スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

シクラメンは冬を彩る球根花 春まで長く咲かせる育て方のコツ
シクラメンとはどういう花が咲く植物? LeonP/shutterstock.com シクラメンは、サクラソウ科シクラメン属の多年生球根植物。原産地は、北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸にかけて。いずれも、夏に高温になっても湿度が低く、冬も比較的温暖な地域です。そんな環境のもと、野生のシクラメンは、低木の下や岩場などで群生しています。原種には、春に葉が出て開花する“春咲きタイプ”と、秋に花が咲いてから葉を出す“秋咲きタイプ”がありますが、現在出回っている園芸品種のほとんどが春咲きの「シクラメン・ペルシカム」から作出されたものです。 Sarit Richerson/shutterstock.com ヨーロッパでは、その球根を豚が食べることから「豚のパン(Sowbread)」と呼ばれていたため、明治時代に日本に入ってきたときには、「豚の饅頭」という和名に。その後、植物学者の牧野富太郎氏により、「カガリビバナ」という名前がつけられました。花びらが反り返って咲く様が見事に表現された美しい名前ですね。 Shulevskyy Volodymyr/shutterstock.com 日本では冬の鉢花の代表ともいえるシクラメン。華やかな姿でクリスマスや年末のギフトとしても人気です。その反面、「花が終わったらおしまい」のイメージを持つ人も多いようですが、シクラメンは球根を持つ宿根性植物。きちんと管理してあげれば、何年も楽しめますよ。 毎年新品種が登場して、突出した特徴があるものを除けば、一目では見分けがつかないほど多くの品種が出回っています。赤やピンク、白という従来からの花色に加えて、ブルー系やクリーム・黄色系など、今までなかったような色の品種も登場。さらに、覆輪や花弁がフリル状になるフリンジ咲き、花弁にウェーブがかかったロココ咲き(パピリオ咲き)、八重咲きなど個性的な花形も人気です。加えて、葉の美しさが注目されることも。ハート形(卵形や腎形のものも)が特徴的な葉は、緑色系と銀色系に大別できますが、光沢や斑の入り方など千差万別。花色とのコントラストにこだわってみてはいかがでしょう。 長く花を楽しめる!シクラメンを上手に咲かせる管理方法 シクラメンは上手に管理すれば5月頃まで長く花を楽しめるのも魅力です。長く咲かせるための3つのポイントをご紹介します。 ① 気温に応じて置き場所を変える Sarycheva Olesia/shutterstock.com シクラメンを購入したりプレゼントされた場合、どこに置いて育てますか? 日当たりの良い場所? それとも、室内の温かい場所? もしくは、玄関付近でしょうか。 シクラメンを5月まで咲かせるには、11月から5月までの約半年の期間があります。 この期間の温度変化を私たちの生活に当てはめてみると、服装は薄手の長袖からコートやダウンジャケットを羽織るようになり、連休が過ぎれば日中は半袖が快適というように約半年の間で気温が大きく変化します。でも、シクラメンは人間のように服を脱ぎ着できないので、人の手で最適な場所に移動してあげる必要があります。 シクラメンが一番快適に過ごせる温度は、10~15℃。 この温度を目安に置き場所を変えてあげるのがコツです。 ② 次の花を咲かせやすくする「花がら摘み&葉組み」 シクラメンの花がらは、花茎の根本の近くを摘んで捻って引き抜きます。 シクラメンは次々と花が咲く植物ですが、咲き終わった花はそのままにしておくと種子をつけるために栄養を使ってしまいます。ですから、花がらをそのまま放置していると次の花が咲きにくくなってしまいます。花びらが傷んできたり、花が茎から落ちてしまった花茎は早めに摘み取りましょう。 シクラメンの花がら摘みのコツは、花茎をつまんで花茎を捻るだけ。ハサミなどで茎の途中から切ってしまうと、切り口が腐って灰色カビ病の原因になる恐れがあるので、必ず手で捻って付け根からきれいに取り除きましょう。 根本を見ると葉柄と花茎は株の中心から出ているのが分かります。 また、シクラメンの花芽は「葉一枚につき一芽つく」と言われています。そのため、葉の数を増やすことはとても大事なことです、葉組みとはシクラメンの葉を組み替えることで、葉っぱの数を増やす大切な作業のことです。 シクラメンは球根植物で葉や花は球根の中心部分から出てきます。 シクラメンを葉組みせずにそのまま育てていると中心部分に葉が集まってしまい、球根の光を感じる部分が影になることで新しい葉や花芽をつけることができなくなってしまいます。 中心に集まった葉を外側へ組み直して上げることで球根に光が当たり、次の葉や花芽が出やすくなり、また常に葉の位置が変わることで葉と葉が重なって、重なった部分が黄色く変色したりするのを防いだり、株の中心の風通しをよくして灰色カビ病が出にくくなったりと、さまざまなよい効果があるので、こまめに葉組みをしてあげましょう。 ③ 水やり シクラメンの鉢物は、ほとんどが植木鉢が二重構造で底面に溜まった水を土中に吸い上げる形式の「底面給水鉢」に仕立ててあります。 水を鉢底に溜めておけば、シクラメンが自ら水を吸い上げるため、うっかり水をやり忘れてしまい水切れする心配がないのがメリットですが、その反面、水を溜めすぎると根腐れすることも。水やりに自信がない場合は、スティック状のガーデングッズ「サスティ」を土中に挿しておけば、水やりのタイミングが一目で分かります。 翌年も花を咲かせる夏越しの方法 2年目以降も楽しむためには、上手な夏越しがポイント。夏を越させるには、葉をつけたまま管理する「非休眠法」と、葉を枯らして球根だけにする「休眠法」の2つがあります。 シクラメンの原生地は雨季と乾季がはっきりと分かれている地域で、野生のシクラメンは雨季に生育が旺盛になり、乾季には生育せずに休眠する性質を持っています。原産地での開花期は「涼しい雨季」。そして、日本では冬が開花期になります。一方、「暑い乾季」は日本では「夏」にあたりますが、高温に加えて湿度も高くなるため、シクラメンにとってはより過酷な環境といえます。ここでは、日本の夏を上手に乗り切るコツをご紹介します。 1.非休眠法 natali_ploskaya/shutterstock.com 冬に購入した株の場合、4月近くになると、花数は極端に少なくなってきます。そして、5月に入り気温が高くなると、葉だけになります。枯れた花や色の悪くなった葉を取り除きつつ、普通に水をやりながら、雨がかからない日当たりのよい屋外に出して株を充実させましょう(ただし、強い直射日光に当てると葉焼けをおこすので注意)。 気温が25℃を上回る日が続くと、新葉は出なくなり、古い葉は黄変し、枯れていきます。6月に入り、葉が10枚以上残っていれば、生育させながら夏を越させる「非休眠法」が可能です。「控えめに水やりを続ける」「病害虫や根腐れに気をつける」といった手間はかかりますが、成長を止めないので株が大きくなり、10~3月までと半年近くも花が楽しめるメリットがあります。 屋外の風通しのよい場所に鉢を移動させて、水やりと薄めの肥料を与えながら育てます。蒸し暑くなる季節は、根からの給水が悪くなるので、与えすぎは根腐れの原因に。底面給水型の鉢では受け皿の水が減らず、藻が発生したり水が腐ったりするので、数日に一度は新しい水に取り換えましょう。また、普通の植木鉢では、鉢土の表面が乾くまで待ち、水を与えるときには鉢穴から流れ出るまでたっぷりとやります。 8月下旬になると、葉柄の付け根に、新しいつぼみを持った花芽が出てくるので、9月中旬頃までに植え替えを行います。 2.休眠法 Furiarossa/shutterstock.com 葉が急激に枯れてしまい、10枚以下になってしまった株でも、球根が傷んでいなければ休眠法で夏越しできます。まずは元気な球根かを見極めます。「指で押してみて柔らかい」「カビが生えて腐っている部分がある」「一部分の葉が次々枯れていく(萎凋病などの可能性あり)」「土は湿っているのに葉が萎れたまま(根腐れしている)」といった症状があれば、残念ながら夏は越せません。 休眠させるためには、6月に入ったら意図的に水やりを止め、鉢土を乾燥させます。葉をすべて枯らして、球根だけを残すのです。球根植物の性質を利用しての夏越し法なので、球根を腐らせるリスクは低いのですが、非休眠法に比べ開花期が1カ月程遅くなるため、花を楽しめる期間は短くなります。 一度水を切ったら、8月中旬を過ぎて新芽が動き出すまで一切水は与えません。完全に葉が枯れたら、北側の軒下など涼しい場所に置きましょう。断水中に水がかかると球根が腐ってしまうので、雨はもちろん、ほかの鉢植えへの水やり時にも注意しましょう。 8月下旬になり花芽がつきはじめたら、植え替えのタイミングです。球根が堅いことを確認したら、古い土を全て落とし、古い根の2/3程度を切り落として新しい培養土で植え付けます。 シクラメンのおすすめ品種12選 赤系のイメージが強いシクラメンですが、近年では、パステルカラーや青味がかった紫など、新鮮な表情を持つ品種が毎年のように発表されています。花の姿や葉の色もじつにさまざま。育てやすい品種から、ニューフェイスまで、おすすめをご紹介します。 1.カール Photo/3and garden 細い花弁がクルッとカールした、これまでにないユニークな花形のシクラメン。草丈15cmほどのミニサイズですが、個性的な花姿で存在感抜群です。「麻野間園芸」のオリジナル品種で、突然変異で現れた1株を何年も地道に種子を取り交配を続け、品種の固定に成功しました。ガーデンシクラメンほど寒さに強くはありませんが、軽い霜程度なら問題ありません。雨を避けられる軒下や室内の明るく涼しい場所が適しています。 2.ジックス Photo/3and garden 白いガクと艶やかな赤い花弁のコントラストが個性的で、バイカラーになるつぼみもおしゃれ。寒さにも比較的強いので室内でも屋外でも楽しめ、ガーデンシクラメンとして地植えも可能です。連続開花性に優れ、たくさんの花が咲き、花もちもよいため、観賞期間が長いのも魅力。鉢植えにして、上から眺めるのもおすすめ。 3.フェアリーピコダブル Photo/3and garden 八重咲きのシクラメンで、バイカラーの丸い花が愛らしく、葉っぱの模様も美しい品種。「はら園芸」の育種で、花粉が出ないため花の寿命がとても長く、非常に丈夫。花は小中輪ですが、生育旺盛で夏にも冬にも強いので、鉢増ししながら育てると年々花数が増え、見事な大株になります。 4.天使の羽 Photo/3and garden 花弁がウェーブしながらうつむいて咲く姿がとても美しく、花もちが抜群。原種と園芸品種を掛け合わせて世界で初めて種間交雑に成功した品種で、30年の年月を経て生み出された奇跡のシクラメンです。耐寒性が強く屋外でも育ちますが、霜や雪には当てないほうが生育がよいようです。 5.ビクトリア Gurcharan Singh/shutterstock.com 先端がフリルのように縮れ、白と赤のコントラストが可憐な品種。覆輪種の代表的な品種として根強い人気があります。品種改良が進み、フリンジ咲きや八重咲きなど多くの品種が誕生。たくさん蕾がつき、長い期間楽しめるので、初心者にもおすすめです。 6.ヴェスタ 「ビクトリア」を改良して誕生した晩生品種で、白花の中心と縁に赤が入る典型的な覆輪花。高温に強いので、夏越しさせやすい品種です。 7.ピアス 白の花弁に先端から淡くピンクのグラデーションがかかる色合いが特徴。色の変化を楽しめることで、一大センセーションを巻き起こした品種です。花びらの先がうねる〝ウェーブ咲き〟や花弁に切れ込みの入る〝ギザシリーズ〟など種類も豊富に。高温になるとピンクが入りにくくなるので、やや涼しい場所に置いてあげましょう。 8.プラチナリーフ 茨城県の長谷川園芸が作出した品種「プラチナリーフ」は、光沢のある銀色の葉が特徴。光を当てるとピカピカと輝く葉は、カラーリーフとして寄せ植えにも重宝しそう。開花時期が12月からと長いので、クリスマスの装飾にも適しています。花型も良く、色はピンクとパープル、赤、ライトピンク、白、バイオレットの6色。 9.パピヨン 丸みを帯びた花弁が飛んでいる蝶を思わせる花姿。濃い桃色の縁に、刷毛で入れたような白い斑が特徴的。 10.黄色系品種 珍しい黄色系のシクラメンも登場しています。黄色みがかかったアイボリーの花の「ネオゴールデンボーイ」と、中心部分に口紅をさしたような「ネオゴールデンガール」などがあります。 11.ブルーシクラメン パープルや暗紫といった青味が強い花色のシクラメンも続々登場しています。サントリーが出した「セレナーディアシリーズ」は〝ライラックフリル〟など趣の異なる3色を展開。ほか、〝江戸ノ青〟〝胡蝶〟といった美しい紫色の品種が人気です。ブルーの品種紹介はこちら。 12.コウム Peter Turner Photography/shutterstock.com コウム(Cyclamen coum (Eastern Sowbread))は、一般的な園芸店などでも入手しやすい原種のシクラメン。花色は白から濃いピンク、紫までと幅広く、丸みを帯びた葉が特徴です。耐寒性があるので、屋外での越冬が可能。夏場は地上部が枯れて休眠します。 育てやすい品種からシクラメン栽培を始めよう Natalia Greeske/shutterstock.com 色鮮やかな花が少なくなる季節に、次から次へと花を咲かせるシクラメン。白、赤、ピンク、ブルー系に黄色系と花色だけでなく、フリンジ咲きや八重咲きなど、花姿や見た目の印象もバラエティーに富んでいます。一鉢あるだけで、冬の部屋も明るくしてくれることでしょう。まずは、育てやすい品種からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

クリスマスローズには有茎種と無茎種がある? 見分け方や基本の育て方を解説!
クリスマスローズってどんな花? まずは基本情報をご紹介 Natalia Greeske/Shutterstock.com クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の多年草で、ヨーロッパから西アジアが原産です。 開花時期は12月から4月で、一般にクリスマスローズと呼ばれる花の中でも、12月末に咲くのは、単に「ニゲル」とも呼ばれるヘレボルス・ニゲルという品種です。 花びらのように見える部分は、じつは萼(がく)。萼は花の周りにある葉が変化した部位ですが、クリスマスローズでは本来の花びらは退化し、蜜腺(ネクタリー)として雄しべの付け根を囲むように付いています。 クリスマスローズの草丈は30~60cm。さまざまな種類があり、大きく有茎種と無茎種に分けられます。 クリスマスローズのタイプは、大きく分けて有茎種と無茎種がある! 有茎種のヘレボルス・フェチダス。lcrms/Shutterstock.com クリスマスローズは「有茎種」と「無茎種」に大別されます。ただし「中間種」も存在します。 有茎種は、根元から太い茎が伸びて葉がつき、葉の付け根に花が咲くのが特徴です。通常は常緑性です。 一般的な無茎種のクリスマスローズ。Andrii Salomatin/Shutterstock.com 無茎種は、葉が出る茎と花が咲く茎は別で、根元から別々に伸びるのが特徴です。常緑性と落葉性があります。一般に流通しているクリスマスローズの多くは、この無茎種。根が太くて丈夫なのも特徴です。 中間種は両方の特徴を持っているため、どちらか判断がつきにくく、前述の品種「ニゲル」も有茎種に分類される場合や、中間種に分類される場合があります。 クリスマスローズの品種は? 原種と交雑種について解説 yuri-ss/Shutterstock.com クリスマスローズは種子で増やすことが多いため交雑種が多く、また花の色や模様が安定しません。同じ品種であっても同じ花が咲かないこともあります。 ここからは、クリスマスローズの原種と交配種について詳しくご紹介します。 クリスマスローズの原種は有茎種・無茎種を含めて約20種類! クリスマス頃に純白の花を咲かせるヘレボルス・ニゲルも原種の一つ。Alena Charykova/Shutterstock.com クリスマスローズの原種にはおよそ20の種類があり、有茎種・無茎種ともに原種が存在します。原種は品種改良された園芸品種に比べると色が地味で華やかさはありませんが、自然で素朴な美しさがあります。 原種の多くは地中海や黒海沿岸部に自生しており、アジアでは中国に「チベタヌス」という種が1種分布しています。 同じ花が咲かない? バリエーションが多い交雑種(ハイブリッド) high fliers/Shutterstock.com 園芸品種では異なる種類をかけ合わせて増やし、新しい品種を作っていきます。しかし、同じ花粉親と種子親からできた種子であっても、同じ見た目の花が咲くとは限りません。特徴があるものは品種名がついていることがありますが、同じ名前でも形や色が異なることもあります。 クリスマスローズの苗を選ぶポイント Natalia Greeske/Shutterstock.com 芽が太くしっかりしていて、葉や花に黒いシミや縮れがないものを選びましょう。また、種子を播いて作られた実生苗(みしょうなえ)は、同じ交配であってもどのような花が咲くか分かりません。実生苗の中から好みの花色を選びたい場合は、花が咲いている苗から選ぶと確実です。 成長点を取り出して培養したメリクロン苗は、元の個体と同じ形で同じ色の花が咲きます。 5~6号ポットで売られている三年生株は、植えた年に開花する確率が高いですが、2~3号ポットで売られている二年生株は、開花に1年以上かかる点も注意が必要です。 クリスマスローズを元気に育てるポイント S_Photo/Shutterstock.com ここまでクリスマスローズの特徴や種類についてご紹介してきました。 ここからは、クリスマスローズを育てるにはどのようにすればよいのかを解説します。 クリスマスローズに適した栽培環境や日当たり Natalia Greeske/Shutterstock.com クリスマスローズは、半日陰や明るめの日陰を好む植物です。庭植えの場合は落葉樹の下などが適しています。真夏に直射日光が長時間当たるような場所は避けましょう。鉢植えの場合は、秋から春にかけては日当たりのよい場所に置き、夏は明るい日陰や午前中だけ日が当たる場所に置きます。 クリスマスローズは高温多湿が苦手なので、庭植えも鉢植えも、風通しのよい場所で管理しましょう。 クリスマスローズを育てるための土づくりと植え付け Mariia Boiko/Shutterstock.com クリスマスローズを植える土は、水はけのよいものを。市販のクリスマスローズ用の土を使うと簡単です。自分で土を作る場合も水はけがよくなるよう、例えば赤玉土小粒、軽石小粒、腐葉土の割合を4:3:3などにします。 植え付けの適期は10~12月で、遅くとも花期が終わる3月までには植え付けます。株をポットから取り出したら根から古い土を落とし、傷んだ根があれば取り除きます。芽が出ている場合は、土に埋まらないよう、やや浅植えにしましょう。 クリスマスローズの水やりと肥料 Irene_A/Shutterstock.com クリスマスローズの水やりは、庭植えの場合は自然の降雨のみで十分です。鉢植えの場合、生育期の10~5月の間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、6~9月はやや水やりの間隔をあけて乾かし気味に管理します。 肥料は生育が始まる10~11月に緩効性化成肥料を与えます。鉢植えの場合は、およそ2カ月に1度、追加で液体肥料などを与えます。 有茎種は支柱を立てよう! 茎を切る時期にも注意 NinaMalyna/Shutterstock.com クリスマスローズの有茎種は1本の茎に葉と花がつきます。茎は太めで、無茎種と比べて草丈が高くなります。茎が折れると花が楽しめなくなってしまうので、風や雪対策のために支柱を立てるとよいでしょう。 花が終わったら、種子を取らない分は花がらを摘みます。ただし、花が終わってもすぐに茎を根元から切ってはいけません。葉が黄色くなり新芽が出てくる4月頃までは、茎を残しておきます。 無茎種は古葉取りを! Bascar/Shutterstock.com 葉と花が別々の茎から出てくる無茎種のクリスマスローズは、新しい葉が出てくる11月頃に古い葉を付け根から刈り取ります。古葉を取り除いて株の根元に日を当てることで、新芽が出やすくなるというメリットもあります。葉を切るときは病気の感染を防ぐために、ハサミを消毒してから使いましょう。 クリスマスローズを育てる上で気をつけたい病気や害虫 AVIcon/Shutterstock.com クリスマスローズを育てる際に注意が必要な病気は、茎や葉、咲き終わった花などに菌が付着することで発症する「灰色かび病」や、葉がべとついて変色してしまう「べと病」、葉にモザイクのような模様ができる「モザイク病」など。病気になった葉はすぐに取り除き、薬剤が有効な病気には薬剤の散布も検討しましょう。 害虫では、ハダニやアブラムシ、ヨトウムシなどに特に注意が必要です。これらの害虫は見つけ次第すぐに駆除しましょう。 クリスマスローズの増やし方 Nikolay Kurzenko/Shutterstock.com クリスマスローズの増やし方には、株分けと種まきの2つがあります。 ここではそれぞれの増やし方について、最適な時期や方法などを解説します。 大きく育ったクリスマスローズは株分けで増やそう Tom Cardrick/Shutterstock.com クリスマスローズを長年育てて大きくなったときには、株分けをして増やせます。株分けができるようになるまでは、およそ7~8年ほどかかります。 株分けの適期は10~12月です。細かく分けすぎると生育が悪くなってしまうので、1株あたり3芽ほど付けるようにして株分けします。ただし、有茎種は根が少ないので株分けには不向きです。 種まきで増やす! 慣れたら交配にもチャレンジしてみよう Nancy J. Ondra/Shutterstock.com クリスマスローズは、種子を採取して増やすこともできます。採取してすぐに播くこともできますが、乾燥させすぎないように保存して、10月頃に播くとよいでしょう。 種子から育てるのに慣れたら、交配にもぜひチャレンジしてみましょう。 交配する際は、花がしっかり開いて花粉が出ているものを花粉親にします。種子親は花が開き切らないうちに、雄しべと、可能であれば蜜腺をピンセットで取り除きます。花粉親からピンセットで花粉をとり、種子親の雌しべにこすりつけて交配させます。 有茎種・無茎種それぞれに魅力あるクリスマスローズを育てよう Natalia Greeske/Shutterstock.com クリスマスローズには有茎種と無茎種があり、それぞれ特徴や育て方が異なります。さまざまな色や品種もありますが、交配種は花の色や形にバリエーションがあり、自分で交配することもできます。さらに、花の少ない冬季にもカラフルな花を楽しめる数少ない植物です。 ぜひこの記事を参考にクリスマスローズの品種や特性を把握して、育成や交配を楽しんではいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

晩秋を告げる花を探そう! 11月に咲く人気の花20選
シクラメンサクラソウ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・紫・黄・複色/開花期:10~3月 Melanie Hobson/Shutterstock.com 花の少なくなる晩秋から年末にかけて、園芸店の店頭を彩るシクラメン。日本では冬の鉢花の代表的な存在で、比較的耐寒性のあるガーデンシクラメンも冬の寄せ植え素材として高い人気があります。最近ではブルー系やクリーム色の品種も登場。くるりと反り返った花だけでなく、葉色の美しさも魅力です。うまく夏越しさせれば、翌年も花が楽しめますよ。鉢花のシクラメンは寒さに弱いので、15~25℃程度の日当たりのよい場所で管理しましょう。シクラメンの花言葉は「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」などです。 ●冬を彩るシクラメン! きれいに咲かせるために気をつけることとは? 皇帝ダリアキク科多年草/主な花色:紫・ピンク/開花期:11~12月 写真/遠藤昭 よく成長すると5~6mに達するほど大きくなる皇帝ダリア。その名にふさわしく、晩秋の庭で存在感を放ちます。大きく育つので庭植えに向き、2階の窓から花を楽しむこともできますが、切り戻しをすればある程度高さも調節できます。大きく育てる場合は支柱を忘れずに。日が短くならないと花芽をつけない短日植物で、街灯や電灯などの近くで夜も明るい場所では花が咲かないこともあるので気をつけましょう。植えっぱなしでも育ちますが、鉢植えの場合は球根を凍らせないように注意が必要です。皇帝ダリアの花言葉は「乙女の真心」「乙女の純潔」などです。 ●寄せ植えや花壇に活躍「ダリア」の種類と上手な育て方 サザンカツバキ科中高木/主な花色:白・ピンク・赤・複色/開花期:10~12月 サザンカ(山茶花)は、花が少ない冬の時期に開花する、貴重な植物の一つ。庭木や生け垣、盆栽などに広く利用されている馴染み深い花です。日本固有種で、300種もの園芸品種があり、白、ピンク、濃ピンク、斑やぼかしが入ったものなどバリエーションに富みます。基本的な性質はツバキに似ていますが、ツバキよりやや寒さに弱く、花が終わると花弁が1枚ずつ散るのが特徴。日当たりを好みますが、日陰でもよく育ちます。剪定の適期は3~4月。サザンカの花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむき」などです。 ●サザンカ(山茶花)の育て方。コツとお手入れ、植え替えなどを一挙紹介します エリカツツジ科低木/主な花色:ピンク・白・赤/開花期:11~3月 nnattalli/Shutterstock.com 600以上の種類があるとされるエリカですが、日本では、その中でも冬から春にかけてピンク色の花を咲かせるジャノメエリカが最もポピュラーで、40〜50種が流通しています。花色や開花期は種類によって異なり、花姿も筒形やベル形、球状など多様。常緑低木なので、一度植え付ければ毎年花が楽しめます。多肥を嫌い、弱酸性の土壌を好むため、肥料は控えめにし、ピートモスを施しておくとよいでしょう。高温多湿の環境が苦手なので、夏は蒸れに注意し、風通しよく育てます。エリカの花言葉は「孤独」「寂しさ」などです。 ●エリカってどんな花? 育て方やお手入れの方法を知って楽しもう! シロタエギクキク科多年草/主な花色:黄 /開花期:6~7月 白い産毛に覆われたビロードのような質感の葉が特徴のシロタエギク。初夏に小さな黄色の花を咲かせますが、主にシルバーの葉をカラーリーフプランツとして楽しみます。一年を通じて観賞できますが、寒さに強いので、特に冬の寄せ植えに人気。日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。産毛に覆われた茎葉に水がかかると蒸れやすいので、水やりの際は気をつけましょう。大きくなってバランスが崩れたら、切り戻して小さくまとめてもかまいません。シロタエギクの花言葉は「穏やか」「あなたを支える」などです。 サフランアヤメ科多年草/主な花色:紫/開花期:10~12月 パエリアやブイヤベースに必須の香辛料、サフランは、この花の雌しべです。紫の花は美しく、近年は観賞用としても人気があります。直径4cmほどの小さなタマネギ形の球根は、小さなカゴやバスケットに植えても花が咲くので、ベランダやテラス、棚、花台など、省スペースでも栽培可能。丈夫で育てやすく、土に植えずお皿に転がしておいても開花します。花が咲いたら雄しべを採取するのもいいですね。花後も葉に日が当たるようにし、地上部が枯れるまで水切れしないよう注意しましょう。