スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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土作り

【ガーデニングの基本】花や野菜を育てるには土づくりが大切! 土壌改良の方法
植物を元気に育てるために欠かせない土壌改良! 土質やpHを調整 Nieriss/Shutterstock.com 植物を元気に育てるためには「土壌改良(どじょうかいりょう)」が欠かせません。植物に適した土というのは、「水はけのよい土」や「保水性のある土」、「微生物が多い土」、「pH(ペーハーまたはピーエイチ)がちょうどよい土」などですが、育てたい植物の種類によって、どのような土が適しているかは異なります。 また、植物を育て始めてから時間が経過すると、土の状態も変化していきます。育てたい植物の特性を考慮した上で、土の状態を調整することが必要です。 表面と深部の土を入れ替える「天地返し」も土壌改良の方法の一つ Shaplov Evgeny/Shutterstock.com 植物が根を伸ばしている範囲でそのまま栽培を続けていると、土壌の養分のバランスが偏ったり、悪くなってしまいます。これを解決するには、シャベルなどを使って深く掘り込み、上層と下層の土を入れ替える「天地がえし」を行います。 これは下層へ有機物をすきこむとともに、下層に溜まった栄養素を上層にあげて偏りを緩和することができます。土中に潜んでいる害虫を発見するのにも役立ちます。 また、掘り起こすことができない樹木などであれば、株元から少し離れた場所を掘り返すことでも適度に根が切れて樹勢が抑えられ、徒長枝が出にくくなるというメリットもあります。 土質を変えたいときやpHの調整には土壌改良剤を使う! 種類と特徴 Inthemood/Shutterstock.com 土に施すことで土壌の性質を改善することができるのが、土壌改良剤です。ここでは代表的な土壌改良剤についてご紹介します。 通気性や水はけをよくして土をフカフカにする「腐葉土」 Paul Maguire/Shutterstock.com 腐葉土は広葉樹の落ち葉や枝を積み重ねて発酵させたものです。腐葉土を使うと微生物が繁殖しやすくなり、有機物の分解や土の団粒化を促進してくれるので、通気性や排水性、肥料もちがよくなり、ふかふかの土になります。腐葉土を使う際は、しっかりと熟成させたものを使いましょう。また、腐葉土は自分で作ることもできます。 土の中に腐葉土などの有機物が豊富にあると、特定の微生物だけが増えず、多様な微生物が棲みつくようになります。これによって、土の中の特定の微生物が原因となる病気を防ぐ効果も期待できます。 もみ殻が原料の「もみ殻くん炭」も代表的な土壌改良剤 Jamaludinyusuppp/Shutterstock.com もみ殻をいぶして炭化させた「もみ殻くん炭」は、土壌をアルカリ性にする効果があります。 保水性や排水性、通気性もよくなり、消臭効果や雑菌・害虫を抑える効果も期待できます。 また、もみ殻くん炭には微細な穴が無数にあり、ここに数多くの微生物が棲みつくことで、土壌環境の改善につながります。 土を柔らかくしてくれる効果が高い「バーク堆肥」 Miriam Doerr Martin Frommherz/Shutterstock.com バーク堆肥は、針葉樹や広葉樹の樹皮を発酵させたものです。保水性や肥料もちがよくなる効果があります。分解されにくいため、さまざまな微生物が集まり、また効果が長もちする特徴があります。 動物由来の「牛ふん堆肥」や「鶏ふん堆肥」は肥料分を含む kram-9/Shutterstock.com 牛や豚、鶏などのふんを発酵させて作る動物由来の堆肥は、土をフカフカにする効果があります。窒素やリン酸、カリウムなどの栄養分も多く含みます。 牛ふん堆肥は、草や藁を食べる牛のふんを使っているため、繊維質が多いのが特徴です。それに対し、鶏ふん堆肥は肥料分が多いのが特徴です。そのほかにも、豚ぷん堆肥や馬ふん堆肥などもあります。 これらの堆肥は、しっかりと熟成させたものを使いましょう。 通気性や保水性に優れた「バーミキュライト」は種まきや挿し木にも! vandycan/Shutterstock.com バーミキュライトは、黒雲母が風化した「ひる石」を高温で焼いて膨張させたものです。多孔質の多層構造をしているので、通気性に優れており、保水性が向上するほか、肥料もちもよくなります。無菌でpHが中性なので、種まきや挿し木、水耕栽培などにも使われます。 多孔質で軽い「パーライト」も通気性や保水性に優れた土壌改良剤 RPA Studio/Shutterstock.com パーライトは真珠岩や黒曜石など、ガラス質の火山岩を高温で加熱して粒状にしたものです。多孔質なので、保水性や通気性、排水性などに優れています。 真珠岩が原料のパーライトは特に保水性がよく、乾きやすい土や水はけがよすぎる土の改良に向いています。 黒曜石が原料のものは通気性や排水性がよいため、真珠岩とは異なり、水はけが悪い土の改良に向いています。 改良したい土壌の目的に合ったパーライトを選ぶことがポイントです。 保水性を向上させながら酸性度も調整できる「ピートモス」 Anton Starikov/Shutterstock.com ピートモスは、湿原に苔が堆積して泥炭化したものを乾燥させ砕いたものです。強酸性で、ツツジやブルーベリーなど酸性土壌を好む植物の栽培に向きます。保水性や肥料もちもよく、フカフカで柔らかい土になります。 ピートモスを生産するためには、カナダなど冷涼な地域の泥炭(でいたん)を掘り上げる必要がありますが、泥炭を取った後の表土は植物が極めて育ちにくいため、そこだけ荒れ地になってしまい、豊かな湿原が失われる原因となっています。ピートモスは水もちがよく大量生産の苗づくりには便利なのですが、近年では環境保全の観点からピートモスの利用を控えようという動きが出始め、イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国などでは、ピートモスを含まない「ピートモス・フリー(ピートフリー)」の園芸用土の流通が進みつつあります。 酸性に傾きやすい日本の土壌をアルカリ性にしてくれる「苦土石灰」 FotoHelin/Shutterstock.com 苦土石灰(くどせっかい)はドロマイトという鉱物を加熱して、粉状や粒状にしたものです。苦土とはマグネシウムのことです。カルシウムを多く含み弱アルカリ性のため、酸性土壌をアルカリ性に傾けたいときに使います。 苦土石灰に似た土壌改良剤として、消石灰や有機石灰があり、どちらも酸性土壌を中和してくれます。ただし、消石灰はマグネシウムを含んでいません。有機石灰は貝殻や卵の殻などが原料の石灰です。消石灰は効き目が強いため酸度調整をしやすいメリットがありますが、土に混ぜ込んですぐは植物の根を傷めやすいため、植え付けの1〜2週間ほど前に土に混ぜ込み、土となじませておく必要があります。 苦土石灰や有機石灰は効き目がマイルドなため、植え付け後の土にそのまま混ぜ込んでも害が出にくい性質があります。 東日本に多い「火山灰土壌=赤土」、「鹿沼土」はリン酸を多く吸着する性質があり、せっかくリン酸肥料を土に混ぜ込んでも植物の根が利用できないというタイプの土です。また、酸度としてはやや酸性なのですが、石灰をまくことで土が中性〜弱アルカリ性になると赤土に吸着されていたリン酸が、植物の根が利用できる状態になることが知られています。そのため、石灰を使うことで植物の生育を促すことができます。ただし、まきすぎると逆に害になりますし、石灰にだけ頼っていると土壌への有機質補給がおろそかになり、土が硬くなってしまいます。石灰を施す際には、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質とセットで使うのがおすすめです。 土壌の団粒形成を促進する「合成高分子系資材」も土壌改良に使われる AnEduard/Shutterstock.com 高分子化合物系の土壌改良剤の代表的なものには、ポリエチレンイミン系の資材や、ポリビニルアルコール系資材があります。 どちらも土壌の団粒化を促し、保水性や透水性がアップします。 ポリエチレンイミン系資材は陽イオン系の資材です。ポリビニルアルコール系資材はポバールまたはPVAとも呼ばれています。 土壌改良に適した時期と方法は? Pixelbliss/Shutterstock.com 土壌改良を行う時期に決まりはありませんが、春や秋に咲く花の入れ替わる時期が適しており、花が少なく、多くの植物が休眠状態にある冬場が特にチャンスです。 冬に天地返しを行って深部の土を冷気にさらすことで、病害虫や病原菌を減らすことができ、土を軟らかくする効果もあります。 天地返しを行う際は、不要なゴミや根、雑草を取り除きましょう。その際に育てる植物に合った土になるように、これまでご紹介してきた土壌改良剤も適宜混ぜ込みます。 連作障害対策としても土壌改良は大切 Bestkadr/Shutterstock.com 連作障害(れんさくしょうがい)は、通気性や排水性の低下、肥料や微生物の偏りによって起こると考えられています。同じ植物を続けて植えないなどの対策もありますが、土壌改良によって連作障害を起こりにくくすることもできます。 夏には太陽熱を利用した土の殺菌、冬なら天地返しを行って、必要に応じて土壌改良剤を混ぜ込みましょう。また、連作障害対策には異なる種類(科)の植物を混ぜて植える「混植(こんしょく)」も有効です。 花や野菜を元気に育てるためにも土壌改良をしっかり行おう! Mouskie/Shutterstock.com 天地返しによる土壌改良や、さまざまな種類の土壌改良剤を目的に合わせて使い分けることで、植物が健やかに育つ土にすることができます。 花や野菜を元気に育てるために、タイミングを計ってしっかりと土壌改良を行いましょう。
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宿根草・多年草

春の可憐な使者「スミレ」特徴・種類・育て方・意外な一面をご紹介
スミレってどんな花? Rejdan/Shutterstock.com 春になると、愛らしい紫色の小さな花を咲かせるスミレ。何年も同じような場所で咲く多年草なので、毎年この花を見るのを春の楽しみにしているという人も多いはず。まずは、そんなスミレの見た目や特徴についてご紹介します。 スミレの見た目 Tamotsu Ito/Shutterstock.com 一般的にもよく知られているスミレの花ですが、じっくり見ると新しい発見もあるはず。スミレの花をちょっと観察してみましょう。 【花】 ニオイスミレの花。Petr Ganaj/Shutterstock.com スミレの花は、細く伸びた茎の先に、花径2cmほどの小さな1輪の花をつけます。花形は5弁花で、左右対称。中央の下向きの唇弁には筋模様が入ることが多いのが特徴です。また、一般的に、この唇弁の基部は膨らんで後ろに突き出し、距(きょ)と呼ばれる袋状の部分になっています。ここにたまる蜜に虫が誘われてもぐりこむと、花粉が虫について受粉を助けるという仕組み。写真のように側弁の2枚には細かな白毛が見られる種もあります。 スミレの花を横から見た様子。後ろに突き出している部分が距。F_studio/Shutterstock.com 花色は深紫のほか、白やピンク、紫、黄なども見られます。スミレの園芸品種である、冬から春のガーデニング素材としておなじみのビオラになると、本当に色とりどりの花を咲かせます。 黄色い花を咲かせるキバナノコマノツメ(Viola biflora)。和名にスミレが入らない珍しい例でもあります。simona pavan/Shutterstock.com 【茎】 スミレには大きく分けて有茎種と無茎種があります。有茎種のスミレは地上茎を持ち、その茎に葉や花が付きますが、無茎種のスミレは、根元から直接葉や花柄を伸ばして花を咲かせます。 茎に花や葉が付く有茎種のビオラ・ライヘンバッキアナ(アーリー・ドッグ・バイオレット)。Jaromir Klein/Shutterstock.com 根元から直接花や葉を立ち上げる無茎種のビオラ・マンジュリカ。shiro_ring/Shutterstock.com 【葉】 KPG Payless2/Shutterstock.com スミレの葉は、有茎種の場合は茎に互生(ごせい/茎に対して葉が交互に付く)し、無茎種の場合は根元から直接葉柄を伸ばします。形は、細長いもの、丸みのあるもの、ハート形のものなど、じつにさまざまです。色は基本的に緑で模様がないものが多いですが、斑入りの品種や、裏面が紫色がかる品種などもあります。よく似たスミレの花を見分ける時も、葉は重要なチェックポイントになります。 スミレの特徴 ikwc_exps/Shutterstock.com スミレの花について観察したところで、名前の由来や、見かける場所など、一般的なスミレの特徴についてもご紹介しましょう。 【名前の由来】 名前の由来は複数ありますが、花の形が大工さんが直線を引く際に使う道具「墨壺」に似ていることから、墨入れ、転じてスミレとなったという説がよく知られています。他に、スミはツミ(摘み)の異形で、摘んで楽しむ「摘入草」の意味からという説などもあります。 スミレのほかにマンジュリカという名前で呼ばれることもありますが、これは、スミレの学名から。一般的にスミレと呼ばれる種は、学名ではビオラ・マンジュリカ(Viola mandshurica)といいます。この種を指すときには、他の種との区別がつきにくいスミレという和名ではなく、学名を使ったことからと考えられます。 【見かける場所】 スミレは、日本や中国の東北部から東部、朝鮮半島など北半球の温暖な地方に幅広く自生します。日本では北海道から沖縄まで自生していて、その地域でしか見られない変種などもあり、海に山に街にと、じつにさまざまな場所で見ることができます。街中では、アスファルトの割れ目から顔をのぞかせている、意外とたくましい姿なども見かけます。 海辺に咲くイソスミレ。 明るい林床などでよく見られるタチツボスミレ。庭に植えても移動していってしまうことがしばしば。 アスファルトの割れ目に花を咲かせたヒゴスミレ。細やかな葉が特徴。 帰化植物で、庭でもよく増えて長生きするアメリカスミレサイシン‘スノープリンセス’。 斑入り種のアメリカスミレサイシン‘フレックルス’。 【開花時期】 多くのスミレは、3~5月頃、春から初夏にかけて開花し、春を告げる花の一つとして愛されています。