冬は乾燥や寒さで、人も犬も体調を崩しやすい季節。そんなとき、ほっとリラックスできるやさしい香り&味わいの「リンデンティー」を取り入れてみませんか。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、風邪の季節にもぴったりのリンデンティーの魅力と、愛犬のケアアイデア、手作りの「肉球バーム」の作り方まで、毎日の生活で活かせる方法をご紹介します。寒い季節を、愛犬と一緒により快適に過ごすヒントになりますように。
目次
風邪の季節にリンデンのハーブティーを

空気が乾燥し、体調を崩しやすい風邪の季節。忙しい日々の中で、心身を優しく労わる時間を持つことは何より大切ですね。そんなときに、フランスで「病気知らずの木」と呼ばれることもある、リンデン(西洋菩提樹)の花を使ったハーブティーはいかがでしょうか。

リンデンティーは、ほんのりとした優しい甘さが特徴で、ハーブティー初心者の方にも飲みやすいおいしい味わいだと思います。
マグカップから立ち上る湯気を吸い込むと、繊細な蜜のような香りが鼻を通り抜け、まるで深い森の中にいるような安らぎを感じられます。この瞬間の穏やかなティーブレイクは、単なる水分補給ではなく、身体の緊張をほぐし、ストレスから解放してくれる大切な時間となります。

リンデンの効能

リンデンの花に含まれる成分は、特に寒い季節に嬉しい効果が期待できるとされています。
- 鎮静作用:イライラや不安を和らげ、リラックスして睡眠をサポート。ゆっくり休みたいときのティーとして親しまれています。
- 発汗作用:温かいリンデンティーを飲むことで、身体を内側から温めます。発汗を促す作用も期待でき、熱っぽいときや、季節の変わり目のセルフケアにも親しまれています。
- 粘液質による喉のケア:喉や呼吸器系の粘膜を優しく保護する働きがある粘液質の1種(アラビノガラクタン)が含まれています。

風邪の季節にリンデンティーを日常に取り入れることで、身体を内側から温め、優しく守ることができます。お気に入りのカップで、リンデンの香りと優しい甘さを楽しみながら、贅沢なティーブレイクを過ごしてみませんか。
リンデンを愛犬にも活用

リンデンティーの飲み残しは、愛犬の散歩の後の肉球や足のケアに活用できます。
私は、散歩に出かける前に、ティーバッグを桶に入れ、お湯を入れて準備をしておきます。散歩から戻ったら、リンデンティーをタオルに含ませて、愛犬あんの足や体全体を拭いています。
リンデンには保湿作用もあるとされ、乾燥しがちな犬の肉球に潤いを与える効果や、ほのかな優しい香りで愛犬をリラックスさせる効果も期待できるということです。
リンデン入り肉球バームを作ろう

リンデンの成分を閉じ込めて、乾燥が気になる季節に肉球をケアするためのバームを作りましょう。
リンデン入り肉球バームは2ステップで作ります。
ステップ1
リンデン浸出油(インフューズドオイル)を作る
まず、リンデンの有効成分をホホバオイルに抽出します。
<材料>

- リンデンフラワー 大さじ1
- ホホバオイル 大さじ1
<作り方>(湯せん法)

- 準備:ホホバオイルと乾燥リンデンの花を耐熱性のガラスボウルに入れます。
2. 湯せん:鍋に少量の水を入れ、弱火にかけます。ガラスボウルを鍋にセットし、オイルを温めます。
【ポイント】湯せんの温度は60〜70℃の低温を保ちます。高温にしすぎるとハーブの成分が損なわれるため、優しく温めてください。
3. 抽出:弱火のまま約30分〜1時間ほど湯せんを続け、リンデンの成分をゆっくりとオイルに抽出させます。
4. 濾す:湯せんから下ろし、オイルが冷めないうちに清潔な布やコーヒーフィルターを使ってリンデンの花が残らないように濾し取ります。
これで「リンデン浸出ホホバオイル」の完成です。
インフューズドオイルの主な作り方には、2つの方法があります。
- 温浸法(湯せん法)- 短時間で作りたい時はこの方法が便利
- 冷浸法(自然光法)- ゆっくり成分を抽出したい時に
〇オイルとハーブを瓶に入れ、直射日光の当たらない窓際などに置き、数週間(2週間〜1カ月)かけてゆっくりと自然の力で成分を抽出します。
今回は、温浸法(湯せん法)で作りました。
ステップ2
バームを仕上げる
ステップ1で作った「リンデン浸出ホホバオイル」を、バームの材料として使います。
<材料>

- ミツロウ 約15g
- シアバター 約15g
- リンデン抽出ホホバオイル 約15g
<作り方>(湯せん)
1. 溶かす:湯せん用の鍋を用意し、耐熱容器にミツロウとシアバターを入れ、完全に溶かします。

2. 混ぜる:ミツロウとシアバターが溶けたら、火から下ろし、リンデン浸出ホホバオイル(大さじ1)を加えてよくかき混ぜます。

3. 注ぐ:すべての材料が均一に混ざったら、すぐに清潔な容器に注ぎ入れます。
4. 冷やし固める:蓋を開けたまま動かさずに冷やし固めて完成です。


※犬の体質によって合わない場合がありますので、まずは少量から試しましょう。舐めてしまう犬や持病のある犬、高齢犬は獣医師に相談すると安心です。
シニア犬、朝の散歩の前に
私と愛犬あんは、夜明けとともに散歩に出かけます。冬の早朝は、冷たく澄み切った張り詰めた空気が快いものです。しかし、この心地よさは同時に、シニア犬にとっては厳しい環境でもあります。愛犬が年を重ねると、体温調節能力や筋力が低下するため、寒さ対策とペース配分がより大切になってくると感じます。
シニア犬は少しの寒さでも寒くて震えることが多くなります。我が家の柴犬あんも、朝ベッドから起きてすぐに外に出ると、ガタガタ、ブルブル、音が聞こえてきそうなくらいに震えます。震えることによって熱を発生させる「シバリング」という正常な行動*ではあるそうなのですが、震えているのを見ると、こちらまでいっそう寒くなってしまいます。嫌がらないのなら、首元からお腹、背中までをしっかり覆う、保温性の高いウェアを着用させましょう。特に心臓に近い体幹を冷やさないことが重要です。
また、朝は関節が固まりやすく、急な動きは負担になります。準備運動として、玄関先で軽く体を撫でたり、マッサージをしたりして、関節を温めるイメージで体を慣らしてから出かけるとよいようです。
若い頃のようなスピードや距離は求めず、犬のペースに合わせてゆっくりと。かくいう私も、あんと同じような年齢です。暖かくして準備をして、朝の清々しい時間を一緒に楽しめたらいいと思っています。
*シニア犬の震えの原因には寒さだけではなく、内臓疾患などいろいろな病気によって引き起こされるものがあります。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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