サフランの花言葉は「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」などです。 ●高価なスパイス「サフラン」をベランダガーデニングで自家採取する方法 ウインターコスモスキク科多年草/主な花色:黄・白・ピンク・複色/開花期:11~5月 ビデンスとも呼ばれるウインターコスモスは花つきがよく、黄、白、ピンク、複色などの花をたくさん咲かせます。多年草と一・二年草があり、種類によって開花期にも幅があります。日当たりを好み、やせ地でもよく育つ丈夫な植物で、凍らせなければ冬越しができる程度の耐寒性があります。霜が降りるようになったら、明るい室内に取り込んで管理するとよいでしょう。終わった花がらは早めに摘み取ります。種子は衣服につきやすいので注意しましょう。ウインターコスモスの花言葉は「調和」「真心」「もう一度愛します」などです。 ジャノヒゲキジカクシ科多年草/主な花色:白・紫/開花期:7~8月 simona pavan/Shutterstock.com 古くから下草として庭園用に使われてきたジャノヒゲは、仲間のリュウノヒゲと同様に、周年常緑で、寒さ、暑さに極めて強い丈夫な植物です。花は目立ちませんが、花後につく鮮やかなコバルトブルーの実は、冬枯れの中でも彩りを添えてくれます。黒葉のオオバジャノヒゲ‘黒竜’も人気があります。日なたから日陰まで、ほとんど場所を選ばず、植えっぱなしで育つ手のかからない植物です。実つきをよくするには、ある程度の日照があったほうがよいでしょう。ジャノヒゲの花言葉は「変わらぬ想い」「不変の心」などです。 ●グラウンドカバーに最適! じつは花が咲いて実もつくリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)をご紹介 ノコンギクキク科多年草/主な花色:紫・ピンク /開花期:7~10月 写真/前田満見 ノコンギクをはじめとする野菊は日本各地に見られる野草で、小さくて可憐な花を楚々と咲かせます。一般に流通するものは、小型で細身の花姿が多く、大きくなりすぎないため、庭植えにもおすすめ。落ち着いた秋の風情が楽しめ、切り花にして一輪挿しなどに飾っても美しいものです。日当たり、水はけのよい場所を好み、日向で栽培したほうが花つきがよくなります。猛暑地では夏の暑さを考え、西日が避けられる場所を選ぶとよいでしょう。性質は丈夫で、一度植えれば特に難しい手入れもなく、植えっぱなしでも育つ花です。ノコンギクの花言葉は「守護」「忘れられない想い」「長寿と幸福」などです。 ●小さな庭と花暮らし「秋から初冬の庭を彩る野菊」 シネラリア(サイネリア)キク科一年草/主な花色:青・白・ピンク・黄・茶・紫・複色/開花期:11~5月 Skyprayer2005/Shutterstock.com 冬から春の鉢花として親しまれているシネラリア(サイネリア)。こんもりとドーム状に育ち、パッと開いた明るい印象の色鮮やかな花を密に咲かせます。カラーバリエーションが非常に豊富で、小輪から大輪まで品種も多くあります。冬に咲く花ですが、耐寒性はあまり高くなく、日当たりのよい室内で管理しましょう。花がらはこまめに摘み、花が少なくなったら切り戻しをすると、新たに花茎が伸びてきます。花に水がかかると花弁が傷むので、水やりの際は注意しましょう。シネラリアの花言葉は「いつも快活」「喜び」などです。 ダリアキク科多年草/主な花色:ピンク・赤・白・オレンジ・黄・紫・複色/開花期:6~11月 suprabhat/Shutterstock.com 豪華で華やかな花を咲かせるダリアは、秋花壇の主役級の存在。花径30cmに達するような超巨大輪種から大輪、中輪、小輪種まであり、花形のタイプもさまざま、また木のように大きく育つ皇帝ダリアなど、非常に豊富な種類があります。和名では「天竺牡丹」と呼ばれ、古くから親しまれてきた春植え球根植物です。地中で越冬しますが、寒さに弱いので、場所によっては球根が凍らないよう掘り上げて保管し、遅霜の心配がなくなってから植え付けるとよいでしょう。乾燥気味に管理し、必要に応じて支柱を立てて栽培します。ダリアの花言葉は「華麗」「エレガント」などです。 ●寄せ植えや花壇に活躍「ダリア」の種類と上手な育て方 チェッカーベリーツツジ科低木/主な花色:白/開花期:6~7月 Natalia Greeske/Shutterstock.com 秋から色づく艶やかな赤い実は、クリスマスやお正月の演出にもぴったり。初夏に花を咲かせますが、主に実を観賞します。草丈20cmほどとコンパクトに育つ低木なので、寄せ植えの素材としても人気があり、常緑の葉は一年を通じて楽しめます。チェッカーベリーの実は食用できませんが、野鳥には狙われやすいので、ネットなどで対策すると安心です。寒さには強いものの、夏の高温多湿や強い日差しがやや苦手。やや酸性の土壌を好み、乾燥を嫌うので、水切れに注意しましょう。チェッカーベリーの花言葉は「不老長寿」「明日の幸福」などです。 ●チェッカーベリーとは? これを読んでチェッカーベリーの栽培を理解しよう ネリネヒガンバナ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色/開花期:10~12月 Picmin/Shutterstock.com ヒガンバナの仲間のリコリスの近縁種で、花弁に宝石のような煌きがあり、「ダイヤモンドリリー」という名でも流通しています。花もちがよく、寂しくなりがちな晩秋から冬の庭に華やかな彩りを与えてくれます。近年では切り花としても人気が高まっています。球根を植える時期は8月下旬~9月中旬。水やりで球根が濡れるとカビが生えることがあるので、湿らせた土を使って植え付けるとよいでしょう。耐寒性がやや低いので、花が終わったら室内の日当たりのよい窓辺などで育てます。肥料は控えめにし、乾かし気味に管理しましょう。ネリネの花言葉は「また会う日を楽しみに」「忍耐」「箱入り娘」などです。 コキアヒユ科一年草/主な花色:黄緑/開花期:9月 James Jeong/Shutterstock.com もこもこのふんわりとした円錐形にまとまるコキアは、爽やかな印象の緑葉も美しいですが、10~11月にかけて見られる、鮮やかな紅葉が特に人気。茨城県の国営ひたち海浜公園の群生したコキアが有名ですね。ホウキグサという和名の通り、紅葉の後の枯れ枝を使ってほうきを作ることもできます。コキアは発芽に光が必要な好光性種子植物なので、種まきの際は土を厚く被せないように注意しましょう。直根性の植物なので、植え替えは避けたほうが無難です。過湿にはやや弱いので、水はけよく管理します。コキアの花言葉は「恵まれた生活」「夫婦円満」「忍耐強い愛」などです。 ●コキアの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ツワブキキク科多年草/主な花色:黄・白/開花期:10~12月 oasis2me/Shutterstock.com 艶のある大きくて丸い葉の中心から花茎を伸ばし、鮮やかな黄色の花を咲かせます。花の美しさだけでなく、大きくて目立つ常緑の葉も斑入りや獅子葉などバリエーション豊富なので、カラーリーフやグラウンドカバーとして、一年中庭を彩ってくれます。明るい日陰でも育ち、土質もさほど選ばない丈夫な植物。枯れた葉は取り除いてきれいな見た目を保ちましょう。また、茎葉は下処理をすることで食用でき、山菜としても親しまれています。ツワブキの花言葉は「謙遜」「困難に負けない」などです。 ●緑の葉が美しく食べられるツワブキ! 育て方や食べ方をご紹介 ヨウシュヤマゴボウヤマゴボウ科多年草/主な花色:白・ピンク/開花期:6~10月 写真/前田満見 ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産の帰化植物で、日本各地で見られます。夏に咲く花、赤褐色の茎、そして晩秋の実など、個性的な美しさが楽しめる野草です。ピンクの軸につく黒紫色の実は、ブドウを小さくしたようで可愛らしいですが、この実の汁が洋服につくと落ちないので注意しましょう。また全草が有毒なので、果実や根を口にしないよう注意が必要です。ヨウシュヤマゴボウの花言葉は「野生」「元気」「内縁の妻」などです。 マリーゴールドキク科一年草/主な花色:黄・オレンジ・白・赤・複色/開花期:4~12月 Grigoriy Pil/Shutterstock.com オレンジや黄色などのビタミンカラーが元気をくれるマリーゴールド。初夏から咲いていますが、花の少なくなるこの季節にはひときわ目を引きます。開花期が長く、一度植え付ければ手をかけずとも元気に育ち、花壇の定番として愛される人気の花です。また、マリーゴールドはセンチュウなど害虫を寄せ付けない効果もあるので、コンパニオンプランツとして家庭菜園に取り入れるのもおすすめ。日本でガーデニング素材として利用されるものは一年草が多いですが、中には多年草の品種もあります。マリーゴールド全般の花言葉は「勇者」「可憐な愛情」などです。 ●ビタミンカラーが鮮やか! いろいろ楽しめるマリーゴールドを育てよう モミジムクロジ科高木/主な花色:赤 /開花期:4月中旬〜5月上旬 robert armitage/Shutterstock.com 紅葉の美しい樹木の代表格で、秋を彩る植物として古くから日本人に愛されてきたモミジ。同じく紅葉の美しいカエデは、じつは植物の分類学上では同じものになります。夏の青葉も美しく、四季を通してさまざまな表情が楽しめます。耐寒性はありますが、暑いのがやや苦手で、真夏の強光線によって葉焼けすることがあるので注意。適度に水はけ、水もちのよい土壌を好み、乾燥を嫌いますが、日本に自生してきたので育てやすい樹木です。自然樹高は5〜25mなので、剪定で樹形をコントロールしましょう。モミジの花言葉は「節制」「遠慮」「自制」「大切な思い出」「美しい変化」などです。 ●モミジの育て方! 基本情報や豆知識も大公開 キクキク科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・緑・茶・複色/開花期:9〜11月 New Africa/shutterstock.com キクは日本を代表する花の一つで、大ギク、小ギク、古典ギク、野生ギク、洋ギクなど、非常に豊富な種類があります。この季節のガーデニングに気軽に取り入れやすいのは洋ギクで、ポットマムとも呼ばれています。花つきがよいので、主役にも脇役にも利用でき、また暑さ寒さに強く、放任してもよく育つので、ビギナーにおすすめです。日当たりのよい場所で育てましょう。矮化剤を使った鉢花も多く出回っているので、2年目以降は草丈が高くなることがあります。キク一般の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」などです。 ●【二十四節気】白露は秋の訪れ。彩り豊かなキクの庭花と重陽の節句 カキノキカキノキ科高木/主な花色:白/開花期:5月 オレンジ色のカキの実は、美味しい秋の味覚の一つ。家庭でも育てやすい果樹で、人家の近くに植えられていることも多く、晩秋に重たげな実がたわわに実る光景は、どこか郷愁を感じさせます。カキには甘ガキと渋ガキがあり、ともに自家受粉するので、通常は1本植えるだけでOK。ただし、甘ガキの中には授粉樹が必要なものもあるので、品種を選ぶ際に確認しておきましょう。カキの花言葉は「自然美」「優美」「恵み」などです。 11月に見頃を迎える人気の植物を育てよう! 今回は、11月に咲くガーデニングで人気の草花や樹木を20種類ご紹介しました。涼しい秋風の中で、季節を感じさせてくれる晩秋に見頃の植物を庭にプラスしたり、寄せ植えの花材のに選んだり、ぜひお気に入りを見つけて、11月のガーデニングを楽しんでくださいね。
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花と緑

秋景色を彩る可愛い実もの 身近な秋の実10選
ドングリ 秋の実の代表格といえば、ドングリです。つるりとした茶色いドングリの実は、加工しなくても長もちするので、工作の材料などにもぴったり。秋晴れの日に、ドングリを拾って遊んだことがある人も多いのではないでしょうか。ドングリは特定の樹木の果実ではなく、コナラやシラカシ、クヌギ、マテバシイの実など、ブナ科のカシやナラ、シイの仲間の実のことを指します。ドングリらしい形の実に浅い殻斗がつくコナラや、丸くて大きく、いがのような殻斗を持つクヌギなど、形や大きさは種類によってそれぞれ異なります。また、ドングリは植木鉢などに播けば、翌春には小さな芽が出てきます。拾ったドングリの発芽率はあまりよくないので、たくさん拾って試してみるのもいいですね。 マツボックリ(マツカサ) マツボックリもドングリと同じく秋を代表する実。マツボックリはアカマツやクロマツ、モミ、トウヒなど、マツ科の樹木の球果です。形がよく似ているスギ科の植物の球果もマツボックリと呼ばれることがあります。球果という名の通り、マツボックリは一つひとつの鱗片の裏側にそれぞれタネがついており、それが集まって実を形成しています。たくさんの鱗片が広がってつく独特の形の実は可愛らしく、クリスマスリースなどにも欠かせない素材になります。マツボックリの種類によって形や大きさはさまざまで、中には成熟しても鱗片を開かないものなども。また、多くのマツボックリには、水に濡れると鱗片を閉じ、乾くと開くというメカニズムがあります。 カキノキ 秋らしいオレンジ色のカキの実は、食欲の秋にふさわしい、美味しい秋の味覚の一つ。家庭でも育てやすい果樹で、人家の近くに植えられていることも多く、秋になるとオレンジ色の重たげな実がたわわに実ります。樹上の熟した実に鳥たちが集まり、半分つつかれたような実もよく見られる光景ですね。カキには甘ガキと渋ガキがあり、秋に果実が成熟した時の渋みの有無で分けられています。そのままでは渋いイメージのある渋ガキですが、完全に熟させたり、アルコールや炭酸ガスで脱渋したり、干し柿にしたりすれば、美味しく食べられます。 ムラサキシキブ その名の通り、細い枝に艶やかで美しい紫色の実をつけるムラサキシキブは、野趣豊かで秋のガーデンの演出にぴったり。