スノーフレークという植物をご存知でしょうか。その名前の通り、白い小さな花を咲かせ、春の訪れを告げてくれる人気の花です。この記事では、スノーフレークの特性や魅力、詳しい育て方について、ご紹介していきます。球根の植え付け適期は、10〜11月です。

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スノーフレークとは

スノーフレーク

スノーフレークは、ヒガンバナ科スノーフレーク属(レウコユム属)の球根植物です。学名はLeucojum aestivum(レウコウム・アエスティウム)。和名は大待雪草(オオマツユキソウ)のほか、花がスズラン、葉がスズランに似ていることから鈴蘭水仙(スズランスイセン)とも呼ばれています。

スノーフレークの原産地は、中央ヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。そのため、特に鉢上げして暖かい場所に移動するなどの冬越し対策の必要はなく、地植えしたままで越冬できます。

地際からニラのような細長い葉を多数立ち上げ、開花期になると花茎を立ち上げた先に白い花を咲かせます。草丈は20〜50cmほどです。

どんな花を咲かせる?

スノーフレーク

スノーフレークは、30〜40cmほど伸ばした花茎の先端に、1〜4輪の花を連ねます。1.5cmほどのベル型の花が下向きに咲く姿は、可憐な印象です。花色は白で、花弁の先には切れ込みが入り、その縁には淡いグリーンのドットが入るのが特徴で、愛らしい姿が人気。自然界が生み出したデザインの妙といえますね。

スノーフレークのライフサイクル

スノーフレーク

スノーフレークは、秋植え春咲き球根植物に分類されています。スノーフレークのライフサイクルは、秋に球根を植え付け、発芽させます。暖かい場所に取り込んだりせずに寒さにあわせて管理し、越年して春の生育期を迎えるとスイッチが入り、茎葉や花茎が旺盛に伸びてきます。開花期は3〜5月頃で、白い花を次々と咲かせます。花が終わると葉だけが残り、6月頃になると葉が黄色く枯れ込んで地上部は姿を消し、休眠に入ります。ここで「枯れたから」といって処分しないでくださいね。夏を越えて涼しい秋になると、再び芽を出し始めます。一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれるライフサイクルの長い植物で、コストパフォーマンスが高いともいえます。大変丈夫な植物で、手をかけずに植えっぱなしにしていてもOK。ただし、大株に育って窮屈そうになってきたり、茂りすぎて邪魔になってきたりしたら、数年ごとに掘り上げて分球し、植え直すメンテナンスが必要です。

スノーフレークの名前の由来・花言葉

スノーフレークの花

スノーフレークの学名、Leucojum aestivum(レウコウム・アエスティウム)の「レウコユム」は「白いスミレ」という意味で、花が白色で、甘い香りを持っていることに由来します。「アエスティウム」は、「夏の」という意味があり、これは開花時期にちなんでいるそうです。

「スノーフレーク」とは、英語では「ひとひらの雪」という意味。したがってこの花の名前は、小さな白い花がちらちらと咲くことから、みずみずしいグリーンの葉に白い雪をひとひらずつ載せている姿をイメージして名付けられたものと考えられます。

スノーフレークの花言葉は、「純粋」「汚れなき心」「慈愛」「美」「皆を引きつける魅力」など。いずれもピュアホワイトの花色にイメージに添わせた言葉が並んでいますね。

スノードロップと間違われやすい?

スノーフレークとスノードロップ

この項目では、スノーフレークを取り上げていますが、スノードロップという花があるのをご存じでしょうか? じつはスノーフレークとスノードロップは、イメージが似ているために混同されやすいのです。ではここでハッキリしておきましょう!

スノーフレークは前述までのように、ニラに似た長い葉を放射状に伸ばし、3〜5月に花茎を伸ばしてベル型の花を数輪咲かせます。

一方スノードロップは、3枚ずつの長い外花被と、短い内花被の計6枚の花弁をもつ花姿をしています。スノーフレークとは花弁のつきかたは異なるですが、白い花であることや、サイズ感が同じくらいで、そのうえ内花被にグリーンのドットが入る特徴からスノーフレークと混同しやすいようです。

では、スノーフレークとスノードロップを見分けるために、違う点に着目してみましょう。スノードロップの開花期は2〜3月で、スノーフレークよりも少し早め。草丈は10〜20cmで、スノーフレークよりもかなり小ぶりです。葉も草丈にあった小ぶりな細長い葉で、ニラの葉に似ているとはいえません。それに花茎を伸ばした先に1花のみ、提灯を下げるように咲かせるのも、スノーフレークが数輪の花を連ねるのと決定的な違いといえるでしょう。これらの点に注目すれば、スノーフレークとスノードロップを見分けられるようになりますよ!

毒がある?

スノーフレーク

スノーフレークは、有毒植物として厚生労働省から注意喚起されている植物です。全草にリコリン、ガランタミン、タゼチンなどのアルカイドを持っています。葉がニラに似ていることから誤って食す例があるそうなので、菜園などの近くには植えないようにしましょう。食すと30分以内に発症し、吐き気、嘔吐、頭痛などの中毒症状が現れます。幼い子どもやペットのいる家庭では、誤って口に入れることのないように注意してください。

スノーフレークの育て方

ここまで、スノーフレークの基本情報や名前の由来・花言葉、取り扱いに注意したい点などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、スノーフレークの育て方についてご案内しましょう。球根の植え付けからスタートし、水やりや肥料、花がら摘みなど日頃の管理、増やし方などについて、詳しく解説していきます。

栽培場所

スノーフレーク

スノーフレークは、日なた〜半日陰で、風通しのよい場所を好みます。ただし、極端に日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が乱れたりするので注意しましょう。

