【夏の畑を存分に楽しむ】ギリシャ風ローストポテトのフレッシュトマトサラダ

いよいよ今年も夏が到来。キラキラの太陽を浴びて育った、色鮮やかな野菜たちが並び始めました。ジャガイモやトマトは食卓の定番ですが、やっぱり旬の物は格別。今回は、素材の味を最大に生かす、レモンとオリーブオイルのシンプルなドレッシングで、新ジャガのハーブローストとトマトを合わせた「ギリシャ風ローストポテトのトマトサラダ」をご紹介。神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動するルーシー恩田さんの野菜作りのエピソードも交えながら、レシピを教えていただきます。
目次
野菜室の帝王「ジャガイモ」

初夏のお楽しみといえば、やはりジャガイモ掘り。土から掘り出す時のワクワク感は、まるでインディージョーンズ♡ 眠っているお宝(ジャガイモ)を見つける高揚感は、何度やってもドキドキしちゃう。
常に常備しておきたい、安定感のある野菜「ジャガイモ」は、いつだって野菜室に君臨する帝王なのだ! 煮たり焼いたり揚げたり、どう転んでも美味しいジャガイモは、腹もちもよく、育てやすく、世界中で愛されているのも納得です。
凶作に見舞われた18世紀のフランス。栽培が簡単で、見かけは悪いけれど美味しく栄養価の高いジャガイモを国民に広めるために、マリー・アントワネットはジャガイモの花を髪飾りにしたんだとか。素敵な女王が付けているジャガイモなら、そりゃ国民は興味を示すでしょうねぇ。マリー・アントワネットはジャガイモのPR? 大使だったのかもしれません。ミセス・ジャガイモ♡

どんな調理法でもオールマイティに美味しいのは、やはり「きたあかり」や「メークイン」ですが、差し色として可愛く食べても美味しい「インカルージュ」と「デストロイヤー」も少し栽培しています。

「インカルージュ」は「インカのめざめ」を栽培する中で、茎と皮の色が赤く変化した株から作られた新品種。皮が鮮やかな赤紫色で、中は綺麗な黄色。その味は、栗やサツマイモを思わせる風味とホクホク感。茹でてから割って、フライドポテトにすると最高に美味しい!
美味しい物は育ててみたい! ってなわけで、今年初めて「インカルージュ」を栽培してみました。なんか小さいし、花が付かない。うまく育ってないかも? と思っていたら、「インカルージュは地上部全体が小さく、葉も小さめ。落蕾が多く、花数は少なめ」だそう。隣に植えていた「きたあかり」に比べると、かなり小さめでした。実は小さく、初めての「インカルージュ」栽培は満足な出来とはなりませんでした。しょぼーん。勉強して、出直します。

「デストロイヤー」は表皮が赤紫色で、色ムラになっちゃったみたいな見た目がユニーク。中身は鮮やかな黄色のジャガイモです。2000年に長崎県で誕生した、比較的新しい品種で、「メークイン」を品種改良した「レッドムーン」の変異株を選抜増殖したそう。加熱するとホクホクした食感になり、粘り気がある肉質で煮崩れしにくいため、煮込み料理にも向いています。
そうそう、余談ですが、私の一番好きなお味噌汁の具は、ジャガイモと玉ねぎ。子どもの頃から変わらずのベストテン第1位なのです。6月頃は新ジャガと新玉が交差する時期。マイお味噌汁ライフのベストシーズン♡
あと忘れてはいけない夏野菜は、トマト。やっぱり夏はトマトが主役です。
夏の艶艶クィーン「トマト」

夏はキラキラの太陽を浴びた露地野菜が並ぶ、一年で最も色鮮やかなシーズンです。インゲンやズッキーニ、ゴーヤにキュウリなど、初夏からは楽しみがいっぱい。収穫に追われ、キッチン仕事も大忙し。

「ザ! 夏野菜」といえば、文句なしにトマト。一年中楽しめる野菜ですが、やっぱり露地栽培のトマトには風情があります。トマトの苗の香りは、どこかノスタルジックで、小さい頃に食べたトマトの記憶が蘇るような芳香を持っています。トマトの畝横を通るたびに香りがふわーっと漂い、心が緩みます。赤く染まった、ジューシーで張りのある質感は、野菜界のクィーン♡

最近はSNSや口コミサイトで評価を見ることができる時代ですが、元祖口コミ発生源といえば、おばちゃんの井戸端会議。近所のおばちゃんから「美味しいし、綺麗だから行ってみて!」とおすすめされた、我が家から車で30分のトマト農園さんへ、今年は何度も足を運びました。