ガーデンでは、近縁種でコンパクトに育ち、果実がより集まってつくコムラサキもよく利用され、園芸的にはこちらもムラサキシキブとして流通していることがあります。コムラサキには、平安の歌人・小式部内侍にちなむコシキブという別名も。主として実を観賞しますが、小さな花も淡い紫色で可愛らしいもの。紫色の実のほか、クリアな白い実をつける品種もあり、こちらもガーデンで人気があります。 ヨウシュヤマゴボウ ヨウシュヤマゴボウは、北米を原産とするヤマゴボウ科の多年草。全国に広く分布し、市街地などでもよく見かける帰化植物で、国内に自生するヤマゴボウとは異なり、紅色を帯びた茎が特徴です。赤紫色の軸を持つ房に白色の花を咲かせ、秋になると黒紫色のつややかな実を垂らします。果実は一見ベリー類にも似て美味しそうですが、果実や根には毒性があるので口にしないように注意しましょう。 イチョウ 街路樹などでも馴染み深いイチョウの木は、秋になると美しい黄色に黄葉する、紅葉の美しい木の一つ。雌雄異株で、雌木に実る黄色い実からは食用の銀杏が採れます。ただし、銀杏の食用とする箇所は内種皮よりも内側であり、表面の果皮は食べません。このイチョウの果皮には独特の匂いがあり、秋になると、この匂いに悩まされるという人も多いはず。そのため、街路樹の多くは実の落ちない雄の木が使われています。 ローズヒップ ガーデンの主役として美しい花を咲かせるバラの中には、秋になると赤やオレンジ色の可愛らしいローズヒップが楽しめるものも。ローズヒップがたくさん採れるバラには、ドッグローズやハマナスなどがあります。秋にローズヒップを楽しみたい場合は、花が咲いた後は花がらを摘み取らずにおき、また、口にしても安全なように農薬の散布などに気をつけましょう。酸味の強いローズヒップは、ビタミンCを豊富に含み、美容効果も高い嬉しい果実。ハーブティーやジャムなどにしても美味しくいただけます。 ノブドウ 都会でも道端や空き地などのスペースで見かけることが多い実が、ノブドウ。落葉するつる植物で、毎年芽を出す多年草です。葉姿には個体差が大きくあり、切れ込まないタイプや浅く切れ込むもの、深く切れ込むものなどがあり、切れ込みが深いものはキレハノブドウと呼ばれます。秋になると房状になった丸い実が、緑や白、青紫、藍色など、さまざまに異なる色合いに一つひとつ色づきます。不規則に染まる実は美しく、観賞用としてガーデンで栽培されることもあります。ちなみに、通常の実よりも大きな実は、ノブドウミタマバエなどに寄生された虫えい(虫こぶ)。また、近縁種のブドウやヤマブドウにもよく似ていますが、ノブドウの実は食用にはなりません。 アオキ 艶のある美しい常緑の葉を持つ低木。濃い緑色の葉のほか、斑入り葉などの園芸品種も多くあり、季節を通してガーデンの演出に利用されます。耐寒性が強くて育てやすく、ガーデンや公園の植栽にも幅広く活用される身近な植物です。光沢がある楕円形の実は、秋から冬にかけては真っ赤に色づき、色の少なくなる冬のガーデンで人目を引きます。耐陰性もあるので、シェードガーデンなどでも活躍します。ちなみに雌雄異株なので、赤い実がつくのは雌株のみ。雌株のみでは実がならないため、赤い実がついたアオキがあれば、近くに雄株があります。 ピラカンサ ピラカンサは生け垣や鉢植えなどによく使われる常緑低木で、バラ科トキワサンザシ属に属する数種類を総称してピラカンサと呼んでいます。春には白い花を咲かせ、秋から冬にかけて真っ赤な小さい実をたわわに実らせる姿は美しく、丈夫で育てやすいので、街中でも見かける機会が多い庭木です。赤い実を実らせるトキワサンザシが特によく栽培されますが、オレンジ色の実をつけるタチバナモドキなどもあります。 秋は多くの草花や樹木にとって実りの季節。それは、ガーデンや街中で育つ身近な植物にとっても同様です。さまざまな色や形、質感を持つ果実やタネは、花々とはまた違った美しさを持っています。天気のよい秋の日には、足元や木々の枝に実る秋の印を見逃さないよう、ゆっくり探しながら歩いてみるのもいいですね。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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大地の再生に奔走する環境再生医を追ったドキュメンタリー映画『杜人』
老木の桜が引き合わせた出会い 『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』。4月15日よりアップリンク吉祥寺を皮切りに、全国順次公開中。©️Lingkaran Films 映画『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』は、造園家・矢野智徳(やのとものり)さんの活動を追った長編ドキュメンタリー映画です。矢野さんの仕事は、私たちが想像する、いわゆる庭づくりという意味での造園からは大きくはみ出しています。矢野さんの現場は、東京の個人宅もあれば、南北朝時代から続く寺の墓地もあり、屋久島の浜、地方の農地、学校の校庭、そして日本各地の被災地など多岐にわたります。呼ばれる先には、どこにも弱った木々と傷んだ大地があります。 約3年にわたり矢野さんの仕事を撮り続け、初の長編ドキュメンタリー映画を完成させた前田せつ子監督が矢野さんと出会ったきっかけも、伐採されようとする老木の桜でした。当時、前田さんが市議を務めていた東京都国立市で、街路樹の桜を新しく植え替える伐採計画が浮上。しかし、長い間美しい花を咲かせ、歩道に緑陰をもたらしてくれた老木を慈しむ街の人々から「本当に傷んでいるのか、矢野さんに見てほしい」という声が上がりました。作業着で駆けつけた矢野さんは、一本一本の桜を眺め、触って、揺らして言いました。 「樹高を3分の2くらいに切り詰めて、根元に空気を送り込んでやって、下草、低灌木を生やしてやれば、まだ大丈夫」。「幹に空洞ができるのはからだを軽くしているんですよ。寿命なんて人間が勝手に決めているだけ」。 ©️Lingkaran Films 前田監督は、その時の矢野さんを「淡々と、でも素早く全体と細部を見て回る姿は、往診に来た昔のお医者さまに見えた」と回想します。実際、矢野さんは造園家であると同時に、「環境再生医」でもあります。環境再生医とは、NPO法人「自然環境復元協会」が制定した資格制度で、環境省「環境人材認定事業」登録資格。自身の専門性と知識をもとに、地域住民や行政・教育機関・企業・専門家などと協働し、自然環境保全や再生活動を推進できると認められた人が持つ資格です。前田監督は、矢野さんが全国各地で行っている「大地の再生」講座を、小さなビデオカメラを持って追いかけ始めました。「大地の再生」とは、いったいどういうものなのでしょう。 窒息寸前のガジュマルが息を吹き返す「大地の再生」の現場 映画は、屋久島の浜辺の一本のガジュマルの木からスタートします。ガジュマルは弱ってほとんど葉がなく、力なくようやく岩場に立っています。矢野さんはガジュマルの根元の周りの草をノコ鎌で軽く払い、移植ゴテをところどころ地面に差し込んでいきます。すると根元の周りに停滞していた水が海に向かって流れ始め、次第に波紋を描きながら勢いよく流れていきます。「すごーい」とその作業を見ていた人たちから声が上がり、矢野さんは静かに、しかし確かな口調で言います。 「これだけでガジュマルは息をし始める」 ©️Lingkaran Films その後、胴吹きを始めたガジュマルが映し出されます。「胴吹き」とは、樹木が幹や枝の途中から枝を発生させることです。株の衰弱や強度の剪定などにより、生育期に大量の葉が失われると、樹木は光合成ができなくなり枯れてしまいます。そこで、急遽栄養を得るための応急処置として、幹や枝の途中から大慌てで枝を出すのが胴吹きです。この胴吹きは、まさに窒息寸前のガジュマルが息を吹き返した証です。 「大地の再生」の基本は風と水の通り道を作ること ©️Lingkaran Films 草を払い、小さな移植ゴテで地面に穴を掘る。こともなげに見えるその作業と、それがもたらした結果に驚く間に、ストーリーは展開していきます。鎌が草刈り機になったり、移植ゴテがショベルカーになったり、道具こそ変わりますが、矢野さんの作業は基本的にどこでも同じです。矢野さんの大地の再生方法の基本は、風と水の通り道を作ること。シンプルな方法ですが、見えない空気の流れをコントロールし、見えない土中の水のよどみを突き止めるのは、簡単なことではありません。どれほどの観察と経験を積み重ねれば、目に見えないものが分かるようになるのでしょうか。 矢野さんの作業に共鳴するかのように、草木が息を吹き返し、健やかさを取り戻していく様子は、まるでファンタジーのようにも思えますが、その科学的な理論が、元編集者の監督ならではの構成で、丁寧に解説されます。 「風の草刈り」から見えてくる雑草の機能 ©️Lingkaran Films 例えば、「風の草刈り」。 草刈りをするとき、矢野さんは根こそぎ刈るようなことはしません。じっと野原を観察し、草が風で揺られる部分で切り、1株をすくように草を払います。矢野さんはそれを「風にならって刈る」といいます。草は切られた箇所から枝分かれし、地中でも同様に根が分かれて細根がたくさん発生し、コンパクトな大きさで安定します。この細根は空気の通り道となり、他の植物の根に酸素を届けて成長を促したり、雨水を大地に吸収させて地面を安定させます。ところが地際でばっさり切られると、植物は慌てて茎を伸ばし、地中には太くてまばらな「粗根(あれね)」が伸びます。すると地中は空気や水の通りが悪くなり、大雨が降ると崩れやすくなります。 「雑草と呼ばれる植物たちが、詰まっていく大地をガードしてくれるというふうに見ると、じつは雑草は、貴重な大地の機能を担う担い手だということが見えてくるわけなんですね」 矢野さんは草の一本も、アリ一匹も、大地を守る役目を担っていると話します。では私たち人間は、大地にどのような役目を担っているのでしょうか。 大地の詰まりが引き起こす激甚災害 ©️iDaps 石田伸二 いったいなぜ、大地は詰まっていくのか。映画の後半には、豪雨による被災地が数多く登場します。2018年7月西日本豪雨災害、2019年5月屋久島で記録的豪雨災害、2019年台風19号による東日本各地の水害・土石流災害。土砂崩れや河川の氾濫は自然現象でもあり、これまでにもこの地域で幾度となく繰り返されてきました。しかし、「激甚災害」といわれるほど酷い状況に見舞われるようになったのは、ここ十数年のこと。なぜ、この地域にこれほどの災害が起こったのか。復旧作業の中で現場を観察・体感した矢野さんは言います。 「強い雨によって上流の斜面が削られて土砂崩壊を起こしたのではなく、ダムや砂防堤、溜池の堤、道路やU字溝など人工構造物が水の出口を塞いでしまったことで、雨水が斜面の下に水柱のように溜まっていき、持ち堪えきれなくなって流れ下った」 「大地の再生」の術を伝える映画『杜人』 ©️Lingkaran Films 単に大雨が災害を招いたのではなく、人が作った人工構造物が激甚災害を招くまでに大地を機能不全に至らせた、というのが環境再生医・矢野さんの診断です。とはいえ、ダムも道路も現代生活を支えるインフラとして、人間社会には欠かせません。それらをなくしてしまえば大地は健全に再生し、災害を減らすこともできるでしょうが、そんな極論を口にしていられるほど現実の余裕はないということを、年々酷くなる災害は示しています。 では、どうすればいいのか。極論ではなく、具体的な術が映画「杜人」の中にあります。それこそ前田監督が初の長編映画制作へ挑んだ動機です。「風の剪定」「風の草刈り」「水切り」「水脈溝」「点穴」「空気通し」「木杭と抵抗柵」など、矢野さんが独自にたどり着いた大地の再生方法が、一つひとつ、実際に作業するときの手元や体の動きを丁寧に追って解説されています。 ©️Lingkaran Films 杜とは、「この場所を 傷めず 穢(けが)さず 大事に使わせてください」と人が森の神に誓って紐を張った場だと、矢野さんは言います。その誓いを守り、傷んだ大地の再生を行う矢野さんは、確かに杜人というタイトルにふさわしい人です。しかし大地の再生は、杜人・矢野さんにのみできる神業というわけでは決してありません。彼は映画の中でこう語っています。 「小さな移植ゴテとノコ鎌で身近な表層改善を行い空気や水を通す、そういう作業をやっていただくと、それが流域に及んで、海から山までの血管である大地に再生機能をもたらす」「本当に子どもたちでもできるんです」 映画『杜人』を海外へ。前田せつ子監督の次なる目標 前田せつ子さん。山口県生まれ、国立市在住。ソニーミュージックの出版社で音楽雑誌や映画雑誌の編集に携わった後、フリーランスに。2018年3月アップリンク主催ムービー制作ワークショップを受講。同年5月から『杜人』の撮影開始。現在『杜人』の宣伝活動を精力的に行っている。©️Lingkaran Films 前田監督は、この映画を完成させると、告知と応援団を作るために、クラウドファンディング・MOTION GALLERYに挑戦しました。スタートすると予想を遥かに上回る反響があり、初日に目標額120万円を達成し、最終的に389人の賛同を得て、594万円が集まりました。そこでプロジェクトを拡大させ、英語の字幕をつけたインターナショナル・エディションの制作を新たな目標として、現在仮の英語字幕版を作成中だと話します。 「種子の研究者の方に下訳(翻訳する際に原稿の草案としてつけた大まかな訳のこと)をしてもらい、それを字幕のプロの方にお願いしました。矢野さんの詩的な表現を英語にするのは、本当に難しくて…。かといってアカデミックな言葉にすると伝わらないのでは、と頭を悩ませながら作業をしています」(前田監督) 一方で、フランス語訳を申し出てくれる人も現れ、映画『杜人』が世界へ羽ばたく可能性が広がっています。 次の世代へ繋ぐ「子どもに伝える大地の再生」 「大地の再生」講座の様子。©️Lingkaran Films さらに、前田監督にはもう一つのエディションの構想があります。映画プロジェクトを応援してくれているある造園家からの「子どもにも分かるような映画は難しいでしょうか」という提案がきっかけで、『杜人〜チルドレンズ・エディション(仮)』という目標が生まれました。 「5歳の子どもでも最後まで見られて、小学校の授業時間内でも子どもたちが飽きずに見られるよう本質的なことだけに絞った、30~40分間程度のものを作りたいと思っています」(前田監督) 草木が育つように、枝葉を広げていく映画『杜人』。ただ、子どもたちへ大地の再生を託す前に、私たち大人ができることはたくさんありそうです。まずは映画館や自主上映会の会場へ足を運ぶことから、始めてみてはいかがでしょうか。 『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』情報 ■2022年/日本/101分■制作・監督・撮影・編集:前田せつ子■出演:矢野智徳(造園家、環境再生医)、玄侑宗久(臨済宗妙心寺派慧日山福聚寺住職、作家)、堀信行(地理学者)、「杜の学校」スタッフ、一般社団法人「大地の再生 結の杜づくり」メンバー、「大地の再生講座」参加者の皆さんほか■上映スケジュール:https://lingkaranfilms.com/?page_id=279 ★東京都国立市で前田せつ子監督と矢野智徳さんのトークショーがあります。 ■2022年11月10日(木)13:00〜 さくらホール 上映後トーク「前田せつ子監督とワールドカフェ」申し込み先/moribito20221110★gmail.com(上記の「★」を「@」記号に置き換えてご入力ください) ■2022年11月12日(土)18:30〜 くにたち市民芸術小ホール「矢野智徳さんと前田せつ子監督」申し込み先/moribito20221112★gmail.com(上記の「★」を「@」記号に置き換えてご入力ください)
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樹木

白い細かな花が美しいコデマリ! 主な特徴や詳しい育て方を解説
コデマリの主な特徴 ここでは、植物的な分類や特徴、ライフサイクル、似た花との見分け方など、コデマリについてもっと知りたい方に向けて、詳しくガイドしていきます。 基本情報 コデマリはバラ科シモツケ属の落葉性低木です。テマリバナ、スズカケという別名も持っています。原産地は中国東南部。中国から日本に伝わり、江戸時代初期から観賞用として愛されてきた歴史があります。切り花としてインテリアに映えるのも魅力です。 コデマリは暑さや寒さに強くて生命力も旺盛なので、一度庭に植え付ければ周年植えっぱなしでよく、放任してもよく育ちます。そのため、初心者にもおすすめの花木。樹高1〜1.5mの低木で、地際から細い枝を放射状に伸ばす樹形が特徴です。 花の特徴 コデマリの開花期は、4月中旬〜5月中旬。花径1cm以下の白い5弁花で、一つひとつの花は大変小さいのですが、集まってドーム状に咲く花序を作ります。その姿が手毬のように見えることから、「小手毬」という名前がつけられました。花序は枝葉を覆い尽くすように密生し、遠くから見ると色の塊となって目に飛び込み、満開時には素晴らしい景色を楽しめます。 葉や枝の特徴 コデマリには主幹がなく、地際から細くて長い枝を弓なりに多数出し、放射状に枝を広げます。このような樹形を「低木性株立ち」といいます。枝は柔らかく取り回しがきき、管理がしやすいのが特徴です。 コデマリの葉は細長い楕円形で、縁にはやや切れ込みが入ります。薄い質感で風を感じやすく、葉色も明るいので爽やかな印象。秋には紅葉する姿を楽しめ、冬は葉を落として休眠します。 ユキヤナギとの違い コデマリとユキヤナギは樹形や花姿が似ていることから、混同しやすいとよくいわれます。ここでは、見分け方のポイントをご紹介しましょう。 ユキヤナギは、コデマリと同じバラ科シモツケ属の花木です。花色は白で、花径は1cm弱の5弁花。樹高1〜2mの低木で、地際から細くて長い枝を弓なりに広げる「低木性株立ち」。いずれもコデマリと似ていますね。 見分けるポイントは、開花期と花姿です。ユキヤナギの開花期は、コデマリよりも少し早い4月頃。またコデマリは手毬状の花序を作りますが、ユキユナギは花序を作らずに一つひとつの小さい花が枝に密生する点が異なります。 適した栽培環境とは コデマリはどのような場所で栽培すれば、すくすく育ってくれるのでしょうか? 栽培を始める前に、適した日照条件や風通し、土壌の状態などを把握しておくことが、成功への第一歩です。ここでは、コデマリに適した栽培環境についてご紹介します。 栽培する場所 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を好みます。明るい半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日当たりの悪い場所では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長ぎみに伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。暑さ、寒さには強いので、周年植えっぱなしにしてかまいません。 土壌は、有機質に富んで、水はけ・水もちのよいふかふかの状態を好みます。粘土質では育ちにくいので、土壌改良が必要です。 【鉢植え】 基本的に日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。コデマリは暑さ、寒さに強いので、一年を通して戸外で管理してもかまいません。 土壌 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 育て方の基本 ここまで、コデマリの基本情報や特徴、栽培に適した環境・土壌などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、コデマリの植え付けや水やり、施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説していきます。 植え付け・植え替え コデマリの植え付け・植え替えの適期は、2月中旬〜3月か10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を崩して植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 コデマリを鉢で栽培する場合は、大きくなるので10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずして小さくし、新しい培養土を使って植え直します。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は落葉後もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は生育期に入る少し前の2月頃に緩効性肥料を、開花後の6月頃に、体力を回復させるため、速効性肥料を施します。 施肥に適したタイミング以外でも、株の状態を見て葉色が冴えず勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守ってください。 剪定 コデマリは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に伸ばす樹形が特徴です。 コデマリの剪定は、「すかし剪定」を基本とします。適期は休眠期の12〜2月。コデマリは自然に樹形が整うのですが、放任していると 次々に新しい枝が地際から伸びて込み合い、風通しが悪くなってしまいます。そこで、古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、地際から切り取りましょう。 また、植え付けて数年経つと大きく伸びて株も衰えてきます。そこで、4〜5年に1度を目安に、花後の6月頃に地際近くですべての枝を切り取ってください。すると再び新しい枝が伸び出し、株が若返ります。 増やし方 コデマリは、株分けと挿し木で増やすことができます。 【株分け】 コデマリの株分けの適期は2月中旬〜3月下旬か、10月上旬〜11月下旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて地際から出ている枝を4〜5本ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し木】 コデマリは、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、コデマリは挿し木で増やせます。 コデマリの挿し木の適期は、3月頃です。前年に新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 注意すべき病害虫 コデマリは、強健な性質の植物ですが、病害虫が発生することがあります。害虫が大量発生したり、病気が進行したりすると、株姿が弱って見栄えも悪くなるので、早めに防除することが大切です。 害虫 コデマリに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 病気 コデマリが発症しやすい病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。症状が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 コデマリの主な種類 コデマリは、いくつかの種類が出回っています。ヤエコデマリは、コデマリの八重咲き種で、いくつもの花弁を重ねて咲くため、より華やかな雰囲気が印象的。園芸品種の‘ピンクアイス’は、新葉にピンクや白の斑が入り、つぼみはピンク色をしています。‘ゴールドファウンテン’は、春に芽吹く新葉がオレンジ色で、徐々に明るいライムグリーンに変化していくので、カラーリーフとしても利用できる品種です。 華やかなコデマリは庭でも切り花でも楽しめる コデマリを大きく育てて庭を彩れば、ダイナミックな花姿を楽しめ、また切り花にしてインテリアに飾っても枝垂れるラインが美しく、ゴージャスな雰囲気を演出してくれます。近年は八重咲き種や斑入り葉種など、新しい品種も出回るようになりました。ぜひコデマリを庭に取り入れ、素晴らしい咲き姿を愛でてはいかかでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

カラフルでもふもふの花が人気! 長く楽しめるデージーを育ててみよう
まずは、デージーの基本情報を押さえておこう! デージーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパや地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。逆に暑さには弱く、本来は多年草に分類されますが、日本では暑さに耐えられずに枯死してしまうので、一年草として取り扱われています。ライフサイクルは短く、秋に種まきして育苗し、越年すると春から盛んに開花。夏前には株が傷んで枯死します。そのままにしておくと病害虫の発生を招くので、抜き取って次の季節に備えましょう。開花期は一般に12月下旬〜5月とされていますが、冬に咲いているのは、ほとんどが秋頃から出回る開花調整された花苗です。冬は開花したまま、生育はほぼ止まっています。3月頃から旺盛に生育し始め、次々と開花するピークは3〜5月と捉えておくとよいでしょう。デージーの花色は、白、ピンク、赤、赤紫、複色など。草丈は15〜40cmです。 デージーの花言葉と名前の由来 デージーの花言葉は「美人」「純潔」「希望」「平和」など。色別の花言葉もあり、赤い花は「無意識」、白い花は「無邪気」、ピンクの花は「希望」です。 デージーという名前は、「day’s eye」に由来しています。これは、昼間の明るい時間には花弁を開き、暗くなると閉じてしまう性質から。和名は「雛菊(ひなぎく)」で、菊の花よりもかなり小さいことから名付けられたようです。 白・ピンク・赤など! カラフルで可愛いデージーの品種 デージーは人気の高い花なので、育種が進み、愛らしい花姿の品種が多数あります。‘ポンポネット’はロングセラーの品種で、花径2cmほどの小輪種ながら、たくさんの花が咲くのが特徴。花色は赤、ピンク、白があります。‘チロリアンデージー’は最もポピュラーな品種で、花径5cmほどの大輪シリーズ。花色は濃い赤紫、濃いピンク、ベビーピンク、白などがあります。イングリッシュデージーは、ヨーロッパに広く自生する原種のデージーで、楚々として野趣感あふれる花姿はナチュラルガーデンなどで重宝します。草丈10〜15cmの矮性種の‘バンバン レッド’、‘バンバン ローズ’は、ピコティー咲きで花径は5cmほど。‘タッソーピンク’や‘タッソー ストロベリー&クリーム’は中輪ポンポン咲きで、特にもふもふ感を楽しめる品種です。 デージーによく似た近縁種! シャスターデージーとブルーデージー 名前に「デージー」とつく植物はたくさんありますが、それらはデージーとは異なる別種、別属の草花です。ここでは、その中から魅力的な花を2種ご紹介します。 シャスターデージーは、キク科レウカンセマム属の常緑性多年草で、草丈は50〜80cmです。開花期は5月中旬〜7月。日本のハマギクとフランスギクを交配して生まれた品種で、中央が黄色く花弁が白で、マーガレットに似た花を咲かせます。 ブルーデージーはキク科フェリシア属の常緑性多年草で、草丈は20〜50cmです。開花期は3〜5月と10〜12月。花心は黄色、花弁は青みの強い紫色で、そのコントラストが美しい人気の花です。 デージーを元気に育てるポイント ここまで、デージーの基本情報や特徴、花言葉、品種などについてご紹介しました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理、病害虫対策、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 デージーの栽培環境と置き場所 日当たり、風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境にも耐えますが、あまりに日当たりが悪いとヒョロヒョロと茎葉が間のびして軟弱な株になったり、花つきが悪くなったりするので注意。 