スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート②
(『千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート①』より続き) 川越さん(以下敬称略) 私はこの平成という時代は、パンジー・ビオラという花の歴史において、記録されるべき時代だと思っています。というのも、平成になってパンジー・ビオラは日本独自の進化が始まり、その進化は劇的な速さで進んでいます。菊や朝顔も、江戸時代に育種が盛んになって独自の変化を遂げ、現在は日本の花として認識されていますが、そもそもそれらは外国からやってきたものです。それを日本人の美意識で進化発展させ、今では日本の伝統園芸植物として世界中に知らしめるまでになっています。そして、パンジー・ビオラは今、まさにそれと同様の歴史を辿っているところなんです。 編集部) 個人育種のパンジー・ビオラには、日本らしさが反映されているということですか。 川越) ええ、確実に。外国から来たものは、日本にその花が入ってきた時点で、既に外国で完成された美意識とともにやってくるわけです。パンジー・ビオラに関していえば、原種の細弁に対して花弁をどれほど丸く整えるかが育種目標の一つ。ですから、乱れているものは親株に残しちゃいけないという選抜基準があったわけです。でも八重咲きの始まりというのは、花弁の乱れだったんですよ。花弁が乱れた一株から始まって、3代目くらいで完全な八重咲きとして分離できる系統ができてしまったんですね。もしも最初からこんな美しい八重咲きの完成形が見えていたなら、ヨーロッパの人も選抜したかもしれませんが、最初の段階では、ちょっとした花弁の乱れなんです。そこに価値を見出すところに、日本独自の美意識が反映されているんです。少なくとも花弁が切れた花とか、「焼け」の入る花なんて、海外だったら汚いといって選抜から外され、淘汰されていくと思います。 編集部) 「欠損品」ということですね。 川越) 一つの基準から見ればそうです。でも、「欠点」と思われていたものに価値を見出して、こんなに独自性豊かな美しい世界をつくれるというところが、日本人らしさであり、私にはそこがとても魅力的なんです。そういうセンスを日本人は持っているんですね。欠点にすら積極的に価値を見出すことのできる柔軟性と独自性、そして見出しただけでなく、それを磨き上げて発展させ、新しい美の様式をつくることができるという点。そういうところは、まさしく「侘び寂び」という日本人ならではの感覚だと思います。ですから、ここにある平成のパンジー・ビオラは、間違いなく日本だからこそ生まれた花姿なんですね。 そして、そういう花をつくる人がいて、それに共鳴できる人もいるからこそ、ここまで発展しているんですね。この展覧会は10年目を迎えますが、第1回目にこの平塚さんが作出した‘ドリームワンダー’という「焼け」の入る花を見て、お客さんが「渋くていいわー」と言ったんです。変な言い方ですけど、普通の宮崎の田舎のおばちゃんですよ。ですが、これらのパンジー・ビオラに対して「渋くていい」なんて感覚を持てるというのは、まさしくそれこそが日本人の美意識なんですね。 編集部) 面白いですね。この風土に培われた文化とか美意識が、おばちゃんの何気ない一言にも感じられますね。 川越) 本当ですよね。近年は“エボルベ”の登場によって青染み(ブルーイング発色)の「くすみ」系の色合いが流行しましたが、パンジー・ビオラは進化が早いので、また来年はガラッと変わったものが出てくるはずですよ。今度はクリアな色や鮮やかな色が注目されています。この振れ幅、多様性が魅力なんです。やる人が増えれば増える分だけ、この多様性は広がっていきます。だから、この育種という楽しみをどんどんたくさんの人に知っていただいて、多くの人に参加していただいて、この花の世界が無限に広がっていくのをずっと見ていたいなと思います。みんなが参加してくれたおかげで、ここまで広がったんですよ。 (『千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート③』へ続く) Information Andersen アナーセン 宮崎県宮崎市跡江1380−9 TEL & FAX 0985-48-2668 OPEN 10:00 – 18:00 月曜定休 http://andersen-flower.com Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート①
編集部) アナーセンさんで開催されるこのパンジー・ビオラ作品展は、今年10年目を迎えるということですが、市場では目にしない個性的な花ばかりが一堂に会していて驚くばかりです。これらの花はどういったものなのでしょうか。 川越さん(以下敬称略) これらはすべて個人育種のパンジー・ビオラなんです。育種というと、専門的で難しそうな世界に聞こえるかもしれませんが、実はそんなことはなくて、誰でもできるんですよ。育種は異なる花同士を掛け合わせてタネをつくり、それを播いて新しい花を生み出すのですが、特にこのパンジー・ビオラは一年草で種を播いて3カ月後には結果が出ますし、もともと交雑しやすく新しい花が生まれやすいので、育種しやすいんです。花なんか育てたことないっていう人でも、できますよ。実際、今回作品展に出品している育種家さんには、そういう主婦の方もいます。 編集部) 今年は何人くらいの方が参加したのですか? 川越) 25人の個人育種家の方と、企業では横浜植木さん、ゲブラナガトヨさんにもご協力いただきました。宮崎の育種家さんが多いのですが、全国の育種家さんたちも参加してくださっています。回数を重ねるごとに本当にたくさんの方が参加してくださるようになって、女性の育種家の方もとても増えましたよ。女性の感性は育種の世界で際立って特徴的ですね。 編集部) それは例えば、どんな特徴があるんでしょう。 川越) 例えば、女性的な美的感覚を最初に発揮されたのは、落合けいこさん(やまね工房)です。落合さんの代表作は八重咲きですが、一重咲きも柔らかい色合いで、花弁に独特のフリルがかかっていて、それがとてもエレガントなんです。彼女の作品に‘ドレスデン’という八重咲きの品種がありますが、一輪でもコサージュにできそうな、花弁が豊かに20枚くらい重なっているもので、とても印象的な花です。落合さんの登場によって、女性たちが「私にもできるかもしれない」と、育種の世界に参加し始めたことが、パンジー・ビオラの世界を近年、新たに広げています。 それからコウロギノブコさん(興梠花卉園)。コウロギさんは「造形のコウロギ」とも呼ばれていて、「反転咲き」という、花弁をシクラメンのようにひるがえして咲く個性的な花形を完成させました。この花から派生していろいろな品種が生まれています。 彼女自身が今取り組んでいるのは、パンジー・ビオラに未だかつてないグリーンの花色。年々、緑が濃くなってきていて、新しい花の完成にワクワクします。 編集部) なるほど、皆さんそれぞれに個性があるんですね。 川越) 人によって求めるものが違うので、同じタネからスタートしたとしても、選抜を繰り返していくうちに全然違う世界ができ上がってくるんです。これがとても大事なことです。この多様性がとっても大事。育種の場合は、人と同じじゃダメなんですね。 かといって、先ほども言ったように、始めるのは決して難しい世界じゃないんです。今回出品してくださっている、ありまひろこさんは、私がタネを3年前に差し上げたところ、すっかり育種の世界にはまってしまいました。それまでタネを播いて苗を育てるなんてことをしたことがなかったんですが、今は大輪のフリルというテーマに取り組んでいます。ブラックやワインカラーの渋めの色目で、独特のラッフルが際立つ花です。 編集部) 花径7〜8㎝くらいあるでしょうか。とてもインパクトがありますね。 川越) ええ、素敵でしょう。それから石村あさみさんの網目(ベイン)模様。網目模様自体はこれまでにもあるのですが、彼女のは可愛らしい繊細な感じに仕上がっているのが特徴です。それから、「がく羽」も彼女のテーマですね。通常ガクは5枚ですが、その2枚が花弁に変化しているというレアな個体から選抜したものです。突然変異で出たものですが、このガクの2枚を大きくしていけば、もっとインパクトの強いものができて、またこれまでにない面白いグループができ上がるはずです。しかし、誰もまだやったことがないので、どうしたらいいのかが分からない手探り状態。もしかしたらこの2枚のガクだけでなく、全てのガクが花弁に変わる可能性もあるので、とにかく追求する面白さがありますね。 編集部) こんなふうに、突然変異として生まれた個体を親株として育種に使うということもあるんですね。 川越) ええ、あるのですが、突然変異で出た特徴というのは、必ずしも次世代の花に受け継がれるわけではないんです。これは交配したものでもそうですが、親株と同じ特徴を持っているという保証はないんです。育種は運みたいなところもあって、伝わらなければ一代限りなんですね。残したい特徴を固定させるためには運もあるし、もちろん丹念なデータ収集も必要で、そうやって何世代も選抜を繰り返して、ある程度安定したものは、流通にのっていくことができます。ですから、商業的に考えた場合には手間がかかりすぎて、必ずしも生産性がいいとはいえないんです。 編集部) なるほど。でも、そもそも個人育種の場合は、選抜の目的が必ずしも商業的ではないからこそ、自分の求める姿を追求できるということもあるのですね。 川越) ええ。運もあるけれど、その前にどの花を選抜するのかというのは、その人の感性次第です。同じように見えるたくさんの花の中から、花の個性を発見する目を持たなければなりません。そして、自分がいいと思う個性を次世代でさらに際立たせるよう、目を磨いて、感性を磨いて選抜を繰り返していきます。ですから、ある意味、ここに並ぶ個人育種家のパンジー・ビオラは、工芸的な価値があると思いますよ。 例えば、「ブルーイング」はその名のとおり花色が「青味を帯びる」現象ですが、その色合いは藍を水で薄めたようなぼかしの色合い。これは大牟田尚徳さん(アイディアルフワラー)が選抜した“エボルベ”というシリーズの1系統で、本来はローズやピンクで出ていたのが、アプリコットやブラウンなどにブルーのぼかしが重なる色が出て、パンジー・ビオラでこんな色表現ができるのかと驚きを以て迎えられた花色です。 編集部) 絵描きが嫉妬しそうな魅惑の色ですね。 川越) ええ、本当に。芸術的ですよね。それから平塚弘子さんの‘ドリームワンダー’など、「焼け」といわれる形質を持った花も特筆すべき新たな系統です。「焼け」というのは、花弁の中にシルバーでキラキラと光る部分ができる形質のことをそう呼んでいます。それから、木村靖さん(Kim農園)のブロッチ覆輪や斑入り。花弁の中心の黒い部分をブロッチと呼ぶのですが、これは海外で完成された一つのパンジー・ビオラの美の完成形でもあるんです。しかし、ブロッチを上の花弁にもこんなにキレイに出すのは本当に手間がかかって大変。斑入りも大変なんです。だから種苗会社はやらないんですが、すごく個性的でしょう。 編集部) そうですね。みんなパンジー・ビオラですけど、ここにあるものは似たものってないですね。 川越) 佐藤清史さんの育成品で「切れ弁」という形質を持った“ギザギザビオラ”も、パンジー・ビオラの概念を変えるような個性ですよ。カーネーションのように花弁の縁に切れ込みが入る花なんですが、佐藤さんは16年ほど前に市販品種からたった一株出現した個体から採種を繰り返し、ここまでの変異を広げてきました。育種というと「交配」がメインのように考えられがちですが、このように変異個体の拾い上げも重要なんです。それは「狙ってできるものではない」形質が多いからなんですね。この切れ弁と大牟田さんの色を掛け合わせて誕生したものもあります。 編集部) 「狙ってできるわけではない」というと、もう神様の領域ですね。神様の領域と人の感性とで、この世にない花が生まれているんですね。昨年まではこの世にはなかった花が、全国からここに集まっていることにも驚きです。花き市場などで行われる新作発表会はよくありますが、アナーセンさんはフラワーショップですものね。 川越) ええ。アナーセンのオーナー、川口のり子さんの「宮崎から新しい花文化を発信したい」という想い、もちろん私にもパンジー・ビオラの魅力をたくさんの方に伝えたいという想いがあって、それから育種家さんたちの想いがあって、10年間実現してきた作品展です。ここにある花のほとんどは、育種家さんたちから親株をレンタルしているんですよ。 編集部) 親株といえば、タネをとるための、いわば育種では最も大事な株ですよね。すごい信頼関係の上に成り立っている作品展なんですね。 川越) 本当にありがたいことです。ここには間違いなく日本の最先端のパンジー・ビオラが集まっていますが、それを宮崎の花屋さんでやっているというのは、面白いかもしれませんね。 (『千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート②』へ続く) information Andersen アナーセン 宮崎県宮崎市跡江1380−9 TEL & FAX 0985-48-2668 OPEN 10:00 – 18:00 月曜定休 http://andersen-flower.com Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

古くから物語に描かれ続ける毒草 マンドレイク
マンドレイク 植物データ 名称:マンドレイク 英名・別名:マンドラゴラ、恋茄子 学名:Mandragora officinarum 科:ナス科 有毒部位:根、果実 有毒成分:トロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミンなどのアルカロイド 中の薬液をすっかりお飲みになるがよい。とたちまちそなたの血管中を、冷たい眠いものが駆けめぐってな、平常の脈搏は動かなくなって、止まってしまう。 (『ロミオとジュリエット』中野好夫訳 新潮文庫) 16世紀に劇作家・シェークスピアの手により書かれたとされる戯曲『ロミオとジュリエット』。今なお傑作と名高い悲恋劇です。皆さんもご存じの通り、敵対する両家のロミオとジュリエットが恋に落ちたことから始まる物語ですが、その中でジュリエットが意に染まぬ結婚から逃れるために、死を偽装するシーンがあります。結果的に、これが悲劇的な結末への引き金を引くことになりますが、さてジュリエットに仮死状態をもたらした眠り薬が、上記のもの。薬草や毒草に詳しい僧(修道士)ロレンスから手に入れたものです。この眠り薬に用いられた毒草が、今回ご紹介するマンドレイク(マンドラゴラ)です。 マンドレイクはナス科の多年草。ベラドンナなど、ナス科の仲間には悪名高い毒草が数種類ありますが、マンドレイクの毒性はそれらに比べて特別高いわけではありません。しかしながら、マンドレイクは、この植物にしかない伝承に彩られた毒草であり、古くからさまざまな物語に多く登場します。この伝承の中のマンドレイクのほうが有名になってしまったため、創作上の毒草と思われることもありますが、実際に存在する植物です。 薄紫色の釣鐘状の花を咲かせ、トマトに似た弱い毒のある実をつけるマンドレイクですが、この植物の真髄は、何といっても根にあります。マンドレイクの根は、細根が複雑に絡み合った形をしていて、しばしば人の姿に見立てられてきました。マンドレイクには性別もあり、咲く時期や色により、男女が分かれるとされていたそうです。 伝承に登場するマンドレイクは、引き抜く際に叫び声をあげるとされ、この声を聴いたものは錯乱する、または絶命するといわれています。しかしながら、マンドレイクは錬金術や呪術にも使われ、媚薬や不老不死の薬の原料となる高価な薬草であるとされていたため、この根はとても価値の高いものでした。そこで、自分によくなついた犬をマンドレイクにつなぎ、遠くから呼び寄せることでマンドレイクを掘り出すという方法をとっていました。犬はマンドレイクの悲鳴で命を落としますが、その犠牲で根を手に入れることができるというわけです。 前述の『ロミオとジュリエット』でも、ジュリエットが語る墓地の描写に、マンドレイクの叫び声が登場します。また、最近では『ハリー・ポッター』シリーズでも、ホグワーツ魔法学校の授業の中で、薬草の一つとして叫ぶマンドレイクが取り扱われる描写がありました。実際のマンドレイクはもちろん叫ぶことはありませんが、細根が絡み合っているため、引き抜く際はこの根がちぎれて音が鳴るといいます。 マンドレイクには、アトロピンやヒヨスチアミンなど、アルカロイド系の有毒成分が多数含まれており、摂取すると幻覚作用を引き起こし、神経系を鈍らせて昏睡を招きます。薬草や毒草としての歴史は非常に古く、旧約聖書や古代ギリシアの書物にも記述があり、ツタンカーメンの墓には栽培の様子が描かれているそうです。また、紀元前200年頃、北アフリカのカルタゴを巡る戦いで、ハンニバル将軍の率いるカルタゴ軍が、マンドレイクを利用して戦いに勝利を収めたという伝承があります。この戦いで、カルタゴ軍は、マンドレイク入りのワインの宴席を用意して一度兵を引き、街に入ってきた敵軍がそれを戦勝祝いに飲んだところで引き返して勝利を挙げたとされています。 古くから人々に利用され、さまざまな伝承に登場し、今なお物語の中に登場し続けるマンドレイク。毒草であるからこそ、このような危険な魅力が私たちの興味を引き続けるのかもしれません。日本ではなかなか見る機会のないマンドレイクですが、植物園などで栽培されている場合があります。広島植物公園では、2017年の12月に希少な2株の開花展示が行われました。また、国立科学博物館筑波実験植物園でも過去に開花し、2018年3月には、大阪府「咲くやこの花館」で開花中のニュースも。日本の植物園を訪れて、実際に咲くマンドレイクを見るドキドキの体験をしてみませんか? 引き抜かず、見ているだけなら安全ですよ。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考文献: 『邪悪な植物』(エイミー・スチュワート著、朝日出版社刊) ハーブのホームページ https://www.myherb.jp/index.html
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展示会

ボタニカルトレンドを牽引するトレードフェアをレポート!
新しい花の傾向は‘コンプレキシティー’ 雪吹きすさぶ2018年1月の新潟市内、新潟朱鷺メッセで行われた「芳樹園 第44回園芸見本市」。植物はもちろん、鉢や用土、肥料、什器などを扱うボタニカル・インダストリー40社が集結し、会場内は屋外の風景とはうって変わって熱気に包まれました。まず目を引いたのは、植物類。ちょっと変わった色合いのものや面白い草姿のものが多く目につきました。 近年、新しく生まれる花の傾向は‘コンプレキシティー(複雑性)’。一つの花の中に複数の色が混ざり合っていたり、花形も複雑なものが増えています。一輪でも絵画的な見応えがあり、多くの花を取り揃えなくても十分満足できるため、スペースの限られた都会のベランダガーデンなどで重宝しそうな花々です。また、個性的なビジュアルの面白い植物も海外から導入され、選択肢はますます広がっています。 インテリアグリーンの演出の進化 インテリアグリーンは、和洋、大小さまざまな種類が豊富に登場。植物自体に目新しい品種があるわけではありませんが、よりカッコよく演出するためのインテリアや雑貨関連は、年々新しいものが登場しています。男性を中心に人気が高いインダストリアル系インテリアは注目大。 植物は暮らしを豊かにする 「Life is beautiful 植物は暮らしを豊かにする」が第44回の見本市のテーマ。主催の芳樹園は昭和14年に創業して以降、造園業から園芸用品の卸売り、フラワーショップまで多岐にわたり事業を発展させてきましたが、花と緑の文化の育成という一貫した理念が今回の見本市でも体現されていました。実際の展示には暮らしのシーンを具体的にイメージさせる演出が随所にあり、金銭感覚や物の価値観にシビアでありつつ、発信力のある若者世代の心を掴むのに、こうした提案力はこれからますます不可欠な要素になりそうです。さらに、時代空気を敏感に反映したユニークな仕掛けも際立ちました。 芳樹園 http://www.hojuen.co.jp
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樹木

花いっぱいの垣根をつくろう! オススメの花木3種
道を歩いている時に、一面に花を咲かせる生垣が見えてくると、ちょっと嬉しい気持ちを味わえます。ここでは、そんな光景をつくるのに向いた、美しい花を咲かせる育てやすい花木を3種類ご紹介。どれも次々に花を咲かせ、満開の時には辺りにほんのりと漂う香りも楽しめる花木です。生き生きとした緑葉が密に茂り、本来の生垣の役目もしっかり果たします。 クロバナロウバイ ロウバイといえば、春に芳しい黄色の小さな花を咲かせる姿が思い浮かびますが、このクロバナロウバイはまた違った印象の落葉花木。初夏の開花期に次々と咲かせる、マグノリアにも似た濃いピンク色~赤色の花は、シックで存在感があります。丈夫で樹高がさほど高くならず、多くの枝に艶のある葉をよく茂らせるので生垣にぴったり。花壇のアクセントの低木としてもオススメです。 ‘アフロディーテ’ アメリカ・ノースカロライナ大学で開発された‘アフロディーテ’は、濃厚なワインレッドの花色と、フルーティーな甘い香りを併せ持った新品種。水はけのよい土を好みます。シカの食害にも強い特徴も嬉しいところ。花は返り咲き性もあり、花後に剪定をして樹形を整えます。 【Data】 樹高:約1.5〜1.8m 日照:日向〜半日陰 耐寒温度:マイナス28℃程度 フェアリーマグノリア®シリーズ 一般的なマグノリアに比べ、コンパクトなブッシュ樹形になるフェアリーマグノリア®シリーズは、個人邸のガーデンにもオススメ。青々とした葉を枝元から密に茂らせる常緑樹で、生垣にもぴったりです。マグノリアの魅力は、なんといっても全体がボリュームのある花で覆われるような、華やかな春の姿。香りもよく、春の訪れを爽やかに告げてくれます。 ‘クリーム’ 花径7~10㎝ほどの、優しい印象のクリームがかった白花を咲かせます。コンパクトなブッシュ状になる樹形で、生垣のほか自然樹形でも楽しめます。 ‘ブラッシュ’ 美しい濃緑色の葉と、春にたくさん咲かせるライラックピンクの花が特徴。直立樹形で、樹高は3~4mと、比較的コンパクトに育ちます。 ‘ホワイト’ 香りのよい純白の花を咲かせる‘ホワイト’。青々とした葉がよく茂り、生垣にもぴったりです。一般的なマグノリアよりも長く楽しめる、開花期間の長さも魅力。 【Data】 樹高:約3〜4m 日照:日向〜半日陰 耐寒温度:マイナス15℃程度 セファランサス 他の植物では見たことがないような、ポンポンのようにまん丸でユニークな花を、株一面に次々と咲かせるセファランサス。ポップな印象で可愛らしく、アレンジメントの花材としても人気があります。花には香りもあり、晩夏につける鮮やかな赤い実も魅力です。剪定は早春が適した落葉樹です。 ‘シュガー・シャック’ 個性的な花の魅力はそのままに、より扱いやすくコンパクトになったセファランサスの矮性品種。光沢のある葉のグリーンも爽やか。湿り気のある土を好み、早春に剪定するとより花つきよく楽しめます。 【Data】 樹高:約0.9〜1.2m 日照:日向〜半日陰 耐寒温度:マイナス34℃程度 Credit 取材&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 写真&取材協力/日本植物パテント株式会社(JPP) http://www.jpp-co.jp/
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おすすめ植物(その他)

庭に流行カラーを取り入れよう! ウルトラバイオレットな葉っぱたち
