica Roth
- 原産地:日本(本州中部以南)、中国、東南アジア
- 区分:常緑多年草
- 成長期:春及び秋(夏と冬は鈍化)
- 花および実:花は夏に円筒状に密生する薄黄色の花を咲かせ、10月頃より赤くなり、冬季に入り赤い実がなる。

- 花言葉:長寿、永遠の繁栄、長命、崇高な精神、母性愛
- ペットとの相性:根茎と葉に毒性があるため、ペットから離れた場所での管理を推奨。
- その他:根および根茎が強心、消炎、利尿に効能があるとされ、古代中国および日本の江戸時代には漢方薬として用いられたとされるが、個人が園芸用として購入したものを服用することは大変危険である。
【「その他」項目の出展】
豊明園
おもな特徴
おもとは、年間を通じて緑を保つ常緑性植物。
日本では古くから園芸改良が盛んに行われ、葉が縮れたものや、丸まったもの、斑模様(ふもよう)が複雑に入ったものなど、多様な品種が生み出されてきました。
どの品種も厚みのある葉は艶やかで、耐寒性にも優れ、冬でも葉を落とさず生命力を感じさせる姿は、おもとならでは。
丈夫で環境適応力が高く、室内栽培にも向くため、初心者でも安心して育てられます。
また、秋から冬にかけて実る赤い実は、冬の庭や鉢植えでひときわ目を引く見どころの一つです。
伝統的な位置づけ
おもとは、古くから「開運」や「魔除け」を象徴する縁起植物として親しまれてきました。
なかでも有名なのが、徳川家康にまつわる故事です。
家康は、三河から駿河にかけての領地(現在の愛知県東部〜静岡県)から、当時はまだ未開の僻地であった江戸へと領地を移すよう、時の権力者である豊臣秀吉によって命じられました。
しかし家康は、この理不尽ともいえる命令を自分が受け入れることで無駄な戦が生じず、平和な世の中が永く続くよう願い、江戸城入城の際に三鉢のおもとを抱えて入城したと伝えられています(世にいう”家康江戸打ち入り”)。

結果的に徳川幕府は約300年続き、家康のこの英断は現代東京の繁栄の礎ともなりました。
この出来事から、おもとは“家運隆盛”や“長久の象徴”として広まりました。
さらに、家康を祀る久能山東照宮(静岡県)の「石の間」社殿の梁、および上野東照宮(東京都)社殿の梁には、おもとの彫刻が施されており、その信仰の深さを今に伝えています。

写真提供:ともに「豊明園」水野豊隆
100年以上にわたりおもとを取り扱う老舗生産者である愛知県の「豊明園」も、こうした歴史的背景を踏まえ、「おもとは開運・魔除けの縁起物である」と述べています。
ちなみに、そんな家康にあやかろうと、当時は上級家臣(旗本)の間でおもとが大流行しました。
その結果、“おもとバブル”が起きることもしばしばあり、幕府はその都度、取引禁止令を発布したといわれています。
やがて熱狂的な人気も落ち着き、一般市民の間でもおもとは江戸文化の粋として愛され続け、明治期などにも熱狂的ブームが再来したといわれています。
引越しおもと
「引越しおもと」とは、新居への移転や新築祝いの際におもとを持ち込む、または贈る風習のことです。
前述の徳川家康江戸城入城にまつわる故事がその起源となっているのですが、引越しや新生活の門出を祝う縁起物として定着しました。
現代でも、新居やオフィスへの設置、引越し祝いの贈り物として選ばれることが多く、伝統と生活の中で息づく文化を感じさせる植物です。

プロが解説|奥深いおもとの魅力!

葉芸の美
おもとの世界で用いられる「葉芸」とは、葉に現れるあらゆる表情を“芸”として鑑賞する独自の美意識を指します。
斑の入り方や色の変化はもちろん、立ち姿、反り、ねじれといった葉姿、葉の厚みや凹凸、光沢、縁の丸みなど、葉が見せる総合的な表現を評価する点に特徴があります。


ポトスやモンステラなど、突然変異による「斑入り観葉植物」を珍奇性で楽しむ一般的な観葉植物文化とは異なり、葉芸は江戸時代から続く鑑賞基準に基づく文化的概念です。
品種ごとの“品格”や、個体が生涯を通して見せる“深み”まで読み取ることで、その価値が定まっていきます。
つまり、葉のディテールを味わい尽くす「葉芸」こそ、おもと文化の“粋”といえるのです。
おもとは、葉そのものが芸術作品のように変化を見せる植物であり、その奥ゆきこそが、悠久の時を超えて人々を魅了してきた理由でもあります。
なかでも、羅紗系(らしゃけい)と呼ばれる小型で厚葉の品種には、その醍醐味が凝縮されています。
苗の頃は平滑で薄い葉が、育つにつれて厚みを増し、葉脈がひだのように隆起してくる。
この変化をおもと用語で「龍」と呼び、重厚感を生む重要な葉芸とされています。