一方、一部には秋に開花する種類もあります。 【花言葉】 Mariia Kutuzova/Shutterstock.com スミレの花は、色ごとに異なる花言葉を持っています。最も一般的な紫色のスミレの花言葉は、ささやかな幸せ・誠実・真実の愛。愛らしいピンク色のスミレは、愛・希望など。 【楽しみ方】 基本的には、愛らしい姿を楽しむ観賞用の花ですが、食用としても親しまれています。葉を天ぷらやお浸しなどにしたり、花をエディブルフラワーとして利用したり。スミレの花の砂糖漬けは、とても愛らしいお菓子として有名です。ただし、タネや根が有毒なニオイスミレのように、一部には毒性を持つものもあるので、食用として利用できる種類であることを必ず確かめましょう。野外で採取する場合は、排気ガスによる汚染や農薬の散布がないかも確認が必要です。また、野生のスミレを採取する場合は、ほんの少しだけいただいて、取り尽くしてしまわないように注意しましょう。 卵の白身と砂糖を使って、スミレの花の砂糖がけを手作りすることもできます。StockphotoVideo/Shutterstock.com スミレの種類は? スミレは世界中に450以上もの品種があるとされ、日本に自生する野生のものは約80種、変種などを含めると200を超える品種があるといわれています。よく似た品種も多いので、判別はなかなか難しいのですが、その分魅力があり、愛好家が多い植物でもあります。 ここでは、有茎種、無茎種に分けて、代表的なスミレの品種をいくつかご紹介します。 【有茎種】 タチツボスミレ ikwc_exps/Shutterstock.com 日本で最もよく見られる品種の一つで、一般にスミレというと、スミレ(無茎種)か、このタチツボスミレを思い浮かべる人も多いはず。淡い紫色の花弁と丸い葉が特徴です。一見、無茎種にも見えますが、茎は花後に次第に長く伸びます。 ツボスミレ(ニョイスミレ) Varts/Shutterstock.com 赤紫色の筋模様が白い花弁に入ります。葉はハート形。 ニオイスミレ Predrag Lukic/Shutterstock.com ヨーロッパに自生するスミレで、甘いフローラルな香りを漂わせ、香水の原料にも使われてきました。スミレの花の砂糖がけの材料としても親しまれていますが、タネや根茎には毒性があるので注意が必要。 【無茎種】 スミレ suntoki/Shutterstock.com 学名のマンジュリカと呼ばれることも。種全体の名称もスミレとなっているため分かりにくいですが、単にスミレといえばこの品種を指します。濃紫色の花を咲かせ、細長い葉を持ちます。 ノジスミレ スミレに似た濃紫色の花を咲かせます。葉の裏が紫色を帯び、香りが強いのが特徴。 アリアケスミレ tamu1500/Shutterstock.com 白い花弁には赤紫色の筋が入ります。道端に自生していることもあり、よく見かける品種。葉は長め。 ヒメスミレ 紫色の花や草姿はスミレとよく似ていますが、その名の通り、スミレより小ぶりな花を咲かせます。 スミレの花の不思議? 花が咲かなくても実ができる F_studio/Shutterstock.com 馴染み深いスミレの花ですが、じつはちょっと変わったタネの付け方をするのをご存じでしょうか? 一般に、植物は花を咲かせて、虫などに花粉を媒介してもらって受粉し、次の世代となるタネの入った実を付けます。ところが、スミレは花を開かなくてもタネを作って実(サヤ)を付けることができるのです。このように、花を咲かせなくても実を付ける現象のことを閉鎖花(へいさか)といい、スミレの他、カタバミの仲間やホトケノザなどでも見られます。 赤丸で囲った箇所が閉鎖花と閉鎖花のタネ。 スミレは、私たちにもなじみがある美しい花の開放花と、つぼみのように白っぽく小さな閉鎖花を付けます。閉鎖花は花弁が退化して萼片しかなく、成熟しても花開くことはありません。一見病気のようにも見えますが、この中で自家受粉してタネをつくるので、心配しなくても大丈夫。閉鎖花は自家受粉しやすいようなつくりになっていて、ほとんど全ての閉鎖花が結実し、開花する花よりもタネができる確率がよいのだそう。閉鎖花は花期が終わってから秋にかけてできることが多く、時には冬にもタネを付けることがあり、繁殖活動期間も長くなります。また、閉鎖花のタネの場合は、他種との交雑の可能性がないため、確実に親と同じ種類の花が咲きます。 遠くへ移動するための2つの戦略 砲丸投げ選手並みのスミレのタネ飛ばし サヤを開いたスミレのタネ。Photo/patchii/Shutterstock.com スミレは春の開花後にタネをつけますが、じつはこのタネが入っているサヤにも仕掛けがあり、タネを遠くまで飛ばす力を持っています。タネは直径2mmほどで、3つの部屋に分かれたサヤの中に並んで入っています。サヤは、はじめ下を向いていますが、熟すにつれて柄を伸ばして次第に上向きになり、サヤが開いてタネがむき出しになります。その後、先端からサヤが縦に閉じてタネを弾き飛ばすのですが、その飛距離は3mを超すことも。人に置き換えると、この飛距離は砲丸投げのオリンピック選手に匹敵するようなパワーです。しばしば「なぜ、こんな所に?!」と思うような場所からスミレが咲いているのは、このタネ飛ばしのおかげ。ですから、庭に定着させたいと思ったら、タネが上向きになった頃に採種しておきましょう。 アリに運んでもらうための戦略 スミレとアリは共生関係。 また、スミレのタネにはエライオソームという甘い物質がついていて、アリもタネを運んでくれます。タネを運ぶアリを観察していると、アリにとっては2mmのタネも重いのでしょう、タネの周りについたエライオソームだけをなんとか取り除こうとしますが、決して取れないようになっています。アリは諦めてタネを巣に持ち帰ります。かくしてスミレは、確実にタネを運んでもらうことに成功します。ちなみに、このエライオソームは、スミレだけでなく、カタクリやケマンソウなど春先に咲くほかの花も持っており、アリとの共生関係を繁殖の手段の一つとしています。 美しい蝶を呼ぶスミレ 冬から春の花壇の素材として重宝するパンジーやビオラは、もともと野生のスミレを親としていますが、近年では個人の育種家の活躍もあって、多様な園芸品種が生まれています。魅力的な品種が増え、パンジーやビオラを育てる人が多くなったおかげで、これまで街中では見られなかった蝶も増えてきたことが分かってきました。その蝶はツマグロヒョウモン。オレンジ色に黒い斑点のある、アゲハチョウより一回り小さな美しい蝶です。かつては東海地方から南西諸島が生息域でしたが、花の普及に加え温暖化の影響も相まって北上を続けています。幼虫がスミレの花を食草としており、その園芸品種であるパンジーやビオラも食べます。幼虫は黒にオレンジ色のトゲトゲという派手な姿をしています。あまり数が多くてスミレが丸坊主になるようなら考えものですが、スミレ類を育ててこの蝶を呼ぶのも楽しいかもしれませんね。 パンジーにとまったツマグロヒョウモン。旅をしてきたのか羽が傷ついています。Photo/RAJU SONI/Shutterstock.com スミレを食草とするツマグロヒョウモンの幼虫。 スミレの育て方は? ikwc_exps/Shutterstock.com スミレは毎年花を咲かせる多年草。可憐な花姿で、愛好家も多い人気の植物です。野山に自生するだけあって、アスファルトの割れ目にも育つたくましさがある一方、庭に植えて手厚く栽培しても、いつの間にか消えてしまうことも。高山種など平地での栽培がもともと難しい種類もありますが、よく見かけるものであっても、先にご紹介したようにタネを飛ばして移動していってしまうことがありますので、大切な品種はタネを採取するなどしておくとよいでしょう。 ここからは、基本的なスミレの育て方をご紹介します。 スミレの育て方1植え付け スミレを育てるには、苗を植え付ける方法と、タネを播く方法の2通りがあります。 苗を植え付ける場合、適期は2~3月、または9月頃。鉢植えでも、地植えでも栽培できますので、環境に合わせて選びましょう。鉢植えにする場合は、苗が入っていたポットよりも大きめの鉢やプランターに植え付けましょう。根が長く伸びるので、深さのある容器を選びます。成長に合わせ、必要に応じて植え替えが必要です。 種まきから育てる場合、適期は1~2月頃。スミレのタネは、20℃前後で発芽しやすく、30℃を超えると発芽率が下がるので、気候に合わせて播きましょう。自家採取したタネを播く場合、サヤからタネを取り出したら、保存せずにすぐに播いたほうが発芽しやすいです。採取から時間が経ったタネは、冷蔵庫などで1~2カ月ほど保管し、寒さにあててから播くと発芽率が上がります。 スミレの育て方2土 スミレは、水はけのよい中性の土を好みます。軽石などを混ぜ込んだり、通気性のよい鉢を選ぶなどして水はけのよい環境を整えましょう。土質はあまり選ばず、一般の草花用の培養土でも育てることができますが、性質が弱い種類は、山野草の土や、パンジー・ビオラ用の土などを使うのもおすすめです。 また、日本では一般に土は弱酸性なので、中性に調整する場合は、苦土石灰を撒いたり、牡蠣殻を混ぜ込んだりするとよいでしょう。 スミレの育て方3場所 Bildagentur Zoonar GmbH/Shutterstock.com スミレは、鉢植えでも庭植えでも育てることができます。日当たりがよいところを好みますが、夏場の高温多湿は苦手なので、涼しく風通しがよい場所を選ぶとよいでしょう。庭植えにする場合は、夏は日陰になる落葉樹の下に植えたり、芝生の中に植えるのもおすすめです。鉢植えの場合は移動ができるので、季節に合わせて置き場所を変え、生育に合う環境に移動させながら育てるとよいでしょう。 スミレの育て方4水やり 庭植えにした場合、基本的に水やりは必要ありません。ただし、植え付け直後や、夏に乾燥が続く場合などは、たっぷりと水を与えましょう。 鉢植えのスミレの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。根腐れを防ぐため、土が常に湿っているような状況は避け、水やり後は土を乾かすことが大切です。土を触ってみて、乾燥しているようであれば水やりをするとよいでしょう。水やりの際には、鉢の底から水が流れ出るくらいまでたっぷりと与えましょう。 スミレの育て方5肥料 スミレは、それほど肥料を必要としませんが、適切に肥料を施すことで花付きがよくなります。施す際は、肥料が溶け出すスピードが緩やかで、植物に与える影響が穏やかで扱いやすい緩効性肥料がおすすめです。また、肥料は花の成長を促すリン酸と、根を丈夫にするカリウムが多く含まれるものがよいでしょう。 肥料は庭植えであれば特に施さなくても構いませんが、施肥する場合は、9~10月頃に苗の周囲に緩効性肥料を撒いておくとよいでしょう。鉢植えであれば、春から秋にかけて2~3回ほど、鉢の縁に置いて施します。また、植え付け時には、元肥として緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。 スミレの育て方6植え替え スミレの植え替えは、2~3月、または9月が適期です。よく根が育つので、鉢植えの場合は、毎年植え替えをするとよいでしょう。植え替える際は、傷んだ根や古い土を取り除き、一回り大きな鉢に植え替えます。株が込んできたら、植え替えのタイミングに合わせて株分けして増やすこともできます。植え替え後は、たっぷりと水をやりましょう。 スミレの育て方7増やし方 Shery Toys/Shutterstock.com スミレは種まきのほか、株分けや根伏せなどの方法で増やすことができます。 自家採取したタネを播いて増やす場合は、完熟種子を播く方法と未熟種子を播く方法があります。完熟種子は上を向いてきた完熟間近のサヤに袋を掛けて、熟してはじけたタネを集めます。完熟種子は寒さに当てないと発芽しないので、湿らせた川砂と共に1~2カ月冷蔵庫に入れるなどの処理をしてから播きましょう。未熟種子を播く場合は、サヤが自然に割れる前に種子を取って、保存せずにすぐに播く取り播きにします。 根伏せは、若い根を5~6cmほどの長さに切り取って増やす方法。切り取った根は、切り口を鋭利な刃物で切り直し、親株と同じ用土に植え直して、薄く土をかけておきます。 スミレの病害虫対策は? スミレは丈夫で病害虫の心配の少ない植物ですが、次のような病害虫が発生することもあります。基本的には、風通しをよくすることが予防につながります。また、株の調子が悪い原因として、水のやりすぎによる根腐れなどもあります。 ・そうか病 葉や茎などに白いかさぶたのようなものが付く病気です。発生してしまったら症状が出ている葉や茎ごと切り取って処分しましょう。雨に当たると発生しやすいので、鉢植えであれば、雨のかからない場所に移動するなどして対策をしましょう。 ・うどんこ病 葉の表面が白い粉を吹いたような状態になります。罹病した葉を見つけたら、粉を洗い流したり拭き取るのも効果があります。ひどい場合は、切除したり、薬剤散布をします。 ・アブラムシ 春に発生しやすい一般的な害虫です。牛乳をスプレーして駆除したり、紙テープで取り除くなどして対処しましょう。・ダニ 気温が高く乾燥した状態で発生しやすいです。水に弱いので、水やりの際に葉や葉裏にもしっかり水をかけるとよいでしょう。 ・ネコブセンチュウ 土の中にひそむ害虫で、根を傷めることがあり、発生すると株の生育が悪くなります。鉢植えの場合は、地面の上に直接鉢を置くことは避け、棚の上などに置くと予防に効果的。発生してしまったら、植え替え時などに根にできたコブを取り除き、殺虫剤をかけるなどして対処しましょう。 大事に育てて春にスミレを咲かせよう! F_studio/Shutterstock.com 春に小さく可愛らしい花を咲かせるスミレ。愛らしいだけでなく、生きるために、あの手この手とユニークな技を繰り出す生き方も面白いものです。種類豊富なスミレを育てて、その賢さとたくましさを観察しながら、可愛らしい花を楽しんでみてはいかがでしょうか? 参考文献:「みんなの趣味の園芸」https://www.shuminoengei.jp/「松江の花図鑑」https://matsue-hana.com/
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おすすめ植物(その他)

【2月の庭花】早春を告げる花を探そう! 2月に咲く人気の花20選