コリウス コリウス/シソ科・草丈20〜80㎝・一年草扱い・見頃は初夏〜晩秋 カラーリーフの代表選手、コリウス。花の美しさにも勝るとも劣らない芸術的な葉色で、初夏から霜が降りるまで庭を彩り続けてくれます。ファッショナブルで強烈なインパクトがあるので、ナチュラルというより個性的な花壇の演出や、ベランダなど人工的な空間での見映えがGood! もちろん鉢植えでも育てられます。写真のような紫色の葉のほかに、ライムイエローやオレンジ色などバリエーション豊かな品種があります。 <育て方ポイント!> 水をとても好み、乾燥に弱いので、土の保水性をよくするために赤玉土に腐葉土を半々の割合で混ぜておくと管理しやすいでしょう。鉢植えは夏場の水切れに特に注意しましょう。 こんもりと姿のよい株に仕立てるには、摘心(ピンチ)をしましょう。摘心とは、新しく伸びてくる芽を摘むガーデニングの基本的なテクニックです。多くの植物は茎の最先端が最も勢いよく伸びていく性質を持っており、放っておくとヒョロヒョロと1本だけが上へ上へと伸びて、ふんわりとした株姿になりません。しかし、若いうちにこの先端の芽を摘むと、脇枝が複数発生し、葉数や花芽が増えてふんわりとボリュームのある姿にすることができます。コリウスも葉が10枚前後になったら摘心をし、これを数回繰り返しながら育てることで形よく仕上がります。夏にはシソによく似た花が上がってきますが、この花を咲かせたままにしておくと株が早く弱るので、葉を晩秋まで美しく保ちたいなら、花は摘んでしまいましょう。花よりも葉のほうが観賞価値のある植物です。 トラディスカンティア・ペリダ(ムラサキゴテン) トラディスカンティア・ペリダ(ムラサキゴテン)/ツユクサ科・草丈20〜50㎝・常緑の観葉植物 日当たりのよい場所で育てると美しい紫色が鮮やかに発色します。常緑の多年草で、観葉植物としても楽しまれていますが、屋外でも非常に丈夫に育ち、ほとんど野生化して勝手に増えている場所もあるほどです。 水はけのよい土を好むので、水やりは表土が完全に乾いてからでOK。地植えなら、水やりの気づかいはほとんど必要ありません。寒さにも比較的強く、霜の当たる心配がなければ屋外で冬越しします。夏から秋にかけて、ツユクサによく似た小さなピンク色の花を咲かせますが、花は昼過ぎにはしぼんでしまうので、お出かけ前に楽しんでください。 ギヌラ・アウランティアカ(ビロードサンチシ) ギヌラ・アウランティアカ(ビロードサンチシ)/キク科・草丈60〜100㎝・多年草または低木・見頃は初夏〜秋 蛍光マーカーで葉の縁をなぞり描きしたような斬新なビジュアルのギヌラ。緑の葉の縁にビロード加工を施したように、紫色の軟毛が覆います。コリウスと同様に摘心しながら育てると、こんもり茂って美しい株姿になります。庭や花壇に個性的なワンコーナーが欲しいなら、この一株の効果は抜群。水はけのよい土を好み、水やりもやや控えめのほうが、間伸びせず美しく育ちます。 ストロビランテス・ダイエリアヌス ストロビランテス・ダイエリアヌス/キツネノゴマ科・樹高60〜120㎝・常緑低木 本物の植物?? と思わせる整った葉形と艶めく質感、そして類稀な色彩をもつストロビランテス。グリーンにメタリックシルバー、パープルがグラデーションになった葉色は、自然界の美の神秘を改めて思わせてくれます。葉の裏側が濃い赤紫色であることから、「ウラムラサキ」という和名でも呼ばれます。ミャンマー原産の植物で、暑さには強いですが寒さは苦手なので、鉢植えで育てて冬は室内に取り込んであげましょう。 ヒューケラ ヒューケラ/ユキノシタ科・草丈30〜80㎝・宿根草(常緑)・見頃は春〜秋 カラーバリエーションの豊富なヒューケラはパープルの葉色の品種群があり、微妙な赤紫から黒っぽい紫まで、さまざまな紫色を選ぶことができます。ヒューケラは半日陰でもよく育つため、シェードガーデンで重宝するほか、寄せ植えでは主役を引き立てる名脇役としても活躍してくれます。春先には株の中心から細い茎をスッと立ち上げ、その先に小さな花をたくさん咲かせます。常緑ですが、寒い時期は葉が傷んだり枯れたりするので、そうした葉は取り除いておきます。暑さや蒸れでも葉色が悪くなるので、真夏は木陰になる場所や日陰へ移動できるよう鉢植えで育てるとよいでしょう。土はやや保水性のよいものを好むので、赤玉土6に腐葉土4くらいで混ぜた用土が向いています。 オキザリス・トリアングラリス オキザリス・トリアングラリス/カタバミ科・球根・草丈約30㎝・花は4〜10月 トリアングラリスの名前の由来にもなっている三角形のシャープな葉が特徴的。黒っぽい葉の中央にサッと刷毛で描いたような紫色の模様が入ります。葉は日中は開いていますが、日が沈むと閉じる面白い習性を持っています。春から秋にかけて、葉の間から細い茎を立ち上げ、ピンクや白の花を繰り返しよく咲かせます。とても丈夫で、土質などに特に気をつかわなくてもよく育ちます。地植えでは土中で球根が分球して勝手に咲き広がっていくため、グラウンドカバーとしてもしばしば用いられます。 Credit イラスト&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/1&4) PRILL/ 2) alexat25/ 3) ooKIRATHIKANoo/ 5) Wipark Kulnirandorn/ 6) Anna Gratys/ 7) lennystan/Shutterstock.com </figcaption class="wp-caption-text">
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暮らし

日本の春を彩る美しい花 桜の名所に出かけよう
春に訪れたい桜の名所 弘前公園(青森県弘前市) Taromon/shutterstock.com 日本有数の桜の名所、弘前公園では、約2,600本の桜が植えられ、花で埋め尽くされたような見事な景色が楽しめます。弘前公園外濠では、お濠に散った花弁が水面を彩り、絨毯のような美しい花筏(はないかだ)を見ることができます。見頃:4月下旬~5月初旬頃 船岡城址公園(宮城県柴田郡柴田町) Nap Phubet/shutterstock.com 約1,000本の桜が植わり、満開時には山一面が桜色に染まる船岡城址公園。スロープカーに乗ってゆったりと桜のトンネルをくぐれるほか、展望台から蔵王連峰を背景に咲く「一目千本桜」の美しい景色を眺めることもできる人気のお花見スポットです。見頃:4月中旬~下旬頃 観音寺川(福島県耶麻郡猪苗代町) yoshimi maeda/shutterstock.com 自然のままの姿で緩やかにカーブしながら流れる小川の左右に、約1㎞にわたり200本ほどの桜並木が続く観音寺川。水の流れと桜のコントラストが美しく、川のところどころにある段差が小さな滝のようで、写真スポットとしても人気の高い桜の名所です。見頃:4月下旬頃 Bunwit Unseree/Shutterstock.com さきたま古墳公園(埼玉県行田市) Norikazu/shutterstock.com ちょっと変わった桜の名所がこのさきたま古墳公園。その中の丸墓山古墳の頂上広場にある5本の桜の古木は、満開時には黄色の菜の花と青空を背景に、まるで桜の花が浮かび上がるかのような美しい景色を見せてくれます。見頃:3月下旬~4月上旬頃 目黒川(東京都世田谷区・目黒区) YP_photographer/shutterstock.com 東京を流れる目黒川沿いでは、春になると約4㎞にわたって満開の桜が咲き誇ります。水面に映る花影も美しく、夜になるとライトアップされた桜がまた違った幻想的な姿を見せてくれます。見頃:3月下旬~4月上旬頃 河津川(静岡県河津町) Krishna.Wu/shutterstock.com 河津川沿いに植わる約800本の河津桜は、2月上旬から開花し始める早咲きの桜。濃いピンク色をしているのも特徴です。河津町全体では、約8,000本の河津桜が咲き競い、「河津桜まつり」には毎年約80万人が訪れます。見頃:2月下旬~3月上旬頃 仁和寺(京都府京都市) Greyrail/shutterstock.com 仁和寺の御室桜(おむろざくら)はソメイヨシノが散り始める頃から咲く、遅咲きで有名な桜。数々の名所を持つ京都のお花見の最後を締めくくる桜です。背丈が低いのも大きな特徴で、2~3mほどまでしか成長しないため、桜を目の前で観賞できるという楽しみもあります。見頃:4月上旬~中旬頃 吉野山(奈良県吉野郡吉野町) leochachaume24/shutterstock.com 古くから桜の名所として名高い吉野山。数々の和歌などに詠まれてきたほか、豊臣秀吉の盛大な花見でも有名です。古来より桜が多く、シロヤマザクラを中心に約200種3万本もの桜が育つ吉野山では、春になると谷から谷へと山全体を埋め尽くすように咲く、圧巻の景色が楽しめます。見頃:4月上旬~下旬頃 姫路城(兵庫県姫路市) Shuttertong/shutterstock.com 美しい白漆喰の城壁を持ち、白鷺城の別名でも知られる姫路城。世界文化遺産にも登録されているこの城は、春になると美しい桜の花で彩られます。ソメイヨシノ、シダレザクラなど約1,000本の桜が天守閣や白壁に映える景色は、国内外を問わず高い人気があり、多くの人が訪れます。見頃:4月上旬~中旬頃 舞鶴公園(福岡県福岡市) MemoryOnEachStep/shutterstock.com ソメイヨシノだけでなく、ウコンやヨウコウ、イトククリなど、さまざまな品種が楽しめる舞鶴公園は、桜の名所として多くの市民に親しまれています。春には公園のシンボルである福岡城跡の石垣を桜が彩り、長閑で美しい風景が広がります。見頃:3月下旬~4月上旬頃 日本三大桜 日本には、三大桜と呼ばれる桜の名木があるのをご存じですか? どれも長い年月を生きてきた古木で、国の天然記念物にも指定された桜は、今なお夢のように美しい姿を見せてくれます。この三大桜に加え、全国に美しい桜の数々がありますので、名木を巡ってみるのもいいですね。 三春滝桜 riverwill_kay/shutterstock.com 福島県田村郡三春町にあるのが、三春滝桜。樹齢1,000年を超える巨木です。三大桜で唯一の枝垂れ系品種であるベニシダレザクラで、太い幹の四方に伸ばした枝から、まさしく滝のように花を降らせます。 山高神代桜 CHEN MIN CHUN/shutterstock.com 山梨県北杜市にある山高神代桜は、エドヒガンザクラ。樹齢は2,000年を超えるともいわれ、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に植えたといわれています。見上げるような巨木に花を咲かせる春には、多くの人でにぎわいます。 根尾谷淡墨桜 Norikazu/shutterstock.com 岐阜県本巣市の淡墨桜は、淡いピンク色のつぼみから白色の花が咲き、そして散り際には淡い墨色となるのが特徴。この花色から淡墨桜と名付けられました。樹齢1,500年を超すと推定されるエドヒガンザクラです。 いかがでしたか? このほかにも、美しい桜の名所は全国各地にあります。自分だけのお気に入りのお花見スポットを持っている人もいるかもしれませんね。まだまだ寒い日が続きますが、待ち遠しい春は少しずつ近づいてきています。さあ、今年のお花見の予定を立てませんか? 併せて読みたい
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樹木

元号「令和(れいわ)」の由来である梅(ウメ)の花と魅力をご紹介