スノーフレークは寒さに強く、地植えにしたままで冬越しできます。真夏の暑い時期は休眠するので、夏越し対策の心配もありませんが、鉢栽培にしている場合は涼しい半日陰に移動するとよいでしょう。

土壌は水はけ、水もちのよい、有機質に富むフカフカとした環境を好みます。また、酸性に傾いた土壌酸度を苦手とする傾向にあります。日本の土壌は酸性よりになりやすいので、あらかじめ石灰資材を散布して土づくりをし、土壌を中和しておくとよいでしょう。

土作り

土

【地植え】

スノーフレークは、酸性土壌を嫌う性質があるので、植え付けの2〜3週間前に苦土石灰を散布してよく耕し、土に混ぜ込んで土壌改良しておきましょう。同時に堆肥や腐葉土などを施してフカフカの土づくりをしておきます。土作りは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

植え付け

ガーデニング

スノーフレークの栽培は、花苗店やホームセンターなどで販売されている球根を入手し、植え付けることからスタートするのが一般的です。購入の際は、球根がふっくらとして充実し、重みのあるものを選ぶとよいでしょう。球根の植え付け適期は、10〜11月です。

球根ではなく開花株などの苗を入手した場合は、早めに植えたい場所に植え付けます。その場合は、植え付けの際に根鉢を崩さずにそのまま植え付けましょう。

【地植え】

土作りをしておいた場所に、深さ7〜8cmの穴を掘って植えつけます。複数個を植え付ける場合は、10㎝ほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

5〜6号鉢に5〜6球を目安に植え付けます。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。深さ5cmほどの穴を掘り、鉢内で等間隔を取って球根を植え付けます。鉢植えの場合は、密に植えたほうが花が咲いた時の見映えがよくなりますよ! 最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

水やり

水やり

株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

【地植え】

芽が出た後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

鉢栽培では乾きやすくなるので、日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

夏は葉を落として休眠するので、水やりを控えます。冬は、十分に気温が上がった真昼頃に水やりをしましょう。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

肥料

肥料

【地植え】

特に必要はありません。しかし、株の勢いがなく葉色が冴えないようであれば、液体肥料を与えて様子を見てください。

【鉢植え】

花が終わったあと、球根を太らせる目的で液体肥料を与えます。

花がら摘み、花後の管理、休眠・掘り上げ

剪定バサミ

【花がら摘み】

スノーフレークは花つきがよいので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【花後の管理】

スノーフレークの開花が終わった後は、ニラに似た細長い葉が地上に残ります。「邪魔になるからしばっておこう」と、ひもなどで小さくまとめる様子もしばしば見られますが、これはNGなんです! スノーフレークは花が終わった後に葉が光合成を行って、球根に養分を送って太らせることで、来年の春に再び花を咲かせるエネルギーにします。そのため、葉全体にしっかりと太陽の光に当てることが大切です。小さくまとめてしまうと葉に光が当たる部分が少なくなるので、光合成が十分に行えず、球根に養分が送られずに来年に咲く花も充実しなくなるので注意しましょう。ちなみに、鉢栽培での花後に与える肥料は、葉を十分に茂らせて球根を太らせるためです。

【休眠・掘り上げ】

スノーフレークは夏前になると葉が黄色くなり、地上部は枯れて休眠します。全体が枯れたら景観が悪くなるうえ、見映えが悪いので地際で刈り取りましょう。そのまま植えっぱなしにしてもかまいませんが「来春は別の場所で咲かせたい」という場合は、掘り上げて雨の当たらない風通しのよい場所で保存し、秋に植え付けます。

病害虫

【病気】

スノーフレークは、モザイク病にかかることがあります。

モザイク病は、ウイルスが原因で発症する病気です。症状は、花弁や葉に斑点が散らばり、まだら模様が出現。葉が縮れたり、黄変したりすることもあります。発症したら治療する方法はありません。病症を発見したらすぐに土ごと処分して、周囲に蔓延しないようにしましょう。

【害虫】

スノーフレークは毒草であることを前述しましたが、そのために虫がつきにくいことでも知られています。虫が苦手な方にはかえってメリットかもしれませんね。

増やし方

スノーフレークの球根

スノーフレークは球根植物で、地下の球根が分かれて増えていくので、掘り上げて分球して増やすことができます。大株に育って込み合っているようなら、一度掘り上げてみてください。適したタイミングは、地上部が枯れて休眠に入る6月頃です。たくさんついている球根を分けて、ネットなどに入れて風通しのよい半日陰などに吊り下げて保存を。10〜11月の球根植え付け適期に、植え直します。

初心者でも育てやすい!

スノーフレーク

ここまで、可憐な花を咲かせるスノーフレークの特性や魅力、豆知識、取り扱いに注意すべき点、育て方などについて、幅広く解説してきました。少しは親近感をもっていただけたでしょうか? スノーフレークは、植え付けた後は放任してもすくすくと育ち、毎年春の開花が楽しめる、ビギナーでも育てやすい植物です。ぜひ庭やベランダなどに迎え入れて、愛らしい姿を楽しんではいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考文献/
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スノーフレーク

Photo/ 1) Geza Farkas 2) Alex Manders 3) Alex Manders 4) Lonspera 5) Sarajaynephotography 6) weha 7) Real Moment 8) yakonstant 9) Shuang Li 10) blueeyes 11) OlegDoroshin 12) wavebreakmedia 13) Pawel Beres 14) mihalec 15) Sarycheva Olesia 16) Alex Manders/Shutterstock.com

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