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ビカクシダは観葉植物界のファッショニスタ。板付けでキマる!苔玉で魅せる!オザキが推しのビカクシダ8選

ビカクシダは観葉植物界のファッショニスタ。板付けでキマる!苔玉で魅せる!オザキが推しのビカクシダ8選

ビカクシダは、一つ飾るだけでインテリア上級者になれる魔法の観葉植物。苔玉から鹿のツノのような葉を伸ばすその姿は、異国情緒が漂います。SNSとの相性もよく、Instagramをのぞいてみると、こだわりのあるビカクシダの写真が溢れていて興味津々! そこで、今回も観葉植物のスペシャリスト『オザキフラワーパーク』に、お店でも大人気のビカクシダのあれやこれやを聞いちゃいました! 読み終えたあなたは、もう完全にビカ中〜(ビカクシダ中毒)!

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ビカクシダ(プラティセリウム)ってどんな植物?

リドレー

最近園芸店でよく見かける、板に張り付いて飾られている珍奇な形の観葉植物、気になったことはありませんか?その植物の名は「ビカクシダ」

かつて日本では、“羽ばたくコウモリの羽のような葉をした蘭”、という見立てから「コウモリラン」と呼ばれましたが、欧米では昔から、鹿の角を表す「staghorn fern」や「elkhorn fern」と呼ばれているため、現在は日本でも鹿の角を意味するビカク(麋角)にかけて、ビカクシダという呼び方が主流となっています。

主な原産地は、東南アジアやオーストラリア、南米などの熱帯地域で、野生では木の幹に着生しています。園芸では、その状態を疑似化した「板付け」といわれる方法での栽培が人気ですが、園芸店で板付けされた商品を初めて見たお客様の多くが「あんな板に張り付いていて、いったいどうやって生きていけるの?」と疑問を抱きます。

その答えは、板にひっついた、あのキャベツを半切りにしたようなドームの中にあります。あの中には、水をたっぷりと含んだ水苔という苔の一種が入っていて、ビカクシダはそこから養分を吸っているのです。

胞子葉と水苔

一般的に、花や木を買うときは、既に土に植え付けられていますよね。ビカクシダは土の代わりに水苔に植え付けられた状態で販売されています(ただし、土に植え付けられた鉢植えの商品もあります)。

まるで高級な邸宅に飾られた鹿の角のオブジェのような、ほかの観葉植物にはないゴージャスな容姿と、高いインテリア性、そしてDIY要素もある独特な栽培方法(後述)が、コロナ禍の「おうち時間」を充実させたいという多くの方の思いとマッチし、それを契機に沼にハマッた人が続出しています。

大きなものを飾れば圧倒的な迫力を体感できますが、小さいサイズを数多く飾るのも人気です。

小ぶりの板付けビカク
Pix:Ashley Basil/flickr.com

ほかの観葉植物同様に鉢植えでも育てられますが、王道はやはり「板付け」。このほかにも、板の代わりに種をくりぬいた椰子の実に固定する「椰子付け」や、板付けせずに植え付けた水苔を球状にして吊して飾る「苔玉」など、お好みの栽培方法で楽しむことができます。

オザキフラワーパークビカクシダ

品種にもよりますが、多くのビカクシダは水苔の水切れにさえ注意すれば初心者でも簡単に育てることができます。
DIYでディスプレイを組むとなると多少手間はかかりますが、その手間を楽しむのもビカクシダ栽培の醍醐味といえるでしょう。

ビカクシダについて知る

特徴

独特の容姿が人々を惹きつけるビカクシダ。その特徴的な葉は、鹿角のような胞子葉(フォリッジ・リーフ)と、その付け根部分のキャベツのような貯水葉(ネスト・リーフ)の2つで形成されます。胞子葉は、光合成と胞子生産を行い、貯水葉はビカクシダの基幹部を覆って、そこに貯めた腐葉などで、とても短い根や茎を乾燥などのダメージから守る働きを担います。

胞子葉
胞子葉。表面の白っぽさは星状毛という細かい毛によるもの。
貯水葉
株元を覆う貯水葉。この中に、水分を含んだ水苔がたっぷりと入っている。

胞子葉は細長く伸びてイチョウの葉のように叉状に裂け、裏面にビカクシダの特徴でもある胞子嚢(胞子を生成する袋状の生殖器官)をつけます。ここにできた胞子で、子孫を残していきます。