平面的だったものが立体的な存在へと変貌していく。
そのプロセスに羅紗系ならではの面白さがあり、おもとのアイコニックな美といえるでしょう。
錦鉢(にしきばち)で鑑賞する楽しみ

おもとの文化を語るうえで欠かせないのが、専用の鉢である「錦鉢(にしきばち)」の存在。
錦鉢とは、釉薬の色合いや文様、胴の張り、腰の角度など、鉢そのものに美意識が込められた鑑賞用の「器」のことを指します。
単なる植木鉢ではなく、植物と器の双方を“作品”として、そのマッチングを楽しむために発達した、おもとならではの文化です。

おもとには、生け花にも通じる精神があり、特に江戸期には「おもとは座敷で鑑賞する」という一種の作法のようなものが存在しました。
器と植物が調和してひとつの“景色”をつくり出すという、格調ある美意識が受け継がれてきたのです。
そこには「植物を飾る」のではなく、「植物を仕立てて鑑賞する」という、日本的な美の感性が息づいています。

写真提供:春光園
錦鉢の一般的な価格は6千円から1万円ほどですが、中には数十万に及ぶ骨董級の高級品もあります。
そのため、普段から使うというよりは、展示会や特別な場面においてのみ錦鉢へ植え替える方が多いのが実情で、日常の管理では、数百円のプラスチック製の万年青鉢や、1,500円程度の焼き物の万年青鉢を使う方がほとんどです。
いわば、普段着と特別な場面の装いを使い分けるような感覚。
錦鉢とは、おもとに特別な表情を与えるための“晴れ着”のような存在なのです。

通常の管理は上の写真のような大量生産された安価な万年青鉢で行っている。
秋冬の観葉植物としての魅力
おもとにとって秋から冬は、一年の中でもっとも葉姿が充実する季節です。
春から秋までの成長期を終え、株全体が“仕上がった状態”になるため、葉の張りや艶、葉芸の輪郭がもっとも美しく際立ちます。
耐寒性抜群のおもとは、緑が寂しくなりがちな季節に、変わらずに凛とした葉姿を見せてくれる、それが古くからおもとが愛されてきた大きな理由のひとつです。

冬の見どころ「実」
さらに冬のお楽しみが、おもとの赤い実です。
おもとが秋冬に魅せる表情は、とにかくドラマティック!
緑の葉に黄色味のある斑が入り、そこにビビッドな赤い実が乗る。
この色彩のコントラストが本当に綺麗なんです。

ただし、この赤い実はどのおもとにも付くわけではありません。
実を楽しめるのは中型以上の品種で、しかも5年ほど安定して栽培してからようやく見ることができるようになります。
ここでいう“安定”とは、購入した株が自宅の環境に馴染み、その環境下でのリズムをつかむこと。
ちなみに、小型品種には実がつかないため、実を楽しみたいのであれば、中型以上のおもとを選ぶのがポイントです。
異文化交流のツールとしてのおもと

おもとが海外で人気を集めている背景には、いわゆるジャポニズム、日本文化への関心の高まりがあります。
盆栽をはじめ、日本独特の美意識が込められたものは、海外の方にとってはどこかエキゾチックに映り、その延長線上でおもとにも興味が向いているのだと感じます。
また、洋の東西を問わず、園芸家というものは、未知の植物に心を動かされる性があるもので、そういった意味でも、東洋の小国で独自に発展してきたおもと文化は、彼らの探究心を刺激するに十分な存在なのでしょう。

そして現在の海外人気を支えている大きな原動力が、豊明園(愛知県)の水野さんや、春光園(茨城県)の酒井さん、田哲園(長野県)の田中さんをはじめとした、気鋭に満ちた若い園芸家たちの活躍。
彼らはソーシャルメディアでの発信はもちろん、欧米諸国や台湾、中国などへ販路を広げ、積極的におもとを紹介しています。
私たち日本人がフィカスやモンステラを空間に取り入れて非日常的な雰囲気をつくるように、海外の方にとってのおもとは、室内にオリエンタルな空気をもたらす存在で、なおかつ、BONSAI(盆栽)ほど一般化していないため、新しいムーブメントをいち早く取り入れたい感度の高い層に刺さりやすい。
そしてそのニーズに、Eコマースに強い若い園芸家たちがしっかり応えているわけです。
こういった背景もあることから、日本おもと協会では近い将来、”おもと世界大会”の開催を目指したいと考えています。
ちなみに、数あるおもとの種類の中でも、海外では特に「獅子葉」という葉芸の品種が人気です。
まるで指でねじったような独特のカールが自然に出る観葉植物は海外ではほとんど見られず、強く注目されています。