クリスマスローズキンポウゲ科多年草/主な花色:白・ピンク・黄・緑・紫・茶・黒・複色/開花期:12~3月 冬の庭の主役花、クリスマスローズ。彩りの少ない冬にうつむき加減に咲く清楚な風情と、バラエティーに富んだ花姿で、多くのガーデナーに愛される人気の花です。寒さに強く植えっぱなしで年々大株に育ち、こぼれ種でも増える丈夫な植物なので、ガーデニング初心者にもおすすめ。花のように見える部分はじつはガクなので、長く楽しむことができます。クリスマスローズの花言葉は「私の不安をやわらげて」「慰め」「中傷」などです。 ●栽培歴15年以上の愛好家が教えるクリスマスローズを庭でかわいく咲かせるコツ シクラメンサクラソウ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・紫・黄・複色/開花期:10~3月 Melanie Hobson/Shutterstock.com 花の少なくなる晩秋から冬にかけて、園芸店の店頭を彩るシクラメン。日本では冬の鉢花の代表的な存在で、比較的耐寒性の強いガーデンシクラメンも冬の寄せ植え素材として高い人気があります。最近ではブルー系やクリーム色の品種も登場。くるりと反り返った花だけでなく、葉色の美しさも魅力です。うまく夏越しさせれば、翌年も花が楽しめますよ。鉢花のシクラメンは寒さに弱いので、15~25℃程度の日当たりのよい場所で管理しましょう。シクラメンの花言葉は「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」などです。 ●冬を彩るシクラメン! きれいに咲かせるために気をつけることとは? ツバキツバキ科高木/主な花色:赤・ピンク・白・複色/開花期:11~12月、2~4月 High Mountain/Shutterstock.com 日本人にとって古くから馴染みのあるツバキは、万葉集にも登場する日本原産の花木です。高さが15mにも達する常緑高木で、光沢のあるしっかりとした葉を持ち、生け垣としてもよく利用されています。江戸時代には選抜や育種が進んで数多くの品種が生まれ、また近年では、花形や花色、香りなどに特徴のあるさまざまな原種が栽培されています。木の寿命が長く丈夫で、土壌や日当たりを選ばず育ちますが、花つきをよくするには、寒風の当たらない半日陰の環境がベスト。西日を避けられる、建物の東側か南側で、乾燥しすぎない場所を選びましょう。ツバキの花言葉は「控えめな優しさ」「誇り」などです。 ●庭木として人気があるツバキ(椿)の正しい育て方は? 特徴や種類を解説! ウメバラ科高木/主な花色:ピンク・白・赤・複色/開花期:1~3月 zzz555zzz/Shutterstock.com ウメは中国原産の花木で、姿や香りのよさから、古来より日本人に愛されてきました。万葉集や古今和歌集などにも、多くの歌が詠まれています。非常に寿命が長く、年月をかけて樹形を自分好みに整えていくことができるため、庭植えや鉢植えのほか、盆栽としても楽しまれています。美しい花を咲かせる花ウメと、良質の実をつける実ウメに分けられ、それぞれに応じて栽培方法が異なります。ウメは1品種では結実しにくいので、実の収穫を楽しみたい場合は他品種を混植するとよいでしょう。ウメの花言葉は「高潔」「忠実」「忍耐」などです。 ●新元号「令和(れいわ)」の由来である梅の魅力 ユキワリソウ(ミスミソウ)キンポウゲ科多年草/主な花色:白・ピンク・赤・紫・複色 /開花期:2月下旬~5月上旬 写真/前田満見 早春に花を咲かせるユキワリソウは、雪国の春を告げる植物として親しまれています。花のように見える部分はガクで、多彩な花色が特徴。八重咲きなども作出され、コレクションするガーデナーも多い人気の花です。花後に葉を出した後は、その姿のまま、ほとんど成長しません。落葉樹林の下のような、冬から春は日が当たり、葉が展開する初夏以降は半日陰になる環境を好みます。葉に直射日光が当たると葉焼けするので注意します。多湿を嫌うので、水はけよく育てましょう。ユキワリソウの花言葉は、「自信」「はにかみ屋」などです。 ●小さな庭と花暮らし「早春の妖精スプリング・エフェメラル」 スノードロップヒガンバナ科多年草/主な花色:白/開花期:2~3月 写真/遠藤浩子 球根花の中でも、一番に咲き始めるのがスノードロップ。まだ地面が雪に覆われている頃から、雪の欠片のような純白の花をうつむきがちに咲かせます。その清楚な美しさと相まって、ヨーロッパでは春を告げる花として広く愛されてきました。スノードロップにまつわる伝承は多く、聖母マリアの花として純潔の象徴ともされています。落葉樹の下など、夏は半日陰になる環境を好み、6月頃には葉が枯れて休眠します。スノードロップの花言葉は「希望」「慰め」などです。 ●冬の庭の宝物「スノードロップ」の花風景【フランス庭便り】 クロッカスアヤメ科多年草/主な花色:黄・白・紫・複色/開花期:2~4月 春一番に、一斉に太陽に向かって開く色鮮やかな可愛い花、クロッカス。植えっぱなしで何年も開花し、耐寒性が強く育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめの球根植物です。小球根なので、ちょっとしたスペースでも楽しめ、群植して一面を彩る姿を楽しんだり、芝生などに数球ずつまとめて植えて自然な風情を演出することもできます。日当たりと水はけのよい場所を選んで植えましょう。しっかり寒さにあてないと花が咲かないことがあります。クロッカスの花言葉は「青春の喜び」「切望」などです。 ●クロッカスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します プリムラ・ジュリアンサクラソウ科一年草/主な花色:紫・黄・オレンジ・赤・ピンク・白・青・複色/開花期:11~4月 yoshi0511/Shutterstock.com 初秋から春先にかけての花の少ない時期に、とてもカラフルで愛らしい花を咲かせ、花壇や鉢植え、寄せ植えに欠かせない花として愛されるプリムラ。プリムラにはさまざまな種類がありますが、冬から春のガーデニングでは、コンパクトに育つプリムラ・ジュリアン(プリムラ・ポリアンサ)がよく利用されます。本来は多年草ですが、暑さに弱いため日本では基本的に一年草扱いとされています。蒸れに弱いので、風通しよく育てましょう。プリムラの花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」などです。 ●プリムラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します パンジー&ビオラスミレ科一年草/主な花色:赤・ピンク・オレンジ・黄・白・紫・複色 /開花期:10月下旬~5月中旬 宮崎のフラワーショップ「アナーセン」での第10回パンジー・ビオラ作品展(2018年の会期は終了)。 冬の花壇や寄せ植えの定番、パンジー&ビオラ。非常に種類が豊富で、また可愛らしい新品種が登場するので、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。一年草ですが、丈夫で育てやすく、晩秋から初夏までたっぷり楽しめてコストパフォーマンスも高い植物。長く楽しむために、こまめに花がらを摘み、必要に応じて追肥をするとよいでしょう。摘心すると、よりこんもりと花数多く楽しめます。パンジーの花言葉は「もの思い」「私を思って」などです。 ●パンジー・ビオラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します デージーキク科一年草/主な花色:白・ピンク・赤・赤紫・複色/開花期:12月下旬~5月上旬 Ariene Studio/Shutterstock.com カラフルな花色のデージーは、品種によってもふもふとした質感の花姿が楽しめ、晩秋に苗を入手すれば、冬から春を彩る寄せ植えとして長く活躍してくれます。もっとも、冬に咲いているのは、ほとんどが秋頃から出回る開花調整された花苗で、冬は開花したまま生育はほぼ止まっています。3月頃から旺盛に生育し始め、次々と開花するピークは3〜5月です。日当たり・風通しのよい場所で育てましょう。デージーの花言葉は「美人」「純潔」「希望」「平和」などです。 ●カラフルでもふもふの花が人気! 長く楽しめるデージーを育ててみよう フクジュソウキンポウゲ科多年草/主な花色:黄/開花期:2~4月 pote-poteco/Shutterstock.com 昔から北海道〜本州に自生してきた山野草で、寒さに強く丈夫な性質です。漢字で「福寿草」と書くおめでたい名前から、縁起植物として、またお正月に飾る花としても愛されてきました。草丈は20〜30cmほどの落葉性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれます。落葉樹の足元や午前中のみ日が差す場所など、明るい半日陰を選び、水はけ・水もちのよい土壌に植え付けましょう。フクジュソウの花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」などです。 スイセンヒガンバナ科多年草/主な花色:白・黄・オレンジ・複色/開花期:11月中旬〜4月 Bob C/Shutterstock.com 早春にラッパのような形の花を咲かせ、庭を明るく彩ってくれるスイセン。一度植え付ければ毎年開花してくれる息の長い球根植物で、濃厚な香りも楽しめます。品種によって開花期が異なり、早咲きのものは11月中旬から、ラッパズイセンなどは3~4月に開花します。球根の植え付けの適期は10〜11月です。花後は葉が枯れるまでそのままにしておき、球根を太らせましょう。スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」などです。 ●スイセンの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ロウバイロウバイ科低木/主な花色:黄/開花期:12~2月 backpacking/Shutterstock.com 12~2月に、まるでロウ細工のような光沢のある、透き通った黄色い小花を、ややうつむき加減に咲かせます。特徴はなんといってもその香りのよさ。寒さの中で芳しい香りを放つロウバイは、冬の花として古くから人々に親しまれてきました。地植えはもちろん、鉢植えでも育てることができます。植え付けの適期は、真冬を除いた落葉期である11~12月、または2月中旬~3月。移植を嫌うので、場所をよく吟味してから植え付けましょう。ロウバイの花言葉は、「慈愛」「慈しみ」「ゆかしさ」「先見」などです。 ●かわいい黄色いお花に癒やされる! 園芸初心者にもおすすめのロウバイ(蝋梅)の育て方 シンビジウムラン科多年草/主な花色:白・ピンク・オレンジ・黄・緑・茶・複色/開花期:12~4月 travelershigh/Shutterstock.com シンビジウムはランの仲間で、花が豪華で開花期が長いことから、コチョウランと同様に贈答用としても人気があります。ランとしてはとても丈夫で、寒さにも強く育てやすい種類です。葉の根元にバルブと呼ばれる膨らんだ部分があり、そのバルブに生育や開花に必要な栄養を蓄えることができ、状況が整うとバルブの横から花茎を伸ばして開花します。真冬以外は屋外で管理でき、年間を通して日当たり・風通しともによい場所に置きましょう。植え付けの際は、洋ラン専用に配合された培養土などが便利です。シンビジウムの花言葉は「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」「華やかな恋」などです。 ●シンビジウムってどんな花? 特徴と育て方を解説 プシュキニアキジカクシ科多年草/主な花色:白(青の筋が入る)/開花期:2~4月 Marta Jonina/Shutterstock.com ヒヤシンスを小さく華奢にしたような印象の株姿で、白地の花弁中央にスッと淡い青色の筋が入る花は、清楚でおしゃれな雰囲気。植えっぱなしでも毎年咲き、環境に合えば自然に増える、育てやすい球根花です。開花期にはよく日が当たり、夏は日陰となる落葉樹の下などに植えるとよいでしょう。夏の休眠中は水やりは必要ありませんが、冬から開花中の間は乾かさないように注意します。プシュキニアの花言葉は「いつも快活」「喜び」などです。 ジンチョウゲジンチョウゲ科低木/主な花色:白(外側は赤紫)/開花期:2月下旬~4月中旬 janken/Shutterstock.com 三大香木の一つとされ、春に芳しい香りを放つジンチョウゲ。紅紫色のつぼみから白い花を咲かせます。その上品な香りから庭木として人気があり、道端に植えられている風景を見かけることもよくあります。常緑で半日陰でも育ち、コンパクトにまとまる姿など、花以外にも魅力の多い庭木です。植え付け時期は3月下旬~4月と、9月下旬~10月。移植を嫌うので、場所をよく吟味してから植えましょう。根を深く張らないため、水切れには注意が必要です。ジンチョウゲの花言葉は「野生」「元気」「内縁の妻」などです。 ●春を告げる上品な香りの花木 ジンチョウゲ マーガレットキク科低木/主な花色:白・ピンク・赤・クリーム・黄・薄いオレンジ/主な開花期:11~5月 Mharzl/Shutterstock.com 黄色い花心のまわりに、細長い花びらがたくさんつくマーガレット。そのパッと開いた花姿の愛らしさは、古くから人々の人気を集めてきました。恋占いに使われる代表的な花でもありますね。花形は一重咲き、八重咲き、丁子咲き、ポンポン咲きなどがあります。温暖な気候を好み、寒さ・暑さにやや弱い性質を持っているので、冬前に切り戻して株元をバークチップなどでマルチングし、寒さ対策をしておくとよいでしょう。マーガレットの花言葉は「真実の愛」「恋の占い」などです。 ●知りたい! マーガレットの種類や品種、それぞれの特徴と見分け方 ノースポールキク科一年草/主な花色:白(中央は黄)/開花期:12~5月 kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、マーガレットを小ぶりにしたような花姿で、白い花弁と中央の黄色い花心のコントラストが美しい小花を咲かせます。草丈30cmほどなので花壇の前方におすすめ。開花期が長く、ガーデニング初心者向きの育てやすい花です。可憐な姿はどんな花とも合わせやすく、主役でも脇役でも活躍してくれます。こぼれ種でも増える丈夫な性質で、種まきからでも簡単に育てられます。旺盛に開花するので、こまめに花がらを摘み、株姿が乱れてきたら切り戻しをすると長く花を楽しめます。ノースポールの花言葉は「誠実」「高潔」「冬の足音」などです。 ●かわいいノースポールの花を育ててみよう! 育成のポイントをご紹介 チオノドクサキジカクシ科多年草/主な花色:青・紫・ピンク・白/開花期:9〜11月 Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com チオノドクサはギリシャ語で、「chion(チオン)」は雪、「doxa(ドクサ)」は輝きや栄光を意味し、その名の通りまだ雪の残る早春に咲き始める球根花です。10〜15cmのコンパクトな草姿で、星形の花はキラキラとした輝きを放ちます。植えっぱなしでも毎年開花し、群生させたり、ボーダー花壇に植栽するのもおすすめです。涼しい環境のほうが旺盛に生育します。水はけのよい落葉樹の足元など、開花時には日当たりがよく、真夏は半日陰になるような場所を選んで植えるとよいでしょう。チオノドクサの花言葉は「栄光」「仲間思い」「たくましさ」「奥ゆかしさ」などです。 ●チオノドクサを育ててみよう! 育てる際のポイントについてご紹介! キバナセツブンソウキンポウゲ科多年草/主な花色:黄/開花期:2~3月 Przemyslaw Muszynski/Shutterstock.com 鮮やかな黄色の花は、小さいながらも冬枯れや雪景色の中でパッと目立ち、ヨーロッパでは春の訪れを告げて花後には休眠するスプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つとして親しまれています。地中海地域を原産とする小球根で、植え付けの際は事前に吸水させてから植えましょう。夏には日陰になる落葉樹の下など水はけのよい場所を選べば、植えっぱなしで毎年開花します。鉢植えの場合は日当たりのよい場所で管理し、葉が枯れ始めたら雨の当たらない日陰に置いて乾燥させしょう。キバナセツブンソウの花言葉は「気品」「光輝」「微笑み」「人間嫌い」などです。 2月に見頃を迎える人気の花を育てよう! 今回は、2月に咲くガーデニングで人気の花を20種類ご紹介しました。ここで取り上げた花以外にも、2月に見頃を迎える花はまだまだたくさんあります。ぜひお気に入りの花を見つけて、2月のガーデニングを楽しんでみてくださいね。
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宿根草・多年草

スノーフレークの育て方を解説! 雪のように美しい花を楽しもう
スノーフレークとは スノーフレークは、ヒガンバナ科スノーフレーク属(レウコユム属)の球根植物です。学名はLeucojum aestivum(レウコユム・アエスティウム)。和名は大待雪草(オオマツユキソウ)のほか、花がスズラン、葉がスイセンに似ていることから鈴蘭水仙(スズランスイセン)とも呼ばれています。 スノーフレークの原産地は、中央ヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。そのため、特に鉢上げして暖かい場所に移動するなどの冬越し対策の必要はなく、地植えしたままで越冬できます。 地際からニラのような細長い葉を多数立ち上げ、開花期になると伸ばした花茎の先に白い花を咲かせます。草丈は20〜50cm。 どんな花を咲かせる? スノーフレークは、30〜40cmに伸びた花茎の先端に、1〜4輪の花を連ねます。1.5cmほどのベル形の花が下向きに咲く、可憐で可愛らしい姿が人気。花色は白で、花弁の先には切れ込みが入り、その縁に淡いグリーンのドットが入るのが特徴。自然界が生み出したデザインの妙といえますね。 スノーフレークのライフサイクル スノーフレークは、秋植え春咲き球根植物に分類されています。ライフサイクルは、秋に球根を植え付け、発芽させます。暖かい場所に取り込んだりせずに寒さにあわせて管理し、越年して春の生育期を迎えるとスイッチが入り、茎葉や花茎が旺盛に伸びてきます。開花期は3〜5月で、白い花を次々と咲かせます。花が終わると葉だけが残り、6月頃になると葉が黄色く枯れ込んで地上部は姿を消し、休眠に入ります。ここで「枯れたから」といって処分しないでくださいね。夏を越えて涼しい秋になると、再び芽を出し始めます。この繰り返しで、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれるコストパフォーマンスが高い花です。大変丈夫な植物で、手をかけずに植えっぱなしにしていてもOK。ただし、大株に育って窮屈そうになってきたり、茂りすぎて邪魔になってきたら、掘り上げて分球し、植え直すメンテナンスが必要です。 スノーフレークの名前の由来・花言葉 スノーフレークの学名、Leucojum aestivum(レウコウム・アエスティウム)の「レウコユム」は「白いスミレ」という意味で、花が白色で、甘い香りを持っていることに由来します。「アエスティウム」は、「夏の」という意味があり、これは開花時期にちなんでいるそうです。 「スノーフレーク」とは、英語では「ひとひらの雪」という意味。小さな白い花がちらちらと咲くことから、みずみずしいグリーンの葉に白い雪をひとひらずつ載せている姿をイメージして名付けられたものと考えられます。 花言葉は、「純粋」「汚れなき心」「慈愛」「美」「皆を引きつける魅力」など。いずれもピュアホワイトの花のイメージに沿う言葉が並んでいますね。 スノードロップと間違われやすい? この項目では、スノーフレークを取り上げていますが、スノードロップという花があるのをご存じでしょうか? じつはスノーフレークとスノードロップは、よく似ているために混同されやすいのです。ではここでハッキリさせておきましょう! スノーフレークは前述のように、ニラに似た長い葉を放射状に立ち上げ、3〜5月に花茎を伸ばしてベル形の花を数輪咲かせます。 一方スノードロップは、3枚ずつの長い外花被と短い内花被、計6枚の花弁を持っています。スノーフレークとは花弁のつきかたは異なるのですが、白い花であることや、サイズ感が同じくらいで、そのうえ内花被にグリーンのドットが入る特徴から、スノーフレークと混同されやすいようです。 では、スノーフレークとスノードロップを見分けるために、違う点に着目してみましょう。スノードロップの開花期は2〜3月で、スノーフレークよりも少し早め。草丈は10〜20cmで、スノーフレークよりもかなり小ぶりです。葉も草丈に見合った小ぶりの細長い葉で、ニラの葉に似ているとはいえません。それに花茎を伸ばした先には1花のみ、提灯を下げるように咲かせるのも、スノーフレークが数輪の花を連ねるのと比べ、決定的な違いといえるでしょう。これらの点に注目すれば、スノーフレークとスノードロップを見分けられるようになりますよ! 毒がある? スノーフレークは、有毒植物として厚生労働省から注意喚起されている植物です。全草にリコリン、ガランタミン、タゼチンなどのアルカイドを持っています。葉がニラに似ていることから誤って食べる例があるそうなので、菜園などの近くには植えないようにしましょう。食べると30分以内に吐き気、嘔吐、頭痛などの中毒症状が現れます。幼い子どもやペットのいる家庭では、誤って口に入れることのないように注意してください。 スノーフレークの育て方 ここまで、スノーフレークの基本情報や名前の由来・花言葉、取り扱いに注意したい点などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、スノーフレークの育て方についてご案内しましょう。球根の植え付けからスタートし、水やりや肥料、花がら摘みなど日頃の管理、増やし方などについて、詳しく解説していきます。 栽培場所 スノーフレークは、日向〜半日陰で、風通しのよい場所を好みます。ただし、日照不足だと花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が乱れたりするので注意しましょう。 スノーフレークは寒さに強く、地植えにしたままで冬越しできます。真夏の暑い時期は休眠するので、夏越し対策の心配もありませんが、鉢栽培にしている場合は涼しい半日陰に移動するとよいでしょう。 土壌は水はけ、水もちのよい、有機質に富むフカフカとした環境を好みます。また、酸性に傾いた土壌酸度を苦手とする傾向にあります。日本の土壌は酸性寄りになりやすいので、あらかじめ石灰資材を散布して土づくりをし、土壌を中和しておくとよいでしょう。 土作り 【地植え】 スノーフレークは、酸性土壌を嫌うので、植え付けの2〜3週間前に苦土石灰を散布してよく耕し、土に混ぜ込んで土壌改良しておきましょう。同時に堆肥や腐葉土などを施してふかふかの土作りをしておきます。土作りは植え付け直前ではなく、このように事前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 植え付け スノーフレークの栽培は、花苗店やホームセンターなどで販売されている球根を入手し、植え付けることからスタートするのが一般的です。購入の際は、球根がふっくらとして充実し、重みのあるものを選ぶとよいでしょう。球根の植え付け適期は、10〜11月です。 球根ではなく開花株などの苗を入手した場合は、早めに植え付けます。その場合は根鉢を崩さず、そのまま植え付けましょう。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、深さ7〜8cmの穴を掘って植え付けます。複数個を植え付ける場合は、10㎝ほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 5〜6号鉢に5〜6球を目安に植え付けます。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。深さ5cmほどの穴を掘り、等間隔に球根を植え付けます。鉢植えの場合は、密に植えたほうが花が咲いた時の見栄えがよくなりますよ! 最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 水やり 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 【地植え】 芽が出た後は、地中から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 鉢栽培では乾きやすくなるので、日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 夏は葉を落として休眠するので、水やりを控えます。冬は、十分に気温が上がった真昼頃に水やりをしましょう。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 肥料 【地植え】 特に必要はありません。しかし、株の勢いがなく葉色が冴えないようであれば、液体肥料を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 花が終わったあと、球根を太らせる目的で液体肥料を与えます。 花がら摘み、花後の管理、休眠・掘り上げ 【花がら摘み】 スノーフレークは花つきがよいので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【花後の管理】 スノーフレークの開花が終わった後は、ニラに似た細長い葉が地上に残ります。「邪魔になるからしばっておこう」と、ひもなどで小さくまとめる様子もしばしば見られますが、これはNGなんです! スノーフレークは花が終わった後に葉が光合成を行って、球根に養分を送って太らせることで、来年の春に再び花を咲かせるエネルギーにします。そのため、葉全体にしっかりと太陽の光を当てることが大切です。小さくまとめてしまうと葉に光が当たる部分が少なくなるので、光合成が十分に行えません。球根に送る養分が不足すると、来年に咲く花も充実しなくなるので注意しましょう。ちなみに、鉢栽培での花後に与える肥料は、葉を十分に茂らせて球根を太らせるためです。 【休眠・掘り上げ】 スノーフレークは夏前になると葉が黄色くなり、地上部は枯れて休眠します。全体が枯れたら景観が悪くなるので、地際で刈り取りましょう。そのまま植えっぱなしにしてもかまいませんが「来春は別の場所で咲かせたい」という場合は、掘り上げて雨の当たらない風通しのよい場所で保存し、秋に植え付けます。 病害虫 【病気】 スノーフレークは、モザイク病にかかることがあります。 モザイク病は、ウイルスが原因で発症する病気です。症状は、花弁や葉に斑点が散らばり、まだら模様が出現。葉が縮れたり、黄変したりすることもあります。発症したら治療する方法はありません。すぐに土ごと処分して、周囲に蔓延しないようにしましょう。 【害虫】 スノーフレークは毒草であることを前述しましたが、そのために虫がつきにくいことでも知られています。虫が苦手な方にはかえってメリットかもしれませんね。 増やし方 スノーフレークは球根植物で、地下の球根が分かれて増えていきます。分球して増やすこともできるので、大株に育って込み合っているようなら、一度掘り上げてみてください。適したタイミングは、地上部が枯れて休眠に入る6月頃です。たくさんついている球根を分けて、ネットなどに入れて風通しのよい半日陰などに吊り下げて保存を。10〜11月の球根植え付け適期に、植え直します。 初心者でも育てやすい! ここまで、可憐な花を咲かせるスノーフレークの特性や魅力、豆知識、取り扱いに注意すべき点、育て方などについて、幅広く解説してきました。興味を持っていただけたでしょうか? スノーフレークは、植え付けた後は放任してもすくすくと育ち、毎年春の開花が楽しめる、ビギナーでも育てやすい植物です。ぜひ庭やベランダなどに迎え入れて、愛らしい姿を楽しんではいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考文献/ 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スノーフレーク Photo/ 1) Geza Farkas 2) Alex Manders 3) Alex Manders 4) Lonspera 5) Sarajaynephotography 6) weha 7) Real Moment 8) yakonstant 9) Shuang Li 10) blueeyes 11) OlegDoroshin 12) wavebreakmedia 13) Pawel Beres 14) mihalec 15) Sarycheva Olesia 16) Alex Manders/Shutterstock.com
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樹木

春を告げる純白の花! 憧れのハクモクレン(マグノリア・デヌダータ)の特徴を知って育ててみよう
ハクモクレンの特徴 mamesuke/Shutterstock.com ハクモクレンは春を代表するモクレン属(マグノリア属)の花木で、学名はマグノリア・デヌダータ(Magnolia denudata)です。日本では江戸時代から多くの人々に愛されてきた植物ですが、まずはその特徴について詳しくご紹介します。 ハクモクレンの全体的な特徴 zzz555zzz/Shutterstock.com ハクモクレンは中国の中央部原産で、比較的温暖な地域に自生する落葉高木です。日本へは江戸時代以前に渡来したといわれています。 モクレン属の植物の中では大型になり、樹高は10~15mほどに成長します。樹高が高く樹冠も大きいため、大きな木陰を作ってくれる樹木でもあります。そのため、公園や広い庭の植栽、緑陰樹、西日よけなどによく利用されます。 純白の花はよい香りをもち、遠くからでもひときわ目立つ存在感がありながら気品も兼ね備えた姿に加え、虫が付きにくく日本の気候でも育てやすいため、広い場所のシンボルツリーにおすすめです。 ハクモクレンの花と実の特徴 Swisty242/Shutterstock.com ハクモクレンの開花時期は3~4月で、葉が出る前に大きな卵形の純白の花が樹冠いっぱいに咲きます。花芽は銀色の毛に覆われ、揃って上を向いているのが特徴です。 柔らかい肉厚の大きな花弁が9枚あるように見えますが、正確には花弁は6枚で、その外側の3枚は萼片(がくへん)です。花にはレモンやライムを思わせる華やかな芳香があります。 花が散ると緑色の未受粉の花心がぽろぽろと落ちてきますが、受粉したものは木に残って実を結びます。実は長さ5~10cmの赤くデコボコとした袋果です。秋になって熟すと、袋果が裂けて種が出てきます。受粉率が高くないため、種は通常1つの花心に1~3個しかできません。 モクレンとコブシとの違い Quang Ho/Shutterstock.com ハクモクレンには、モクレン(シモクレン)とコブシという、よく似た見た目の庭木があります。混同されることが多いので、ここでは異なる点について解説します。 モクレンとの違い ninii/Shutterstock.com 「モクレン(木蓮)」というと、基本的にはシモクレン(紫木蓮)のことを指します。モクレンもハクモクレンも中国が原産のモクレン属の樹木で、英語圏ではどちらもマグノリアと呼ばれますが、分類上は別の種です。 モクレンとハクモクレンの違いは、主に4つあります。 まずは花の色です。モクレンは紅紫色の花ですが、ハクモクレンは白色の花をつけます。 次に、樹高の違いがあります。モクレンは中高木にあたり、樹高5m前後で横にも枝を広げます。ハクモクレンは高木で、樹高は10m~15mに達します。 またハクモクレンは花が咲き、散った後に葉が出るのに対し、モクレンは花と同時に葉が出てくる点も両者の違いの一つです。 最後は開花時期です。ハクモクレンのほうが早い時期に咲き始め、モクレンと比べて咲いている期間も短いという違いがあります。 コブシとの違い IrinaSunnywind/Shutterstock.com ハクモクレンとコブシは見た目が非常に似ていますが、異なる点もいくつかあります。 ハクモクレンは中国原産ですが、コブシは日本が原産の樹木です。 ハクモクレンとコブシは、花の見た目で見分けることができます。 まずは花びらに着目しましょう。ハクモクレンは花びらが9枚に見え、肉厚です。コブシの花びらは6枚で薄いです。花の向きにも違いがあり、ハクモクレンは花が揃って上を向きますが、コブシの花は横や斜めなどバラバラの方向を向いています。花の形では、ハクモクレンは開花しても花びらが閉じたままで広がりませんが、コブシは花びらが大きく開きます。 さらにハクモクレンは開花中には葉が出ませんが、コブシは花の付け根に1枚だけ葉が出るので、開花中は葉の有無で見分けることもできます。 ハクモクレンの花言葉 Swisty242/Shutterstock.com ご家庭のシンボルツリーや、春を彩る生け花にするときに気になる花言葉をご紹介します。 ハクモクレンは、その花の気品ある美しさから、「気高さ」「崇高」といった花言葉がつけられています。また春に咲き、樹木が全身で春を歓び慈しんでいるようなイメージから「慈悲」「自然への愛」といった花言葉もあります。 モクレンの仲間にはほかにも種類がありますが、「気高さ」という花言葉を持つのはハクモクレンだけとされています。 ハクモクレンの育て方 Evgenia Tuzinska/Shutterstock.com ハクモクレンは日本の気候でも育てやすい花木ですが、育てる際にはいくつか注意点や、きれいに育てるためのポイントがあります。ここからは、気になる育て方について詳しく解説します。 育て方のポイント JohnatAPW/Shutterstock.com ハクモクレンを植える際には、日陰を避けるようにしましょう。日当たりを好む植物ですので、日陰では育ちが悪くなってしまいます。土質はあまり選びませんが、湿気のある肥沃な土壌を好みます。剪定は好みません。剪定をしすぎると樹勢が衰えてしまうこともあります。 また、ハクモクレンは比較的寒さに強いですが、つぼみが生じた後に霜にあたると花が傷んでしまうので、特に寒くなる時期には注意が必要です。 植え付けのポイント GoodStudio/Shutterstock.com ハクモクレンの植え付けの適期は、葉が落ちてから花芽が目立ってくる前の1月~3月上旬です。少し湿った水はけのよい土を好むので、元肥として腐葉土や完熟たい肥、ピートモスなどをすき込んで、栄養の豊かな土づくりをします。 ポット植えの苗は、根を切らないように注意しながら、根鉢を優しく崩して植え付けます。その際、深植えにならないように注意しましょう。根鉢をわら縄などでまとめてある根巻き苗は、そのまま植え付けます。 幹が細いうちは、倒れないように支柱を立てて補助しておきましょう。 植える場所のポイント Peter Etchells/Shutterstock.com ハクモクレンの生育適温は15~25℃。日当たりと風通しのよい場所を好みます。 寒さにも強いため防寒対策は特に必要ありませんが、花弁は霜に弱く、一度でも霜にあたると褐色に変色してしまいます。気になる場合は、霜にあてないよう注意しましょう。もっとも、ハクモクレンは大きな木になるため株全体に霜よけをするのは難しいもの。たびたび霜が降りる地域では、ハクモクレンの代わりにコブシを選ぶのも選択肢の一つです。 また、ハクモクレンは根が伸びやすい植物です。鉢植えの場合は、地面に直接置くと鉢底から根が伸び出て、鉢が地面にくっついてしまうことがあります。これを防ぐためには、レンガや板を鉢の下に敷き、根が伸びて地面に届くことがないようにするとよいでしょう。 水やりと肥料の与え方のポイント Jag_cz/Shutterstock.com 地植えでは、植え付け後から根付くまでは定期的に水やりをして土を乾かさないようにするのがポイントです。その後は、特に水やりは必要なく降雨のみで育ちます。肥料は1~2月の休眠期に、緩効性化成肥料や骨粉入りの油かすを寒肥として株元にまきます。5月頃に追肥として、こちらも緩効性化成肥料を株元にまきます。 鉢植えの場合の水やりは、土の表面が乾いたらその都度たっぷりと与えます。肥料は3~6月の間は月に1回程度、骨粉入りの油かすを株元に施します。 剪定のポイント Krisana Antharith/Shutterstock.com ハクモクレンの剪定は花後に行います。 剪定では、株の内側に向かって伸びていたり混み合っている枝、下向きに生えている枝などをつけ根から切ります。樹冠から飛び出した徒長枝などもつけ根で切ります。 大きくなりすぎた木を小さくするときも、この時期に剪定しましょう。伸びすぎた枝は伸びた先端を切り詰めるのではなく、分岐部でつけ根から切るのがコツです。 春から秋の間に伸びすぎた枝は、落葉期に剪定してもいいでしょう。ハクモクレンは、秋には花芽ができています。花芽は見た目で確認できるので、できるだけ花芽を落とさないように剪定します。 鉢植えの植え替えポイント BOKEH STOCK/Shutterstock.com ハクモクレンを鉢植えで育てている場合は、2~3年に1度植え替えが必要です。 植え替えの適期は、植え付けと同じ落葉期の1月~3月上旬か、花が終わった後に暖かくなってくる4月中旬~5月中旬がおすすめです。 植え替えの際は、根鉢をそっと手で崩し、一回り大きな鉢に植え替えます。この時に根を傷つけないように十分気を付けましょう。植え付けと同様に、深植えしないように注意します。 病害虫についての注意点 Protasov AN/Shutterstock.com ハクモクレンは病気にも強く、天敵となる虫も少ない植物です。 注意が必要な害虫としては、カミキリムシの幼虫による食害が挙げられます。 カミキリムシの幼虫は幹に穴をあけ、木の幹の内部を食い荒らしてしまいます。株元におが屑のような木くずが落ちていたら、カミキリムシの幼虫がいる可能性があるので、早めに確認して駆除しましょう。駆除をするには、虫が幹にあけた穴から針金などを入れて突き刺すか、穴から適用のある薬剤を注入しましょう。駆除後も新しいおがくずが発生していないかを観察して、きちんと駆除されたことを確認するようにします。 ハクモクレンの増やし方 Efetova Anna/Shutterstock.com 一般に樹木を増やす際には、挿し木や接ぎ木、種まきなどの方法がありますが、ハクモクレンは挿し木では新しい芽が育ちにくく不向きです。ここでは、ハクモクレンを接ぎ木と種まきで増やす方法について手順を追ってご紹介します。 接ぎ木の方法 Azami Adiputera/Shutterstock.com 接ぎ木とは、増やしたい木を別の台木に接いで株を増やす方法のことをいいます。 ハクモクレンの接ぎ木では、近縁種のコブシが台木によく使われます。接ぎ木に適した時期は落葉期である2~3月です。穂木にするハクモクレンは、枝に芽が付くようにして、枝先から5cm程のところで切り落とし使います。台木にするコブシの株元近くに切り込みを入れて、斜めに切ったハクモクレンの穂木を差し込み、接ぎ木テープで巻いて固定します。しっかりと活着するまでテープは剝がさないようにします。 種まきの方法 Havryliuk-Kharzhevska/Shutterstock.com ハクモクレンの種まきの適期は9~10月です。 種の収穫は秋にします。枝についたままの実が熟して果実が裂けると、朱色の種がぶら下がってきますが、種まき用には、裂ける前の果実を取って陰干しし、数日後に果実が裂けて出てきた種を水洗いして用います。この種を、乾かないうちにすぐに播く「取りまき」にします。 種まきの際は、小粒の赤玉土を入れた鉢に種を置き、軽く隠れる程度に土をかぶせます。種まき後は水を切らさないように管理しましょう。春に発芽して、本葉が2、3枚になった頃から、2.5~3号鉢に1本ずつ鉢上げします。成長に合わせて植え替え、徐々に鉢を大きくしましょう。 気高さをたたえる純白のハクモクレンをシンボルツリーにしよう Jack.Q/Shutterstock.com ハクモクレンが春の訪れとともにわずかな間に見せる、樹冠いっぱいの純白の花や上品な香りは多くの人々を惹きつける魅力をもち、「気高さ」という花言葉にふさわしい姿を見せてくれます。さらに丈夫で手がかからず、じつは育てやすいのも嬉しいところ。見た目も育てやすさも魅力的なハクモクレンを、ぜひお庭のシンボルとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
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DIY

【庭のDIY】初心者でも挑戦しやすい「ステップストーン」の種類や選び方
ステップストーンを敷くメリット THRUZ PANYAWACHIROPAS/Shutterstock.com ステップストーンを敷く主なメリットは、3つ。1つ目は、「雑草対策」になること。石を敷いている部分は草取りの必要がないため、手間が少なくなります。 2つ目は、「ぬかるみ対策」になること。土がむき出しの場所では、雨の日にぬかるんで滑りやすくなる恐れがあります。しかし、ステップストーンを敷けば、水が溜まりにくく、水たまりを避けて歩きやすくなり、靴も汚れにくくなります。 3つ目は、地面がフラットになるので、自動車や自転車、三輪車など車輪がついたものが出し入れしやすくなります。また、ステップストーンを置くことで、庭の印象が変わり、おしゃれな雰囲気にすることができます。 ステップストーンの種類と特徴 Volha Kratkouskaya/Shutterstock.com ここでは、ステップストーンの種類やそれぞれの特徴についてご紹介します。 天然石 GARAGE38/Shutterstock.coms 天然石のステップストーンは、耐久性や耐火性に優れています。質感がよく、見た目も高級感があり、本格的な庭づくりに向きます。きれいに仕上げるには専門的な知識が必要なため、DIYの中級者以上の方におすすめです。 石の模様や色合いが一つひとつ違い、自然の風合いを楽しむことができます。また、乾いているときと雨などで濡れたときには色や質感が変わり、印象の違いが楽しめます。さまざまな形のものがあり、四角くカットされたものや、割り出して不規則な形をしたものなどがあります。 素焼き Sukpaiboonwat/Shutterstock.com 素焼きのステップストーンには、テラコッタ製やコンクリート製などがあります。リーズナブルで入手しやすいのが特徴で、初心者の方にも扱いやすい素材です。 形が統一されているため敷きやすいのも魅力ですが、自然な雰囲気を出すためにあえて不揃いな形に成形されているものもあります。風化しやすい特性がありますが、時間の経過とともに味わい深くなります。レンガをステップストーンとして使う場合は、敷き用のレンガを選びましょう。 磁器タイル Jahor/Shutterstock.com 磁器タイルは表面が滑らかな質感で、多くの場合、光沢がある素材です。種類や色がバリエーション豊富なので、個性的な庭やスタイリッシュな庭づくりに役立ちます。耐久性が高く、水で洗浄する際に汚れが落ちやすいところも長所です。 