トップへ戻る

モミの育て方! クリスマスツリーを自分で育ててみよう!

モミの育て方! クリスマスツリーを自分で育ててみよう!

Stone36/Shutterstock.com

モミの木といえば、クリスマス。みなさんの中でもクリスマスの時期にフェイクツリーに装飾をして楽しんだ人も多いはず。ですが本物のモミの木をクリスマスツリーにしたり、育てていたりする人はそう多くはないようです。ここでは、みんな知っているようでじつは知らないモミの木について解説したいと思います。

Print Friendly, PDF & Email

モミとは?

モミの木
naomi elswyk/Shutterstock.com

学名はAbies firma。マツ科モミ属の常緑針葉樹です。英名ではmomi fir、Japanese firと呼ばれています。日本の広い範囲に自生し、北端は秋田、南端は屋久島となっています。また、モミの仲間は北半球に40種ほどが自生しており、クリスマスツリーなどに使われるのは、じつは多くがドイツトウヒやウラジロモミです。

モミの特徴

モミの木
Margo Photography/Shutterstock.com

モミは、冬でも葉を落とすことのない常緑針葉樹です。比較的標高の高い照葉樹林帯の広葉樹に混ざって森林帯を形成しています。樹高は最大で45mほどになります。モミの学名のアビエスはラテン語で「永遠の命」という意味があり、樹齢は千年を超えるものも。モミの仲間は、日本に自生するもののほかに世界中に多数あります。樹形がきれいな円錐形となることから、世界中でクリスマスツリーとして使われたり、家のシンボルツリーにもなっています。

モミの花言葉は「高尚」「昇進」「時間」「永遠」「真実」などがあります。

モミはどのように使われている?

クリスマスツリー
IgorAleks/Shutterstock.com

モミは、なんといってもクリスマスツリーに使われることで有名です。それ以外には精油として、昔から風邪薬や入浴剤、洗剤など、健康に繋がるような場所でも活躍しています。材はギターやピアノ、バイオリンなどの楽器に加工されることも。日本では、その殺菌効果を活かしてかまぼこ板やそうめんの箱など食品用保存箱に、また樹齢が長いことから神聖視され、神社の絵馬やお札の材料にも使われています。

もみの木を育てる環境

植え付け
Tibor Duris/Shutterstock.com

モミは亜高山帯で原生林を形成しますが、低地でも問題なく生育できます。日当たりがよく、風通しのよい場所が適地です。地植えの場合は高木になるため、事前にスペースを確保する必要があります。鉢植えでも育てることができますが、根詰まりを起こす前に植え替えをしましょう。また鉢植えの場合、乾燥に弱いため水やりはしっかり行いましょう。冬場の管理は屋外で問題ありませんが、霜や用土の凍結には注意しましょう。

モミの育て方

モミの木
barmalini/Shutterstock.com

モミは丈夫な植物で、日本に自生していることからも環境的には栽培はさほど難しくありません。地植えの場合は、植え場所にさえ気を付ければ、ほぼ放任で問題なく育ちます。その上で、ここではよりよい栽培をする上でのポイントについて解説したいと思います。

鉢植え

モミの木
BublikHaus/Shutterstock.com

モミは前述のように、高木になる植物です。地植えの場合、1mほどの苗木を買ったとしても数年で何倍にもなります。しかし、鉢植えで管理すると根の量が制限されることで、地上部も大きくなりにくくなります。成長が緩やかになれば、毎年クリスマスツリーとして活用できできますし、剪定などの管理もしやすいというメリットがあります。植える鉢の大きさは苗のサイズにもよりますが、樹高1mほどのものであれば、直径30cm(尺鉢)くらい鉢がよいでしょう。鉢植えになっておらず、根の周りをわら縄で巻いてある「根巻き」であれば、そのまま鉢に入れ、隙間に赤玉土6:腐葉土4の配合用土を入れて植え付けましょう。放っておくとすぐに根詰まりを起こしてしまうので、1〜2年間隔で定期的な植え替えが必要です。植え替えに適した時期は3〜4月、9〜10月です。

水やり

水やり
ITP Media/Shutterstock.com

モミは乾燥に弱い一面があります。地植えであれば心配ありませんが、鉢植えの場合はちょっとの水切れで枯死することもあるので気を付けましょう。そのため用土が乾ききる前に、必ず水やりを行ってください。ただし心配だからといって水をやりすぎると根腐れの原因にもなるので、鉢土の表面が乾いてきてからにしましょう。

肥料

肥料
VisualArtStudio/Shutterstock.com

鉢植えであれば緩効性肥料を生育期が始まる春先に与えます。地植えの場合は基本的に必要ありませんが、木が大きくなりすぎないように、冬季に断根する際には、腐葉土や牛ふん堆肥などと一緒に、油かすなどを一握り程度与えるとよいでしょう。

剪定

剪定
triocean/Shutterstock.com

基本的には、自然樹形できれいな円錐形に育ちます。形や大きさを調整したい場合、葉先を剪定バサミで切り戻す程度であれば、一年を通してできます。太い枝を切り戻すなどの強剪定は、成長の緩慢な冬期に行うようにしましょう。

枝を切る際に気をつけなければならないのは、モミをはじめとする針葉樹は、葉が生えていないところからは新しい芽や葉を極めて出しにくいということです。上の写真のように、葉のあるところで切れば、切ったところから新しい芽や葉が出ますが、葉が生えていないところで切ってしまったら、新しい芽が出ることは稀です。なので、モミ(及び針葉樹)は、葉があるところで切るか、いらない枝をつけ根や分岐部で切るのが基本です。春先までになるべく枝を減らして、樹幹内部によく光が入るようにしておくと、新しい芽や枝が出やすくなります。

樹高が高くなりすぎると剪定などの管理がしにくくなり、木がさらに大きくなってしまいます。あまり大きくしたくない場合は、頂点の枝を深めに分岐部まで切り戻し、その下から横に出ている枝を真っ直ぐ上向きに立てて誘引し、樹木の先端を切り替えるとよいでしょう。

また、樹木は地上部と根の量がバランスを取ろうとする性質があります。剪定するときに、同時に樹幹の範囲を10〜15cmほど軽く耕すと、地中にある根が切られ、根の量が減ることで地上部の枝が伸びにくくなります。あまり根を切りすぎると木が枯れてしまうので、あくまで軽く耕す程度にしておきましょう。さらにその時、1㎡あたり14ℓ程度の腐葉土か牛ふん堆肥を一緒にすき込んだり、一握り程度の油かすを混ぜ込んでおくと、健やかに生育するようになります。ちなみに樹冠とは、枝が広がっている範囲のことです。

育てる際の注意

モミの木
MintImages/Shutterstock.com

もみは寒さに強く、日当たりと風通しのよい場所を好みます。反面、日陰や暑さ、蒸れなどには弱いため、注意しましょう。鉢植えで管理している場合、夏場は西日が直接当たらないところに移動するとよいでしょう。

モミの木を育ててみよう!

モミの木
Syda Productions/Shutterstock.com

モミはクリスマスシーズンになると、園芸店などにさまざまなサイズや種類のものが並ぶようになります。鉢植えであれば大きさを制限しながら長く楽しむことができるため、おすすめです。シンボルツリーとして育てながら、冬には立派なクリスマスツリーにもなるモミ、何か得した気分になりますよ。みなさんもこの機会にモミの木を育ててみませんか?

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Print Friendly, PDF & Email

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO