数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材をもとに編集部がセレクトした植えどき・買い時・咲き時のオススメ植物をご紹介します。今回は、夏休みの観察日記などでも馴染み深い花、アサガオをピックアップ。

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育てやすくてかわいいアサガオ

夏の日の朝早く、伸ばしたつるに花を咲かせるアサガオは、この季節の風物詩。夏休みにアサガオの観察日記をつけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。左巻きに周囲のものに巻きつきながら成長するつる植物で、鉢の周囲に数本の支柱を立てて水平に輪を渡し、らせん状に誘引する行灯仕立てにして育てるほか、緑のカーテンにもよく利用されています。

アサガオはヒルガオ科の一年草。日本原産ではなく、今から1,000年以上前の奈良時代に、遣唐使によって伝えられたといわれます。当初はアサガオのタネが漢方薬として重用されていましたが、江戸時代頃から観賞用として栽培されるようになりました。江戸時代には品種改良が盛んになり、さまざまな色や形を持つアサガオが生まれました。アサガオと名のつくものにはほかに、宿根性でより丈夫なノアサガオ(琉球アサガオ)や、昼に花を咲かせ、抜けるような空色の花が有名なセイヨウアサガオなどもあります。

セイヨウアサガオ‘ヘブンリー・ブルー’

変化朝顔と朝顔市

2017年7月に東京・日比谷公園で行われた変化朝顔展示会&大輪朝顔共催展示会。

アサガオは日本で最も発達した古典園芸植物の一つで、江戸時代に非常に流行しました。鉢植えや垣根で手軽に育てられることから、下級武士や江戸庶民にも広く愛されていたようです。たくさんのアサガオが栽培されたこの時代、花弁が細く切れ込んだり、八重咲きになったりといった本来の花形からさまざまに変化したものが次々に生まれました。花だけでなく、葉も広くバラエティに富んだ形のものが現れます。アサガオとは思えないほど多種多様な姿を持つこれらの花には散逸してしまったものもありますが、現代にも伝わる系統は「変化朝顔」と呼ばれ、愛好家を惹きつけています。

江戸っ子の夏の風物詩だったアサガオへの熱気を現代に伝える行事の一つに、「入谷朝顔まつり」があります。江戸時代末期には、主に今の御徒町付近の下級武士により盛んにアサガオが栽培されていたといわれ、その後、明治政府への変遷に伴い、入谷の植木屋が育てるようになりました。その出来栄えのよさが評判を呼び、最盛期には、往来止めになるほど人が集まり、1,000種を超えるアサガオが並んで多様な花を咲かせていたそうです。大正時代に一度は途切れたものの、その後復活。七夕前後の3日間、入谷鬼子母神を中心として朝顔業者や露店が並び、毎年多くの人でにぎわう日本最大の朝顔市として、今も下町の夏の風物詩となっています。

アサガオの育て方

アサガオはタネから育てるのが一般的ですが、初夏に出回る苗を植え付けるのもオススメです。タネ播き適期は5月中旬~6月頃。アサガオのタネは表皮がとても堅いので、吸水・発芽しやすくするために、タネにヤスリやニッパーなどで少し傷をつける「芽切り」という作業を行い、一晩しっかり吸水させてから播きましょう。芽切りの際は、発芽部である白い部分を傷つけないようにご注意を。市販のタネにはすでに処理が施されているものも多いので、タネ袋をよく確認してから作業します。タネを播いたら1~2㎝ほどの厚さでしっかり覆土します。

植え付け場所には、風通しと日当たりがよい場所を。西日は避けたほうが無難です。短日植物なので、夜には光が当たらないよう気を付けましょう。開花が始まったら、水をたっぷりと与えます。特に鉢植えは乾きやすいので、生育旺盛な夏には、様子を見ながら朝夕2回の水やりを。ある程度大きくなったら、親づるの先端を切る摘心をすることで小づるを増やし、花つきをよくすることができます。小づるが伸び始めたら、行灯仕立てや緑のカーテンなどに誘引しましょう。

花つきがよいアサガオは、肥料が切れやすいため、開花中は適宜追肥を行います。肥料が切れると花が止まりがちになります。次々に花が咲くので、花がら摘みも忘れずに。タネを採る場合は、秋の花を摘まずに残してタネをつくらせ、実の外皮が乾燥してから採るとよいでしょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Photo/ 1)ambenvalee/ 2)Teresa Design Room/ 3)Hemerocallis/ 5) ST-photo/ 6)ruiruito/ 7)Joe Ferrer/ Shutterstock.com

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