プロがおしえる|おもとを楽しむ3つの方法
①ひたすら伝統芸によりそう

おもとは、植物そのものを鑑賞するだけでなく、「育てる・飾る」という行為を体系的に楽しむために、古くから多様な道具が受け継がれてきました。
錦鉢をはじめ、伝統工芸品の銅製水差しや、おもと運搬用に用いている煤竹製の籠、さらには刀鍛冶が打った地下茎カット用の小刀など、時にこれらの道具は、代々伝わる家宝のように扱われ、ふとした縁で入手の機会が巡ってくることもあります。
こうしたアンティークアイテムを蒐集し、かつての栽培家たちがどのようにおもとを楽しんできたかを追体験する。
こうして過ごす時間は、自分の趣味の奥ゆきを静かに感じさせてくれます。

何かを徹底的に極めたくなるタイプの人にとって、おもとはその欲求に応えてくれる、まさに最良の素材だと思います。
②自由に楽しむ
「おもとは、もっと自由に楽しめるものです。」と近藤さんはいいます。
おもとを、おしゃれな観葉植物として捉えたとき、おもとは伝統から解き放たれ、現代の暮らしをおしゃれに彩る“インテリアグリーン”としての顔も見せてくれます。
たとえば、ビカクシダのように苔玉仕立てにして吊るしたり(下写真)、壁掛けにしたりするアレンジも十分可能です。
栽培に水苔を使う点など、ビカクシダやランと共通する部分も多く、おもとは意外なほど柔軟に適応します。

写真提供:田哲園 田中悠介
また、おもとは地植えにも適しているため、他の山野草と寄せ植えにすれば、玄関アプローチなどのエクステリアにも自然な表情を添えることができます。
さらに、錦鉢そのものをモダンに楽しむこともできます。

春光園は江戸時代から続くおもとの絵付け文化を現代アートと結び合わせ、時代を反映した現代の万年青鉢を製作するプロジェクト”ROHDEART”を始動させ、上の写真のような、固定概念にとらわれない斬新な万年青鉢を制作しています。

こうした鉢の力を借りることで、おもとの表現はより自由に、そして大胆に広がります。
そして、おもとが和にも洋にも合わせられる、とても万能な植物であることが実感できるはずです。
インテリアを彩る現代的アレンジ例

前回アロイド系観葉植物の記事で見事なインテリア技を披露してくれた、みなりんさんも、じつはおもとファン。
錦鉢のうえでは神々しいおもとの人気品種「舞子獅子」も、みなりんさんの手にかかると、ビビッドな赤い砲弾形の鉢と合わせることで、ガラッと変わったポップな印象に。

都内筆者宅。7年前に自由が丘の雑貨店で購入したガラス鉢に、葉の縁が波打つような葉芸が楽しい「帽子虎」を植え、ワイフ手製のハンギングロープでカーテンレールに吊るしてみました。
寝転んで眺めると、まるで空想世界の鳥が羽を広げているようなファンタジックな雰囲気を感じます。
③交配の過程を楽しむ

おもとの世界には、交配によって新しいハイブリッド品種を生み出す、いわば“創造の楽しみ”もあります。
全国では毎年数万粒ものタネが播かれ、多くの交配からさまざまな個性豊かな苗が育ちます。
しかしその中から正式に新品種として日本おもと協会に登録されるのはごくわずかの狭き門。
でも、自分の手で交配し、発芽した苗からお気に入りを選ぶ過程そのものが、十分にワクワクする体験であり、そのチャレンジマインド自体が交配の醍醐味なのです。
おもとが江戸時代から途切れることなく栽培されてきた背景には、常に新たな品種が作出されてきた歴史があります。
交配を行うには、良質な“実親(みおや)”と呼ばれる交配向きの品種、そしてある程度の栽培スペースが必要ですが、現在は選抜された血統のよい実親も手に入りやすくなりました。
採粉用と受粉用に、血統のよい株を10鉢ほど揃えれば、交配自体は難しくありません。
やり方は、豊明園水野さんのYouTubeでの実演を参考にしてみてください。
交配で大切なのは、確かな血統の実親を確かな業者から入手することと、手間を惜しまないことです。
ちなみに、おもとの花粉は保存が可能なため、シーズンをまたいだ交配も行いやすいという利点もあります。
もしかしたら、自分が作った品種が著名な品種になるかも……そんな夢とロマンが、おもとの交配には詰まっています。
日本おもと協会では、交配を志す人へのサポートも行っているので、興味があればぜひ気軽に相談してみてください。
【日本おもと協会お問い合わせ】 📩
おもと図鑑|葉の形で見る美しい品種たち
おもとには正確な系統立てがあります。大きく分けると、小葉(羅紗)系、中葉(薄葉)系、大葉系の3つに分類されます。
しかし、系統立てて紹介するとちょっと複雑で、初心者には敷居が高く感じられる部分もあるため、ここでは筆者の視点で単純に「葉の見た目別」に、美しいおもとたちを紹介します。
※掲載写真の株はすべて、名人といわれる方が作られたものです。
葉がクルっとカールした、インパクト大のタイプ
葉が自然にカールした葉芸「獅子葉」があるタイプは、「獅子系(ししけい)」と呼ばれ、最も人気のタイプ。
その巻き方や変化を楽しむことを”獅子芸(ししげい)”と呼びます。
時にダイナミックに、時に雅やかに見える獅子芸を存分に楽しめる獅子系は、インパクトのあるおもとを楽しみたい方におすすめ。
舞子獅子(まいこじし)