秋に種を播き育苗して冬越しさせる場合は、冷たい風が吹きつける場所を避けましょう。霜が降りる場所では株元にバークチップやワラを敷きつめ、マルチングを施しておきます。 水はけ、水もちのよい土壌を好むので、植え付け前に有機質資材を投入し、ふかふかの土づくりを心がけてください。 デージーを植えるのに適した土づくり 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 デージーの植え付け方 デージーの植え付け適期は、10月〜11月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。苗は、小さくても節間が短くがっしりとまとまっており、ヒョロヒョロと間のびしていないものを選ぶとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20cmくらいの間隔を取っておきます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜6号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの植物と一緒に植え込んで、寄せ植えを作ってもOKです。 デージーは水切れしやすい! 水やりの注意点 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。さらに生育期に入り、旺盛に茎葉を茂らせて花をたくさん咲かせるようになると、水切れしやすくなるので注意してください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 デージーの肥料で気をつけるポイント 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 開花期を迎えたら、月に1度を目安に緩効性化成肥料をばらまき、スコップで軽く耕して土に馴染ませます。または、10日に1度を目安に液体肥料を与えてもよいでしょう。 デージーを栽培している間に必要なお手入れ デージーは次々に花が咲くので、終わった花は摘み取りましょう。花首の下ではなく、長く伸びた花茎の根元から切り取ってください。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種をつけさせましょう。 デージーを育てるうえで気をつけたい病気や害虫 【病気】 デージーが発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、花がらや枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 デージーに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には、葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけてやるとよいでしょう。 デージーは種まきで育てるのが一般的 デージーは、種まきで増やすことができます。種まきのメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。幼苗の状態でひと冬越すことで、春からの生育期になると旺盛に生育し、丈夫な株になります。 初心者でも比較的簡単! デージーの種まき デージーの発芽適温は20℃くらいです。種まきの適期は一般地で9月頃で、育苗して冬越しすると3月頃から開花します。寒冷地では、3月上旬に種を播き、5〜7月上旬に花を咲かせるとよいでしょう。 デージーの種は大変小さいので、種まき用のセルトレイを準備してください。トレイに市販の培養土を入れ、1穴当たり数粒ずつ播きます。デージーは発芽に光を必要とする好光性種子のため、土をかぶせる必要はありません。種が細かいので、浅く水を張った容器にセルトレイを置いて鉢底から吸水させます。発芽までは涼しい場所に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。 3〜4日すると発芽し、1週間ほど経つと双葉が出揃います。発芽後は弱々しい苗を間引いて1本立ちにしましょう。残す苗の根を傷めないように、株元を押さえて抜き取ってください。その後は、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。 本葉2〜3枚でいったん仮植え! 本葉10枚になったら定植しよう 本葉が2〜3枚出始めたら、セルトレイから鉢上げするタイミングです。3号の黒ポットに草花用の培養土を入れ、セルトレイから苗を抜き取って根鉢を崩さずにそのまま植え付けます。日当たり、風通しのよい場所で育苗し、7〜10日に1度を目安に液肥を与えましょう。多湿になると根張りが悪くなり、茎葉がヒョロヒョロとして間のびした株になるので、いつも湿った状態にならないようにしてください。水やりは表土がしっかり乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。 本葉が7〜10枚ついたら、植えたい場所に定植します。 寄せ植えにピッタリのデージー! 単独でも群植しても見応えあり デージーは、コンパクトにまとまる草姿から、大鉢に寄せ植えする花材として人気があります。開花株が冬前から出回るので、同時期に出回り始めるビオラやスイートアリッサムなどと一緒に華やかな寄せ植えを作り、寂しくなりがちな冬の庭を彩ってはいかがでしょうか。低い草丈を生かし、春の花壇ではチューリップやヒヤシンス、スイセンなど、株元が寂しくなりがちな植物の手前に植えて華やかさをプラスするとよいでしょう。広い場所に群植しても見応えのあるシーンを演出できます。 カラフルなデージーを植えて庭を華やかにしよう! 草丈が低く、花壇の前面や寄せ植えの主役として活躍するデージー。キュートな花姿は古くからガーデナーの間でも愛されてきた人気の植物です。寒さに強く、ビギナーにも育てやすいので、冬から早春にかけて、庭やベランダを彩る寄せ植えを作ってみてはいかがでしょう。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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寄せ植え・花壇

寄せ植えの基本知識! おしゃれに仕上げるコツ
寄せ植えの基本知識 ミニバラ、ビオラ、アリッサムの寄せ植え。☆ 寄せ植えとは一つの植木鉢の中に、さまざまな種類の花苗を‘寄せ’集めて植えるガーデニングの手法の一つです。1種類の花だけを植える単植もインパクトがありますが、複数の植物を組み合わせることによって、より華やかさを出したり、繊細で複雑な雰囲気を表現することができます。いわば単植はバラだけの花束、寄せ植えは複数の花を使ったブーケや華道のようなイメージです。ですから、寄せ植えは作る人の感性や個性を生かしたり、作者の世界観を表現したりできる芸術的な楽しみがあります。 ビオラを使った冬の寄せ植え。☆ しかし、複数の植物を限られたスペースのプランターなどに一緒に植え込むため、それぞれの特性をきちんと把握することが必要。植物は種類によって生育のスピードや伸び方などの違いがあり、日当たりや水やりなど適した環境も異なるため、共存できる植物を選ぶことが大切です。 寄せ植えを作るメリットは、庭がなくても季節の花が楽しめたり、庭の中でもフォーカルポイントとして活用できることです。寄せ植えの基本を覚えて、定期的に植えつけて、季節感のあるおしゃれな暮らしを楽しみましょう。 植物育成ライトがあれば、室内でも寄せ植えをインテリアとして楽しめる。シクラメンを主役にしたクリスマスの寄せ植え。 ●庭がなくてもOK! 室内でおしゃれなガーデンライフが叶う最新グッズ 日の差す窓辺で育つ多肉植物の寄せ植え。 庭の中でも寄せ植えの鉢はフォーカルポイントとして活躍。☆ 寄せ植えで使う道具 寄せ植え作りを始める前に、まずは道具を用意しましょう。どれもガーデニングの基本的な道具なので、専用バッグやケースなどにひとまとめにしておくと便利です。 1.寄せ植えに使う手袋 素手で土を触り続けていると、思いのほか指先の水分が失われてガサガサになったり、爪に土も入るので、ガーデニング用の手袋をして作業をしましょう。薄手の手袋は指先がしっかりフィットし細かな作業もしやすいですが、布製は繊維の間から土が入り込むことがあるので、ぴったりフィットする使い捨てビニール手袋と併用するとよいでしょう。トゲのある植物などを扱う場合は、革製の手袋がおすすめです。 使い捨ての薄いビニール手袋を愛用するガーデナーも。 バラなどトゲのある植物を使う場合は革手袋を。 2.寄せ植えに使う園芸用のハサミ 園芸バサミもいくつかの種類があるが、剪定バサミをまず揃えよう。 ハサミの切れ味は植物の生育に影響します。切れ味の悪いハサミだと切り口の繊維が潰れ、そこから病気にかかったりすることがあります。スパッと切れ味のよいものを選び、使った後は必ず刃を拭いておきましょう。園芸用のハサミも、さまざまな種類や大きさのものがありますが、まずは手のサイズに合った剪定バサミがあると便利です。 3.寄せ植えに使うスコップ・土入れ 寄せ植えでは植物と植物の間に土を入れるため、細いスコップがおすすめです。土入れはたいてい3サイズがセットになっているので、使い勝手がよいでしょう。 4.寄せ植えに使うジョウロ 鉢植えの植物は水やりが欠かせません。水がシャワー状に出る、はす口のついたタイプで、取り外して使えるものが便利です。根元にしっかり水をやりたいときは、はす口を外して使います。 ●美しい庭をつくる人が愛用する便利な庭道具 寄せ植えに必要な材料の選び方 寄せ植えに使う鉢や土の選び方について解説します。土にも鉢にもさまざまなタイプがあり、植える植物に適したものを選ぶことが寄せ植え成功の第一歩です。 寄せ植えに使う「鉢」について 植木鉢のサイズは基本的に「号」という単位で呼ばれます。1号は直径約3cmで、1号数字が上がるごとに「×3」が直径の大きさと覚えておきましょう。植木鉢が小さければ小さいほど水が切れるのが早いので、寄せ植え初心者は8号鉢(直径24cm)くらいから始めるのがおすすめです。 鉢は植物の根が育つための空間ですから、その素材は生育にも影響します。ビジュアルだけでなく、素材の特性も理解して選ぶのが大切です。 ●素焼き:通気性や水はけがよく、植物の根にとって最も好環境を作りやすい。寒さで割れることがある。☆ ●陶製:釉薬をかけた陶器鉢は美しい。通気性・水はけは素焼きより劣るが、山野草のような繊細な植物でない限りあまり問題ない。温度差に強く耐久性が高い。☆ ●グラスファイバー製:ガラス繊維でできており、一見素焼きや陶製、石などのような重厚感がありながら軽量で持ち運びしやすく耐久性も高い。色・デザインバリエーションが豊富にある。☆ ●金属製:ワイヤーバスケットやブリキのバケツなどを植木鉢として代用する。水抜け用の鉢底穴がないものは自分であける必要がある。ワイヤー状のものは内側にヤシマットなどを敷いて使うが水切れしやすい。リース型などもある。☆ ヤシマットやヤシファイバー、麻布などが敷かれたワイヤーバスケット。半円状で壁掛けできるタイプ。 ●ラタンバスケット:植木鉢として利用できるよう、内側にビニールが敷かれていたり、プラスチック鉢入りで土こぼれがしないようになっているものもある。耐久年数は約1年。☆ ●Junk sweet Garden tef*tef*が教えるかわいさ120%の寄せ植えのコツ! 初心者にオススメのバスケット植え1 ●樹脂製:外見上は陶器やテラコッタ鉢に見えるが、軽量で持ち運びしやすい。 ●プラスチック製:軽くて持ち運びが楽。鉢底にスリットが入っているタイプもある。 Erhan Inga/Shutterstock.com ●木製:ナチュラルな雰囲気が魅力。水やりで腐食が避けられないため、耐久年数は約1年。鉢の下にレンガを置いて、水はけのよい状態にしておくと、もちがよい。 寄せ植えに使う「土」について 園芸店やホームセンターなどで販売されている園芸用の赤玉土。 鉢植えに使う土は、水はけと水もち(保水性)がよい市販の園芸用の培養土か、「赤玉土7割+腐葉土3割+元肥(肥料)」がおすすめです。水はけと水もちは一見、相反する作用のようですが、培養土は複数の素材が組み合わされて、どちらの作用もあるように、いわば‘ベストブレンド’されています。観葉植物や多肉植物などのように、特に水はけのよい土を好む種類向けに、ブレンドを特別に調節した植物ごとの専用園芸用土もあります。 また、土には酸性とアルカリ性という性質があり、地域によってその性質は異なります。日本の土は弱酸性のため、日本に自生するツツジやシャクナゲは弱酸性の土を好みます。同じ科のブルーベリーも弱酸性の土が栽培に適しているので「弱酸性」と書かれた用土を選んで栽培しましょう。一方、ハーブなど海外からの輸入植物の多くはアルカリ性を好みます。園芸用土はアルカリ性から中性に調整されているのでそのまま使えばOKですが、庭土などを使う場合にはそのままだと酸性が強いことがあるので、石灰を混ぜ中和してから使いましょう。このように、植物によって好む土が異なりますが、ざっくりと日本に自生するものは弱酸性、輸入種はアルカリ性と覚えておくとよいでしょう。 ●培養土がいい? 自分でブレンドする? よい土を選ぶコツ 寄せ植えに使う「肥料」について 花を咲かせるのは、植物にとってはとてもエネルギーが必要なことです。そのため、花つきよく育てるためには肥料は欠かせません。特に鉢植えで栽培する場合は、土が少なく栄養分が不足しやすいこと、水やりの際に養分が流れ出てしまうことなどから、地植えの植物に比べて施肥がより重要になります。効果的に肥料を使うことで、開花期間が長くなり、花つきよくたくさんの花を楽しむことができますよ。 寄せ植えで肥料を与えるタイミングは、主に元肥と追肥の2つです。 ●元肥(もとごえ) 草花の苗を植える時に、あらかじめ与える肥料。ゆっくり長期間効果が続く遅効性肥料や緩効性肥料で、三要素のバランスのとれた有機質肥料ベースのものがおすすめです。寄せ植えの場合は、鉢の大きさに合わせた量の肥料を培養土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。 必要な時に必要なだけ肥料を届ける「マイガーデン粒状肥料」 土1ℓに対し8~12gが目安。10号鉢なら70~100g(女性の一つかみが約25g)です。 元肥にも追肥にも、さまざまな用途に利用できるのが、緩効性の固形肥料。寄せ植えビギナーの方はまずこのタイプの肥料を揃えるとよいでしょう。なかでも「マイガーデン粒状肥料」は、植物の成長に合わせて効率よく肥料が溶け出すので無駄がなく、長期間でもしっかり効果が持続するので、寄せ植えの元肥や追肥にぴったり。植え付け時に混ぜ込んだり、株元にばらまくだけでも手軽に使え、効果が長く続きます。根にやさしいコーティング肥料で肥料焼けもしにくいので、元肥にも安心。土に活力を与える腐植酸と植物性有機質配合で、土壌改良効果も期待できます。 ●追肥(ついひ) 植物の成長に合わせて、元肥だけでは不足しがちな養分を与える肥料を追肥といい、速効性の高いものがおすすめ。速効性の液体肥料と、緩効性の固形肥料をあわせて使うとより効果的です。また、開花期を終えた宿根草などには、消耗した体力の回復を図るためにお礼肥(おれいごえ)を与えるのもよいでしょう。花後にしっかり回復させておくことで、翌年もよりよいパフォーマンスが期待できます。 肥料切れと水切れを同時に解決! 「マイガーデン液体肥料」 草花には1,000~500倍程度に薄めたものを、1週間に1回程度与えるのが目安。鉢底から流れ出すまでたっぷりと与えましょう。 すばやく効いて、植物に元気を与えてくれる液体肥料「マイガーデン液体肥料」。肥料分を補うのはもちろん、土の保水力を向上させ、用土全体への水分浸透性を高めるモイスト成分配合なので、水切れ防止にも効果を発揮します。使うほどに土壌環境を改善し、鉢土を水切れしにくい土に変えてくれる、乾きやすい寄せ植えの鉢土にぴったりの液体肥料です。 寄せ植えの「病害虫対策」について 病害虫が発生してしまうと、花が咲かなかったり、枯れてしまったりと、せっかくの寄せ植えも楽しめなくなってしまうことも。病害虫の発生を防ぐためには、苗を購入する際に害虫や病気がいない健康な苗を選び、適宜花がら摘みや切り戻しを行いながら、風通しよく栽培することがポイントです。それに加えて、病害虫予防の資材を組み合わせるのも効果的。粒状の殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」は、植え付け時に土にまくだけ、混ぜるだけでOKなので、寄せ植えにとても使いやすくおすすめです。 まくだけで簡単に病害虫を予防できる新感覚殺虫殺菌剤! 「ベニカXガード粒剤」 病害虫の発生後に対処する殺菌殺虫剤に対し、そもそも発生を予防できるのが、「ベニカXガード粒剤」の嬉しいところ。根から吸収された殺⾍成分が植物の隅々までいきわたり、害虫の被害を最小限に食い止めてくれます。さらに、病原菌の侵⼊に似た刺激を根に与えることで植物の防御機能の強化を促し、病気に強い丈夫な株へと導いてくれるという効果も。ただし、病害虫が発生してしまってからでは効果が薄いため、スプレータイプの殺菌殺虫剤なども持っておくと安心です。 1回分は5g(ペットボトルのふた1杯分)が目安。 寄せ植えに植える「植物」について 複数の植物を合わせる寄せ植えの場合、植物を選ぶときに、外してはならないポイントがあります。 夏の一年草をたっぷり使った寄せ植え。☆ ①前述した土壌の性質の好み、日当たり・日陰、水やりの必要頻度といった、植物が好む栽培環境が大きく違っているもの同士を組み合わせると、うまくいきません。例えば、水を好む一年草とあまり水をやりすぎると根腐れしてしまう多肉植物などを組み合わせてしまうと、どちらか一方がうまく育ちません。ただし、あまり神経質になる必要もなく、一年草同士の組み合わせや一年草と宿根草の組み合わせなど、ワンシーズンだけ楽しむ寄せ植えの場合はあまり気にしなくてOKです。 白い小さな花がユーフォルビア。☆ ②植物の開花期を考えて組み合わせましょう。長く楽しむには開花期の長い一年草や常緑のリーフ類などを組み合わせると植え替えの手間がありません。なかにはユーフォルビア‘ダイアモンドフロスト’(写真内の白い小花)のように、真冬のいっときを除いてほぼ一年中咲いているものもあり、寄せ植えに重宝します。 ③植物の生育の性質にはさまざまな形態があります。這うように横に伸びるもの。下に枝垂れて伸びるもの。つるを巻きつけて伸びるもの。また、立ち上がって伸びるものは草丈がさまざまです。これらの性質を理解したうえで、いろいろな性質のものを組み合わせるとバランスのよい形になります。 これらのポイントを押さえ、あとは自由に選びましょう。寄せ植えに適した植物はとても多いので、枠にはまらず楽しみながら育ててください。たとえ失敗しても大丈夫! 植物は地域や栽培環境によって生育に違いが出るため、あなた自身の経験は、失敗も含めて書籍などよりずっと貴重なあなたの庭づくりの情報になります。ぜひ、育てやすかった植物リストや失敗した植物ランキングのメモなどをノートに書きためておくことをおすすめします。 ●Junk sweet Garden tef*tef*が教えるかわいさ120%の寄せ植えのコツ!初心者にオススメのバスケット植え2 寄せ植えの作り方プロセス それでは、寄せ植えの作り方の基本的な手順をご紹介します。難しい作業はありませんが、いったん植えてしまうと位置を変えるのが難しいので、土を入れてからすぐに植物を植えるのではなく、まずはポットのまま並べてバランスを見ます。 1 土を入れる 鉢に鉢底石を敷きます。鉢底石は植え替えの際に土と混ざってしまわないよう、排水ネットなどに入れておくと便利です。あらかじめネットに入った商品もあります。鉢底石を敷いたら、土を鉢の半分の高さまで入れます。土は市販の培養土か、「赤玉土7割+腐葉土3割」に元肥をブレンドしたものを使います。このとき、病害虫予防のため「ベニカXガード粒剤」も混ぜておくと安心です。赤玉土は粒の大きさが大粒・中粒・小粒とありますが、一般的な草花の寄せ植えには小粒が適しています。 鉢底石はネットに入れてから使うと植え替え時に便利。 2 植物の配置を決める 半分まで土を入れた鉢に、まずはポットから抜かずに花苗を仮置きしてバランスを見ます。鉢の観賞角度が一方向に決まっている場合は、正面を決めて配置します。360°から見る場合は、全方位的に美しく見えるよう配置を考えましょう。観賞角度が一方向に決まっている場合は、背の高い植物は鉢の後方へ配置し、縁にいくに従って背の低いものや枝垂れるものにするとバランスがよくなります。360°から見る場合は中央寄りに背の高いものを配置するとよいでしょう。花が咲いたときの色合いなどを考えながら、配置を考えましょう。おしゃれに見える配置は、この後に解説しています。 まずはポットから苗を出さずに仮置きする。 バランスを見てから実際に植える。 3 植物を植える 植物をポットから出したら、根をほぐします。苗によっては根がぐるぐるときつく巻いているものもありますが、そのままではきちんと育たない場合があるので、巻いている部分を切ってしまってOKです。根を一度切ることで刺激が与えられ、成長を促進します。植える順番は、背の高いものや大きなものから植えていくとやりやすいでしょう。すべての植物を植えたら、土をかぶせていきますが、鉢の縁ギリギリまで土を入れるのではなく、縁から1.5〜3cm程度は空けておきます。このスペースは水やりのための「ウォータースペース」といい、これがないと水をやったときに土が流れてしまい、次第に根が露出してしまいます。土を入れたら、土に割り箸を差し込んで前後や左右に動かすと、土中の空間が埋まり、苗と苗の間にも土がしっかり入ります。地際に新芽が出ている植物は新芽の上に土をかぶせないように注意しましょう。 根が回っている場合はほぐす。 黒田健太郎さんに学ぶLesson3 数株で素敵に! シンプル寄せ植え&コーディネート おしゃれな寄せ植えのコツ 寄せ植えの基本的な作り方を覚えたところで、次は、いかにおしゃれに、センスよく作るか、ポイントを解説します。ちょっとしたコツを押さえれば、誰でも寄せ植え上手になれますよ! 鉢を工夫する 鉢色と花色をコーディネート。☆ 寄せ植えを作る際は、どこにその鉢を置くのか考え、鉢を選びましょう。和風か洋風か、モダンかナチュラルか、置く場所の雰囲気に合ったデザインやカラーの鉢を選ぶことが、おしゃれを叶える最初のポイントです。例えば、鉢を置く場所の背景がモダンな白い壁やコンクリートの壁なら、茶色のテラコッタ鉢より、モノトーンの鉢やグラスファイバー製の鉢が合わせやすいでしょう。逆にレンガの壁や木製フェンスなどが背景になる場合には、テラコッタやラタンなどの自然素材の鉢が馴染みます。また、色釉薬のかかった鉢の場合には、鉢色と花色をコーディネートすると綺麗にまとまります。 リース型のワイヤーバスケットに多肉を寄せ植えした例。 アイアンやワイヤー製はどちらにも合わせやすく、また壁掛けタイプも多いので、省スペースで寄せ植えを楽しむことができます。壁掛けタイプの「ハンギング」と呼ばれる鉢は、窓から見えるところにかければ、室内から眺めて楽しむこともできます。 また、複数の寄せ植えを置く場合には、鉢の素材や色を統一するとスッキリとまとまり、主役の花のほうへ目がいきます。 英国ウィッチフォード社製の鉢はテラコッタの最高級品。☆ 鉢の価格もピンからキリまであり、高価なものはそれなりにデザインも品質もよく、耐久性のあるものが多いので、長く使い続けることができます。 鉢が植物で覆われたハンギングバスケット。 一方、鉢にあまりお金をかけたくない場合は、枝垂れる植物を選んで鉢縁に植えるという方法も。植物の生育とともに鉢は隠れてしまうので、容器として機能していれば OKという考え方もできます。高価な鉢も安い価格の鉢もどちらにも利点があり、使い方次第で素敵な雰囲気は作り出せます。賢く選んで楽しみましょう。 植物の配置 おしゃれな寄せ植えを作るには、まずは基本のセオリーを踏まえておきましょう。基本ができたらあとはご自身の感性で自由に楽しんでみてくださいね。 【異なる性質・形状を組み合わせる】 花色はピンク系で揃え、草丈の高いラナンキュラスを中央〜後方へ、周囲にネメシアやダイアンサスを、鉢縁に茎が少し枝垂れるペラルゴニウムを植え、ふんわりまとめた寄せ植え。☆ 「植物について」の項でも述べたように、植物にはまっすぐ上に伸びるものや、這性といってカーペットのように伸び広がるもの、下へ伸びて枝垂れるものなどがあり、異なる草丈、異なる伸び方のものを組み合わせることで、寄せ植えに立体感や調和を生むことができます。寄せ植えがおしゃれに見えない、という原因の一つには、性質が揃いすぎて単調で平面的になっている可能性があります。また、同じ性質のものばかりを狭い鉢の中に植えると、生育過程で植物同士がせめぎ合い、どれかが育たなくなるばかりか、どれも生育がイマイチで、当初のイメージ通りにならないことがあります。性質を分けると、それぞれの生育空間でそれぞれが本来の伸び方をします。バランスのよい配置の基本は、まっすぐ伸びて草丈の高くなるものは鉢の中央〜後方に、低いものはその周囲に植えること。また、鉢縁に枝垂れる植物を植えると縁まわりが隠れ、鉢と植物との一体感が生まれます。 【花色配置は絵画の基礎知識を活用】 花色を紫色に統一した寄せ植え。花材は紫の濃淡のビオラ、アリッサム、カルーナ。☆ 紫のビオラを後方へ、カーペット状に広がるアリッサムとイエローグリーンのリシマキアを鉢縁に。ビオラの花心の黄色とリシマキアをコーディネートした2色使いの寄せ植え。☆ 紫色のブラキカム、ピンクのビオラ、白色の花かんざし、プリムラの3色使いの寄せ植え。☆ 同系色または反対色といった色相による組み合わせの場合は、花色は一鉢の中に1〜3色ほどで留めておくと、まとめやすいでしょう。さらにたくさんの花色を使いたい場合には、ビビッドな色同士、また淡い色同士で揃えるというように、トーン(色調)による組み合わせを基本にすると、ガチャガチャとした雰囲気になりません。さらに上級テクニックとして、淡いトーンの中にビビッドカラーを少量「差し色」として加えるという手法もあります。配置には、絵画の遠近法が役に立ちます。暗色と明色とでは奥に暗色、手前に明色を配置すると、より立体感や奥行き感を鉢の中に演出できます。 淡い色調のペールトーンでまとめた初夏の寄せ植え。花材はペチュニア、ダイアンサス、イソトマ、へデラ。☆ 【葉にも注目】 ペチュニアの花を主役に、ワイヤープランツやヒューケラ、ルブスなどのリーフ類で囲んだ寄せ植え。☆ また、メインの花だけでなく、リーフ類も取り入れて、葉の色や形にも着目しましょう。線のようにスッとした形や小さな葉、大きな葉、斑入り、銀葉、黒葉などのカラーリーフ、ふわふわとした毛に覆われたものなど、葉も実に個性的です。自然の中でキレイだなと思うシーンと出合った時、そこにどんな要素があるのか分析しながら見ると、寄せ植えの参考になります。 寄せ植えの管理方法 寄せ植えを長くきれいに楽しむためには、こまめな手入れをしましょう。ほんの少しの時間をかけるだけでキレイが長持ちしますし、植物に触れていると気持ちがホッとするものです。毎日、楽しみながらできる寄せ植えの管理方法をご紹介します。 水やりの仕方 水やりは基本的に、どんな植物の場合でも鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりやります。水が少なめでいい植物の場合でも、1回のやり方は同じで、頻度を減らすことで調節します。植え付け直後からたっぷり水をやり、季節によって水やりの頻度を変えます。基本的には表土の乾きを水やりの目安とします。夏は気温が高く蒸発するのが早いため、朝と夜の2回で、気温が高くなる時間帯は水が鉢の内部で高温になり、蒸れの原因になるため避けましょう。