胞子嚢
先端の茶色くなった部分が胞子嚢。 Pix: Dave Kimble/flickr.com

胞子葉が小型の種類もありますが、多くの種類は長く伸び、最大のものだと4mに達することもあります。

オザキフラワーパークビカクシダ
オザキフラワーパークで販売されている巨大な胞子葉のビカクシダ。お値段15万円(税込)なり。

一方、貯水葉は比較的幅が広く、広がりながら水苔に沿って伸びていきます。
胞子葉は枯れると落ちますが、貯水葉は寿命が近づくにつれ茶色に変色し、枯れたまま残り、そのまま株元の保護の役割を担います。いくつかの品種は枯れた貯水葉が開いた感じで上に伸びていくため、その姿がクラウン(王冠)を彷彿とさせ、人気が高いです。

王冠貯水葉
枯れた貯水葉が王冠のように上に伸びていく様子。 Pix:mokjc/Shutterstock.com
貯水葉葉脈
貯水葉は葉脈も複雑なため、その美しさも魅力の一つだ。 Pix: ANECEPTIUS BAMBANG SUTOPO/Shutterstock.com

自然界で自生するビカクシダの貯水葉には、雨水や落ちてくる落ち葉、鳥や昆虫のフンを集積・貯蔵する役割があり、根はそこから水分や栄養分を吸収しています。この集積物を水苔に置き換えたのが、観葉植物としてのビカクシダです。

【種子と胞子の違いを知ろう!】

シダは、アサガオのように種を生む種子植物と違い、胞子で子孫を残します。種子植物は、雄花が作った花粉が雌花に付着し、受粉することで種子になり、発芽して育っていきますが、シダは、胞子嚢から胞子がばら撒かれた後に配偶体(前葉体)に成長し、種子植物のように異なる性別の生殖細胞を必要とせず、単体で発芽していきます。

種類

オザキフラワーパークビカクシダコーナー

ビカクシダの原種は現在のところ18種類が確認されており、最近では園芸品種の交配なども盛んです。それぞれ大きさや葉の形が異なり、大型の品種だと直径が2mにまで成長することもあります。
最も手に入れやすいのがビフルカツム‘ネザーランド’で、昔ながらの園芸店でもコウモリランとして販売している光景をよく見かけます。

自生地での様子

豪州ビカクシダ
オーストラリア西部沿岸の熱帯雨林に自生するビカクシダ。上に向けてパックリと口を開けた巨大な貯水葉が、上空からの恵みをたっぷりと溜め込んでいる様子がうかがえる。 Pix:Ms S. Ann/Shutterstock.com
豪州ビカクシダ
同じくオーストラリア西部。このように連なって着生していることも珍しくはない。 Pix: Mohamad alias/Shutterstock.com
豪州ビカクシダ
オーストラリアのクイーンズランド州リースビル自然保護区の亜熱帯雨林の岩に着生したビカクシダ。これだけ大きいということは、岩場もしっかりと恵みを与えてくれるということだ。 Pix:Ecopix/Shutterstock.com
東南アジアのビカクシダ
原産地の東南アジア諸国では、一般家庭の庭や街の街路樹に、普通にビカクシダの着生風景を見ることができる。

ビカクシダの栽培スタイル

板付け

Pix: Susan Law Cain/Shutterstock.com

ビカクシダといえば「板付け」。最も人気のディスプレイ方法です。土台となる板には自然のコルク樹皮を使ったり、市販の木製プレートや石板を使うなど、さまざまな素材を用いることができます。

DIYで行う場合は、ビカクシダの株元を水苔で覆い、自前の板に乗せたら、水苔の部分をテグス(釣り糸)や麻ひもで固定するだけです。貯水葉が水苔を覆ってくれて、しっかりと板に張り付いてくれると着生となります。
必要なアイテムがセットになったキット商品も販売されているので便利です(水苔は別売り)。

板付けキット
オザキフラワーパークでも人気の板付けキット。スクエア型とタマゴ型から選べる。共に3,168円(税込)

苔玉

苔玉仕立て

吊して飾る「苔玉仕立て」は、ビカクシダをさらに手軽に楽しみたい方におすすめです。苔玉仕立てにするとオリエンタルな雰囲気が加味されるので、和室に飾っている方も多いです。海外では室内に東洋的なエッセンスを加える目的で、苔玉仕立てのビカクシダを飾るのが人気です。

