セアノサスはカリフォルニアライラックとも呼ばれる青花の花木! 特徴と育て方をご紹介
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春から初夏にかけて、香りのある可憐な花を咲かせるセアノサス。別名のカリフォルニアライラックのほうがピンとくる方も多いかもしれませんね。この記事では、セアノサスの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、種類、育て方、利用の仕方など、幅広くご紹介します。
目次
セアノサスの基本情報

植物名:セアノサス
学名:Ceanothus
英名:California Lilacs
和名:セアノサス
その他の名前:カリフォルニアライラック
科名:クロウメモドキ科
属名:セアノサス属(ソリチャ属)
原産地:北アメリカの熱帯、メキシコ
形態:常緑性・落葉性低木
セアノサスの学名はCeanothus。クロウメモドキ科セアノサス属(ソリチャ属)の低木です。原産地は北アメリカ、中央アメリカ。耐寒温度はマイナス10℃くらいで、関東地方以南の暖地などでは地植えにしても越冬できます。一方で、高温多湿の日本の夏はやや苦手です。樹高は1〜3mの低木で、地際から多数の枝を立ち上げる株立ちの樹形が特徴です。常緑性が最も多いのですが、半落葉性、落葉性のものもあります。
花には、ハチが蜜を求めて集まります。セアノサスは蜜源植物としてもおすすめです。JSvideos/Shutterstock.com
セアノサスの花や葉の特徴

園芸分類:庭木
開花時期:4〜6月
樹高:1〜3m
耐寒性:やや弱い
耐暑性:やや弱い
花色:青、白、ピンク、紫
セアノサスの開花期は4〜6月。花色は冴えたブルーが最もポピュラーですが、ほかに淡いブルー、白、ピンクもあります。1つの花はごく小さいのですが、花茎を伸ばした頂部にまとまってドーム状に咲くので色の塊となって見え、よく映えます。ソープのような爽やかな香りを放つのも魅力です。葉は楕円形や卵形などで、長さは5〜15cm。枝に対生に付きます。
セアノサスの名前の由来や花言葉

セアノサスという名前は、学名がそのまま流通名となったもので、アザミを意味するギリシア語「keanothos」に由来するとされています。以前はカリフォルニアを中心に分布していることから「カリフォルニアライラック」とも呼ばれていましたが、ライラックはモクセイ科ハシドイ属の花木で分類がまったく異なっており、紛らわしいことから、近年はセアノサスと呼ばれることが多いようです。
セアノサスの花言葉は「純朴」「温厚」「初恋の思い出」などです。
セアノサスの代表的な品種

セアノサスはブルーの花を咲かせるものが定番ですが、ほかにもいろいろな品種があります。代表的な品種をいくつかご紹介します。
最もポピュラーな品種が‘パシフィックブルー’で、濃いブルーの花色に大変人気があります。‘ロイヤルブルー’はパシフィックブルーよりも色が濃く、樹高はやや高めです。‘エルドラド’や‘クールブルー’は淡いブルーの花色で、葉に斑が入るため、開花期以外にはカラーリーフとして庭に変化をもたらします。‘パールローズ’、‘マリーサイモン’は淡いピンクの花色で、いずれも落葉性です。‘スノーフリューリー’は白い花を咲かせる品種で、葉に光沢があります。

セアノサスとライラックの違い

セアノサスは別名カリフォルニアライラックとも呼ばれるように、ライラックによく似た美しい花を咲かせます。どちらも春から初夏に香りのある小花が密集した花穂をつけますが、ライラックの花は比較的大きく、小花の一つひとつがしっかり見えるのに対し、セアノサスはより小さな花が密集して咲き、ふんわりとした綿毛のようにも見えるのが特徴。また、ライラックはモクセイ科の落葉高木で、セアノサスはクロウメモドキ科の常緑低木と、種類はまったく異なります。
セアノサスの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜6月
植え付け・植え替え:3〜4月、9〜10月
肥料:7月、10月
セアノサスの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照不足では、花つきが悪くなってしまうので注意してください。
【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本ですが、寒さにやや弱いため、寒冷地では冬は室内の日当たりのよい窓辺などに取り込むとよいでしょう。
【置き場所】水はけ・水もちがよく、有機質に富む肥沃な土壌を好みます。多湿を嫌うので、水はけの悪い環境であれば、土壌改良が必要です。
耐寒性・耐暑性
セアノサスは寒さにやや弱く、耐寒温度はマイナス5~マイナス10℃。関東以南のほとんど凍結することがない暖地であれば戸外で越冬できますが、凍結する寒冷地では鉢栽培にして、季節に応じて適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。高温多湿が苦手で耐暑性もやや弱いので、地植えにする場合は西日の当たらない場所を選び、鉢栽培の場合は風通しのよい半日陰に移動するほうが無難です。特に、近年の温暖化により日本の夏は年々暑さが厳しくなっているので注意しましょう。
セアノサスの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの3〜4週間前に苦土石灰を散布し、よく耕しておきます。さらに植え付けの約2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。じめじめした環境を嫌うので、水はけの悪い場所では川砂やパーライトなどを施し、土壌改良をしておきます。周囲より土を高く盛っておくのもよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
市販の花木用培養土を利用すると手軽です。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。ただしセアノサスは乾燥を好み、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意してください。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
肥料

【地植え・鉢植え共に】
植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。
花後の7月頃と10月頃に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見ましょう。
注意する病害虫

【病気】
セアノサスの栽培では、ほとんど病気の心配はありません。
【害虫】
セアノサスの栽培では、カミキリムシの幼虫、カイガラムシが発生することがあります。
カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しておきましょう。また、木の株元などにおがくず状のものが見つかったら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴があれば、穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤などを散布して駆除してください。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
セアノサスの詳しい育て方
苗の選び方
葉が変色したものや間のびしたものは避け、株元がしっかりしてよく分枝した株を選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

セアノサスの植え付け・植え替えの適期は3〜4月か、9〜10月です。ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。ただし真夏や真冬など、気候の厳しい時期は避けてください。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
暖地では植えたままにしてもかまいません。寒さが厳しく、マイナス10℃以下になる地域では、鉢に植え替えて、暖かく日当たりがよい場所で越冬させてください。
【鉢植え】
苗の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずして小さくし、新しい培養土を使って植え直しましょう。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
剪定

セアノサスの剪定の適期は、花が終わった後すぐです。翌年開花するための花芽は秋にできるので、それ以降に強く切り戻す剪定を行うと、翌年の花数が少なくなるので注意しましょう。
セアノサスは株立ち状で、地際から細めの枝を多数伸ばす樹形が特徴です。自然に樹形が整いやすいので、それほど剪定は必要ありませんが、剪定を行う場合は軽い切り戻しと、込み合った部分を間引く「すかし剪定」を基本とします。枝が地際から伸びて込み合い、風通しが悪くなる場合は、古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、枝の途中で切らずに分岐点から切り取りましょう。また、刈り込みに耐えるので、生け垣のように形を整える剪定も可能です。
夏越しと冬越し

夏越し
【地植え】
近年、日本は温暖化が進んで夏の暑さが大変厳しくなっています。高温や強光線によって木が弱るのを防ぐために、遮光ネットを張るのも一案です。
【鉢植え】
少しでも暑さをやわらげるために、風通しのよい半日陰などに移動して、涼しい場所で管理します。
冬越し
【地植え】
凍結することがほとんどない暖地では、霜よけにバークチップなどを株元にマルチングしておくとよいでしょう。寒冷地では、鉢に植え替えて温室か日当たりのよい室内に置いて冬越しさせます。
【鉢植え】
凍結することがほとんどない暖地では、戸外の霜が降りない軒下などで越冬させます。寒冷地などでは、温室か室内の日当たりのよい窓辺などに置きましょう。
増やし方

挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、セアノサスは挿し木で増やせます。
挿し木の適期は、7月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。
セアノサスの楽しみ方は? アレンジメントやブーケにも!

セアノサスは樹高が低く株立ち状に育つ性質を生かし、ボリューム感のある樹形に仕立てて庭のアイキャッチにするのもおすすめ。また高木と草花を結ぶ役割として空間を埋めてもよいでしょう。葉に斑が入る品種を選べば、開花していない時期もカラーリーフプランツとして活躍します。
開花期には枝を切り取って、花束やフラワーアレンジメントに利用しても素敵です。水が下がりやすいので、湯揚げしてから利用するとよいでしょう。湯揚げとは、下葉を切り取って切り口の部分のみ20〜40秒ほどお湯に浸し、引き上げたらすぐに水に入れる方法です。花瓶などに飾った後は毎日水を替え、切り口の部分を少しカットしてから活け直しましょう。
花はもちろん、美しい葉や香りも楽しめるセアノサスを育ててみよう

セアノサスは、暖地であれば地植えでの栽培も可能で、高温多湿に注意して管理すればよく育ちます。個性的で目を引く花姿は庭のアイキャッチとなり、また斑入り葉の品種を選べばカラーリーフとしても活躍します。初夏の庭の彩りにセアノサスを植栽してみてはいかがでしょうか?
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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