スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

冬から春まで長く咲くフリル咲きパンジー&ビオラ‘フェアリーチュール ドレスデン’ ‘シエルブリエ ’ ’ドラキュラ’…販売情報あり
八重咲きパンジー‘フェアリーチュール ドレスデン’ 近年人気のフリル咲きの中でも、究極の完全八重咲きとして注目を集めているのが‘フェアリーチュール ドレスデン’。花弁が20枚近くあり、なおかつ花弁の縁が優雅なフリル状で、花径は5〜6cmにもなります。その豪華な花姿はコサージュのよう。純白の花弁が重なって見せる陰影は清廉で気品にあふれ、1輪で圧倒的な存在感を放ちます。 八重咲きパンジー‘フェアリーチュール ドレスデン’の楽しみ方 八重咲きのため、つぼみから満開になるまで、ゆっくり開花の変化が楽しめます。鉢植えなら1株でその美しさを堪能することもできますし、寄せ植えの主役としても大活躍してくれることでしょう。白花や銀葉と合わせればホワイトクリスマスの演出に、赤い花や実と合わせればお正月にもぴったり。もちろん、花壇や庭植えでも目をひく存在になります。花が次々に上がってくるので、週1回くらい液肥を与えて株を応援してあげると、開花期間が長くなります。ボリュームたっぷりの花を支える茎は力強く、暖かくなってきても株が間延びすることなく、初夏まで美しい花姿が堪能できます。 歴史に名を刻む‘フェアリーチュール ドレスデン’ 通常パンジーの花弁は5枚ですが、中には花弁がフリル状になることで、まるで何枚もの花弁が重なる八重咲きのように見えるものがあります。ただし、フリルが強く出るものや、ゆるやかなものなど、フリルの入り方には個体差があり、花姿を揃えるのに生産者は苦労をしていました。 一方、‘フェアリーチュール ドレスデン’は、突然変異によって花弁が5枚以上に多弁化したものから育種された花で、花弁の枚数自体が15〜20枚近くあります。なおかつ花弁の縁がフリルになるため、花姿は一定して豪華な八重咲きとなります。これが‘フェアリーチュール ドレスデン’が「完全八重咲き」「究極の八重咲き」と呼ばれる理由です。 突然変異はどの植物にも稀に出現しますが、そのタネから育種して八重咲きを完成させる道のりは困難を極めます。パンジーの育種は基本的に2つの株の雄しべの花粉と雌しべを受粉させ、そこからできたタネを播いて新しい花を作り出します。これを交配といいます。しかし、多弁化した突然変異の株には「花粉がない」のです。花粉がないので通常交配で行うような受粉ができないうえ、突然変異種はその形質を次代に残しにくいというさらなる壁が立ちはだかります。その難関に果敢にチャレンジしたのが、個人育種家の落合けいこさんです。長い年月をかけて独自の方法で八重咲きの育成方法を確立し、パンジーの花形に「八重咲き」という新しい系統を誕生させました。じつは‘フェアリーチュール ドレスデン’はパンジー史上、歴史に名を残す日本の偉業です。現在、 ‘フェアリーチュール ドレスデン’は、メリクロンという安定的な増殖方法で生産され、一般に流通するようになりましたが、まだまだ希少性が高く、取り扱い店は限られています。 完全八重咲き白花のパンジー‘フェアリーチュール ドレスデン’販売店 希少な苗を入手できる情報をガーデンストーリー読者だけにご紹介。取り扱い店は花苗のオンラインショップ「Junk Sweet Garden Tef*Tef*」と以下「テフテフオンラインサロンメンバー店」で、2021年現在販売中です。また、花苗定期便「Select Sweet Garden Tef*Tef*」の2022年1月コースでもお届け予定です。 (*在庫は随時変動しますので、実店舗にはお問い合わせのうえご来店ください) Junk Sweet Garden Tef*Tef* https://shop.teftef.biz 花苗定期便Select Sweet Garden Tef*Tef* https://www.teftefselect.biz テフテフオンラインサロンメンバー店 都道府県 ショップ URL 北海道 ガーデンショップsora https://www.instagram.com/garden_sora/ 宮城県 Faveul https://www.instagram.com/faveul/ 宮城県 寄せ植えルッテル https://www.instagram.com/rifu.rotter/ 秋田県 florist花まん https://www.instagram.com/florist_hanaman2nd 福島県 Usual garden works https://www.instagram.com/usualgardenworks_onahamagarden/ 茨城県 モナ・フォレスタ https://www.instagram.com/mona_no_mori/ 茨城県 IndigoGarden http://www.indigo-garden.com 茨城県 comu_garden https://www.instagram.com/comu_Garden/ 栃木県 君島生花店 https://www.instagram.com/f.s.kimijima/ 千葉県 晴美園 https://www.instagram.com/harumien/ 石川県 petit garden Sono*ka https://www.instagram.com/sono_no_kaori 静岡県 毛倉野生花店 https://www.instagram.com/keguranoseikaten/ 静岡県 niwaaso concierge https://www.instagram.com/niwaaso/ 岐阜県 シェリール https://www.instagram.com/cherir.garden/ 愛知県 Atelier K.plus https://www.instagram.com/k.plus_bouquet/ 愛知県 はみんぐバスケット http://hummingbasket.com 愛知県 Atelier Gnome https://www.instagram.com/ateliergnome/ 愛知県 花元 南下原店 https://www.instagram.com/hanagen__shimo/ 大阪府 a.k.g https://store.shopping.yahoo.co.jp/akg/ 島根県 福花園 http://www.flower-lafille.jp 広島県 プランツシャンティーリン https://plants-shanty-rin.com 徳島県 atelier 花工房 Flulu https://minne.com/@ohana77usagi 福岡県 集う庭 https://www.instagram.com/tsudouniwa/ 熊本県 Fika garden https://www.instagram.com/fika_garden22/ ふりっふりがかわいい!フリル咲きパンジー&ビオラ 「フェアリーチュール」のような八重咲きのほかに、花弁の縁がフリル状になるパンジー&ビオラも大人気。前述のように、フリル咲きのフリルの強さは品種ごとに異なるほか個体差もあり、その多種多様な個性が人気の理由の一つです。蝶が舞っているようなゆるやかなフリルもあれば、フラメンコダンサーのドレスの裾のような激しめフリルもあり、一口に「フリル咲き」といっても千差万別。さらに、色においても「何色」と表現しがたい豊かなバリエーションがあり、好みの花を選び出すのは嬉しくも悩ましく、恋わずらいにも似たため息がもれること必至。可憐、妖艶、清廉、エレガント…。めくるめくパンジー&ビオラの美の世界で運命的な出合いを果たし、花たちとの甘い恋を楽しんでください。 ‘パルムディレーヌ’ 各種 アンティーク風の大人っぽいカラーが魅力の‘パルムディレーヌ’。クシュクシュとしたつぼみから花が開いていく様もドラマチック。寄せ植えや花壇に加えると、おしゃれ度が一気にアップします。 ‘シエルブリエ’ 生産農家の花日和(はなびより)によるオリジナル品種。やさしいパステルカラーで、ひらひらとゆったり波打つ花弁は厚く、花もちがよいのが特徴。徒長しにくく、雨風にも耐えて美しい草姿を長く保ちます。 ‘ミュシャ’ 秋からよく咲く早生タイプですが、翌年以降も5月いっぱいまで長く咲き続けます。温度が下がると、より花弁のフリルが強く出る傾向があり、花姿の変化も魅力。茎もしっかりしているので、写真のように摘んでテーブルアレンジでも楽しめます。 松原園芸オリジナルビオラ‘ファルファリアNO.16’ 花弁の縁がわずかにフリンジ状になり、花の輪郭を際立たせて見せてくれます。緩やかなフリルを描き繊細で上品。ディープカラーからパステルまで、株ごとに色幅に豊かなバリエーションがあり、一期一会の出合いがワクワクさせてくれます。 育種うえたオリジナルビオラ ‘アンジュフルール’ 高知県の育種家、植田光宣・寛美さん作出。tef*tef*オーナーの槇谷桜子氏が植田さんの圃場を訪れた際に一目惚れした花で、試作品種としての販売から人気を得て、今期めでたく名前がついて登場した品種。陽だまりのような色合いとゆるやかなフリルがかわいらしい花。 みもとコラボビオラ ‘B.F.S collaboration Viola「イ200」’ パンジー&ビオラの育種に長い歴史をもつ見元園芸がプロデュースし、全国で契約している農家と、全国12店舗の選ばれた園芸店とで厳選して誕生したオリジナルビオラです。フリルで整った花形、覆輪、ブロッチ(中心の黒い目)など魅力満載。コレクション名のB.F.Sはブリーダー(B)、ファーマー(F)、ショップ(S)。 ‘ドラキュラ’ 強烈なフリルで花形がほとんどボール状になるものもある‘ドラキュラ’。群馬県の生産農家でパンジー育種の名手でもあるサトウ園芸、佐藤勲さんの代表作。ワインカラーや黄、紫など色幅も豊か。 Credit 写真/槇谷桜子(Junk Sweet Garden Tef*Tef*) 構成/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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果樹

カリンに似たマルメロ! 実の食べ方・育て方のポイントなどをご紹介
マルメロってどんな植物? マルメロとはどんな植物なのでしょうか。果樹としては初めて聞いた、という方に向けて、マルメロの特徴など、基本情報についてご紹介します。 マルメロとは マルメロは、バラ科マルメロ属(シドニア属)の果樹。学名はCydonia oblonga。別名セイヨウカリンとも呼ばれており、カリンと混同されがちですが、別属に分類されています。原産地は中央アジアで、寒さに強い性質を持っています。樹高は1.5〜2.5m。冬には葉を落として休眠する落葉樹です。4月下旬〜5月上旬に開花し、10月頃に洋ナシに似た果実をつけます。 マルメロの花 マルメロの開花期は、4月下旬〜5月上旬。花色は白または淡いピンクで、花径5cmほどの愛らしい5弁花が咲きます。一斉に多数の花が咲くので、開花期も見応えがあります。 マルメロの実 マルメロは、10月頃が収穫期です。果実は10cm前後。パステルイエローで洋梨やカリンに似た姿をしています。芳香がありますが、酸味が強いので生食には向いていません。果実酒やハチミツ漬け、ジャムなどに加工して食されています。 「カリン」とはどう違うの? セイヨウカリンの別名を持つことから、マルメロとカリンは混同されがちですが、ここで主な異なる点を挙げておきましょう。 ①まず属名が異なり、マルメロはマルメロ属で、カリンはカリン属です。 ②マルメロの葉の縁はなめらかですが、カリンの葉にはノコギリのように細かな切れ込みが入ります。 ③マルメロの花は、白または淡いピンクで、カリンは濃いめのピンクです。 ④マルメロは樹皮がはがれませんが、カリンは樹皮がはがれてなめらかです。 ⑤マルメロの果実には細かい産毛があり果肉は硬いのですが、カリンは無毛で比較的柔らかい果肉です。 マルメロの実の食べ方 マルメロは芳醇な香りが魅力ですが、果実は硬くて生食には向かないとされています。では、どんな食べ方があるのでしょうか。ここでは、加工の仕方についてご紹介します。 果実酒 香り高いマルメロの長所を生かした果実酒は、大変人気があります。 保存容器はあらかじめ煮沸消毒をしてしっかり乾燥させておきましょう。 マルメロ500g、氷砂糖100g、ホワイトリカー900ccを目安に材料を準備します。 マルメロはよく水洗いをして産毛などを取り除き、キッチンペーパーなどで水分を拭き取りましょう。ヘタとお尻を切り、縦に4分割して軸を取り除きます。種や皮はそのままでOK。 容器に材料を入れて、密閉して冷暗所で保存。半年後くらいからが飲み頃です。 ジャム マルメロは煮ると果肉が柔らかくなるので、ジャムにするのもおすすめ。 煮沸消毒して乾燥させた保存容器、マルメロの実、実の半量のグラニュー糖、レモン汁を準備します。 マルメロは十分に水洗いして、頭とお尻を落として皮をむきます。縦に切って種を取り除き、くし切りにして素早く塩水(分量外)につけておいてください。 水を切って鍋に入れ、しばらく弱火にかけます。実の形が崩れてドロドロになるまで煮込み、グラニュー糖を加えてよく混ぜます。レモン汁を回し入れ、とろみがついたら出来上がり。保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。 マルメロの栄養 マルメロは100gあたり48kcal。カリウムが豊富で、ほかにビタミンC、ビタミンE、食物繊維などを含んでいます。 マルメロの保存方法 マルメロの果実にまだ緑色が残っていたら、新聞紙などに包んで室温に置き、追熟させます。全体に黄色くなって香りがたち、ツヤが出てきたら熟した目安なので、冷蔵庫で保存して早めに利用しましょう。 マルメロの産地と旬 マルメロの産地は長野県、青森県、北海道など。冷涼な気候を好むので、高冷地や寒地が目立ちますね。旬は秋で、10〜11月にフレッシュな果実が出回ります。 マルメロの品種 マルメロは、それほど多くの品種が流通しているわけではなく、在来種のほかには350gほどの大きな実がつく‘スミルナ’が有名です。 マルメロの育て方 ここまで、マルメロの基本情報や加工の仕方など、多岐にわたってご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、マルメロの栽培のポイントについて解説していきます。 適した環境 マルメロの栽培には、日当たり、風通しのよい場所が最適です。水はけ、水もちがよく、腐植質に富んでふかふかとした土壌を好みます。栽培適地は関東以北。雨が少なく涼しい気候を好み、酷暑を苦手とする傾向にあります。真夏は葉焼けすることもあるので注意。西日の当たらない場所を選ぶとよいでしょう。 土づくり 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質などの水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで土壌改良し、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 果樹用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え方 マルメロの植え付け適期は、落葉期の12〜2月。植え付けから収穫までの目安は、3〜5年です。 収穫を目的とするなら、近くに2品種以上を植えることがポイントです。マルメロは基本的に自家不結実性(1本植えるだけでは実らない)のため、確実に実をつけるには、別品種の授粉樹が必要だということを知っておきましょう。開花期が同じ時期の品種を選ぶことも大切です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。一年生の苗木の場合は、地際から約60cmのところで切り詰め、しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢植えにする場合は、7〜8号鉢を準備しましょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから果樹用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら用土を足していきます。一年生の苗木の場合は、地際から約60cmのところで切り詰め、しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの適期は、落葉期の12〜2月。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取って整理し、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。 水やり 木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料の与え方 【地植え、鉢植えともに】 2月と10月に有機質肥料を施します。 鉢植えの場合は肥料成分が水やりとともに流失しやすいので、木に勢いがないようであれば、適宜肥料を施して様子を見てください。 人工授粉 確実に実らせるには、開花期に他品種の花粉を筆などに取り、雌しべになでつけて人工授粉を行います。 摘果 果実が多くつきすぎると、隔年結果(たくさん収穫できた翌年は実りが少なくなること)になりやすいので、樹木に適した果実がつくように、不要な果実を落として調整します。この作業を摘果といいます。 マルメロの摘果の適期は5月頃。一度にたくさんの摘果をせずに、2〜3回に分けて実り具合を見ながら行うとよいでしょう。小さい果実の品種では、葉の数が40〜50枚に1つの果実を残すのを目安にしてください。大きい果実の品種では、70〜80枚に1つの果実を残すとよいでしょう。残した果実には袋かけをしておくと、害虫対策になります。 収穫 マルメロの収穫適期は10月頃です。緑色をしていた果実が黄色く熟れてきて、フルーティーな香りを漂わせるようになったら、頃合いです。ハサミで切り取って収穫します。 病害虫の予防 【病気】 マルメロの栽培で注意したい病気は、黒点病、赤星病です。 黒点病は梅雨頃に発生しやすく、カビが原因で伝染する病気です。葉や果実などに黒い斑点が生じるので発見しやすいといえます。被害を受けた葉から伝染しやすいので、発生したら取り除き、市販の殺菌剤を散布して防除しましょう。 赤星病は、葉の表面にオレンジ色の斑点が現れ、次第に大きくなって葉が枯れていき、樹勢も衰えます。見つけ次第葉を処分し、殺菌剤を散布して防除しましょう。マルメロを栽培する際には、近くにカイヅカイブキなどビャクシン類の植物を植えないようにしてください。カイヅカイブキは赤星病の中間宿主となる植物で、冬に葉や枝に潜んでいる菌が春になると胞子を飛ばし、近くのマルメロなどの木に寄生して発病するからです。 【害虫】 マルメロの栽培で注意したい害虫はシンクイムシです。 アワノメイガ、ハイマダラノメイガ、モモシンクイガなど、主にメイガの仲間を総称してシンクイムシと呼んでいます。孵化した幼虫がマルメロの果実の中に入って食害します。摘果した後に袋かけをし、物理的に侵入できないようにしておくと安心です。 剪定 マルメロの剪定は、落葉期の12〜2月が適期です。 マルメロは花芽が枝の先端にできるので、全体を深く切り戻すことは避けてください。勢いよく長く伸びて、樹形のバランスを崩している徒長枝は元から切り落とします。他は込み合っている部分を切り取って風通しをよくし、木の内部まで日が差すように整えます。内側に向かって伸びている枝、弱々しい枝、古くなっている枝などを選んで切り取りましょう。 増やし方 マルメロは挿し木で増やすことができます。 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根し、生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、マルメロは挿し木で増やすことができます。 マルメロの挿し木の適期は、2月下旬です。若い枝を2〜3節つけた長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り落とし、残した葉も半分ほど切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を植えて土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 いろいろな食べ方を楽しめるマルメロ! 栽培もしやすいマルメロを育ててみよう ジャムや果実酒に加工すると、芳醇な香りと味わいを楽しめるマルメロ。果樹を家庭で栽培すると、収穫したり加工する楽しみが生まれます。育てやすいマルメロを、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考文献 『プロが教える 庭づくりと庭木の育て方』監修:茨木春草園、著:永井淳一(日本文芸社)
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育て方

【絶対に防ぎたい!】ハダニの予防と駆除方法とは
ハダニとは さまざまな植物に寄生する害虫、ハダニ。ハダニの生態や発生しやすい植物・環境など、その被害と対処法を詳しくご紹介していきます。 ハダニはどんな生き物なの? ハダニは日本に70種類ほどいるクモの仲間です。成虫は足が8本あり、糸を出し風にのって移動します。いずれも成虫で0.5mm程度と小さいので、見つけにくい害虫です。 ハダニは主に葉の裏に寄生し、植物の体液を吸って弱らせてしまいます。高温・乾燥を好み、活動が活発になるのは梅雨明けから秋にかけて。水には弱いので、雨が降ると数が減りますが、軒下など雨が当たらないところでは増えやすいので注意しましょう。オスとメスがいますが、交尾をしなくても増殖できるため、被害が小さいうちに対処することが大切です。卵で越冬しますが、環境によっては成虫も越冬します。 ハダニが発生しやすい植物 ハダニはほとんどの植物に発生します。草花、野菜、ラン類、花木、庭木など身近なものから、リンゴやミカンなどの果樹、茶葉に至るまで、さまざまな植物に寄生し被害を与えます。植物によって適した対処をしなければなりません。 ハダニが寄生するとどんな被害があるの? ハダニは葉裏に寄生し、植物の体液を吸います。すると葉の葉緑素が抜け、吸われたところが白い斑点のようにポツポツと跡が残ります。初期は目立ちませんが、ハダニの数が増え、被害が進行すると白くカスリ状に色が抜け、葉色が悪くなります。庭木や果樹などはそのために枯れることはまずありませんが、見た目が悪くなり生育も鈍ります。草花や観葉植物、野菜の場合は、落葉し枯れてしまうことがあります。 ハダニの種類 ハダニは、色が薄いナミハダニのような「黄緑色型」タイプも多くいますが、カンザワハダニのように赤い色をして目立つ「赤ダニ(赤色型)」もいます。今回は特に身近な種類についてご紹介します。 ナミハダニは、リンゴ、ナシ、モモなどの果樹や豆類などの畑作物、キュウリ、ナスなどの野菜に寄生します。カンザワハダニは、ナシ、リンゴ、カンキツ、カキなどの果樹、豆類などの畑作物、イモ類やウリ類などの野菜や草花、観葉植物、ラン類、庭木などに寄生します。ミカンハダニは、カンキツ、ナシ、モモ、カキなどの果樹、イヌツゲなどに寄生します。 ハダニが増殖する環境や時期 ハダニは、乾燥した高温の環境で活発に繁殖します。気温が上がり始める3月頃から発生し、寒くなる10月頃までが活動期です。特に高温になる梅雨明けから9月頃までが繁殖のピークで、1匹のメスが50〜100個ほどの卵を生み、それが10日ほどで成虫になってまた卵を生むため、どんどん数が増えます。 一度駆除しても、新しい苗や衣類、雑草に付着して侵入するので根絶するのは困難です。冬は卵で越冬しますが、暖かく乾燥した部屋の中で植物を育てている場合は、冬でも大発生することがあるので注意が必要です。 ハダニの有効な予防法は? さまざまな植物に害を及ぼし、根絶することは難しいハダニですが、定期的に防除することで発生を最小限にとどめることができます。今回は予防方法と、初期段階の対処法をご紹介します。 ハダニは水に弱い 高温で乾燥した環境を好むハダニは水に弱く、雨が降ったり葉を濡らしたりすると繁殖が抑えられます。また、発生初期であれば、無農薬で駆除できることもありますが、深刻な状態の場合は殺ダニ剤の使用も検討しましょう。 植物に水をかけよう ハダニは葉裏に生息し、前述の通り水に弱い性質があります。そこで、日常のお手入れの際には、霧吹きを使って葉裏に重点的に水を吹きかけましょう。霧吹きはミストからジェットまで調整できるものが便利です。ミストで全体を湿らせ、ハダニが密集している部分はジェットでピンポイントで攻撃しましょう。特に夏に雨が少ない時期や、梅雨で雨は多いけれど雨が当たらない場所に置いている植物、室内に置いてある植物は要注意。ただし、水圧が強すぎると植物自体を傷めてしまうので注意が必要です。 鉢植えは水に浸してみよう 水に浸せるサイズの鉢は、思い切って鉢ごと株全体を水に浸してみましょう。この時、葉を優しくなで洗いします。ハダニが苦手とする水を使うのと同時に、物理的に除去することで、ハダニの数を減らすのにとても有効です。 水と他のものを混ぜるのも有効! 定期的に水をかけることでハダニの発生を抑えることができますが、ある程度以上になると、水だけで撲滅するのは困難です。その場合は、「水+α」のものを吹きかけて、より積極的にハダニを駆除してみましょう。 ①ハダニ退治には、2~3倍に水で薄めた牛乳をスプレーします。牛乳が乾いてハダニの気門を塞ぎ、窒息させる効果があります。スプレーした牛乳はそのままにしておくとカビや腐敗の原因になるので、翌日しっかり洗い流しましょう。 ②飲用より濃いくらいの濃度のコーヒーも有効。カフェイン成分が効くとされ、牛乳より臭みや腐敗の心配が少ないのがメリットです。ただし、駆除効果は牛乳スプレーのほうが高いです。 その他、酢や重曹を使い植物を元気にする方法もありますが、ハダニには効果がありません。いずれの場合も植物が傷まないようスプレー散布しましょう。また、一度で効果は出にくいので、何度も繰り返すことが重要です。 大量発生してしまったら 日常的に葉に水スプレーをして発生を抑え、初期の場合は身近な食品で対処する方法をご紹介しましたが、大量発生してしまった場合は、被害がさらに拡大し手遅れになる前に農薬を使用し駆除しましょう。 やはり農薬が有効 ハダニは発生しやすく繁殖力が強い害虫です。そのため、「粘着くん液剤」「バロックフロアブル」「マラソン乳剤」「ケルセン乳剤」「でんぷんスプレー」など数多くの薬剤があります。薬剤の強度、植物の種類、被害の状況、生育環境などに合わせた農薬を選びましょう。 薬剤散布する 薬剤が付着しやすいよう、風の強い日は避け、散布する前に、余分な葉を除いたり、整枝したり、風通しをよくしておきます。また、薬剤が直接肌に付かないよう、ゴム手袋、長袖・長ズボンを着用し、マスク、ゴーグルで顔を保護します。植物に薬害が出ないよう、涼しい時間に散布するようにしましょう。ハダニは薬剤に対する耐性がつきやすく、同じものを何度も使うと効かなくなってしまうので、数種類の異なる系統の薬をローテーションで使うようにします。使用の際は、注意書きをよく読みましょう。 スプレータイプを活用する 自分で希釈する農薬散布より手軽な方法として、「GFモストップジンRスプレー」「ベニカXネクストスプレー」などスプレータイプの薬剤もあります。ハダニを見つけたらすぐに使用できる手軽さがメリットです。葉裏の隅々までしっかりかかるようにスプレーしましょう。植物によって適した薬剤は異なるので、注意書きをよく読み使用しましょう。 大切な植物をハダニから守ろう! さまざまな植物に発生し被害を与えるハダニ。日頃からハダニがいないか葉裏をチェックし、葉裏を中心に水をスプレーして発生を抑えましょう。発生してしまったら早めの対処が大切です。洗い流すとともに、身近な食品を利用し駆除を試みましょう。数が多い場合は被害が深刻になる前に農薬の使用も検討を。鉢数が少ない場合はスプレータイプの薬剤のほうが手軽でよいでしょう。広範囲に発生している場合は、希釈タイプの薬剤を使用しましょう。その際は事前準備をしっかり行い、植物や用途に合った薬剤を選びましょう。
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樹木

モミの育て方! クリスマスツリーを自分で育ててみよう!
モミとは? 学名はAbies firma。マツ科モミ属の常緑針葉樹です。英名ではmomi fir、Japanese firと呼ばれています。日本の広い範囲に自生し、北端は秋田、南端は屋久島となっています。また、モミの仲間は北半球に40種ほどが自生しており、クリスマスツリーなどに使われるのは、じつは多くがドイツトウヒやウラジロモミです。 モミの特徴 モミは、冬でも葉を落とすことのない常緑針葉樹です。比較的標高の高い照葉樹林帯の広葉樹に混ざって森林帯を形成しています。樹高は最大で45mほどになります。モミの学名のアビエスはラテン語で「永遠の命」という意味があり、樹齢は千年を超えるものも。モミの仲間は、日本に自生するもののほかに世界中に多数あります。樹形がきれいな円錐形となることから、世界中でクリスマスツリーとして使われたり、家のシンボルツリーにもなっています。 モミの花言葉は「高尚」「昇進」「時間」「永遠」「真実」などがあります。 モミはどのように使われている? モミは、なんといってもクリスマスツリーに使われることで有名です。それ以外には精油として、昔から風邪薬や入浴剤、洗剤など、健康に繋がるような場所でも活躍しています。材はギターやピアノ、バイオリンなどの楽器に加工されることも。日本では、その殺菌効果を活かしてかまぼこ板やそうめんの箱など食品用保存箱に、また樹齢が長いことから神聖視され、神社の絵馬やお札の材料にも使われています。 もみの木を育てる環境 モミは亜高山帯で原生林を形成しますが、低地でも問題なく生育できます。日当たりがよく、風通しのよい場所が適地です。地植えの場合は高木になるため、事前にスペースを確保する必要があります。鉢植えでも育てることができますが、根詰まりを起こす前に植え替えをしましょう。また鉢植えの場合、乾燥に弱いため水やりはしっかり行いましょう。冬場の管理は屋外で問題ありませんが、霜や用土の凍結には注意しましょう。 モミの育て方 モミは丈夫な植物で、日本に自生していることからも環境的には栽培はさほど難しくありません。地植えの場合は、植え場所にさえ気を付ければ、ほぼ放任で問題なく育ちます。その上で、ここではよりよい栽培をする上でのポイントについて解説したいと思います。 鉢植え モミは前述のように、高木になる植物です。地植えの場合、1mほどの苗木を買ったとしても数年で何倍にもなります。しかし、鉢植えで管理すると根の量が制限されることで、地上部も大きくなりにくくなります。成長が緩やかになれば、毎年クリスマスツリーとして活用できできますし、剪定などの管理もしやすいというメリットがあります。植える鉢の大きさは苗のサイズにもよりますが、樹高1mほどのものであれば、直径30cm(尺鉢)くらい鉢がよいでしょう。鉢植えになっておらず、根の周りをわら縄で巻いてある「根巻き」であれば、そのまま鉢に入れ、隙間に赤玉土6:腐葉土4の配合用土を入れて植え付けましょう。放っておくとすぐに根詰まりを起こしてしまうので、1〜2年間隔で定期的な植え替えが必要です。植え替えに適した時期は3〜4月、9〜10月です。 水やり モミは乾燥に弱い一面があります。地植えであれば心配ありませんが、鉢植えの場合はちょっとの水切れで枯死することもあるので気を付けましょう。そのため用土が乾ききる前に、必ず水やりを行ってください。ただし心配だからといって水をやりすぎると根腐れの原因にもなるので、鉢土の表面が乾いてきてからにしましょう。 肥料 鉢植えであれば緩効性肥料を生育期が始まる春先に与えます。地植えの場合は基本的に必要ありませんが、木が大きくなりすぎないように、冬季に断根する際には、腐葉土や牛ふん堆肥などと一緒に、油かすなどを一握り程度与えるとよいでしょう。 剪定 基本的には、自然樹形できれいな円錐形に育ちます。形や大きさを調整したい場合、葉先を剪定バサミで切り戻す程度であれば、一年を通してできます。太い枝を切り戻すなどの強剪定は、成長の緩慢な冬期に行うようにしましょう。 枝を切る際に気をつけなければならないのは、モミをはじめとする針葉樹は、葉が生えていないところからは新しい芽や葉を極めて出しにくいということです。上の写真のように、葉のあるところで切れば、切ったところから新しい芽や葉が出ますが、葉が生えていないところで切ってしまったら、新しい芽が出ることは稀です。なので、モミ(及び針葉樹)は、葉があるところで切るか、いらない枝をつけ根や分岐部で切るのが基本です。春先までになるべく枝を減らして、樹幹内部によく光が入るようにしておくと、新しい芽や枝が出やすくなります。 樹高が高くなりすぎると剪定などの管理がしにくくなり、木がさらに大きくなってしまいます。あまり大きくしたくない場合は、頂点の枝を深めに分岐部まで切り戻し、その下から横に出ている枝を真っ直ぐ上向きに立てて誘引し、樹木の先端を切り替えるとよいでしょう。 また、樹木は地上部と根の量がバランスを取ろうとする性質があります。剪定するときに、同時に樹幹の範囲を10〜15cmほど軽く耕すと、地中にある根が切られ、根の量が減ることで地上部の枝が伸びにくくなります。あまり根を切りすぎると木が枯れてしまうので、あくまで軽く耕す程度にしておきましょう。さらにその時、1㎡あたり14ℓ程度の腐葉土か牛ふん堆肥を一緒にすき込んだり、一握り程度の油かすを混ぜ込んでおくと、健やかに生育するようになります。ちなみに樹冠とは、枝が広がっている範囲のことです。 育てる際の注意 もみは寒さに強く、日当たりと風通しのよい場所を好みます。反面、日陰や暑さ、蒸れなどには弱いため、注意しましょう。鉢植えで管理している場合、夏場は西日が直接当たらないところに移動するとよいでしょう。 モミの木を育ててみよう! モミはクリスマスシーズンになると、園芸店などにさまざまなサイズや種類のものが並ぶようになります。鉢植えであれば大きさを制限しながら長く楽しむことができるため、おすすめです。シンボルツリーとして育てながら、冬には立派なクリスマスツリーにもなるモミ、何か得した気分になりますよ。みなさんもこの機会にモミの木を育ててみませんか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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針金のように細い茎と可愛い葉が特徴! ワイヤープランツとはどんな植物?
観葉植物として人気! ワイヤープランツの基本情報 ワイヤープランツは、タデ科ミューレンベッキア属の常緑低木です。つるを伸ばして生育し、長いものでは5mにも達します。枝垂れるように這い広がるので、コンテナやハンギングバスケットの縁取り、グラウンドカバーなどに好んで利用されます。 ワイヤープランツのつるは茶色で、名前の通りワイヤーのように細いのが特徴。葉は艶やかな明るいグリーンで、1cmほどの小さな丸い葉が密につく姿が愛らしく、観葉植物としての一面も持っています。 原産地はニュージーランド、オーストラリアで、暑さに強く、寒さには弱い性質。日向から半日陰で生育し、明るい窓辺であればインテリアとしても楽しめます。 ワイヤープランツを上手に育てるコツ ここまで、ワイヤープランツの基本情報についてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、育て方の解説に移りましょう。適した環境、土作り、植え付けに始まり、水や肥料の与え方、切り戻しなどの日頃の管理、増やし方まで、詳しくガイドしていきます。 ワイヤープランツを育てるのに適した環境 ワイヤープランツは日向〜半日陰で、風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所にも耐えるため、インテリアグリーンとして楽しむこともできます。その場合は、窓辺などできるだけ明るい場所に置くようにしてください。 ワイヤープランツに適した土作り 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 ワイヤープランツの植え付けと植え替えに適した時期と方法 ワイヤープランツの栽培は、花苗店やホームセンターなどで販売されている苗を入手し、植え付けるところからスタートするのが一般的です。苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 苗の植え付け・植え替えの適期は、4〜6月、9月下旬〜11月です。ただし、苗は周年出回っているので、それ以外の時期に入手した場合は、早めに植え付けます。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、ワイヤープランツの苗よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。苗をポットから出したら根鉢をやや崩して植えましょう。複数の苗を植え付ける場合は、草丈に応じて20〜40cmの間隔を取ってください。最後に、たっぷりと水やりします。 ワイヤープランツは低木に分類されるライフサイクルの長い植物です。数年は植えっぱなしにしてもいいのですが、大株に育って込み合ってきたら掘り上げて植え直し、若返りを図るとよいでしょう。古い根を整理し、あまり大きくしたくない場合は、株分けして小さくしてから植え直します。 【鉢植え】 5〜6号鉢に1株を目安に植え付けます。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ワイヤープランツの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出して根鉢を軽く崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 ワイヤープランツは生育が旺盛なので、根詰まりを防ぐために1〜2年に1度は植え替えましょう。1〜2回り大きな鉢を用意して鉢増ししてもいいですし、同じ鉢を用いたい場合は根鉢を崩して古い根を整理し、株分けして小さくしてから植え直します。 水切れには注意! 乾燥が苦手なワイヤープランツ 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水がぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 また、真冬に水やりする場合は、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまいます。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ワイヤープランツは乾燥を嫌うので、水切れしないようにすることが大切です。ただし、いつもジメジメしていると、根腐れの原因になってしまうので、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。水やりを忘れてひどく乾燥させてしまうと、葉が落ちたり、つるが伸びにくくなったりして、観賞価値が下がってしまうので注意しましょう。 ワイヤープランツに肥料は必要? ワイヤープランツに肥料を与えるのに適した時期は、3月下旬〜6月、9月下旬〜11月です。肥料を好む植物なので、生育が旺盛な時期は株の状態を見て定期的に与えてください。 【地植え】 株の状態を見て、勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を株の周囲にまいて、土によくすき込みます。 【鉢植え】 月に1度を目安に、緩効性化成肥料を少量施して株の勢いを保ちます。2週間に1度を目安に液肥を与えてもかまいません。 生育旺盛なワイヤープランツは剪定や切り戻しが必要 ワイヤープランツは旺盛に生育し、草姿が乱れやすい植物なので、切り戻して美しい姿を保つことが管理のポイントです。丈夫な性質なので時期を選ばず、一年を通して剪定することができます。好みの長さでつるを切り取ってかまいません。切り戻すと分枝が促され、再び株が盛り返して勢いよく生育します。 ワイヤープランツの夏越しと冬越し 夏越し 【地植え】 ワイヤープランツは高温多湿の環境を嫌うので、植え付け時に午前中のみ日が差す東側か、落葉樹の足元など真夏は半日陰の環境になる場所を選ぶと安心です。 【鉢植え】 真夏の高温多湿の環境下では蒸れやすくなるので、風通しがよく涼しい半日陰などに移動して管理するとよいでしょう。 冬越し 【地植え】 ワイヤープランツの耐寒温度はマイナス5℃くらいまでですが、霜にあたると落葉します。冬もエバーグリーンを楽しみたい場合は、鉢に植え替えて霜のあたらない軒下やベランダ、室内の明るい窓辺などで管理するとよいでしょう。遅霜の心配がなくなった頃に、また庭に植え直します。霜にあたって落葉したとしても、根が生きていれば翌春の生育期には再び新芽を出し始めます。 【鉢植え】 軒下やベランダ、室内の窓辺など、霜の当たらない場所に移動して管理します。 ワイヤープランツを増やす3つの方法 ワイヤープランツは、ほかの植物に比べて手軽に増やすことができます。ここでは、3つの増やし方についてご紹介しましょう。 もっとも簡単な増やし方! 植え替え時に株分けする ワイヤープランツは、株分けして増やすことができます。適期は、植え付け・植え替えと同じ4〜6月、9月下旬〜11月です。 ワイヤープランツが大株に育ったら、株を掘り上げて土を落とし、数芽つけて根を切り分けます。切り分けた株を植え直せば、その分だけ数も増えるというわけです。大株に育つと、存在感が大きくなりすぎて持て余してしまうことも。このように小分けにすると株が若返って、再び勢いよく生育するメリットもあります。 発根までは管理が必要! たくさん増やせる挿し木 挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましい生命力ですね! 植物の中には挿し木ができないものもありますが、ワイヤープランツは容易に挿し木で増やせます。 ワイヤープランツの挿し木の適期は、5〜6月か9〜10月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、挿し穂を植えて土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 水挿しでも発根する! インテリアとしても楽しめる方法 挿し木よりも手軽に増やせる、水挿しの方法をご存じでしょうか。適期は挿し木と同じで、5〜6月か9〜10月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取り、採取した枝(挿し穂)を、水を張った容器に挿し、明るい窓辺などに置きます。おしゃれなフラワーベースを利用すれば、インテリアとして楽しめますよ! 水を毎日替えて管理すると、切り口から根が出てきます。十分に発根したら、3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れ、植え付けます。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。 小さい花が咲いて実もなる! ワイヤープランツは主に葉姿の美しさを観賞する植物ですが、夏には2〜5mmほどの小さな花が見られます。グリーンを帯びた淡い黄色い5弁花で、咲いているのを見つけたら気分が上がりそうですね。開花後には、透明感のある白い小さな実をつけますよ! ワイヤープランツの花言葉には、「純愛」「あなたを思っています」「憧れ」などがあります。 ワイヤープランツの種類 ワイヤープランツは、一般に流通している基本種のほか、園芸品種もいくつか出回っています。 ‘コンプレッサ’は、新葉にピンクや白の斑が入る品種です。斑は成長とともに消えやすいので、切り戻して新芽を促すとよいでしょう。 ‘スペード’(流通名はワイヤースペード)は葉に切り込みが入って、名前の通りスペードの形に似た葉姿が特徴。基本種よりも節間が長く、野趣感のある演出ができます。‘ゴールデンガール’は新芽が黄色で、基本種よりも明るい雰囲気を持っています。 寄せ植えやハンギングに地植えまで! ワイヤープランツの楽しみ方 ワイヤープランツは、コンテナやハンギングバスケットの寄せ植えに定番人気の植物です。枝垂れるように伸びる自由なラインが動きを出し、愛らしい葉がほかの花の引き立て役となってくれます。コンテナスタンドやハンギングバスケットなど高い場所に飾って、ワイヤープランツをあふれるように枝垂れさせれば、よりダイナミックな演出をすることができます。季節を選ばずに切り戻しができるので、邪魔になりそうであれば気軽に切って、形を整えることができるのもいいですね。 地植えの場合は、グラウンドカバーとして地面を覆うように這わせると、雑草除けになります。斜面などの上部に植栽して、つるを下へ流れるように這わせる演出も素敵です。 取り入れ方はさまざま! ワイヤープランツを上手に育てて楽しもう この記事では、ワイヤープランツの基本情報から育て方、種類、取り入れ方などについてご紹介してきました。みずみずしい葉姿が美しいワイヤープランツは、コンテナやハンギングバスケットを使った寄せ植えのほか、地植えにしてグラウンドカバーに、また室内に飾ってインテリアグリーンにと、用途が幅広いのも魅力です。丈夫で育てやすいので、ぜひ庭やインテリアに取り入れてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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栗の育て方・主な品種とは? 気になる育て方をさまざまな項目に分けて徹底解説!
