多くの方が「アロエ」と聞いて思い浮かべるのは、ヨーグルトや保湿クリームではないでしょうか。でもじつは、アロエの世界には驚くほど美しく、芸術的な姿をした園芸品種や希少なハイブリッド種が広がっています。今回は、多肉植物のプロ「ガディンツキープランツ」の関さんが、アロエの基礎から今注目のアロエハイブリッドまでを徹底解説! 知ればきっと誰かに教えたくなる、魅惑のアロエワールドへご案内します。
目次
今回お話をうかがう関ヨシカズ氏

今回お話をうかがう関ヨシカズ氏(以下関さん)は、2024年9月に世田谷区九品仏に、多肉などのビザールプランツを取り扱う専門店として「gadintzki plants(ガディンツキー・プランツ)」をオープンさせた園芸のプロフェッショナル。
同店をオープンする前は30年にわたり目黒区祐天寺にて園芸店を営んできており、ガーデンストーリーでは「街の園芸店がお悩みを解決!」という連載記事でもご活躍いただいてきました。

ガディンツキープランツは、育てやすい植物をお求めやすい価格で、がモットーのお店。
古着のポップアップストアも併設されたおしゃれな店内には、いつも常連さんや、関さんに園芸のアドバイスを求めるお客様でにぎわいをみせています。
そんな関さんの園芸哲学は、「園芸は人と人との縁(えにし)を繋ぐもの」。
本やWebで学ぶ知識も大切だけれど、実際に言葉を交わし、知識や経験を共有することで園芸の楽しさはさらに広がる、と熱く語ります。「最近はアロエが来てますよ!」と、お店に集うお客様同士でも話題になっているそうで、さっそくアロエに関していろいろと教えていただきました。
アロエの基本情報
アロエの歴史と原産地、名の由来

- 植物名:アロエ
- 学名:Aloe
- 英名:Aloe
- 和名:蘆薈(ロカイ)=中国語で「草むらに茂る」という意味
- 科名:ツルボラン科(旧分類ではユリ科)
- 属名:アロエ属
- 原産地:アフリカ南部、マダガスカル、アラビア半島などの乾燥地帯
- 形態:多年草(常緑性多肉植物)
- 園芸分類:観葉植物・多肉植物・薬用植物
- 開花時期:12〜3月(温暖地域で屋外栽培の場合)
- 草丈・樹高:10〜100cm(種類によって異なる)
- 耐寒性:やや弱い(種類によって異なる)
- 耐暑性:強い
- 花色:橙、赤、黄色など
アロエは南アフリカを中心に、アラビア半島、マダガスカル、インド洋の島々に分布する多肉植物の一種。
原産地では乾燥した環境に適応し、砂漠や岩場に自生しており、その強靭な生命力が特徴です。
古代エジプトでは「不死の植物」として神聖視され、クレオパトラが美容のために使用していたとも伝えられています。

ギリシャやローマの医学書にも登場し、日本でも中国経由で初めて持ち込まれた江戸時代に薬用植物として広まりました。
「良薬口に苦し」といわれるように、薬効成分を含むアロエの果肉はとても苦いもので、このためアロエの名は、古代アラビア語で”苦い”を意味する「alloeh」が語源となり、ギリシャ語「αλόη(aloé)」へと派生し、植物学上の学名としてラテン語の「Aloe」が確立されました。
現在では観賞用としての人気も高まり、独特の造形美や育てやすさが、多肉植物愛好家の心を掴んでいます。
アロエの種類と特徴(観賞用・薬用・食用)
アロエは現在650種類以上が確認されており、大きく分けて観賞用、薬用、食用の3つのカテゴリーに分類されます。
- 観賞用アロエは、葉の模様やトゲ、ロゼット状の形状など、多様な美しさを持ち、原種系やハイブリッド系などに分類されます(後述)。


- 薬用アロエの代表格はアロエ・ベラやキダチアロエで、抗炎症作用や保湿効果があり、古くから民間療法に用いられてきました。
ただし、民間療法には誤認識もあるため、体のことは医師に相談しましょう。 - 食用アロエは、特にアロエ・ベラの葉肉がゼリー状で食べやすく、ご存じのとおり、ヨーグルトやジュースに加工されることが多いです。

園芸界におけるアロエの評価
アロエといえば美容や健康への効果が注目されがちですが、園芸界でもその価値が見直されています。
アロエは多肉植物の中でも成長が比較的遅いため、長くその姿を楽しめる点も評価され、個体ごとの個性をじっくり味わうことができることから、単なる実用植物にとどまらず、観賞用多肉植物として園芸の分野でも重要な存在となっています。
そんな観賞用アロエの魅力は、まずその独特な美しさにあります。
ロゼット状に広がる葉は品種ごとに異なり、トゲの形や色彩、葉の質感などが多様で、コレクション性が高いのが特徴です。

またアロエは特に乾燥に強く、水やりの頻度が少なくてすむ点は、多肉植物初心者にも人気の理由のひとつ。
近年では、“手間のかからないグリーン”を求めるライフスタイル志向の高まりとともに、アロエの需要が再注目されています。
観賞用アロエの種類
観賞用アロエは以下の3種類に分かれます。
①原種アロエ
②アロエハイブリッド「ネームド」
③アロエハイブリッド「ノーネーム」
それぞれに関して関さんに解説してもらいました。
①原種アロエ
原種アロエは、原産地に自生する野生種、またはそれをもとに育苗された株(実生株や子株など)を指します。
極端な気候や乾燥した環境に適応しながら自然の中で進化してきたため、その姿には独特の美しさがあります。
原種アロエの最大の魅力は「自然が生み出した造形美」。
葉の形やトゲの配置、成長の仕方など、すべてが環境に最適化されているからこそ、人工的に作られたものとは違う力強さを感じます。

原種アロエは、希少な品種や美しい美観と大きさを兼ね備えた株ともなると数万円の値がつくものもありますが、そういったものは愛好家の間では「生きた芸術品」とも称されています。
しかし、大量生産された実生株でも十分に観賞価値を有していて、品種によっては1,000〜2,000円台で入手できることから、観賞用アロエ初心者の方にもおすすめです。
代表的な原種アロエ①:アロエ・ポリフィラ 〜渦巻きアロエの異名を持つ〜

アロエ・ポリフィラ(Aloe polyphylla)は、南アフリカ・レソト高地原産の原種アロエで、螺旋状に展開する葉が特徴。真上から見ると万華鏡のように美しく、原種の中でも特に人気があります。
名前の「ポリフィラ」はギリシャ語で「多くの葉」を意味し、欧米では「スパイラルアロエ」、日本でも「渦巻きアロエ」と呼ばれることも。希少性が高く、小さな実生株で4,000円前後、大株では30,000円以上することもあります。価格は株の状態や販売店により変動します。
代表的な原種アロエ②:アロエ・スザンナエ 〜マダガスカルのツリーアロエ〜

アロエ・スザンナエ(Aloe susannae)は、マダガスカル原産で、野生では高さ3〜4m、最大5mにもなる大型種。
「マダガスカルのツリーアロエ」とも呼ばれ、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに登録された絶滅危惧種でもあります。

Pix by S.E. Rakotoarisoa(University of Antananarivo) Courtesy of ResearchGate
名前は、同島の植物研究に功績を残したフランスの植物学者スザンナ・デカリーにちなみます。
細身で斑点模様のある葉は、明るい緑〜灰緑色。
花はオレンジから黄色の穂状で、開花までに数十年を要し、また再び咲くまでにも長い年月が必要となります。園芸種の小株は6,000円前後、優良な株は1〜4万円で流通することもあります。
ガディンツキープランツで買える原種アロエ

ここに紹介する原種アロエ3商品はすべて実生によるもので、色彩的には、いわゆる一般的なアロエのイメージに近いかも。
でもトゲの色や形、樹形には独特の個性があり、それぞれの魅力が光ります。



②アロエハイブリッド「ネームド」
アロエハイブリッドとは、複数のアロエ原種をもとに交配して生まれた人工作出種のことを指します。
原種アロエの持つ個性を掛け合わせることで、色彩、葉の模様、形状、トゲの付き方などが多様になり、観賞価値の高い株が生まれます。
近年では、交配を手がける“ハイブリダイザー”と呼ばれる育種家たちによって、芸術品のような魅力を持つアロエハイブリッドが数多く生み出されており、アロエハイブリッド「ネームド」(以下ネームド)とは、そんなハイブリダイザーたちによって作出されたアロエハイブリッドのうち、選抜され、ネーム(商品名)が明記された色付きの札(タグ)を付けて流通しているものを指します。

現在市場に出回るアロエハイブリッドの多くは、タイや台湾で作出されており、その中でもネームドは特に高い人気があります。
その魅力に惹かれてコレクションを始める愛好家も増え、観賞用アロエの世界はますます奥深いものになっています。
代表的なアロエハイブリッド「ネームド」:テンプラ(Aloe ‘tempra’)

現在日本の園芸市場でアロエハイブリッド人気を牽引しているといっても過言ではない品種が、「アロエ テンプラ(Aloe ‘tempra’)」。
優秀なアロエハイブリッドをいくつも発表しているタイの著名なナーサリー「TCT Nursery」のテプチャイ・ティッパヤチット(Tepchai Tippayachit)氏によって作出され、値段は数万円という、まさに高嶺の花の”高級テンプラ”です。
テンプラは正式な学名ではなく、あくまでも園芸流通における商業上の名前ですが、テプチャイ氏が日本文化にオマージュをこめてこのように名付けました。
厚みのあるテンプラの葉の表面を埋め尽くす朱色の突起模様や鋸状のトゲが、どことなく天ぷらの衣にも見えなくもないですね。
ハイブリダイザーの名が入った「ハイブリダイザー・ネームド」というのもある
ハイブリダイザー・ネームドとは、著名なハイブリダイザーによって作出された株を指し、それらの商品名の多くには、ハイブリダイザーの名が含まれています。
例えば、ケリー・グリフィン氏(Kelly Griffin)のK.G.Hyb.や、ディック・ライト氏(Dick Wright)のD.W.Hyb.です。
また、その商品名自体がハイブリダイザーの作出したものであることを指す場合もあります。
ケリー・グリフィン氏、ディック・ライト氏は、ともにアロエハイブリッドシーンを牽引する米カリフォルニアの著名なハイブリダイザーで、彼らが生み出す品種は、希少性とコレクション性の面からとても注目されています。


③アロエハイブリッド「ノーネーム」
アロエハイブリッド「ノーネーム」(以下ノーネーム)は、トゲの形がやや不揃いだったり、葉面の突起が少ないといった理由から、ネームドとして選抜されなかった個体を指します。
ただし、原種の性質をある程度受け継いでおり、ナーサリーによって品質のよさが認められたものが該当します。

もっとも、日本におけるアロエハイブリッドのムーブメント自体がまだ黎明期にあるため、ノーネームに関する基準はやや曖昧です。
しかし、商業的に一定の知名度を持つナーサリーが手がけたものに限ってノーネームと呼ばれる傾向があります。
ちなみに、前述のタイ・TCTナーサリーが販売するノーネーム商品には「白タグ」という通称が付けられています。
いずれにしても、ノーネームはネームドほどの高値ではありませんが、一定の価値が認められており、相応の価格で取引されることもあります。
![]() アロエハイブリッドの「札落ち(ふだおち)」とは、ノーネームの中でも、どのナーサリーが作出したか不明な株を指します。 出所が明らかでない分、価格も比較的安価で、ものによっては数百円で手に入ることもあり、非常にリーズナブルにアロエハイブリッドを楽しむことができます。 また、趣味家が自身で交配・育成した株を販売しているケースも札落ちに該当します。 ただし、中には有名ナーサリーが手がけた美株が、流通の過程でタグを失って(あるいは意図的に外されて)紛れ込んでいることもあるため、「札落ち=C級品」とは一概には言えません。 多肉植物の栽培が初めてで、「まずはアロエハイブリッドから試してみたい」という方には、手軽に始められる札落ちがおすすめです。 |
ガディンツキープランツで買える「ノーネーム」

ノーネームとは、名を冠するには値しないものの限りなくそれに近い、いわゆる「名も無き逸品」。
どの株も個性が光っており、”作品”に対するハイブリダイザーの情熱が感じられます。



アロエハイブリッドは必ずブームが来る! その3つの理由とは?
理由① 初心者でも容易にチャレンジできる価格

コレクション性が高い多肉植物は、過去にサボテンや現在のパキポディウム、アガベなどがそうであるように、必ずブームがくるものです。
これらは高価な商品が次々と売れ、市場も活性化しました。
しかし、その多くが高価格であることが、初心者にとっては敷居が高く感じることもあります。
その点アロエハイブリッドは、札落ちからスタートすれば1,000円以下で手に入れることができるため、価格面での敷居が低いのが大きな魅力です。