濡れると滑りやすくなるため、人や車が通るところは表面に滑り止め加工がされたものや、ざらざらとした質感になっているものを選ぶとよいでしょう。素焼きより高価ですが、色の豊富さや耐久性では磁器のほうが優れています。 コンクリート平板 Beekawa/Shutterstock.com コンクリートの平板をステップストーンとして活用することもできます。無機質でシンプルな印象のため、モダンな雰囲気の庭にピッタリです。 厚みは3~8cm、厚みがあるほど耐久性は高くなりますが、その分重みが増します。ほかの素材に比べてリーズナブルで形も均一なので、DIY初心者の方にも扱いやすいのが特徴です。庭用に水はけをよくしたタイプのコンクリート平板も販売されています。 置く場所に合わせたステップストーンの選び方 Watchares Hansawek/Shutterstock.com ステップストーンは置き場所によって適した形があるのをご存じでしょうか。ここでは、場所ごとに選びたいステップストーンについてご紹介します。 角型 GOLFX/Shutterstock.com 長方形や正方形などの角形は、均一に並べて置くだけで見栄えがよくなるため、簡単に扱うことができます。整然とした印象やシンプルに仕上げたいときに最適の形状です。 スタンダードな形なので、カラーバリエーションが多いのも魅力です。庭のテーマカラーや家の外壁の色に調和する色を選べます。明るい色調は植物とも相性がよく、暗めの色は引き締まった印象になります。 パズルストーン Fransiraa/Shutterstock.com さまざまな形の石が組み合わされ、四角に整えられているパズルストーンは、並べるだけで目地が揃えやすいので、レイアウトに頭を悩ませる必要がありません。配置しやすいので、DIY初心者の方にも扱いやすく、小道をつくりたい場合にもおすすめです。 天然石を使用しているものは、晴れた日と雨で濡れた日では違った表情を見せてくれます。 ピンコロ Julija Vidjajeva/Shutterstock.com ピンコロとは、立方体に切った天然石を指します。一般的なサイズは9cm角です。 並べるときには1色だけにせず、違った色を混ぜるとおしゃれな雰囲気になります。平板タイプと組み合わせて模様を作るのも一案です。直線状に並べるだけでなく、カーブや扇形に並べることもできます。 花壇の縁取り、テラスや小道の舗装などに使えます。 ステップストーン Tatiany Cristina/Shutterstock.com 飛び石を作るときに便利なのが、ステップストーン専用の資材です。 デザイン性が高いものが多く、例えば、ビスケットやトランプ、動物、クローバー、木の葉などを模した可愛らしい形のステップストーンもあり、庭のワンポイントにもなります。丸形や角形などのシンプルな形状なら、和風・洋風どちらの庭にも馴染みます。 目的に合わせたステップストーンの選び方 Paul Maguire/Shutterstock.com ステップストーンを広い面積で敷きたい場合は、一つが大きいサイズを選ぶと作業が早く終わります。しかし素材によっては重くなるため、作業する人数なども考慮して選ぶのも忘れずに。また、テーブルとイスを設置したい場所があれば、ステップストーンを敷き詰めておくと使い勝手がよくなります。 反対に、狭い場所には砂利を使うのが便利です。雑草対策をしたい場合は、まず雑草を抜いてから防草シートを敷き、その上に砂利を乗せると雑草が生えにくくなります。歩くと音がする砂利を通路に使うことで、防犯効果もあります。砂利とステップストーンや芝生などを組み合わせれば、個性的なデザインになります。 小道を作る場合は、敷きレンガを使うのも便利です。一つひとつが軽く、運びやすいというメリットもあります。 庭の雰囲気に合わせたステップストーンの選び方 seen infantry/Shutterstock.com ここからは和風の庭と洋風の庭、それぞれに似合うステップストーンを選ぶコツについてご紹介します。 和風の庭 Gaid Kornsilapa/Shutterstock.com 和風の庭では、御影石でできたステップストーンがよく選ばれています。人の手で切断された「ノミキリ石」は、表面にデコボコが残り、味や温かみがある雰囲気が魅力です。ですが、DIY初心者には少し扱いが難しく、価格も高価です。機械加工の石材は端が直線に整っているので、並べる際に揃えやすく、DIY初心者にも挑戦しやすい形です。 表面加工にも種類があり、石の表面にジェットバーナーを当てて処理された「ジェットバーナー加工」のものは、表面がざらざらとしています。「小叩き仕上げ」は、石の表面をたたいてデコボコに加工されたもの。これらの加工により表面がざらざらしていることで、水に濡れていても滑りにくく、水はけがよいというメリットがあります。 洋風の庭 romakoma/Shutterstock.com 洋風の庭には乱形石や磁器質タイルが似合います。 乱形石で明るめの色は、洋風の庭にぴったりで、暗めの色合いは和風の庭にも使えます。 磁器質タイルは種類が豊富で、選び方によって、スタイリッシュな印象や華やかな雰囲気を演出できます。タイルにも床用と外壁用があるため、購入の際は注意が必要です。 ステップストーンにデコボコのジョイントパーツがついた「ジョイントタイル」は、ハサミやカッターでカットして、手軽にサイズ調整が可能です。 ステップストーンの選び方次第でおしゃれな庭を演出! Thanate Rooprasert/Shutterstock.com ステップストーンを敷くことで、雑草対策をしながら庭をよりおしゃれに演出することができます。種類もさまざまなので、つくりたい庭のイメージに合わせて選びましょう。 初心者が挑戦しやすい形のステップストーンもいろいろな種類があるので、ぜひ自身の理想の庭づくりに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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樹木

【早春の花】縁起のよいマンサクは庭木におすすめ!育て方を解説
マンサクの主な特徴 Gardens by Design/Shutterstock.com 日本原産で、里山には昔から自生していたマンサク。ここでは、日本で古くから育てられてきたマンサクの主な特徴を解説します。 基本情報 hide.m/Shutterstock.com マンサクは、学名をHamamelis japonicaといい、日本の本州各地の山林に自生している樹木です。東アジアと北米にも自生しており、今はそれらとの交配種も作られています。樹高は2〜10mで、耐寒性・耐暑性ともに強く、栽培しやすい花木です。 花や葉・実の特徴 Annet_ka/Shutterstock.com 花期は2〜3月。花は葉が出る前に咲き始め、2cmほどの黄色くやや縮れた紐状の花びらを多数付けます。日本に自生しているマンサクの花色は多くが黄色ですが、品種によっては濃赤、オレンジ、茶などもあります。また花には甘さを含む強い香りがあります。 葉は菱形に近い円形で、縁はギザギザした粗い鋸歯があります。茎から互生している葉は、表面は緑色で裏面は薄い緑色です。秋には葉色が紅色や黄色に変わり、綺麗に紅葉します。また同時期に実を付けます。熟すと割れて種子がはじける「蒴果(さくか)」と呼ばれるタイプの実で、黒い種子がはじけ飛びます。 名前の由来 Juriah Mosin/Shutterstock.com 春先に黄色い花を枝にびっしりと咲かせ、古来、その花数が多ければ豊作、少なければ不作というように、米の収穫量を占っていたこともあるようです。そのため「万年豊作」の願いを込めて「万作(マンサク)」と名付けられたとする説や、他の木に先立って綺麗な花を咲かせることから「まず咲く」が転じて「マンサク」と呼ばれるようになったとする説などがあります。いずれにしろ、まだ他の樹木が眠っている間に多くの花を付ける、縁起のよい植物とされてきました。 栽培環境 Gabriela Beres/Shutterstock.com 日本の山林に自然に生えていることからも、気候面などで特に気をつけることはありません。日当たりのよい場所から半日陰の場所まで育てることができます。ただ半日陰だと花数が少なくなる場合もあるので注意しましょう。ほかの樹木の近くや、木陰があるような場所で育つ樹木なので、夏の直射日光や西日、乾いた風は苦手です。地植えする場合は、夏の直射を防ぎつつ、冬の乾燥した北風が当たらない場所がよいでしょう。用土は腐植質に富んだ水はけと水もちのよい土壌が適しています。そのため、腐葉土やバーク堆肥などを庭土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。 育て方の基本 mitzy/Shutterstock.com マンサクは適所に地植えしてしまえば、さほど手間のかかる植物ではありませんが、育て方の基本を知ることで失敗を防げます。ここでは、マンサクの育て方の基本について解説します。 水やり Rawpixel.com/Shutterstock.com マンサクが自生するような里山は、土がすっかり乾いてしまうようなことはあまりありません。そのため、マンサクは極端な乾燥に弱い面があります。植え付け後、定着までは根の乾燥に注意し、しっかりと水やりしましょう。根付いた後は、雨水のみで水やりの必要はありません。ただし夏場に乾燥する日が続き、土の表面が乾いている場合は、しっかりと水が土中に染み込むまで水やりを行ってください。また鉢植えの場合は用土の乾燥に気をつけ、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。 肥料 VisualArtStudio/Shutterstock.com 木が大きく順調に育っている場合、肥料はさほど必要としません。まだ苗が小さかったり、成長が遅いなと感じた場合、地植えならば寒肥として2月頃に堆肥を施してください。また鉢植えであれば、5月頃と12月頃に緩効性肥料や固形の油粕を施すのがよいでしょう。 地植えの場合は、外側に伸びた枝の先端の真下を深さ20cmほど掘り、そこに肥料を施します。 植え付け・植え替え Rawpixel.com/Shutterstock.com 植え付けや植え替えは、厳冬期を避けた落葉期に行いましょう。11月か3月がおすすめです。根鉢の縦横2倍程度の穴を掘り、腐葉土をすき込んでおきましょう。植え付けるときは、「水極め(みずぎめ)」を忘れずに。根鉢の周りに水を注ぎ、棒でつついて空気を抜きながら、根鉢の中にもしっかり土が入るように馴染ませる作業です。 水が引いた後、株がぐらつくようであれば支柱を立て、養生しましょう。鉢植えの場合、鉢の中が根でいっぱいになってしまったら、植え替えが必要なタイミング。そのまま引き抜き、一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替えの適期は、開花前の2月から芽出し前の4月まで、もしくは10〜11月の落葉し始めた頃がよいでしょう。 剪定・切り戻し Kyle Selcer/Shutterstock.com 自然樹形できれいに株が整うため、頻繁な剪定は必要ありません。姿を整える場合は、枯れ枝を取り除き、内側に出てきた枝(内向枝)や徒長してしまった枝を剪定する程度でよいでしょう。根元付近から出る枝(ひこばえ)は、放置するとうっそうとして、風通しも悪くなるので、見つけ次第地際で切り取りましょう。植えている場所の周辺にあまりスペースがない場合は、小枝の先を切り戻す剪定で、樹形をコンパクトに整えましょう。 増やし方 Wichai Prasomsri1/Shutterstock.com 取り木と種まきが一般的です。取り木をする場合は、3月頃が適期です。方法としては、まず直径が1cm程度の枝を選びます。その表皮に1~2cm程度、ナイフなどを使って切り込みを入れて、表皮をはぎ取ります。はぎ取った部分を湿らせたミズゴケで覆い、さらにその上からビニールを被せて上下を紐で縛り、包み込みます。このとき、上部の紐はゆるめに縛って水やりができるようにしておきます。 ミズゴケが乾燥しないように注意しながら様子を見ましょう。9月頃になると発根してくるので、発根部より下で枝を切り取って鉢上げ(鉢に植え付けること)します。鉢上げ後は根付くまで半日陰の場所で水を切らさないように管理しましょう。 種まきの場合は、11月頃に実を採取し、風通しのよい場所ではじけるまで保管します。熟した種子は春まで保管し、翌春に播きます。挿し木も可能ですが成功率は高くないため、確実に増やしたい場合は、取り木や種まきがおすすめです。 夏越し・冬越し・病害虫 i am adventure/Shutterstock.com 強烈な日差しや乾燥が苦手なため、夏場の栽培環境には注意しましょう。地植えであれば、午後から日陰になるような場所が望ましいです。鉢植えであれば、夏の間は半日陰に移動させるとよいでしょう。耐寒性は強いため、防寒対策の必要はありません。また特に心配な病害虫もありません。 マンサクの品種 pasSsy/Shutterstock.com マンサクは日本原産のものと、東アジア・北米原産のものが流通しています。ここでは代表的な種類について解説したいと思います。 ベニバナマンサク Brookgardener/Shutterstock.com 学名をHamamelis japonica var.obtusataといい、別名アカバナマンサク。マルバマンサクの変種とされています。北海道と本州の日本海側に自生し、赤い花が特徴。また秋の紅葉時は葉が綺麗な紅色に色付きます。栽培はマンサクと同じです。 マルバマンサク 学名はHamamelis japonica var. obtusataで、一般的なマンサクに比べ葉の形がやや丸みを帯びています。分布域も東北から島根までの日本海側でマンサクより高緯度であることから、マンサクの寒冷地型とされています。マンサクと育て方に違いはありません。 シナマンサク goa novi/Shutterstock.com 中国中部を原産とするマンサクで、学名はHamamelis mollisです。日本原産のマンサクより花や葉、樹高が高く全体的に大型の種で、香りも日本のマンサクより強いです。花期は1~3月で、マンサクより早咲きなのが特徴です。シナマンサクの中でも明るいレモンイエローの花が素敵な園芸品種であるパリダが市場流通しています。育て方は日本原産のマンサクと同じです。 春を告げる庭木のマンサク Dagmar Breu/Shutterstock.com 庭に彩りの乏しい早春に、いち早く明るい色で春の訪れを感じさせてくれるマンサク。縁起のよいマンサクは、庭に1株あるだけで心を癒やしてくれることでしょう。育て方も簡単で手入れもほとんど必要としないため、おすすめの樹木です。ぜひ庭に迎えてはいかがでしょうか。