栗とはどんな植物? 誰もが知っている栗ですが、植物としての栗の生態を詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。ここでは、そんな栗の基本的な情報について解説したいと思います。 基本情報 日本原産の栗はブナ科クリ属の落葉樹で、学名をカスタネア・クレナータCastanea crenata といいます。日本以外にもアジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの温帯域に広く分布しています。果樹として栽培されている栗は大きく分けて、日本原産の和栗、ヨーロッパ栗、中国栗などがあります。 園芸分類としての栗は庭木などに利用され、耐暑性、耐寒性ともに強く、土壌もあまり選びません。樹高2m以上になる中高木で、樹齢100年を超えるような寿命の長い果樹です。開花期は5~6月で、独特の匂いを放ちます。同じ木の花粉では受粉、結実しにくい自家不和合性という性質が強いので、受粉用の木をもう1本植える必要がありますが、近所に栗の木があれば結実を期待できます。花言葉は「豪奢」「贅沢」「満足」などといったものがあり、これはもともと栗が高級食材であったことに由来しているようです。 特徴 ブナ科クリ属に分類されるものは、世界で12種あります。私たちが食べている部分は堅果と呼ばれる果実部分ですが、種類によって食味や風味が異なります。栗は雌雄同株で5月頃からクリーム色で細いブラシ状の雄花を多数付けます。ブナ科の樹木は風に花粉を運ばせて受粉させる風媒花が多いのですが、栗は独特な匂いでハエなどの昆虫を誘い、受粉させる虫媒花です。自家不和合性といって単体では結実しにくい性質があるため、栗の実を収穫したい場合は、別の品種を近くに植える必要があります。受粉が成功すれば、花の付け根あたりに緑色の小さなドングリのような実ができます。大きくなるにつれてイガの部分も発達してきます。茶色くなって成熟するとイガの部分の皮が裂け、堅果が顔を出します。自然落下することもありますが、イガごと落下する場合もあります。 栗の主な品種 栗は世界の広い範囲に自生していることから、さまざまな品種が作出されています。産地や品種によってその特徴や用途も違うため、それぞれの品種が最適に活用できるように、ここでは品種ごとの特徴を解説したいと思います。 和栗 和栗は日本原産のシバグリから品種改良を行って作られた品種で、主に日本で栽培されています。渋皮の剥きにくさはありますが、他品種と比べ食用部分が大きいところが特徴です。 和栗の中でも古くから有名な品種に、丹波栗や利平栗があります。丹波栗に代表される「銀寄」や「丹沢」という品種は大粒で早く収穫ができるため人気があり、生産率では全体の2~3割といわれています。食味の特徴としては、大粒でほくほくとしてとても食べ応えがあります。風味や甘みもほどよくのり、蒸したりゆでたりしたものをそのまま食べても美味しく、また栗ご飯や和菓子などに使うと上品な甘さと香りが引き立ちます。 利平栗は、岐阜で作出された日本原産の栗と中国原産の栗の交配種です。生産者の屋号を取って命名されました。堅果は丸くふっくらとして、果頂部には産毛が多いのが特徴です。食味はやや粉質で食感がよく、風味や甘みの強さから栗の王様とも呼ばれています。ゆでたものをそのまま食べても美味しいですし、渋皮煮などもおすすめです。 ヨーロッパ栗 南東ヨーロッパや西アジアを原産とする栗です。イタリアやフランスでの栽培が盛んで、日本でもよく聞く「マロン」はフランス語です。洋菓子の具材として使われることが多く、堅果は小さく粘り気の少ない品種です。焼き栗にしても美味しく食べられます。病気や害虫に弱いことから、日本ではあまり栽培されていません。 中国栗 中国華北地方原産の栗で、堅果は小さいですが甘みが強く、渋皮が剥がれやすいことから焼き栗として食べられることの多い品種です。日本では「天津甘栗」として知られています。甘みは強いものの食用部分が堅いため、菓子類にはあまり使われません。 栗の育て方とは これまで栗の特徴について解説してきましたが、品種によっては日本での栽培が難しいものもあります。ここでは、日本原産の栗の育て方について、収穫するために何を意識したらよいのか、栽培環境や剪定はどうしたらよいのかなど、幅広い視点で解説したいと思います。 栽培環境 一年を通して日当たり、風通しのよい場所に植えましょう。栗は陽樹といって日陰では生育不良や実付きが悪く、環境によっては枯れてしまうことがあります。栽培適地は、栄養が豊富で保水性、排水性に優れた弱酸性の土壌です。粘土質や乾燥しすぎる土壌ではうまく栽培できないことがあるため、植え付け前に腐葉土や果樹専用培養土などを混ぜて土壌改良をしておきましょう。 水やり 適地に地植えしている場合、水やりはあまり意識する必要はありません。植え付け直後で葉が萎れるようであれば、たっぷり与えてください。鉢植えで育てている場合は乾燥に注意し、乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。 剪定 栗は幹まで日が当たるくらい明るいのを好みます。剪定は落葉期(12~3月)に行いましょう。実が収穫できない幼樹の間は、内向枝や伸びすぎた枝を切る程度の軽い剪定を。その後も内向枝は意識して剪定し、混み入った部分の枝を整理し、全体的に枝を左右の外側へ導く開心自然系に仕立てていきます。栗の花は前年に伸びた枝に花を付ける旧枝咲きのため、強剪定で旧枝まで切ってしまうと実が付きません。上に向かって強く伸びる枝はつけ根から切ります。強剪定しなくて済むように定期的な剪定を心がけましょう。 植え付け・植え替え 落葉期(12~3月)が適期ですが、霜が降りるような厳冬期は避けましょう。 鉢に植える際は7号から10号程度の鉢を用意し、まず鉢底石を敷きます。用土は保水性と排水性を意識して作りましょう。赤玉土6に腐葉土4を混ぜ合わせた配合土か果樹専用の用土を鉢の1/3ほど入れたら苗を置いて、さらに覆土します。その際、苗の根をチェックし、枯れている根は取り除いておきましょう。植え付けが終わったら水やりです。鉢底から濁った水が出なくなるまで与えてください。通常2年程度で根詰まりが起きて成長に影響が出やすいため、2年間隔での植え替えがおすすめです。 ある程度大きくなった苗を地植えする場合は、土づくりを済ませておきましょう。幅100~130cm、深さ50cmほどの穴を掘り、植え付けます。数株植える場合は、株間を6~7m程度取りましょう。 注意する病害虫 樹木としては丈夫です。適地であれば大きな病気の心配はありません。まれに剪定後の枝や露出している根から菌が入り、胴枯病という症状が出る場合があります。発症すると発症部位が黒色や褐色に変色し、樹皮の質感がざらざらしてきます。症状が進行するとその部位からの亀裂が進み、全体が枯れてしまうことがあります。心配な場合は株元をマルチングし、太い枝を剪定する際は剪定後の切り口に癒合剤を塗って菌の感染を防ぐようにしましょう。対して栗の実は、カミキリムシ、シキゾウムシ、アブラムシなどさまざまな昆虫の食害に遭う可能性があります。害虫は見つけ次第すぐに除去しましょう。 増やし方 実生でも増やすことができますが、自家不和合性の強い栗は実生の場合、交配元の両株の影響を受けるため、元株と同じ形質が出ないことがあります。そのため、同じ品質の栗を増やしたい場合は接ぎ木しましょう。販売されている栗のほとんどは、丈夫な原種のシバグリに接ぎ木されたものです。適期は3~4月。適切な台木と穂木を用意して行いましょう。 栗の栽培に挑戦し、実を収穫して楽しもう 栗を含めた果樹栽培の醍醐味は、収穫し、それを食べることにあります。特に栗は代表的な秋の味覚でもあり、収穫は大きな楽しみです。果樹の中でも大きく育ち、実を収穫するためには数株植える必要があることや、害虫対策など、やや敷居の高い部分はありますが、こまめな剪定で樹高を制限し、管理をしやすくすることで、それらの手間を軽減しましょう。栗栽培は自分の頑張りが収穫に結びつくので、満足感のある園芸ライフになりますよ。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

ヤドリギを見つけよう! 幸運をもたらす神聖な樹
ヤドリギは永遠を象徴する神聖な樹、恋人の樹 冬でも青々と葉を茂らせるヤドリギは、永遠を象徴する神聖な樹として、クリスマスシーズンにその枝を飾る風習があります。「ヤドリギの下に立っている女の子にキスをしてもいい⁉︎」という言い伝えもあることから、ヤドリギは「恋人の樹」ともいわれています。「ヤドリギなんて知らない」という方、少し興味を持っていただけましたか? 不思議なヤドリギの特徴、生態、数々の伝説を詳しく知って、きたるべきクリスマスシーズンを楽しく迎えましょう。 ヤドリギの特徴と生態 Natalia Golubnycha/Shutterstock.com ヤドリギは樹木の枝や幹に寄生して、水分、栄養分をもらって成長する常緑の多年生植物です。しかし、葉緑素を持っていて自分で光合成によって栄養分を作り出すこともできます。正確には半寄生植物といえるでしょう。1年につき1節だけというゆっくりとした成長のため、大きな球形になるまでには20年以上かかります。成長するにつれ葉が密集し、鳥の巣のような形になっていくのです。2月頃にあまり目立たない黄緑色の花を咲かせ、11月から2月にかけては、白や薄い黄色、オレンジ、赤などの丸い実をつけます。 Orest lyzhechka/Shutterstock.com ヤドリギはビャクダン科ヤドリギ属。ヨーロッパから日本にかけてユーラシア大陸の端から端まで広く分布しています。そして、寄生する樹木によって多くの品種があります。日本で見られるヤドリギは、ケヤキ、エノキ、ミズナラ、コナラ、ブナ、シラカバ、サクラなどさまざまな樹に寄生します。落葉樹が多いですが、マツのような常緑樹に寄生することもあります。冬になって寄主(寄生植物が寄生する相手)が落葉すると、丸いヤドリギの形が蒼天にはっきりと姿を現し、「ここにいるよ!」とその存在を宣言します。 ヤドリギにまつわる伝説 すっかり葉を落とした冬の森。そのモノトーンの世界に、枯れずに青々と茂り、丸い形を高いこずえにフワリと浮かせているヤドリギ。古代の人々は、ヤドリギに不思議な霊力とパワーを感じたに違いありません。 ヤドリギにまつわる幾つかの伝説、習慣をご紹介しましょう。 紀元前1000年頃のヨーロッパに定住していた古代ケルト族は、特にオークの樹に宿ったヤドリギを神聖視しました。ケルト族の宗教を司る僧が1月6日に黄金の鎌でヤドリギを切り落とす儀式を行っていたと伝えられています。その枝は不老長寿の薬、魔除け、幸福をもたらすものとして、特別の日に人々に配られたということです。 PapierZaha/Shutterstock.com 北欧神話では、光と喜びの神バルデルは皆に愛され、全ての自然物はバルデルを殺したり傷つけたりしないと誓いをたてました。ところが、ヤドリギはあまりに小さな樹であったため、この誓いに参加しなかったのです。そこでバルデルの敵がヤドリギを用いてバルデルを殺してしまったということです。 maritime_m/Shutterstock.com イギリスでは、ヤドリギの下に立っている女の子はキスを拒めない、という言い伝えがあります。このキスは2人の結婚を確実にしてくれるといわれています。恋人のいる女性は、心してヤドリギに近づかなければなりません。 Oksana_Schmidt/Shutterstock.com また、スカンジナビアでは、ヤドリギは「平和」を表します。ヤドリギの束をドアの外に吊すと、客人の身の安全が保証されるというものです。物騒だった昔の旅で、旅人にとってヤドリギは心強い味方だったのですね。 