古来より日本人に愛されたウメの花 Chiristsumo/shutterstock.com 元号「令和」に由来する『万葉集』第五、梅花の歌 三十二首 「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」 書き下し文は 「初春の令月にして、氣淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす(しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのこをひらき、らんははいごのこうをかおらす)」 歌に詠まれているウメの原産は中国で、遣唐使が日本に伝えたとされています。また、その姿や香りのよさから、古来より日本人に愛されてきた花であるウメ。万葉集や古今和歌集などの歌集に多くの歌が詠まれていることからも、古来より人々に親しまれていたことが分かります。 zzz555zzz/shutterstock.com また、昔からいわれる「梅に鶯(うぐいす)」とは、「互いに調和し合う、取り合わせのよいもの」という意味があります。まだ冬の名残のあるなか、いち早く満開になって華やぎと香りをもたらす梅と、通りのよい声を響かせるウグイスは、春の到来を五感に訴えかける存在。どちらも春の喜びを伝えるものとして、憧れやめでたさを感じてこのような文言が生まれたのでしょう。 併せてこちらもチェック! 『知ってる? 春を告げる野鳥、ウグイスとメジロの違い』 馥郁とした甘く清々しい香りが鼻をくすぐると、春の訪れを実感。また、ウメは春に限らず、実を漬けて梅干しをつくるのが恒例行事となっている家庭も多く、日々の食卓に欠かせないものにもなっています。 花梅、実梅、ウメの種類 ウメには、花を楽しむ観賞用の花梅と、実を食用とする実梅があります。花梅には、原種に近い「野梅系」、枝や幹の内部が紅い「緋梅系」、ウメとアンズの交雑種「豊後系」の3系統があり、さらにその中で9性に分かれます。野梅系のウメは非常に香り高く、緋梅系のウメは華やかな緋色のものが中心、豊後系のウメはアンズに近い桃色の花を咲かせるものが多いという特徴があります。 日本の気候風土に合ったウメは、代表的な庭木の一つ。非常に寿命が長く、年月をかけて樹形を自分好みに整えていくことができるため、庭植えや鉢植えのほか、盆栽としても楽しまれています。ウメは1品種だけでは結実しにくいので、実の収穫を楽しみたい場合は他品種を混植するのがオススメです。 魅力的なウメの品種4種 ‘思いのまま’ 一つの枝に白花、ピンクの花、そして絞りの花を咲かせる‘思いのまま’は、とても華やかで美しい品種。色のコントロールができず、勝手に咲き分けてしまうことからこの名がつけられたといいます。野梅系。 ‘紅千鳥’ 鮮やかな明るい緋色の中輪一重咲きのウメ‘紅千鳥’。丈夫で花付きがよく、やや小ぶりな花を咲かせます。遅咲き性で、見頃は2~3月頃。緋梅系。 ‘楊貴妃’ ややフリルがかったようなたっぷりしたピンク色の花弁が美しい‘楊貴妃’。豪華で美しい花姿は存在感抜群で名前にふさわしいものです。豊後系。 ‘露茜(つゆあかね)’ Photo/国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 2007年に生まれたばかりの新しい実梅‘露茜’は、日本スモモとのかけ合わせで生まれた新品種。大きな実の内部まで鮮やかに赤く色づき、梅酒やジュース、ジャムなどにすればとても美しい紅色が楽しめます。品種登録から間もないため、なかなか見かけない希少な品種ですが、自分で栽培すると実の収穫も楽しめます。 併せて読みたい
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宿根草・多年草

冬のお部屋で可愛い花が楽しめる プリムラのオススメ品種
冬に明るい色を添えてくれる花 プリムラ 寒さに強く、真冬にも黄色やピンク、青色などのカラフルな色合いの花を咲かせるプリムラ・オブコニカは、冬のガーデンの彩りに欠かせない花。初心者でも育てやすく、丸みのある葉の中心に、サクラに似た形の愛らしい花がまとまって咲きます。咲き姿のバランスがよく、コンパクトにまとまるので、他の植物とも合わせやすく、寄せ植えから花壇まで広く活躍します。晩秋から春まで、長期間花を観賞できるのも大きな魅力。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、暑さには弱いため、暖地では基本的には一年草扱いとなります。 そんなプリムラ・オブコニカの中でも、インドア栽培に向いた品種がオランダのスクーネベルド社が育成したプリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」シリーズ。室内では、照明をつけていても植物にとっては十分な明るさでないことが多いもの。例えば、真夏の太陽光の明るさは10万ルクスを超えるといわれますが、オフィスや店内は1,000ルクス程度だそうです。そんな環境でも花が長く楽しめるのが、耐陰性の強い「タッチ・ミー」シリーズの特長。実証実験では、平均で35日もの間花を楽しむことができました。また、オブコニカに含まれるかぶれる成分「プリミン」が含まれておらず、かぶれにくいため、小さな子どもがいる室内でも育てやすいのも嬉しいところ。 冬の室内でもポップな色合いの花を咲かせるプリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」シリーズ。花色豊富で育てやすく、コンパクトに生育するので、スペースがなくても簡単に栽培でき、冬の部屋の彩りにぴったりです。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー」 耐陰性が強く、花もちがよい「タッチ・ミー」シリーズ。室内でも長期間、ポップな色合いの花を楽しめます。赤やピンク、青、オレンジ色、紫色など、豊富なカラーバリエーションも魅力です。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー ミニ」 オブコニカ初のミニ品種。他の品種に比べ、葉が小さくコンパクトにまとまり、バランスのよい可愛らしい咲き姿になります。花色は定番のレッド、ブルー、ホワイトの3色。 プリムラ・オブコニカ「タッチ・ミー プリカント」 フランス語で長く大切にされてきた道具類を表す「ブロカント」という言葉から。シックな赤、ライムグリーン、ニュアンスカラーのブルー(パープル)の3色。 写真協力&発売元:たけいち農園 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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ストーリー

