春から秋にかけて、長く花壇やコンテナを彩ってくれる花、ペチュニア。バリエーション豊富で育てやすく、あふれんばかりにたくさんの花を咲かせるペチュニアは、ガーデナーにとって頼れる存在です。そんなペチュニアの使い方や育て方を、ガーデンでの写真とともにご紹介します。

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ペチュニアとは

「サフィニアアート」‘ももいろハート’(発売/サントリーフラワーズ)。

夏の花壇や寄せ植えを彩る代表的な花の一つがペチュニアです。優しい印象の花を咲かせるペチュニアは、暑い夏の間もよく咲いて花期が長く楽しめ、育てやすく、品種のバリエーション豊富でほかの花とも合わせやすい、と良いことずくめ。コンテナや花壇、ハンギングバスケットなど、ガーデニングの定番の花の一つとして、ガーデンには欠かせない存在です。鉢から溢れ出るほどにたくさんの花を咲かせ、こんもりと茂る姿はとても可愛らしいですね。成長が速くて丈夫なので、ガーデニング初心者にもオススメの花です。

ペチュニアはナス科の植物で、本来は多年草ですが、寒さに弱いため日本では基本的に一年草として扱われます。品種改良が進んだ結果、栄養系品種の元祖である「サフィニア」から始まり、「スーパーチュニア」、「バカラ」など、より花数が多く、丈夫で育てやすい園芸品種も多数登場しています。

ペチュニアのバリエーション

色とりどりのサフィニア
「サフィニア」シリーズ。「フラワートライアルジャパン2018秋」にて撮影。

ペチュニアには多くの品種があり、一般的な一重咲きの品種や八重咲き品種、大輪品種から小輪品種まで咲き姿もさまざま。花色も、白やピンク、赤、紫、黄色などから、覆輪や縞の入ったものまで多彩です。バリエーションが豊富なので、お気に入りの品種を育てたり、新しい品種に挑戦したりと、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。

カラフルなペチュニア
カラフルなペチュニアのミックス。Tadeas Skuhra/Shutterstock.com
‘紫色小町’(発売/ハルディン)
‘紫色小町’(発売/ハルディン)
‘ミス・マーベラス’(発売/ハルディン)
‘ミス・マーベラス’(発売/ハルディン)
ペチュニアプレミアムコレクション‘カプチーノ’(発売/M&B Flora)
ペチュニアプレミアムコレクション‘カプチーノ’(発売/M&B Flora)
ペチュニアプレミアムコレクション‘セミダブル・アプリコット’(発売/M&B Flora)
ペチュニアプレミアムコレクション‘セミダブル・アプリコット’(発売/M&B Flora)
ペチュニア「なっちゅん」‘もも’(発売/M&B Flora)
ペチュニア「なっちゅん」‘もも’(発売/M&B Flora)
「サフィニアアート」‘ももいろハート’(発売/サントリーフラワーズ)
「サフィニアアート」‘ももいろハート’(発売/サントリーフラワーズ)。
花色や模様、花形など、バリエーション豊かで選ぶのも楽しい。いずれも「フラワートライアルジャパン2018秋」にて撮影。
黒花のペチュニア
シックな黒花に白い覆輪が入り、星型の花がくっきり見える品種も。
ピンクのペチュニア
ふんわりとした花弁で優しい印象のピンクのペチュニア。Panwasin seemala/Shutterstock.com

ペチュニアの使い方

カラーバリエーションが広く、どんな花とも合わせやすい姿で、長く咲き続くペチュニアは寄せ植えにオススメの花。ペチュニアだけの単体で鉢に植えても可愛らしいですね。

グラス類とペチュニアの寄せ植え
風になびくグラスと合わせてナチュラルな印象。
ペチュニアの寄せ植え
アンティークな花色のペチュニアを、デコラティブな鉢の寄せ植えの主役に。
ペチュニアの咲くコンテナ
カラフルなペチュニアがあふれるほどに咲くコンテナ。wolfness72/Shutterstock.com
ペチュニアのコンテナ
ペチュニアを単体植えにした鉢を並べて寄せ鉢ガーデニング。
自転車を利用したペチュニアの寄せ植え
自転車を使った可愛らしいディスプレイ。aimpol buranet/Shutterstock.com

また、匍匐するタイプのペチュニアは、鉢から枝垂れるように育つのでハンギングバスケットなど、空中や壁に吊り下げて使うのにもぴったり。ペチュニアは蒸れを嫌うので、通気性のよいハンギングの環境での栽培にも向き、元気に咲いてくれます。海外の町で、ペチュニアのハンギングを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

ペチュニアのハンギングバスケット
ペチュニアを使ったハンギングバスケットは定番の一つ。Yuriy Chertok/Shutterstock.com
ペチュニアのハンギングバスケット
イギリスで見かけたペチュニアのハンギングバスケット。
ペチュニアのウィンドウボックス
encierro/Shutterstock.com
ペチュニアのウィンドウボックス
ヨーロッパでは、ペチュニアをウィンドウボックスに仕立てて、窓からたっぷり咲かせている光景もよく見られます。Minoli/Shutterstock.com
ペチュニアのハンギング
壁掛けタイプのハンギングバスケットにも。Tepikina Nastya/Shutterstock.com