さて、日本ではヤドリギはどのように捉えられていたでしょうか? 8世紀に編集された万葉集に、大伴家持がヤドリギを詠んだ歌が収められています。 あしひきの 山のこぬれ(木末)の ほよ(寄生)とりて かざしつらくは ちとせ(千年)ほ(寿)くとぞ この「ほよ」はヤドリギの古名。 「山の木のこずえからヤドリギを取って髪に飾るのは長寿のおまじないなのだそうだ」 という意味の歌です。めでたい正月の宴席で詠んだものといわれています。 Federico.Crovetto/Shutterstock.com どうやら、ヨーロッパでも日本でも、ヤドリギは生命力の象徴として、人々を守り幸運を授けるものと信じられてきたようです。 最後に宮沢賢治の『水仙月の四日』という童話をご紹介したいと思います。短いですが、とても素敵なファンタジーなので、ぜひ読んでみてください。もちろん、ヤドリギも出てきますよ。 ヤドリギの増え方 ヤドリギの実を食べるヒレンジャク。Richard Constantinoff/Shutterstock.com ヤドリギは、どうやって高いこずえに種子を付着させるのでしょうか。種子が地面に落ちてしまったら、地上では発芽できないのです。 その秘密は、種子の特殊な性質にあります。ヤドリギの種子は、ネバネバとした粘着物で包まれています。そのため、鳥に食べられた種子は消化されずに、お尻から出てきます。この時、種子の周りのネバネバが糸のように伸びてぶら下がり、風に揺られて近くの枝にくっつくというわけです。枝に運よく? くっついた種子は、寄主の枝の表面に「寄生根」と呼ばれる根を伸ばして、水分や養分をもらう寄生生活を始めます。 なんと巧妙な仕組み! 日本ではヒレンジャク、キレンジャクが好んでヤドリギの実を食べるそうです。これら特定の鳥が、ヤドリギの繁殖に貢献しているのです。 ヤドリギは園芸向きではない? ヤドリギを自分の手で育ててみたいと思っている方、いらっしゃいますか? じつは、ヤドリギを人工的に寄生させることは非常に難しいといわれています。その理由は、まず苗や種子が出回っていないこと、一般的に植物を増やす時に用いられる接木では、ヤドリギは増やせないことが挙げられます。 運よく種子が手に入って発芽に成功したとしても、成長して大きく目立つようになるには20〜30年もかかります。 ヤドリギは神秘的な植物ですから、やはり自然の手に委ねたほうがいいようですね。 ヤドリギを見つけに行こう Art_Pictures/Shutterstock.com さあ、ヤドリギを探しに行きましょう。冬に向かう季節は寄主が落葉し、常緑植物のヤドリギが目立つので、見つけるのにピッタリです。ヤドリギがよく寄生する植物を目当てにします。 平地ではケヤキ、エノキ、サクラなどの大木。こういう大木は、神社やお寺、城跡など古くからあってあまり人が行かない場所にあります。川沿いの桜並木に寄生していることもあります。まず、近所の古そうな神社、お寺へヤドリギ探検に行きましょう。山地や北日本ではコナラ、ミズナラ、ブナ、シラカバなど。山歩き、きのこ採りの時に見つけることが多いようです。 なかなかヤドリギに遭遇しないという関東の方には、ヤドリギが確実に見られる関東近郊の場所をご紹介します。都会に近く、簡単に行けるところばかりです。 ① 皇居(北詰橋門 東京メトロ半蔵門線竹橋駅から徒歩5分)② 砧公園(東京都世田谷区 一の橋近くの広場)③ 黒川清流公園( 東京都日野市 中央線豊田駅から徒歩10分)④ 東高根森林公園(神奈川県川崎市 北口前の広場)⑤ 富岡総合公園(神奈川県横浜市 管理センター近くの北台広場)⑥ 秋ヶ瀬公園(埼玉県さいたま市)⑦ 親沢公園(茨城県涸沼湖畔 駐車場付近)⑧ 栃木県民の森(栃木県矢板市 宮川渓谷沿い)⑨ 大室公園(群馬県前橋市 五料沼の周囲) ヤドリギは高いこずえに寄生していますから、オペラグラスを持って行ってよく観察しましょう。寒くなるので、マフラーや手袋も忘れずに。 クリスマスにヤドリギを飾りましょう marilyn barbone/Shutterstock.com ヨーロッパではクリスマスシーズンになると、魔除けや幸運を呼ぶシンボルとして家の玄関や窓辺にヤドリギが飾られます。最近、日本でもヤドリギをクリスマスの飾りに取り入れて楽しむようになってきました。 ヤドリギを店頭販売しているお店は多くありませんが、インターネットで見つかる場合があります。手に入ったら、貴重なヤドリギです。さっそく飾ってみましょう。 簡単でも見栄えがする、おすすめの飾り方が「スワッグ」です。一本でもヤドリギの姿がよく分かります。お気に入りのリボンで結んで窓辺に飾ってみましょう。また、数本を束ねたらより豪華なスワッグが楽しめます。もしくは、クリスマス時期の葉物や松ぼっくりと組み合わせても楽しいです。ヤドリギは1本からいくつか枝分かれしているので、短く切り分け小さな花瓶に活けても、その独特なシルエットが楽しめます。リース作りはちょっと上級者向けかもしれませんが、経験者なら、ぜひリースに挑戦してみてください。素材によって枝が落ちやすいことがあるので注意しましょう。 Anastasia Lembrik/Shutterstock.com 今年のクリスマスはヤドリギの神秘的な生命力を感じ、そのパワーを家族や友人と、あるいは恋人と分かち合いながら過ごしてみませんか。いつもとはちょっと違うミステリアスで楽しい雰囲気のクリスマスが味わえることでしょう。
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樹木

チェッカーベリーとは? これを読んでチェッカーベリーの栽培を理解しよう
チェッカーベリーって何? 冬もエバーグリーンのみずみずしい葉姿を保ち、丸くて愛らしい実をつけるチェッカーベリー。ここでは、基本情報や特徴、花言葉、種類、育て方についてご紹介します。 基本情報 チェッカーベリーは、ツツジ科シラタマノキ属(ゴーテリア属)の常緑低木です。和名はヒメコウジ(姫柑子)で、学名のGaultheria procumbensから、ゴーテリアとも呼ばれています。低木に分類されていますが、樹高は10〜20cmで大変小ぶりなため鉢栽培にも向いており、寄せ植えの花材として利用することも可能です。樹木なので、一度植え付ければ毎年花と実を観賞でき、コストパフォーマンスに優れています。 チェッカーベリーのライフサイクルは次の通りです。春から生育期に入り、新芽を出します。初夏に開花し、秋から冬にかけて赤い実をつけます。常緑のまま越冬しますが、強い寒さにあたると紅葉することがあり、赤い葉も魅力的です。越冬後に春を迎えるとまた新芽を出す……という繰り返しです。 チェッカーベリーの原産地は北アメリカ東北部で、寒さには強いものの夏の高温多湿や強い日差しがやや苦手。乾燥も嫌うので、水切れには注意が必要です。 特徴 チェッカーベリーは、やや厚みのある艶やかな葉を持っており、エバーグリーンとして冬でもみずみずしい葉姿を楽しめます。6〜7月にはベル形の小さな花を咲かせますが、観賞の目的は主に実で、11〜3月に真っ赤に色づく姿は大変魅力的です。実の大きさは、品種にもよりますが1cm前後で、たくさんの鮮やかな赤い実が寂しい冬の季節によく目を引きます。和にも洋にも合う樹姿なので、クリスマスやお正月の彩りとしておすすめです。 チェッカーベリーの赤い実はおいしそうに見えますが、残念ながら食用にはなりません。でも、鳥たちはこの実が大好物。赤い可愛らしい実は、鳥に食べられるとそのシーズンはもう楽しめないので、人がいなくなる時は鳥に取られないよう網をかけるか、鳥が入ってきにくい場所に置くなど、鳥対策をするとよいでしょう。 花言葉 チェッカーベリーの花言葉には、「不老長寿」「明日の幸福」などがあります。 チェッカーベリーの主な品種 チェッカーベリーは、赤い実をつける基本種が一般的ですが、中にはピンクの実をつける‘ピーチベリー’、白い実をつける‘ホワイトベリー’も出回っています。寄せ植えにしてメリハリをつけてもいいですね。 チェッカーベリーの栽培のポイント ここまで、チェッカーベリーの基本情報や特徴、品種など多岐にわたってご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、庭植えや鉢栽培のポイントをご紹介していきましょう。苗の植え付けからスタートし、水やりや施肥などの日常的なケア、剪定や増やし方など、ガーデニングのテクニックを具体的に解説します。 栽培環境 日当たり、風通しのよい場所を好みます。 高温多湿や真夏の強い日差しにはやや弱い傾向です。庭に地植えする場合は、午前中のみ日が差す東側か、真夏は半日陰の環境になる落葉樹の足元などを選ぶとよいでしょう。また、寒さには強いのですが、常に寒風が吹きつけるような場所は避けてください。 チェッカーベリーは水はけ、水もちがよく、やや酸性の土壌が適しています。また、乾燥には弱く、湿り気のある状態を好みます。 用土 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、ピートモス、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の培養土を利用すると手軽です。ツツジ科の植物で弱酸性の土壌を好むため、ブルーベリー用にブレンドされた培養土を選ぶとよいでしょう。自身で配合土をつくるなら、硬質鹿沼土小粒4、赤玉土小粒4、ピートモス2の割合でブレンドするのがおすすめです。 植え付け・植え替え チェッカーベリーの植え付けの適期は、3〜5月または、10〜11月です。これ以外の時期でも、例えば花苗店で観賞期を迎えた株を購入した場合、ポット苗の場合は早めに根鉢を崩さずに植木鉢に植え替えましょう。ギフト用の花鉢の場合は一通り観賞を楽しんだ後、適期に植え替えるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えの場合は、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜6号鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れます。元肥としてあらかじめ緩効性肥料を混ぜておいた培養土を半分くらいまで入れましょう。チェッカーベリーの苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておきましょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しむ場合は、根の生育が旺盛で成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの適期は3〜5月または10〜11月です。1〜2回り大きな鉢を用意して鉢増ししてもいいですし、同じ鉢を用いたい場合は根鉢を崩して古い根を整理し、株分けして小さくしてから植え直します。 水やり 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉全体にかけるのではなく株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまいます。 また、真冬に水やりする場合は、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまいます。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。チェッカーベリーは乾燥を嫌うので、水切れしないようにすることが大切です。ただし、いつもジメジメしていると、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾き始めたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 4〜5月と10〜11月中旬に、緩効性化成肥料を施します。