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ガーデンデザイン

【初心者】鉢植え一つから始める「寄せ鉢」ガーデニング
鉢植えでつくる「寄せ鉢」って何? 左側の地面から直接植物が立ち上がっているのが「地植え」。右側の壺のような鉢に植わっているのが「鉢植え」。Photo/V J Matthew/shutterstock.com ガーデニングには、まず大きく分けて、2つの植え方があります。一つは、地面に植物を植える「地植え(じうえ)」、もう一つは、植木鉢などの器に植物を植える「鉢植え(はちうえ)」です。土を掘り起こして植物を植える場所がある人も、そうでない人も、誰でも始めることができるのが鉢植え。地面がタイルなどで覆われたテラスやベランダ、玄関周り、舗装された場所など、どんな場所でも置くだけで植物が育つスペースになります。 多種の花を一つの鉢に植え込むのが「寄せ植え」。Photo/vincent noel/shutterstock.com 一つの鉢に1種類植えて、いくつか寄せ集めるのが「寄せ鉢」。Photo/Ronald Sumners/shutterstock.com 一つの鉢に多種の植物をバランスよく植える「寄せ植え」という方法がありますが、何と何を一緒に植えればよいかを決めるのは、ちょっとハードルが高いという人にもオススメしたいのが、ここでご紹介する「寄せ鉢」です。一つの鉢には1種類の植物だけを植え込んで、いくつかの鉢を集めて育てるのが「寄せ鉢」ガーデニング。 ラッピングはもらったら、その日のうちに外して水をあげましょう。写真はアジサイの鉢植え。左)Africa Studio 右)Stephanie Frey/Shutterstock.com 母の日、父の日、敬老の日などのお祝いや贈り物で鉢植えをプレゼントされることも増えている昨今。ギフトで思いがけず育てることになった鉢植えは、まずラッピングを外して、風通しをよくするとカビが生えたりしません。用土が乾いていたらすぐにたっぷり水やりして、屋外の日が当たる場所へ置いて育て始めてみましょう。鉢植えで育てられる植物の種類はたくさんありますが、花も咲く人気の種類はバラやラベンダー、アジサイなど。実も楽しめて、銀色の葉がおしゃれなオリーブも鉢植えで人気です。室内のインテリアとしても育てやすい観葉植物も寄せ鉢にすると、コーディネイトを楽しめたり、部屋の雰囲を簡単に変えることができるアイテムです。 最初の一鉢を枯らすことなく、育てるのに慣れてきたら、次は組み合わせる植物を一鉢二鉢と増やしていけば、寄せ鉢ガーデニングを無理なくスタートできます。 鉢植えにした植物の育て方のコツ 植物によって毎日水やりが必要な種類と、乾き気味がよい種類があります。Photo/Makistock/shutterstock.com 寄せ植えは、限られた容量の土の中に植物を共存させるため、例えば、加湿気味を好む種類や、乾き気味を好む種類など、好む生育環境が似ているもの同士を集める必要があります。でも、鉢が別々になっていれば、水分のコントロールは一鉢ごとに調整すればよいので、栽培難易度が下がります。 まずは一つの鉢植えから栽培スタート 1種類のギボウシを植えた1鉢。Photo/Steve Cymro/shutterstock.com まずは気に入った植物を1種類、鉢に植えてみましょう。水やりの頻度や、日向や日陰などの置き場所の手がかりは、購入した苗の札を頼りに、その植物の性質を覚えましょう。札の情報では足りないと感じたら、ぜひネット検索からでも情報収集を。調べたり、育てたりしていくことで、ガーデニングの世界が広がっていきます。 一鉢に1種類のギボウシを植えて3鉢集めた「寄せ鉢」例。Photo/Steve Cymro/shutterstock.com ここで1鉢ご紹介した植物は、「ギボウシ(ホスタ)」と呼ばれる美しい葉を楽しむ種類です。地植えでももちろん育ちますが、鉢植えでも姿よく育てやすいので、庭のアクセントにする人も多い、人気の植物です。水が切れると弱るので、土の乾き具合を見ながら1〜2日に一度たっぷり与えます。鉢のサイズは、小さすぎると乾くのが早く水やりを頻繁に行う必要があり、大きすぎると移動しにくかったり、植物がうまく育たないことがあります。植える植物の大きさにもよりますが、扱いやすい5号鉢(直径15cm)を基本寸法として、植物にあったポットを用意してあげるとよいでしょう。 ギボウシにはたくさんのバリエーションがあります。写真/おぎはら植物園 「水切れしていないかなー」と日々観察しているうちに、いつしかギボウシ栽培も慣れてきます。それまで枯れずに管理ができるならば、自信をもって次の鉢植えにチャレンジしてみましょう。ギボウシは、いろんな種類があります。 コレクション熱を刺激するギボウシ、もっと知りたい! という人は『やってみよう! 初めてのガーデニング。【宿根草】オススメのホスタ7選』も参考にしてください。 鉢植えを集めた「寄せ鉢ガーデニング」の実例 ベンチの横スペースに寄り添うように、緑が生き生きと育つ寄せ鉢例。白い石張りのテラスに置かれているのは、キューブ型や壺型のテラコッタ鉢3つです。右端の四角い鉢には、大小のシダ類を寄せ植えて、放射状に広がる緑で立体感を演出。中央には、黄色の斑入りが引き立つギボウシを植えています。 近づいてよく見ると、ギボウシの株元からは、らせん状に葉を伸ばすイグサ科のラセンイが伸び出ています。ベンチの側には常緑低木のアセビ(馬酔木)を植えた鉢を置き、たった3つの鉢を寄せただけなのに、明るいグリーンのコーナーが完成。寄せ鉢ガーデニングは、デザインが違う鉢を組み合わせることでも景色の味つけになります。この組み合わせに、さらに秋に紅葉するような庭木をプラスすると、四季の変化が楽しめます。 鉢植えは、移動が簡単なので、猛暑の日差しで植物が傷まないように日陰へ移動したり、冬の寒さや積雪、台風による被害にあわないように、一時的に軒下や室内へ避難させることができるのも鉢植えのメリットです。引越しが多い場合も、鉢植えなら地面から掘り上げて植物が傷むリスクが減ります。 鉢植え一つから始める寄せ鉢ガーデニングは、組み合わせる植物や鉢のデザインの変化によって、いろんな景色をつくることができます。是非、チャレンジしてみてください。
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一年草

【人気】ネモフィラの青い花を咲かせよう! 育て方一挙公開
ネモフィラってどんな花? 株いっぱいに花を咲かせて、春の花壇や寄せ植えに活躍するネモフィラ。まずはどんな植物なのか、基本情報とその性質について分かりやすく解説します。 ネモフィラの特徴 ネモフィラはムラサキ科の一年草で、原産地は北アメリカ西部です。学名はNemophilaで、別名には瑠璃唐草(ルリカラクサ)、ベビーブルーアイズなどがあります。 秋播き一年草に分類され、基本的には10月頃にタネを播いて育苗し、冬を越して4〜5月頃に開花。開花後は、タネをつけて6月頃には枯死するライフサイクルです。 花の色は澄んだスカイブルーがよく知られていますが、白の覆輪が入る黒や、花弁に紫のドットが入る白もあります。花つきが大変よく、一株でたくさんの花を次々に咲かせます。 草丈は10〜20cmくらいとやや低いほうで、這うように広がる性質のため、花壇の手前やコンテナの縁取り、グラウンドカバーなどに向いています。 育てやすさ 日当たりがよく、風通しのよい場所を好む性質で、生育に適した気温は5〜25℃くらいです。寒さには比較的強く、暖地なら地植えして越冬できます。ただし、マイナス5℃を下回る環境では、マルチングなどの防寒をしておくとよいでしょう。暑さには弱いので夏越しできず、夏前にライフサイクルを終えて枯死してしまいます。春からはアブラムシがつきやすく、大量に発生すると株が弱るので注意しましょう。 ネモフィラの育て方1:種まきと植え付け ここからは、自宅の庭やベランダで育てる方法を具体的にご紹介します。まずは種まきと植え付けの方法からスタートしましょう。 土づくり 水はけ、水もちのよいフカフカとした土壌を好みます。地植えにする場合は、植える場所を軽く耕し、腐葉土などの有機質資材を投入して庭土によく混ぜ込み、表土をならしておきましょう。鉢植えにする場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4の割合でよく混ぜ合わせ、水はけのよい配合土を準備します。市販の草花用にブレンドされた培養土を利用すると便利です。 種まき 発芽に適した温度は20℃くらいで、種まきの適期は10月頃です。寒冷地の場合は、春に播いても構いません。 庭に直播きする場合は、すじ播きにします。土づくりしておいた場所の表土を平らにして、深さ1cmほどの播き溝を作ります。その溝に1cmくらいの間隔を取って播きましょう。溝の両側から土を寄せて覆土し、手のひらで軽く押さえて鎮圧します。列を複数作る場合は、播き溝の間隔は10〜20cmあけましょう。最後に、たっぷりと水やりをしておきます。タネが水圧で流されないように、ジョウロにハス口をつけて、高い位置から水やりするのがおすすめです。 10日ほど経つと、発芽が始まります。芽がある程度出揃ったら、間引きながら育成します。ヒョロヒョロと徒長して軟弱なものや成長が遅いものを選んで抜き取り、葉の色が濃くて勢いのあるものを残すのがポイントです。最終的に株間を10〜20cmあけたら、間引きを終えます。 育苗する場合は、培養土を入れた黒ポットに4〜5粒ずつ播きましょう。発芽が揃ったら間引いて状態のよい苗を2〜3本残して育成し、本葉が3〜4枚ついたら1本のみ残して育苗します。日当たりのよい場所で適宜水やりして管理し、がっしりと締まって勢いのある苗を育てましょう。 苗の植え付け タネをポットに播いて育苗した場合は、最終的に植える場所に定植します。本葉が何枚も出てがっしりと締まり、根がびっしり張った苗を選んで植え付けます。 それほど株数を必要としないのであれば、ポット苗が2〜3月頃に園芸店などに流通するので、苗を購入すると手軽です。店頭で苗を選ぶ際は、ヒョロヒョロと徒長して弱々しいものは避け、枯れ葉や虫食いのない健康な苗を選びましょう。 庭植えの場合は、根鉢より一回り大きな植え穴を掘って植え付けます。ネモフィラは根が傷むと成長が悪くなるので、根鉢を崩さないよう丁寧に扱うことがポイントです。苗を複数植える場合は、株間を10〜20cm取っておきましょう。見映えがよくないからと、幼苗のうちから密に植え付けると、成長後に窮屈になって蒸れやすく、病害虫も発生しやすくなるので、適切な株間を取っておくことが大切です。植え付けた後は、最後にたっぷりと水を与えておきましょう。 鉢栽培にする場合も、株間にゆとりを持たせて植え付けます。市販の培養土を使う場合は、土が乾燥しているので、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与え、全体を湿らせるようにしましょう。 ネモフィラの育て方2:日々の手入れ ここからは、ネモフィラを定植した後の、日々のお手入れについてご紹介します。植物は手をかけた分だけ応えてくれるので、たくさんの花が咲いた時の喜びもひとしおです。 水やり 草花に水やりをする場合は、株全体にかけるのではなく、株元の表土を狙って、注ぎ込むように与えるのが基本です。茎葉全体にかけると、蒸れやすくなり病気が発生するリスクを高めてしまうので注意しましょう。 鉢植えの場合は、表土が白く乾いたら鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。ネモフィラは多湿を嫌う性質で、いつもジメジメした状態だと株が弱って根腐れしたり、軟弱になって病気にかかりやすくなったりします。水のやりすぎには注意しましょう。 地植えの場合は、ほとんど水を与える必要はありません。雨が降らずに乾燥した日が続くようなら、水を与える程度の管理にします。判断に迷ったら、株の状態を観察してみましょう。しんなりとして茎葉にハリがないようであれば、水を欲しがっているサインです。 肥料 施肥には、元肥と追肥があります。元肥は、植え付けの際に与えて初期生育をよくするための肥料です。苗を植え付ける時に、緩効性化成肥料を土に少量混ぜ込んでおくとよいでしょう。 追肥は、生育期の成長を助けるために与える肥料のことです。ただし、ネモフィラはあまり多く与えすぎると、徒長して軟弱な株になりがちなので、控えめを心がけておきたいもの。葉色の様子を見て、元気がないようであれば追肥として緩効性化成肥料を株元に少量ばらまいて土になじませておくか、液肥を与えて様子を見ます。鉢栽培にしている場合は、肥料成分が水やりとともに流れ出るので、追肥が必要です。株の状態を見て月に1〜2度を目安に液肥を与えるとよいでしょう。 日当たり ネモフィラは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。あまり日が差さない環境では、花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。地植えにする場合は、建物や木の陰にならない場所を選ぶことが大切です。特に直播きする場合は、秋と春とでは影ができる位置が変わってくるので、植え場所を吟味しましょう。一日中日当たりのよい場所でなくても、午前中にたっぷりと日が当たる東側などでもよく育ちます。 ネモフィラを育てる時の注意点 ネモフィラは比較的育てやすい一年草ですが、春からは病害虫が発生しやすいので、防除に努めましょう。早期発見、早期防除が発生を広げないポイントです。また、移植を嫌う性質があるので、一度植え付けたら動かさないほうがよいでしょう。 病害虫 害虫については、春に気温が上がってくると、アブラムシが発生しやすくなります。放任すると、すぐに増えて茎葉にびっしりとついてしまい、見た目が悪いばかりか、株が弱ってしまいます。アブラムシはウイルス病を媒介するので、発生初期に対応することが大切です。気温が上昇する前に、オルトラン粒剤を適用に応じて土壌に混ぜ込んでおくと、防除できます。 病気はうどんこ病が発生することがあります。うどんこ病はカビによる病気で、葉や茎が白く粉を吹いたような状態になったら、発生を疑いましょう。