鉢植えとハンギングを同じ花色のペチュニアで組み合わせれば、統一感のある光景に。イギリスで見かけた素敵なアイデアです。

白とピンクのペチュニアで飾ったホテル
イギリスのホテルでは、ピンクと白のペチュニアだけを植え込んで花の彩りに。
白とピンクのペチュニアを使ったホテルの花飾り
2階の窓辺には鉢植えを、1階の窓上からはハンギングを吊るして、白色の外観にさりげなく色が添えられています。あれこれ植えなくても素敵に見える、ペチュニアを使ったセンスある花飾りの例ですね。

ペチュニアは、初夏から夏ごろにかけて、公園や公共の花壇などでも地植えでよく使われています。基本的に低く広がって育つので、花壇に植栽する時は手前に植えるのがオススメです。

ペチュニアの花壇
Ozgur Coskun/Shutterstock.com
ペチュニアの花壇
こんもりと見事に育ったペチュニア。Caroline Jane Anderson/Shutterstock.com

ペチュニアの育て方

紫のペチュニア
aniana/Shutterstock.com

ペチュニアは、4~5月頃に出回る苗を買って育てるのが一般的。基本的に一年草で、冬越しや挿し芽をして翌年以降育てることもできますが、冬越しは難しく、花付きが悪くなったり病気にかかりやすくなるため、毎年季節がきたら新しい苗を購入するほうがよいでしょう。連作障害(同じ場所に同じ植物、または同じ科の植物を続けて栽培することにより生じる、生育が悪くなる、病気が発生しやすくなるなどの現象のこと)が起きやすいナス科の植物なので、栽培場所を変えたり、新しい土を使って育てます。苗を購入する際は、株張りがよく茎が伸びすぎていないもの、下葉が黄変したりモザイク模様になったりしていない健康な株を選びましょう。また、少し値は張りますが、園芸品種のブランド苗を購入するのがオススメ。大きく花付きよく成長します。秋か春に細かなタネを播いても育てることができます。

ペチュニアは日光を好むので、栽培は日当たりのよい場所で。また、暑さや乾燥には強いですが、雨に弱いため、特に梅雨時は直接雨の当たらない場所で育てるとよいでしょう。改良品種は雨に強くなっていますが、軒下などで管理するのが無難です。また、泥がはねて株につくと病気が発生しやすくなるので、鉢を土の上に直接置かず、少し高い場所に置くなどして対策しましょう。

ペチュニアのハンギング
Licvin/Shutterstock.com

植え付けの際は黄色い葉や花がらを取り除き、根を軽くほぐしてから植え付けます。その際、深植えにしないようにするのがコツです。また、植え付け後に茎の先端を摘む「摘心(てきしん)」作業をすることで、脇芽がよく出て花数を増やすことができます。ペチュニアは生育旺盛で、品種によっては株の幅が30cm以上と大きく成長するので、植え付けの際は株の間隔を広く取り、土が足りなくならないよう大きめの鉢に植えるのがオススメです。成長すると鉢の縁から枝垂れるように育つので、高さのある鉢を使うとよいでしょう。

水やりは土の表面が乾いたら。成長期は水をよく吸い上げ、また夏は乾燥しやすいので水切れには注意しましょう。ただし、根腐れ防止のため、土が湿っていたら水やりは必要ありません。花に水がかかると傷んでしぼむことがありますが、それ以上に花が咲くのであまり気にしなくてもよいでしょう。

梅雨時は蒸れに注意が必要。蒸れを防止するために、全体の1/2~1/3程度を残して切り戻しをします。株姿が乱れてきたら同様に切り戻しをすることで、晩秋まで花を楽しむことができます。

開花期には適宜花がら摘みを行います。ペチュニアは枝葉がべたべたしているため、花がらがくっついて見た目が悪くなりやすいだけでなく、病気の発生源になることがあるので、こまめな花がら摘みが大切です。こまめな花がら摘みが難しい時は、花が大体終わったら、切り戻しを兼ねて枝ごと切るとよいでしょう。また、開花期には肥料を多く必要とし、肥料が切れると花が休みがちになったり、葉が黄色くなったりします。適宜追肥を行いましょう。

ペチュニアをこんもり形よく育てるためのコツ

ペチュニアをこんもり育てるコツ
Tepikina Nastya/Shutterstock.com

ペチュニアは成長してくると、次第に株の中心の葉が枯れたり、伸びすぎた枝の先にしか花が咲かなくなったりして見た目が悪くなりがちです。きれいなこんもりとした見た目を保ち、花をたくさん咲かすコツは、「摘心」と「切り戻し」。上に書いた通り、新芽が出たらこまめに摘心をすることで脇芽が多く出て枝が増え、結果として花数が増えるとともに、こんもりと茂らせることができます。株姿が乱れてきたら切り戻しをすると、摘心と同様に新しい脇芽の発生を促して株姿を整えることができ、蒸れ防止にも効果があります。ペチュニアは成長が速いので、思い切ってバッサリ切ってしまっても大丈夫ですよ。

また、ペチュニアはたくさんの花を咲かせるため、肥料を多く必要とします。小さめのプランターに植えてある場合、株に対して土が少なくなりがちで、肥料やミネラルが不足することがよくあります。肥料が切れると花が止まりがちになりますので、適宜追肥を施しましょう。

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Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考:みんなの趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/

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