縞獅子(しまじし)

コンパクトながらも確かな葉芸を楽しめるタイプ
おもとの専門用語では葉の長さが3〜15cmの小型品種系を「小葉種」とよびます。
コンパクトながらも存在感のある葉芸が魅力です。
力和(りきわ)

瑞泉(ずいせん)

珠光(しゅこう)

中ぐらいの大きさで、葉芸の存在感抜群のタイプ
おもとの専門用語では、葉の長さが15〜25cmくらいの中型品種は「中葉種」と呼ばれます。
葉芸をよりダイナミックに楽しむことができ、結実すれば冬に実を楽しむことができます。
千代田の松(ちよだのまつ)

福の光(ふくのひかり)

大きな葉で圧倒的な葉芸を楽しめるタイプ
おもとの専門用語では、葉の長さが25〜50cmの大型品種系は「大葉種」と呼ばれます。
葉が大きいので、その分、葉芸も圧巻! 「引越しおもと」として贈り物でも人気です。
外輪山(がいりんざん)

秋津島(あきつしま)

シャープな葉で静かな気品を感じさせるタイプ
大きいながらもほっそりと巻きながらカーブを描く葉は、おもと用語で「樋葉(といば)」と呼ばれ、幅広の葉にはない静かな気品を感じさせます。
天錦章(てんきんしょう)

青海波(せいがいは)

初心者でも楽しめる、おもとの育て方(専門家アドバイス)
置き場所と環境

おもとは古来より日本の関東以南の地域で自生してきた植物なので、よほどの豪雪地帯でないかぎり、寒さにも強いです。このため、屋外管理が理想的です。
マイナス5℃くらいまでの耐寒性はありますが、安全のため最低気温が0℃以下になったら屋内に取り込むようにしましょう。
基本的に日光は好きですが、昨今の直射日光だと焼け枯れのおそれもあるため、4〜10月の期間は40%程度の遮光ネットを用いてください。
晩秋から晩春までは積極的に日光に当てたいところですが、この時期も20%程度の遮光があると安全です。
また、強風で葉同士が擦れて、おもと最大の魅力である葉に傷がついてしまう恐れがあるため、風除けになるようなものがあるとなおよいです。
集合住宅のベランダなどで栽培する場合は、小さな植物棚を購入し(または作って)、前述のように季節に合わせた遮光ネットを周囲に取り付けてあげれば、遮光と防風の両方に効果があります。
注意したいのはエアコンの室外機から離れた場所で栽培すること。

高層マンションなど、屋外環境が難しい場合は、植物育成LEDライトを用いれば完全室内管理も可能です。
ただし、サーキュレーターを用いるなどして、自然界同様におもとの周囲の空気を循環させてあげることが必須となります。
おもとは、株元付近に水苔を使用するので、いかんせん蒸れがち。
蒸れが続くと根は痛み、最悪の場合根腐れを起こします。
それを避ける意味でも、用土は、湿る➡️乾く➡️湿る➡️乾く、というサイクルをちゃんと作ってあげることが重要です。
そういった意味で、サーキュレーターが果たす役割は大きいのです。
用土

用土は、鉢内に水分が滞留しないよう、水はけのよい川砂利、軽石、焼き土などを主体に用います。
初心者には、これらが最適な比率で配合された「おもと(万年青)用土」が市販されているため、それを利用するのも安心です。
市販の「山野草の土」や「ランの土」も代用できます。
おもとの栽培では、用土を入れた鉢の表面に薄く水苔(上苔)を敷くのが一般的です。
水苔を敷くことで、表土の急激な乾燥を防ぎ、用土の粒が水やりのたびに流出するのを抑え、苔や藻の発生も予防できます。
また、鉢全体の景観を整える役割もあり、錦鉢では特に欠かせない仕上げです。

敷く量はごく薄く、5〜8mm 程度の“薄敷き”が目安。
ギュッと押さえ込まず、ふんわりと、おもとの根元を中心に巻くように広げて表土が軽く隠れる程度に整えます。
厚く盛りすぎると通気が悪くなるため注意しましょう。
水苔の代わりにヤシガラでも代用可

ちなみに近藤さんの栽培しているおもとの写真では、全ての株が用土表面に水苔ではなく、上の写真のようなヤシガラチップを敷いています。
ヤシガラは通気性が高く、水苔よりも管理しやすいため、育成段階の日常管理で用いる生産者もいます。
またコスパもよい素材なので、このような資材を使う方法も問題ありません。
水やりと施肥
水やり(⚠️水苔に注意)

水やりは、用土の表面が乾いたら、鉢底穴から勢いよく水が流れ出るまでしっかり与えるのが基本です。
この“勢いよく流す”というのは、根の代謝で生じた有機酸などの老廃物を洗い流す「リーチング効果」があり、鉢内環境を清潔に保つ役割があります。
ただし、ひとつ注意したいのが、⚠️水苔の存在。
水苔は見た目を整える目的だけでなく、秋や春の根の成長期に乾燥しすぎを防ぎ、鉢内に適度な湿度を提供する役割があります。
しかし、初心者にとってはこれが水やりタイミングを迷わせる原因になることも。
なぜなら、表面の水苔が乾いていても、内部はまだ十分に湿っていることがあるからです。
そのため慣れないうちは、決まった日数で水を与えるのではなく、鉢の中が実際にどれくらい湿っているのかを確認することをおすすめします。
土中水分計を使うのもよいですが、もっと手軽なのが竹串チェック。

鉢の縁付近に竹串を深く挿し、30秒ほど待って抜き取ります。
引き抜いた串に湿り気や、土がしっかりと付いてくるようなら、まだ水は必要ありません。

また、夏と冬など、おもとの成長が鈍る時期は、表面が乾いたら霧吹きで水苔を軽く湿らせる程度にとどめましょう。
特に夏は蒸れに要注意です。
施肥(⚠️与えすぎは厳禁)

肥料は、春と秋のお彼岸過ぎを目安に、盆栽用の固形肥料を置くのがおすすめです。
または、ハイポネックスなどの液体肥料を3,000倍に薄めて与えてもOK。
この場合、500mlの水に対して原液を約1滴弱💧で十分です。
液肥は吸収が早いため、薄めすぎるくらいが安全。
濃すぎると根を傷め、組織が軟弱化し、それによって根腐れをひき起こす恐れがあります。
100円ショップなどで販売しているシリンジ(注射器)を使用すると、適量を測ることができます。
液肥を与える頻度は成長期に週1で水やりを行う際に、2週間おきが目安です。
なお後述しますが、植え替え時にマグアンプを使用した場合は、固形肥料・液肥ともに施肥は控えましょう。
鉢選びのコツ

前述したように、自慢のおもとを品評会などに出品する愛好家の方々は、ここぞという場面で錦鉢を用います。
しかし錦鉢の普段使いが決してNGというわけではありません。
錦鉢は本来、おもとの栽培に適した性質を備えているため、破損にさえ注意すれば、常に錦鉢でディスプレイするのもよい選択です。

錦鉢以外では、上の写真のような、錦鉢の絵柄を省いた普及型の万年青鉢「黒楽鉢(こくらくばち)」が最も調和するため選ばれますが、ラン鉢や一般的なテラコッタ(素焼き鉢)などでも問題なく栽培できます。
植え替え

植え替えは1年に1回、春と秋の彼岸過ぎに行うのが最適です。
株を鉢からそっと抜き、芋(主根が膨らんだ部分)を優しく洗って汚れを落とします。
その際、傷んだ根を切り詰めることで、新しい根の発根が促され、株の活力が高まります。
下の映像で実際にそれらの作業が行われているので参考にしてください。
ちなみに、通常の栽培では植え替え時に元肥を混ぜ込む必要はありません。
ただし交配のため積極的に開花を促したい場合や、中型以上の株で実付き(結実)をよくしたい場合は、用土にマグアンプをひとつまみ混ぜ込むと効果的です。
年間管理のポイント

おもと栽培では、成長期と休眠期のメリハリをつけることが何より大切です。
春と秋の成長期には、しっかりと水と肥料を与えて成長を促します。
そして、冬の寒さを必ず体感させてあげましょう。
季節による寒暖のメリハリが、おもとがおもとらしく成長するうえでの重要な鍵となります。
気を付けるべき病害虫
おもとは基本的に強い植物ですが、春と秋に稀にスリップス(アザミウマ)が付く場合があります。
スリップスは、特に春に発生した場合は新芽の養分を吸い、葉に深刻なダメージを与えます。
また、カイガラムシや赤星病にも要注意。
これらの病害虫に対する予防的措置として、春先に殺虫殺菌剤『ベニカXネクストスプレー』を葉に散布してあげるとよいでしょう。
重要なのは、発生する前の対策です。