カラフルなミニトマトたちは宝石のように美しく、ビックリするほど美味しい! そんな才色兼備のトマトは、料理に使うのがおこがましいほど。そのままパクッと口に放り込むのが一番美味しい食べ方なのかもしれません。
トマトに合うハーブといえばバジルですが、自己主張弱めな優等生って感じの組み合わせ「トマト×パセリ」も大好きです。
名脇役ハーブ「パセリ」

どんなときも、片隅に植えておくと助かるハーブといえば、ミントやローズマリー、パセリなど。どれも手がかからず簡単に栽培することが可能です。
特に、あると嬉しいキッチンハーブは「パセリ」。どうやら古代ローマでは、最もよく使われていたみたい。時代と場所を超えて、私のキッチンでも最もよく使うハーブです。

畑でも欠かさず通年育てているパセリ。日本ではメジャーな葉が縮れたパセリと、葉の平たいイタリアンパセリ、どちらもあると便利です。パスタやサラダ、揚げ物に添えたり、ちょっと色味が欲しい時にもバッチリ。ほぼ常緑なので、花壇のグリーンとして植えるのも、じつはおすすめ。レースフラワーのような花が咲き、可憐で綺麗。サラダなどに添えると、香りもよく可愛く仕上がります。
ギリシャ風ローストポテトのトマトサラダ

美味しい野菜が手に入ったら、とびきりシンプルなサラダがおすすめ。大型のスーパーや産地の直売所、またはインターネットから、いろいろな物が手に入る時代に生きている私たち。せっかくだから、綺麗な色のトマトやジャガイモを使って、素材の味と色味を生かしたサラダを作りましょう。野菜を探すことから、お料理は始まっているのです。
今回ご紹介したいのは、レモンとオリーブオイルのみのドレッシングで最低限の味付けをして、ハーブやオリーブで香りを添える「ギリシャ風ローストポテトのトマトサラダ」。非常にシンプルに仕上げることで、野菜の旨味を引き立てます。
■ 材料

- 新ジャガ 約600g ※小さめがおすすめ
- 甘いミニトマト 約500g
- 種なしオリーブ 15個
- カッテージチーズ 100g
- レモン 1個半
- パセリ 数本
- ミント 数本
- ローズマリー 少々
- ガーリックパウダー 小さじ2
- 塩・胡椒 各小さじ1
- オリーブオイル 大さじ4
■ 作り方
① ジャガイモは、小さいものはそのまま、大きいものはピンポン玉ほどに揃えてカットして、沸騰したお湯で5分ほど、固めに茹でる。

② パセリとローズマリーはみじん切りにして、レモン半個はスライスする。オリーブは半分に切っておく。


③ 耐熱容器に①のジャガイモと②のハーブとスライスしたレモン、塩・胡椒、ガーリックパウダーを入れ、たっぷりのオリーブオイル(※分量外 大さじ3程度)を加えて混ぜる。

④ 220℃に予熱したオーブンで、ジャガイモに軽く焼き色が付くまで約20分焼く。

⑤ トマトは半分にカットしておく。
※ トマトが甘くない場合は、お好みで小さじ1の砂糖をトマトに混ぜかけておく。

⑥ レモン1個を絞り、オリーブオイルと混ぜてドレッシングを作る。

⑦ 焼き上がったジャガイモとトマトをお皿に盛り、ドレッシングで和えて塩・胡椒(分量外)で味を整え、オリーブとカッテージチーズ、ミントやパセリを散らして完成!

最後に加えるミントが、いい仕事しちゃうんです。少し多めに入れましょう。レモンとの相性も抜群。今回、私はモヒートミントを使いましたが、身近なミントで種類はなんでも結構です。ガーリックパウダーは、手軽でニンニク特有の尖った香りがしないので、風味付けにとっても便利です。なければ、すりおろしたニンニクで代用してみてください。コツはただ1つ! カラフルな材料で作ること。

青空が綺麗なお休みの日は、昼は直売所へのドライブや遠足をして、夕飯はカラフルで美味しい料理を作り、ゆっくりと楽しむ。そんなコースはいかがでしょう?
旅先には思わぬ発見があるかもしれません。驚きと喜びに溢れる「ギリシャ風ローストポテトのトマトサラダ」。暑い夏の日に、ぜひお試しあれ!
Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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