人々を夢中にさせる魅惑の花 チューリップの歴史
チューリップの原産地 チューリップが生まれた場所は、トルコからイラン、中央アジアを中心とした北緯40度線に沿ったエリアだといわれています。特にトルコから中央アジアにかけて、野生種が多く見つかっており、トルコやカザフスタンのように、チューリップを国花とする国もあります。このような野生種のチューリップの多くは、現在私たちが目にするチューリップとは異なる花形で草丈が低く、野趣あふれる魅力的な姿をしています。 現在の「チューリップ」という名前は、トルコ語でターバンを意味する「Tulipan」がもとになっているそう。そんなトルコの名産品の一つが、青や赤など鮮やかな色で描かれた絵つけタイル。伝統的な模様のタイルには、チューリップが美しくデザインされたものも多くあり、トルコとチューリップのつながりを感じさせます。 オランダとチューリップ チューリップの花とともに、多くの人が思い起こすであろう国、オランダ。国土面積は九州とほぼ同じという小さな国ながら、「世界の花屋」とも呼ばれるように、世界有数の花き類生産額を誇り、ヨーロッパの花き流通拠点としても大きな役割を果たす花の国です。春になると色とりどりのチューリップの花が満開に咲き誇り、あちらこちらでチューリップ祭りが開催されています。 そんなオランダに、オスマン帝国で栽培されていたチューリップが伝わったのが16世紀のこと。ライデン大学教授として招聘された、植物学者のカロルス・クルシウスが持ち込み、栽培したのが始まりといわれています。1592年にクルシウスがチューリップに関する本を発表すると、この美しく珍しい花は瞬く間に大変な人気を集めました。チューリップ人気は過熱し、球根が盗まれる事態も多発するようになり、クルシウスの庭からも希少な品種が盗まれて高値で取り引きされたそうです。栽培する人が増えて品種が豊富になると、チューリップの人気はさらに高まり、そして、世界最初のバブルと呼ばれるチューリップ狂時代へと突き進んでいきます。 チューリップ狂時代 チューリップ狂時代(チューリップ・バブル)とは、チューリップの球根の価格が異常に高騰し、突然下落した期間を指します。1637年にピークを迎えた頃には、品種によってはピーク時には、「馬車各2台分の小麦とライムギ、太った雄牛4頭、豚5頭、ビール4樽、バター160㎏、チーズ500㎏、ベッド1台と衣類と銀のカップ」を球根1個と交換したという記録が残っています。チューリップは投機の対象となり、商人だけでなく一般の多くの人が売買に参加するようになるとさらに需要が増し、価格が高騰していきました。 当時高い値がついたのが、花びらに斑の入る「ブレイク」と呼ばれる現象を起こしたブロークン・チューリップ。のちにこの現象はウイルスによるものだと判明しますが、当時はなぜこのようなことが起こるのか分かっておらず、またウイルス感染により株が弱り、栽培が難しいことから、このような希少な球根は高値で取り引きされました。中でも‘センペル・アウグストゥス’の場合、熟練した大工の年収が250ギルダー程度であった時代に、10,000ギルダーを超える価格がついたともいわれます。 この頃には、実際の球根の受け渡しは行われず、球根の権利を書いた紙が取り引きされる、今でいう先物取り引きが行われていました。見えないものを取り引きするため、実際にはない球根が売られることも多く、また、購入する方も資金の当てがないまま手形で決済し、それをすぐに転売することが繰り返されていました。このように、球根の引き渡しが実際には行われないことから、チューリップ取り引きは「windhandel(風の取り引き)」と呼ばれていました。それも上の風刺画に表れているのかもしれません。 1637年2月、ハールレムという町でチューリップを購入する人がいなくなるということが起き、これをきっかけにチューリップの価格は急激に下落しました。バブルがはじけた後は、債務不履行の手形があふれ、債務不履行関連の訴訟も相次ぎました。その後、政府が合意価格の3.5%の支払いで売買契約を破棄できるという宣言を出し、混乱は収まりました。最近では、先物取り引きによる空売りが多かったことや、経済の中心であった大商人が既にチューリップの取り引きから手を引いていたことから、オランダ経済への影響は考えられていたほど大きくなかったのではないかと考えられているそうです。 美しいチューリップを楽しめるキューケンホフ公園 チューリップ狂時代が終わった後、しばらくチューリップはオランダ人にとって、苦い思いのある花でした。しかし、その後もチューリップの栽培と品種改良を続けた人々はいました。そして、今日のオランダでは、チューリップは国を代表する花として愛されています。 そんなオランダの中でも、チューリップをはじめとする花々が楽しめる場所として、世界でも指折りの人気を誇るのがキューケンホフ公園。毎年700万球以上の球根花が植えられ、年ごとに異なるデザインの庭景色が楽しめます。波のように広がる色鮮やかなチューリップの花の中に身を置けば、まるで花畑の海の中を漂っているような気分に。今も昔も、この美しい花が人々を魅了することは変わらないようです。 併せて読みたい イギリス流の見せ方いろいろ! みんな大好き、チューリップで春を楽しもう 私のガーデンストーリー 「ベランダで秋植え球根をきれいに咲かせる楽しみ」 春咲き・秋植え球根の上手な買い方と植え方



