近藤さんからのアドバイス

おもと栽培を上達させるための近道は、よい相談相手を持つこと。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、おもとの世界にも「おもと道」という言葉があります。
この趣味は、最初に誰に出会い、誰に教わるかでその後の上達や楽しみ方が大きく変わるのです。
僕自身も、高校生の頃に近所の名作者と出会ったことが、おもとを深く愛するきっかけになりました。
おもとは、全国に経験豊富な愛好家や専門家が数多くいるため、日本おもと協会のネットワークを通じて、ぜひ気軽に自分に合った仲間を見つけてみてください。
一緒に切磋琢磨できる仲間がいるかもしれませんし、もしかしたら、あなたのおもと道に影響を与える「師」に出会えるかもしれません。
人との縁(えにし)こそ、この趣味の最大の醍醐味です!
おもとが買える場所
専門業者から買う

初心者向けからマニア向けの名品まで揃うのが、おもと専門業者です。
国内には数多くのナーサリーがありますが、今回は本記事にご協力いただいた3つの生産者を紹介します。
愛知県の老舗「豊明園」は、100年以上おもとの生産を続ける名門で、4代目の水野豊隆さんはYouTubeでも分かりやすくおもとの魅力を発信しています。
また、茨城県の「春光園」は、日本おもと名品展で12年連続1位、内閣総理大臣賞などを受賞するトップクラスの実力者。2代目の酒井宏幸さんのInstagramでは、おもとを“アート”として追求する姿勢が伝わります。
前出の苔玉仕立ての写真を提供していただいた長野県の「田哲園」も、3代目の田中悠介さんが、InstagramやYouTubeで、積極的におもとの楽しみ方を発信しています。
気鋭の専門家たちが丹精込めて育てた逸品は、下記から購入できます。
・「豊明園」ECショップ
・「春光園」ECショップ
・「田哲園」ECショップ
さらに、「日本おもと業者組合」の公式サイトでは、全国の加盟店一覧も公開されています。
お住まいの地域に近い専門店を探したい場合は、下記リンクが便利です。
・日本おもと業界組合加盟店
園芸店で買う

筆者が都内および近郊の園芸店を調査したところ、おもとを扱う店は多くありませんが、以下の店舗では実際に販売を確認しています。
【大手園芸店】
オザキフラワーパーク(東京都練馬区)、プロトリーフ二子玉川店(東京都世田谷区)、ヨネヤマプランテイション ザ・ガーデン本店(神奈川県横浜市)。
【ホームセンター】
コーナン港北インター店(神奈川県横浜市)
日本おもと協会に問い合わせて購入する
おもとは専門性が高いため、一般的な観葉植物店よりも、専門知識を持つお店での購入が望ましいと近藤さんは話します。
日本おもと協会には各地に支部があり、問い合わせれば最寄りの支部を紹介してもらえ、高品質なおもとの入手方法についてアドバイスも受けられます。
近くの専門家に相談し、実物を見て選べるのは大きな安心ですよね。
さらに、錦鉢についても相談できます。
「錦鉢は高価さや意匠だけで選ぶものではなく、植えるおもととの相性が大切です」と近藤さん。
専門家の助言を受けながら選ぶことで、おもとの魅力がいっそう引き立ちます。
【日本おもと協会お問い合わせ】 📩
「日本おもと協会」とは