いかにもテンプラの選抜落ちという感じだが、故郷のタイで手塩にかけられたものであることには違いない。
ノーネームや札落ちのアロエハイブリッドは、農作物でいう「規格外品」に近いものですが、品質が劣るわけではなく、むしろ「唯一無二の個性を持ったアロエ」として楽しめます。
関さんは、「名前にこだわらず、まずはファーストインプレッションでこの摩訶不思議な植物との一期一会の出会いを楽しんでいただきたい。その先には、テンプラが待っています!」と語り、初心者が段階を踏んで楽しむことができるアロエハイブリッドに大きな期待を寄せています。
理由② 誰でもオリジナルのハイブリッドを!

アロエハイブリッドは、どんな株も高い確率で開花するため、異なる品種を掛け合わせることで、新しい形や模様、色合いを持つ個体が生まれる可能性があります。
つまり、自分だけのオリジナル品種を作り出せるかもしれません。
実際に、テンプラなどの人気品種を種子親として他の品種と掛け合わせた、アロエハイブリッドのハイブリッド、いわば“二世代目”を育てている趣味家さんたちも多くいます。
ハイブリダイザーによる傑作ハイブリッドも魅力的ですが、自分で交配して新しいアロエを生み出す楽しさを体験してみませんか?

方法は非常に簡単です。
アロエの花は長い花軸の先端に鈴なりに咲くため、一方の株の花の一つを穂からもぎ、その花の雌しべを、もう一方の株の雄しべに付けて花粉を移すだけです。
ただし交配を行うためには、両方の株が同じタイミングで花を咲かせている必要があります。
初心者でも比較的挑戦しやすいので、ぜひ交配の世界に踏み込んでみてください!
理由③ 寄せ植えとしても楽しめる!
ちなみにアメリカでは、アロエハイブリッドの多くが小型の品種であるため「ドワーフアロエ(Dwarf Aloes)」や、ヒトデに似ていることから「スターアロエ(Star Aloes)」と呼ばれています。
特にカリフォルニアでは、この品種に魅了された園芸ファンが増えており、非常に人気があります。
日本と違って広い庭があるため、そうした魅力的なアロエを育てやすいのがうらやましいですね。
下の動画では、カリフォルニアの著名なガーデンフォトジャーナリスト、デブラ・リー・ボールドウィン氏(Debra Lee Baldwin)がドワーフアロエの寄せ植え方法を紹介しています。
ボールドウィン氏が動画の中でセダムとの寄せ植えをレクチャーしているように、アロエハイブリッドは寄せ植えにもぴったりな素材です。
小型で多様な形状や色合いを持っているため、ほかの植物と組み合わせることで、美しいデザインが楽しめます。
観賞用アロエの育て方のポイント
管理場所
観賞用アロエは日当たりと風通しのよい場所で育てるのが理想的です。

【成長期:春〜秋】
基本的には 屋外の日なたが適していますが、品種によっては強すぎる直射日光で葉焼けすることもあるため、夏は強光線を避けるために半日陰に移動するか、遮光率50%程度の遮光ネットを使うのも有効です。
また、多湿環境は根腐れの原因となるため、雨ざらしを避け、梅雨の長雨のときは軒下か、簡易ビニールハウス、あるいは屋内で管理するとよいでしょう。

屋内で管理する場合は、できるだけ南向きの窓際など、十分に日光が当たる場所を選びましょう。
屋内で日照不足になると徒長しやすくなり、美しいロゼット形状が崩れる原因になります。
ただし屋外同様に、夏の直射日光には要注意です。
【冬季】
冬の寒さには比較的強いですが、霜や凍結には弱いため、気温が5℃を下回る地域では室内や温室に取り込むのが安心です。
特に冬場は日照が不足しがちなので、植物育成ライトの使用がおすすめ。
【屋内栽培では植物育成ライトとサーキュレーターを使おう!】

植物の生育には「光」、「風」、「水」の3つの自然要素が必須となります。
しかし屋内、特にマンションの居室で栽培する場合は風による通気が極端に少なくなるため、サーキュレーターを使用して室内の空気を循環させることを強く勧めます。
これにより、屋内栽培の失敗例として最も多い「蒸れによる根腐れ」を防ぐことができます。
用土

筆者は所有する多肉植物のほとんどに用いている。 容量:2L 価格:715円(税込)
観賞用アロエは水はけのよい土を好みます。
上の写真の関さんオリジナルブレンドの培養土をはじめ、市販の多肉植物用培養土を用いるのが手軽ですが、自作する場合は、前出の「TCT Nursery」が推奨するアロエ・ハイブリッド向けの用土レシピを参考にするとよいでしょう。
テップチャイ・ティッパヤチット氏が実際に使用している配合です。

鉢底に軽石を敷いてから土を入れることにより排水性が向上します。
水やり
観賞用アロエは乾燥に強く、過湿に弱いため、水やりは控えめが基本です。
まず、ポイントとしては、下の動画のように、葉にかからないように与えること。
100円ショップの園芸コーナーでも販売しているペットボトル用ノズルを使用すると便利ですよ。

- 春~秋(成長期):土がしっかり乾いてからたっぷり与える。週1〜2回が目安。
- 冬(緩慢期):成長が鈍化し水を吸収しにくくなるため、月1~2回程度、用土表面が湿る程度の控えめな水やりでOK。
また、葉についた水滴は蒸れの原因にもなるため綿棒などで吸い取ってあげましょう。
ちなみに筆者のおすすめは、カメラ用品のブロアー(ホコリを飛ばすための手動ポンプ)を用いた水滴飛ばし。
効率よく確実に水滴を飛ばせます。

肥料
元肥が入っている用土を使う場合、基本的には追肥を頻繁に行う必要はありません。
ただし成長期(春から秋にかけて)は栄養を必要とすることがあるので、元肥が切れる頃や、株が元気に成長していると感じたときにメネデールなどの活力剤を与えることは有効です。
元肥がない場合は、成長期の春〜秋に月1〜2回、規定量より薄めにした液体肥料を水やりの際に与えましょう。
冬はあげないでOKです。

かかりやすい害虫・病気
害虫
観賞用アロエは基本的に害虫には強いですが、適切な管理を行わないと以下の害虫がつく場合があります。
- カイガラムシ:葉や茎に白い綿状のものが付着する。見つけ次第、歯ブラシでこすり落とすか、殺虫剤(GFオルトラン粒剤など)を使用。
- ハダニ:葉の裏に寄生。乾燥を好むため、霧吹きで葉を湿らせると予防になる。
- アブラムシ:新芽に集まり成長を阻害。見つけたら水流で流し落とすか、牛乳スプレーで窒息させる方法も有効。
害虫を防ぐには、風通しをよくし、定期的に葉の裏もチェックすることが大切です。

病気
病気も、その多くは過湿や風通しの悪さが原因で発生します。
- 黒斑病(ブラックスポット):葉に黒い斑点が出来るカビ系の病気。発生した部分は早めに切除し、切り口にGFベンレート水和剤などの殺菌剤を散布し消毒します。
- 軟腐病:細菌により葉や茎がどろどろに溶ける病気。発生すると進行が速いため、感染部分を切除し、GFベンレート水和剤などの殺菌剤を散布し消毒を徹底します。
病気を防ぐには、適度な乾燥と風通しの確保が大切。特に梅雨時期や冬の室内管理では注意が必要です。
まとめ|美しきアロエの世界へようこそ
【関さんから読者の皆さんにメッセージ】
アロエといえば、多肉植物に興味がない方でもその存在は知っていて、近所を散歩すれば必ずどこかのお宅が軒先に植えているという、まさに「国民的多肉植物」。
そんなアロエの中でも、アロエハイブリッドは色や形のバリエーションが豊富で、まるで芸術作品のような美しさを持っています。
初心者でも育てやすくコレクション性も高いため、一度魅了されると次々に集めたくなることでしょう。かくいう私も関さんのせいで沼落ち5秒前です。
また、交配でオリジナルの株を作出できるかもしれないというのは夢が広がりますよね!
デブラさんによるアロエハイブリッドの寄せ植えも大変興味深いです。
あなたもぜひ、この奥深いアロエハイブリッドの世界に足を踏み入れてみませんか?
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 編集部員K - ライター・エディター -

フリーランスのロックフォトグラファーの傍ら、サボテンを愛し5年、コーデックスに魅せられ3年を経て、2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。多肉植物関係の記事を中心に、精力的に取材&執筆を行う。飼い猫「ここちゃん(黒猫♂6歳)」に日々翻弄されている。
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