細くて繊細なつるを伸ばし、小さな丸い葉が密につくワイヤープランツは、インテリアグリーンとしても人気の高い植物です。生命力旺盛で、時期を選ばず切り詰めても丈夫に育つので、手入れがしやすいのも魅力。この記事では、そんなワイヤープランツについて、基本情報や育て方、生かし方など幅広くご紹介していきます。

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観葉植物として人気! ワイヤープランツの基本情報

ワイヤープランツ
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ワイヤープランツは、タデ科ミューレンベッキア属の常緑低木です。つるを伸ばして生育し、長いものでは5mにも達します。しだれるようにして這い広がるので、コンテナやハンギングバスケットの縁取り、グラウンドカバーなどに好んで利用される植物です。

ワイヤープランツのつるは茶色で、名前の通りワイヤーのように細いのが特徴。葉は艶やかな明るいグリーンで、1cmほどの小さな丸い葉が密につく姿が愛らしく、観葉植物としての一面も持っています。

原産地はニュージーランド、オーストラリアで、暑さに強く、寒さには弱い性質。日向から半日陰で生育し、明るい窓辺であればインテリアに飾っても楽しめます。

ワイヤープランツを上手に育てるコツ

ここまで、ワイヤープランツの基本情報について紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、育て方の解説に移りましょう。適した環境、土作り、植え付けに始まり、水や肥料の与え方、切り戻しなどの日頃の管理、増やし方まで、詳しくガイドしていきます。

ワイヤープランツを育てるのに適した環境

ワイヤープランツ
Elmar Langle/Shutterstock.com

ワイヤープランツは日当たり〜半日陰で、風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所にも耐えるため、室内でインテリアグリーンとして楽しむこともできます。その場合は、窓辺などできるだけ明るい場所に置くようにしてください。

ワイヤープランツに適した土作り

土
DedovStock/Shutterstock.com

【庭植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。土作りは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

ワイヤープランツの植え付けと植え替えに適した時期と方法

ガーデニング
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ワイヤープランツの栽培は、花苗店やホームセンターなどで販売されている苗を入手し、植え付けることからスタートするのが一般的です。苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。

苗の植え付け・植え替えの適期は、4〜6月、9月下旬〜11月です。ただし、苗は周年出回っているので、それ以外の時期に苗を入手した場合は、早めに植えたい場所に植え付けます。

【庭植え】

土作りをしておいた場所に、ワイヤープランツの苗よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。苗をポットから出したら根鉢をやや崩して植えましょう。複数の苗を植え付ける場合は、草丈に応じて20〜40cmの間隔を取ってください。最後に、たっぷりと水やりします。

ワイヤープランツは低木に分類されるライフサイクルの長い植物のため、数年は植えっぱなしにしてもいいのですが、大株に育って込み合ってきたら掘り上げて植え直し、若返りを図るとよいでしょう。古い根を整理し、あまり大きくしたくない場合は、株分けして小さくしてから植え直します。

【鉢植え】

5〜6号鉢に1株を目安に植え付けます。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ワイヤープランツの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出して根鉢を軽く崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

ワイヤープランツは生育が旺盛なので、根詰まりを防ぐために1〜2年に1度は植え替えましょう。1〜2回り大きな鉢を用意して鉢増ししてもいいですし、同じ鉢を用いたい場合は根鉢を崩して古い根を整理し、株分けして小さくしてから植え直します。

水切れには注意! 乾燥が苦手なワイヤープランツ

水やり
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株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになってしまいます。すると株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【庭植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ワイヤープランツは乾燥を嫌うので、水切れしないようにすることが大切です。ただし、いつでもジメジメとした環境にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見計らってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。水やりを忘れてひどく乾燥させてしまうと、葉が落ちたり、つるが伸びにくくなったりして、観賞価値が下がってしまうので注意しましょう。

ワイヤープランツに肥料は必要?

肥料
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ワイヤープランツに肥料を与えるのに適した時期は、3月下旬〜6月、9月下旬〜11月です。肥料を好む植物のため、生育が旺盛な時期は、株の状態を見て定期的に与えてください。

【庭植え】

株の状態を見て、勢いがないようであれば、緩効性化成肥料を株の周囲にまいて、土によく混ぜ込みます。

【鉢植え】

月に1度を目安に、緩効性化成肥料を少量施して株の勢いを保ちます。2週間に1度を目安に液肥を与えてもかまいません。

生育旺盛なワイヤープランツは剪定や切り戻しが必要

園芸バサミ
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ワイヤープランツは旺盛に生育し、草姿が乱れやすい植物なので、切り戻して美しい姿を保つことが管理のポイントです。丈夫な性質なので時期を選ばず、一年を通して剪定することができます。好みの長さでつるを切り取ってかまいません。切り戻すと分枝が促され、再び株が盛り返して勢いよく生育します。