日本おもと協会は、日本古来の植物「おもと(万年青)」に関する事業、具体的には、新品種登録審査および名称の登録・管理、展示会開催、おもと会報と銘鑑の発行、調査研究、研究会や講演会と国際交流事業などを行っています。
戦前の1931年に前身組織の「日本万年青聯合会」が結成されて以来今日まで、その活動は、おもとの伝統と古典美を守り、園芸品種としての普及とその芸術性の振興を図り、情操豊かな文化の発展に寄与しています。
URL:https://www.omoto-jp.org
まとめ|伝統と現代をあわせ持つ、おもと
おもとは、はじめはどこか敷居が高く感じる植物でしたが、日本おもと協会の近藤さんのおかげで、その世界をしっかり理解することができました。
これまで観葉植物というと、この連載でも取り上げてきたポトスやモンステラなど、亜熱帯の植物に目が向きがちでした。
しかし、日本にもこれほど歴史が深く、美しく、魅力にあふれた観葉植物があるとは、植物の懐の深さには驚かされるばかりです。
さらに、おもとには鉢や道具などの周辺アイテムも豊富で、集めたり選んだりする楽しさがあります。
本記事を制作していて、その奥ゆきのある世界観の虜になってしまいました。
おもとは、古典植物としての落ち着きと、現代の観葉植物としての美しさを同時にもつ稀有な存在です。
日本の伝統に触れながら、自分だけの一鉢を育てていく時間は、きっと豊かで特別なものになるはずです。
万年青(おもと)の学名「 Rohdea japonica Roth(ローデア・ジャポニカ・ロート)」。
この名には、18世紀〜19世紀初頭の植物学史を彩るエピソードが隠れています。
まず “japonica” は「日本の」という意味のラテン語で、その名のとおり、おもとは日本原産の植物です。
“Rohdea” はドイツの植物学者マイケル・ローデ(Michael Rohde)にちなんだ属名で、18〜19世紀ドイツの植物学者アルブレヒト・ヴィルヘルム・ロート(Albrecht Wilhelm Roth)が、彼の功績を讃えて名付けました。
ちなみに、もともとの標本は、スウェーデンの植物学者 カール・ツンベルク(Carl Peter Thunberg)が江戸時代の鎖国期に、オランダ商館付き医師として長崎・出島で採集したものです。
“植物分類学の父”と称されるカール・リンネ(Carl von Linné)の弟子でもあったツンベルクは、日本の植物研究に特に熱心でした。
当時、多くの小国は欧米の列強国に植民地支配され、植物も往来とともに移動することが多かったのですが、鎖国を行っていた日本は唯一、長崎の出島以外で他国との交流がなく、ツンベルクにとって手付かずの植生の宝庫となったのです。
つまり、この学名には、日本とヨーロッパを結んだ植物学者たちのリレーの物語が込められています。
【出展】
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・英国の日本美術史家 Timon Screech(ティモン・スクリーチ)氏のロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)教授時代の論文
斑とは、葉に入る白や黄色の模様のことで、おもとの世界では「柄(がら)」とも呼ばれます。
これは葉の一部がうまく葉緑素を作らないことで生まれる自然な変化で、品種ごとに形や入り方もさまざま。
光に映えるため、おもと鑑賞の大きな魅力になっています。
ただし、斑の入らない品種もあります。
実が付くということは、もちろん花も咲くということ。
おもとの花は夏頃に咲きますが、その姿はツクシのように地味で、鑑賞花としての面白味はほとんどなく、古典的な鑑賞の世界ではあまり注目されない存在です。
ただし、ハイブリッドを作出するために交配を行う方にとっては、当然ながら花は重要視されます。
とはいえ、やはり植物である以上、花が咲くのは嬉しいもの。
特に初めておもとを育てる方にとっては、そんな存在感の薄い花でも、いざ開花したら十分に喜びを感じられるはずです。
舞子獅子は、葉姿の美しさと丈夫さが魅力のおもとです。
写真の株では、葉の表面を勢いよく流れる乳白色のライン状の斑、いわゆる「縞柄(しまがら)」が、カールした葉の存在感をさらに引き立てています。
柄の美しさと、葉のクシャッとしたカールが自然に出ることには、思わず感動させられます。
まさに文字どおり獅子が舞うかのような絢爛さを誇る品種で、最初に舞子獅子を手に入れたら、きっとおもと沼にどっぷり浸かってしまうことでしょう。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
縞獅子は、葉全体に入る乳白色の縞模様が魅力の「縞柄(しまがら)」タイプのおもとです。
葉の巻きが控えめな分、縞がよりはっきりと映え、気迫ある舞子獅子に比べると、落ち着いた雰囲気でじっくり鑑賞できる印象があります。
ちなみにおもとの世界では葉に柄が入っていないプレーンなものを「青」と呼び、この青に対して、縞柄が入ったものは5倍の値がするといわれています。
そんな縞が美しい縞獅子ですが、意外にも扱いやすいことから、初心者にもおすすめできる品種です。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
力和は、丸みを帯びた可愛らしい葉と独特の葉芸が楽しめる羅紗系のおもと。
丸みを帯びた葉に、おもと用語で「覆輪」と呼ばれる、葉の縁を覆うような柄が美しく、その中を龍がそそり立つという、コンパクトな葉の中にちょっとした葉芸の小宇宙が広がるとても魅力的な品種です。
性質が丈夫で葉も次々と繰り出し、成長が早いため、比較的育てやすいのも特徴。
愛知県の園芸家、杉山力蔵氏と岡田和吉氏が2人で作出した品種のため、その名から一字ずつ取って「力和」という名前になったそうです。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
瑞泉は、小型で肉厚の葉に、縞や、葉の両側の縁が熨斗を折ったように折れている”熨斗葉”という葉芸が現れるなど、多彩な葉芸で楽しませてくれる人気品種です。
見た目は華やかで、採光や肥料が多少強くても丈夫に育つタフも兼ね備えていることから、おもと入門用としてもおすすめの品種です。
小型ながらも姿は乱れにくく、一鉢で存在感を放つ名品です。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
明治末期から人気を誇る珠光は、小型で端正な姿を持つおもとです。
鋭い葉先と、葉の表面の立体感に富む隆起が特徴で、肉厚の葉が緻密に整い、乱れにくい葉芸を見せてくれます。
強健な性質で、普通に教科書どおりに光をあて施肥を行えば丈夫に育つため、初心者でも楽しめる品種です。
小型ながらもきりりとした魅力があり、明治末期から親しまれてきた名品です。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
「千代田の松」は、中葉種の代表的な品種。
葉はやや肉薄ながらも長めで幅があり、千代田斑と呼ばれる、この種ならではの独特な斑が葉全体に現れます。
古くから多くの愛好家に親しまれ、安定した柄と端正な姿が魅力で、上品で落ち着いた雰囲気は国内外で注目を集めています。
「千代田」「松」という縁起のよい名を持ち、お正月飾りにもぴったりなおもとです。
とても丈夫な品種なので、初心者にもおすすめです。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
福の光は、波打つ葉縁とふっくらとした葉姿が魅力の中葉種おもとです。
中心から外側へと昇る白い曙柄が際立ち、縁起のよい品種としてお祝いごとにもよく用いられます。
性質はたいへん強健で、繁殖の際には親株としても優秀です。
採光や施肥を適切に管理すれば、曙柄がいっそう鮮明に現れます。
置き場所や光量によって柄の出方や葉姿が変化するため、日照管理のコツをつかんでいる中級者以上の方に特におすすめです。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
外輪山は大葉種の代表的なおもとで、幅広の葉は鳳凰のように立ち、先端が尖った堂々とした姿が特徴です。
白黄色の覆輪の中に黄金色の曙が美しく現れ、赤い実とのコントラストも鮮やかで、お正月の鑑賞にもぴったりです。
性質は強健で育てやすく、初心者や交配にも適した万能品種です。
堂々とした葉姿は贈答にも喜ばれ、引越しおもととしても大人気です。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
秋津島は立ち葉で葉幅が広く、葉先が尖り厚みのある葉が特徴の大葉種おもとです。
乳白色の覆輪と白黄色の縞柄が鮮明に現れ、美しい葉姿を楽しめます。
性質は強健なため、普通の管理で十分に育てることができ、実付きもよいため交配する際の親株としても人気の品種です。
また、池坊など伝統ある生け花の世界でも重用されるおもととして知られています。
どことなく、サンセベリアの葉にも似ていますね。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
天錦章は江戸時代から続く「日月星(じつげつせい)」という品種から生まれた変種で、葉全体に黄味を帯びた縞柄が現れるのが特徴です。
葉は「桶葉」と呼ばれる巻いたような見た目で、首元がほっそりとした女性的な印象の葉姿を見せます。
縞柄は変化しやすく、時には柄が派手になったり、元の日月星に近い落ち着いた柄に戻ることもあります。
性質はやや弱めで芋が柔らかいため、施肥は控えめに管理します。
採光は普通で大丈夫です。
濃緑色の葉に深い覆輪と縞柄が現れ、子上げも良く、観賞しながら管理を楽しめる品種です。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
青海波は、細葉の中に雅糸竜と呼ばれるひだが現れる葉芸が特徴で、乳白色の深い覆輪が葉先まで美しく広がります。
性質は強健で育てやすく、採光、肥料、ともにやや強めに管理すると葉芸もよく現れます。
鉢を小さめにすると葉芸が特に引き立ち、子上げも良好で観賞を楽しみながら育てられる品種です。
青海波、という名前もどこか清々しくて、自分で育てるのもよいですが、新しい旅立ちに贈ってみるのもよいですね。
【出典】豊明園 万年青の図鑑
鉢選びにおける重要なポイントは、「水分の蒸散性が高い素材」であること。
特に素焼き鉢は、その素材自体が高い蒸散性があるため、昨今の猛暑下では特におすすめです。
また、おもとの根は活発に呼吸するため、適度な「湿り→乾き」のサイクルが保たれる環境を好みます。プラスチック製の鉢を使う場合は、鉢底の穴が大きく、しっかり通気性が確保されているタイプを選びましょう。
陶製の鉢は、陶器それ自体は蒸散性の高い素材なのですが、表面に釉薬が塗られていると蒸散能力はプラスチックに等しくなるため、鉢底穴がしっかりと大きく開いているかが重要となります。
記事協力

日本おもと協会
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愛知県岡崎市羽根町鰻池165
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