冬は毎日の水やりは不要です。多すぎると根腐れを起こし、枯れる原因になるので注意しましょう。鉢の大きさや素材によっても水やりの頻度は異なります。鉢が小さい場合や、ワイヤーやメッシュなど透水性のよい素材の場合は乾きやすいので、よく観察して水やりの頻度を調節します。 花がらを摘む 枯れた花や花が終わった後の花を「花がら(花殻・はながら)」といいます。花がらはこまめに摘み取りましょう。そのままにしておくと種子ができて成長が止まったり、次の花が咲かなくなってきますが、逆に花がらをこまめに摘んでいると、次々に花が上がって咲いている期間を長くすることができます。また、花がらを摘み取ることで株に空間が生まれ、風通しがよくなり病虫害も発生しにくくなります。花がらを摘む際は、花の根元に指をかけてやさしく上に引っ張るときれいに取れます。株ごと抜けてしまわないように注意し、指では取れにくい場合は剪定バサミでカットしましょう。 ●花を長く咲かせるテクニック「花がら摘み」とは 適宜追肥を行う 開花には多くのエネルギーを必要とします。長く花を楽しむためには、植物が開花の際に消費したエネルギーを追肥で補ってあげることが大切。適宜追肥を行うことで、花が休まずに咲き続きます。植物や肥料の種類などにより異なりますが、成長期や開花期には1~2週間に1回を目安に追肥をするとよいでしょう。追肥には、水やりと同時に与えることができる液体肥料など速効性の肥料がおすすめです。また、宿根草などは開花後にお礼肥を与えると、翌年の生育もよくなります。 シーズンで植え替える 左)春の寄せ植え。右)夏の寄せ植え。☆ 一年草の寄せ植えの場合は多くが数カ月〜半年が見頃です。花がら摘みをしても咲かなくなってきたら寿命ですから、次のシーズンの花に植え替えましょう。新しく植物を入れ替えることで、季節感を演出できます。宿根草など、毎年花が咲くものが混ざっている場合は、残したい植物の根を傷めないように丁寧に植え替えます。晩秋から冬に地上部が枯れる宿根草の場合は、来シーズンの開花期まで別の鉢で養生しましょう。また、ワンシーズン使った土は養分が抜け、病虫害の原因となる要素が含まれている場合もあるので、植え替える際は土も新しいものに入れ替えましょう。使い終わった土は次シーズンのために再生して準備しておくこともできます。 ●土の再生については『酷暑・猛暑を有効利用しよう! 暑い夏だからこそできる庭仕事』 寄せ植えはコツをつかむことが大切 おしゃれな寄せ植えは鉢と植物のバランスが重要です。鉢にも植物にもさまざまな特性や個性があるので、それらを考慮してセレクトし、配置しましょう。また、寄せ植え後のメンテナンスも美しさを保つためにも大事な作業であり、日々生育していく姿を見守ることこそガーデニングの醍醐味。玄関やテラス、庭のコーナーづくりなど、いろんな場所で季節の花を楽しみながらお手入れしてくださいね。
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樹木

モミジとカエデにはどのような違いがある? 紅葉を自宅で楽しむ方法も解説
モミジとカエデの違いとは Kisialiou Yury/Shutterstock.com まずはモミジとカエデの違いについて解説します。 植物学的な違いはない Ian 2010/Shutterstock.com モミジは、あくまでカエデ属に含まれるいくつかの品種につけられた名前です。モミジもカエデもムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属に分類されています。モミジ属というグループは存在しません。 英語ではカエデをmaple、モミジを特にjapanese mapleと呼びます。英語には、モミジを意味する単語はもともとありません。 日本語のモミジという言葉は、秋に草木が色づく様子を意味する動詞の「もみづ」が由来になっています。名詞化して「もみぢ」、そこから「もみじ」となりました。現在では、カエデの中でも特に、裂片が5つから9つくらいで美しい形を持つ品種を指すようになりました。一方で、カエデは「カエルの手」を意味する「かへるで」が転じて「カエデ」になったといわれています。 園芸や盆栽の世界では区別している Delpixel/Shutterstock.com 園芸の世界では、葉に切れ込みが多く、深く入ったものをモミジと呼び、それ以外の切れ込みが浅いものをカエデと呼んでいます。カエデの中には切れ込みの数が3つだけなど、モミジのように手に似た形をしていないものもあります。 盆栽の世界では、モミジは葉の形が小さく、切れ込みが深く、秋に真っ赤に色づくものを指します。カエデは葉の切れ込みが浅くて大きいものを指します。 モミジやカエデにはどんな種類がある? SunnyColoring/Shutterstock.com ここでは、モミジとカエデの代表的な品種をご紹介します。 主なモミジは3種類 Wiert nieuman/Shutterstock.com モミジの代表的な品種には、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジの3種があります。 イロハモミジは、イロハカエデとも呼ばれます。福島県以南の本州太平洋側や四国、九州の沢沿いや谷間などに自生し、黄色や赤に色づきます。葉の裂片は5〜9片です。 ヤマモミジは、北海道から本州の石川県までの日本海側に自生し、黄色や赤に色づきます。葉の裂片は9片です。 オオモミジは、ヒロハモミジとも呼ばれます。北海道や本州の太平洋側、福井県以西の日本海側、四国、九州に自生し、赤く色づきます。イロハモミジよりも大きく、葉の裂片数は5〜9片で多くは7片です。 カエデの種類はさまざま zikko2020/Shutterstock.com カエデの代表的な品種には、イタヤカエデやハウチワカエデ、手のひらのような形の葉になっていないウリカエデ、メグスリノキ、外来種のトウカエデなどがあります。 イタヤカエデは、黄葉するカエデの代表種です。北海道から九州にかけて自生し、秋になると葉が赤みを帯びた黄色になります。葉の裂片は7〜9片で切れ込みは浅いです。 ハウチワカエデは、北海道から本州にかけて自生し、朱色から濃いオレンジに色づきます。葉の切れ込みはありますが浅いです。 ウリカエデは、山によく自生しており、葉が小さく浅い切れ込みが3つあります。 トウカエデは、中国原産のカエデです。浅い3裂の切れ込みがあり、オレンジ色から紅色に変わります。街路樹として植えられているカエデは、ほとんどがこの種類です。 紅葉(モミジ)と紅葉(こうよう) Roman Samborskyi/Shutterstock.com 紅葉という漢字は、「こうよう」とも「もみじ」とも読みます。ここでは、なぜ緑色の葉が赤く色づくのか、紅葉(こうよう)の意味や仕組みについてご紹介します。 紅葉(こうよう)の意味 Koki Yamada/Shutterstock.com 「こうよう」とは秋になって葉の色が赤や黄色に色づく現象のこと。カエデやモミジ以外でも、イチョウやブナなど色の変わる植物に対して用いられます。モミジの葉や木を指す場合も同じ紅葉という漢字を使うので、紅葉と書かれていたら、前後の文脈から「こうよう」か「もみじ」かを読み分ける必要があります。 紅葉(こうよう)する仕組み YRABOTA/Shutterstock.com 紅葉(こうよう)は落葉樹が葉を落とす前の準備のために起こるもので、葉の役割を終える過程で色が黄色、赤色へと変化していく現象をいいます。葉が光合成をしなくなることでクロロフィル(葉緑素)が減って、緑の色素がなくなると、残ったカロテノイドの黄色が見えて葉が黄色く紅葉したように見えます。さらに光合成が終わるころには糖からアントシアニンが作られ、それがカロテノイドを上回る量になると葉が赤く色づいて見えるのです。 日本にある紅葉の名所をご紹介 Jo Panuwat D/Shutterstock.com 日本各地にある紅葉を楽しめるスポットをいくつかご紹介しましょう。 高尾山(東京都) Q2PHOTOSS/Shutterstock.com 都心から電車で1時間ほどとアクセスがよいのが高尾山です。高尾山の標高は、およそ599mです。 約1,200種類もの植物が楽しめ、秋は特にオオモミジやイロハモミジの紅葉が素晴らしい景色を作り出します。見頃は11月中旬から12月初旬で、紅葉の時期に合わせて「もみじまつり」などのイベントも開催されています。 浜離宮恩賜庭園(東京都) martinho Smart/Shutterstock.com 東京都中央区にある浜離宮恩賜庭園は、江戸時代から続く由緒ある大名庭園です。 11月中旬から12月上旬にかけて、園内各所でトウカエデやモミジの紅葉を楽しめます。 嵐山(京都府) MC_Noppadol/Shutterstock.com 嵐山は京都市の西部、JR京都駅から車で16分ほどの場所にあります。 古いお寺が数多くあり、紅葉の名所も多く、至るところで紅葉を楽しむことができます。紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬です。 自宅でモミジを楽しむなら Sanga Park/Shutterstock.com 紅葉狩りに出かけて楽しむモミジもいいですが、自宅で楽しむのはいかがでしょうか。ここではモミジの育て方についてご紹介します。 庭木で育てる AnjelikaGr/Shutterstock.com 庭木におすすめのモミジは、イロハモミジかヤマモミジです。オオモミジは葉が大きく樹高も高くなりやすいため、庭木には不向きの種類です。 モミジは日当たりのよい場所を好みますが、強い日差しに当たると葉が変色してしまったり、水切れで秋になる前に葉が落ちたりすることがあるので、半日陰や午後から日陰になる明るい場所で育てるのが適しています。 水はけがよく、適度に湿度を保つ土壌を好むので、植えたい場所に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおくとよいでしょう。植え付けの適期は12〜3月です。植え付けてから根付くまでは意識して水やりを行う必要があります。根付いてからはよほど土が乾燥したとき以外は水やりをしなくても育ちます。 木を大きくしたくない場合や、葉が込み合ってきた場合は剪定をします。剪定の適期は11〜12月です。 害虫はアブラムシやテッポウムシに注意し、見つけたらすぐに駆除しましょう。病気はうどんこ病に注意が必要です。 鉢植えで楽しむ Steve Cymro/Shutterstock.com 鉢植えで育てる場合は、基本的に屋外で管理します。夏は半日陰に置き、冬は風が当たらない場所に移動しましょう。 土は市販の園芸用培養土や、細粒と中粒を同じ割合で混ぜた赤玉土に3割程度腐葉土を混ぜたものを使います。水やりは春と秋は1日1回、夏は朝夕2回、冬は土が乾いたときに行います。 2、3年に1度、鉢が小さくなったら一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替えの適期は11〜3月です。 盆栽もおすすめ JIMKOJI/Shutterstock.com モミジは盆栽で楽しむのもおすすめです。園芸店や盆栽のイベント、ネットショップなどで購入できます。 鉢植えと同様に、日当たりと風通しのよい所で育てます。夏は半日陰に、冬は霜や風が当たらない場所に置きます。水やりや注意すべき病害虫も前述の鉢植えの場合と同じです。 盆栽では、伸びすぎる前に新芽を摘んで調整したり、剪定して形を整えていきます。 モミジとカエデの違いを知って紅葉をさらに楽しもう Patrick Foto/Shutterstock.com モミジとカエデは生物学的にはどちらもカエデに分類されていますが、園芸では葉の切れ込みが深く手のような形のものがモミジ、切れ込みが浅いものがカエデと呼ばれています。 皆さんも紅葉狩りに行ったり、ご自宅で育てたりして美しい紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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育て方

早春の主役花、クリスマスローズをきれいに咲かせる。秋冬のお手入れをチェック!
10〜11月に購入した苗はすぐに植え替えましょう 以前に比べ、必ずしも開花株で花色や花形を見て選ばなくても、ラベルの写真とほぼ同じ花が咲くクリスマスローズが増えています。花が長もちするクリスマスローズは、開花株を買ってからでも十分楽しめますが、つぼみが上がってきて開花するまでを楽しむなら、今が買い時です。購入する時は、株元の茎が太いものを選ぶとよいでしょう。購入した2年生以上の株は、10〜11月以降は花が咲くまでにまだ成長するので、一回り大きな鉢に植え替えるのがオススメです。 植え替えに選ぶ鉢と用土 初めてクリスマスローズを育てるなら、鉢底の穴がなるべく多く、細長いプラスチック製の深鉢がよいでしょう。用土は、赤玉土と鹿沼土、小粒の軽石、腐葉土などがブレンドされた排水性がよいものを使います。ブレンドするのはハードルが高いと思う方は、市販の「クリスマスローズの培養土」を使いましょう。 黒ポットのまま夏越しをした苗も植え替えを 花が終わったら植え替えようと思っているうちに、そのまま10月を迎えた苗は、新しい葉や花芽を育てるために、一回り大きいポットへすぐ植え替えましょう。ポットから取り出したら、きっと根がよく伸びているはずです。 黒ポットのまま夏を越した苗と同様に、花後に鉢植えで育てていた苗も、できれば一度鉢から根鉢を取り出し、周囲の土を少しほぐして新しい用土を足してから植え替えをすると、より成長がよくなります。 早春の花の季節まで日向へ 日差しがやわらぎ、クリスマスローズの新しい葉が伸び始めてくる10月以降は、日が当たる場所へ移動する時期です。葉が順調に展開し、つぼみが見え始めたら古い葉を切って(根元から10㎝程度、葉柄を残すと株を傷めません)花の季節に備えましょう。




