苔玉仕立ては、ビカクシダの株元を苔玉で覆い、テグスや麻ひもでぐるぐる巻いて固定すればよいだけでなので、DIYで簡単に作れます。ただし、全方位が空気にさらされているため、乾燥には注意してください。

ヤシ付け

ココヤシ仕立て

ココヤシの実(ココナッツ)の種子をくりぬいて、そこにビカクシダを植え込む手法の「ヤシ付け」。お部屋にトロピカルな雰囲気を加えたい方におすすめです。

メジャーなスタイルの板付けや苔玉に比べるとマイナーな栽培方法ですが、ココナッツの繊維層(=ハスク)に適度な保水力があるため、見た目以上に管理がしやすく初心者にも育てやすいでしょう。

鉢植え

ビカクシダ鉢植え
Pix: Ashley Basil/flickr.com

空中にディスプレイされるイメージが強いビカクシダですが、一般的な観葉植物同様に鉢で栽培することもできます。鉢植えを植え替える際は、ピートモス8:パーライト1:小粒軽石1といった配合土の使用をおすすめします。2〜3年に1回は植え替えを行ってください。
鉢植えといえど成長の仕方は同じなので、旺盛に成長した貯水葉が鉢全体を包み込んでしまう、なんてことも。

ビカクシダ鉢植え
PixClivid/flickr.com

しかし、それはそれで見応えのあるもので、敢えてその状況を作るために鉢植えを選択している方もおられます。
ただし、鉢植え栽培は蒸れやすいため、根腐れに注意してください。

ビカクシダの育て方

置き場所

板付け集団
Pix:FarOutFlora/frickr.com

ビカクシダは直射日光の当たらない明るい場所で管理してください。植物育成ライトのみで育てることも可能ですが、1株に対し20W1灯が理想的です。

また、ビカクシダは風通しのよい環境を好みます。そのため、室内で栽培していると風が不足しがちです。風が不足すると成長が鈍化し、病害虫にもかかりやすくなります。かといって、エアコンの風が直接当たる場所は、ビカクシダの新陳代謝に悪影響を及ぼすため絶対に避けてください。

気密性が高い空間で管理する場合、風の解決手段としてサーキュレーターの活用がおすすめです。

サーキュレーター&ビカクシダ

サーキュレーターは風が拡散して消える扇風機とは異なり、直進する風を送り出すため、天井に向けて回すことで室内に自然環境に近い空気循環を作ります。ただし、エアコン同様に直あて厳禁です。

管理温度

ビカクシダ温度管理

夏は20~30℃(人が過ごしやすい温度)、冬は10℃以上(寒さに弱い種類もあるので15℃以上はほしい場合もあります)がベストです。

水苔

水苔
Uccsbiology/flickr.com

水苔は、湿地で生息する苔の仲間で、ランや食虫植物など、多湿を好む亜熱帯植物の栽培に用いられる植え込み材です。ビカクシダのデリケートな根を優しく保護してくれ、また根の周囲の環境を酸性に傾けてくれるため、酸性用土を好むビカクシダにはピッタリなんです。

リーズナブルな小パックのものから、お得な大型パックのものまで、多種多様なものが販売されています。
主な産地はニュージーランドとチリで、一般的にはニュージーランド産が、太く長く色味もよいため人気です。

等級がAからAAAAA(5A)まで分かれていて、最上級の5Aは保水力も柔らかさも極上で最高級のものとされています。ビカクシダにはAA以上がおすすめです。

オザキの水苔
サイズのバリエーションはいくつかあるが、オザキフラワーパークではニュージーランド産AA 12ℓ(約150g)1,580円(税込)が最もよく売れる。

販売時は乾燥した状態でパッキングされているので、水で戻して使用します。
板付け、苔玉、椰子付け共に、株が大きくなりすぎたら、水苔を足すなどの仕立て直しを行ってください。
また、水苔も古くなると含水率が落ちたり、細菌が繁殖する場合もあるため、2〜3年に1度は植え替えを行いましょう。

水やり

ビカクシダは、3月下旬~10月下旬が成長期です。この時期は水やりの回数をやや多めにします。板付け、椰子付け、苔玉の場合、3~4日に1回、水苔の中心までしっかりと水が浸透するよう、水を張ったバケツに植え付け部分を沈める“漬け込み”を行います。

ブクブクと上がってくる気泡がなくなったら、それは苔が十分に水を吸ったサインなので、ゆっくりと引き上げてください。バケツに入らない場合は、屋外やバスルームで、シャワーなどを用いて水苔と株全体を十分に湿らせてください。

鉢植えの場合は、通常の水やりを行います。用土表面が乾いたら、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水を与えてください。受け皿に溜まった水は捨ててください。週に1回が目安です。

成長が停滞する冬季は、栽培スタイルにかかわらず、乾燥気味に管理します。共に、表面が乾いて2〜3日してから水をあげて(漬け込みを行って)ください。また、気温が下がる夜間は避け、日中に行ってください。

【POINT】

水苔は完全に乾くと水を弾く性質をもっているため、完全には乾かさないようにしてください。完全に乾いてしまった場合は、10〜15分ほど水に漬け込めば吸水力が復活します。

施肥

ビカクシダは肥料と相性のよい植物です。液肥、置き肥共に、成長期にはしっかりと与えてグングン成長させましょう!

【ハイポネックス液体肥料の場合】
・板付け、椰子付け、苔玉の場合、一般的なバケツ(6ℓ)満量の水に対して3ccを混ぜ、そこに漬け込んでください。
・鉢植えの場合は、2ℓのペットボトルに対し、1ccを混ぜて、水やりをしてください。

【POINT】

市販の飲料(国産メーカー)のペットボトルのキャップでは、内側のラインまでで1ccなので、計量用具がない場合の目安にしてください。

【固形肥料を置き肥する場合】
・板付け・椰子付け・苔玉の場合、貯水葉が水苔を覆っているときは、水苔と巣葉の間に3〜4粒を挟み込んでください。貯水葉が未発達の場合は、水苔に押し込んでください。
・鉢植えの場合は、同様に3〜4粒を鉢の縁付近に均等に置いてください。

マグアンプKを置いたリドレイ
白い粒は固形肥料「マグアンプK」。こんな感じに置く。

病害虫

風通しが悪い環境下だと、カイガラムシやハダニが発生することがあります。風通しとこまめな葉水でこれらの害虫を予防することができます。万一発生した場合は薬剤で対処します。

オザキフラワーパークのおすすめビカクシダ8選

オザキフラワーパーク後藤さん
「ビカクシダにはワインとジャズが似合う」と粋なことを言う後藤さん。

ビカクシダの売り場をリニューアルして間もないオザキフラワーパーク。手乗りサイズから超巨大サイズまで、数多くのビカクシダに囲まれた空間は、さながら亜熱帯ジャングル。

この2分の動画で売り場の様子がよく分かります。  Music by Not The King “Thinking of you”

そんな売り場で、この企画ではすっかりお馴染みの後藤さんに、今回はおすすめのビカクシダ8品目を紹介していただきました。

①リドレー(板付け)

リドレー板付き
【写真の商品】幅20cm高さ30cm 奥行き40cm 店頭価格:29,800円(税込)

東南アジア原産で、ビカクシダの代表的品種です。1880年代に東南アジアの植物学の向上に貢献したシンガポール植物園の初代園長、ヘンリー N.リドレー卿にちなんでこの名がつきました。

原産地のボルネオでは木の高い場所で潤沢に日光を浴びながら自生しているため、太陽との相性がよい品種です。でも、これは栽培品種なので直射日光は厳禁。自生地に少しでも近づけるために、明るく風通しのよい場所で栽培してください。晩秋〜冬場は午前中に直射日光を2〜3時間あててあげると喜びます。

リドレーは潤沢に水分を含んでいる状態を好まないため、成長期は十分に水を吸わせたあとに風通しのよい場所に置き、若干水分を飛ばしてあげてください。冬場は20℃以上を保ち、水やりも少なめに。

このように、ちょっと初心者には難易度高めの品種ですが、ザ・ビカクシダたる佇まいは、所有する喜びを得られるため、ぜひチャレンジしてみてください。

②スパーバム(板付け)

スパーバム
【写真の商品】幅20cm高さ24cm 奥行き28cm 店頭価格:12,800円(税込)