病気が進んで葉の表面が覆われると、生育不良になり、花が咲かなくなります。春から秋にかけて発症しやすく、風通しの悪い場所で起こりやすい病気です。発生初期に、スプレータイプの殺菌剤を使って防除するとよいでしょう。 また、灰色カビ病の発生にも注意が必要です。茎や葉が溶けるように腐っていく病気で、進行すると灰色のカビに覆われてしまいます。株が成長して茎や葉が込み合いすぎているようなら、適宜間引いて風通しをよくし、傷んだ茎葉があれば早めに取り除きます。うどんこ病と同様に、発生初期にスプレータイプの殺菌剤をかけて防除しましょう。 植え替え あまり植え替えには向いていない植物なので、幼苗を定植した後の植え替えは避けたほうが無難です。コンテナやハンギングバスケットの寄せ植えに使い回すなど、移植する予定がある場合は、ポットから根鉢を出さずに、ポットに入ったまま寄せ植えの素材として利用するのも一案です。ただし、苗は大きく成長せず、短命になってしまうことは否めません。 増やしたい時は ネモフィラは一年草なのでライフサイクルが短く、越年することはありません。そのため、増やしたい場合はタネを採って保存しておき、翌シーズンに種まきすることになります。ただし、花は種をつけると株が消耗して次々と花を咲かせなくなるので、開花期前半は花がら摘みをして長く楽しみ、そろそろ終わりを迎える頃に花がら摘みをやめて、サヤをつけさせるとよいでしょう。タネがはじける頃にサヤごと採取して、よく乾燥させてからタネを取り出します。密封容器に入れて、花名と採取した日を書き入れたラベルをつけ、秋の種まきシーズンまで冷暗所で保存しましょう。ネモフィラは生命力旺盛で、こぼれ種でも増える場合もありますが、市販されている種子に比べて発芽率は劣ります。採取したタネを播く場合は、多めに播いておくとよいでしょう。 ネモフィラの品種 ネモフィラは、パステルブルーの品種が一番よく知られていますが、ほかにも白と黒の品種が出回っています。いずれも庭やベランダに個性を添える花色なので、好きな品種を選んでみてはいかがでしょうか。 ‘インシグニスブルー’ ネモフィラの中で最もポピュラーな品種が、‘インシグニスブルー’です。「国営ひたち海浜公園」をはじめ、さまざまな花の名所で群植されているのがこの品種で、一面に咲かせると晴れた日の青い空とのコラボレーションが楽しめます。草花にはこれほど爽やかなパステルブルーの花を咲かせる種類は少ないため、花壇や寄せ植えの素材として高い人気があります。どんな花色とも相性よくまとまり、合わせやすいので、ビギナーにもおすすめ。 ‘ペニー・ブラック’ 花の中心部が黒色で、花弁の縁に白が乗る複色咲きの品種です。矮性で、コンパクトにまとまりつつ、ふんわりと広がる草姿をしています。花はやや小さめで、花茎が比較的長く伸びて動きのある表情を持っています。一輪で黒と白のコントラストがつき、大変インパクトのある花です。花壇や寄せ植えでは、アクセントとなる差し色として使うのがおすすめ。 ネモフィラ・マクラータ オフホワイトの花弁の縁に5つの紫色のドットが入る、可愛らしい品種です。「マキュラータ」「ファイブスポット」とも呼ばれています。横に広がりやすく、ふわっとしたナチュラルな草姿で繊細な印象。花つきがよく、株いっぱいに咲くので、花壇の前面や寄せ植えの縁取りに重宝します。白い花は何色とも調和させやすい一方で、花弁にドットが入るので、個性的に演出することもできます。‘ペニー・ブラック’と一緒に植えて、黒×白のコントラストをつけた大人っぽいシーンをつくっても素敵です。 愛らしく栽培しやすいネモフィラを育ててみよう ネモフィラは、澄んだパステルブルーの花色が人気で、春に愛される草花として代表的な存在です。ライフサイクルが短い一年草で、種まきから育てるのも容易なので、ビギナーにもおすすめの草花です。花色もブルー、白の覆輪が入る黒、紫のドット入りの白と、個性のある品種が揃うので、庭のアクセントとして取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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スイートアリッサムは、寄せ植え&花壇の名脇役! 育て方5つのポイント
スイートアリッサムとはどんな花? Thirteen/shutterstock.com 可憐な小さい花を株いっぱいに咲かせる“スイートアリッサム”。地中海沿岸を中心とするヨーロッパ南部原産のアブラナ科の常緑多年草です。高温多湿に弱いため、日本では一年草として扱われてきましたが、ヨーロッパでは古くからの園芸品種が野生化していることもあるほど、丈夫な植物。近年では日本の夏にも耐え、花つきもよい「スーパーアリッサム」と呼ばれる園芸品種も多く出回っています。白花のイメージが強いですが、ピンクや紫、オレンジ、クリーム系など、色のバリエーションも豊富。10~15cm程度という草丈の低さを生かして、グラウンドカバーはもちろん、花壇の縁取りやロックガーデン、寄せ植えやハンギングバスケットなど、さまざまな楽しみ方ができます。 アリッサムとスイートアリッサムは違う花! mssy/shutterstock.com “スイートアリッサム”の名の由来は、ほんのりと甘い香りを放つことから。ときには“アリッサム”の名で売られていることもありますが、学名での“Alyssum”は異なる植物。スイートアリッサムの学名はLobularia maritimaで、アブラナ科のニオイナズナ属に分類されます。一方、本来の“Alyssum”も同じアブラナ科で、鮮やかな黄色の花でロックガーデンを彩るA. montanumや、白やピンクの花を咲かせるA. spinosumなどがあります。また、菜の花を小さくしたような見た目のAurinia saxatilisが「宿根アリッサム」の名前で出回ることがありますが、スイートアリッサムに比べると、その流通量は少ないようです。 欧米ではポピュラーなロックガーデン植物のAlyssum montanum。C. Nass/shutterstock.com こちらもロックガーデン向き、Alyssum spinosum。hWeiss/shutterstock.com 「宿根アリッサム」の名で流通するAurinia saxatilis。Animaflora PicsStock/shutterstock.com スイートアリッサムの種類 ‘スノークリスタル’ ESB Essentials/shutterstock.com 他種に比べ株が大きくなり、花も大輪で華やか。多花性で、純白の花が株を埋めるように咲く。ほのかな香りも魅力。 ‘ロイヤルカーペット’ Galina Gutarin/shutterstock.com 欧米ではとてもポピュラーな紫系の代表品種。白とラベンダー色の小花が混じり合うように咲き、可憐な印象。 ‘イースターボネット’ Belikart /Shutterstock.com 白、クリーム、ピンク、紅、紫と花色が豊富な品種。秋播き一年草として、色混合の“ミックス種子”が出回ることも。 スーパーアリッサム ‘スノープリンセス’ JollySam/shutterstock.com 栄養繁殖で増やされたスーパーアリッサムの品種。耐暑性、耐病性に優れ、夏越しさせやすく大株に育てることも可能。 スーパーアリッサム ‘フロスティナイト’ 葉っぱの縁にクリーム色の斑が入る、スーパーアリッサムの品種。淡い色の葉に白の小花の組み合わせが、明るく涼やかなイメージ。 スイートアリッサムの育て方とポイント Lana B/shutterstock.com 植え付けのタイミングと、高温多湿の夏に注意すれば、丈夫で育てやすいスイートアリッサム。ここからは、植え付け方法のほか、水やりや肥料、病害虫対策など、栽培のポイントを伝授いたします。 ポイントその1植える場所と管理方法 Tatyana Mi/shutterstock.com 高温多湿を嫌うので、水はけのよい用土で植え付け、やや乾燥気味に育てます。日当たりを好みますが、夏の直射日光や西日は避けるように。鉢植えの場合は、春の開花期が終わった後、やや日陰の涼しい場所に移動させるとよいでしょう。うまく夏越しさせると、秋に再び花が楽しめます。寒さにもそれほど強くはないので、地植えの場合は、霜が降りない場所が適しています。霜に当たると株が傷み、枯れないまでも翌シーズンの花つきが悪くなるので、寒冷地では敷き藁などの対策が必要です。 ポイントその2水やりと肥料 WDnet Creation/shutterstock.com 砂礫地に自生する植物だけに、やや乾いた状態を好むスイートアリッサム。地植えの場合は、水やりの必要はほとんどなく、雨が少ない季節のみ“気づいたらやる”程度がよいでしょう。鉢植えの場合も、鉢土の表面が完全に乾くのを確認してから水やりを。鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、次は乾燥するまで与えないのがコツです。とくに梅雨から夏にかけては、根腐れを起こしやすいので、水やりは控えめに。 どちらかといえば多肥を好むので、植え付けの際に元肥として緩効性の固形肥料を用土に混ぜておきましょう。さらに、開花期にはリン酸やカリの配合が高めの液体肥料を、1週間から10日に1度の目安で与えると、花が長く楽しめます。 ポイントその3病気や害虫 アブラナ科の植物を食害するコナガの幼虫と成虫。Tomasz Klejdysz/shutterstock.com 春から秋口はアブラムシやアオムシ類がつきやすいので、オルトラン粒剤などを月2回程度、表土にまいて予防しましょう。アブラナ科につきやすいコナガの幼虫も葉を食害するので、発生初期に薬剤で対処します。また湿度が高い季節には、白いカビが生えて茎が腐る菌核病も発生しやすくなります。下葉が黄変して株の勢いがなくなってきたら、菌核病の疑いが。放っておくと全体に広がり、やがて枯死してしまいます。病斑部を切り取り、ベンレート水和剤などで防除を。多湿の環境に発生しやすいので、早めに切り戻すなど、風通しをよくしておくと予防になります。 ポイントその4植え付けと植え替え Satyrenko/shutterstock.com 植え付けの適期は春と秋、霜の心配がなくなる3~4月、または暑さが落ち着く10月以降~11月中旬ぐらいまで可能です。丈夫で育てやすい植物なので、排水さえよければあまり土質は選びませんが、植える場所を事前に掘り起こし、腐葉土などを混ぜ込んでおけば、根の張りがよくなります。酸性の土壌を嫌うため、1㎡あたり70gを目安に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。枝葉を伸ばして広がるので、株と株の間は20cm以上あけるように。根が弱いので、ポットから抜くときに根鉢を崩さないように細心の注意を。寄せ植えなどの場合も、あらかじめ植える場所を決めておき、設置後はなるべく動かさないようにしましょう。乾燥に強い植物ですが、根が定着するまではしっかりと水やりをします。 鉢植えの場合は、赤玉土6、腐葉土3、川砂1の配分を参考に、水はけのよい用土を使用します。通常は一年草扱いのため、植え替えの必要はありませんが、スーパーアリッサムのように夏越しをさせやすい品種の場合は、下葉が枯れて草姿が乱れてきたら根詰まりのサイン。植え替えを行います。地上部を剪定して半分程度のボリュームに抑えたら、一回り大きな鉢に。根が傷むのを嫌うので、根鉢を崩さないように注意しましょう。 ポイントその5花後の剪定 開花期の剪定は、先端の花房が咲き終えた茎を選び、脇芽の出ている節の上で切り戻せばOK。さらに、夏越し前にはより強めの切り戻しを。開花期が終わり、草姿が乱れてきたら、草丈の1/2を目安に切り詰めましょう。“大株に仕立てて何年も楽しむ”ことができるスーパーアリッサムはもちろん、従来の一年草扱いの品種も、暑くなる前に剪定を行うことで、秋以降もう一度花を楽しむことができます。 知りたい! スイートアリッサムの増やし方「種まき」 Ken Schulze /shutterstock.com 日本では一年草として扱われることの多いスイートアリッサム。一般的な増やし方は「種まき」です。発芽適温は15~20℃、寒くなる前にしっかりと根を生やしておきたいので、9~10月中旬頃までが播種適期とされています。直根性で細根が張りにくく、移植を嫌うので、育苗ポットに直接播くのがベター。 ポットに種まき用土を詰めたら、事前に吸水させておきます。種子はとても小さいので、2つ折りにした紙に乗せ、粉をまくように振りかけると、一カ所にかたまらずに全面に播くことができます。風で飛んでしまわないように、室内や風よけのある場所で行いましょう。 種まきしたポットは風通しのよい場所に置き、水やりを続けますが、種子が流れてしまわないように霧吹きなどで。1週間程度で発芽してくるので、葉と葉が触れ合うようになったら、間引きを行い、最終的に数株を残して育てます。 発芽後は日当たりのよい場所に移して、月1回程度、薄めの液肥を与えます。草丈が5cm程度になったら、定植が可能ですが、寒さにあたると枯れてしまうので、植え付けは3月以降がよいでしょう。なお、春播きも可能ですが、根張りが遅くなるため、秋播きに比べると開花期のボリューム感は劣ります。 「株分け」よりは「挿し芽」のほうが増やしやすい 本来、多年性植物であるスイートアリッサムは、株分けや挿し芽といった栄養繁殖で増やすこともできます。根が弱いので、根土部分を分けての株分けではなく、茎を切って挿す「挿し芽」がおすすめです。 作業の適期は5月もしくは9月。生育の旺盛な茎を選び、5cm程度の長さに揃えて水に挿しておきます。用土は小粒の赤玉かバーミキュライトなど、肥料分を含まない種まきや挿し木専用の土も販売されています。ポットに詰めて十分に吸水させたら準備完了。数本をひとまとめにして挿すと、ボリュームのある株に育ちます。明るい日陰で風通しのよい場所に置き、水を切らさないように管理しましょう。とはいえ、発根しやすい植物ではないので、成功率はあまり高くないでしょう。 スイートアリッサムを育てて庭を華やかに彩ろう! Layue /shutterstock.com 真夏の高温期を除けば、3月から11月中頃までと、とても長い期間楽しめるスイートアリッサム。播種から育てた苗で、花壇を“お花畑”にしてみるのも素敵です。草丈が低く、大きく広がって花を咲かせる草姿は、プランターや吊り鉢、寄せ植えにしても映えます。好みや用途に応じて、お気に入りの品種を育ててみてはいかがでしょう。



