または株の状態を見て、元気がないようなら速効性のある液体肥料を与えてもよいでしょう。 実の整理 【地植え・鉢植えともに】 チェッカーベリーの実が観賞期を過ぎ、傷んで見栄えが悪くなってきたら、摘み取って株まわりをきれいに保ちます。 剪定 【地植え・鉢植えともに】 チェッカーベリーは樹高が低く生育スピードが遅いので、強く切り戻したり、定期的に剪定したりする必要はありません。ただし、枝が込み合って鬱蒼としている部分があれば、古い枝や内側に向かって伸びている枝などを選んで切り取りましょう。木の内側にまで日が当たるようにするとともに、風通しをよくすることが大切です。 夏越し・冬越し 夏越し 【地植え】 チェッカーベリーは高温多湿や夏の強い日差しを嫌うので、植え付け時に午前中のみ日が差す東側か、落葉樹の足元など真夏は半日陰の環境になる場所を選ぶと安心です。株が弱るようであれば、鉢に植え替えて涼しい半日陰の環境で夏越しさせるのも一案です。 【鉢植え】 真夏の高温多湿の環境下では蒸れやすくなるので、風通しがよく涼しい半日陰などに移動して管理するとよいでしょう。 冬越し 【地植え・鉢植えともに】 チェッカーベリーの耐寒温度はマイナス5℃くらいまで。凍結に耐えるので、そのまま庭で越冬させても問題ありません。 増やし方 チェッカーベリーは、株分け、挿し木で増やすことができます。 【株分け】 株分けとは、大きく育った株を掘り上げて根を切り分け、1株から数株に増やす方法です。チェッカーベリーの株分け適期は、3〜5月または10〜11月です。4〜5芽つけて根を切り分け、植え直しましょう。株分けは、大株に育った植物の老化を防いで若返らせる目的もあります。チェッカーベリーは根の生育が旺盛で根詰まりしやすいので、鉢植えで育てている場合は1〜2年ごとに株分けしてリフレッシュを図りましょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましいですね! 植物の中には挿し木ができないものもありますが、チェッカーベリーは容易に挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、6月頃です。その年に伸びた新しい枝を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取り、残す葉は1/2から1/3ほど切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土、新しい培養土の順に入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を植えて土を押さえてください。約20日で発根するので、それまでは明るい日陰に置きます。その後は親株と同じ場所で管理し、十分に育ったら庭か鉢に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 チェッカーベリーの花や実がつかない原因とは? 観賞期に購入し、秋から冬にかけて真っ赤な実を十分に楽しんだチェッカーベリー。越年したのち「今年もまたたくさん実をつけてくれるかな、と期待していたのに、花が咲かず実もつかなかった。どうして?」という声を聞くことがあります。チェッカーベリーが実をつけるには、まず花が咲かなければいけませんが、時折花がつかないことがあります。それにはいくつかの原因が挙げられるので、以下を参考にしてください。 ●水切れさせてしまった チェッカーベリーは、湿り気のある土壌を好みます。そのため、開花する頃に水切れさせると、株が弱って花が咲かなくなることも。水切れさせてカラカラに乾燥させることは禁物です。一年を通して適切な水の管理を心がけてください。 ●日照不足が原因 チェッカーベリーは半日陰の環境にも耐える植物ですが、あまりに日当たりが悪い場所では、花が咲かなくなることがあります。真夏以外はできるだけ、日当たりのよい場所で管理するようにしてください。 ●株が大きくなりすぎて衰えてしまった チェッカーベリーは根の生育が旺盛なので、株が込み合いすぎて衰えてしまい、花芽がつかなくなることがあります。特に鉢植えの場合は根詰まりしやすいので、1〜2年に1度は植え替えするとともに、株分けをして若返らせましょう。 情熱的な赤が魅力のチェッカーベリー! 自身の手で育ててみよう 秋から冬にかけて、真っ赤な愛らしい実をつけるチェッカーベリー。冬枯れで寂しげな景色の庭に、みずみずしい生命力を与えてくれます。チェッカーベリーは低木に分類されていますが、樹高は10〜20cmなので管理がしやすいのも長所の一つです。ぜひ庭やベランダに迎え入れて、クリスマスやお正月を盛り上げてはいかがでしょうか? Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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観葉・インドアグリーン

【保存版】モンステラの育て方! 栽培のポイントやお手入れのコツ大公開!
モンステラってどんな植物? モンステラはアメリカの熱帯地域原産の着生植物で40以上の種があるといわれ、日本国内でも20〜40種類が流通しているようです。一年を通して葉が緑色の常緑性で、葉に水孔(すいこう)と呼ばれる排水器官があります。成長に伴い葉に切れ込みが入ったり穴があいたりして独特な姿になり、部屋にあるだけで南国の雰囲気を楽しめます。丈夫で育てやすく、サイズも豊富な観葉植物として、広く親しまれています。 基本情報 モンステラは丈夫で暑さに強く、室内の明るさでも耐えられる育てやすさが魅力です。大きさも30~200cmとバリエーション豊かで、好みのサイズを選ぶことができます。 茎から出ている根は気根(きこん)といい、空気中の水分などを吸収したり、体を支える役割があります。モンステラの名前「Monstera」は、奇怪・異常を意味するラテン語「monstrum」が語源といわれ、その独特な葉の形は代表的なボタニカル柄モチーフとしても愛されています。 どんな場所で育てられる? 丈夫なモンステラですが、より元気で見栄えよく育てるためには、どのような場所に置けばよいのでしょうか? 1つめの条件は柔らかい光がよく当たる場所。光が少なくても枯れにくい性質ですが、適度は光は健康な株に育つポイントです。直射日光を当てると葉が傷むことがあるため、カーテンや遮光ネットなどで日よけをしましょう。2つめは5℃以上の気温を保つことです。もともと熱帯地域の植物なので、あまり寒いと枯れてしまいます。また、室内の場合はエアコンなどの風が直接当たらないようにし、過度な乾燥に気を付けましょう。 モンステラを育てよう!【購入~栽培準備】 いよいよモンステラを購入します。まずは栽培に必要なもの、株の選び方、種まき、植え付けまでの準備をご紹介します。 育てるためには鉢、用土、ジョウロ、霧吹き、肥料(固形の緩効性化成肥料か液体肥料)、剪定バサミなどを準備します。 モンステラは株を購入して育てるのが一般的。株は葉が大きく茎がしっかりした、病害虫被害のないものを選びます。植え付けは5~7月の暖かい時期に、挿し木をする場合は湿度の高い6月頃に行います。根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っている状態を保ちましょう。 種子はほとんど流通していません。ごく稀に、花が咲いて種子が取れた場合は、ピートモスや種まき用の土に播いて増やすことができます。種まき時期のおすすめは4~6月の暖かい時期で、芽が出るまでは、常に土の表面が湿っているようにします。 モンステラを育てよう!【栽培の基本】 モンステラは成長が早いため、水や肥料をしっかり与えることがポイントですが、過度に与えると逆効果になります。モンステラの基本的な栽培のポイントについてご紹介します。 水やり 春から秋は、鉢の土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。夏は生育期で乾きが早いので、表土が乾いたら毎日でもたっぷり与えてかまいません。モンステラは暑さより寒さに弱い特徴があり、低温の環境で湿ったままの状態が続くと根が傷むことがあるので、冬は表土が乾いてから更に2~3日あけて水やりします。 肥料 モンステラは春から夏にかけて成長するので、この期間は土の上に置くタイプの固形肥料を2カ月に1回与えます。冬は成長が止まり、肥料があると根が傷むことがあるため、施肥を控えます。葉の色が悪くなってきたら、希釈した液体肥料を2週間に1回与えてもよいでしょう。 葉の管理 モンステラを室内で育てているとチリやほこりが葉の表面にたまります。モンステラの葉にある小さな穴に埃がたまると水を吸収できない可能性もあるので、拭きましょう。また霧吹きで葉に水をかけてやると、より元気になります。 モンステラを育てよう!【病害虫】 モンステラは基本的に病気や害虫に強い観葉植物ですが、被害にあう場合もあります。代表的な害虫はハダニとカイガラムシです。 ハダニが発生する主な原因は乾燥なので、暖房をつける季節は特に注意が必要です。葉っぱの裏に棲みつくことが多いので、日頃からよく観察しましょう。見つけたら洗い流すように霧吹きで水を吹きかけ、数が多ければ殺虫剤を使用します。 夏に繁殖期を迎えるカイガラムシは、枝や葉裏、根元などあらゆるところに吸着し、排せつ物は黒すす病などの病気の原因となります。カイガラムシを見つけたらすぐに駆除することが重要です。成虫の場合は薬剤が効きにくいので、歯ブラシなどで直接こすり落とします。また卵駆除のため、薬剤をまきます。 どちらも温度の高い時期に発生しやすく、放置すると葉っぱが枯れるので、こまめに観察し早めに駆除しましょう。 こんなときどうする?【元気がなくなった】 モンステラの元気がないのは、根詰まりが原因かもしれません。その場合は植え替えましょう。植え替えサインは、葉が黄色くなる、株元の葉が枯れる、水やりしても葉がピンとしない、底穴から根が出ている、水がなかなか染み込まないなどが挙げられます。植え替えには基本的な道具に加え、大きな株の場合は支柱や紐、またガーデニング用の手袋などがあると便利です。 植え替えはモンステラの成長する春から秋に行います。土は観葉植物用の培養土で構いません。植え替え準備として、水やりを控えて土を乾燥させておきます。 植え替えの際は、まずあまり根鉢が崩れないようにして鉢を外します。この時に、モンステラの株を持って無理矢理引っ張ることは避けましょう。鉢が外れたら、根についた古い土を手で揉んで落とし、黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切ります。植え替える鉢は、元の鉢でもかまいませんし、株を大きくしたいなら1~2回り大きなサイズ(直径が3〜6cm大きなサイズ)を使ってもかまいません。土を落とした株を鉢に入れてみて、根が入りきらないようであれば、適宜切って収まる長さに整えます。植え替えは適期に行えば、根を1/3~1/2くらいはカットしても大丈夫です。 植え替える鉢に鉢底石を入れ、株と土を入れていきます。土にすき間があると、水やりしたときに均等に水が染み込んでいかないので、箸や棒でつつきながら用土を入れていきます。その際、なるべく根の全体が新しい土と馴染むように。株がぐらつくようであれば支柱を立てましょう。 植え替えが終わったら鉢底から流れ出るまでたっぷり水をやります。水やりをすると土が目減りすることがあるので、もしも表面がへこむようであれば、用土を足します。根が少ないと葉からの水分蒸散が負担になるので、できれば減らした根と同じくらいの割合で、葉を剪定しましょう。