スパーバムは、オーストラリアのクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州北部の低地の熱帯雨林が原産地です。豪州では自宅の庭など屋外での栽培が盛んで、大きくするために貯水葉に茶葉やバナナの皮を入れる、なんて話も聞きます。

けっこう大きくなる品種で、上手に育てれば貯水葉は風格のある王冠のように直立し、胞子葉が2mを超えるなんてことも夢ではありません。見た目はゴージャス! 丈夫で、育て方の基本に則って栽培すれば容易に育つため、初心者におすすめです。当店でも人気の品種です。

③ネザーランド(苔玉)

ネザーランド苔玉
【写真の商品】苔玉直径12cm苔玉+葉の高さ30cm 店頭価格:2,980円(税込)

見た目、価格、育てやすさ、仕立てやすさ、あらゆる面で初心者向きなのがネザーランド。店頭では、ビカクシダの入門編としてネザーランドをおすすめしています。

ちなみにネザーランドは、ジャワ島やオーストラリア東部原産のビフルカツムという品種をオランダで品種改良し作出されたものです。そのため、オランダの英語読みである‘ネザーランド‘という名前がつきました。

元の品種ビフルカツムは、1993年に英国王立園芸協会のガーデンメリット賞を受賞した名品。そんな血を引くため、ビフルカツムより直立する傾向にある胞子葉には、どことなく高貴な印象を受けます。本品のように苔玉仕立てにすると、どこか東洋的な印象が強くなるため、和室などにもおすすめです。

当店では、頭上に無数のネザーランド苔玉を吊した“ネザーランド苔玉棚”を設置していますので、ぜひくぐりに来てください。SNS映え抜群です(笑)。

苔玉トンネル

④ネザーランド(椰子付け)

ネザーランドココヤシ付け
【写真の商品】ココヤシ直径12cm ココヤシ+葉の高さ25cm 店頭価格:3,680円(税込)

こちらは、ネザーランドのココヤシ仕立てです。ココヤシ自体にも保水力があるため、水切れしにくいという利点もあります。

前述のように、ネザーランドは育てやすいため、ココヤシ仕立ては贈り物としても人気の商品です。東洋的な苔玉に対し、ココヤシはトロピカルな印象が強いため、1株で空間に南国のテイストを加えることができます。

⑤ネザーランド(ポット植え)S size

ネザーランドポット植え
【写真の商品】幅30cm 高さ20cm(ポット含む) 店頭価格:980円(税込)

初めてDIYでディスプレイを、と考えている方や、小ぶりのものを鉢で楽しみたいという方には、ネザーランドのポット植えがおすすめです。

⑥ネザーランド(ポット植え)XL size

ネザーランド鉢植え
【写真の商品】幅100cm 高さ55cm(ポット含む)※ポット幅15cm(5寸鉢) 店頭価格:3,980円(税込)

大株のネザーランドの鉢植え仕様です。もちろん、このまま育てることもできますが、鉢を陶製のものに替えても。ダイナミックな板付けをDIYで作りたいという方にはおすすめです。

⑦ビーチー(ポット植え)XL size

ビーチー
【写真の商品】幅70cm 高さ70cm(ポット含む)※ポット幅15cm(5寸ロング鉢) 店頭価格:4,980円(税込)

オーストラリア・クイーンランド州原産のビーチーは、その美しく銀色に輝く様子から、海外ではシルバー・エルクホーン・ファーンとも呼ばれています。色の影響もありますが、胞子葉が他の品種に比べてシャープなため、かっこいい! という印象を持たれる方が多いですね。

園芸品種としては英国王立園芸協会のガーデンメリット賞を受賞しているため、持っているとちょっと自慢できます(笑)。育て方は、基本に沿えば大丈夫です。

⑧エレファントティス(ポット植え)M size

エレファントティス
【写真の商品】幅25cm 高さ20cm(ポット含む)※ポット幅12cm(4寸鉢) 店頭価格:4,680円(税込)

南米コロンビアや熱帯アフリカが原産のエレファントティスは、名の由来にもなっている象の耳のような胞子葉が特徴です。この胞子葉は、大きくなっても他の品種のように叉状に裂けることはありません。

大株ともなると全体の高さは2mを超え、葉の幅は70cmにも広がりますが、じつはこのエレファントティス、かなり栽培難易度が高めです。特に難しいのが、水やり。根がとてもデリケートなため、ほかの品種のような管理を行うと容易に根腐れを起こします。このため、成長期は霧吹きで全体が湿り気を帯びたら1日程度放置しておき、メリハリのある水やりを行ってください。冬の水やりは、ほかの品種よりも抑え気味に。

なかなかハードルが高めですが、多くのビカクシダマニアが目標とする品種でもあるため、一見の価値ありです! 

