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夏の庭にぜひ欲しい花10選! トロピカルなものから涼しげなものまで

夏の庭にぜひ欲しい花10選! トロピカルなものから涼しげなものまで

Molly Shannon/Shutterstock.com

夏に咲く花は、原色系でトロピカルな雰囲気を持つ植物が多く、カラフルな庭づくりを楽しむことができます。一方で、涼しげな演出を狙うなら、ホワイトやブルーの花色をメインに草花のコーディネートを楽しむのもいいですね。この記事では、夏に見頃になる植物をピックアップ! 基本情報や育て方について解説していきます。

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夏に見頃になる花の特徴

夏の花
Bondar Illia/Shutterstock.com

日本の酷暑にも負けず、夏に見頃を迎える植物は、亜熱帯や熱帯地方をふるさとにするものがほとんどです。ビビッドな赤や黄色、オレンジなど鮮やかな色彩の植物が多く、元気いっぱいのサマーガーデンをつくることができます。ただし、あまりに派手やかすぎると「ちょっと暑苦しいな」と感じてしまうこともあるので、白い花やカラーリーフプランツを差し色として添えるのがおすすめです。

夏の花の育て方の注意点

夏の花
Juriah Mosin/Shutterstock.com

真夏のガーデンのメンテナンスで一番注意したいのは、やはり水やりです。鉢栽培の場合は、高温によって乾燥しやすくなるので、晴れた日は朝夕2回の水やりが欠かせません。真昼に水やりすると、土中が温かいためにお湯が注がれたような状態になり、植物が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行いましょう。ガーデニングのために外に出る際は、暑さ対策や虫対策も忘れずに

また、夏は病害虫が発生しやすい時期。花がらや枯れた葉があればまめに取り除いて、株まわりを清潔に保つことが予防につながります。病害虫発生の兆候が見られたら、早期に薬剤を使用するなどして対処を。対処が遅れると、周囲に蔓延してしまう恐れがあります。

また、暑さに負けずに次から次へとつぼみを上げてくる植物は、体力を維持するために液肥を10日に1度を目安に与えて、株の勢いを保つとよいでしょう。

夏の庭に欲しい! 人気の夏の花10選

サマーガーデンで活躍する、人気の植物をピックアップしました。ビビッドな花色で夏も元気いっぱいに咲くものや、涼感をもたらしてくれるものなど、夏の庭に迎えたくなるものばかりです。

夜に香る「月下美人」

ゲッカビジン
N.R.A. Seno Aji/Shutterstock.com

月下美人(ゲッカビジン)は、サボテン科エピフィリム属の常緑性多年草で、多肉植物に分類されています。開花期は7〜11月で、その名前の通り夜に開花し、芳香を放つのが特徴です。花色は白で、赤紫の太い花茎を伸ばした先に約20cmの大きな花が咲き、朝にはしぼんでしまいます。草丈は1〜2mになるので、倒伏を防ぐために支柱が必要です。原産地はメキシコ〜中米で、寒さに弱いので冬は日当たりのよい室内に取り込んで管理します。植え付けの適期は、生育期の5〜11月。冬に室内に取り込む必要があるので、鉢栽培で楽しむとよいでしょう。市販のサボテン・多肉植物用にブレンドされた培養土を利用すると便利です。基本的に日当たりのよい場所で管理しますが、梅雨明けから9月までの真夏は日差しが強すぎて傷むことがあるので、戸外の半日陰に移動しましょう。月下美人のような多肉植物は、体内に水分を蓄える能力があるので、水やりのしすぎに注意して乾燥気味に管理するのがポイント。肥料は、4〜10月に開花を促進するように配合された液肥を、株の状態に合わせて与えます。9月頃に、伸びすぎて邪魔になる枝を整理する程度に切り戻しましょう。5〜9月に挿し芽で増やすことができます。

日本人に馴染み深い「朝顔」

アサガオ
Maljalen/Shutterstock.com

朝顔(アサガオ)は、ヒルガオ科サツマイモ属の一年草で、つる性植物に分類されています。原産地は熱帯〜亜熱帯地域で暑さに大変強く、真夏も元気に次々と開花してくれます。春に種を播くとつるを伸ばして成長し、7月中旬〜9月に開花。種子をつけた後、秋には枯死する、ライフサイクルの短い植物です。草丈は20cm〜6mになり、つるを絡ませながら生育するので、支柱やフェンス、ネットなどを利用して誘引しましょう。花色は白、ピンク、赤、紫、青、複色咲きなどで、ラッパ形の花を咲かせて午後にはしぼんでしまうのが特徴です。昔から栽培されてきた夏の風物詩ともいえる植物で、ビギナーでも簡単に育てることができます。5月下旬〜6月頃に、日当たり・風通しのよい場所に種子を播きます。花苗店などで苗を購入した場合は、早めに植え付けましょう。乾いたら水やりし、真夏は水を欲しがるので水切れしないように管理します。6〜7月に開花を促す液肥を10日に1度を目安に与えましょう。終わった花がらや枯れ葉はまめに摘み取り、株まわりを清潔にしておきます。

明るく元気な印象に!「ヒマワリ」

ヒマワリ
Mykhailo Baidala/Shutterstock.com

ヒマワリは、キク科ヒマワリ属の一年草です。原産地は北アメリカで暑さに強く、真夏も途切れることなくよく開花します。初夏に種子を播くと旺盛に茎葉を伸ばして成長し、7〜9月に開花。種子をつけた後、秋には枯死する、ライフサイクルの短い植物です。草丈は30〜300cmで、草丈に幅があるのは、コンパクトな矮性種、人の背丈ほどになる中高性種、人の背丈を軽々と超える高性種があるからです。また、1茎に1花を咲かせるタイプや、よく枝分かれしてやや小さめの花をたくさん咲かせる多花性タイプがあります。花色は黄色が最もポピュラーですが、オレンジ、茶色、赤、複色もあり、花心は黒のほかにグリーン、オレンジなども。花弁を多数重ねる八重咲きもあり、品種を選ぶ楽しみがあります。種まきの適期は4〜6月頃。日当たり、風通しのよい場所を好みます。ヒマワリは移植を嫌う性質があるので、育てたい場所に直まきするのがおすすめです。苗を購入した場合は、すぐに根鉢を崩さずに植え付けます。乾いたらその都度水やりし、特に真夏は乾燥しやすいので水切れしないように管理しましょう。

個性的な「トケイソウ」

トケイソウ
Cezary Wojtkowski/Shutterstock.com

トケイソウ(時計草)は、トケイソウ科トケイソウ属の常緑多年草で、つる性植物に分類されています。原産地は熱帯アメリカ、アジア、オーストラリアです。暑さには強いものの寒さには弱いのですが、耐寒性は種類によって幅があり、霜が降りると枯れるものもあれば、マイナス5℃まで耐えるものも。購入時に入手した種類の耐寒性をチェックしておくとよいでしょう。つるは3m以上伸びるので、支柱やフェンス、ネットなどを利用して誘引しましょう。葉のフォルムも美しく、グリーンカーテンとしても利用できます。花色は白、赤、ピンク、黄色、紫などがあり、大変ユニークな花姿に人気があります。4月頃から生育期に入り、開花は5〜10月頃。常緑性のため冬も葉を落としませんが、生育は止まります。苗の植え付け適期は4〜6月で、日当たり、風通しのよい場所を選んで植え付けます。水やりは乾いたら行い、冬は生育が止まるので控えめにしましょう。肥料は春から秋にかけて、株の状態を見て緩効性肥料を施します。10月頃につるを剪定してコンパクトにまとめ、冬は鉢に植えて日当たりのよい室内などで管理しましょう。

梅雨の顔「アジサイ」

アジサイ
Marina Andrejchenko/Shutterstock.com

アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属(ハイドランジア属)の落葉性低木。原産地は日本で、山野に自生してきた植物なので、気候によく馴染んで放任してもよく育ちます。昔から花木として利用されており、樹高は2m程度ですが、毎年の剪定によってコントロールし、コンパクトにまとめることもできます。4月頃から生育期に入り、葉を旺盛に茂らせたのち、6〜7月頃に開花。晩秋には葉を落として休眠し、越年して再び春が訪れると生育し始める、というライフサイクルをたどります。花色は青、紫、ピンク、白、複色など。日向〜半日陰の場所を選び、やや湿り気を含む肥沃な土壌に植え付けます。乾燥しすぎると花つきが悪くなるので、水切れしないように管理しましょう。肥料は3月頃に緩効性肥料を施し、5月頃に開花を促進するように配合された液肥を与えます。10月頃に翌年に咲く花芽ができるので、深めに切り戻したい場合は9月頃までに剪定を終えましょう。古くなって枯れた枝があれば、元から切り取ります。

トロピカルな「ハイビスカス」

ハイビスカス
weter 777/Shutterstock.com

ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)の常緑性低木です。原産地はハワイ諸島、モーリシャス島で、熱帯植物に分類されています。暑さに強いものの寒さには大変弱いので、鉢栽培にして冬は日当たりがよく暖かい室内に取り込んで管理する必要があります。樹高は0.5〜2mで、毎年の剪定によってコントロールすることが可能です。4月頃から生育が始まり、枝葉を旺盛に伸ばして5〜10月に開花。常緑を保ちますが、冬は生育が止まり、越年して春には再び生育し始める、というライフサイクルをたどります。植え付けの適期は5〜6月。苗木を入手したら1〜2回り大きな鉢に植え付け、日当たり、風通しのよい場所で管理します。水やりは表土が乾いたらたっぷりと与え、冬は生育が止まるので控えめにするとよいでしょう。5〜10月に株の状態を見て、開花を促す液肥を与えて樹勢を保ちます。剪定の適期は4月か10月です。込み合っている部分や樹形を乱す枝などを切り取って風通しをよくします。

花いっぱい! 半日陰もOKな「インパチェンス」

インパチェンス
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インパチェンスはツリフネソウ科ツリフネソウ属(インパチェンス属)の春まき一年草です。原産地は熱帯アフリカ。春に種子を播いて育苗すると、5〜11月上旬に開花します。寒さには弱く晩秋には枯死してしまう、ライフサイクルの短い植物です。草丈は15〜40cmほどで、花壇の前面〜中段向き。花色は白、ピンク、赤、複色で、一重咲き、八重咲きがあります。初夏から出回り始める苗を購入して植え付けると手軽ですが、入手したら早めに植え付けましょう。日当たり、風通しのよい場所を好みます。苗が幼いうちに摘心を繰り返して分枝を促すと、こんもりとボリューム感のある草姿に仕立てることが可能です。水やりは表土が乾いたらたっぷりと与え、開花期は真夏を除いて開花を促す成分が配合された液肥を与えて株の勢いを保ちましょう。終わった花がらは適宜摘み取り、株まわりを清潔に保ちます。草姿が乱れてくる真夏に草丈の半分くらいまで切り戻すと、涼しくなる頃に再び旺盛に生育し、秋まで開花を楽しめますよ!

美しく涼しげな「スイレン」

スイレン
Noemi S Rivera/Shutterstock.com

熱帯性スイレンと温帯性スイレンがあるので、購入時に耐寒温度などを確認し、適した冬越し対策をしましょう。スイレンはスイレン科スイレン属の多年草で、水生植物に分類されています。原産地は熱帯アフリカ、南米、オーストラリア、熱帯アジアほか、世界の温帯地域などです。花色は白、ピンク、赤、紫、青、黄色、複色など。植え付けの適期は、5月下旬〜8月。苗を入手したら、6号鉢に水生植物用の培養土を使って根鉢を崩さずに植え付け、水を張ったスイレン鉢に沈めます。水位は、芽の位置から水面までが10cm以上になるように調整します。肥料は6〜9月頃、月に1度を目安に緩効性肥料を埋め込んで株の勢いを保ちましょう。水鉢にボウフラが発生しやすいので、一緒にメダカを飼うのもおすすめです。終わった花や枯れ葉はまめに処分し、清潔に保つよう心がけてください。

他の花を害虫から守ってくれる「マリーゴールド」

マリーゴールド
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マリーゴールドは、キク科マンジュギク属(タゲテス属)の春まき一年草です。原産地はメキシコ、中央アメリカ、アフリカ。春に種子を播いて育苗すると4〜11月に開花、寒さには弱く晩秋には枯死します。約50種があるとされますが、日本で主に流通しているのは、花が小さめでたくさんの花が咲くフレンチ・マリーゴールドと、花が大きめで花弁を多数重ねるアフリカン・マリーゴールド。土中に生息するセンチュウを寄せつけない性質があり、センチュウの害にあいやすい植物と一緒に植えるのもおすすめです。草丈は20〜100cmほどで、花壇の中段向き。花色は黄色、オレンジ、赤、白、複色で、一重咲き、八重咲きがあります。初夏から出回り始める苗を購入して植え付けると手軽です。マリーゴールドは日当たり、風通しのよい場所を好みます。苗が幼いうちに摘心を繰り返して分枝を促すと、こんもりとボリューム感のある草姿になります。水やりは表土が乾いたらたっぷりと。開花期は真夏を除いて液肥を与え、株の勢いを保ちましょう。終わった花は適宜摘み取り、株まわりを清潔に保ちます。草姿が乱れてくる真夏に草丈の半分くらいまで切り戻すと、涼しくなる頃に再び旺盛に生育し、秋まで開花を楽しめますよ!

秋口まで長く楽しめる「トルコギキョウ」

トルコギキョウ
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トルコギキョウは、リンドウ科トルコギキョウ属(ユーストマ属)の秋まき一年草です。原産地は、北アメリカ南西部〜南部、メキシコ、南アメリカ北部。秋に種子を播いて育苗し、越年させると春から旺盛に生育します。開花期は5〜7月、9〜10月で、花が終わると枯死します。草丈は30〜90cmほどで、花壇の中段〜後段向き。花色は白、ピンク、紫、青、黄色、緑、複色で、一重咲き、八重咲き、スプレー咲きなどがあります。トルコギキョウは種まきから育てると時間も手間もかかるので、苗を購入して植え付けると手軽です。日当たり、風通しのよい場所を好みます。苗が幼いうちに摘心を繰り返して分枝を促すと、こんもりとボリューム感のある草姿に仕立てることが可能です。丈が高くなる品種は、早めに支柱を設置して倒伏を防ぎましょう。水やりは表土が乾いたらたっぷりと与え、乾燥させすぎないように注意。開花期は真夏を除いて開花を促す成分が配合された液肥を与えて株の勢いを保ちましょう。終わった花がらは適宜摘み取り、株まわりを清潔に保ちます。真夏前に開花が少なくなって草姿が乱れてきたら、丈の半分くらいまで切り戻すと、涼しくなる頃に勢いを取り戻して再び開花し始めます。

花々と一緒に夏を楽しもう!

夏の花
Thananun Leungchaiya/Shutterstock.com

温帯地域がふるさとの植物が真夏の暑さを苦手とするなかで、亜熱帯、熱帯地域で自生してきた植物たちは、「ここが見せ場!」とばかりに、トロピカルな雰囲気の花々をたっぷりと咲かせてアピールしてくれます。暑さに負けない植物たちの強さ、生命力に、私たちも元気をもらえます。この夏、ご紹介した植物を庭に迎えて、癒やしを得てはいかがでしょうか?

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