根を1/3切ったら葉の枚数も1/3減らすというような具合です。植え替え後は、1〜2週間ほど強い光が当たらない場所に置き、徐々に明るい場所に移動させます。 こんなときどうする?【葉が増えてきた】 モンステラが大きくなり、バランスが悪くなったり見栄えが悪くなったら剪定しましょう。葉が茂りすぎてバランスが悪い場合は切り取ります。茎の途中から生えるひも状の気根は、自然環境では支柱の役割をしています。見た目が気になる場合は、生え際から切り落として構いません。気根を付けたまま茎の途中で剪定した場合は、切った部分を植え付ければ、株を増やすことができます。剪定の際は、ゴム手袋をはめて作業しましょう。 こんなときどうする?【増やしたい】 モンステラはさまざまな方法で増やすことができます。ここでは3つの増やし方をご紹介します。 株分けは、1つの株をいくつかに分ける方法です。傷んだ部分を切り取り、根元をカットして分けます。その後は植え替えの手順に準じます。 挿し木は、気根のついた茎を使用し、新しい株を作る方法です。茎に2、3枚残して葉を横半分にカットし、蒸散量を減らします。新たに発根するまで乾燥させないよう注意し、明るい日陰で管理します。 茎伏せは、短く切った茎で新しい株を作る方法です。短く切った茎を土の上に横に寝かせ、軽く土をかけます。発根するまで土が乾燥しないよう注意しましょう。挿し木より時間がかかりますが、たくさん増やすことができます。節(葉のつけ根の部分)がついた茎だと、新しい株ができやすいです。 モンステラを育てておしゃれな空間を作ろう! この記事ではモンステラの魅力と育て方について詳しくご紹介しました。モンステラは丈夫で育てやすく、お手入れのポイントを押さえれば誰でも育てることができる観葉植物です。種類やサイズも豊富でインテリアとしても魅力的なので、ぜひこの記事を参考に育ててみてください。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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果樹

秋のレア食材「アケビ」ってどんな植物? 高血圧予防や美肌に嬉しい栄養素と失敗しない選び方&育て方
「アケビ」って何? DB Media/Shutterstock.com アケビというと「昔はよく食べていた」と言われることの多い食材ですよね。今でも地方の地場産野菜を販売するスペースなどでは時期になると見かけることがあります。しかし、やはり目にする機会は少なく、「アケビって何?」と思う人も多いはず。ここではまずアケビとは何なのか、どんな種類があるのかについて解説したいと思います。 「アケビ」は果物! DB Media/Shutterstock.com アケビは、アケビ科のつる性落葉低木の一種です。学名をAkebia quinateといい、日本各地の低山地の日向に自生しています。 アケビの食用部分はどこでしょう。アケビは木になることから、果実です。熟すと果皮が割れて、黒い種子がたくさん入っていることが分かります。それら種子を覆う白いゼリー状の果肉が可食部です。種子ごと一緒に食べることになりますが、種子は硬いので吐き出しましょう。可食部はほんのり甘く、滋養強壮にも効果があるといわれています。また果皮も炒め物や揚げ物などに利用できます。ほろ苦い大人の味で、利尿や腎臓炎の予防などにも効果があるとされています。 どこで手に入る? 産地と旬は? Purino/Shutterstock.com アケビ自体は本州以南の低山地に自生しています。特に東北地方や山形の山中などに多く、商業栽培も盛んです。山歩きなどで、つるにぶら下がっているアケビの実を目にする機会もあります。取りたくなるかもしれませんが、私有地や植物採取の禁止区域の可能性もあるためよく確認しましょう。近年は旬である9月頃、栽培されたものが生鮮食品販売店などで売られることも増えました。旬が短いので、食べてみたい場合は直接お店などに問い合わせることをおすすめします。 アケビの種類 David Hanlon/Shutterstock.com 日本に自生するアケビはアケビを含め2種、その交雑種と思われるものが1種あります。ここではアケビの種類と、その特徴や食べ方について解説したいと思います。 ミツバアケビ(三つ葉あけび) Camilla Simonsen/Shutterstock.com アケビの中では耐寒性が強く、北海道でも栽培可能なつる性の落葉木本です。名前の通り葉が鋸歯のある3つの小葉に分かれています。他のアケビに比べ果実部が大きく、甘みも強いため、食用としては一番よく用いられている種です。花期は4~5月で紫色の花を咲かせます。雌雄同株ですが、花は雄花と雌花に分かれた雌雄異花です。 ゴヨウアケビ(五葉あけび) Anna Krzywania/Shutterstock.com アケビとミツバアケビの自然交雑種です。名前の通り、5つのわずかな鋸歯のある小葉に分かれた葉を持ちます。アケビも5つの小葉に分かれていますが、葉には鋸歯がない点で見分けられます。また花もアケビと比べると紫色が強く出ます。花期は4~5月で紫色の花を咲かせます。雌雄同株ですが、花は雄花と雌花に分かれた雌雄異花です。 白アケビ Tami Ann Wilcox/Shutterstock.com バナナアケビともいい、アケビの変種で白い花を咲かせ、果実も色付きません。食用としてはもちろんですが、涼やかな白い花は園芸的にも観賞価値が高いため人気があります。 sotopiko/shutterstock.com 美味しいアケビの選び方 Norikazu/Shutterstock.com アケビの実は、熟すと果皮が緑色から紫色に変わり膨らんできます。さらに完熟すると実が縦にぱっくりと割れ、中の果実が見えるようになります。購入する場合は、果皮の表面がよく色付き、みずみずしくハリのあるものを選びましょう。全体的にふっくらとした形で、持ったときに重みがあるもののほうが実の詰まりもよく美味しいです。 アケビはどこを食べるの? DB Media/Shutterstock.com 果実部分はもちろん、果皮や新芽も美味しく食べることができます。ここでは各部分の美味しい食べ方について解説します。 実の食べ方 kazoka/Shutterstock.com そのまま食べてももちろん美味しいのですが、皮を取り除いたアケビを氷砂糖と焼酎で漬け込み「アケビ酒」とすることもあります。美肌効果や疲労回復、免疫力の向上といった作用が期待できます。また種子を取り除き、冷凍してシャーベットやアイスクリーム、ムースなどに加工しても美味しいです。 果皮の食べ方 Dragon Images/Shutterstock.com 果皮は生食では苦みが強すぎるのですが、細切りにしたあとアク抜き処理をすると、苦みが抑えられて食べやすくなります。またきんぴらなどの炒め物やてんぷらなどの揚げ物にすると、ほのかな苦みがアクセントとなり美味しく食べることができます。 新芽の食べ方 yoshi0511/Shutterstock.com 4月頃、芽吹きの時期のミツバアケビの新芽はほのかな苦みがありますが、お浸しや炒め物などにして食べることができます。日本海側の地域では春の味として人気のある食材です。 栄養はあるの? ビタミンとカリウムが含まれている! Riddhisoni123/Shutterstock.com アケビはさまざまな栄養素を含んだ健康食材です。栄養成分はビタミンC、葉酸、カリウムなど。果実部分にはイチゴと同じくらいのビタミンCが含まれ、風邪の予防や美肌効果が期待できます。また果皮部分には高血圧を予防するカリウムが多く含まれています。 アケビを自宅で育ててみよう Joshua Resnick/Shutterstock.com 食用としても園芸素材としても魅力のあるアケビ、育ててみたくありませんか? ここでは自宅で育てる場合の栽培方法について解説したいと思います。 栽培環境 MEE KO DONG/Shutterstock.com 暑さ寒さに強く、日本各地の半日陰から日当たりのよい場所に自生している植物なので、真夏の直射日光に晒されたり、長期の霜や凍結など、極端な状況以外では容易に栽培できます。 水やり・肥料 Irene_A/Shutterstock.com 成長期のアケビは乾燥にやや弱い面があるため、こまめに水やりをしましょう。地植えの場合でも植え付け後しばらくは水やりを1日1回は行いましょう。夏など特に土壌の乾燥が気になる場合は1日2~3回行うようにしましょう。冬は葉を落とし休眠期に入るため、地植えの場合、水やりは控えましょう。鉢植えの場合は1週間に1回程度で大丈夫です。用土が乾ききる前に与えてください。 肥料は春と秋の収穫後に与えます。果樹用の有機配合肥料や化成肥料がよいでしょう。ただし6~7月の施肥は果実の品質に影響するので控えましょう。 用土 Sorapop Udomsri/Shutterstock.com 用土は水はけと水もちのよい配合にしましょう。地植えの場合は植え付け面積より1回りほど広い部分に赤玉土と腐葉土をすき込みましょう。鉢植えの場合は7号鉢以上に植え付けます。鉢底石を敷き、用土は小粒の赤玉土と腐葉土を7:3程度で配合するとよいでしょう。 植え付け・植え替え Zigzag Mountain Art/Shutterstock.com アケビの植え付けの適期は11~3月。地植えにする際は、あらかじめ土作りをしておいた場所に植え付けましょう。 地植えであれば、植え替えの必要はほとんどありません。移植を必要とする場合は、休眠期の11~2月に行いましょう。鉢植えの場合、成長に合わせて鉢のサイズを大きくする鉢増しを行います。若木であれば1年に2回、成熟した株の場合は生育も緩やかになるため、2~3年に1回程度で問題ありません。 剪定 Drendan/Shutterstock.com アケビはつる性のため樹形が乱れやすく、年2回程度の剪定をする必要があります。まずは夏の成長期に伸びすぎたつるを整理しましょう。枝透かしといって、全体に日光が当たり、つるが他の木に絡んでしまうのを防いだり、風通しをよくして病害虫を予防できます。注意点として、この時期は花芽が付いているので、切りすぎないようにしましょう。2度目は冬の休眠期に行います。この時期はすでに翌年の花芽ができているので、その芽よりも先のつるの部分を整理しましょう。花芽は葉芽よりもふくらんでいて、摘まんだときに中身が詰まっている感じがあることから判別することができます。 受粉と摘果 Jerry Lin/Shutterstock.com アケビは雌雄異花ですが、1株では結実しない自家不和合性のため、収穫を目的とする場合は2株以上植えましょう。同一種ではないほうが実付きがよく、多くの収穫が期待できます。また人工受粉させるほうが確実で、成功すると1つの雌花の房あたり4~5個の果実が付きます。しかしそのままでは一つひとつの果実は小さくなってしまうため、大きくなる前に2~3個を残して残りは摘み取ります。その後果実の成熟具合を見ながら、最終的に大きいものを1~2個程度残すようにしましょう。 レアなフルーツ、アケビ! 自宅で育てて食べよう decoplus/Shutterstock.com 以前は自生しているものを取ってきて食べることがほとんどだったアケビですが、近年は商業栽培も増えつつあり、品質も向上しています。スーパーなどでも購入できるようになりつつありますが、まだまだ見かけることの少ない果物ですよね。自宅で栽培できれば旬を逃さず味わうことができ、何より収穫までのアケビの果実の成長を楽しむことができます。大株に仕立てれば実りも多く、食べ方のさまざまな工夫もできることでしょう。みなさんもアケビの美味しさを体験してみてくださいね。



