後藤さんおすすめのディスプレイ

苔玉(ネザーランド)を吊した木【シェフレラ】高さ190cm(鉢含む)幅70cm 鉢直径30cm 店頭価格:24,000円(税込)

僕のおすすめは、他の観葉植物の枝にビカクシダの苔玉仕立てを吊すという方法。苔玉はカーテンレールに吊している方も多いようですが、無機質なカーテンレールよりも、観葉植物に吊すことで、かわいさが倍加します。パッと見、観葉植物に実がなったようにも見えますよね。おすすめしたお客様からは「お部屋がすごく可愛くなった!」と好評です。
ぜひ試してみてください!

ビカクシダはSNSとの親和性抜群!

「ビカク沼」と表現されるように、一度ハマったらいくつもの個体を収集したりと、突き詰める方が多いのもビカクシダの特徴。インスタグラムでハッシュタグ検索をかけると38万件以上の投稿があり、多くの方が、いろいろな方法でビカクシダを楽しんでいる様子がうかがえます。
ちなみに、去年の5月に検索した際は28万件だったので、この1年間でさらにブームが広がったのですね。

ビカクシダを楽しむ粋な人々

takako_in_pajamas

takako_in_pajamas

takako_in_pajamasさんは、数多くの板付けコレクションに植物育成ライトを当てて、まるで美術館のようなディスプレイが壮観です。いったいどんなお部屋にお住まいなんでしょう!?
植物育成ランプは、高性能なものを数少なく設置するよりは安価なものを数多く、が長年の経験で導き出した答えなのだとか。

得意なDIYの手腕を活かし、流木に板をビス留めして、自宅で胞子から培養したリドレイを育ててしまうという、その卓越した栽培手腕とセンスには脱帽です。

backplain77

backplain77

backplain77さんは、板付けしたリドレイをスタンドに飾っています。それにしても立派な株ですね!
ちなみに、このスタンドは市販のものだそうで、早速「ビカクシダ スタンド」で検索したら商品サイトがいくつか出てきました。壁に引っかけて飾る板付けは、賃貸住まいの方にとっては壁に穴をあけないよう一工夫が必要ですが、これだったら気軽に、しかもおしゃれに楽しめますね!

chokichokimash

chokichokimash

chokichokimashさんこと、まっしゅさんは、壁にワイヤーネットを設置して板付けをディスプレイするという方法。こちらも賃貸住まいの方には参考になりますね! 植物育成ライトを神々しく浴びるコレクションたちは、さながらステージでスポットライトを浴びるロックスターのようですね!

infant.plants

infant.plantsさんこと幼児ビカクシダさんは、コルクに板付けされたキヨヒメが素敵です。ディスプレイした壁には照明効果による影が左右に映し出され、その影も含めた全体が絵画のような美しさを放っています。

ちなみにキヨヒメとは、ビーチーとマウントルイスという品種を掛け合わせて作出された園芸品種で、少々クセのあるビカクシダとしても知られています。育て方のブログも公開している幼児ビカクシダさん、この美株ぶりはさすがです!

取材担当後記

今回の企画のきっかけは、オザキフラワーパークの公式インスタグラムで、ビカクシダ売り場リニューアルの告知投稿を見たこと。これは行ってみよう! というところからスタートしたのですが、行ってみてびっくり、見てさらにびっくり。ビカクシダの品種ごとの魅力を知り、また、謎だった栽培方法も解明でき、ビカクシダの世界観を存分に味わうことができた取材となりました。沼にハマる人が続出するのも頷けます。ぜひ一度見に行ってみてください。壮観です!

特にこれ。

40万円ビカクシダ

そのお値段40万円(税込)! 3つの巨大株を合体して作り上げたものを、大の大人が3人がかりで吊り上げたのだそうです。

さて今回もかなり内容濃いめの企画でしたが、最後までお読みいただいた方、感謝申し上げます。
次回は、オザキフラワーパークでどんな観葉植物に出会えるのか、超楽しみです!

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