ワイヤープランツの夏越しと冬越し

ワイヤープランツ
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  • 夏越し

【地植え】

ワイヤープランツは高温多湿の環境を嫌うので、植え付け時に午前中のみ日が差す東側か、落葉樹の足元など真夏は半日陰の環境になる場所を選ぶと安心です。

【鉢植え】

真夏の高温多湿の環境下では蒸れやすくなるので、風通しがよく涼しい半日陰などに移動して管理するとよいでしょう。

  • 冬越し

【地植え】

ワイヤープランツの耐寒温度はマイナス5℃くらいまでですが、霜に当たると落葉します。冬もエバーグリーンを楽しみたい場合は、鉢に植え替えて霜の当たらない軒下やベランダ、室内の明るい窓辺などで管理するとよいでしょう。遅霜の心配がなくなった頃に、また庭に植え付けます。霜にあたって落葉したとしても、根が生きていれば翌春の生育期には再び新芽を出し始めます。

【鉢植え】

軒下やベランダ、室内の窓辺など、霜が当たらない場所に移動して管理します。

ワイヤープランツを増やす3つの方法

ガーデニング
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ワイヤープランツは、ほかの植物に比べて手軽に増やすことができます。ここでは、3つの増やし方についてご紹介しましょう。

もっとも簡単な増やし方! 植え替え時に株分けする

ワイヤープランツは、株分けして増やすことができます。適期は、植え付け・植え替えと同じ4〜6月、9月下旬〜11月です。

ワイヤープランツが大株に育ったら、株を掘り上げて土を落とし、数芽つけて根を切り分けます。その切り分けた株を植え直せば、その分だけ数も増えるというわけです。大株に育つと、存在感が大きくなりすぎて持て余してしまうことも。株を小分けにすることで、株が若返って再び勢いよく生育するメリットもあります。

発根までは管理が必要! たくさん増やせる挿し木

挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましい生命力ですね! 植物のなかには挿し木で増やせるものとそうでないものもありますが、ワイヤープランツは容易に挿し木で増やせます。

ワイヤープランツの挿し木の適期は、5〜6月頃か9〜10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂といいます)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚取ります。3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

水挿しでも発根する! インテリアとしても楽しめる方法

挿し木よりも手軽に増やせる、水挿しの方法をご存知でしょうか。適期は挿し木と同じで、5〜6月頃か9〜10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚取り、採取した枝(挿し穂といいます)を、水を張った容器に挿し、明るい窓辺などに置きます。おしゃれなフラワーベースを利用すれば、インテリアとして楽しめますよ! 水を毎日替えて管理すると、切り口から根が出てきます。十分に発根したら、3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れ、植え付けます。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。

小さい花が咲いて実もなる!

ワイヤープランツは主に葉姿の美しさを観賞する植物ですが、夏には2〜5mmほどの小さな花が見られます。グリーン味を帯びた淡い黄色い5弁花で、咲いているのを見つけたら気分が上がりそうですね。開花後には、透明感のある白い小さな実をつけますよ! ワイヤープランツの花言葉には、「純愛」「あなたを思っています」「憧れ」などがあります。

ワイヤープランツの種類

ワイヤープランツ
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ワイヤープランツは、一般に流通している基本種のほか、園芸品種もいくつか出回っています。

‘コンプレッサ’は、新葉にピンクや白の斑が入る品種です。斑は成長とともに消えやすいので、切り戻して新芽を促すとよいでしょう。

‘スペード’(流通名はワイヤースペード)は葉に切り込みが入って、名前の通りスペード型に似た葉姿が特徴。基本種よりも節間が長く、野趣感のある演出ができます。‘ゴールデンガール’は、新芽が黄色葉の品種。基本種よりも明るい雰囲気を持っています。

寄せ植えやハンギングに地植えまで! ワイヤープランツの楽しみ方

ワイヤープランツ
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ワイヤープランツは、コンテナやハンギングバスケットの寄せ植えに定番人気の植物です。しだれるように伸びる自由なラインが動きをもたらし、愛らしい葉がほかの花の引き立て役となってくれます。コンテナはコンテナスタンドに、ハンギングバスケットは高い場所に飾って、ワイヤープランツをあふれるようにしだれさせれば、よりダイナミックな演出をすることができます。季節を選ばずに切り戻しができるので、邪魔になりそうであれば気軽に切って、形を整えることができるのもいいですね。

地植えの場合は、グラウンドカバーとして地面を覆うように這わせると、雑草除けになります。斜面などの上部に植栽して、つるを下へ流れるように這わせる演出も素敵です。

取り入れ方はさまざま! ワイヤープランツを上手に育てて楽しもう

ワイヤープランツ
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この記事では、ワイヤープランツについて基本情報から育て方、種類、取り入れ方などについてご紹介してきました。みずみずしい葉姿が美しいワイヤープランツは、コンテナやハンギングバスケットの寄せ植えの素材に、庭植えにしてグラウンドカバーに、室内に飾ってインテリアグリーンにと、用途の幅が広いのも魅力です。丈夫で育てやすいので、ぜひ庭やインテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか?

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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